JP2012071319A - 鋳造用金型セット、金型分割面決定方法、及び、鋳造粗形材 - Google Patents

鋳造用金型セット、金型分割面決定方法、及び、鋳造粗形材 Download PDF

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Abstract

【課題】発生した鋳バリを除去する加工手間を低減できる金型を提供する。
【解決手段】鋳造粗形材Hの仕上げ削り代部分Gの成型領域に対応するキャビティ面領域E内であり、かつ、仕上げ削り代部分の角部面取り面bに対向するキャビティ面領域F内に金型分割ラインPLを配置するとともに、金型分割ラインPLを挟んでキャビティ面と分割面PSとが金型内部側にてなす角度(12d、14d)が90度以上となるように分割面PSを形成する。そのように分割ラインPLと分割面PSが配された金型を用いると鋳バリが仕上げ削り代部分Gから発生するようになる。そのような鋳バリは仕上げ加工で除去できるので、鋳バリを除去するための専用工程が不要となる。
【選択図】図4

Description

本発明は、鋳造用金型セットに関する。
鋳造では、複数の金型(金型セット)を組み合わせて閉空間(キャビティ)を形成し、そのキャビティに溶融金属を流し込んで鋳造品(鋳造粗形材)を成型する。金型の外面のうち、成型予定の粗形材の外形状と同じ形状を有し、キャビティを形成する面をキャビティ面と呼ばれる。また、一の金型と他の金型の合わせ面は、見切り面、あるいは分割面と呼ばれる。本明細書では「分割面」の語を用いる。隣接する金型同士のキャビティ面の境界、別言すればキャビティ面と分割面との交差線(稜線)は、分割ラインと呼ばれる。なお、本明細書でいう「金型」には、入り子も含まれる。また、本明細書では、鋳造用金型セットを単に金型セットと称する。
金型セットを用いた鋳造においては、キャビティに流し込んだ溶融金属が分割ラインから分割面に沿って浸入し、凝固する。この部分は鋳バリあるいは見切りバリと呼ばれる。鋳バリは不要な部分であるので鋳造後にこれを削り取る鋳バリ除去工程が必要となる。鋳バリ除去加工の手間を抑制することが、鋳造品製造工程の効率向上につながる。例えば、発生する鋳バリの大きさを小さくする技術が特許文献1に開示されている。特許文献1の技術は、発生する鋳バリの大きさが小さくなるように分割ラインに沿った金型形状を工夫するものである。
特開平6−315736号公報
特許文献1の技術によっても鋳バリを完全になくすことはできない。従って鋳バリ除去加工は依然として必要である。本明細書は、鋳バリの発生そのものを抑制するのではなく、発生した鋳バリを除去する加工の手間を低減することのできる金型セットを提供する。
多くの場合、成型された粗形材に対して、特定の面を薄く精密に削り取る加工、いわゆる仕上げ加工が施される。本明細書が開示する技術は、この仕上げ加工に着目し、仕上げ加工にて鋳バリが除去できるように、分割ラインと分割面の位置を工夫する。
本明細書が開示する鋳造用金型セットの一実施形態は、次の特徴を有する。即ち、鋳造対象の粗形材の予め定められた仕上げ削り代部分の成型領域に対応するキャビティ面領域内であり、かつ、前記仕上げ削り代部分の角部面取り面に対向するキャビティ面領域内に金型分割ラインが配置されている(第1の特徴)。また、金型分割ラインを挟んでキャビティ面と分割面とが金型内部側にてなす角度が、90度以上となるように分割面が形成されている(第2の特徴)。なお、「面取り」とは、通常、工作物の2つの側面が交差するエッジを斜めに削る加工法を指すが、本明細書では、鋳造粗形材の2つの側面が交差するエッジを斜めにカットした形状を鋳造するようにキャビティを構成し、そのカットした面を「角部面取り面」と称することにする。
