JP2012071388A - 移動ロボット用肢体駆動機構、およびこの肢体駆動機構を用いた移動ロボット - Google Patents

移動ロボット用肢体駆動機構、およびこの肢体駆動機構を用いた移動ロボット Download PDF

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Abstract

【課題】複雑な制御が不要でありながらも安定した動作が可能であり、また、低コストで製造可能であり、さらに、ロバスト性に優れた移動ロボットと、この移動ロボットに対して適用可能な移動ロボット用肢体駆動機構とを提供する。
【解決手段】移動ロボット用肢体駆動機構20は、複数のサーボモータ24a,24b,24c,24dとリンク機構とを備え、長手方向に伸びる肢体本体部24を回転駆動させるための機構であって、肢体本体部24は移動ロボット10に回転自在な状態で取り付けられ、複数のサーボモータ24a,24b,24c,24dはそれぞれ、互いに平行に配置される出力軸23a,23b,23c,23dを備え、複数のサーボモータの出力軸のうち少なくとも1つはリンク機構に接続して、当該リンク機構を介してサーボモータの出力で肢体本体部24を回転駆動する。
【選択図】図4

Description

本発明は、移動ロボット用肢体駆動機構、およびこの肢体駆動機構を用いた移動ロボットに関するものである。
近年、2足歩行を行う人型ロボットや4足歩行を行う動物型ロボットなどのように、人や動物の形状と動作を模した移動ロボットの開発が活発化している。この種の移動ロボットでは、一般に各肢体の関節の動きを複数個のアクチュエータで実現することが行われている。
また、一般的な移動ロボットの動作制御手段には、ロボットの体幹に設置されることで体幹の姿勢角や加速度を検出するセンサ群と、これらセンサ群からの信号に基づいて動作可能なエンコーダ付きのモータが利用されている。センサ群を用いることによって、ロボットの姿勢および上半身の重心位置を計測することができるので、その計測データに基づいて各関節のモータを動作制御すれば、移動ロボット全体の動作制御が可能となるわけである。
なお、この種の移動(歩行)ロボットに関する技術を開示する先行技術文献として、例えば、下記特許文献1が存在している。
特開平5−305580号公報
しかしながら、上掲した特許文献1に代表される従来の移動ロボットは、その動作制御のために多数のセンサに基づいた大量のデータ処理を必要とするものであったため、非常に複雑な制御を要し、膨大な製造コストを要するという問題を有していた。
また、従来の移動ロボットでは、アクチュエータとしてのモータが各関節に対して設置されていたので、関節部が大きくなってしまうという問題が存在していた。さらに、1つの関節を1つのモータで制御しなければならないことから、モータ容量を大きくしなければならないといった必要性が生じ、製造コストの増大や移動ロボットの重量の増大を招いてしまうといった問題も発生していた。またさらに、1つの関節に対して1つのモータが設置される構成であるがゆえに、移動ロボットに設置されるモータが1つでも故障してしまった場合には、故障箇所の関節が動かなくなってしまうので、直ちに移動ロボット全体の動作が停止してしまうという問題も存在していた。
本発明は、上述した従来技術に存在する種々の問題点に鑑みて成されたものであって、その目的は、複雑な制御が不要でありながらも安定した動作が可能であり、また、低コストで製造可能であり、さらに、モータの停止などといった突発的なトラブルを含む外乱や設計誤差などの不確定な変動に対しても、移動ロボットとしてのシステム特性を維持できるロバスト性に優れた移動ロボットと、この移動ロボットに対して適用可能な移動ロボット用肢体駆動機構とを提供することにある。
本発明に係る移動ロボット用肢体駆動機構は、複数のサーボモータとリンク機構とを備え、長手方向に伸びる肢体本体部を回転駆動させるための機構であって、前記肢体本体部は移動ロボットに回転自在な状態で取り付けられ、前記複数のサーボモータはそれぞれ、互いに平行に配置される出力軸を備え、前記複数のサーボモータの出力軸のうち少なくとも1つは前記リンク機構に接続して、当該リンク機構を介してサーボモータの出力で肢体本体部を回転駆動することを特徴とするものである。
また、胴体部に連結された複数本の可動肢体を有し、前記複数本の可動肢体のうち、下肢として機能する可動肢体を用いることで、任意の移動面上を歩行可能とされる移動ロボットにおいて、前記下肢として機能する可動肢体が、上述した移動ロボット用肢体駆動機構によって構成されていることとすることができる。
本発明によれば、複雑な制御が不要でありながらも安定した動作が可能であり、また、低コストで製造可能であり、さらに、モータの停止などといった突発的なトラブルを含む外乱や設計誤差などの不確定な変動に対しても、移動ロボットとしてのシステム特性を維持できるロバスト性に優れた移動ロボットと、この移動ロボットに対して適用可能な移動ロボット用肢体駆動機構とを提供することができる。
本実施形態に係る移動ロボットの全体構成を示す外観図である。 本実施形態に係る移動ロボットの胴体部、左手および左足からカバー類を取り外した状態を示す正面図である。 本実施形態に係る移動ロボットの右側面図である。 本実施形態に係る脚部として採用された移動ロボット用肢体駆動機構の基本構成を示す図である。 本実施形態に係る移動ロボット用肢体駆動機構の説明図である。 本実施形態に係る移動ロボットが屈伸運動を行う際の様子を示す図である。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせのすべてが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係る移動ロボットの全体構成を示す外観図である。また、図2は、本実施形態に係る移動ロボットの胴体部、左手および左足からカバー類を取り外した状態を示す正面図である。さらに、図3は、本実施形態に係る移動ロボットの右側面図である。
