JP2012072741A - 燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】デポジット堆積条件である場合に、噴孔に大量の燃焼ガスが流入してデポジットが生成されるのを防ぐのに好適な燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
サック部及び前記サック部と燃焼室とを連通する通路である噴孔を備えている燃料噴射弁の制御装置において、燃料に金属成分が含まれているか否かを検知する金属成分検知手段と、前記燃料噴射弁の先端部の温度を推定する燃料噴射弁温度推定手段と、を備えており前記噴孔にデポジットが堆積する条件である前記金属成分検知手段が燃料に金属成分が含まれていることを検知し、さらに前記燃料噴射弁温度推定手段が推定した温度が所定値以上である場合、前記燃料噴射弁が膨張行程の後期に燃料を噴射するように制御する。


【選択図】図4

Description

この発明は、燃料噴射制御装置に係り、より具体的には、車両に搭載するのに好適な燃料噴射制御装置に関する。
従来、噴孔を備えた燃料噴射弁が知られている(例えば、特開2010−180763参照。)。この燃料噴射弁の先端部には、サック部と、サック部に連通する通路である噴孔が設けられている。
特開2010−180763号公報
しかしながら、上記従来技術では、燃料噴射後に発生する燃焼ガスが少量だけ噴孔に流入する。噴孔に流入した燃焼ガスは、サック部へと侵入する。膨張行程では、ピストンが下降して燃焼室は減圧される。燃焼室とサック部は連通しているためサック部も減圧される。そのため、サック部に侵入した燃焼ガスは減圧される。減圧した燃焼ガスは膨張する。膨張した燃焼ガスは、サック内部の燃料の一部を押し出す。燃料が押し出されると、サック部の一部が空部となる。一部が空部となるため、燃焼室とサック部との間で気体の流れが生じる。この気体の流れにより、噴孔に大量の燃焼ガスが流入してしまう。
ところで、燃料中には金属成分(Zn、Caなど)が混入している場合がある。燃料の一部は、燃料噴射後に噴孔に残留する。残留した燃料に、熱が加わることにより金属成分がイオン化する。イオン化した金属成分と、燃焼ガスが反応することによりデポジットが生成される。そのため、従来技術では、燃料中に金属成分(Zn、Caなど)が混入し、燃料噴射弁の先端温度が高くなるような条件(以下、デポジット堆積条件)において、噴孔に大量の燃焼が流入してデポジットが生成されるという問題がある。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、デポジット堆積条件である場合に、噴孔に大量の燃焼ガスが流入してデポジットが生成されるのを防ぐのに好適な燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記目的を達成するため、燃料噴射制御装置であって、
サック部及び前記サック部と燃焼室とを連通する通路である噴孔を備えている燃料噴射弁の制御装置において、
燃料に金属成分が含まれているか否かを検知する金属成分検知手段と、
前記燃料噴射弁の先端部の温度を推定する燃料噴射弁温度推定手段と、
を備えており
前記金属成分検知手段が燃料に金属成分が含まれていることを検知し、さらに前記燃料噴射弁温度推定手段が推定した温度が所定値以上であると前記燃料噴射制御装置が判断した場合、前記燃料噴射弁が膨張行程の後期に燃料を噴射するように制御することを特徴とする。
第1の発明によれば、膨張行程後期に燃料を噴射するため、燃料の押し出しにより空部となったサック内部を、燃料で満たすことができる。サック部が燃料で満たされているため、気体の流れが生じない。その結果、噴孔に大量の燃料ガスが流入してデポジットが生成されるのを抑制することができる。
実施の形態1.
以下に、本発明の実施の形態1にかかる燃料噴射制御装置を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の実施の形態1を備えたディーゼルエンジンの全体の構成を示す図である。図に示すように、エンジン本体30には4つの気筒が一列に配置されている。各気筒には燃料を噴射する燃料噴射弁32が設けられている。燃料噴射弁32はECU34により制御されている。ECU34には、金属成分検知センサ44、エアフローメータ、吸気温度センサ、吸気圧センサ、アクセル開度センサ、エンジン水温センサ、クランク角センサ、筒内圧センサ、コモンレール圧センサ、からの出力信号が、制御データとして入力される。金属成分検知センサ44は金属成分検知手段として機能する。ECU34は燃料噴射弁推定手段、燃料噴射制御装置として機能する。また燃料噴射弁32は、燃料供給管36を介して、コモンレール38と接続している。コモンレール38は燃料噴射弁32に高圧燃料を供給する。コモンレール38はサプライポンプ40から燃料が供給される。サプライポンプ40は燃料タンク内に蓄えられた燃料を所定の燃圧まで加圧する。
図2は、本発明の実施の形態1が制御する燃料噴射弁32の先端断面図である。燃料噴射弁32は、ノズルボディ10を備える。ノズルボディ10は、内部に円筒形状の空間が形成されている。ノズルボディ10には、ニードル弁20が設けられている。ノズルボディ10の先端部にはサック部22が設けられている。サック部22は、燃料受け部として機能する。サック部22には、燃料を噴射させる噴孔24が形成されている。燃料はサック部22、噴孔24を通過して噴射される。燃料噴射後、サック部22は燃料で満たされる。図示しないが、ノズルボディ12の先端部は燃焼室に突出するようにシリンダヘッドに取り付けられている。
