JP2012068838A - 共通診察券管理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】携帯通信端末を用いて診察券を共通化する場合において、患者の個人情報を保護しつつ、保険証の不正使用を防止と患者の医療情報の共有とを図り得る共通診察券管理システムを提供する。
【解決手段】本発明に係る共通診察券管理システムは、受付装置100Aと共通診察券管理装置200とを含む。受付装置100Aは、携帯通信端末20の端末識別子を読み取るID読み取り部101と、読み取った電話番号を共通診察券管理装置200に送信する送信部109とを備える。共通診察券管理装置200は、端末識別子と、保険証番号と、被保険者名と、保険証の有効期限が対応付けられた複数の共通診察券のデータを含む共通診察券データベース209と、共通診察券データベースを参照し、共通診察券が有効であるか否かを判定する判定部207と、端末識別子と対応付けられている保険証番号及び被保険者名を受付装置100Aに送信する送信部219とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、携帯通信端末を一意に識別可能な端末識別子をキーとした共通診察券を管理する共通診察券管理システムに関する。
病院などの医療機関では、当該医療機関が診察券を患者に対して発行することが一般的である。このため、患者は、利用する医療機関毎に診察券を所持しなければならず、管理が面倒である。
そこで、携帯電話機などの携帯通信端末に複数の診察券を記憶させる方法が提案されている(例えば、特許文献1)。このような方法によれば、患者は、複数の診察券を所持する必要がなく、面倒な管理から解放される。
特開2008−293166号公報(第9頁、第1図)
しかしながら、上述した携帯通信端末に複数の診察券を記憶させる方法には、次のような問題があった。すなわち、携帯通信端末に患者の個人情報が記憶されるため、当該個人情報の保護が問題となる。
また、上述した方法では、複数の診察券のデータは管理されるものの、保険証のデータは何も管理されていないため、保険証の不正使用を防ぐことはできない問題があった。さらに、上述した方法では、単に個別の診察券が複数記憶されているだけであり、患者の医療情報(診察履歴など)は、診察券を発行した複数の医療機関で共有することは何ら考慮されていない。
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、携帯通信端末を用いて診察券を共通化する場合において、患者の個人情報を保護しつつ、保険証の不正使用を防止と患者の医療情報の共有とを図り得る共通診察券管理システムの提供を目的とする。
本発明の特徴は、所定の医療機関(例えば、医療機関A)に設置され、携帯通信端末(携帯通信端末20)を一意に識別可能な端末識別子(例えば、電話番号)を取得する受付装置(例えば、受付装置100A)と、前記受付装置が取得した前記端末識別子をキーとし、複数の医療機関での診察に共通に用いられる共通診察券を管理する管理装置(共通診察券管理装置200)とを含む共通診察券管理システムであって、前記受付装置は、前記端末識別子を取得する識別子取得部(ID読み取り部101)と、前記識別子取得部が取得した前記端末識別子を前記管理装置に送信する受付装置送信部(送信部109)とを備え、前記管理装置は、前記受付装置から受信した前記端末識別子と、保険証番号と、被保険者名と、保険証の有効期限が対応付けられた複数の前記共通診察券のデータを含む共通診察券データベース(共通診察券データベース209)と、受信した前記端末識別子に基づいて前記共通診察券データベースを参照し、前記端末識別子と対応付けられた前記共通診察券が発行済みであり、かつ前記共通診察券が有効であるか否かを判定する判定部(判定部207)と、前記判定部によって前記共通診察券が有効であると判定された場合、前記端末識別子と対応付けられている前記保険証番号及び前記被保険者名を前記受付装置に送信する管理装置送信部(送信部219)とを備えることを要旨とする。
本発明の特徴によれば、携帯通信端末を用いて診察券を共通化する場合において、患者の個人情報を保護しつつ、保険証の不正使用を防止と患者の医療情報の共有とを図り得る共通診察券管理システムを提供することができる。
