JP2012075278A - 回転電機のロータ - Google Patents

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Abstract

【課題】磁石渦電流損失低減のために、強度的な低下を抑制しながらもq軸の磁気抵抗を高める構造を有する回転電機のロータの提供。
【解決手段】永久磁石により形成されるロータ磁極間Qでコア周方向に隣接する2つの永久磁石の間に設けられ、コア外周面からコア径方向内側へ延びる磁極間ブリッジ81と、磁極間ブリッジのコア径方向内側に形成された磁極間空隙部とを備えたロータ。磁極間空隙部7が、磁極間ブリッジの両側の永久磁石のそれぞれのコア径方向内側面に平行状に形成された平行状壁面71,72を有し、コア径方向内側面と平行状壁面との間に形成された内側ブリッジ82,83が、磁極間ブリッジのコア径方向内側端部に接続されていると共に、コア径方向内側面の延在方向に平行な方向の長さが当該延在方向に直交する方向の幅よりも長い形状とされている。
【選択図】図3

Description

本発明は、円筒状のコア外周面を有するロータコアと、当該ロータコアの内部に埋め込まれる複数の永久磁石とを備えるインナーロータ型の回転電機のロータに関する。
ロータ内部に永久磁石を埋め込んだ埋込磁石同期モータ(IPMSM)のトルクは、マグネットトルクとリラクタンストルクとを足し合わせたものとなり、リラクタンストルクはq軸インダクタンスとd軸インダクタンスとの差に比例し、マグネットトルクは埋設永久磁石によるステータ鎖交磁束に比例することが知られている。なお、ここで、d軸とはロータ磁極の方向に設定された軸であり、通常、N極の向きに設定される。また、q軸とは、d軸に対して電気角で90°進んだ方向に設定された軸であり、この種のロータでは隣接する2つのロータ磁極間、すなわちロータのN極とS極との間を通るように設定された軸である。従って、本明細書では、「d軸」と「ロータ磁極中心」とは同義として使用し、「q軸」と「ロータ磁極間」の中心とは同義として使用している。
ロータ磁極間(q軸)の両側でコア周方向に隣接する2つの前記永久磁石がコア径方向内側へ向うに従って互いの間隔が広くなるV字状に沿って永久磁石を埋め込んだ埋込磁石同期モータが特許文献1から知られている。このロータでは、複数の磁石挿入孔が回転軸の周りに環状に配置され、各磁石挿入孔には2つの永久磁石が挿入され、当該永久磁石の外周面側部分がロータコアの磁極となるように構成されている。また永久磁石の漏れ磁束を低減させるために、磁石挿入孔の周方向の端部には磁石端空隙部が形成されている。その際、q軸を挟んで両側に位置する磁石端空隙部の間に、q軸に沿って径方向に延びた磁極間ブリッジが形成されている。
ここで、リラクタンストルクを大きくするためには、磁極間ブリッジを通る磁束が多くなるようにすることが望ましい。しかしステータのティース間隔が広い場合などのように磁極間ブリッジを通るステータ側からのq軸磁束の変化が大きい場合には、ロータコア内の磁石における渦電流損が大きくなる。このような場合、q軸磁束に対する磁気抵抗を高くすることで渦電流損の低減が可能となる。そこで、q軸の磁気抵抗を高くするために、磁極間ブリッジを取り除くことが考えられる。しかし、そのような構成では、隣り合う磁石端空隙部が連通することになり、ロータコアの外周部において永久磁石を支えるブリッジの量が減少し、ロータの高速回転時における遠心力に対する強度的な問題が生じる可能性がある。
特開2009−273258号公報(段落番号0023−0032、図1)
上記実情に鑑み、ロータコア内の磁石における渦電流損の低減のために、ロータの強度的な低下を抑制しながらもq軸磁束に対する磁気抵抗を高める構造を有する回転電機のロータが要望されている。
本発明に係る円筒状のコア外周面を有するロータコアと、当該ロータコアの内部に埋め込まれる複数の永久磁石と、を備えるインナーロータ型の回転電機のロータの特徴構成は、ロータ磁極間でコア周方向に隣接する2つの前記永久磁石の間に設けられ、前記コア外周面からコア径方向内側へ延びる磁極間ブリッジと、前記ロータ磁極間における前記磁極間ブリッジのコア径方向内側に形成された磁極間空隙部とを備え、