第1の特徴によって、鋳バリが仕上げ削り代部分から発生するようにできる。従って、仕上げ加工にて鋳バリを除去できる。即ち、鋳バリ除去の専用工程を用意する必要がなくなる。ここで、分割ラインの位置を単に仕上げ削り代部分を成型するためのキャビティ面領域とするだけでなく、粗形材の角部面取り面に対向するキャビティ面領域内に限定したのは次の理由による。例えば、粗形材の直角な角部を成型するための金型部分に分割ラインを配置した場合を考える。即ち、2つのキャビティ面が直角をなして交差するその交線に分割ラインを配置する場合を考える。この場合、粗形材の直角の稜線に沿って鋳バリが生じる。直角を挟むいずれか一方の面を仕上げ加工する場合、かえりバリ(面の切削に伴って面端部に発生するバリ)が生じ易い。ここで、角部に鋳バリが発生していると、その鋳バリがタネとなってかえりバリが発生し易くなる。分割ラインの配置位置を粗形材の角部面取り面に対向するキャビティ面領域内に限定したのは、かえりバリの発生を抑制するためである。「角部面取り面」は、隣接する2つの面(典型的には直交する2つの面)が交差するエッジを落とした部分の面である。この部分では、隣接する2面が直角よりも大きい角度で接する。仕上げ加工面とこれに接する面とが直角よりも大きい角度をなす場合、かえりバリの発生が抑制される。
分割ラインの位置を決定しても、分割面の向きは様々に選定し得る。発明者は、分割面の向きにも配慮した。第2の特徴は、金型のキャビティ面と分割面とが金型内部側にてなす角度が鋭角とならないことを保証する。金型のキャビティ面と分割面との境界はキャビティ面のエッジに相当する。金型のキャビティ面と分割面とが金型内部側にてなす角度は、キャビティ面のエッジの角度に相当する。キャビティ面のエッジが鋭角であると、破損し易い。上記の分割面決定ステップは、キャビティ面のエッジが鋭角とならないことを保証し、金型のエッジの強度を確保する。
金型分割ラインは、粗形材の角部面取り面の端部に対応する位置に配置されていることが好ましい。そのような位置に分割ラインを配することによって、隣接する金型の夫々のキャビティ面エッジの角度の和は180度よりも大きくなる。エッジ角度の和が180度よりも大きければ、直角以上のエッジ角度を確保する場合に分割面の向きの選択肢が広がる。また、少なくとも一方は直角よりも大きいエッジ角度を確保できるので、エッジの強度が増大する。
さらに好ましくは、分割面が仕上げ加工面と略直角をなすようにその向きが決定されていることが好ましい。そのような配置によって、鋳バリは、仕上げ削り代部分の加工面から垂直に伸びるように発生する。そのような鋳バリは、仕上げ加工の初期できれいに切削される。従ってかえりバリの発生を一層抑制できる。
本明細書が開示する技術は、さらに、上記した金型セットで成型された鋳造粗形材を提供する。本明細書が開示する技術によって成型される鋳造粗形材は、鋳バリを除去する専用の加工工程が不要であるので低コストの鋳造品を提供することができる。
本明細書が開示する技術の一実施形態は、上記した金型セットを製造する方法(厳密には金型セットの分割面の決定方法)を提供する。その方法は、鋳造対象の粗形材の予め定められた仕上げ削り代部分の成型領域に対応するキャビティ面領域内であり、かつ、前記仕上げ削り代部分の角部面取り面に対向するキャビティ面領域内に金型分割ラインを配する。さらに、金型分割ラインを挟んでキャビティ面と分割面とが金型内部側にてなす角度が、90度以上となるように分割面を決定する。
本明細書が開示する技術によれば、鋳バリを除去する加工の手間を抑制することができる。
実施例における鋳造粗形材の斜視図である。 鋳造粗形材の側面図である。 実施例における金型セットの断面図を示す。 図3の波線IVで囲まれた領域の拡大図を示す。 図3のV−V線に沿った断面図を示す。 図5の波線VIで囲まれた領域の拡大図を示す。 実施例の金型セットの変形例を説明する図である。
