JP2012065218A - 携帯型通信機器 - Google Patents

携帯型通信機器 Download PDF

Info

Publication number
JP2012065218A
JP2012065218A JP2010208823A JP2010208823A JP2012065218A JP 2012065218 A JP2012065218 A JP 2012065218A JP 2010208823 A JP2010208823 A JP 2010208823A JP 2010208823 A JP2010208823 A JP 2010208823A JP 2012065218 A JP2012065218 A JP 2012065218A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
portable communication
antenna
communication device
band
radiation conductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010208823A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Haruyama
眞一 春山
U-Ram Cheong
ウラム チョン
Hiroyuki Tamaoka
弘行 玉岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furukawa Electric Co Ltd filed Critical Furukawa Electric Co Ltd
Priority to JP2010208823A priority Critical patent/JP2012065218A/ja
Publication of JP2012065218A publication Critical patent/JP2012065218A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】ローバンドの帯域幅を確保しつつ、ハイバンドの近傍電磁界強度の人体頭部への影響を低減することが可能な携帯型通信機器を提供する。
【解決手段】ループ状の放射導体121をローバンドとハイバンドで共用させ、これをローバンドでは折り返しモノポールアンテナとして動作させることによりGND板111でも放射させて好適な帯域幅を確保する一方、ハイバンドでは放射導体121をループアンテナとして動作させることによりGND板111における近傍電界強度を十分に低減させている。これにより、アンテナ部120から離れた位置の受話部に耳を近付けてもハイバンドの近傍電磁界が頭部及び耳周辺に及ぶのを十分に抑制することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、マルチバンド対応のアンテナを内蔵する携帯型通信機器に関するものである。
電磁波を送受信して通信を行う携帯電話等の携帯型通信機器は、筺体の一端側を耳に近接させ、他端を口元に近付けて使用する。そのため、携帯型通信機器用アンテナには、通信性能だけでなく、人体または周辺機器との調和に対する特性も求められる。特に、人体頭部への影響を規制するために、人体の電力比吸収率(SAR;Specific Absorption Rate)を用いた規定値が定められている。また、携帯型通信機器が補聴器と共振しないようにするために、補聴器使用者のための補聴器コンパチブル (HAC;Hearing Aid Compatibility) であることを検証するための各種試験項目が設定されている。
上記の各項目は、通信特性として通常評価される遠方電磁界の特性ではなく、携帯型通信機器筺体及びそれに内蔵されるアンテナのごく近傍における近傍電磁界特性に関係するものである。携帯型通信機器に対しては、所定の通信特性を満たすとともに、上記のSARやHACの条件を満たすように近傍電磁界強度を抑制することが望まれる。
一般に使用されている携帯電話は、2バンド以上の周波数帯で動作可能なマルチバンド対応の構成を有している。代表的には、850MHz帯、900MHz帯、1800MHz帯、1900MHz帯、2100MHz帯などの周波数帯が用いられている。以下では、850/900MHz帯をローバンドとし、1800/1900/2100MHz帯をハイバンドとする。多くの場合、SARやHACが問題となるのは、1800/1900/2100MHz帯のハイバンドにおいてである。
従来より、マルチバンド対応のアンテナとして、代表的にはPIFA(planar inverted F antenna:板状逆Fアンテナ)やIFA(inverted F antenna:逆Fアンテナ)といった4分の1波長系のアンテナが採用されている。一例として、特許文献1では3つのアンテナエレメントを有する逆Fアンテナを用いてマルチバンド対応のアンテナを形成している。
特開2007−123982号公報
マルチバンド対応のアンテナでは、典型的にはローバンドで小型化に伴う帯域幅の狭小化が問題となり、ハイバンドではSARやHAC等の規定による近傍電磁界強度が問題になることが多い。通常マルチバンド対応のアンテナとしてPIFAやIFAを用いる場合には、ローバンド及びハイバンドとも帯域幅を確保するために、アンテナエレメント上だけでなく、アンテナが接続されたグランド(以下ではGNDとする)、または筐体全体に電流が流れるように設計されている。
しかしながら、GNDが携帯型通信機器の内部に広く配置されていることから、GND全体に電流が流れると、アンテナ周辺だけでなく、携帯型通信機器付近のいずれの場所でも近傍電磁界強度が高くなる。そのため、筺体の一端側を耳に近接させて携帯型通信機器を使用すると、特にハイバンドに関しては、SARやHAC等の規定を満たすのが困難になるといった問題が生じる。
そこで、本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、ローバンドの小型化に伴う帯域幅の狭小化を回避しつつ、ハイバンドの近傍電磁界強度を低減し、人体頭部、または補聴器への影響を抑制することが可能な携帯型通信機器を提供することを目的とする。