本実施形態に係る移動ロボット10は、家事ロボットとして製作されたものであり、胴体部11の下方に設置された2本の脚部12と、胴体部11の上方左右両側面に設置された2本の腕部13と、胴体部11の上方に設置された1個の頭部14とから構成されている。
本実施形態に係る移動ロボット10は、外部からの押圧力などの外乱がなければ、電源を切った状態であっても図1に示すような直立状態を維持できるように構成されている。特に、2本の脚部12は、停止時においては常に直線的に伸びた状態となるように構成されているので、安全性および安定性に優れた構成となっている。また、2本の脚部12による2足歩行時には、2本の脚部12による足踏み動作が実行されることとなる。
一方、2本の腕部13は、胴体部11の周囲で自在に移動できるようになっており、電源を切った状態では、図2の紙面左側に示す移動ロボット10の右半身のように、腕部13が下方に垂れ下がった状態となるように構成されている。さらに、腕部13の先端には手部13aが設置されているので、この手部13aを利用することで物を掴んだり摘まんだりすることが可能となっている。
また、頭部14および胴体部11には、それぞれにCCDカメラ15が設置されている。このCCDカメラ15によって、移動ロボット10の周囲の状況を画像データとして収集することが可能となっている。
そして、この移動ロボット10は、遠隔操作可能に構成されたロボットであり、離れた位置にある図示しない操作マニピュレータを操作者が操作することで、操作マニピュレータの動きに応じた動作を移動ロボット10が実行できるようになっている。したがって、操作者は、インターネット回線等の無線通信手段や移動ロボット10に設置されたCCDカメラ15等を介して、遠隔地に居ながらにして移動ロボット10の周囲の状況を把握でき、移動ロボット10の操作ができるようになっている。
なお、図2等にて示されるように、本実施形態に係る移動ロボット10は、胴体部11や頭部14等の上半身に設置される部材の重量が非常に軽量化されて構成されている。また、上述したように、電源を切った状態であっても安定して直立を維持できるように構成されているので、姿勢維持のための制御が不要であるという利点を有している。したがって、本実施形態に係る移動ロボット10は、従来の2足歩行ロボットのように多数のセンサ類や制御手段を必要としないので、安価に製作することができるという利点を有している。
以上、本実施形態に係る移動ロボット10の全体構成を説明した。つぎに、図4〜図6を参照図面に加えて、上述した種々の利点を実現するために採用された脚部12の具体的な構成についての説明を行う。ここで、図4は、本実施形態に係る脚部12として採用された移動ロボット用肢体駆動機構20の基本構成を示す図である。また、図5は、本実施形態に係る移動ロボット用肢体駆動機構20の説明図である。さらに、図6は、本実施形態に係る移動ロボット10が屈伸運動を行う際の様子を示す図である。
まず、図4を参照して、本実施形態に係る脚部12として採用された移動ロボット用肢体駆動機構20の基本構成を説明する。なお、移動ロボット用肢体駆動機構20は、脚部12に対して2つ直列に設置されており、図4に示した移動ロボット用肢体駆動機構20は、脚部12の上方の位置、すなわち、人の大腿部に相当する箇所に設けられたものを示している。
本実施形態に係る移動ロボット用肢体駆動機構20は、長手方向に延びる肢体本体部24と、この肢体本体部24の下方側の端部に対して可動自在に接続するジョイント部22と、これらに連結するリンク機構とを有して構成されている。図4にて示す肢体本体部24は、人の大腿骨に相当する部材であり、一方、ジョイント部22は、人の膝蓋骨に相当する部材である。なお、ジョイント部22は、リンク機構の一部を構成する部材である。
胴体部11の下部には、肢体保持部11aが設けられている。肢体保持部11aは、断面コの字形状の板状部材で、2つの側板を備えている。2つの側板は略並行に設けられている。肢体本体部24は、肢体保持部11aの下方位置とジョイント部22の上方位置とに可動自在に接続しており、移動ロボット10が直立および歩行する際に移動面上から受ける力を主に引き受ける部材である。ジョイント部22も肢体保持部11aと同様、断面コの字形状の板状部材で、2つの側板を備えており、2つの側板は略並行に設けられている。この移動ロボット用肢体駆動機構20によって、股関節に相当する肢体保持部11aと肢体本体部24との接続箇所と、膝関節に相当する肢体本体部24とジョイント部22との接続箇所を移動させることが可能となり、ちょうど人が大腿部を持ち上げたり降ろしたりするような動きが可能となる。
肢体本体部24は、4つのサーボモータ24a,24b,24c,24dを1列に保持している。4つのサーボモータ24a,24b,24c,24dはそれぞれ、モータ軸23a,23b,23c,23dを備えている。このモータ軸23a,23b,23c,23dは、サーボモータ24a,24b,24c,24dの出力軸である。また、モータ軸23a,23b,23c,23dは、図4に示すとおり、1直線上に配置されている。