図1は、本実施例の金型セットで鋳造する鋳造粗形材Hの斜視図であり、図2は鋳造粗形材Hの側面図である。以下、鋳造粗形材Hを単に粗形材Hと称する。この粗形材Hは、両端にフランジFを有する角柱である。粗形材Hは、両端のフランジFの夫々に部品を連結する継ぎ手の中間製品である。継ぎ手は、粗形材Hの両端面を僅かに薄く精密に削り取る仕上げ加工を経て完成する。図2の符号Gが示す部分が仕上げ加工による削り代を示している。仕上げ加工による削り代部分Gは、予め定められている。
図3に鋳造粗形材Hを鋳造成形するための鋳造装置10の模式的断面図を示す。なお、図1の鋳造装置は主として金型セットを示しているので、以下では、金型セットを説明する場合には「金型セット10」と表現することがある。金型セット10は、6個の金型を備える。6個の金型は、可動金型18、固定金型14、上部スライド金型12、下部スライド金型16、右スライド金型30、左スライド金型32である。6個の金型が組み合わされてキャビティC形成する。なお、右スライド金型30と左スライド金型32は、図3では紙面手前と奥に位置するので図示されておらず、図5に示されている。図5は、図3のV−V線に沿った断面図である。以下、図3に基づいて説明するので右スライド金型30と左スライド金型32の説明は省略する。それらの金型については後述する。
可動金型18はダイベース20に固定されている。ダイベース20はアクチュエータ(不図示)によって図3の紙面左右方向に移動する。上部スライド金型12と下部スライド金型16は夫々作動ロッド28に固定されている。作動ロッド28は、ボールネジであり、モータに連動したナット(不図示)の回転に伴って、スライド金型を移動させる。図3は、金型セットが閉じた状態を示している(6個の金型のうち2個は不図示)。なお、図3では、夫々の金型の形状を理解し易いように隣接する2つの金型の間に隙間を描いてある。実際には、閉じた状態では隣接する金型同士はぴったりと密着する。閉じた夫々の金型が図3の矢印の方向に移動し、金型が開く。
金型セット10が閉じるとキャビティCが形成される。キャビティCの形状は、粗形材Hの外形状と同じである。固定金型14には溶湯(溶融金属)を一時的に貯めるスリーブ22と、スリーブ内の溶湯をキャビティCへと射出するプランジャ24が連結されている。スリーブ22内の溶湯は、湯道26を通りキャビティCへと射出される。
図3の破線IVは、隣接する金型の分割位置(分割ライン、分割面)を示している。破線B、Dも同様である。但し、破線Dが示す部分は、湯道26が形成されている点で他の合わせ面と異なる。
図4は、図3の破線IVが示す部分の拡大図である。図3が示すように、破線IVが示す部分は巨視的には隣接する2つの金型のキャビティ面同士が直交しているが、図4に示すように、微視的には粗形材Hの面取り面bを成型するためのキャビティ面12bを介して2つのキャビティ面12aと14aが交わっている。別言すると、金型セット10は、フランジF(図1、図2参照)の端面と側面が直交するエッジを斜めにカットした形状に粗形材Hを成型するキャビティを有している。
この金型セット10は、分割ラインと分割面の形態(コンフィグレーション)に特徴がある。以下、図4を参照して、この金型セット10の分割ラインと分割面について、その決定手順に沿って説明する。
まず図4の符号を説明する。符号Hは、金型セット10の鋳造対象である粗形材を示す。符号Gは、粗形材Hの仕上げ削り代を示す。符号cは粗形材Hの仕上げ面(仕上げ加工前であるから削り代部分Gを含んだときの表面)を示しており、符号aは仕上げ面cに隣接する側面を示しており、符号bは仕上げ面cと側面aの接合部(角部)に形成される面取り面(角部面取り面)を示している。符号12aは、上部スライド金型12のキャビティ面のうち、粗形材Hの側面aに対向する領域を示しており、符号12bは、上部スライド金型12のキャビティ面のうち、粗形材Hの角部面取り面bに対向するキャビティ面領域を示している。