JP2012066510A - ライン型インクジェットプリンタの色別インク吐出量調整装置 - Google Patents

ライン型インクジェットプリンタの色別インク吐出量調整装置 Download PDF

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Abstract

【課題】画像の色合い変化を有効に抑制する。
【解決手段】各色のラインヘッドのヘッドモジュールのノズルから吐出されるインク液滴によるドットの濃度を示す濃度情報を、ヘッドモジュール単位で取得、設定する(ステップS1,S3)。各色のラインヘッドの同じ列のヘッドモジュールのノズルからそれぞれ吐出されるインク液滴の主走査方向における着弾位置ズレ量を示す位置ズレ情報を、同じ列のヘッドモジュール単位で取得、設定する(ステップS5,S7)。これらに基づき、各列のヘッドモジュール単位で、各色のヘッドモジュールのノズルから吐出されるインク液滴の吐出量を調整しない場合の画像の色味度合いを特定(決定)する(ステップS9)。特定した色味度合いを「0」に戻すのに適した、各色のヘッドモジュールのノズルの吐出駆動に用いる駆動信号の補正電圧値を算出し(ステップS11)、この補正電圧値の駆動信号で対応する各ノズルを駆動する。
【選択図】図4

Description

本発明は、ラインヘッドを構成する複数のヘッドモジュールの各ノズルから吐出するインクにより印刷を行うライン型インクジェットプリンタに係り、特に、色別の複数のラインヘッドを有するライン型インクジェットプリンタに関する。
インクジェットプリンタの分野では、印刷用紙の用紙幅方向(主走査方向)の印刷をいわゆるワンパスで行うことで高速印刷の実現を可能とした、ライン型インクジェットプリンタの普及が進んでいる。このライン型インクジェットプリンタには、複数のヘッドモジュールを主走査方向に並べて配置することで構成したラインヘッドが用いられる。特に、複数色のインクでカラー印刷を行うライン型インクジェットプリンタには、色別の複数のラインヘッドが設けられる。
各色のラインヘッドは、印刷用紙の搬送方向(副走査方向)に間隔をおいて共通のヘッドホルダに取り付けられ、その間隔に応じてタイミングをずらして駆動される。これにより、印刷用紙の同一画素上に各色のインク液滴が重なって着弾する。
したがって、ある画素に対応するノズルを有する各色のラインヘッド中のヘッドモジュールのいずれかに、ヘッドホルダに対する取付位置のズレが存在すると、各色のインク液滴が対応する画素において重ならずにズレて着弾する。各色のインク液滴の着弾位置がズレると、その画素の色味が本来とは異なる色合いとなってしまう不都合が生じる。ある画素において各色のインク液滴の着弾位置がズレる不都合は、各色のヘッドモジュール間にインク液滴の吐出方向特性の相違がある場合にも発生する。
各色のインク液滴の着弾位置のズレを解消する提案は、例えば、ヘッドがキャリッジ上で往復移動するいわゆるマルチパス方式のインクジェットプリンタに関して存在する。この提案では、キャリッジのベースに組み込んだ各色のヘッドのオリフィスプレートによるインク液滴の着弾位置の特性に関するデータを持つようにし、そのデータを用いてインク液滴が正規の位置に着弾するような吐出動作を行わせるようにしている(例えば、特許文献1)。
しかし、ノズル数が格段に多いライン型インクジェットプリンタにおいて同様の対策を行うのは、構成や処理が膨大となるので非現実的である。
一方、ライン型インクジェットプリンタについては、同じラインヘッドの2つのヘッドモジュールに跨って隣り合う2つのノズルのインク液滴の吐出方向にズレがある場合の対策に関する提案がある(例えば、特許文献2)。しかし、この提案は、単色印刷で印刷された画像上に濃淡のスジが発生するのを防止するものであり、多色印刷における色合いの変化に対する対策とはなり得ない。
特開平9−239971号公報 特開2006−168241号公報
本発明は前記事情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、ライン型インクジェットプリンタにおいて、各色のラインヘッドがそれぞれ複数のヘッドモジュールから構成されていることに起因して生じる画像の色合い変化を、有効に抑制することができる、ライン型インクジェットプリンタの色別インク吐出量調整装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、
印刷用紙(例えば、図1の印刷用紙S)の搬送方向(例えば、図4の副走査方向)と交差する印字走査方向(例えば、図4の主走査方向)に複数列並べられたヘッドモジュール(例えば、図3(a)のヘッドモジュール110a)をインク色別に複数有するライン型インクジェットプリンタ(例えば、図1のライン型インクジェットプリンタ1)の、前記ヘッドモジュールに設けたノズルから吐出されるインク液滴の吐出量を、インク色別に調整する装置であって、
各色のインク液滴により前記印刷用紙の同一の画素上にそれぞれ形成される各色のドット(例えば、図5のドット)の、前記印字走査方向における位置ズレ量を示す位置ズレ情報が、前記搬送方向に沿って同一列に配置された各色の前記ヘッドモジュール単位で設定される位置ズレ情報設定手段(例えば、図8の制御ユニット10のCPU90、又は、クライアント端末14のCPU16)と、
前記位置ズレ情報設定手段に設定された前記位置ズレ情報に基づいて、前記印刷用紙の各画素上にそれぞれ形成されるドットの各列間における色味差を小さくするための、同一列に配置された各色の前記ヘッドモジュールの前記ノズルからそれぞれ吐出されるインク液滴の吐出量の補正内容を決定する補正内容決定手段(例えば、図9のステップS11、図13及び図15のステップS17)と、
各色のインク液滴の前記ノズルからの吐出量を、該ノズルを有する前記ヘッドモジュールの対応する色について前記補正内容決定手段で決定された補正内容で補正する吐出量補正手段(例えば、図9のステップS13、図13及び図15のステップS19)と、
を備えることを特徴とする。
本発明が適用されるライン型インクジェットプリンタでは、各色の同じ列のヘッドモジュールの中に、正しい位置に配置されていないヘッドモジュールが存在すると、同じ画素上に形成される各色のインク液滴によるドットの一部に位置ズレが生じる。このような位置ズレが生じると、その画素に形成される画像の色合いが、本来形成されるべき画像の色合いから変化する。
本発明によれば、同一の画素上に形成される各色のインク液滴によるドットの位置ズレ量を同一列のヘッドモジュール単位で示す位置ズレ情報に基づいて、印刷用紙の各画素上にそれぞれ形成されるドットの各列間における色味差を小さくするための、各色のインク液滴の吐出量の補正内容が決定される。そして、決定した補正内容でインク液滴のノズルからの吐出量が補正される。
よって、各色の同じ列のヘッドモジュールの中に位置ズレが存在しても、同じ画素に対する各色のインク液滴の間に着弾位置ズレが生じにくいようにして、その画素の画像に色合いの変化が生じるのを、有効に抑制することができる。
なお、本発明の第1の変形例として、請求項1に記載した本発明において、前記ライン型インクジェットプリンタにより印刷された前記印刷用紙(例えば、図10のチャート用紙200)からスキャナ(例えば、図1のスキャナ部101)により読み取られた画像(例えば、図10のチャート画像300)から前記位置ズレ情報を取得し、取得した前記位置ズレ情報を前記位置ズレ情報設定手段に設定する位置ズレ情報取得手段をさらに備える構成としてもよい。
上記発明によれば、位置ズレ情報の設定を、実際にライン型インクジェットプリンタによって印刷した印刷用紙の画像に基づいて行うことができるので、設定される位置ズレ情報の精度を高めることができる。
