JP2012068044A - 電子時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数の異常が同時に起き、かつ指針位置の管理が出来なくなっているような場合にも、発生している複数の異常の内容を分かりやすく、適切に表示することができる電子時計を提供する。
【解決手段】 電子時計における複数の指針に互いに異なる設定値、例えば時針31には8、分針32には4、秒針33には2を対応付けておき、指針に異常が発生した場合には、それらの指針に対応した設定値を加算した値、例えば秒針31と時針33に異常が発生した場合には2+8=10を、n秒運針(n秒ごとにn秒分進む)のnの値とすることで、発生している複数の異常の内容を分かりやすく、基準位置に異常があるなど指針の停止位置に信頼性がない場合にも適切に、表示することができる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、指針の基準位置など自身の状態を管理する機能を備えた、電子時計に関するものである。
電子的にカレンダーを管理して大の月と小の月を自動で判別するパーペチュアルカレンダー時計や、時刻情報を有する電波を受信して内部時刻を修正する電波時計など、電子的な情報と物理的な指針を連動させている電子時計は多く存在する。このような電子時計においては、電子的に管理されている指針の位置と実際の物理的な指針の位置が合致していることは必要不可欠であり、これらにずれが生じた際には速やかにずれを検出し、自動的に修正されるような機構を搭載しておくことが一般的となっている。しかし、時に指針の基準位置検出を行うセンサの故障など、時計の制御能力のみでは修正できない異常が生じてしまう可能性があることも周知のことである。
このような時に電子時計の異常状態をユーザに知らせるための手法として、特定の条件においてエラー表示モードに移行し、電子時計の挙動を通常時とは変化させることで、異常状態を含む電子時計の状態を表示する手法が提案されている。
この手法の一例として、特許文献1では、3つの押釦スイッチを同時に操作することによってエラー表示モードに移行し、秒針をその時点での電子時計の状態に対応した特定の位置に移動、停止させることで、電子時計の状態を表示する方法を採っている。
また、指針の基準位置の検知方法の一例として、指針が12時位置にあることを検知することが特許文献2に記載されている。
特開2009−156576号公報 特開平8−179058号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載の手法においては、電子時計の取りうる状態を多くのパターンに分け、それを指針の停止位置に対応づけることで明示的に示すことができるという効果はあるものの、特に指針の位置を管理するための基準位置検出に問題が生じた場合など、指針の停止位置そのものの信頼性が低くなるような場合には、指針を想定の位置に止められず、適切でない表示を行ってしまう可能性があるという課題を有していた。
本発明は、以上のような課題を解決しようとするもので、基準位置検出異常などの指針位置の異常の影響を受けずに、多くのパターンの異常状態を分かりやすく、適切に表示する機能を持った電子時計を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の電子時計は、指針を駆動する指針駆動手段を有する電子時計であって、該電子時計で発生し得る複数の異常のそれぞれの発生の有無を検出する複数の検出手段と、該複数の検出手段の検出結果に基づいて、前記複数の異常の発生
の有無に関する情報を前記指針で表示するように前記指針駆動手段を制御する制御手段とを設け、該制御手段は、前記複数の異常と、同時に発生し得る前記複数の異常の任意の組合せに対応付けられた互いに異なる設定値に基づいて、前記指針が前記設定値毎に異なる形態で運針するように、前記指針駆動手段を制御し、前記複数の異常の組合せに対応付けられた前記設定値は、その異常の組合せに含まれる個々の異常に対応付けられた前記設定値を用いる所定の規則に基づいて定められる値であることを特徴とする。
この構成によって、発生したそれぞれの異常又は異常の組合せの内容を区別して表すことができるため、指針基準位置検出に異常が生じている場合など該指針の位置に信頼性がない場合にも適切に異常を表すことができ、かつ該発生したそれぞれの異常を単独で表示する運針の形態と、異常の組み合わせの運針の形態とに規則性を持たせることができ、複数の異常が生じている場合にもその内容が分かりやすい形で表示することができる。
また、前記制御手段は、前記複数の検出手段によって発生が検出された異常又は異常の組合せに対応付けられた前記設定値に基づいて、前記指針駆動手段を制御することを特徴とする。
また、前記所定の規則は、その異常の組合せに含まれる個々の異常に対応付けられた前記設定値の足し算であることを特徴とする。この構成によって、前記発生した異常が複数ある場合にも該運針動作から直感的に異常の内容を理解しやすくすると共に、該制御手段が該運針動作を選出する処理を単純なものとして該処理の負荷を小さくすることができる。
また、前記複数の検出手段の少なくとも一つは、前記指針、又は、前記電子時計が有する前記指針以外の他の指針の位置を検出する指針位置検出手段であり、前記制御手段は、前記指針位置検出手段により前記指指針、又は、前記他の指針の位置が検出できないことを、前記異常が発生したこととして表示するように、前記指針駆動手段を制御することを特徴とする。この構成によって、前記指針の運針動作によって前記発生した異常を表示することで該指針の停止位置に依存しないという構成を、特に有効に活用することができる。
また、前記設定値は、いずれも整数であり、前記制御手段は、前記設定値に基づいてn秒運針(nは整数)をするように、前記指針駆動手段を制御することを特徴とする。この構成によって、前記電子時計の持つ運針機構を利用できるために追加の機構が不要となり、また該電子時計の持つ秒目盛りによって該運針動作の内容を容易に識別することができる。