前記磁極間空隙部が、前記磁極間ブリッジの両側の前記永久磁石のそれぞれのコア径方向内側面に平行状に形成された平行状壁面を有し、
前記コア径方向内側面と前記平行状壁面との間に形成された内側ブリッジが、前記磁極間ブリッジのコア径方向内側端部に接続されていると共に、前記コア径方向内側面の延在方向に平行な方向の長さが当該延在方向に直交する方向の幅よりも長い形状とされている点にある。
なお、本願において「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。また、本願において「コア径方向」とはロータコアの径方向のことであり、「コア周方向」とはロータコアの周方向のことでである。
本願において、平行状とは、厳密に平行であることを必要とせず、平行又はそれに近い状態にあることを表す。ここで平行に近い状態とは、例えば、平行に対してプラスマイナス20°以下で傾いている状態までを含むものと定義できる。
この特徴構成によれば、ロータ磁極間(q軸)を挟んで位置する2つの永久磁石の間に位置する磁極間(q軸)領域において、磁極間空隙部の存在によってq軸磁束に対する磁気抵抗を高めることができる。しかも、この磁極間空隙部の平行状壁面と永久磁石の径方向内側面とによって磁極間空隙部と永久磁石との間に内側ブリッジが形成されるので、q軸磁束に対する磁気抵抗を高めたことによるロータの強度低下が限定的なものとなる。さらには、この内側ブリッジが永久磁石のコア径方向内側面に沿って細長い、言い換えれば磁束通過幅の狭いブリッジとなっているので、永久磁石から出てくる磁束により磁気飽和を起こさせることが可能となる。この磁気飽和はステータからのq軸磁束が内側ブリッジを通ることを妨げるための磁気抵抗の増大に寄与する。その結果、磁石渦電流損が低減された回転電機のロータが実現する。
ここで、前記磁極間ブリッジに対してコア周方向一方側の前記永久磁石と前記磁極間空隙部との間に形成された前記内側ブリッジである第1内側ブリッジと、前記磁極間ブリッジに対してコア周方向他方側の前記永久磁石と前記磁極間空隙部との間に形成された前記内側ブリッジである第2内側ブリッジとが、前記ロータコアの軸心を通ると共に前記ロータ磁極間の中央を径方向に延びる基準面に対して互いに面対称に形成されていると好適である。
この構成では、磁極間空隙部の周方向で両側に2つの内側ブリッジ、つまり第1内側ブリッジと第2内側ブリッジとが面対称に形成されていることから、磁極間ブリッジと内側ブリッジによって支えられるロータコア外周部の動的安定性(高速回転に対する安定性)が確保される。
また、前記内側ブリッジの前記延在方向に直交する方向の幅が、前記永久磁石の前記延在方向に直交する方向の幅より小さくすると好適である。この構成によれば、永久磁石から出る磁束が内側ブリッジ内で狭められるので、磁気飽和が生じやすくなり、q軸磁束に対する磁気抵抗の増大に関して有利である。
さらに、前記ロータコアは、前記永久磁石が挿入される磁石挿入孔を備えると共に、当該磁石挿入孔に挿入された前記永久磁石の前記延在方向の端部から少なくともコア周方向に延びるように形成された磁石端空隙部を備え、前記磁極間ブリッジは、前記ロータコアの周方向に隣接する2つの前記磁石端空隙部の間に設けられると好適である。
この構成では、磁石端空隙部が永久磁石の漏れ磁束を抑制することができる。また、磁極間ブリッジが周方向に隣接する2つの磁石端空隙部の間に位置しているので、この磁極間ブリッジによって両側のロータコア外周部をバランスよく支えることができる。
さらに、前記ロータ磁極間でコア周方向に隣接する2つの前記永久磁石が、コア径方向内側へ向うに従って互いの間隔が広くなるV字状に沿って配置され、前記磁極間空隙部の2つの前記平行状壁面が、前記V字状に平行に形成されていると好適である。
この構成の採用により、磁束密度分布を正弦波分布に類似させることができ、コギングトルクの低減を図ることができる。