本発明の実施形態に係る共通診察券管理システムを含む全体ネットワーク構成図である。 本発明の実施形態に係る共通診察券管理システムを構成する受付装置100A及び共通診察券管理装置200の機能ブロック構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る医療機関一覧データベース203の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る共通診察券データベース209の基本構造及び共通診察券データベース209の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る個人別受診履歴データベース213の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る保険者一覧データベース215の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係るアラーム情報データベース217の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る共通診察券(ケータイ共通診察券)の仮登録処理フローを示す図である。 本発明の実施形態に係る医療機関検索・初診予約処理フローを示す図である。 本発明の実施形態に係る初診・保険証データ取得処理フローを示す図である。 本発明の実施形態に係る再診予約処理フローを示す図である。 本発明の実施形態に係る再診処理フローを示す図である。 本発明の実施形態に係る緊急呼び出し処理フローを示す図である。 本発明の実施形態に係る携帯通信端末20に表示される画面例を示す図である。 本発明の実施形態に係る外来患者情報の表示例を示す図である。
次に、本発明に係る共通診察券管理システムの実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
(1)全体概略構成
図1は、共通診察券管理システムを含む全体ネットワーク構成図である。図1に示すように、共通診察券管理システムは、受付装置100A,100Bと共通診察券管理装置200とによって構成される。受付装置100Aは、医療機関Aに設置され、受付装置100Bは、医療機関Bに設置される。
医療機関A及び医療機関Bには、患者の診察記録(カルテ)などが記憶される医療機関システム30A,30Bがそれぞれ設置される。
携帯通信端末20は、携帯電話機など、携帯通信網11に接続可能な無線通信端末である。携帯通信端末20のユーザ(またはその家族)は、患者21として医療機関A及び医療機関Bでの診察を受ける。
受付装置100A,100Bと共通診察券管理装置200とは、固定通信網12を介して接続されている。また、固定通信網12には、複数の保険者の情報が記憶された保険者データベース40が接続されている。
受付装置100A(100B)は、携帯通信端末20を一意に識別可能な端末識別子として、携帯通信端末20の電話番号を取得する。共通診察券管理装置200は、受付装置100A(100B)が取得した電話番号をキーとし、複数の医療機関での診察に共通に用いられる共通診察券を管理する。
(2)機能ブロック構成
図2は、共通診察券管理システムを構成する受付装置100A及び共通診察券管理装置200の機能ブロック構成を示す。
(2.1)受付装置100A
受付装置100Aは、ID読み取り部101、診察結果入力部103、アラーム通知部105、保険証データ取得部107、送信部109、医療機関ID情報保持部111、受信部113及び表示部115を備える。
ID読み取り部101は、携帯通信端末20の電話番号を取得する。本実施形態において、ID読み取り部101は、識別子取得部を構成する。ID読み取り部101は、電話番号を携帯通信端末20から直接読み取ってもよいし、携帯通信網11の発信番号通知機能を利用して医療機関システム30Aに発信することにより取得してもよい。また、ID読み取り部101の読み取り機能に不具合がある場合には、携帯通信端末20に表示された電話番号を直接受付装置100Aに入力してもよい。
なお、ID読み取り部101で取得した電話番号は、医療機関システム30Aに記憶されているカルテなどの診察記録の検索キーとして用いてもよい。
診察結果入力部103は、電話番号、つまり、共通診察券のIDと対応付けられた被保険者の診察結果を入力するために用いられる。具体的には、医療機関システム30Aの医師などは、患者21の診察終了後、該当する電話番号について診察結果を、診察結果入力部103を用いて入力する。診察結果入力部103は、共通診察券管理装置200の個人別受診履歴データベース213に対して、入力された診察結果の登録を依頼する。なお、診察結果入力部103は、キーボードなどを用いて診察結果を直接入力させてもよいし、医療機関システム30Aから診察結果のデータを取得するようにしてもよい。個人別受診履歴データベース213に診察結果が登録されると、地域における医療情報の共有化が促進される。また、診察結果は処方箋を含んでもよい。この場合、薬局は、患者21の共通診察券のIDから調剤などを行うことができるため、医・薬連携が促進される。さらに、処方箋のペーパレス化が図れ、処方箋の不正利用(他人使用や、多重利用)も防止し得る。