さらに、上記発明及び第1の変形例において、前記補正内容決定手段が、各列の前記ヘッドモジュールの前記ノズルからそれぞれ吐出された同じ色のインク液滴によって前記印刷用紙上にそれぞれ形成されるドットの濃度差が、前記吐出量補正手段によるインク液滴の吐出量の補正前よりも拡大しない前記補正内容を決定する構成としてもよい。
上記発明によれば、同じ画素の各色のドット間にある位置ズレによる画像の色合い変化を抑制するためにインク液滴の吐出量を補正することによって、同じ色のインク液滴によるドットのヘッドモジュール列間での濃度差が大きくなってしまうのを、防ぐことができる。これにより、各列のヘッドモジュールに対応する各画素間において、同じ色のドットの濃度に差があることに起因する画像の色合いの相違が拡大してしまうのを、防ぐことができる。
また、上記発明及び第1の変形例において、前記吐出量補正手段が、印刷ジョブに基づいて単色インクによる印刷が行われる際に、インク液滴の吐出量の前記補正内容による補正を行わない構成としてもよい。
上記発明によれば、単色インクによる印刷が行われる場合は、複数の色のインク液滴によるドットの位置ズレが発生せず、単色印刷に使用するインクの色によって画像の色合いが一義的に定まる。したがって、インク液滴の吐出量が無用に補正されてしまうのを防ぐことができる。
さらに、上記発明及び第1の変形例において、各色のインク液滴により前記印刷用紙の同一の画素上にそれぞれ形成される各色のドットの濃度を示す濃度情報が、同一列に配置された各色の前記ヘッドモジュール単位で設定される濃度情報設定手段(例えば、図8の制御ユニット10のCPU90、又は、クライアント端末14のCPU16)をさらに備えており、前記補正内容決定手段はさらに、前記濃度情報設定手段に設定された、同一列に配置された各色の前記ヘッドモジュールの前記濃度情報によって示される、同一の画素上にそれぞれ形成される各色のドットの濃度差がゼロであるときの、前記各画素の色合いに近づけるための、前記補正内容を決定する構成としてもよい。
上記発明が適用されるライン型インクジェットプリンタでは、各色の同じ列のヘッドモジュールの間で、各ヘッドモジュールのノズルからそれぞれ吐出される各色のインク液滴により同一の画素上に形成されるドットの濃度に差があると、他の列のヘッドモジュールのノズルからそれぞれ吐出される各色のインク液滴により同一の画素上に形成される、濃度差がないドットに比べて、各色のドットにより構成される画像の色合いが異なるようになる。
上記発明によれば、同一の画素上に形成される各色のインク液滴によるドットの濃度を同一列のヘッドモジュール単位で示す濃度情報に基づいて、同一の画素上に形成される各色のドットの濃度差がゼロであるときの各画素の色合いに近づけるための、各色のインク液滴の吐出量の補正内容が、さらに決定される。そして、濃度情報に基づいて決定した補正内容も含めてインク液滴のノズルからの吐出量が補正される。
よって、ある色について、複数列のヘッドモジュールの中に、ノズルから吐出されたインク液滴により形成されるドットの濃度が他の列のヘッドモジュールとは異なるヘッドモジュールが存在しても、そのヘッドモジュールの列に対応する画素の画像に色合いの変化が生じるのを、有効に抑制することができる。
なお、本発明の第2の変形例として、請求項1、2、3又は4に記載した本発明及び第1の変形例において、前記ライン型インクジェットプリンタにより印刷された前記印刷用紙からスキャナにより読み取られた画像から前記位置ズレ情報を取得し、取得した前記位置ズレ情報を前記位置ズレ情報設定手段に設定する位置ズレ情報取得手段と、前記画像から前記濃度情報を取得し、取得した前記濃度情報を前記濃度情報設定手段に設定する濃度情報取得手段とをさらに備える構成としてもよい。
上記発明によれば、位置ズレ情報や濃度情報の設定を、実際にライン型インクジェットプリンタによって印刷した印刷用紙の画像に基づいて行うことができるので、設定される位置ズレ情報や濃度情報の精度を高めることができる。
さらに、上記発明及び第1、第2の各変形例において、前記吐出量補正手段が、前記ノズルの吐出駆動信号を前記補正内容決定手段で決定された補正内容で補正することで、前記ノズルからのインク液滴の吐出量を補正する構成とし、ライン型インクジェットプリンタにおいてインク液滴の吐出量補正を行うようにしてもよい。
また、上記発明及び第1、第2の各変形例において、前記吐出量補正手段が、印刷ジョブにおける各画素の各色の画像データを、前記補正内容決定手段で決定された補正内容で補正することで、前記ノズルからのインク液滴の吐出量を補正する構成とし、例えば、ライン型インクジェットプリンタに接続されるプリンタドライバの搭載機器側においてインク液滴の吐出量補正を行うようにしてもよい。
さらに、上記発明及び第1、第2の各変形例において、前記吐出量補正手段は、各色の隣り合う2つの前記ヘッドモジュールどうしのつなぎ目領域に配置された前記ノズルに対応する画素の前記画像データに対し、前記画素に対応する前記ノズルの位置が前記ヘッドモジュールの最端部に近いノズルに対応する画素ほど小さい補正量(例えば、図14の補正カーブ)で補正する構成としてもよい。
上記発明及び第1、第2の各変形例が適用されるライン型インクジェットプリンタでは、印刷用紙が搬送方向に移送される際に、各列のヘッドモジュールに対する印刷用紙の相対位置が印刷走査方向において本来の位置からズレることがある。そして、印刷用紙の位置ズレが生じると、画像データ上における2つのヘッドモジュールどうしのつなぎ目の画素の画像データが、実際の2つのヘッドモジュールどうしのつなぎ目からずれた箇所に位置するノズルの駆動に使用されることになる。
上記発明によれば、搬送時に印刷用紙が印刷走査方向に位置ズレし、例えば、隣の列のヘッドモジュールの状態に応じた補正量で補正した吐出量でノズルからインク液滴が吐出されたとしても、ヘッドモジュールのつなぎ目における画素の画像データの色合いが本来の色合いからさらに遠ざかるように変化するのを、抑制することができる。
なお、前記吐出量補正手段が、前記ヘッドモジュールの最端部に近いノズルに対応する画素ほど、画素データに対する補正量を小さくする構成とする場合において、補正量を限りなく小さくしてゼロにすることで、2つのヘッドモジュールどうしのつなぎ目に位置するノズルからは、補正しないままの画像データに対応する吐出量でインク液滴が吐出されるように構成してもよい。そのように構成すれば、自列のヘッドモジュールのノズルからインク液滴が、自列のヘッドモジュールとは無関係な隣の列のヘッドモジュールの状態に応じて補正された吐出量で吐出されないようにすることができる。
本発明によれば、ライン型インクジェットプリンタにおいて、各色のラインヘッドがそれぞれ複数のヘッドモジュールから構成されていることに起因して生じる画像の色合い変化を、有効に抑制することができる。
本発明が適用されるライン型インクジェットプリンタの概略構成を示す説明図である。 図1に示すプリンタ部を側方から示す説明図である。 (a)は図2のヘッドホルダを下方から示す説明図、(b)は同ヘッドホルダの側断面を拡大して示す説明図である。 図2のヘッドホルダにヘッドモジュールがズレて取り付けられた場合に印刷用紙上の画像に生じる色差の状態を示す説明図である。 図2のヘッドホルダにヘッドモジュールがズレて取り付けられた場合のインク液滴の着弾位置ズレの状態を示す説明図である。 図3に示す1つのラインヘッドを構成する複数のヘッドモジュール間にノズルから吐出されるインク液滴によるドットの濃度差がある状態を示す説明図である。 図6に示すようなヘッドモジュール間のドット濃度差がある色を使って2色コンポジット印刷を行った場合に印刷用紙上で生じる色差の状態を示す説明図である。 図1のライン型インクジェットプリンタの制御系の構成を示すブロック図である。 インク液滴の吐出量調整処理を図1のライン型インクジェットプリンタ側において行う場合の手順を示すフローチャートである。 図9のフローチャートに示す濃度情報や位置ズレ情報の取得に利用するために図1のライン型インクジェットプリンタで印刷させることができるチャート用紙のチャート画像の内容を示す説明図である。 図9のフローチャートに示す濃度情報や位置ズレ情報の設定内容とそれに基づき特定される画像の色味度合いとの関係の一例を示す説明図である。 図9のフローチャートに示す画像の色味度合いとノズルの駆動信号の電圧補正内容とを関連付けたテーブルの一例を示す説明図である。 インク液滴の吐出量調整処理の一部を図8のクライアント端末側において行う場合の手順を示すフローチャートである。 図13のフローチャートに示す補正カーブの作成手順を示す説明図である。 インク液滴の吐出量調整処理の一部を図8のクライアント端末側において行う場合の手順の別例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