本発明に係るロータを構成要素とする回転電機の一部を示すの軸方向分断面図である。 図1による回転電機のロータとステータとを示す径方向断面図である。 部分拡大図を含むロータコアの一部を示す径方向部分断面図である。 別実施形態における図3に対応する径方向部分断面図である。 さらに別な実施形態における図3に対応する径方向部分断面図である。
本発明の実施形態に係る回転電機のロータについて図面を用いて説明する。図1は回転電機1の一部を示すの軸方向分断面図である。図2は回転電機1のロータ3とステータ2とを示す径方向断面図である。図1に示すように、この回転電機1は回転軸心Xを有する、埋込磁石構造の同期電動機(IPMSM)として構成されている。回転電機1はインナーロータ型であり、ケース本体10と当該ケース本体10の開口部を覆うカバー11とで形成される空間内に、ステータ2とロータ3とが収納され、ステータ2はケース本体10に固定されている。ロータ3は、略円筒状のロータコア4と、このロータコア4の軸方向両端側に取り付けられるエンドプレート31と、ロータ軸30とを備えている。ロータ軸30は一方をケース本体10に、他方をカバー11に、回転軸心X周りで回転可能に支持されている。ロータ軸30は、ロータコア4及びエンドプレート31をフランジと締結ボルト32を用いて固定し、ロータコア4及びエンドプレート31と一体回転する。ロータコア4は、薄板電磁鋼板などから打ち抜き加工等によって略円環板状に成形されたコア形成用打抜プレート(以下単にロータプレートと略称する)40を多数枚軸方向に積層することにより略円筒形状に構成されたものである。
以下、特に断らない限り、「軸方向」、「径方向」、「周方向」というときは、軸心Xの「軸方向」、「径方向」、「周方向」を指すものとする。
ステータ2は、図2から理解できるように、ステータコア20とステータコイル25とを有している。ステータコア20は、内周面側に周方向に一定間隔で複数のティース21を形成しており、そのティース21の間に溝状のスロット22を作り出している。ステータコイル25は、これら複数のスロット22内に巻装される。本実施形態では、ステータコア20は、複数枚の電磁鋼板を積層して構成されており、略円筒状に形成されている。
ロータ3には、図2において断面形状が示されているだけであるが、同じ形状寸法を有する第1の永久磁石51と第2の永久磁石52が対となって1つのロータ磁極を構成しており、それが円周方向に所定ピッチで埋め込まれている。各ロータ磁極を構成する第1の永久磁石51と第2の永久磁石52との対はd軸Dを挟んで径方向外側へ向かうに従って互いの間隔が広くなるV字状を形成するように配置されている。言い換えると、1つのロータ磁極を構成する第1の永久磁石51の径方向外側の端部と、このロータ磁極に隣接する他のロータ磁極を構成する第2の永久磁石52の径方向外側の端部とがq軸を挟んで近接しているとともに、第1の永久磁石51と第2の永久磁石52とはロータコア4の径方向内側へ向うに従って互いの間隔が広くなるV字状に沿って配置されている。図2から明らかなように、d軸Dを挟んで配置される各ロータ磁極を構成する第1の永久磁石51と第2の永久磁石52との対がなす角度は、q軸Qを挟んで配置される第1の永久磁石51と第2の永久磁石52とがなす角度より大きくなっている。
なお、以下では、一つのロータ磁極を構成する第1の永久磁石51と第2の永久磁石52との対を磁極磁石対と呼称する。なお、特に区別する必要がない場合には、第1の永久磁石51と第2の永久磁石52のそれぞれを単に永久磁石5と呼ぶこともある。
ロータコア4の外周部をロータ磁極として機能させるために、各ロータ磁極を構成する2つの永久磁石5の磁極面は、互いに同じ磁極(N極又はS極)を径方向外側に向けて配置されている。すなわち、各ロータ磁極を構成する、第1の永久磁石51と第2の永久磁石52とが同じ極性の磁極面をステータ2に向けて配置されている。第1の永久磁石51と第2の永久磁石52とからなる磁極磁石対は、ステータ2の方を向いた磁極面が周方向に沿って順次極性を変えるように(N極・S極・N極・・・)配設されている。従って、