アラーム通知部105は、保険証データによって特定される被保険者(患者21)が保険を正常に適用できない者であると医療機関Aにおいて判断された場合、ID読み取り部101によって取得された携帯通信端末の電話番号であって、保険を正常に適用できない者と判断された被保険者が使用する携帯通信端末の電話番号を、アラーム端末識別子として共通診察券管理装置200に通知する。
具体的には、診察後の未払い金またはレセプト請求拒否などの未収入金が発生した場合、医療機関Aの担当者は、当該被保険者が保険を正常に適用できない者であると判断する。担当者は、ID読み取り部101を介して、当該被保険者が使用する携帯通信端末の電話番号を受付装置100Aに入力する。
アラーム通知部105は、ID読み取り部101を介して入力された電話番号を共通診察券管理装置200のアラーム情報データベース217に登録を依頼する。
保険証データ取得部107は、電話番号と対応付けられた共通診察券が未発行であることが共通診察券管理装置200から通知されたことに基づいて、携帯通信端末20のユーザに交付された保険証の保険証番号及び被保険者名を少なくとも含む保険証データを取得する。
具体的には、保険証データ取得部107は、共通診察券が未発行である場合、患者21に対して交付され、持参した保険証の保険証データを取得し、共通診察券管理装置200に対して共通診察券の発行を依頼する。なお、保険証データを取得には、キーボードを用いてもよいし、文字認識装置を用いてもよい。また、患者21の被扶養者の保険証データを合わせて取得してもよい。
送信部109は、各種データを共通診察券管理装置200に送信する。具体的には、送信部109は、ID読み取り部101が取得した電話番号、及び医療機関Aを識別する医療機関識別子(医療機関ID)を共通診察券管理装置200に送信する。本実施形態において、送信部109は、受付装置送信部を構成する。
また、送信部109は、保険証データ取得部107によって取得された保険証データを共通診察券管理装置200に送信したり、電話番号及び診察結果を共通診察券管理装置200に送信したりする。
表示部115は、各種データを表示する。具体的には、表示部115は、共通診察券が未発行である場合、共通診察券の発行に必要な保険証データの取得を促す情報を表示する。
また、共通診察券管理装置200への問い合わせの結果、患者21が初診であると判定された場合、表示部115は、電話番号と対応付けられている保険証データを表示し、患者21が持参した保険証との照合を促す情報を表示する。
共通診察券管理装置200への問い合わせの結果、当該電話番号がアラーム端末識別子として登録されている場合、或いは保険証が無効であった場合、表示部115は、その旨を患者21に通知する情報を表示し、自由診療(100%自己負担)或いは診察前の保証金差出しなどの未収入金発生予防措置を講じる必要があることを表示する。
共通診察券管理装置200への問い合わせの結果、前回の保険証の確認から1ヶ月以上が経過している場合、表示部115は、電話番号と対応付けられている保険証データを表示し、患者21が持参した保険証との照合(月替わり確認)を促す情報を表示する。なお、共通診察券管理装置200への問い合わせの結果、保険証の月替わり確認が既に他の医療機関で行われていた場合、表示部115は、当該情報を表示せず、保険証の月替わり確認作業を省略する。このため、当該医療機関における保険証確認の要否が共通診察券管理システムによって自動判定されるため、受付医療事務が軽減される。
また、表示部115は、共通診察券の情報に上述したような問題がない場合、他の医療機関を含めた受診履歴を表示することができる。医療機関Aの医師は、当該受診履歴を参照して患者21を診察できる。
また、表示部115は、ID読み取り部101が取得した電話番号と対応付けられている患者21の受診履歴を表示する。本実施形態では、表示部115は、共通診察券管理装置200から受診履歴を取得して出力する受診履歴出力部を構成する。
医療機関ID情報保持部111は、医療機関Aを一意に識別する医療機関IDを保持する。
受信部113は、共通診察券管理装置200から送信された各種データを受信する。
(2.2)共通診察券管理装置200
共通診察券管理装置200は、受信部201、医療機関一覧データベース203、生成部205、判定部207、共通診察券データベース209、医療事務情報管理部211、個人別受診履歴データベース213、保険者一覧データベース215、アラーム情報データベース217及び送信部219を備える。