4つのサーボモータ24a,24b,24c,24dのうち、サーボモータ24aは肢体保持部11aに一番近い位置に設けられている。サーボモータ24aのモータ軸23aが、肢体保持部11aの2つの側板の一方に回転不能に連結している。つまり、モータ軸23aは、2つの側板の一方に固定されている。サーボモータ24aは、不図示の回転軸をも備えており、この回転軸は2つの側板の他方に回転可能に連結している。つまり、不図示の回転軸は、2つの側板の他方に、軸受を介して回転可能に支持されている。この回転軸は、サーボモータ24aから突出して設けられ、なおかつ、不図示の回転軸の軸心とモータ軸23aの軸心とは、同じ直線上に位置している。つまり、不図示の回転軸の軸心とモータ軸23aの軸心とは、一致している。したがって、サーボモータ24aの出力がモータ軸23aを介して肢体保持部11aに伝えられると、肢体保持部11aとサーボモータ24aとが相対的に回転する。つまり、肢体保持部11aと肢体本体部24とが相対的に回転することになる。相対的に回転するとは、一方に対して他方が回転運動するということであるから、肢体保持部11aに対して肢体本体部24が回転運動する場合は、ちょうど人が大腿部を上げ下げする動きに相似した動作となる。また、不図示の回転軸とモータ軸23aとは、一対の軸として機能しており、この一対の軸が、人の胴部に対する大腿部の回転における回転軸として機能している。
つぎに、4つのサーボモータ24a,24b,24c,24dのうち、サーボモータ24dは、ジョイント部22に一番近い位置に設けられている。サーボモータ24dのモータ軸23dが、ジョイント部22の2つの側板の一方に回転不能に連結している。サーボモータ24dは、不図示の回転軸をも備えており、この回転軸は、2つの側板の他方に回転可能に連結している。不図示の回転軸は、サーボモータ24dから突出して設けられ、なおかつ、不図示の回転軸の軸心とモータ軸23dの軸心とは、同じ直線上に位置している。つまり、不図示の回転軸の軸心とモータ軸23dの軸心とは、一致している。したがって、サーボモータ23の出力がモータ軸23dを介してジョイント部22に伝えられると、ジョイント部22とサーボモータ24dとが相対的に回転する。つまり、ジョイント部22と肢体本体部24とが相対的に回転することになり、人が膝を折り曲げる動作に相当する動きが実現されることとなる。
さらに、肢体本体部24は、リンク機構を備える。リンク機構は、1つのリンク片21と、2つの連結片26b,26cを備えている。リンク片21は、肢体本体部24の長手方向に沿って設けられ、肢体保持部11aとジョイント部22とに回転可能に連結している。すなわち、リンク片21の一端は肢体保持部11aの2つの側板の一方に、回転軸31aを介して回転可能に連結しており、リンク片21の他端は、ジョイント部22の2つの側板の一方に、回転軸31dを介して回転可能に連結している。一方、各連結片26b,26cはそれぞれ、リンク片21と各モータ軸23b,23cとに連結している。すなわち、連結片26bの一端はリンク片21に、回転軸31bを介して回転可能に連結しており、連結片26bの他端は、モータ軸23bに回転不能に連結している。回転不能とはすなわち、モータ軸23bと連結片26bとが相対的に回転しないということであり、つまり、モータ軸23bの出力が連結片26bに伝わり、モータ軸23bの出力によって連結片26bが回転する。同様に、連結片26cの一端はリンク片21に、回転軸31cを介して回転可能に連結しており、連結片26cの他端は、モータ軸23cに回転不能に連結していて、モータ軸23cの出力によって連結片26cが回転する。
これら各回転軸31a,31b,31c,31dの軸心および各モータ軸23a,23b,23c,23dの軸心は、すべて平行に配置されている。また、図5に示すように、各回転軸31a,31b,31c,31dおよび各モータ軸23a,23b,23c,23dに垂直に交差する平面Sを仮定した場合、各回転軸31a,31b,31c,31dの軸心と各モータ軸23a,23b,23c,23dの軸心とを結ぶ線が平面S上で平行になるよう配置されている。すなわち、平面S上において、モータ軸23aの軸心と回転軸31aの軸心を結ぶ直線(直線L)と、モータ軸23bの軸心と回転軸31bの軸心を結ぶ直線(直線M)と、モータ軸23cの軸心と回転軸31cの軸心を結ぶ直線(直線N)と、モータ軸23dの軸心と回転軸31dの軸心を結ぶ直線(直線O)と、は互いに平行である。また、平面S上において、4つの回転軸31a,31b,31c,31dの各軸心は1直線上に位置するよう配置されており、4つのモータ軸23a,23b,23c,23dの各軸心も1直線上に位置するよう配置されている。言い換えると、4つの回転軸31a,31b,31c,31dの各軸心は1列に並んで配置されており、4つのモータ軸23a,23b,23c,23dの各軸心も1列に並んで配置されている。さらに、平面S上において、各回転軸31a,31b,31c,31dの軸心を通る線と各モータ軸23a,23b,23c,23dの軸心を通る線も平行になるよう配置されている。すなわち平面S上において、回転軸31a,31b,31c,31dの各軸心を結ぶ直線(直線P)と、モータ軸23a,23b,23c,23dの各軸心を結ぶ直線(直線Q)も互いに平行である。つまり、各回転軸31a,31b,31c,31dの軸心の列と各モータ軸23a,23b,23c,23dの軸心の列は平行である。