1つのロータ磁極を構成する磁極磁石対とこれに隣接するロータ磁極を構成する磁極磁性対の間であるロータ磁極間の中央を径方向に向かって延びる線に沿ってq軸Qが定義される。また、各ロータ磁極を構成する磁極磁石対の中央(各ロータ磁極を構成する第1の永久磁石51と第2の永久磁石52との間の中央)を径方向に向かって延びる線に沿ってd軸D、すなわちロータ磁極中心が定義される。
ロータコア4は、その径方向中心部に、ロータ軸30を貫通させる中心孔41と、前記中心孔41と磁石5との間の領域に締結ボルト32を貫通させるために周方向に分布した複数の貫通孔42とを有している。永久磁石5を上述したような配置パターンでロータコア4に埋め込むために、径方向外側部分に磁石挿入孔6が形成されている。磁石挿入孔6には、永久磁石5(正確には第1永久磁石51と第2永久磁石52)が実質的にぴったりと挿入されるので、永久磁石5に配置に関して上述したことが全て、磁石挿入孔6に対しても流用することができる。従って、磁石挿入孔6も永久磁石5と同様に、周方向に沿って繰り返されるV字状パターンで配置されている。
図3から明らかなように、磁石挿入孔6に挿入された永久磁石5の延在方向の端部から少なくともコア周方向に、ここでは永久磁石5の延在方向(長手方向)に沿って、磁石挿入孔6から連続している磁石端空隙部60が形成されている。磁石端空隙部60の輪郭は、先端部61が丸くなっている半楕円形状であるが、磁石挿入孔6と接続するロータコア径方向内側の部分に永久磁石5の端部を保持する段部62が形成されている。ここでは、磁石挿入孔6の延在方向両側に、磁石端空隙部60が形成されている。
磁極間ブリッジ81は、ロータ磁極間でコア周方向に隣接する2つの永久磁石5の間に設けられ、コア外周面からコア径方向内側へ延びている。本願実施形態では、ロータコア4の周方向に隣接するコア径方向外側の2つの磁石端空隙部60の間に、ロータコア4の外周面からコア径方向内側へ延びる磁極間ブリッジ81が作り出されている。すなわち、磁極間ブリッジ81はロータコア4の外周面と、ロータコア4における永久磁石5よりもコア径方向内側の領域とをつなぐ橋状に形成されている。
磁極間空隙部60はロータ磁極間(q軸Q)における磁極間ブリッジ81のコア径方向内側に形成されている。より詳しくは、ロータ磁極間を挟んで位置する2つの永久磁石5のコア径方向内側面5A、つまり2つの磁石挿入孔6のコア径方向内側面によって作り出される三角形状領域に実質的に三角形状の磁極間空隙部7が形成されている。そして、磁極間空隙部7のほぼ中央を磁極間の中心線すなわちq軸Qが通っている。
磁極間空隙部7は、永久磁石5のそれぞれのコア径方向内側面5Aに平行状に形成された第1平行状壁面71と第2平行状壁面72を有している。この第1平行状壁面71と第2永久磁石52のコア径方向内側面5Aとの間に第1内側ブリッジ82が形成され、この第2平行状壁面72と第1永久磁石51のコア径方向内側面5Aとの間に第2内側ブリッジ83が形成されされている。
第1平行状壁面71と第2平行状壁面72とはV字状の境界壁面を作り出している。すなわち、ロータ磁極間でコア周方向に隣接する2つの永久磁石5が、コア径方向内側へ向うに従って互いの間隔が広くなるV字状に沿って配置され、磁極間空隙部60の2つの平行状壁面である第1平行状壁面71と第2平行状壁面72とが、V字状に平行に形成されている。さらに、コア径方向内側面と平行状壁面(第1平行状壁面71と第2平行状壁面72)との間に形成された内側ブリッジ(第1内側ブリッジ82と第2内側ブリッジ83)が、磁極間ブリッジ81のコア径方向内側端部に接続されている。より詳しくは、磁極間ブリッジ81と第1内側ブリッジ82及び第2内側ブリッジ83とは、q軸Qを挟んでコア周方向に隣接する2つの永久磁石5の先端間において接続している。