受信部201は、受付装置100A(100B)から送信された各種データを受信する。また、受信部201は、携帯通信網11を介して、携帯通信端末20のユーザに対する各種サービスの要求(後述)を受付ける。
医療機関一覧データベース203は、共通診察券のサービスに加入する医療機関の情報によって構成される。図3は、医療機関一覧データベース203の一例を示す。
生成部205は、受付装置100Aから受信した保険証データを電話番号(端末識別子)と対応付けて共通診察券データベース209に登録するための登録情報を生成する。
具体的には、生成部205は、携帯通信端末20のユーザから共通診察券の発行要求を受け付ける。生成部205は、携帯通信端末20の電話番号の認証処理を実行し、当該電話番号を共通診察券データベース209に仮登録する。この時点では、共通診察券は保険証データと対応付けられておらず、当該ユーザの共通診察券は未発行状態である。
次に、生成部205は、受付装置100Aから受信した保険証データを電話番号(端末識別子)と対応付け、判定部207による認証結果が問題ない場合、当該電話番号を本登録する。本登録が完了した時点で当該ユーザの共通診察券は、発行済みの状態となる。
判定部207は、各種判定及び認証処理を実行する。具体的には、判定部207は、受付装置100Aから受信した医療機関IDが医療機関一覧データベース203に登録されているか否かを判定する。つまり、判定部207は、受信した医療機関IDに基づいて、当該医療機関(例えば、医療機関A)が共通診察券の対象であるか否かを判定する。
判定部207は、受付装置100Aから受信した電話番号に基づいて共通診察券データベース209を参照し、電話番号と対応付けられた共通診察券が発行済みであり、かつ当該共通診察券が有効であるか否かを判定する。判定部207は、共通診察券が有効である場合、共通診察券のID(電話番号)と対応付けられている保険証データ(被保険者の氏名、生年月日、性別、保険者(保険組合など)番号、記号、番号及び被扶養者(家族)情報)を医療事務情報管理部211に通知し、当該内容のチェックを依頼する。
判定部207は、共通診察券データベース209及び保険者一覧データベース215を参照し、電話番号と対応付けられている保険者が存在するか否かを判定することもできる。また、本実施形態では、共通診察券管理装置200は、保険者データベース40と接続されている。このため、判定部207は、保険者データベース40のデータベースに対して電話番号と対応付けられている被保険者名が存在するか否かを問い合わせ、当該問い合わせに対する回答結果に基づいて、共通診察券が有効であるか否かを判定することもできる。つまり、保険者の廃止や、保険者から被保険者として脱退しているか否かなど、医療機関からの医療費請求(レセプト)の拒否(未収入金の発生)を未然に防止することができる。
共通診察券データベース209は、受付装置100A(100B)から受信した電話番号と、保険証番号と、被保険者名と、保険証の有効期限が対応付けられた複数の共通診察券のデータを含む。図4(a)は、共通診察券データベース209の基本構造を示し、図4(b)は、共通診察券データベース209の一例を示す。
医療事務情報管理部211は、受付装置100Aからの要求に基づいて、共通診察券データベース209の内容を検索し、送信部219を介して検索結果を受付装置100Aに送信する。
また、医療事務情報管理部211は、受付装置100Aから受信した診察結果に基づいて、個人別受診履歴データベース213の内容を更新する。さらに、医療事務情報管理部211は、保険者一覧データベース215及びアラーム情報データベース217への情報の登録、及び登録されている内容を更新する。
個人別受診履歴データベース213は、電話番号と対応付けられた被保険者の診察結果と、共通診察券データベース209とに基づいて、当該電話番号と、被保険者の医療機関A及び共通診察券サービスに加入する他の医療機関における受診履歴とを対応付けて記憶する。図5は、個人別受診履歴データベース213の一例を示す。個人別受診履歴データベース213は、被保険者(患者21)の医療機関での過去からの診察履歴の検索に用いられる。発信元(医療機関A)での診察履歴がある場合(再診)、該当するカルテ番号も検索結果に含めることができる。また、個人別受診履歴データベース213は、保険証の月替わり確認や、初診か否かの判定にも用いられる。
保険者一覧データベース215は、保険者番号と保険者の名称とを対応付けて記憶する。図6は、保険者一覧データベース215の一例を示す。保険者一覧データベース215は、保険者番号に該当している保険者が存在しているか否かの判定や、該当する保険者が存在している場合、その保険証情報が有効であるか否かを保険者データベース40に問い合わせる場合に用いられる。