そして、各サーボモータ24a,24b,24c,24dの出力によって各モータ軸23a,23b,23c,23dが回転する際にも、各直線の平行は常に維持される。つまり、4つの直線(直線L、直線M、直線N、直線O)の平行は常に維持され、2つの直線(直線P、直線Q)の平行も常に維持される。そして、各直線の平行を維持したまま、各モータ軸の回転によって、4つの直線(直線L、直線M、直線N、直線O)と、2つの直線(直線P、直線Q)とがなす角の角度が変化する。そして、各モータ軸23a,23b,23c,23dの回転によって、4つの直線(直線L、直線M、直線N、直線O)の平行を維持しつつ、肢体保持部11aと連結片26bと連結片26cとジョイント部22とが相対的に変位する。また、各モータ軸23a,23b,23c,23dの回転によって、2つの直線(直線P、直線Q)の平行を維持しつつ、肢体本体部24とリンク片21とが相対的に変位する。このリンク機構によって、4つのサーボモータ24a,24b,24c,24dの出力すべてが、肢体保持部11aと肢体本体部24との相対的な回転運動に変換されることとなる。サーボモータ24aの出力は、前述したように、肢体保持部11aと肢体本体部24との相対的な回転運動を直接生じさせているが、他の3つのサーボモータ24b,24c,24dも、サーボモータ24aと同時に同方向へ出力させると、このリンク機構によってその出力は、肢体保持部11aと肢体本体部24との相対的な回転運動に変換される。
また、4個のサーボモータ24a,24b,24c,24dのすべては、同期して駆動するように構成されている。したがって、4個のサーボモータ24a,24b,24c,24dの駆動力は互いに干渉することがなく、すべてが一体的に駆動することになるので、リンク機構によって4個のサーボモータ24a,24b,24c,24dによる一体的な同期駆動が可能となる。
さらにまた、本実施形態に係る移動ロボット用肢体駆動機構20が有する4個のサーボモータ24a,24b,24c,24dは、主動モータとして機能する1個のマスターサーボモータと、このマスターサーボモータの駆動動作に追従して動作を行う従動モータとして機能するその他3個のスレーブサーボモータとによって構成されている。したがって、3個のスレーブモータに対しては制御しなくても、4個のサーボモータ24a,24b,24c,24dはすべてが同期して駆動力を及ぼすことができるという利点を有している。逆に、4個のサーボモータ24a,24b,24c,24dをそれぞれ個別に制御すると、それぞれの制御を同期させる必要が生じ、制御が複雑になってしまう。また、各モータ間で微妙なズレ(角度差)が生じた場合には、モータの駆動を妨げる力が働いてしまうおそれがある。複数のサーボモータのうち、1つをマスターサーボモータとし、他をスレーブサーボモータとすることで、こうした欠点を免れることができる。
なお、従来技術では、1つの関節に対して1つのモータが設置される構成であるがゆえに、移動ロボットに設置されるモータが1つでも故障してしまった場合には、故障箇所の関節が動かなくなってしまうので、直ちに移動ロボット全体の動作が停止してしまうという問題が存在していた。しかしながら、本実施形態では、仮にスレーブサーボモータ1個が故障して停止しても、マスターサーボモータが停止しない限りリンク機構の駆動は可能なので、従来技術に比べて故障・停止率を低下させることが可能となっている。
さらに、従来技術では、1つの関節を1つのモータで制御する構成が採用されていたので、モータ容量を大きくしなければならないといった必要性が生じ、製造コストの増大や移動ロボットの重量の増大を招いてしまうといった問題が発生していた。しかしながら、本実施形態によれば、1つの肢体本体部24を4個のサーボモータ24a,24b,24c,24dで駆動すればよいので、各サーボモータを小トルクのものにすることができる。その結果、移動ロボット10全体としての重量を低減することができ、さらに、移動ロボット10全体としての製造コストを削減することができるので、安価な移動ロボット10を実現することが可能となる。
以上、図4を用いて説明した移動ロボット用肢体駆動機構20は、脚部12の上方位置、すなわち、人の大腿部に相当する箇所に適用されたものであった。しかし、本実施形態に係る移動ロボット用肢体駆動機構20は、例えば図6にて示すように、脚部12の下方位置、すなわち、人の脛部に相当する箇所に配置することができる。具体的には、人の膝蓋骨に相当する部材であるジョイント部22の下方に対して肢体本体部24とリンク機構を可動自在に接続し、さらに、肢体本体部24およびリンク機構の下方に対して人の足に相当する足部30を可動自在に接続することで、移動ロボット用肢体駆動機構20を人の脛部に相当する部材として構成することができるのである。
この場合の移動ロボット用肢体駆動機構20は、ジョイント部22の下方位置と足部30に設けた足保持部11bの上方位置とに可動自在に接続する肢体本体部24を備え、さらにリンク機構と足保持部11bとを備えている。足保持部11bは、人の足のくるぶしに相当する部材であるとともに、リンク機構の一部を構成している。足保持部11bも、断面コの字形状の板状部材で、2つの側板を備えており、2つの側板は略並行に設けられている。