なお、第1内側ブリッジ82と第2内側ブリッジ83とは、永久磁石5のコア径方向内側面5Aの延在方向Yに平行な方向の長さが当該延在方向Yに直交する方向の幅Wよりも長い形状となっている。また、両内側ブリッジ82と83の延在方向Yに直交する方向の幅Wが、永久磁石の延在方向Yに直交する方向の幅Tより小さく設定されている。このことは、第1内側ブリッジ82と第2内側ブリッジ83とが、延在方向Yに沿って細長い形状であることを意味している。この細長い形状は、この第1内側ブリッジ82と第2内側ブリッジ83とにおいて、永久磁石5から出る磁束が磁気飽和を起こすに十分な形状である。これにより、ステータ2からのq軸磁束が第1内側ブリッジ82及び第2内側ブリッジ83を通ることが妨げられる。なお、本例では第1内側ブリッジ82及び第2内側ブリッジ83は、コア軸方向に直交する断面の形状が一定幅の帯状となるように形成されている。さらに第1内側ブリッジ82と第2内側ブリッジ83とが、ロータコア4の軸心Xを通ると共に磁極間の中央であるq軸Qに沿って径方向に延びる基準面に対して互いに面対称に形成されている。
以上の説明から明らかなように、本発明の重要な点は、ロータコア4の外周側において永久磁石5の間に形成されているq軸磁束を通すq軸ブリッジとなる磁極間ブリッジ81に対してコア径方向内側に磁極間空隙部7が形成されることである。
〔別実施形態〕、
(1)図4には、別実施形態として、永久磁石5の配置パターンが上述したV字状ではなく、下辺付きV字状あるいはC字状であるものが示されている。この別実施形態でも、磁極間ブリッジ81、磁極間空隙部7、第1内側ブリッジ82、第2内側ブリッジ83の形状や配置は実質的に先の実施形態と同じである。つまり、磁極間ブリッジ81はロータ磁極間でコア周方向に隣接する2つの永久磁石5の間に設けられ、コア外周面からコア径方向内側へ延びている。より詳しくは、隣り合う磁石端空隙部60の間に磁極間ブリッジ81が形成され、この磁極間ブリッジ81のコア径方向内側に磁極間空隙部7が形成されている。さらに、磁極間空隙部7と永久磁石5との間に第1内側ブリッジ82と第2内側ブリッジ83とが同所で磁気飽和を生じさせるような断面を有するように形成されている。ここでも、磁極間空隙部7はq軸磁束の抵抗として効果的であり、内側ブリッジ82と第2内側ブリッジ83とは、磁石磁束を飽和させることで、q軸磁束が追加的に通ることを抑制している。
(2)本発明は、上述したような、永久磁石5のV字状配置に限定されるわけではない。例えば、図5には、永久磁石5の延在方向(長手方向)がロータコア4の外周面に平行に配置されたロータ3が示されている。永久磁石5を保持するための磁石挿入孔6とその磁石挿入孔6の両側に接続された磁石端空隙60が周方向に沿って形成されている。本例では、1つの永久磁石5が1つのロータ磁極を構成している。その結果、コア周方向に隣接する2つの永久磁石5の間、つまり隣接する磁石端空隙60の間に磁極間ブリッジ81が形成されている。そして、この磁極間ブリッジ81のコア径方向内側に磁極間空隙部7が形成されている。本例では、永久磁石5のコア径方向内側面5Aが円弧状断面を有し、磁極間空隙部7が当該コア径方向内側面5Aに平行状に形成された平行状壁面を有する。磁極間空隙部7は周方向に延びた円弧状帯状断面を有する形状となっている。この場合、第1内側ブリッジ82と第2内側ブリッジ83とが1本の円弧帯状断面を有して連続する形状とされている。
(3)磁極間空隙部7の形状は、上述した形態以外に改変可能である。例えば、台形、ひし形、円形、楕円形なども使用可能である。
(4)上述した実施の形態では、第1内側ブリッジ82と第2内側ブリッジ83とが、ロータコアの軸心Xを通ると共にロータ磁極間の中央を径方向に延びる基準面に対して互いに面対称に形成されていたが、本発明は、そのような面対称の形成に限定されているわけではなく当該基準面に関して非対称であってもよい。
(5)さらに、第1内側ブリッジ82及び第2内側ブリッジ83が内側ブリッジの延在方向に直交する方向の幅が、永久磁石5の延在方向に直交する方向の幅より小さいことが好ましいが、第1内側ブリッジ82及び第2内側ブリッジ83の当該幅が永久磁石5の当該幅が以上であってもよい。