アラーム情報データベース217は、受付装置100Aから受信したアラーム端末識別子(電話番号)を記憶する。図7は、アラーム情報データベース217の一例を示す。アラーム情報データベース217は、共通診察券の対象として登録されている被保険者(患者21)が医療機関A, Bで医療費の未払い状況にあるか否かの判定や、保険証データが過去にトラブルを起こした保険証データに該当しているか否かの判定、保険証データが有効であるか否かの判定に用いられる。
送信部219は、各種データを受付装置100A(100B)に送信する。具体的には、送信部219は、携帯通信端末20の電話番号ととともに情報を送信してきた医療機関Aが共通診察券の対象である場合、当該電話番号と対応付けられた保険証番号及び被保険者名を受付装置100Aに通知する。より具体的には、送信部219は、判定部207によって共通診察券が有効であると判定された場合、当該電話番号と対応付けられている保険証番号及び被保険者名を受付装置100Aに送信する。本実施形態において、送信部219は、管理装置送信部を構成する。
また、送信部219は、判定部207によって共通診察券が未発行であると判定された場合、共通診察券が未発行であることを受付装置100Aに通知する。さらに、送信部219は、判定部207によって保険者が存在すると判定された場合、当該電話番号と対応付けられている保険証番号及び被保険者名を受付装置100Aに送信することもできる。
さらに、送信部219は、共通診察券に関する各種情報(導入医療機関一覧、受診履歴及び緊急診察要請受付)を携帯通信端末20に対して送信する。
(3)共通診察券管理システムの動作
次に、図8〜図13を参照して、共通診察券管理システムの主な動作フローについて説明する。
図8は、共通診察券(ここでは、ケータイ共通診察券)の仮登録処理フローを示す。図8に示すように、共通診察券管理システムは、ステップS10〜S60の処理を実行することによって、共通診察券を仮登録する。この状態では、共通診察券(電話番号)は、保険証データとは対応付けられておらず未発行状態である。
ここで、図14(a)〜(d)は、携帯通信端末20に表示される画面例を示す。図14(a)は、ケータイ共通診察券の基本画面を示す。図14(a)に示すように、携帯通信端末20は、受付装置100Aが携帯通信端末20の電話番号を取得できる形式(図14(a)においてはQRコード)のデータを表示する。つまり患者21は、携帯通信端末20に表示された当該QRコード(ケータイ共通診察券)を医療機関Aにおいて表示し、受付装置100Aは、当該QRコードを読み取る。
また、携帯通信端末20は、共通診察券管理装置200との通信に基づいて、仮登録が完了したことを示す画面を表示することができる。
図9は、医療機関検索・初診予約処理フローを示す。図9に示すように、共通診察券管理システムは、ステップS110〜S140の処理を実行することによって、初診の予約を実行する。勿論、携帯通信端末20のユーザ(患者21)は、初診の予約することなく受診したい医療機関に直接赴くこともできる。
図14(b)は、ケータイ共通診察券を導入している医療機関の一覧の表示例を示す。携帯通信端末20のユーザ(患者21)は、図14(b)に示す一覧を参照して、所望の医療機関を検索することができる。当該医療機関への予約は、図14(b)における医療機関名あるいは電話番号をクリックして、リンクされているweb-toあるいはphone-toを用い、携帯通信端末から直接行うことができる。
図10は、初診・保険証データ取得処理フローを示す。図10に示すように、共通診察券管理システムは、ステップS210〜S290の処理を実行することによって、仮登録状態のケータイ共通診察券を保険証データと対応させて本登録(発行)する。さらに、共通診察券管理システムは、患者21が外来として医療機関において診察を受けた場合、その診察結果を取得する。
図11は、再診予約処理フローを示す。図11に示すように、共通診察券管理システムは、ステップS310〜S340の処理を実行することによって、再診の予約を実行する。また、初診と同様に、携帯通信端末20のユーザ(患者21)は、初診の予約することなく受診したい医療機関に直接赴くこともできる。
ここで、図14(c)は、患者21の受診履歴の表示例を示す。共通診察券管理システムは、患者21が過去に受診した医療機関情報を携帯通信端末20に送信する。携帯通信端末20は、共通診察券管理システムから送信された情報に基づいて、当該医療機関情報や、患者21の受診履歴を表示させることもできる。また、受診履歴の表示内容に受診した医療機関における診察結果を含んでもよい。
