JP2012071841A - ボトル - Google Patents

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Shinichi Tabata
真一 田端
Yuichi Okuyama
雄一 奥山
Tomoyuki Ozawa
知之 小澤
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Abstract

【課題】加熱殺菌処理が施されたとき、あるいは高温の内容物が充填されたときに、底壁部の窪み部を下方に向けて膨出変形させ難くする。
【解決手段】合成樹脂材料で有底筒状に形成されたボトル1であって、その底部14の底壁部16のうち、外周縁部はボトル周方向に延びる接地部17とされるとともに、該接地部17よりボトル径方向の内側に位置する部分は上方に向けて窪む窪み部18とされ、該窪み部18を画成する壁部のうち、接地部17にボトル径方向の内側から連なり上方に向けて延びる側壁部19は、熱結晶化処理されて白化している。
【選択図】図1

Description

本発明は、ボトルに関するものである。
従来から、合成樹脂材料で有底筒状に形成されたボトルとして、底部の底壁部のうち、外周縁部がボトル周方向に延びる接地部とされ、かつ該接地部よりボトル径方向の内側に位置する部分は上方に向けて窪む窪み部とされた構成が知られている。
このボトルに、例えば果汁入り飲料や乳製品等が充填されて、加熱殺菌処理が施された場合、あるいは高温の内容物が充填された場合に、底壁部の窪み部が、該ボトルを自立不能にする程度まで、下方に向けて膨出変形するおそれがあった。
このような問題を解決するための手段として、例えば下記特許文献1に示されるように、底壁部の接地部を、ブロー成形時に延伸配向させて結晶化した構成が知られている。
特開2005−104500号公報
しかしながら、前記従来のボトルでは、加熱殺菌処理が施されたとき、あるいは高温の内容物が充填されたときに、底壁部の窪み部を下方に向けて膨出変形させ難くすることについて改善の余地があった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、加熱殺菌処理が施されたとき、あるいは高温の内容物が充填されたときに、底壁部の窪み部を下方に向けて膨出変形させ難くすることができるボトルを提供することを目的とする。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明のボトルは、合成樹脂材料で有底筒状に形成されたボトルであって、その底部の底壁部のうち、外周縁部はボトル周方向に延びる接地部とされるとともに、該接地部よりボトル径方向の内側に位置する部分は上方に向けて窪む窪み部とされ、該窪み部を画成する壁部のうち、前記接地部にボトル径方向の内側から連なり上方に向けて延びる側壁部は、熱結晶化処理されて白化していることを特徴とする。
本発明によれば、窪み部を画成する側壁部が熱結晶化処理されて白化しているので、加熱殺菌処理が施されたり、あるいは高温の内容物が充填されたりしても、この側壁部が軟化するのを抑制することが可能になり、窪み部を下方に向けて膨出変形させ難くすることができる。
ここで、前記窪み部は、該ボトルの底面視で円形状をなす凹曲面状に形成されてもよい。
この場合、窪み部が、ボトルの底面視で円形状をなす凹曲面状に形成されているので、前記側壁部を全域にわたって均質に熱結晶化処理し易くなり、前述の作用効果が確実に奏功されることとなる。
また、前記側壁部の密度が1.334g/cm以上となってもよい。
この場合、側壁部の密度が1.334g/cm以上となっているので、底壁部のうち、このボトルの自立時に接地面に当接する接地部の柔軟性を維持することで該接地部が例えば割れ易くなることを抑えつつ、前述の作用効果を確実に奏功させることができる。
さらに、前記接地部は、熱結晶化処理されず実質的に白化していなくてもよい。
この場合、接地部が、熱結晶化処理されず実質的に白化していないので、接地部の柔軟性を確実に維持することができる。
なお、接地部が実質的に白化していないとは、目視によって、接地部に局所的に白化している箇所が確認されることはあっても、接地部が全域にわたって白化していることが確認される場合がないことを意味している。
さらにまた、前記側壁部は、下方から上方に向かうに従い漸次縮径し、前記窪み部を画成する壁部のうち、前記側壁部の上端に接続された頂壁部は、熱結晶化処理されず実質的に白化していなくてもよい。
この場合、頂壁部が、熱結晶化処理されず実質的に白化していないので、例えば落下した際の衝撃等により、該頂壁部に損傷が生じることが抑えられる。