肢体本体部24は、4つのサーボモータ24a,24b,24c,24dを1列に保持している。4つのサーボモータ24a,24b,24c,24dはそれぞれ、モータ軸23a,23b,23c,23dを備えている。このモータ軸23a,23b,23c,23dは、サーボモータの出力軸である。また、モータ軸23a,23b,23c,23dは、1直線上に配置されている。4つのサーボモータ24a,24b,24c,24dのうち、サーボモータ24aはジョイント部22に一番近い位置に設けられている。サーボモータ24aのモータ軸23aが、ジョイント部22の2つの側板の一方に回転不能に連結している。つまり、モータ軸23aは、2つの側板の一方に固定されている。サーボモータ24aは、不図示の回転軸をも備えており、この回転軸は2つの側板の他方に回転可能に連結している。つまり、不図示の回転軸は、2つの側板の他方に、軸受を介して回転可能に支持されている。不図示の回転軸は、サーボモータ24aから突出して設けられ、なおかつ、この回転軸の軸心とモータ軸23aの軸心とは、同じ直線上に位置している。つまり、不図示の回転軸の軸心とモータ軸23aの軸心とは、一致している。したがって、サーボモータ24aの出力がモータ軸23aを介してジョイント部22に伝えられると、ジョイント部22とサーボモータ24aとが相対的に回転する。つまり、ジョイント部22と肢体本体部24とが相対的に回転することになる。つまり、ジョイント部22に対して肢体本体部24が回転運動する場合は、膝を折り曲げる、又は膝を伸ばす、という動作となる。また、不図示の回転軸とモータ軸23aとは一対の軸として機能しており、この一対の軸が、人の膝部に対する脛部の回転における回転軸として機能している。
つぎに、4つのサーボモータ24a,24b,24c,24dのうち、サーボモータ24dは、足保持部11bに一番近い位置に設けられている。サーボモータ24dのモータ軸23dが、足保持部11bの2つの側板の一方に回転不能に連結している。サーボモータ24dは、不図示の回転軸をも備えており、この回転軸は2つの側板の他方に回転可能に連結している。不図示の回転軸は、サーボモータ24dから突出して設けられ、なおかつ、この回転軸の軸心とモータ軸23dの軸心とは、同じ直線上に位置している。つまり、不図示の回転軸の軸心とモータ軸23aの軸心とは、一致している。したがって、サーボモータ24dの出力がモータ軸23dを介して足保持部11bに伝えられると、足保持部11bとサーボモータ24dとが相対的に回転する。つまり、足保持部11bと肢体本体部24とが相対的に回転することになり、人が足首を曲げたり伸ばしたりする動作に相当する動きが実現されることとなる。
さらに、肢体本体部24はリンク機構を備える。リンク機構は、1つのリンク片21と、2つの連結片26b,26cを備えている。リンク片21は、肢体本体部24の長手方向に沿って設けられ、ジョイント部22と足保持部11bとに回転可能に連結している。すなわち、リンク片21の一端はジョイント部22の2つの側板の一方に、回転軸31aを介して回転可能に連結しており、リンク片21の他端は、足保持部11bの2つの側板の一方に、回転軸31dを介して回転可能に連結している。一方、各連結片26b,26cはそれぞれ、リンク片21と各モータ軸23b,23cとに連結している。すなわち、連結片26bの一端はリンク片21に、回転軸31bを介して回転可能に連結しており、連結片26bの他端は、モータ軸23bに回転不能に連結している。つまり、モータ軸23bの出力が連結片26bに伝わり、モータ軸23bの出力によって連結片26bが回転する。同様に、連結片26cの一端はリンク片21に、回転軸31cを介して回転可能に連結しており、連結片26cの他端は、モータ軸23cに回転不能に連結していて、モータ軸23cの出力によって連結片26cが回転する。
これら各回転軸31a,31b,31c,31dの軸心および各モータ軸23a,23b,23c,23dの軸心は、すべて平行に配置されている(図5参照)。また、各回転軸31a,31b,31c,31dおよび各モータ軸23a,23b,23c,23dに垂直に交差する平面(平面S)を仮定した場合、各回転軸31a,31b,31c,31dの軸心と各モータ軸23a,23b,23c,23dの軸心とを結ぶ線(直線L、直線M、直線N、直線O)がこの平面(平面S)上で平行になるよう配置されている。また、この平面(平面S)上において、4つの回転軸31a,31b,31c,31dの各軸心は1直線(直線P)上に位置するよう配置されており、4つのモータ軸23a,23b,23c,23dの各軸心も1直線(直線Q)上に位置するよう配置されている。言い換えると、4つの回転軸31a,31b,31c,31dの各軸心は1列に並んで配置されており、4つのモータ軸23a,23b,23c,23dの各軸心も1列に並んで配置されている。さらに、この平面(平面S)上において、各回転軸31a,31b,31c,31dの軸心を通る線(直線P)と各モータ軸23a,23b,23c,23dの軸心を通る線(直線Q)も平行になるよう配置されている。つまり、各回転軸31a,31b,31c,31dの軸心の列と各モータ軸23a,23b,23c,23dの軸心の列は平行である。そして、各サーボモータ24a,24b,24c,24dの出力によって各モータ軸23a,23b,23c,23dが回転する際にも、各直線群の平行は常に維持される。そして各直線群の平行を維持したまま、各モータ軸23a,23b,23c,23dの回転によって、ジョイント部22と連結片26bと連結片26cと足保持部11bとが相対的に変位する。
以上のようなリンク機構によって、4つのサーボモータ24a,24b,24c,24dの出力すべてが、ジョイント部22と肢体本体部24との相対的な回転運動に変換されることとなる。サーボモータ24aの出力は、前述したように、ジョイント部22と肢体本体部24との相対的な回転運動を直接生じさせているが、他の3つのサーボモータ24b,24c,24dも同時に同方向へ出力させることによって、このリンク機構を介して、ジョイント部22と肢体本体部24との相対的な回転運動に変換される。
そして、図6等に示すように、本実施形態に係る移動ロボット用肢体駆動機構20を2つ直列に連結することによって、1本の脚に相当する脚部12を構成することができる。