図1は本発明が適用されるライン型インクジェットプリンタの概略構成を示す説明図である。図1に示すように、本実施形態のライン型インクジェットプリンタ(以下、「インクジェットプリンタ」と略記する。)1は、原稿上の原稿画像を読み取って画像信号を出力するスキャナ部101と、スキャナ部101から出力された画像信号に基づいて印刷用紙S(片面又は両面)に原稿画像を印刷(記録)するプリンタ部102と、各種表示入力用のディスプレイ103と、全体制御用の制御ユニット10とを備えている。プリンタ部102における原稿画像の印刷に使用する印刷用紙Sは、給紙部105からプリンタ部102を介して排紙部109に搬送される。
図2は、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1のプリンタ部102において、画像形成が行われる画像形成経路CR1を側方から示す説明図であり、図3(a)は、画像形成経路CR1の上方に配置される図2のヘッドホルダ500を下方から示す説明図であり、図3(b)は、ヘッドホルダ500の側断面を拡大して示す説明図である。
本実施形態に係るインクジェットプリンタ1のプリンタ部102は、画像形成部であるラインヘッド110を色別に有している。各色のラインヘッド110は、印刷用紙Sの搬送方向(副走査方向)と直交する印字走査方向(主走査方向)に複数のヘッドモジュール110aを並べて構成されている。
図2に示すように、本実施形態に係る印刷装置は、その搬送経路として画像形成経路CR1を含んでおり、この画像形成経路CR1では、プラテンベルト160によって、印刷条件により定められる速度で印刷用紙S(図1参照)が搬送される。この画像形成経路CR1の上方には、各色のラインヘッド110が、プラテンベルト160に対向配置され、ラインヘッド110に備えられた各ヘッドモジュール110aのノズルから、プラテンベルト160上の印刷用紙Sに対し、ライン単位で各色のインクを吐出し、複数の画像を互いに重なり合うように形成する。
詳述すると、画像形成経路CR1は、無端状の搬送ベルトであるプラテンベルト160、プラテンベルト160の駆動機構である駆動ローラ161及び従動ローラ162等から構成される。この画像形成経路CR1の上方には、ヘッドホルダ500が設けられ、このヘッドホルダ500に各色のラインヘッド110のヘッドモジュール110aが保持されている。
プラテンベルト160は、駆動ローラ161により周回移動され、ヘッドモジュール110aと対向する範囲において摺動し、印刷用紙Sを搬送する。具体的に、このプラテンベルト160は、搬送方向に直交させて配置された一対の駆動ローラ161及び従動ローラ162間に掛け回されて、駆動ローラ161の駆動力により、搬送方向に周回される。
ヘッドホルダ500は、ヘッドホルダ面500aを底面に有する函体であり、各色のラインヘッド110のヘッドモジュール110aを保持して固定するとともに、ヘッドモジュール110aからインクを吐出させるための他の機能部分をユニット化して収納する。また、このヘッドホルダ500の底面であるヘッドホルダ面500aは、搬送経路に対して平行となるように対向配置されている。このヘッドホルダ面500aには、取付開口部500bが複数配列されている。各取付開口部500bは、ヘッドモジュール110aの水平断面と同形状に形成されている。複数のヘッドモジュール110aは、各取付開口部500bにそれぞれ挿通されて、その吐出口をヘッドホルダ面500aから突出させている。
ヘッドモジュール110aは、図3(a)及び(b)に示すように、K(ブラック)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の色別にそれぞれ複数個ずつ設けられている。各色のヘッドモジュール110aは、搬送方向(副走査方向)に間隔をおいてそれぞれ配置されている。各色の複数のヘッドモジュール110aは、印字走査方向(主走査方向)に並べて配置されており、かつ、1つおきに搬送方向の位置をずらして配置されている。これにより、隣り合う2つのヘッドモジュール110aの最端部のノズル(図示せず)どうしの間隔が、各ヘッドモジュール110aの隣り合うノズルの間隔と一致するようにしている。なお、以後の説明において、各ラインヘッド110の各ヘッドモジュール110aを、印字走査方向における並び順で「1列目」、「2列目」、「3列目」、・・・のように呼ぶことがある。
各ヘッドモジュール110aは、インクの吐出ドロップ数を変えることができる。この吐出するドロップの数(液滴数)によりドットの濃度が変化する。なお、本実施形態のインクジェットプリンタ1は、ドロップのサイズを液滴量として調整する機能を備えている。ヘッドモジュール110aにおける液滴量の調整は、ヘッドモジュール110aの駆動電圧を調整することにより行うことができる。
ところで、図2を参照して説明したように、各色のラインヘッド110のヘッドモジュール110aは共通のヘッドホルダ500に取り付けられている。ヘッドホルダ500に対するヘッドモジュール110aの取付位置がズレると、そのヘッドモジュール110aのノズルから吐出されたインク液滴が着弾する印刷用紙S上の画素において、色合いが本来の色合いから変化する。したがって、取付位置がズレていない他のヘッドモジュール110aのノズルから吐出されたインク液滴が着弾する印刷用紙S上の画素との間に色差が生じる。
図4は、ヘッドホルダ500にヘッドモジュール110aがズレて取り付けられた場合に印刷用紙S上の画像に生じる色差の状態を示す説明図である。なお、説明を容易にするため、図4では、2色分のラインヘッド110を抜粋して示している。
例えば、図4の右側部分に示す2列目(ヘッド列2)及び3列目(ヘッド列3)において、一方のラインヘッド110のヘッドモジュール110aに取付位置ズレが生じた場合を想定する。この場合には、同左側部分に示すように、2列目及び3列目に対応する印刷用紙S上の画素部分の画像の色合いが、1列目に対応する画素部分の画像の正規の色合いとは異なる色合いに変化し、両者の間に色差が生じる。このような色差は、ヘッドモジュール110aの取付位置ズレに伴って、そのヘッドモジュール110aのノズルから吐出されたインク液滴の印刷用紙Sに対する着弾位置が、正規の画素位置からズレることが原因で発生する。
図5は、図2のヘッドホルダ500にヘッドモジュール110aがズレて取り付けられた場合のインク液滴の着弾位置ズレの状態を示す説明図である。なお、図5では、図面の見やすさのため、2つのラインヘッド110の同じ列のヘッドモジュール110aの各ノズルから同じ画素に吐出された2色のインク液滴のドットを、図面の上下方向にずらして記載している。したがって、図5では、図面の左右方向における2つのドットの位置によって、印字走査方向(主走査方向)におけるインク液滴の着弾位置ズレの有無を表している。