本発明によれば、加熱殺菌処理が施されたとき、あるいは高温の内容物が充填されたときに、底壁部の窪み部を下方に向けて膨出変形させ難くすることができる。
本発明に係る一実施形態として示したボトルの一部断面側面図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について説明する。
本実施形態に係るボトル1は、図1に示されるように、口部11、肩部12、胴部13および底部14を備え、これら11〜14が、それぞれの中心軸線を共通軸上に位置させた状態で、この順に連設された概略構成となっている。
以下、前記共通軸をボトル軸Oといい、ボトル軸O方向に沿って口部11側を上側、底部14側を下側といい、また、ボトル軸Oに直交する方向をボトル径方向といい、ボトル軸Oを中心に周回する方向をボトル周方向という。
なお、このボトル1は、射出成形により有底筒状に形成されたプリフォームが、ブロー成形されて形成され、合成樹脂材料で一体に形成されている。また、口部11には、図示されないキャップが螺着される。さらに、口部11、肩部12、胴部13および底部14はそれぞれ、ボトル軸Oに直交する横断面視形状が円形状となっている。
胴部13は筒状に形成され、ボトル軸O方向の両端部同士の間は、これら両端部より小径に形成されている。
底部14は、周壁部15と、該周壁部15の下端開口部を閉塞する底壁部16と、を有するカップ状に形成され、周壁部15の上端開口部が、胴部13の下端開口部に接続されている。
周壁部15は、上方から下方に向かうに従い漸次縮径している。
底壁部16のうち、外周縁部はボトル周方向に延びる接地部17とされるとともに、該接地部17よりボトル径方向の内側に位置する部分は上方に向けて窪む窪み部18となっている。接地部17は、周壁部15の下端部にボトル径方向の内側から接続されている。窪み部18は、このボトル1の底面視で円形状をなす凹曲面状に形成されている。
窪み部18は、接地部17にボトル径方向の内側から連なり上方に向かうに従い漸次縮径され、かつボトル周方向に沿って延びる側壁部19と、側壁部19の上端に接続されボトル軸Oと同軸に位置する板状の頂壁部20と、により画成されている。
ここで、前述のプリフォームの底部における径方向の中央部は、該プリフォームが射出成形される金型のキャビティのうち、溶融樹脂が射出されるゲートが開口するゲート部分で成形され、かつ該プリフォームがブロー成形されたときにボトル1の窪み部18における頂壁部20となる。そして、この頂壁部20には、一般に前記ゲートの跡が付いている。
また、前述のボトル1のうち、肩部12と、胴部13と、底部14の周壁部15および接地部17と、は、一対の縦割り金型により成形され、底部14の窪み部18における側壁部19は、一対の縦割り金型に下方から着脱可能に装着される底金型により成形され、底部14の窪み部18における頂壁部20は、底金型より熱伝導率の低い材質で形成されかつ該底金型に貫設されたピン体により成形される。
そして本実施形態では、窪み部18を画成する側壁部19が、熱結晶化処理されて白化している。
また、側壁部19の密度は1.334g/cm以上となっている。なお、密度は、JIS K 7112に規定されている密度勾配管法に準拠して測定される。
さらに、接地部17は、熱結晶化処理されず実質的に白化していない。本実施形態では、頂壁部20も、熱結晶化処理されず実質的に白化していない。さらに本実施形態では、肩部12、胴部13および底部14のうち、側壁部19のみが全域にわたって熱結晶化処理されて白化し、その他の部分は熱結晶処理されず実質的に白化していない。
ここで、実質的に白化していないとは、目視によって、該当部分に局所的に白化している箇所が確認されることはあっても、該当部分が全域にわたって白化していることが確認される場合がないことを意味している。
このようなボトル1は、ブロー成形時に、肩部12、胴部13および底部14のうち、側壁部19を成形する底金型を、他の部分を成形する一対の縦割り金型およびピン体よりも高温で、かつ合成樹脂材料が熱結晶化する温度まで加熱するとともに、一対の縦割り金型およびピン体では合成樹脂材料が熱結晶化しない温度に設定することで形成される。
ここで、頂壁部20を成形するピン体は、側壁部19を成形する底金型と別体とされて、該底金型を形成する材質よりも熱伝導率が低い材質で形成されているので、ピン体は、底金型よりも低温でかつ合成樹脂材料が熱結晶化しない温度に保持できる。
以上説明したように、本実施形態によるボトル1によれば、窪み部18を画成する側壁部19が熱結晶化処理されて白化しているので、加熱殺菌処理が施されたり、あるいは高温の内容物が充填されたりしても、この側壁部19が軟化するのを抑制することが可能になり、窪み部18を下方に向けて膨出変形させ難くすることができる。