以上のようにして構成される本実施形態の脚部12については、2つの移動ロボット用肢体駆動機構20が備える複数のサーボモータ24a,24b,24c,24dを適切に制御して駆動することで、様々な動作を行なわせることが可能になる。まず、図4および図6を用いて、脚部12の上方に配置されることで人の大腿部に相当する位置に配置された移動ロボット用肢体駆動機構20の動作機構について説明すると、肢体本体部24が鉛直方向に配置されることで脚部12が直立した状態から(図4および図6中(a)参照)、4個のサーボモータ24a,24b,24c,24dの各モータ軸23a,23b,23c,23dを紙面に垂直な方向で見たときの紙面に対して時計回りに回転させると、4個のサーボモータ24a,24b,24c,24dのうちのサーボモータ24b,24c,24dの回転運動は、モータ軸23b,23c,23dに設置された連結片26b,26cおよびジョイント部22を介してリンク片21に伝達されることになる。連結片26b,26cおよびジョイント部22を介してリンク片21に伝達される時計回りの回転運動は、肢体本体部24を基準として見たときに、肢体本体部24に対してリンク片21を相対的に上方側に移動させようとする力となる。ただしこのとき、リンク片21は、その上方が胴体部11の肢体保持部11aに対して、その下方がジョイント部22に対して可動自在に接続されているので、肢体本体部24とリンク片21は相対的に逆方向に平行移動することになる。すなわち、リンク片21に対して肢体本体部24が下方に向けて相対的な平行移動を行うこととなる。また、サーボモータ24aの回転運動は、肢体保持部11aに対して肢体本体部24を直接回転させる力となる。その結果、図6中(b)にて示すような、肢体保持部11aおよびジョイント部22に対する傾き移動を行うこととなる。
また、モータ軸23bの出力によって肢体本体部24と連結片26bとが相対的に回転し、モータ軸23cの出力によって肢体本体部24と連結片26cとが相対的に回転し、モータ軸23dの出力によって肢体本体部24とジョイント部22とが相対的に回転する。そして、各モータ軸23b,23c,23dを同時に同方向へ回転させると、肢体保持部11aと連結片26bと連結片26cとジョイント部22は、リンク片21に連結しているから、リンク片21に対しても相対的に回転することになる。その際、リンク機構によって、肢体保持部11aの直線Lと連結片26bの直線Mと連結片26cの直線Nとジョイント部22の直線Oは平行を維持するから、連結片26bと連結片26cとジョイント部22のリンク片21に対する相対回転によって、肢体保持部11aに対するリンク片21の回転運動が生じることとなる。さらに、リンク機構によって、リンク片21の直線Pと肢体本体部24の直線Qは平行を維持し、肢体保持部11aに対する肢体本体部24の回転運動が生じることとなる。つまり、肢体保持部11aに対して、肢体本体部24とリンク片21は相対的に回転することとなり、ちょうど人の大腿部が胴体部に対して相対的に回転する動きに相当する動作が実現することとなる。
なお、上述した人の大腿部の動きに相当する回転運動については、肢体保持部11aと連結片26bと連結片26cとジョイント部22との、相対変位として説明することもできる。すなわち、各サーボモータ24b,24c,24dを同時に同方向へ出力させると、肢体保持部11aに対して、連結片26bと連結片26cとジョイント部22は、リンク機構によってそれぞれの回転軸とモータ軸において平行を保ちつつ相対変位するから、4つのモータ軸23a,23b,23c,23dは1列に並んだまま、モータ軸23b,23c,23dがモータ軸23aに対して相対変位することとなり、胴体に対する大腿部の相対回転を生じることとなるということもできる。
4個のサーボモータ24a,24b,24c,24dが備える各モータ軸23a,23b,23c,23dの時計回りの回転をさらに行うと、図6中(c)にて示すように、肢体保持部11aおよびジョイント部22に対する肢体本体部24の傾き移動は、さらに進むこととなる。
つぎに、図6中(c)にて示した状態から、各モータ軸23a,23b,23c,23dの回転方向を反転させて反時計周りに回転させると、先程とは逆に、肢体本体部24に対してリンク片21を相対的に下方側に移動させようとする力が働くことになるので、リンク片21に対して肢体本体部24が上方に向けて相対的な平行移動を行うこととなる。その結果、肢体本体部24は、肢体保持部11aおよびジョイント部22に対する傾きを減少させるように移動を行い、図6中(b)にて示す状態を経て、最終的に図6中(a)にて示す状態へと移動する。
一方、脚部12の下方に配置されることで人の脛部に相当する位置に配置された移動ロボット用肢体駆動機構20の動作機構についても、図6を用いて説明すると、肢体本体部24が鉛直方向に配置されることで脚部12が直立した図6中(a)の状態から、上述した人の大腿部に相当する位置の移動ロボット用肢体駆動機構20とは逆に、4個のサーボモータ24a,24b,24c,24dの各モータ軸23a,23b,23c,23dを紙面に垂直な方向で見たときの紙面に対して反時計回りに回転させると、4個のサーボモータ24a,24b,24c,24dのうちのサーボモータ24b,24c,24dの回転運動は、モータ軸23b,23c,23dに設置された連結片26b,26cおよび足保持部11bを介してリンク片21に伝達されることとなる。連結片26b,26cおよび足保持部11bを介してリンク片21に伝達される反時計回りの回転運動は、肢体本体部24を基準として見たときに、肢体本体部24に対してリンク片21を相対的に下方側に移動させようとする力となる。ただしこのとき、リンク片21は、その上方がジョイント部22に対して、その下方が足保持部11bに対して可動自在に接続されているので、肢体本体部24とリンク片21とは、相対的に逆方向に平行移動することになる。すなわち、リンク片21に対して肢体本体部24が上方に向けて相対的な平行移動を行うこととなる。また、サーボモータ24aの回転運動は、ジョイント部22に対して肢体本体部24を直接回転させる力となる。その結果、図6中(b)にて示すような、ジョイント部22および足保持部11bに対する傾き移動を行うこととなる。