図12は、再診処理フローを示す。図12に示すように、共通診察券管理システムは、ステップS410〜S440の処理を実行することによって、再診に伴う診察結果を取得する。なお、ステップS430からの処理に先立って、図10に示したステップS240〜S270の処理が実行される。
図13は、緊急呼び出し処理フローを示す。図13に示すように、共通診察券管理システムは、ステップS510〜S560の処理を実行することによって、緊急呼び出しを実行する。具体的には、携帯通信端末20の緊急呼び出し(SOS)ボタン(図14(a)参照)が押下されると、予め指定された医療機関の受付装置に当該ユーザ(患者21)の診察結果が表示される。当該医療機関の医師などは、表示された診察結果に基づいて電話を介した当該ユーザへの問診を行う。図14(d)は、ステップS520の処理が完了した場合に共通診察券管理装置200から携帯通信端末20に送信される情報に基づいて表示される緊急診察要請受付画面の例を示す。
このような処理により、患者21の救急状態の場合において、携帯通信端末20の電話番号さえ知得できれば、患者21の受診履歴が迅速に入手(例えば、救急車両内でも)でき、適切な応急医療を施すことが可能となる。
ここで、携帯通信端末20の緊急呼び出し(SOS)ボタンが押下され、予め指定された医療機関の受付装置に患者21の受診履歴が表示されるまでの通信を電話以外の通信手段(例えばインターネット)で行うことにより、当該指定医療機関における通話中状態を回避できる。勿論、携帯通信端末20では、電話(音声通話)を使用していないので、電話による問診を受けることができる。
さらに、携帯通信端末20の位置情報通知機能(GPS)によって、緊急呼び出しを行った患者21の場所を当該指定医療機関で把握できることから、電話問診の結果、患者21の場所に近い適切な医療機関を紹介することもできる。
図15は、患者21が外来再診で医療機関Aを訪れた際、共通診察券IDを読み取った場合に表示部115に表示される診察履歴および保険証データの表示例である。
(4)作用・効果
本実施形態に係る共通診察券管理システムによれば、携帯通信端末20の電話番号と、保険証番号と、被保険者名と、保険証の有効期限が対応付けられた複数の共通診察券のデータを含む共通診察券データベース209が用いられる。
このため、携帯通信端末20には、患者21の個人情報は何ら記憶しておく必要がないため、個人情報の保護の問題が生じない。また、保険証データも管理されるため、保険証の不正使用も防ぐことができる。本実施形態に係る共通診察券管理システムが従来の診察券と大きく異なる点は、診察券番号が医療機関から割り振られるのではなく、患者が利用する携帯通信端末20の電話番号を共通診察券として用いることにある。
勿論、各医療機関での個別診察券の発行が不要となり、患者にとって複数の診察券を所持する負担がなくなるとともに、医療機関は、診察券の発行・再発行・照合や保険証確認に伴うコスト及び、未収金発生リスクを軽減できる。さらに、患者21の受診履歴を参照することで、医療機関間での連携が容易になるとともに、迅速かつ的確な治療を実施することが可能となり、地域医療連携の実現が促進される。
(5)その他の実施形態
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
例えば、上述した実施形態では、医療機関を例として説明したが、本発明は、処方箋に従った調剤を行う調剤薬局にもそのまま適用することができる。
また、上述した実施形態では、携帯通信端末20の電話番号を端末識別子として用いたが、携帯通信端末20を一意に識別できるものであれば、電話番号以外(例えば、メールアドレス)を用いてもよい。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められる。
11…携帯通信網
12…固定通信網
20…携帯通信端末
21…患者
30A,30B…医療機関システム
40…保険者データベース
100A,100B…受付装置
200…共通診察券管理装置

Claims (8)

  1. 所定の医療機関に設置され、携帯通信端末を一意に識別可能な端末識別子を取得する受付装置と、
    前記受付装置が取得した前記端末識別子をキーとし、複数の医療機関での診察に共通に用いられる共通診察券を管理する管理装置と
    を含む共通診察券管理システムであって、
    前記受付装置は、
    前記端末識別子を取得する識別子取得部と、
    前記識別子取得部が取得した前記端末識別子を前記管理装置に送信する受付装置送信部と
    を備え、
    前記管理装置は、