そして、印字走査方向(主走査方向)において、各色のヘッドモジュール110aともヘッドホルダ500に位置ズレなく取り付けられていれば、図5に1列目のヘッドモジュール110aの場合として例示するように、同じ列のヘッドモジュール110aからそれぞれ吐出された2色のインク液滴が、印刷用紙Sの同じ位置に着弾する。
しかし、ヘッドホルダ500に対する取付位置が印字走査方向(主走査方向)にズレたヘッドモジュール110aが存在すると、同じ列のヘッドモジュール110aからそれぞれ吐出された2色のインク液滴の着弾位置が、印刷用紙Sの主走査方向にズレる。
例えば、図5に例示した2列目のヘッドモジュール110aの場合は、ある色のヘッドモジュール110aの取付位置ズレのために、その取付位置ズレと同じ主走査方向の40μmのズレが、2つの色のインク液滴の着弾位置間に生じている。3列目のヘッドモジュール110aの場合は、ある色のヘッドモジュール110aの取付位置ズレのために、2つの色のインク液滴の着弾位置が主走査方向に20μmズレた場合を例示している。
上述したようなインク液滴の着弾位置ズレが、図4に示すような色差の原因となる。例えば、図4のラインヘッド110や図5のインク液滴が、K(ブラック)とM(マゼンタ)のものである場合、インク液滴の着弾位置がズレると、本来の黒い色合いよりも赤みがかった色合いに変化してしまう。
以上に、各ラインヘッド110のヘッドモジュール110aの取付位置ズレに起因する画像の色合いの変化(相違)について説明した。しかし、画像の色合いの相違は、各ラインヘッド110を構成する各列のヘッドモジュール110aの相互間で、ノズルから吐出されるインク液滴によるドットの濃度に差がある場合にも発生する。
図6は、あるラインヘッド110を構成する複数のヘッドモジュール110a間にノズルから吐出されるインク液滴によるドットの濃度差がある状態を示す説明図である。例えば、図6の上部の表に例示したM(マゼンタ)のラインヘッド110に、1列目(ヘッド列1)及び3列目(ヘッド列3)の濃度0.5(単位省略)に対して、2列目(ヘッド列2)の濃度0.6という、ノズルから吐出されたインク液滴によるドットの濃度差が存在する場合を想定する。この場合、マゼンタの単色印刷で画像を印刷用紙Sに印刷すると、各ヘッドモジュール110aに対応する画素部分間に、図6の下部左側に示すような濃度差が生じる。
同様に、図6の上部の表に例示したK(ブラック)のラインヘッド110には、2列目(ヘッド列2)及び3列目(ヘッド列3)の濃度0.5(単位省略)に対して、1列目(ヘッド列1)の濃度0.6という、ノズルから吐出されたインク液滴によるドットの濃度差が存在する場合を想定する。この場合、ブラックの単色印刷で画像を印刷用紙Sに印刷すると、各ヘッドモジュール110aに対応する画素部分間に、図6の下部左側に示すような濃度差が生じる。
このような、同じ色の各ヘッドモジュール110aに対応する画素部分間にドットの濃度差がある場合、他の色とコンポジット印刷すると、各ヘッドモジュール110aに対応する画素部分間に色合いの相違が生じる。
図7は、各ヘッドモジュール110aに対応する画素部分間にドット濃度差がある色を使って2色コンポジット印刷を行った場合に、印刷用紙S上の画像に生じる色差の状態を示す説明図である。
図7の1段目に例示するように、ここでは、K(ブラック)のラインヘッド110において、3列目(3ヘッド)のヘッドモジュール110aに対応する画素部分のドットの濃度が、他の列のヘッドモジュール110aに対応する画素部分のドットの濃度に比べて薄いものとする。また、図7の2段目に例示するように、M(マゼンタ)のラインヘッド110において、4列目(4ヘッド)のヘッドモジュール110aに対応する画素部分のドットの濃度が、他の列のヘッドモジュール110aに対応する画素部分のドットの濃度に比べて薄いものとする。
上述したドットの濃度差があるK(ブラック)のラインヘッド110とM(マゼンタ)のラインヘッド110とを用いて、2色コンポジット印刷を行うと、図7の3段目に示すように、印刷された画像上の3列目のヘッドモジュール110aに対応する画素部分では、M(マゼンタ)の色味が強くなり、4列目のヘッドモジュール110aに対応する画素部分では、K(ブラック)の色味が強くなる。
以上に説明したように、ヘッドホルダ500に対するヘッドモジュール110aの取付位置ズレや、同じ色のヘッドモジュール110a間でのドット濃度のバラツキがあると、画像の色合いが本来とは異なったものに変化してしまう部分が発生し、画像の品質を損ねてしまう。
そこで、本実施形態のインクジェットプリンタ1では、ヘッドホルダ500に対するヘッドモジュール110aの取付位置ズレや、同じ色のヘッドモジュール110a間でのドット濃度のバラツキに応じて、ノズルから吐出されるインク液滴の吐出量を、ヘッドモジュール110a単位で制御ユニット10により調整できるようにしている。
図8は、図1の制御ユニット10の電気的構成を示すブロック図である。図8に示すように、制御ユニット10には、外部インタフェース部11を介して、後述するクライアント端末14の外部インタフェース部15が接続されている。この接続には、例えば、100BASE−TXの有線LANが用いられる。このクライアント端末14から制御ユニット10は、原稿画像の印刷ジョブを受け取る。この印刷ジョブは、ポストスクリプトデータと印刷環境データとを含んでいる。制御ユニット10は、受け取った印刷ジョブのポストスクリプトデータにより原稿画像のラスタデータを生成する。インクジェットプリンタ1は、印刷ジョブの印刷環境情報において指定された条件で、原稿画像の印刷用紙Sへの印刷をプリンタ部102において実行する。
また、制御ユニット10のCPU90には、ディスプレイ103が接続されている。このディスプレイ103は、図1に示すように、インクジェットプリンタ1の上部に配置されている。このディスプレイ103は、スキャナ部101によって印刷用紙Sから画像を読み取るスキャナモードでインクジェットプリンタ1を使用する場合に、読み取った画像の電子データ化や自己診断等のメニューをユーザが選択入力する入力操作部として利用することができる。
上述したプリンタ部102に印刷動作を行わせるインクジェットプリンタ1の制御ユニット10は、図8に示すように、CPU90を備える。このCPU90は、ROM91に格納されているプログラム及び設定情報に基づいて、ディスプレイ103から入力設定される内容に応じたスキャナ部101やプリンタ部102の動作を制御する。
なお、制御ユニット10にはRAM92が設けられており、RAM92にはディスプレイ103から入力されたメニュー選択内容等が随時記憶される。また、RAM92にはフレームメモリ領域が設けられている。このフレームメモリ領域には、クライアント端末14から制御ユニット10に入力された印刷ジョブのポストスクリプトデータからCPU90が生成する、原稿画像のラスタデータが、プリンタ部102に出力されるまでの間、一時的に記憶される。
また、制御ユニット10にはフラッシュメモリ93が設けられている。このフラッシュメモリ93は、インクジェットプリンタ1に対する給電が絶たれても記憶内容を保持できる不揮発性メモリである。フラッシュメモリ93には、ディスプレイ103、プリンタ部102のカラーマッチングシステム及びプリンタエンジン、並びに、スキャナ部101のファームウェアが、使用する領域を分けてそれぞれ記憶されている。
クライアント端末14は、PC(パーソナルコンピュータ)等によって構成されるものであり、ROM17に格納された制御プログラムに基づいて各種の処理を実行するCPU16と、CPU16のワーキングエリアとして機能するRAM18と、キーボードやマウス等から構成される入力部19と、液晶ディスプレイ等から構成される出力部20とを備えている。