また、モータ軸23bの出力によって肢体本体部24と連結片26bとが相対的に回転し、モータ軸23cの出力によって肢体本体部24と連結片26cとが相対的に回転し、モータ軸23dの出力によって肢体本体部24と足保持部11bとが相対的に回転する。そして、各モータ軸23b,23c,23dを同時に同方向へ回転させると、ジョイント部22と連結片26bと連結片26cと足保持部11bはリンク片21に連結しているから、リンク片21に対しても相対的に回転することになる。その際、リンク機構によって、ジョイント部22と連結片26bと連結片26cと足保持部11bは、それぞれの軸心において平行を維持するから、連結片26bと連結片26cと足保持部11bのリンク片21に対する相対回転によって、ジョイント部22に対するリンク片21の回転運動が生じることとなる。さらに、リンク機構によって、リンク片21と肢体本体部24はそれぞれの軸心において平行を維持し、ジョイント部22に対する肢体本体部24の回転運動が生じることとなる。つまり、ジョイント部22に対して、肢体本体部24とリンク片21は相対的に回転することとなり、ちょうど人の脛部が大腿部に対して相対的に回転する動作に相当する動きを実行することとなる。あるいは、リンク機構によって、連結片26bと連結片26cと足保持部11bは、ジョイント部22に対して平行を保ちつつ相対変位するから、4つのモータ軸23a,23b,23c,23dは1列に並んだまま、モータ軸23b,23c,23dがモータ軸23aに対して相対変位することとなり、大腿部に対する脛部の相対回転を生じることとなるということもできる。
図6中(b)にて示す状態から、さらに4個のサーボモータ24a,24b,24c,24dが備える各モータ軸23a,23b,23c,23dの反時計回りでの回転を行うと、図6中(c)にて示すように、ジョイント部22および足保持部11bに対する肢体本体部24の傾き移動は、さらに進むこととなる。
つぎに、図6中(c)にて示した状態から、各モータ軸23a,23b,23c,23dの回転方向を反転させて時計周りに回転させると、先程とは逆に、肢体本体部24に対してリンク片21を相対的に下方側に移動させようとする力が働くことになるので、リンク片21に対して肢体本体部24が上方に向けて相対的な平行移動を行うこととなる。その結果、肢体本体部24は、ジョイント部22および足保持部11bに対する傾きを減少させるように移動を行い、図6中(b)にて示す状態を経て、最終的に図6中(a)にて示す状態へと移動することができる。
なお、2つの直列配置される移動ロボット用肢体駆動機構20によって構成される本実施形態に係る脚部12の下方先端には、上述したように、図2にて示すような足部30が設置されていた。この足部30は、移動面上に接地されるプレート状の平板を有して構成されていることが好適である。なお、この足部30を構成する平板の面積については、移動ロボット10の全体形状等に基づき決定すればよい。
以上、本実施形態に係る移動ロボット10と、この移動ロボット10に対して適用可能な移動ロボット用肢体駆動機構20の具体的構成および動作機構について説明を行った。つぎに、本実施形態に係る移動ロボット10が取り得る屈伸運動および歩行動作についての説明を行う。ここで、図6は、本実施形態に係る移動ロボット10が屈伸運動を行う際の様子を示す図である。
電源が切れた状態、あるいは初期の状態において、本実施形態に係る移動ロボット10は、図6中(a)で示すように、脚部12が直線的に伸びた直立状態にある。
このような直立状態から、ジョイント部22に対して2つの移動ロボット用肢体駆動機構20が単にくの字形となるように各サーボモータ24a,24b,24c,24dを駆動させると、図6中(b)で示すように、移動ロボットの上半身である胴体部11と、足部30を構成する平板とが水平を保ったまま、2つの移動ロボット用肢体駆動機構20が折れ曲がって行き、最終的に図6中(c)で示すように、2つの移動ロボット用肢体駆動機構20が完全に折り畳まれた状態となる。この状態は、上述したように、図6における紙面を垂直な方向で見たときに、上方に設置された移動ロボット用肢体駆動機構20の有する4個のサーボモータ24a,24b,24c,24dの各モータ軸23a,23b,23c,23dを時計回りの方向に回転駆動させるとともに、下方に設置された移動ロボット用肢体駆動機構20の有する4個のサーボモータ24a,24b,24c,24dの各モータ軸23a,23b,23c,23dを反時計回りの方向に回転駆動させることにより、実現することができる。さらにこの状態は、本実施形態に係る移動ロボット10の2本の腕部13が最も低い位置となる状態であるため、低い箇所であり、かつ歩行しない状態で腕部13を使った作業を行う際に取る姿勢である。