また、窪み部18が、ボトル1の底面視で円形状をなす凹曲面状に形成されているので、側壁部19を全域にわたって均質に熱結晶化処理し易くなり、前述の作用効果が確実に奏功されることとなる。
さらに、側壁部19の密度が、1.334g/cm以上とされて熱結晶化(白化)しているので、底壁部16のうち、このボトル1の自立時に接地面に当接する接地部17の柔軟性は維持することで該接地部17が例えば割れ易くなることを抑えつつ、前述の作用効果を確実に奏功させることができる。
また、接地部17が、熱結晶化処理されず実質的に白化していないので、接地部17の柔軟性を確実に維持することができる。
さらに、頂壁部20が、熱結晶化処理されず実質的に白化していないので、例えば落下した際の衝撃等により、該頂壁部20に損傷が生じることが抑えられる。
次に、前述した作用効果の検証試験について説明する。
まず、実施例1、実施例2、実施例3および実施例4の4種類のボトル1を準備した。
これらのボトル1における側壁部19の各密度は、ブロー成形時の底金型の加熱温度を互いに異ならせることにより、実施例1では1.3344g/cmとし、実施例2では1.3367g/cmとし、実施例3では1.3383g/cmとし、実施例4では1.3394g/cmとした。なお、それぞれのボトル1をブロー成形するときに用いたプリフォームは全て同一の構成のものとした。
そして、これらの各ボトル1に、炭酸ガスおよび内容液を充填して密封した後に、約65℃の温度で10分間保持したときの、窪み部18の下降率を測定した。
なお、この下降率では、100%を超えたときに、窪み部18が下方に膨出変形して接地部17より下方に位置することを表している。また、ボトル1に充填した炭酸ガスの体積は、標準状態(0℃、1気圧)で、内容液の体積の約2.5倍とした。
その結果、下降率は、実施例1では91.9%、実施例2では66.4%、実施例3では63.8%、および実施例4では52.6%であり、実施例1〜4の全てについて下降率が100%未満であり、また、側壁部19の密度が高いほど下降率が低くなることが確認された。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態では、ボトル1を形成する合成樹脂材料としてポリエチレンテレフタレートを示したが、例えば、ポリエチレンナフタレートや他のポリエステルとのブレンド材料等適宜変更してもよい。
さらにボトル1は、単層構造体に限らず中間層を有する積層構造体としてもよい。この中間層としては、例えば、ガスバリア性を有する樹脂材料からなる層、再生材からなる層、若しくは酸素吸収性を有する樹脂材料からなる層等が挙げられる。
また、前記実施形態では、肩部12、胴部13および底部14それぞれのボトル軸Oに直交する横断面視形状を円形状としたが、これに限らず例えば、多角形状にする等適宜変更してもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
加熱殺菌処理が施されたとき、あるいは高温の内容物が充填されたときに、底壁部の窪み部を下方に向けて膨出変形させ難くすることができる。
1 ボトル
13 胴部
14 底部
16 底壁部
17 接地部
18 窪み部
19 側壁部
O ボトル軸

Claims (5)

  1. 合成樹脂材料で有底筒状に形成されたボトルであって、
    その底部の底壁部のうち、外周縁部はボトル周方向に延びる接地部とされるとともに、該接地部よりボトル径方向の内側に位置する部分は上方に向けて窪む窪み部とされ、
    該窪み部を画成する壁部のうち、前記接地部にボトル径方向の内側から連なり上方に向けて延びる側壁部は、熱結晶化処理されて白化していることを特徴とするボトル。
  2. 請求項1記載のボトルであって、
    前記窪み部は、該ボトルの底面視で円形状をなす凹曲面状に形成されていることを特徴とするボトル。
  3. 請求項1または2に記載のボトルであって、
    前記側壁部の密度が1.334g/cm以上となっていることを特徴とするボトル。
  4. 請求項3記載のボトルであって、
    前記接地部は、熱結晶化処理されず実質的に白化していないことを特徴とするボトル。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のボトルであって、
    前記側壁部は、下方から上方に向かうに従い漸次縮径し、
    前記窪み部を画成する壁部のうち、前記側壁部の上端に接続された頂壁部は、熱結晶化処理されず実質的に白化していないことを特徴とするボトル。
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