CPU16には、上述した外部インタフェース部15の他に、外部記憶装置21とディスクドライブ22とが接続されている。外部記憶装置21には、原稿画像のデータを生成するためのアプリケーションプログラムの格納領域や、インクジェットプリンタ1のプリンタドライバプログラムの格納領域、アプリケーションプログラムを用いて生成された原稿画像のデータのデータベース領域、及び、プリンタドライバプログラムにおける印刷環境情報の、標準的な内容やユーザによってカスタマイズされた内容等のデータベース領域が確保されている。印刷環境情報は、印刷ジョブ中の印刷情報データとして制御ユニット10に出力される。
CPU16は、入力部19から入力される起動要求にしたがって外部記憶装置21のアプリケーションプログラムを起動させ、また、入力部19からのパラメータ入力等により指示された内容の原稿画像のデータを、起動されたアプリケーションプログラム上において生成する。生成された原稿画像のデータは出力部20において表示出力され、また、入力部19から保存要求が入力された場合には、外部記憶装置21の原稿画像のデータのデータベース領域に記憶される。
外部記憶装置21のデータベース領域に記憶された原稿画像のデータは、アプリケーションプログラムの起動中に入力部19からの読み出し要求が入力された場合に、外部記憶装置21から読み出される。読み出された原稿画像のデータは、出力部20に表示出力することができ、また、アプリケーションプログラム上において加工して新たな原稿画像のデータに生成し直すこともできる。
そして、CPU16は、アプリケーションプログラムの起動中に入力部19から印刷指令が入力された場合に、印刷対象の原稿画像の印刷ジョブを生成して、生成した印刷ジョブを外部インタフェース部15から制御ユニット10の外部インタフェース部11に出力する。この印刷ジョブは、外部記憶装置21に格納されたプリンタドライバプログラムをCPU16が実行することによって、制御ユニット10に出力することができる。
また、CPU16は、クライアント端末14のディスクドライブ22により光学ディスク等のディスク状記録媒体50から各種プログラムやデータを読み取って、外部記憶装置21にインストール(記憶)させたりインクジェットプリンタ1側に伝送することができる。
次に、インク液滴の吐出量調整処理を図1のインクジェットプリンタ1側において行う場合の手順について、図9のフローチャートを参照して説明する。図9のフローチャートは、図8に示す制御ユニット10のCPU90がROM91に記憶されたプログラムを実行することにより行う処理を示している。
図9に示すように、CPU90は、まず、ヘッドモジュール110aのノズルから吐出されるインク液滴によるドットの濃度を示す濃度情報を、各色のラインヘッド110の各ヘッドモジュール110a単位で取得し(ステップS1)、取得した濃度情報をインク液滴の吐出量調整用の情報として設定する(ステップS3)。
また、CPU90は、各色のラインヘッド110の同じ列のヘッドモジュール110aのノズルからそれぞれ吐出されるインク液滴の主走査方向における着弾位置ズレ量を示す位置ズレ情報を、同じ列のヘッドモジュール110a単位で取得し(ステップS5)、取得した位置ズレ情報をインク液滴の吐出量調整用の情報として設定する(ステップS7)。
ここで、ステップS1やステップS5の濃度情報や位置ズレ情報の取得は、例えば、次のようにして行うことができる。まず、例えば、ディスプレイ103の操作によりスキャナモードの自己診断メニューを選択し、チャート用紙をインクジェットプリンタ1に印刷させる。
図10は印刷されたチャート用紙上のチャート画像の内容を示す説明図である。図10に示すように、チャート用紙200には、濃度情報を含む濃度チャート310と、位置ズレ情報を含む位置ズレチャート330とを含むチャート画像300が印刷される。
濃度チャート310は、例えば図7の1段目と2段目に示すような、各色のラインヘッド110を構成する各ヘッドモジュール110aのノズルから、同じ濃度のドットが形成されるように制御してインク液滴を吐出させた結果を示す、帯状のチャートとすることができる。図10では、説明を容易にするため、K(ブラック)とM(マゼンタ)の2色分だけ示しているが、C(シアン)やY(イエロー)あるいはその他のインク色についても、同様のチャートが濃度チャート310として印刷される。
位置ズレチャート330は、違う色のラインヘッド110における同じ列のヘッドモジュール110aどうしの間で、同じ画素に対してノズルから吐出されるインク液滴によるドットの位置が相対的にずれているか否かを確認するためのチャートである。図10では、説明の簡略化のため、K(ブラック)とM(マゼンタ)の2色の間でドットの位置ズレの有無を確認するチャートを示している。勿論、C(シアン)やY(イエロー)あるいはその他のインク色との相互間についても、同様のチャートが位置ズレチャート330として印刷される。
この位置ズレチャート330は、例えば、K(ブラック)とM(マゼンタ)の同じ列どうし(例えば、1列目どうし、2列目どうし、3列目どうし、・・・)のヘッドモジュール110a中の、主走査方向(印字走査方向)において互いに位置が異なるノズルからそれぞれ吐出されたインク液滴によるドット331,333を含んでいる。即ち、図10に示す例では、K(ブラック)のヘッドモジュール110aでインク液滴の吐出に用いたノズルと、M(マゼンタ)のヘッドモジュール110aでインク液滴の吐出に用いたノズルとは、主走査方向における位置が2ピッチ分シフトしている。
仮に、同じ列のK(ブラック)とM(マゼンタ)のヘッドモジュール110a中の、主走査方向(印字走査方向)における位置が同じノズルからのインク液滴によるドットを位置ズレチャート330に印刷すると、K(ブラック)とM(マゼンタ)の両ドットの大半または全部が重なっているので、両ドットが主走査方向において同じ位置にあるのかズレているのかを判別しづらくなってしまう。
そこで、各ヘッドモジュール110a中のノズルのピッチが同じであることを考慮して、本実施形態では、位置ズレチャート300に印刷するドット331,333のインク液滴を吐出するノズルを、K(ブラック)とM(マゼンタ)とで主走査方向に2ピッチ分シフトさせた位置のノズルとしている。そして、両ドット331,333の主走査方向における間隔Hが、各ドット331,333のインク液滴をそれぞれ吐出したノズルの主走査方向におけるシフト分と一致しているかどうかによって、K(ブラック)とM(マゼンタ)の各ヘッドモジュール110aがヘッドホルダ500の正しい位置にそれぞれ取り付けられているかどうかを、位置ズレチャート300の各ドット331,333の位置を確認することで判別できるようにしている。
したがって、それぞれのヘッドモジュール110aがヘッドホルダ500の正しい位置にそれぞれ取り付けられていれば、K(ブラック)のドット331の中心とM(マゼンタ)のドット333の中心との間隔Hは、それぞれのインク液滴の吐出に使用したノズルの主走査方向におけるシフト分(つまり、図10の例では2ピッチ分)に等しい寸法となる。なお、主走査方向以外の方向(つまり、副走査方向の成分を含む方向)にも位置ズレがあるかどうかは、例えば、ドット331,333の近傍に印刷した主走査方向を示す罫線335から各ドット331,333の中心までの間隔が等しいか否かによって、判別することができる。
上述したチャート用紙200のチャート画像300を、スキャナ部101で読み取り、読み取ったチャート画像300の内容をCPU90により解析することで、濃度チャート310の内容から濃度情報を、位置ズレチャート330の内容から位置ズレ情報を、それぞれ取得することができる。
なお、図10のチャート用紙200をインクジェットプリンタ1に印刷させてスキャナ部101で読み取ることで、濃度情報や位置ズレ情報を取得する代わりに、それぞれの情報を別途取得して、例えばディスプレイ103の入力操作によりステップS3やステップS7で設定するようにしてもよい。