符号14aは固定金型14のキャビティ面のうち、仕上げ面cに対向するキャビティ面領域を示している。符号PLは、固定金型14と上部スライド金型12の分割ラインを示しており、符号PSは固定金型14と上部スライド金型12の分割面を示している。符号12cは、上部スライド金型12側の分割面を示しており、符号14cは固定金型14側の分割面を示している。符号12dは、上部スライド金型12において、分割ラインPLを挟んでキャビティ面領域12bと分割面12cとが金型内部側にてなす角度を示しており、符号14dは、固定金型14において、分割ラインPLを挟んでキャビティ面領域14aと分割面14cとが金型内部側にてなす角度を示している。符号Eは、キャビティ面のうち、仕上げ削り代部分Gを成型するためのキャビティ面領域を示している。符号Fは、仕上げ削り代部分Gの成型領域に対応するキャビティ面領域Eのうち、仕上げ削り代部分Gの角部面取り面に対向するキャビティ面領域を示している。
金型セット10の分割ラインPLと分割面PSの決定手順を説明する。まず、金型セット10の鋳造対象である粗形材Hの仕上げ削り代部分Gを特定する。仕上げ削り代部分Gは、鋳造実施前、最終製品である継ぎ手とその中間製品である粗形材Hの設計時点で決定される。なお、その時点で、粗形材Hの角部面取り面bも決定される。
次に、削り代部分Gを成型するためのキャビティ面領域Eを特定する。キャビティ面領域Eは、粗形材Hの仕上げ面cに対向するキャビティ面領域14aと、角部面取り面bに対向するキャビティ面領域12bのうち仕上げ削り代Gに対応する部分で構成される(符号Eが示す部分)。金型セット10の分割ラインPLは、粗形材Hの仕上げ削り代部分Gの成型領域に対応する金型キャビティ面領域E内であり、かつ、粗形材Hの角部面取り面bを成型するための金型キャビティ面領域12bの範囲、即ち、領域Eと領域12bの重複部分Fに配置される。この実施例では、分割ラインPLは、重複部分Fのうち、角部面取り面bの端部に対応する位置に配置されている。
分割ラインPLを決定した後、分割面PSを決定する。分割面PSは、分割ラインPLで分割される夫々の金型(この場合は上部スライド金型12と固定金型14)において、金型分割ラインPLを挟んでキャビティ面と分割面とが金型内部側にてなす角度が90度以上となるように決定される。金型分割ラインPLを挟んでキャビティ面と分割面とが金型内部側にてなす角度は、上部スライド金型12においては角度12dであり、固定金型14においては角度14dである。この実施例では、角度12dは90度以上となり、角度14dは90度である。なお、分割面PSは、分割ラインPLの近傍で上記条件を満足していればよく、分割ラインPLから離れた位置では、上記条件を満足せずともよい。図4では、途中で上方に直角に折れている分割面PSのうち、分割ラインPLから右方向に伸びている部分が上記条件を満足する。
図3の破線領域B、Dの部分においても上記手法と同様に分割ラインと分割面が決定される。なお、破線領域Dについては、湯道26が形成されている部分を除いて、上記手法に基づいて分割ラインと分割面が決定される。
上記手法により、図4に示した特徴を有する分割ラインPLと分割面PSを備える金型セット10が実現する。こうして実現された金型セット10は次の利点を有する。粗形材Hを成型する際、分割面に沿ってわずかに溶湯が浸入し、これが固化して鋳バリが発生する。即ち、鋳バリは、図4の分割ラインPLから分割面PSに沿って発生する。図4から理解されるように、鋳バリは、仕上げ削り代部分Gの90度より大きい角部(符号PLが示す位置)から伸びる。仕上げ削り代部分Gは鋳造後に仕上げ加工により削り取られるので、このとき鋳バリも同時に除去される。従って鋳バリ除去の専用工程が不要となる。しかも、この鋳バリ発生位置は、角度が90度よりも大きい角部であるので、かえりバリが発生し難い箇所である。そのような箇所から伸びる鋳バリがタネとなってかえりバリが成長することはほとんどない。