    前記受付装置から受信した前記端末識別子と、保険証番号と、被保険者名と、保険証の有効期限が対応付けられた複数の前記共通診察券のデータを含む共通診察券データベースと、
    受信した前記端末識別子に基づいて前記共通診察券データベースを参照し、前記端末識別子と対応付けられた前記共通診察券が発行済みであり、かつ前記共通診察券が有効であるか否かを判定する判定部と、
    前記判定部によって前記共通診察券が有効であると判定された場合、前記端末識別子と対応付けられている前記保険証番号及び前記被保険者名を前記受付装置に送信する管理装置送信部と
    を備える共通診察券管理システム。
  2. 前記受付装置送信部は、前記端末識別子、及び前記所定の医療機関を識別する医療機関識別子を前記管理装置に送信し、
    前記判定部は、受信した前記医療機関識別子に基づいて、前記所定の医療機関が前記共通診察券の対象であるか否かを判定し、
    前記管理装置送信部は、前記所定の医療機関が前記共通診察券の対象である場合、前記保険証番号及び前記被保険者名を前記受付装置に送信する請求項1に記載の共通診察券管理システム。
  3. 前記管理装置送信部は、前記判定部によって前記共通診察券が未発行であると判定された場合、前記共通診察券が未発行であることを前記受付装置に通知し、
    前記受付装置は、前記端末識別子と対応付けられた前記共通診察券が未発行であることが前記管理装置から通知されたことに基づいて、前記携帯通信端末のユーザに交付された保険証の保険証番号及び被保険者名を少なくとも含む保険証データを取得する保険証データ取得部を備え、
    前記受付装置送信部は、前記保険証データ取得部によって取得された前記保険証データを前記管理装置に送信し、
    前記管理装置は、前記受付装置から受信した前記保険証データを前記端末識別子と対応付けて前記共通診察券データベースに登録する請求項1または2に記載の共通診察券管理システム。
  4. 前記受付装置は、前記保険証データによって特定される被保険者が保険を正常に適用できない者であると前記所定の医療機関において判断された場合、前記識別子取得部によって取得された前記端末識別子であって、前記保険を正常に適用できない者と判断された前記被保険者が使用する携帯通信端末の端末識別子を、アラーム端末識別子として前記管理装置に通知するアラーム通知部を備え、
    前記管理装置は、前記受付装置から受信した前記アラーム端末識別子を記憶するアラーム情報データベースを備え、
    前記判定部は、前記受付装置から前記端末識別子を受信した場合、前記アラーム情報データベースを参照し、受信した前記端末識別子が前記アラーム端末識別子として登録されているか否かを判定する請求項1乃至3の何れか一項に記載の共通診察券管理システム。
  5. 前記管理装置は、
    前記端末識別子と対応付けられた被保険者の診察結果と、前記共通診察券データベースとに基づいて、前記端末識別子と、前記被保険者の前記所定の医療機関における受診履歴とを対応付けて記憶する受診履歴データベースを備え、
    前記受付装置は、前記識別子取得部が取得した前記端末識別子と対応付けられている前記受診履歴を前記管理装置から取得して出力する受診履歴出力部を備える請求項1乃至4の何れか一項に記載の共通診察券管理システム。
  6. 前記受付装置は、前記端末識別子と対応付けられた被保険者の診察結果を入力する診察結果入力部を備え、
    前記受付装置送信部は、前記端末識別子及び前記診察結果を前記管理装置に送信し、
    前記管理装置は、受信した前記診察結果に基づいて、前記受診履歴データベースの内容を更新する請求項1乃至4の何れか一項に記載の共通診察券管理システム。
  7. 前記管理装置は、少なくとも保険者番号と保険者の名称とを対応付けて記憶する保険者一覧データベースを備え、
    前記判定部は、前記共通診察券データベース及び前記保険者一覧データベースを参照し、前記端末識別子と対応付けられている前記保険者が存在するか否かを判定し、
    前記受付装置送信部は、前記判定部によって前記保険者が存在すると判定された場合、前記保険証番号及び前記被保険者名を前記受付装置に送信する請求項1乃至6の何れか一項に記載の共通診察券管理システム。
  8. 前記管理装置は、前記保険者のデータベースと接続されており、
    前記判定部は、
    前記保険者のデータベースに対して前記被保険者名が存在するか否かを問い合わせ、前記問い合わせに対する回答結果に基づいて、前記共通診察券が有効であるか否かを判定する請求項1乃至7の何れか一項に記載の共通診察券管理システム。
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