各列のヘッドモジュール110a単位で濃度情報や位置ズレ情報をそれぞれ取得、設定したならば、次に、設定した濃度情報や位置ズレ情報に基づいて、各列のヘッドモジュール110a単位で、各色のヘッドモジュール110aのノズルから吐出されるインク液滴の吐出量を調整しない場合の画像の色味度合いを特定(決定)する(ステップS9)。
図11は、ステップS3やステップS7で設定する濃度情報や位置ズレ情報の設定内容とそれに基づき特定される画像の色味度合いとの関係の一例を示す説明図である。図11の説明図では、図10のチャート用紙200を用いて取得した場合を例示しているため、K(ブラック)とM(マゼンタ)との関係で、濃度情報や位置ズレ情報の設定内容や特定した色味度合い(赤み度合い)を示している。
ここでは、1列目(ヘッド列1)〜3列目(ヘッド列3)の設定された濃度情報が、K(ブラック)のドットに対するM(マゼンタ)のドットの濃度差を示す段階値によって、それぞれ「−1」、「1」、「0」(「0」は濃度差なし)と設定されている。また、各列の設定された位置ズレ情報が、K(ブラック)とM(マゼンタ)の主走査方向におけるドットの位置ズレ量を示す段階値によって、それぞれ「0」、「4」、「2」(「0」は位置ズレなし)と設定されている。
そして、1列目のヘッドモジュール110aのノズルから吐出されるインク液滴によるドットで形成される画像については、図9のステップS9において、「−1(黒い)」という色味度合い(総合赤み度合い)に特定(決定)される。これは、K(ブラック)のドットの濃度よりもM(マゼンタ)のドットの濃度が1段階低く、かつ、K(ブラック)のドットとM(マゼンタ)のドットとが主走査方向に位置ズレしていないので、ドットの濃度差によって色味度合い(赤み度合い)に「−1(黒い)」段階の変化が生じていることを意味している。
同様に、2列目のヘッドモジュール110aのノズルから吐出されるインク液滴によるドットで形成される画像については、図9のステップS9において、「5(赤い)」という色味度合い(総合赤み度合い)に特定(決定)される。これは、K(ブラック)のドットの濃度よりもM(マゼンタ)のドットの濃度が1段階高く、かつ、K(ブラック)のドットとM(マゼンタ)のドットとが主走査方向に4段階位置ズレしているので、ドットの濃度差と位置ズレとによって色味度合い(赤み度合い)に「5(赤い)」段階の変化が生じていることを意味している。
さらに、3列目のヘッドモジュール110aのノズルから吐出されるインク液滴によるドットで形成される画像については、図9のステップS9において、「2(やや赤い)」という色味度合い(総合赤み度合い)に特定(決定)される。これは、K(ブラック)のドットの濃度とM(マゼンタ)のドットの濃度とが同じであり、かつ、K(ブラック)のドットとM(マゼンタ)のドットとが主走査方向に2段階位置ズレしているので、ドットの位置ズレによって色味度合い(赤み度合い)に「2(やや赤い)」段階の変化が生じていることを意味している。
なお、図9のステップS3やステップS7で設定した濃度情報や位置ズレ情報から、ステップS9で色味度合い(総合赤み度合い)を特定(決定)するには、例えば、相互を関連付けて定義したテーブルや、各情報の値を用いて色味度合いの値を算出する換算式等を、RAM92に持たせて使用することができる。勿論、これに変わる別の方法で特定(決定)してもよい。
図9のステップS9で、各色のヘッドモジュール110aのノズルから吐出されるインク液滴の吐出量を調整しない場合の画像の色味度合いを特定(決定)したならば、特定した色味度合い(総合赤み度合い)を「0」に戻すのに適した、各色のヘッドモジュール110aのノズルから吐出されるインク液滴の吐出量を調整するための数値を決定する。本実施形態では、ヘッドモジュール110aがせん断モード(シェアモード)型のノズルを有するものとして、ノズルの吐出駆動に用いる駆動信号(吐出駆動信号)の補正電圧値を、吐出量調整のための数値として算出するものとする(ステップS11)。この補正電圧値は、例えば、RAM92に持たせたテーブルを用いて算出することができる。
図12は、ステップS11でヘッドモジュール110aのノズルの駆動信号の補正電圧値を算出する際に参照することができる、画像の色味度合いとノズルの駆動信号の電圧補正内容とを関連付けたテーブルの一例を示す説明図である。
図12に示すように、1列目(ヘッド列1)のヘッドモジュールについては、図11に示すように総合赤み度合いが「−1(黒い)」という結果であったため、色味度合い(色合い)が赤くなるように、M(マゼンタ)のヘッドモジュール110aのノズルに対する駆動信号電圧を「+1」段階上げ、K(ブラック)のヘッドモジュール110aのノズルに対する駆動信号電圧を「−2」段階下げるという補正内容が関連付けられている。
同様に、2列目(ヘッド列2)のヘッドモジュールについては、図11に示すように総合赤み度合いが「5(赤い)」という結果であったため、色味度合い(色合い)が黒くなるように、M(マゼンタ)のヘッドモジュール110aのノズルに対する駆動信号電圧を「−2」段階下げ、K(ブラック)のヘッドモジュール110aのノズルに対する駆動信号電圧を「+2」段階上げるという補正内容が関連付けられている。
さらに、3列目(ヘッド列3)のヘッドモジュールについては、図11に示すように総合赤み度合いが「2(やや赤い)」という結果であったため、色味度合い(色合い)がやや黒くなるように、M(マゼンタ)のヘッドモジュール110aのノズルに対する駆動信号電圧を「−1」段階下げ、K(ブラック)のヘッドモジュール110aのノズルに対する駆動信号電圧を「+1」段階上げるという補正内容が関連付けられている。
そこで、図9のステップS11では、補正内容として関連付けられた段階に、単位段階当たりの補正値を乗じる等して、K(ブラック)やM(マゼンタ)の各ヘッドモジュール110aのノズルに対する駆動信号の補正電圧値を算出することができる。
なお、上述した補正内容を実行することで、1列目(ヘッド列1)のヘッドモジュール110aについては、K(ブラック)のドットの濃度が下がり、その半分の度合いで、M(マゼンタ)のドットの濃度が上がる。また、2列目(ヘッド列2)のヘッドモジュール110aについては、K(ブラック)のドットの濃度が上がり、それと同じ度合いで、M(マゼンタ)のドットの濃度が下がる。さらに、3列目(ヘッド列3)のヘッドモジュール110aについても、2列目(ヘッド列2)の半分の度合いで、K(ブラック)のドットの濃度が上がり、それと同じ度合いで、M(マゼンタ)のドットの濃度が下がる。
このようなドットの濃度の上下が補正によって生じても、各列間におけるK(ブラック)のドットの濃度差や、各列間におけるM(マゼンタ)のドットの濃度差は、いずれも補正前の濃度差から増えることはない。したがって、色味度合いを元に戻すための上記補正を行うことで、K(ブラック)のドットやM(マゼンタ)のドットに関する各列間での濃度差の拡大による色味度合いのさらなる変化を引き起こさないようにすることができる。
ところで、ステップS11で算出した、ノズルに対する駆動信号の補正電圧値は、ヘッドモジュール110aの交換等を行わない限り、継続して使用することができる。したがって、ステップS1乃至ステップS11の各手順は、ヘッドモジュール110aの交換等の事情が新たに発生しない限り、一度行っておけばよい。
そして、CPU90は、クライアント端末14から印刷ジョブが入力されて、印刷ジョブによる画像の印刷がプリンタ部102で行われる度に、ステップS11で算出した補正電圧値による駆動信号によって、K(ブラック)やM(マゼンタ)の各ラインヘッド110の対応する列のヘッドモジュール110aに設けられたノズルをそれぞれ駆動する(ステップS13)。