さらに、分割面PSを決定する際の、分割ラインPLを挟んでキャビティ面と分割面とが金型内部側にてなす角度が90度以上であるという条件は、図4から明らかな通り、分割ラインを稜線とする金型のエッジが直角以上となることを保証する。このことにより、エッジの強度が確保され、エッジが破損し難くなる。
次に、図5、6を参照して、金型セットの他の場所における分割ラインと分割面を説明する。図5は、図3のV−V線に沿った断面図であり、4個の金型、即ち、上部スライド金型12、下部スライド金型16、右スライド金型30、及び、左スライド金型32を示している。移動金型18と固定金型14は、図5の紙面手前と奥に位置するため図示されていない。図5に示されているいずれの金型も作動ロッド28に支持されており、矢印方向に移動して金型が開く。図5の断面でみたとき、キャビティCは矩形であり、4個の角部(VI、及びJ)が形成される。図6は、破線領域VIの拡大図である。図5と図6を比較すると理解されるように、図5の断面でみたときのキャビティの角部は、巨視的には直角であるが(図5)、微視的には角部が斜めに落とされている(図6)。
図6の符号を説明する。符号Hは粗形材を示し、符号Gは粗形材Hの仕上げ削り代部分を示す。符号cは粗形材Hの仕上げ面(仕上げ加工前であるから削り代部分Gを含んだときの表面)を示しており、符号aは仕上げ面cに隣接する側面を示しており、符号bは仕上げ面cと側面aの接合部(角部)に形成される面取り面(角部面取り面)を示している。符号12eは、上部スライド金型12のキャビティ面のうち、粗形材Hの仕上げ面cに対向する領域を示している。符号30eは、右スライド金型30のキャビティ面のうち、粗形材Hの角部面取り面bに対向するキャビティ面領域を示している。符号PLとPSは、上部スライド金型12と右スライド金型30の分割ラインと分割面を示している。符号12fは、上部スライド金型12側の分割面を示しており、符号30fは右スライド金型30側の分割面を示している。符号12gは、上部スライド金型12において、分割ラインPLを挟んでキャビティ面領域12eと分割面12fとが金型内部側にてなす角度を示しており、符号30gは、右スライド金型30において、分割ラインPLを挟んでキャビティ面領域30eと分割面30fとが金型内部側にてなす角度を示している。符号Eは、キャビティ面のうち、仕上げ削り代部分Gを成型するためのキャビティ面領域を示している。符号Fは、仕上げ削り代部分Gの成型領域に対応するキャビティ面領域Eのうち、仕上げ削り代部分Gの角部面取り面bに対向するキャビティ面領域を示している。
上部スライド金型12と右スライド金型30との間の分割ラインPLと分割面PSの決定手順は、先に説明した上部スライド金型12と固定金型14との間における手順と同じである。即ち、分割ラインPLは、粗形材Hの仕上げ削り代部分Gの成型領域に対応するキャビティ面領域E内であり、かつ、粗形材Hの角部面取り面bに対向するキャビティ面領域30e内である範囲、即ち、キャビティ面領域Eと30eの重複部分Fの範囲に決定される。図6の例では、分割ラインPLは、重複部分Fのうち、角部面取り面bの端部に相当する位置に決定されている。
次に、分割面PSは、金型分割ラインPLを挟んでキャビティ面と分割面とが金型内部側にてなす角度(角度12gと角度30g)が90度以上となるように決定する。こうして、金型分割ラインPLと分割面PSが決定される。そのような決定手順を経て、図6に示した特徴を有する金型セット10が実現される。図6の断面における分割ラインと分割面も、図4で説明した利点を有することは明らかである。