また、前記制御手段は、前記指針が停止した状態から、前記設定値に基づいて定まる運針数だけ前記指針を運針させて停止させるように、前記指針駆動手段を制御することを特徴とする。この構成によって、該発生した異常の内容を分かりやすく適切に表示することができ、かつ運針に必要な電力を節約することができる。
また、前記電子時計は複数の指針を駆動する複数の指針駆動手段を有し、前記複数の検出手段は、前記複数の指針の位置を検出する複数の指針位置検出手段を含み、前記制御手段は、前記複数の指針位置検出手段のいずれかで位置が検出できた指針を、前記複数の異常の発生の有無に関する情報を表示する指針として選択するとともに、選択した指針に対応する指針駆動手段を制御することを特徴とする。この構成によって、該異常を表示する運針動作をより確実に表示することができる。
また、前記電子時計は、さらに、外部操作部材を有し、前記制御手段は、前記複数の検
出手段のいずれかが前記異常の発生を検出すると、前記指針を停止させるとともに、前記外部操作部材の所定の操作に基づいて、前記複数の異常の発生の有無に関する情報を表示するように、前記指針駆動手段を制御することを特徴とする。この構成によって、該電子時計の基本機能である指針の表示(時刻表示)に異常のあることを主張し、ユーザの誤解を防ぐことができる。
以上のように、本発明によれば、複数の異常及び、前記複数の異常の任意の組合せに対応付けられた互いに異なる設定値に基づいて、異なる形態の運針動作で異常を表示することにより、例えば指針の基準位置に異常があって指針位置の信頼性が低いような場合にも、複数の異常の状態を適切に表示することができる。さらに、異常の組合せに対応付けられた設定値が、その異常の組合せに含まれる個々の異常に対応付けられた設定値に基づく規則性のある運針形態で運針できるため、複数の異常が同時に発生しても、どの異常が発生したのかがわかりやすい。
本発明の第1の実施形態における、時計全体の構成を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態における、基準位置修正部の構成を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態における、指針位置確認処理を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態における、基準位置異常運針動作の演算方法を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態における、運針動作の一覧を示す図である。 本発明の第1の実施形態における、電子時計の外観と運針動作の一例を示す図である。 本発明の第2の実施形態における、異常検出部の構成を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態における、位置確認処理を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態における、異常運針動作の演算方法を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態における、運針動作の一覧を示す図である。 本発明の第3の実施形態における、運針動作の一覧を示す図である。 本発明の第3の実施形態における、電子時計の外観と運針動作の一例を示す図である。
[1]第1実施例
以下、図面を用いて本発明の第1の実施形態を説明する。
本実施形態は、時針、分針、秒針の3つの指針それぞれの基準位置の異常を、異常内容に対応した運針動作によって、分かりやすく適切に表示する例である。
[1−1]電子時計の構成
図1は本発明の第1の実施形態を示す図で、本発明の電子時計の全体構成を示す説明図である。
図1において、11は電子時計の制御を司る制御部であり、内部には演算手段11aと記憶手段11bを持ち、その保持する時刻情報に基づいて、各指針を駆動する手段である時モータ21、分モータ22、秒モータ23を駆動し、時針31、分針32、秒針33を
運針させることで時刻を表示している。ここで表示される時刻情報については、操作部材82によって直接現在時刻を指定する操作で設定されるほか、操作部材82を操作することで表示の切り替わる都市表示板81によって指定された都市設定を元に、その都市の時差に応じて時差修正を行うことによっても決定付けられる。
ソーラーセル91は太陽光などの光を受けて発電を行う部材であり、この電気を二次電池92に蓄えることで電子時計の動力源とするほか、ソーラーセル91の発電状態を制御部11で直接監視することによって、電子時計の周囲の明るさなど、電子時計のおかれた状況を把握することにも用いられる。
図2は、本発明の電子時計が指針の基準位置修正を行う部分の構成について、より詳細に示した説明図である。
図2において、制御部11は時モータ21、分モータ22、秒モータ23、時発光素子51、分発光素子52、秒発光素子53を、それぞれ時モータパルスS21、分モータパルスS22、秒モータパルスS23、時点灯制御信号S51、分点灯制御信号S52、秒点灯制御信号S53で各々独立して制御している。
時モータ21、分モータ22、秒モータ23はそれぞれ時動力伝達路21a、分動力伝達路22a、秒動力伝達路23aを介して時輪列41、分輪列42、秒輪列43と結合され、時刻を表示する個々の指針(図示せず)を駆動する。
時発光素子51、分発光素子52、秒発光素子53はそれぞれ時発光部51a、分発光部52a、秒発光部53aから時検出光61、分検出光62、秒検出光63を放射し、これが時輪列41、分輪列42、秒輪列43にそれぞれ貫通して設けられた、基準位置を示す時検出用孔41a、分検出用孔42a、秒検出用孔43aを通り、時受光素子71、分受光素子72、秒受光素子73に照射される。時受光素子71、分受光素子72、秒受光素子73はそれぞれの時受光部71a、分受光部72a、秒受光部73aに光を受けると、それぞれ時検出信号S71、分検出信号S72、秒検出信号S73を制御部11に送信する。制御部11はこれらの検出信号が想定通りのタイミングに受信できたか否かによって基準位置検出の結果を認識する。
この基準位置検出、及び後述の基準位置検出等については特許文献2を参照されたい。