以上に説明した図9のフローチャートに示す各手順を、上述したK(ブラック)やM(マゼンタ)以外の色についても、インクジェットプリンタ1において実行する。そして、算出した補正電圧値による駆動信号で対応するノズルを駆動させる。これにより、各色のラインヘッド110における同じ列のヘッドモジュール110aの中に、ヘッドホルダ500に対して位置ズレして取り付けられたものが存在しても、同じ画素に対する各色のインク液滴の間に着弾位置ズレが生じにくいようにして、その画素の画像に色合い変化が生じるのを、有効に抑制することができる。
また、各色のラインヘッド110中に、ノズルからのインク液滴の吐出により形成されるドットの濃度が他のヘッドモジュール110aとは異なるヘッドモジュール110aが存在しても、その濃度差を抑制して、対応する画素の画像に色合いの変化が生じるのを、有効に抑制することができる。
なお、クライアント端末14とインクジェットプリンタ1との間に、フォントデータ等を蓄積したプリンタサーバを設ける場合は、そのプリンタサーバにおいて図9のフローチャートに示す各手順を実行するようにしてもよい。
以上に説明した実施形態では、インク液滴の吐出量の調整を、インクジェットプリンタ1側でノズルの駆動信号の電圧補正によって行うものとした。しかし、プリンタドライバ機能を有するクライアント端末14からインクジェットプリンタ1に印刷ジョブとして供給される画像データに対して、インク液滴の吐出量を調整するための補正をクライアント端末14側で加えるようにすることもできる。
以下、そのように構成した本発明の変形実施形態について説明する。なお、この変形実施形態においても、説明を容易にするために、K(ブラック)とM(マゼンタ)の2色分についての手順を抜粋して説明する。
図13は、インク液滴の吐出量調整処理の一部を図8のクライアント端末14側において行う場合の手順を示すフローチャートである。本実施形態では、図13に示すように、濃度情報及び位置ズレ情報の取得、設定に係るステップS1〜ステップS9をインクジェットプリンタ1の制御ユニット10において行い、その後の手順をクライアント端末14で行う。
そして、制御ユニット10のCPU90は、各列のヘッドモジュール110a単位で特定(決定)したK(ブラック)及びM(マゼンタ)に関する色味度合い(総合赤み度合い)を、プリンタドライバ機能を有するクライアント端末14のCPU16に送信する(ステップS15)。
次に、CPU16は、受け取った各列のヘッドモジュール110a単位のK(ブラック)及びM(マゼンタ)に関する色味度合い(総合赤み度合い)に基づいて、その列のヘッドモジュール110aのノズルに対応する画素に関する、K(ブラック)及びM(マゼンタ)の各画像データの補正内容を示す補正カーブを作成する(ステップS17)。
図14は、図13のステップS17における補正カーブの作成手順を示す説明図である。図14に示すように、クライアント端末14がインクジェットプリンタ1の制御ユニット10から受け取ったK(ブラック)及びM(マゼンタ)に関する色味度合い(総合赤み度合い)は、1列目(1ヘッド)が「−1(黒い)」、2列目(2ヘッド)が「5(赤い)」、3列目(3ヘッド)が「2(やや赤い)」である。本実施形態では、3列目の「2(やや赤い)」の色合いに、1列目及び2列目の色合いを合わせるような補正カーブを作成する場合を説明する。
そこで、1列目のヘッドモジュール110aのノズルから吐出されるインク液滴によるドットで形成される画像については、黒の色合いを弱める必要がある。そこで、1列目のヘッドモジュール110aのノズルに対応する画素の、K(ブラック)の多値データを「−2レベル(薄く)」し(2レベル下げ)、M(マゼンタ)の多値データを「2レベル(濃く)」する(2レベル上げる)。
同様に、2列目のヘッドモジュール110aのノズルから吐出されるインク液滴によるドットで形成される画像については、赤の色合いをやや弱める必要がある。そこで、2列目のヘッドモジュール110aのノズルに対応する画素の、K(ブラック)の多値データを「1レベル(濃く)」し(1レベル上げ)、M(マゼンタ)の多値データを「−1レベル(薄く)」する(1レベル下げる)。
さらに、3列目のヘッドモジュール110aのノズルから吐出されるインク液滴によるドットで形成される画像については、色合いを変える必要がない。そこで、3列目のヘッドモジュール110aのノズルに対応する画素については、K(ブラック)の多値データもM(マゼンタ)の多値データも、共に「補正なし」とする(レベルを上下させない)。
ところでインクジェットプリンタ1では、印刷用紙Sが画像形成経路CR1上をプラテンベルト160によって搬送方向(副走査方向)に搬送される際、印字走査方向(主走査方向)に印刷用紙Sの位置がズレる場合がある。その場合、例えば、インクジェットプリンタ1の制御ユニット10のCPU90が、画像形成経路CR1上における印刷用紙Sの主走査方向の位置を検出するラインセンサ(図示せず)で検出した、印刷用紙Sの主走査方向における位置ズレ量に応じて、クライアント端末14からの印刷ジョブ中の画像データの各画素と、各色のラインヘッド110のヘッドモジュール110aのノズルとの対応関係を変更することがある。
そのため、上述した手順で、各列のヘッドモジュール110aのノズルに対応する画素に対するK(ブラック)やM(マゼンタ)の多値データの補正内容を決定するだけでは、適切な補正内容とならない場合がある。つまり、印刷用紙Sが画像形成経路CR1上を主走査方向に位置ズレして搬送された場合に、自列のヘッドモジュール110aとは無関係な隣の列のヘッドモジュール110aのノズルに対応する画素に適用する補正内容で補正された多値データが、自列のヘッドモジュール110aのノズルに対応する画素の多値データとして使用される場合がある。
そこで、本実施形態においてクライアント端末14のCPU16が作成する補正カーブでは、インクジェットプリンタ1の画像形成経路CR1上を印刷用紙Sが主走査方向に位置ズレして搬送された場合を考慮に入れて、補正カーブを作成するようにしている。具体的には、隣の列のヘッドモジュール110aとの境界に近い、各列のヘッドモジュール110aの主走査方向における最端部寄りのノズルに対応する画素の多値データについては、補正のボリュームを少なくしたり、補正を行わないようにしている。
即ち、図14の「各ヘッドモジュール毎の補正カーブ」に示すように、1列目(1ヘッド)のヘッドモジュール110aのノズルのうち、2列目(2ヘッド)のヘッドモジュール110aとの境界に近い部分のノズルに対応する画素の多値データは、2列目のヘッドモジュール110aに近い位置のノズルに対応する画素ほど、K(ブラック)及びM(マゼンタ)の多値データのレベル変更量を少なくしている。そして、図14の(A)に拡大して示すように、ヘッドモジュール110aの最端部から例えば2mmの範囲にあるノズルに対応する画素については、多値データのレベル変更量を「0」として、多値データの補正を行わないようにしている。
2列目(2ヘッド)のヘッドモジュール110aのノズルのうち、1列目(1ヘッド)のヘッドモジュール110aや3列目(3ヘッド)のヘッドモジュール110aに近い位置のノズルに対応する画素、及び、3列目(3ヘッド)のヘッドモジュール110aのノズルのうち、2列目(2ヘッド)のヘッドモジュール110aに近い位置のノズルに対応する画素についても、同様にしている。
また、図14の(B)に拡大して示すように、多値データのレベル変更量が変わる部分では、段階的ではなく連続的になだらかにレベル変更量が変わるようにしている。
ここで作成した補正カーブは、ヘッドモジュール110aの交換等を行わない限り、継続して使用することができる。したがって、図13のステップS17までの各手順は、ヘッドモジュール110aの交換等の事情が新たに発生しない限り、一度行っておけばよい。