ところで、燃料噴射弁32には、噴孔24にデポジットが生成される問題がある。デポジットが生成されることにより、燃料噴射弁32の噴射量が低下する。デポジットの生成メカニズムは、次のように推定される。燃料噴射後に燃料の一部が噴孔24に残留する。燃料中に金属成分(Zn、Caなど)が含まれている場合、金属成分に熱が加わることにより、金属成分がイオン化する。イオン化した金属成分に燃焼ガスが加わることで噴孔24にデポジットが生成される。
本発明の実施の形態1における燃料噴射弁32では、サック部22と噴孔24とが連通しているため、燃料噴射後にごく少量の燃焼ガスがサック部22へ侵入する。図3はクランク角度に応じた燃焼室の圧力推移を示した図である。図に示したとおり、膨張行程(クランク角度0〜90)では燃焼室は減圧となる。そのため、サック部22へ侵入した燃焼ガスが、膨張行程での減圧に伴い膨張する。膨張した燃焼ガスがサック部22に残留している燃料を押し出す。サック部22が空部となり、気体の流れが生じる。そのため、大量の燃焼ガスが噴孔24へ流入する。上述したとおり、燃料中に金属成分(Zn、Caなど)が混入し、燃料噴射弁32の先端温度が高くなるような条件に、燃焼ガスが加わることにより、デポジットが生成される。よって、噴孔24にデポジットが生成される。
そこで、本発明の実施の形態1では、噴孔24に大量の燃焼ガスが流入しないように、膨張行程後期に燃料を噴射している。燃料を噴射することにより、空部となったサック部22を燃料で満たす。また、膨張行程後期では、図4に示すように減圧が微量となる。そのため、燃焼ガスが、サック部22の燃料を押し出すほど膨張しない。よって、サック部22を燃料で満たし続ける。サック部22が燃料で満たされているため、噴孔24とサック部22とで気体の流れが生じない。
以下、大量の燃焼ガスが噴孔24へと流入するのを抑制するための燃料噴射制御装置による制御のフローチャートを具体的に説明する。図4は燃料噴射弁32の噴射制御フローである。
ステップ100では、噴孔24へデポジットが堆積する条件か否かの判定をする。具体的には、金属成分検知センサ44を用いて燃料に金属成分が混入しているか否かを検知する。検知した信号はECU34に入力される。また、各種エンジンパラメータからの出力がECU34に入力される。入力された信号からECU34が燃料噴射弁32の先端温度Tnzを推定する。燃料噴射量をQi[mm3/st]、着火時期をIGT[ATDC]、燃料噴射圧力をPi[MPa]、機関回転数をNE[rpm]、C1〜C4を定数、と定めた場合に、燃料噴射弁32の先端温度Tnzは次式で表される。
Tnz=C1・NE+C2・Qi+C3・IGT+C4・Pi
推定した燃料噴射弁の先端温度Tnzが所定値よりも高いか否かを判定する。燃料に金属成分が混入していることが検知され、さらに燃料噴射弁の先端温度Tnzが所定値よりも高いとECU34が判定した場合は、噴孔24へデポジットが堆積する条件であると判定する。デポジット堆積条件と判定された場合は、ステップ102へ進む。
ステップ102では、膨張行程噴射が車両の性能に悪影響を及ぼさないか否かを判定する。具体的には、車両の負荷状況が高負荷である場合は、車両の性能に悪影響を及ぼさないと判定される。また、触媒再生中か否かで判定してもよい。性能への影響無しと判定された場合は、ステップ104へ進む。
ステップ104では、燃料噴射弁32が膨張行程後期噴射をするように、ECU34は燃料噴射弁32に対して指令を出す。そして、フロー終了となる。
上述のように、実施の形態1によれば、デポジット堆積条件において、膨張行程後期に燃料を噴射することができる。そのため、デポジット堆積条件であっても、燃焼ガスが噴孔へ流入することを防ぐことができ、デポジットの堆積を抑制することができる。
本発明の実施の形態1を備えたディーゼルエンジンの全体の構成を示す図である。 本発明の実施の形態1が制御する燃料噴射弁32の先端断面図である。 クランク角度に応じた燃焼室の圧力推移を示した図である。 燃料噴射弁の噴射制御フローである。
10…ノズルボディ、20…ニードル、22…サック部、24…噴孔、30…エンジン本体、32…燃料噴射弁、34…ECU、36…燃料供給管、38…コモンレール、40…サプライポンプ、42…燃料タンク、44…金属成分検知センサ

Claims (1)

  1. サック部及び前記サック部と燃焼室とを連通する通路である噴孔を備えている燃料噴射弁の制御装置において、
    燃料に金属成分が含まれているか否かを検知する金属成分検知手段と、
    前記燃料噴射弁の先端部の温度を推定する燃料噴射弁温度推定手段と、を備えており
    前記噴孔にデポジットが堆積する条件である前記金属成分検知手段が燃料に金属成分が含まれていることを検知し、さらに前記燃料噴射弁温度推定手段が推定した温度が所定値以上である場合、
    前記燃料噴射弁が膨張行程の後期に燃料を噴射するように制御することを特徴とする燃料噴射弁の制御装置。
JP2010219585A 2010-09-29 2010-09-29 燃料噴射制御装置 Pending JP2012072741A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014196684A (ja) * 2013-03-29 2014-10-16 株式会社日本自動車部品総合研究所 燃料噴射ノズル

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