時針31、分針32、秒針33は、電子時計の組立に際し、時検出用孔41a、分検出用孔42a、秒検出用孔43aの位置を基準として、定められた回転位置に取り付けられているため、時検出光61、分検出光62、秒検出光63がこれらの検出用孔を通過して時受光素子71、分受光素子72、秒受光素子73にて受信された場合には、これらの検出用孔と共に、これらに対応する各指針の位置も検出することができる。逆に、検出用孔を検出することができなければそれに対応する各指針の位置も検出できないため、それが本来検出できるべき、基準位置のタイミングであれば、対応する指針の位置に異常があることが分かる。そして、この検出の結果を元に演算手段11aで指針位置のズレを修正する基準位置修正を実施したり、異常を表示する運針動作を決定するなどして、電子時計を制御することができる。
[1−2]運針動作演算処理
次に、本発明の第1の実施形態における運針動作を決定する処理について、図を用いて説明する。
図3は本発明の第1の実施形態における指針位置確認処理の流れを示す図で、電子時計がそれぞれの指針の位置検出を行い、必要に応じて基準位置修正も行って、異常の有無と、それに基づいて異常運針を行うかを判断する処理のフローチャートである。また、図4は該指針位置確認処理の結果、異常を表す運針をする必要があると判断した場合に、電子時計が運針動作の内容を演算する処理のフローチャートである。
[1−2−1]基準位置異常判定処理
図3において、電子時計はリセット処理などの後にS301にて通常運針状態に入ると、秒針33は1秒運針(1秒ごとに1秒分進む)をスタートし、時針31と分針32はこれに連携して時計内で計時されている時と分の情報の表示をそれぞれ開始して、S302に移行し、これまでの過程で指針の基準位置に異常が検出されているかどうかを判定する。ここで電子時計のもつメモリや不揮発性保存回路などの記憶手段11bに指針の基準位置に異常が検出されたことを示す情報が記憶されているか否かを確認し、基準位置に異常が起きていない場合にはS303に移行し、通常運針を継続する。なお、記憶手段11bへの異常が検出されたことを示す情報の記憶は、図4のフローチャートを用いた説明で後述する。
S302において指針の基準位置に異常があったと判定された場合、異常を表示する運針を行うため、S304に移行し、図4に示す運針動作演算処理フローチャートのS401に移行する。
運針動作演算処理ではS401からS402に移行し、時針の基準位置に異常が発生しているかを判定する。記憶手段11bに時針の基準位置に異常が発生したという記録がなければS404に移行し、次の分針基準位置の判定を行う。
S402において記憶手段11bに時針の基準位置に異常が発生したという記録があれば、S403に移行し、異常を表示するn秒運針のパラメータnに+8の演算を行った上で、分針基準位置を判定するS404に移行する。この8は、時針の基準位置の異常に対応付けられた設定値である。
S404では、分針の基準位置に異常が発生しているかを判定する。ここで記憶手段11bに分針の基準位置に異常が発生したという記録がなければS406に移行し、次の秒針基準位置の判定を行う。
S404において記憶手段11bに分針の基準位置に異常が発生したという記録があれば、S405に移行し、異常を表示するn秒運針のパラメータnに+4の演算を行った上で、秒針基準位置を判定するS406に移行する。この4は、分針の基準位置の異常に対応付けられた設定値である。
S406では、秒針の基準位置に異常が発生しているかを判定する。ここで記憶手段11bに秒針の基準位置に異常が発生したという記録がなければS408に移行し、基準位置異常を表示する運針動作の内容が決定したとして運針動作の演算を終了し、図3の運針動作内容を判断する処理のフローチャートのS305に移行し、異常を表示する運針を行う。
S406において記憶手段11bに秒針の基準位置に異常が発生したという記録があれば、S407に移行し、異常を表示するn秒運針のパラメータnに+2の演算を行った上でS408に移行し、基準位置異常を表示する運針動作の内容が決定したとして運針動作の演算を終了し、図3の運針動作内容を判断する処理のフローチャートのS305に移行し、異常を表示する運針を行う。この2は、秒針の基準位置の異常に対応付けられた設定値である。
S303で通常運針、あるいはS305で基準位置異常運針を開始すると、S306に移行し、現在の時刻が時針31の位置検出を行うべき時刻であるかを判定する。ここで現在時刻が時針位置検出時刻でなければS312に移行し、次の分針位置検出時刻であるかどうかの判定を行う。
S306において現在時刻が時針31の位置検出を行う時刻であれば、S307に移行し、時発光素子51を利用して時針31の位置の確認を行った上で、S308に移行する。ここで、時発光素子51から放出された時検出光61が時受光素子71で検出されれば、時針31の基準位置を表す時検出用孔41aの位置が特定できるため、制御部11は時針31の位置が制御部11が電子的に管理している指針位置と合致しているかを判定し、合致していると判断すればS312に移行する。
S308において時針31の位置が制御部11が電子的に管理する指針位置と異なった場合、S309に移行して時針31の基準位置修正を行い、S310にてその結果を判定する。基準位置修正では時発光素子51を駆動したままで時針31を時輪列41一周分だけ運針し、時受光素子71が時検出光61を検出するタイミングがあった場合には、そこを時検出用孔41aすなわち基準位置として制御部11が電子的に管理する指針位置を修正し、時針31の基準位置修正が正常に行えたと判定してS312に移行する。
S310において時針31を時輪列41を一周分だけ運針しても基準位置が見つからなかった場合、時針31の基準位置修正は失敗したと判断してS311に移行し、時針基準位置の異常を示す情報を記憶手段11bに記録した上でS312に移行する。
処理がS312に入ると、現在の時刻が分針32の位置検出を行うべき時刻であるかを判定する。ここで現在時刻が分針位置検出時刻でなければS318に移行し、次の秒針位置検出時刻であるかどうかの判定を行う。
S312において現在時刻が分針32の位置検出を行う時刻であれば、S313に移行し、分発光素子52を利用して分針32の位置の確認を行った上で、S314に移行する。ここで、分発光素子52から放出された分検出光62が分受光素子72で検出されれば、分針32の基準位置を表す分検出用孔42aの位置が特定できるため、制御部11は分針32の位置が制御部11が電子的に管理している指針位置と合致しているかを判定し、合致していると判断すればS318に移行する。