次に、図7を参照して、図4で説明した分割ラインの変形例を説明する。図7の例では、粗形材Hの仕上げ削り代部分Gとこれに接する側面aとの接合部が曲面状の面取り面bを構成している例である。この部分は、上部スライド金型112と固定金型114の合わせ目付近で成型される。分割ラインPLは、粗形材Hの仕上げ削り代部分Gの成型領域に対応するキャビティ面領域E内であり、かつ、粗形材Hの湾曲面取り面bを成型するためのキャビティ面領域112b内の範囲、即ち、重複部分Fに配置される。より厳密には、湾曲面取り面bの端部に相当する位置に配置される。分割面PSは、金型分割ラインPLを挟んでキャビティ面(112b、114a)と分割面(112c、114c)とが金型内部側にてなす角度(図7の角度112d、114d)が、90度以上となるように決定される。なお、図7の例では面取り面bが湾曲しているので、「金型分割ラインPLを挟んでキャビティ面と分割面とが金型内部側にてなす角度」は、湾曲しているキャビティ面112bの分割ラインPLにおける接線TLと分割面112cとのなす角度に相当する。
図7が示す金型セット(上部スライド金型112と固定金型114を含む金型セット)も、上記した第1実施例の金型セットと同様の利点を有することは明らかである。
上記した金型セットを用いて成型された鋳造粗形材は次の利点を有する。そのような鋳造粗形材は、鋳バリを除去する専用の加工工程が不要であるので、低コストで最終製品を製造することに貢献する。
上記説明した金型セットでは、粗形材Hの仕上げ削り代部分Gの成型領域に対応するキャビティ面領域E内であり、かつ、仕上げ削り代部分Gの角部面取り面に対向するキャビティ面領域Eの範囲に金型分割ラインを配置した。角部面取り面は、仕上げ面とこれに略直角に交差する隣接側面とのエッジを落とした面に相当する。隣接側面が仕上げ面に対して元々直角以上の角度で交差する場合は、面取り面がない場合がある。例えば、図4の符号bが示す部分が、仕上げ面cに隣接する側面に相当する場合である。そのような場合では、分割ラインは、粗形材の仕上げ削り代部分であり、削り代部分の鈍角を有する角部(例えば図4において、符号bが示す側面と符号cが示す仕上げ面の交差位置)に相当するキャビティ面位置に配置すればよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
10:金型セット(鋳造装置)
12、112:上部スライド金型
14、114:固定金型
16:下部スライド金型
28:作動ロッド
30:右スライド金型
32:左スライド金型

Claims (4)

  1. 複数の金型を組み合わせてキャビティを形成する鋳造用金型セットであり、
    鋳造対象の粗形材の予め定められた仕上げ削り代部分の成型領域に対応するキャビティ面領域内であり、かつ、前記仕上げ削り代部分の角部面取り面に対向するキャビティ面領域内に金型分割ラインが配置されているとともに、
    金型分割ラインを挟んでキャビティ面と分割面とが金型内部側にてなす角度が、90度以上となるように分割面が形成されていることを特徴とする鋳造用金型セット。
  2. 粗形材の角部面取り面の端部に対応する位置に金型分割ラインが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の鋳造用金型セット。
  3. 請求項1又は2の鋳造用金型セットで成型された鋳造粗形材。
  4. 鋳造用金型セットの分割面決定方法であり、
    鋳造対象の粗形材の予め定められた仕上げ削り代部分の成型領域に対応するキャビティ面領域内であり、かつ、前記仕上げ削り代部分の角部面取り面に対向するキャビティ面領域内に金型分割ラインを配するとともに、
    金型分割ラインを挟んでキャビティ面と分割面とが金型内部側にてなす角度が、90度以上となるように分割面を決定することを特徴とする金型セットの分割面決定方法。
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