(6)上述した実施の形態では、磁石挿入孔6の延在方向両端側には磁石端空隙部60が形成されていたが、この磁石端空隙部60は本発明において必須ではなく、どちらか一方だけでもよいし、両方を省略してもよい。
(7)ロータコア4が電磁鋼板の積層でなく、磁性粉体を加圧成形してなる圧粉磁心など、他の材料を用いてロータコア4を構成してもよい。
(8)本発明において、磁極間空隙部7は、磁極間ブリッジの両側の永久磁石5のそれぞれのコア径方向内側面5Aに平行状に形成された平行状壁面71、72を有すると規定されている。但し、本願では、この平行状という語句は広い範囲で解釈されるべきものであり、完全な平行から、プラスマイナス20°以下の傾き誤差までは許容されるものである。但し、内側ブリッジ82、83の機能を良好に確保するためには、これらの傾きは、好ましくは10°以下であり、さらに好ましくは5°以下であると好適である。また、コア径方向内側面5Aや平行状壁面71、72の表面形状に関しても平坦に限定されているわけではなく、波形やその他の凹凸形状も含まれている。さらにその表面形状が平面に限定されておらず、湾曲面も上記平行度の条件下で許容される。
本発明による回転電機のロータは、電気自動車やハイブリッド自動車などの車両搭載回転電機だけでなく、種々の目的で利用されている回転電機のロータに適用可能である。
2:ステータ
3:ロータ
4:ロータコア
40:ロータプレート
5:永久磁石
51:第1の永久磁石(永久磁石)
52:第2の永久磁石(永久磁石)
6:磁石挿入孔
60:磁石端空隙部
7:磁極間空隙部
81:磁極間ブリッジ
82:第1内側ブリッジ
83:第2内側ブリッジ
Q:磁極間(q軸)

Claims (5)

  1. 円筒状のコア外周面を有するロータコアと、当該ロータコアの内部に埋め込まれる複数の永久磁石と、を備えるインナーロータ型の回転電機のロータであって、
    ロータ磁極間でコア周方向に隣接する2つの前記永久磁石の間に設けられ、前記コア外周面からコア径方向内側へ延びる磁極間ブリッジと、
    前記ロータ磁極間における前記磁極間ブリッジのコア径方向内側に形成された磁極間空隙部と、を備え、
    前記磁極間空隙部が、前記磁極間ブリッジの両側の前記永久磁石のそれぞれのコア径方向内側面に平行状に形成された平行状壁面を有し、
    前記コア径方向内側面と前記平行状壁面との間に形成された内側ブリッジが、前記磁極間ブリッジのコア径方向内側端部に接続されていると共に、前記コア径方向内側面の延在方向に平行な方向の長さが当該延在方向に直交する方向の幅よりも長い形状とされている回転電機のロータ。
  2. 前記磁極間ブリッジに対してコア周方向一方側の前記永久磁石と前記磁極間空隙部との間に形成された前記内側ブリッジである第1内側ブリッジと、前記磁極間ブリッジに対してコア周方向他方側の前記永久磁石と前記磁極間空隙部との間に形成された前記内側ブリッジである第2内側ブリッジとが、前記ロータコアの軸心を通ると共に前記ロータ磁極間の中央を径方向に延びる基準面に対して互いに面対称に形成されている請求項1に記載の回転電機のロータ。
  3. 前記内側ブリッジの前記延在方向に直交する方向の幅が、前記永久磁石の前記延在方向に直交する方向の幅より小さい請求項1又は2に記載の回転電機のロータ。
  4. 前記ロータコアは、前記永久磁石が挿入される磁石挿入孔を備えると共に、当該磁石挿入孔に挿入された前記永久磁石の前記延在方向の端部から少なくともコア周方向に延びるように形成された磁石端空隙部を備え、
    前記磁極間ブリッジは、前記ロータコアの周方向に隣接する2つの前記磁石端空隙部の間に設けられている請求項1から3のいずれか一項に記載の回転電機のロータ。
  5. 前記ロータ磁極間でコア周方向に隣接する2つの前記永久磁石が、コア径方向内側へ向うに従って互いの間隔が広くなるV字状に沿って配置され、
    前記磁極間空隙部の2つの前記平行状壁面が、前記V字状に平行に形成されている請求項1から4のいずれか一項に記載の回転電機のロータ。
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