S314において分針32の位置が制御部11が電子的に管理する指針位置と異なった場合、S315に移行して分針32の基準位置修正を行い、S316にてその結果を判定する。基準位置修正では分発光素子52を駆動したままで分針32を分輪列42一周分だけ運針し、分受光素子72が分検出光62を検出するタイミングがあった場合には、そこを分検出用孔42aすなわち基準位置として制御部11が電子的に管理する指針位置を修正し、分針32の基準位置修正が正常に行えたと判定してS318に移行する。
S316において分針32を分輪列42一周分だけ運針しても基準位置が見つからなかった場合、分針32の基準位置修正は失敗したと判断してS317に移行し、分針基準位置の異常を示す情報を記憶手段11bに記録した上でS318に移行する。
処理がS318に入ると、現在の時刻が秒針33の位置検出を行うべき時刻であるかを判定する。ここで現在時刻が秒針位置検出時刻でなければS302に移行し、これまでの結果から改めて基準位置異常の有無を確認する。
S318において現在時刻が秒針33の位置検出を行う時刻であれば、S319に移行し、秒発光素子53を利用して秒針33の位置の確認を行った上で、S320に移行する。ここで、秒発光素子53から放出された秒検出光63が秒受光素子73で検出されれば、秒針33の基準位置を表す秒検出用孔43aの位置が特定できるため、制御部11は秒針33の位置が制御部11が電子的に管理している指針位置と合致しているかを判定し、合致していると判断すればS302に移行する。
S320において秒針33の位置が制御部11が電子的に管理する指針位置と異なった場合、S321に移行して秒針33の基準位置修正を行い、S322にてその結果を判定する。基準位置修正では秒発光素子53を駆動したままで秒針33を秒輪列43一周分だけ運針し、秒受光素子73が秒検出光63を検出するタイミングがあった場合には、そこを秒検出用孔43aすなわち基準位置として制御部11が電子的に管理する指針位置を修正し、秒針33の基準位置修正が正常に行えたと判定してS302に移行する。
S322において秒針33を秒輪列43一周分だけ運針しても基準位置が見つからなかった場合、秒針33の基準位置修正は失敗したと判断してS323に移行し、秒針基準位置の異常を示す情報を記憶手段11bに記録した上でS302に移行する。
これらS302からS323までの一連の処理を終えると、S302に移行し、改めて指針基準位置に異常がないかを判定、S303〜S305にて運針内容を決定する。こうした処理を平常状態として無限に繰り返すことで、電子時計は自身の状態を常に監視し、異常の発生など状態の変化に対応して適宜運針内容を変更しながら、電子時計として機能することができる。
なお、図3及び図4に示した処理を繰り返し実行する場合、例えば、一度、時針31の基準位置の異常を検出してn秒運針のパラメータnに+8の演算を行った後、次の時針31の基準位置確認時刻で、時針31の基準位置の異常を検出しても、その場合は+8の演算は行わない。これは、分針32、秒針33についても同様であり、同じ針で連続して基準位置の異常を検出しても、すでに加算されている設定値を2回目以降、重複して加算しない。
[1−2−2]基準位置異常表示
図5は本発明の第1の実施形態における基準位置異常を表示する運針について一覧した表である。これらは図4で説明した運針動作演算処理フローチャートの結果に対応しており、例えば、「時針基準位置」欄の、「○」は、図4のS402の時針の基準位置検出に成功したことを示し、「×」は、図4のS402の時針の基準位置検出に成功しなかったことを示している。また、「×」の()内の「+8」は、図4のS403における、異常を表示するn秒運針のパラメータnに、時針に対応付けられた設定値である「8」を加算することを示し、「○」の()内の「+0」は、このパラメータnに加算しないことを示している。「分針基準位置検出」欄と「秒針基準位置検出」欄についても同様である。また、「計算値」欄は、パラメータnの値を示し、「運針」欄は、具体的な「n」の値を示している。
すなわち、図5に示すように、時針31、分針32、秒針33の基準位置の異常にそれぞれ設定値8、4、2が対応付けられていて、基準位置検出に失敗した指針に対応付けられた設定値を加算した計算値がn秒運針(n秒ごとに秒針がn秒分進む)のnの値となっている。例えば、時針31のみに基準位置の異常がある場合は、時針31に対応する設定値8に基づいて、秒針33が8秒運針を行い、時針31と秒針33に基準位置の異常がある場合は時針31に対応する設定値8と秒針33に対応する設定値2を加算し、秒針33が10秒運針を行う。
なお、図4に示した運針動作演算処理のフローチャートでは、時針31と分針32と秒針33の基準位置の異常に対応する設定値8、4、2を記憶手段11bに記憶しておき、時針31及び分針32の基準位置の異常などの複数の指針の基準位置の異常の組合せに対する設定値は、図4のS403、S405、S407でその都度演算して求めていたが、予め、複数の指針の基準位置の異常の組合せに対する演算結果の値を全て記憶手段11bに記憶しておいてもよい。
例えば、記憶手段11bに、時針31と分針32の基準位置の異常の組合せに対応する値として12を記憶し、同様に、時針31と秒針33、分針32と秒針33、時針31と分針32と秒針33の基準位置の異常の組合せに対応する値として、それぞれ、10、6、
14を記憶しておく。そして、図4のS403、S405、S407では、どの指針の基準位置の異常であるのかを識別する情報を記憶手段11bに記憶し、S408の基準位置異常運針決定の際に、基準位置が異常の指針又は指針の組合せに対応する値、すなわち、n秒運針のnの値を記憶手段11bを参照して決定してもよい。
なお、好ましくは、前記算出したn秒運針のnの情報を、記憶手段11bに記憶しておくと、電池残量の不足によるパワーブレイク状態など運針を一旦停止した状態から復旧する際にも、nを読み出すことで前記説明の通り異常部分が多いほどステップ数の多くなってしまう指針位置確認の演算を復旧直後に行う必要がなくなり、電子時計の演算負荷や電池の消費を抑えることができる。