そして、CPU90は、クライアント端末14から印刷ジョブが発生する度に、プリンタドライバ機能を用いて生成した印刷画像のK(ブラック)とM(マゼンタ)の各多値データに対して、図13のステップS17で作成した補正カーブの内容に応じたレベル変更量による補正を施す(ステップS19)。そして、必要に応じてハーフトーニングやラスタイメージプロセッサによるRIP処理を施した後、印刷ジョブの画像データ(プリントデータ)としてインクジェットプリンタ1(装置本体)に送信する(ステップS21)。
以上のようにしてクライアント端末14から送信された印刷ジョブの画像データによる画像の印刷をインクジェットプリンタ1で行うことで、先に説明した実施形態の場合と同様の効果を得ることができる。
なお、上述した変形実施形態では、インクジェットプリンタ1側で、濃度情報や位置ズレ情報を設定し、それに基づいて、各色のヘッドモジュール110aのノズルから吐出されるインク液滴の吐出量を調整しない場合の画像の色味度合いを特定(決定)した。しかし、これらをクライアント端末14側で行うようにしてもよい。
その場合には、図15のフローチャートに示す手順のように、インクジェットプリンタ1の制御ユニット10において、図13のステップS3とステップS7の濃度情報や位置ズレ情報を設定する代わりに、図13のステップS1とステップS5で取得した濃度情報や位置ズレ情報を、プリンタドライバ機能を有するクライアント端末14のCPU16に送信する(ステップS23)。
次に、CPU16は、受け取った情報を濃度情報や位置ズレ情報としてそれぞれ設定し(ステップS25)、設定した濃度情報及び位置ズレ情報に基づいて、各列のヘッドモジュール110a単位で、各色のヘッドモジュール110aのノズルから吐出されるインク液滴の吐出量を調整しない場合の画像の色味度合いを特定(決定)する(ステップS27)。以後、図13のステップS17乃至ステップS21の手順を、CPU16が実行する。
なお、濃度情報や位置ズレ情報をインクジェットプリンタ1から受け取って設定する代わりに、それぞれの情報を別途取得して、例えば入力部19の入力操作によりステップS25でそれぞれ設定するようにしてもよい。
また、以上に説明した各実施形態においては、濃度情報の取得、設定、及び、それに基づいたノズルの駆動信号の補正電圧値算出や、画素の多値データのレベル変更量を示す補正カーブの作成、並びに、それらに基づいたノズルの駆動や多値データの補正を行う場合について説明した。しかし、それらを省略する構成としてもよい。
その場合、図9のフローチャートのステップS13において、クライアント端末14から入力された印刷ジョブによる印刷が、単色印刷であるか否かを事前に確認し、単色印刷でない場合に限って、ステップS11で算出した補正電圧値による駆動信号によって、ノズルの駆動を行うようにしてもよい。
同様に、図13及び図15のステップS19において、クライアント端末14で発生した印刷ジョブによる印刷が、単色印刷であるか否かを事前に確認し、単色印刷でない場合に限って、ステップS17で作成した補正カーブを適用した多値データの補正を行うようにしてもよい。
このようにすれば、同一画素に単一色のインク液滴しか着弾せず、ドットの位置ズレによる色合いの変化が発生しない単色印刷の際に、インク液滴の吐出量が無用に補正されてしまうのを防ぐことができる。
1 ライン型インクジェットプリンタ
10 制御ユニット
11 外部インタフェース部
14 クライアント端末
15 外部インタフェース部
16 CPU
17 ROM
18 RAM
19 入力部
20 出力部
21 外部記憶装置
22 ディスクドライブ
50 ディスク状記録媒体
90 CPU
91 ROM
92 RAM
93 フラッシュメモリ
101 スキャナ部
102 プリンタ部
103 ディスプレイ
105 給紙部
109 排紙部
110 ラインヘッド
110a ヘッドモジュール
160 プラテンベルト
161 駆動ローラ
162 従動ローラ
200 チャート用紙
300 チャート画像
310 濃度チャート
330 位置ズレチャート
331 ドット
333 ドット
335 罫線
500 ヘッドホルダ
500a ヘッドホルダ面
500b 取付開口部
H 間隔
S 印刷用紙

Claims (7)

  1. 印刷用紙の搬送方向と交差する印字走査方向に複数列並べられたヘッドモジュールをインク色別に複数有するライン型インクジェットプリンタの、前記ヘッドモジュールに設けたノズルから吐出されるインク液滴の吐出量を、インク色別に調整する装置であって、
    各色のインク液滴により前記印刷用紙の同一の画素上にそれぞれ形成される各色のドットの、前記印字走査方向における位置ズレ量を示す位置ズレ情報が、前記搬送方向に沿って同一列に配置された各色の前記ヘッドモジュール単位で設定される位置ズレ情報設定手段と、
    前記位置ズレ情報設定手段に設定された前記位置ズレ情報に基づいて、前記印刷用紙の各画素上にそれぞれ形成されるドットの各列間における色味差を小さくするための、同一列に配置された各色の前記ヘッドモジュールの前記ノズルからそれぞれ吐出されるインク液滴の吐出量の補正内容を決定する補正内容決定手段と、
    各色のインク液滴の前記ノズルからの吐出量を、該ノズルを有する前記ヘッドモジュールの対応する色について前記補正内容決定手段で決定された補正内容で補正する吐出量補正手段と、
    を備えることを特徴とするライン型インクジェットプリンタの色別インク吐出量調整装置。
  2. 前記補正内容決定手段は、各列の前記ヘッドモジュールの前記ノズルからそれぞれ吐出された同じ色のインク液滴によって前記印刷用紙上にそれぞれ形成されるドットの濃度差が、前記吐出量補正手段によるインク液滴の吐出量の補正前よりも拡大しない前記補正内容を決定することを特徴とする請求項1記載のライン型インクジェットプリンタの色別インク吐出量調整装置。
  3. 前記吐出量補正手段は、印刷ジョブに基づいて単色インクによる印刷が行われる際に、インク液滴の吐出量の前記補正内容による補正を行わないことを特徴とする請求項1又は2記載のライン型インクジェットプリンタの色別インク吐出量調整装置。
  4. 各色のインク液滴により前記印刷用紙の同一の画素上にそれぞれ形成される各色のドットの濃度を示す濃度情報が、同一列に配置された各色の前記ヘッドモジュール単位で設定される濃度情報設定手段をさらに備えており、前記補正内容決定手段はさらに、前記濃度情報設定手段に設定された、同一列に配置された各色の前記ヘッドモジュールの前記濃度情報によって示される、同一の画素上にそれぞれ形成される各色のドットの濃度差がゼロであるときの、前記各画素の色合いに近づけるための、前記補正内容を決定することを特徴とする請求項1、2又は3記載のライン型インクジェットプリンタの色別インク吐出量調整装置。
  5. 前記吐出量補正手段は、前記ノズルの吐出駆動信号を前記補正内容決定手段で決定された補正内容で補正することで、前記ノズルからのインク液滴の吐出量を補正することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のライン型インクジェットプリンタの色別インク吐出量調整装置。
  6. 前記吐出量補正手段は、印刷ジョブにおける各画素の各色の画像データを、前記補正内容決定手段で決定された補正内容で補正することで、前記ノズルからのインク液滴の吐出量を補正することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のライン型インクジェットプリンタの色別インク吐出量調整装置。
  7. 前記吐出量補正手段は、各色の隣り合う2つの前記ヘッドモジュールどうしのつなぎ目領域に配置された前記ノズルに対応する画素の前記画像データに対し、前記画素に対応する前記ノズルの位置が前記ヘッドモジュールの最端部に近いノズルに対応する画素ほど小さい補正量で補正することを特徴とする請求項6記載のライン型インクジェットプリンタの色別インク吐出量調整装置。
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