このような屈伸運動を行う際にも、胴体部11は傾くことなく姿勢が維持される。これはリンク機構が胴体部11の姿勢を維持するからである。すなわち、リンク機構によって、肢体保持部11aとジョイント部22とが、それぞれの回転軸31a,31b,31c,31dとモータ軸23a,23b,23c,23dとの基準において平行を保ち、ジョイント部22と足保持部11bも、それぞれの回転軸31a,31b,31c,31dとモータ軸23a,23b,23c,23dとの基準において平行を保つからであり、つまり、肢体保持部11aとジョイント部22と足保持部11bとは常に同じ姿勢を維持するから、足保持部11bが足部30に対して傾かない限り、ジョイント部22と肢体保持部11aも足部30に対して傾かないし、胴体部11が肢体保持部11aに対して傾かない限り、胴体部11も足部30に対して傾かないからである。
一方、図6中(c)から(b)、(a)へと動作を行うことで、屈伸状態から直立状態に移動ロボット10の姿勢を変化させることができるが、この姿勢変化は、上述した屈伸運動とは全く逆の動作指令を各サーボモータ24a,24b,24c,24dに電送指令することで実現することができる。さらに、屈伸状態から直立状態への姿勢変化は、任意の位置で停止することができるので、作業対象物の位置に応じて屈伸動作の停止位置を制御すればよい。
またさらに、本実施形態に係る移動ロボット用肢体駆動機構20によって、移動ロボット10に歩行運動を行わせることもできる。
本実施形態に係る移動ロボット10では、左右の脚部12をその場で交互に屈伸させる足踏み動作が基本動作となる。この足踏みによる基本動作に対して、股関節部分の動きを膝関節部分の動きよりも大きくすることで、歩行動作が可能となる。つまり、胴体部11に対する肢体本体部24の回転量を、膝部に対する肢体本体部24の回転量よりも大きくすることで、歩行動作が実現する。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。
例えば、上述した本実施形態に係る移動ロボット10は、胴体部11に連結された複数本の可動肢体12,13を有し、これら複数本の可動肢体12,13のうち、下肢として機能する可動肢体12を用いることで、任意の移動面上を歩行可能とされる移動ロボットであり、さらに、下肢として機能する可動肢体12が、2つの移動ロボット用肢体駆動機構20の組み合わせによって構成されているものであった。しかしながら、本発明の移動ロボットでは、移動ロボット用肢体駆動機構20を組み合わせる個数はいくつでもよく、1以上の移動ロボット用肢体駆動機構20であれば、あらゆる形式の可動肢体を構成することができる。
また、移動ロボット用肢体駆動機構20によって構成される可動肢体は、移動ロボットのどの様な箇所に設置されてもよく、上肢や下肢のほか、蜘蛛型ロボットのようにロボットの体幹に対して多数設置する構成を採用することもできる。
さらに、上述した実施形態では、1つの移動ロボット用肢体駆動機構20に対して4個のサーボモータ24a,24b,24c,24dを設置した場合を例示して説明したが、サーボモータの設置個数については、任意の個数を採用することができる。
またさらに、上述した実施形態の移動ロボット10は、離れた位置にある図示しない操作マニピュレータを操作者が操作することで、この操作マニピュレータの動きに応じた動作を移動ロボット10が実行できるようになっている遠隔操作可能に構成されたロボットを想定したものであった。しかしながら、本発明に係る移動ロボットと、この移動ロボットに対して適用可能な移動ロボット用肢体駆動機構については、遠隔操作されるものだけではなく、移動ロボットに対して有線接続された操作桿によって操作させるロボットに対しても適用可能である。
その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
10 移動ロボット、11 胴体部、11a 肢体保持部、11b 足保持部、12 脚部、13 腕部、13a 手部、14 頭部、15 CCDカメラ、21 リンク片、23a,23b,23c,23d モータ軸、24 肢体本体部、24a,24b,24c,24d サーボモータ、26b,26c 連結片、30 足部、31a,31b,31c,31d 回転軸。

Claims (3)

  1. 複数のサーボモータとリンク機構とを備え、長手方向に伸びる肢体本体部を回転駆動させるための移動ロボット用肢体駆動機構であって、
    前記肢体本体部は移動ロボットに回転自在な状態で取り付けられ、
    前記複数のサーボモータはそれぞれ、互いに平行に配置される出力軸を備え、
    前記複数のサーボモータの出力軸のうち少なくとも1つは前記リンク機構に接続して、当該リンク機構を介してサーボモータの出力で肢体本体部を回転駆動することを特徴とする移動ロボット用肢体駆動機構。
  2. 請求項1に記載の移動ロボット用肢体駆動機構において、
    前記複数のサーボモータは、
    主動モータとして機能する1のマスターサーボモータと、
    前記マスターサーボモータの駆動動作に追従して動作を行う従動モータとして機能するその他複数のスレーブサーボモータと、
    によって構成されることを特徴とする移動ロボット用肢体駆動機構。
  3. 胴体部に連結された複数本の可動肢体を有し、
    前記複数本の可動肢体のうち、下肢として機能する可動肢体を用いることで、任意の移動面上を歩行可能とされる移動ロボットにおいて、
    前記下肢として機能する可動肢体が、請求項1又は2に記載の移動ロボット用肢体駆動機構によって構成されていることを特徴とする移動ロボット。
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