このとき本発明の第1の実施形態においては、図5の表からも確認できるように、異常に対応したn秒運針のnの値が、取りうる異常の組み合わせ全てにおいて、互いに異なる値になるように、指針ごとに対応付ける値を決定している。
さらに、分針32と秒針33、時針31と秒針33、時針31と分針32、時針31と分針32と秒針33の複数の指針の基準位置の異常の組合せに対応付けられた設定値6、10、12、14は、時針31、分針32、秒針32のそれぞれの基準位置の異常に対応付けられた設定値2、4、8を用いた、所定の規則である足し算によって求められる値であるが、2、4、8は、どの組合せで足し算を行っても、6、10、12、14のように異なる値になるような値に設定されている。
このように、それぞれの指針が単独で基準位置の異常になった場合の運針と、複数の指針が同時に基準位置の異常になった場合の運針とに規則性を持たせているため、複数の指針が同時に基準位置の異常になった場合でも、その規則性から、どの指針が基準位置異常であるのかを容易に読取ることができる。
図6は、本発明の第1の実施形態を実現した電子時計の外観及び運針動作の一例である。この電子時計は通常時は図6−1に示すように秒針33を1秒ごとに1秒分進める運針(1秒運針)を行うが、例えば分針32の基準位置に異常を検出した場合には、図6−2のように秒針33を4秒ごとに4秒分進める運針(4秒運針)を行うことで、分針32の基準位置に異常があることを明示的に表現する。
このとき前記電子時計は、異なる運針形態のみによって複数の指針位置検出の異常を表示するため、それぞれの指針の基準位置に異常があり、絶対値的な指針の位置が電子時計の管理下にない場合にも、異常の表示にはその影響を受けない。
なお、基準位置異常を表示する運針を行う指針は、秒針33に限定されず、時針31や時刻表示用以外の指針(図示せず)などで行っても良い。
好ましくは、基準位置異常を表示する運針を行う指針は、基準位置の異常を判定した際に異常の検出されていない指針を選択すると、運針動作の信憑性を高めることができる。この場合には、例えばS402、S404、S406の各ステップにおいて各指針の状態を確認する際に、対象の指針が基準位置検出に成功している場合にはその都度その指針を該基準位置異常を表示する指針として記憶手段11bに上書き設定していくというようにすることで、最後に判定を行う秒針33が基準位置検出に成功していれば秒針33を該表示する指針に、秒針33が基準位置検出に成功しておらず分針32が基準位置検出に成功している場合には分針32を該表示する指針に、というようにそれぞれの指針に該表示用指針に用いる際の優先度を付けながら運針動作の信憑性も高めることができる。
更に好ましくは、基準位置異常を表示する運針を行う指針を選択する際、基準位置の異常を判定した全ての指針に異常が検出されている場合には、全ての指針にて基準位置異常を表示する運針を行うと、一部の指針が全く動作できないような故障状態にある場合においても、ユーザに異常を伝えられる可能性が高まる。
また、この基準位置異常を表示する運針動作の演算及び実施は、電子時計が標準状態である場合に限らず、例えば操作部材82を特定の手順で操作することによって移行し、それぞれの指針にデモ運針をさせて動作を確認する出荷検査用モードなどにおいても、同様に利用することができる。
なお、図1及び図2においては、各モータや発光素子などの部材はそれぞれ対応する指針ごとに独立して描かれているが、これは説明の便宜のためのものであり、それぞれ対応する指針の動きに適切に連動できる構成であれば、内部的には部材の連動、共有などがなされていても良い。例えば、運針時には分針32と秒針33が歯車で連結されて連動し、時刻修正時のみ連結を切り離して秒針33を固定するような構成の電子時計においては、モータは分針32と秒針33で共通の1つとなるが、そういった場合にも本発明は適用可能である。
また、仮に、基準位置検出の対象を分針32と秒針33の2つにして、時針31を基準位置検出の対象としない場合は、それぞれの基準位置異常に対応した設定値として、例えば、2と4を設定することができる。この場合、複数の基準位置検出異常の組合せは、分針32及と秒針33の1組だけとなり、分針32及と秒針33の基準位置検出異常の組合せに対応した設定値としては、2と4の足し算である6を設定してもよいし、2と4の掛け算である8を設定してもよい。
また、基準位置検出の手法自体についても、上記にて説明した光学式の検出に限られるものではない。
さらに、各指針の基準位置検出の処理(図3のS301〜S323)を、所定回数実行して、いずれかの指針で基準位置検出異常を検出したら、自動的に秒針33を停止させ、その状態で、操作部材82による所定の操作が検出されることにより、秒針33を駆動して、図5に基づく基準位置検出異常の表示を行うように、制御部11が秒モータ23を制御するようにしてもよい。
また、第1の実施形態では、時針31、分針32、秒針33のうち、基準位置検出に異常が発生した指針に対応する設定値に基づいて秒針33を駆動制御することにより、異常が発生した指針を特定するように表示したが、これとは逆に、基準位置検出ができた指針に対応する設定値に基づいて秒針33を駆動制御することにより、基準位置検出ができた指針を特定するように表示してもよい。例えば、時針31、分針32、秒針33の基準位置の異常に対応する設定値が8、4、2であり、時針31の基準位置検出だけができた場合は8秒運針を行い、時針31と秒針33の基準位置検出ができた場合は、8と2を足し算して求めた10に基づいて10秒運針を行い、全ての指針の基準位置検出ができた場合は、8と4と2を足し算して求めた14に基づいて、14秒運針を行うようにしても良い。故障していない通常の腕時計は基準位置検出ができないことがまれであることから、この場合は、基準位置検出が行われてもすぐにはその結果を表示せず、外部操作部材82によって所定の操作をしたときに、秒針33によって、基準位置検出に成功した指針を特定する表示をすると良い。
また、時針31、分針32、秒針33のそれぞれの基準位置の異常に対応付けられる設定値が整数であれば、いずれかの設定値は1であってもよい。例えば、秒針33に対応付けられた設定値が1で、秒針33のみが基準位置の異常の場合、この設定値1に基づいて、秒針33により1秒運針を行うことになる。この場合は、一度秒針33を停止させた状態から、操作部82の所定の操作により、どの指針でも基準位置検出異常が発生していなければ、そのまま秒針33を停止させておき、秒針33が基準位置検出異常の場合に、1秒運針をすることで、秒針33が基準位置検出異常であることを表示するようにしてもよい
以上のように、本発明の第1の実施形態によって、生じている異常の組み合わせによって互いに異なる運針内容により、指針位置に依存することなく表示することができ、さらに、複数の異常が同時に生じる可能性がある電子時計の状態を、規則性を持たせてわかりやすく適切に表示することが可能である。
[2]第2実施例
次に、本発明の第2の実施形態における電子時計について、図面を用いて詳細に説明する。なお、本第2の実施形態における電子時計もその機能には指針の基準位置修正機構を含んでいる。従って、第1の実施形態に用いた構成と同じものには同一の番号を付して説明を省略する。
第2の実施形態は、異常を表示する運針動作にn秒運針だけでなく、運針方向の正逆という表現を持たせた実施形態である。第1の実施形態では、n秒運針を規定の値の和として算出するために処理の負荷を小さく、表示も単純化することができるが、指針の数が増えたり指針以外の異常を合わせて表示しようとするとn秒運針のnの値が非常に大きくなり、読みにくい表示となってしまう可能性がある。それに対し、本実施形態では、n秒運針に他の表現を組み合わせることで、より多くの種類の異常を読みやすく表現することが可能である。
図7は本発明の第2の実施形態を示す図で、本発明の電子時計が自身の状態を検出する部分の構成について、より詳細に示した説明図である。
図7において、都市表示板81は都市板動作伝達路81aを介して都市板検出バネ83と連動しており、都市板検出バネ83は電子時計の回路基板(図示せず)に都市板検出バネ83と対向するようにして配置された複数の都市板検出電極84のうちのいくつかと接点で接触している。制御部11は都市板検出バネ83の接点と、複数の都市板検出電極84のうちのいずれが接触しているかを検出することで、その組み合わせから都市表示板81の回転位置を認識し、電子時計を制御することができる。
図8は第2の実施形態における位置確認処理の流れを示す図で、電子時計がそれぞれの指針の位置検出、基準位置修正を行った結果と、都市表示板81の回転位置検出を行った結果から、異常の有無と、それに基づいて異常運針を行うかを判断する処理のフローチャートである。また、図9は該位置確認処理の結果、異常を表す運針をする必要があると判断した場合に、電子時計が運針動作の内容を演算する処理のフローチャートである。
図8において、電子時計はリセット処理などの後にS301にて通常運針状態を開始すると、S802に移行し、これまでの過程で位置検出処理に異常があったかどうかを判定する。ここで位置検出にいずれも異常が起きていない場合にはS303に移行し、通常運針を継続する。
S802において位置検出に異常があったと判定された場合、異常を表示する運針を行うため、S804に移行し、図9に示す異常運針演算処理フローチャートのS901に移行する。
運針動作演算処理ではS901からS402に移行し、以下S406ないしS407までの処理を第1の実施形態と同様に行って、n秒運針のnの値を算出した上で、S908に移行する。
S908では、都市表示板81の回転位置に異常が発生しているかを判定する。ここで
都市表示板81の回転位置に異常が発生したという記録がなければS910に移行し、異常を表示する運針の内容が決定したとして運針内容の演算を終了し、図8の運針動作内容を判断する処理のフローチャートのS805に移行し、異常を表示する運針を行う。
S908において都市表示板81の回転位置に異常が発生したという記録があれば、S909に移行し、異常を表示するn秒運針の運針方向を逆転(反時計回り)と設定した上でS910に移行し、異常を表示する運針の内容が決定したとして運針内容の演算を終了し、図8の運針動作内容を判断する処理のフローチャートのS805に移行し、異常を表示する運針を行う。この運針方向の逆転の設定は、都市表示板81の回転位置の異常に対応付けられた設定値である−1に基づくものであり、nの値に設定値の−1を掛けて−nを算出し、nの値が−であれば逆転、nの値が+であれば正転をするようにn秒運針の運針方向を制御する。なお、制御部11の処理は、実際にnに−1を掛けなくても、単純に、都市表示板81の回転位置に異常が発生したという記録がある場合だけ、逆転するように制御しても、都市表示板81の回転位置の異常に対応付けられた設定値−1に基づく運針制御が可能である。
S303で通常運針、あるいはS805で異常運針を開始すると、S306に移行し、以下S323までの処理を第1の実施形態と同様に行って各指針位置の状態を確認した上で、S824に移行する。
処理がS824に入ると、現在の時刻が都市表示板81の回転位置検出を行うべき時刻であるかを判定する。ここで現在時刻が都市表示板位置検出時刻でなければS802に移行し、これまでの結果から改めて検出結果の異常の有無を確認する。
S824において現在時刻が都市表示板81の回転位置検出を行う時刻であれば、S825に移行し、都市板検出電極84の状態から都市表示板81の回転位置の確認を行って、S826に移行する。ここで都市表示板81が電子時計の仕様上、異常のない回転位置にあればS802に移行する。
S826において都市表示板81の回転位置が電子時計の仕様上で異常な位置、例えば都市板検出バネ83と複数の都市板検出電極84との接触の組み合わせが制御部11に設定されているパターンのいずれにも合致しない場合や、都市板検出バネ83が複数の都市板検出電極84のいずれにも接触していない場合には、都市表示板81の回転位置には異常があるとしてS827に移行し、都市表示板位置の異常を示す情報を記憶手段11bに記録した上でS802に移行する。
これらS802からS827までの一連の処理を終えると、S802に移行し、改めて検出位置に異常がないかを判定、S303、S804、S805にて運針内容を決定する。こうした処理を平常状態として無限に繰り返すことで、電子時計は自身の状態を常に監視し、異常の発生など状態の変化に対応して適宜運針内容を変更しながら、電子時計として機能することができる。
図10は本発明の第2の実施形態における異常を表示する運針について一覧した表である。図10の「都市板検出」欄の「○」は、都市表示板81の回転位置に異常がなく、運針方向が正転方向であることを示し、「都市板検出」欄の「×」は、都市表示板81の回転位置に異常があり、運針方向が逆転方向であることを示している。図10に示した表は図9で説明した異常運針演算処理フローチャートでの処理の結果に対応しており、時針31、分針32、秒針33の基準位置の異常にそれぞれ対応付けられた設定値に基づいて求めた「計算値」を、異常の有無を基準に加算した時間をn秒運針(n秒ごとに秒針がn秒分進む)のnの値とし、更に都市表示板81の回転位置の異常の有無を基準に運針方向を
正転、逆転に設定している。例えば、秒針33に基準位置の異常があり、都市表示板81の位置にも異常がある場合は、逆転の8秒運針を行う。
なお、好ましくは、異常から算出した運針の情報を、記憶手段11bに記憶しておくと、運針を繰り返す際に演算の回数を省略することができ、電子時計の負荷を減らすことができる。
このとき本発明の第2の実施例においては、図10の表からも確認できるように、異常に対応した運針の内容が、取りうる異常の組み合わせ全てにおいて、互いに異なる内容になるように、対応付ける値や運針の方向を決定している。
すなわち、都市表示板81の回転位置の異常以外の時針31、分針32、秒針31の基準位置検出の異常は、第1の実施形態と同様に、運針形態の異なるn秒運針により異常を表示し、さらに、都市表示板81の回転位置の異常の有無に応じて、運針方向を変えることにより、全ての異常及び異常の組合せに対して、異なる運針形態とすることができる。
さらに、時針31、分針32、秒針31の基準位置異常に応じた実施の形態1と同様のn秒運針のnの値と、都市表示板81の回転位置の異常の有無に応じて回転方向を変えることにより、全ての異常の表示に規則性を持たせることができる。
なお、n秒運針の値や運針の正転、逆転の対応付けについては、図10に一覧した組み合わせに限定されず、例えば秒針33の基準位置に異常がある場合を逆転運針としても良い。
また、この異常を表示する運針動作の演算及び実施は、電子時計が平常状態である場合に限らず、テストモードなど別の状態においても同様に利用することができる。
以上のように、本発明の第2の実施形態によって、生じている異常の組み合わせによって規則に従った互いに異なる運針内容を、指針位置に依存することなく表示することができ、かつ異常の数が増えてもn秒運針のnの値が過剰に大きくなることを抑制できるため、複数の異常が同時に生じる可能性がある電子時計の状態を、わかりやすく適切に表示することが可能である。
[3]第3実施例
次に、本発明の第3の実施形態における電子時計について説明する。
第3の実施形態は、電子時計の構成は第1の実施形態の図1と同様であり、その制御部11が、特にソーラーセル91の発電状態を明確に監視し、ソーラーセル91の接続端子が衝撃で接触不良を起こした場合などの発電の異常についても、運針で示すことができる実施形態である。
図11は第2の実施形態の異常運針の内容を表す図10に、更にソーラーセル91の発電状態による判定を追加したものである。制御部11はソーラーセル91が一定時間以上発電を行っていない場合などは発電の異常とみなし、運針の内容を連続的なn秒運針(1秒運針を含む)から、操作部82に何らかの操作があった直後に1回のみn秒分運針させる運針へと切り替える。図11の「発電検出」欄の「○」は、ソーラーセル91の発電に異常がなく、連続運針することを示し、「発電検出」欄の「×」は、ソーラーセル91の発電に異常があり、操作部82の操作により、1回のみ運針することを示している。
図11の構成によれば、電子時計はソーラーセル91の発電の異常を、n秒運針の内容を複雑化させずに表示でき、かつ運針に必要な電力を節約することで、発電が行われてい
ない状態でも長い期間に渡って異常を表示することができる。
なお、第3の実施形態は発電に異常がある場合に、操作部82を操作すると1回のみ運針する構成となっているが、この運針回数は1回に限らず、複数回としたり、一定の時間の間継続する構成としたりすることで、ユーザの読み取りやすさを向上するなどしても良い。
図12は、本発明の第3の実施例を実現した電子時計の外観及び運針動作の一例である。この電子時計は通常時は図12−1に示すように秒針33を1秒ごとに1秒分進める運針(1秒運針)を行うが、例えば制御部11に接続されたソーラーセル91の端子電圧が数日間に渡ってある一定値より低い状態で推移しているなどの異常を検出した場合には、図12−2のように秒針33の運針を停止する。この状態で操作部82を操作すると、例えばソーラーセル91の異常に加えて都市表示板81の位置、時針31、分針32の基準位置に異常を検出している場合には、図12−3のように秒針33を12秒分まとめて反時計回りに運針させて再び運針を停止する動作(操作時のみ逆転12秒運針)によって、電子時計の異常の内容を明示的に表現する。
このように、第3の実施形態では、ソーラーセル91の発電の異常を検出しなかった場合は、それぞれの異常及び異常の組合せに対して第2の実施形態と同様のn秒運針による表示を行い、ソーラーセル91の発電の異常を検出した場合には、操作部82の操作により、n秒分まとめて運針して停止させる運針動作を行わせている。これにより、ソーラーセル91の発電の異常を検出した場合も検出しなかった場合も、全ての異常又は異常の組合せに対して規則性を持たせて異なる運針形態で異常を表示することができ、ソーラーセル91の発電の異常の有無も表示することができる。
第3の実施の形態では、異常の発生の表示を、連続的なn秒運針動作と、1回だけn秒分運針される動作とを併用したが、表示する異常の数が少なければ、1回だけn秒運針させる運針動作のみで異常を表示するようにしてもよい。例えば、第1の実施形態のように、表示する異常が時針31、分針32、秒針33の3つの場合、それぞれの基準位置検出異常に対応する設定値を8、4、2に設定し、時針31の基準位置検出異常は、秒針31が停止している位置から操作部82の所定の操作で8秒分だけ運針して停止させ、時針31と秒針33の基準位置検出異常の場合はこれらに対応する設定値である8と2を足し算して求めた10に基づいて10秒分だけ運針して停止させるようにしても良い。
なお、前記動作例で示したソーラーセル91の異常を検出する手法では、例えば電子時計を長期に渡って机の中などの光の当たらない場所に保管した場合にもソーラーセル91の異常と検出されてしまうが、この場合には第2の実施形態までで説明してきた処理と同様に、処理の中で定期的に異常の再判定を行うようにしておくことで、電子時計に光を当てた際に通常運針に戻るために判別が可能となる。また、より好ましくは、電子時計が搭載している暗所保管時に電力を節約する機構と、この異常検出機構を組み合わせて一体化できると、電子時計のソフト容量や回路のサイズなどを節約しながら異常検出機構を搭載することができる。
以上のように、本発明の第3の実施形態によって、複数の異常が同時に生じる可能性がある電子時計において、生じている異常の組み合わせによって互いに異なる運針内容を、わかりやすく適切に表示でき、かつ表示に必要な電力を節約することで長い期間に渡って表示を継続することが可能である。
なお、上記各実施形態においては、電子時計の異常を指針の動きによって表現し、目視することを前提に説明を行ったが、例えば指針のついていないムーブメントだけの状態の
電子時計であっても、歩度測定器などの装置で制御部11が各モータを制御する運針パルスを観察することにより、運針パルスの形状からn秒運針などの運針内容を判別して異常の発生の有無と異常の内容がわかるので、本発明の効果を得ることができる。
また、同様に歩度測定器などを用いて運針パルスを観察することにより、例えば電子時計の輪列に破損が生じ、指針が物理的に回転不可能になっているような場合にも、運針パルスの形状からn秒運針などの運針内容を判別することにより異常の発生の有無と異常の内容がわかるので、本発明の効果を得ることができる。
なお、上記実施形態においては、電子時計について説明を行ったが、この電子時計には腕時計、掛け時計、置き時計などすべての種類の電子時計が含まれる。
11 制御部
21、22、23 モータ
31、32、33 指針
41、42、43 輪列
51、52、53 発光素子
61、62、63 検出光
71、72、73 受光素子
81 都市表示板
82 操作部材
83 検出バネ
84 検出電極
91 ソーラーセル
92 二次電池
101 文字板
102 表示窓

Claims (8)

  1. 指針を駆動する指針駆動手段を有する電子時計であって、
    該電子時計で発生し得る複数の異常のそれぞれの発生の有無を検出する複数の検出手段と、
    該複数の検出手段の検出結果に基づいて、前記複数の異常の発生の有無に関する情報を前記指針で表示するように前記指針駆動手段を制御する制御手段とを設け、
    該制御手段は、前記複数の異常と、同時に発生し得る前記複数の異常の任意の組合せとに対応付けられた互いに異なる設定値に基づいて、前記指針が前記設定値毎に異なる形態で運針するように、前記指針駆動手段を制御し、
    前記複数の異常の任意の組合せに対応付けられた前記設定値は、その異常の組合せに含まれる個々の異常に対応付けられた前記設定値を用いる所定の規則に基づいて定められる値であることを特徴とする電子時計。
  2. 前記制御手段は、前記複数の検出手段によって発生が検出された異常又は異常の組合せに対応付けられた前記設定値に基づいて、前記指針駆動手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の電子時計。
  3. 前記所定の規則は、その異常の組合せに含まれる個々の異常に対応付けられた前記設定値の足し算であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子時計。
  4. 前記複数の検出手段の少なくとも一つは、前記指針、又は、前記電子時計に設けられる前記指針以外の他の指針の位置を検出する指針位置検出手段であり、
    前記制御手段は、前記指針位置検出手段により前記指針、又は、前記他の指針の位置が検出できないことを、前記異常が発生したこととして表示するように、前記指針駆動手段を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子時計。
  5. 前記設定値は、いずれも整数であり、
    前記制御手段は、前記設定値に基づいてn秒運針(nは整数)をするように、前記指針駆動手段を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子時計。
  6. 前記制御手段は、前記指針が停止した状態から、前記設定値に基づいて定まる運針数だけ前記指針を運針させて停止させるように、前記指針駆動手段を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子時計。
  7. 前記電子時計は複数の指針を駆動する複数の指針駆動手段を有し、
    前記複数の検出手段は、前記複数の指針の位置を検出する複数の指針位置検出手段を含み、
    前記制御手段は、前記複数の指針位置検出手段のいずれかで位置が検出できた指針を、前記複数の異常の発生の有無に関する情報を表示する指針として選択するとともに、選択した指針に対応する指針駆動手段を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子時計。
  8. 前記電子時計は、さらに、外部操作部材を有し、
    前記制御手段は、前記複数の検出手段のいずれかが前記異常の発生を検出すると、前記指針を停止させるとともに、前記外部操作部材の所定の操作に基づいて、前記複数の異常の発生の有無に関する情報を表示するように、前記指針駆動手段を制御することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の電子時計。
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