本発明の携帯型通信機器の第1の態様は、少なくとも第1の周波数帯と該第1の周波数帯よりも高い第2の周波数帯に対して共振するマルチバンドアンテナであるアンテナ部と、通信機能を備えた回路基板部と、を内蔵する筺体部の一端側を耳に近接させて使用する携帯型通信機器であって、前記回路基板部は、少なくともグランド板(以下ではGND板とする)、給電点、及び接地点を備え、該給電点及び接地点は、前記筺体部の他端側に位置する端辺の略中央に位置し、前記アンテナ部は、前記回路基板部の幅方向の略中央に相当する位置に配置されて前記給電点及び前記接地点にそれぞれ接続される給電端子及び接地端子と、両端が前記給電端子及び前記接地端子に接続されてループ形状に形成された放射導体と、を備えて前記筺体部の他端側に配置され、前記放射導体が前記回路基板部の幅方向の中心線に対して略対称となっていることを特徴とする。
本発明の携帯型通信機器の他の態様は、前記放射導体は、前記第1の周波数帯では不平衡給電となる折り返しモノポールアンテナとして動作し、前記第2の周波数帯では擬似平衡給電となるループアンテナとして動作することを特徴とする。
本発明の携帯型通信機器の他の態様は、前記アンテナ部は、所定の誘電率を有する誘電体をさらに備え、前記放射導体が前記誘電体の上面あるいは内部に配置されていることを特徴とする。
本発明の携帯型通信機器の他の態様は、前記放射導体は、一部を前記ループ形状内に折り返した折り返しパターンを有していることを特徴とする。
本発明の携帯型通信機器の他の態様は、前記放射導体は、少なくとも一部がミアンダ状に折り返されていることを特徴とする。
本発明の携帯型通信機器の他の態様は、前記放射導体は、前記ミアンダ状に折り返された導体間に集中定数回路を接続していることを特徴とする。
本発明によれば、ローバンドの帯域幅を確保しつつ、ハイバンドの携帯型通信機器から発せられる近傍電磁界が人体頭部及び周辺に与える影響を低減することが可能な携帯型通信機器を提供することができる。
本発明の第1実施形態の携帯型通信機器の概略構成を示す斜視図である。 アンテナ部の動作を説明するための第1実施形態の携帯型通信機器の平面図である。 シミュレーション対象の第1実施形態の携帯型通信機器の主要なパラメータを示す斜視図である。 第1実施形態の携帯型通信機器の近傍電界強度分布を示す図である。 第1実施形態の携帯型通信機器のVSWRを示す図である。 本発明の第2実施形態の携帯型通信機器の概略構成を示す斜視図である。 第2実施形態の携帯型通信機器のVSWRを示す図である。 本発明の第3実施形態の携帯型通信機器の概略構成を示す斜視図である。 第3実施形態の携帯型通信機器のVSWRを示す図である。 本発明の第4実施形態の携帯型通信機器の概略構成を示す斜視図である。 第4実施形態の携帯型通信機器のVSWRを示す図である。 本発明の第5実施形態の携帯型通信機器の概略構成を示す斜視図である。 第5実施形態の携帯型通信機器のVSWRを示す図である。
本発明の好ましい実施の形態における携帯型通信機器について、図面を参照して詳細に説明する。同一機能を有する各構成部については、図示及び説明簡略化のため、同一符号を付して示す。
(第1実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る携帯型通信機器を図1を用いて説明する。図1は、本実施形態の携帯型通信機器100の概略構成を示す斜視図である。携帯型通信機器100は、通信機能を有する回路基板部110とマルチバンド対応のアンテナ部120とを筺体部101に内蔵させた構成としている。筺体部101の長手方向の一端側には受話部(図示せず)が設けられ、他端側に送話部(図示せず)が設けられる。受話部が設けられた一端側(以下では受話側とする)を利用者の耳元に当て、他端側の送話部を口元に当てて使用される。そのため、筺体部101の受話側を利用者の頭部及び耳に近接させて使用することになる。
回路基板部110は、筺体部101の内部のほぼ全体を占める面積を有しており、それとほぼ同等の面積のGND板111が回路基板部110のいずれかの面に設けられている。そのため、携帯型通信機器100の使用時には、回路基板部110及びGND板111の一端側が利用者の頭部及び耳に近接することになる。回路基板部110は、幅方向の略中央に、アンテナ部120との接続に用いられる給電点112及び接地点113をさらに備えている。
アンテナ部120は、GND板111(回路基板部110)の受話側とは反対側の送話側の端部または切欠き部に配置されており、放射導体121と、放射導体121を給電点112及び接地点113にそれぞれ接続するための給電端子122及び接地端子123を備えている。放射導体121は、回路基板部110の送話側端部に設けられた誘電体124の上面外周に沿って配置されており、アンテナ部120の長手方向(筺体部101の幅方向)に長いループ状に形成されている。また、放射導体121の端部がアンテナ部120の長手方向の略中央に配置され、それぞれに給電端子122及び接地端子123が接続されている。アンテナ部120は、その長手方向に対し略対称となるように形成されている。
なお、図1では、放射導体121の平面図で見たときの形状を矩形状(長方形)としているが、これに限定されず例えば楕円形状にしてもよい。また、放射導体121を誘電体124の上面に配置する必要は必ずしもなく、誘電体124の内部に配置してもよい。さらに、放射導体121を筺体部101の裏面に配置することも可能である。
次に、アンテナ部120におけるアンテナ動作を図2を用いて説明する。本実施形態のアンテナ部120は、少なくとも第1の周波数帯(ローバンド)と、該第1の周波数帯よりも高い第2の周波数帯(ハイバンド)に対して共振するマルチバンドアンテナとなっている。以下では、ローバンド側の波長をλlとし、ハイバンド側の波長をλhとして説明する。また、アンテナ部120の長手方向の長さをLとし、これに直交する幅方向の長さをWとする。このとき、放射導体121のエレメント長は略2(L+W)となる。また、放射導体の占める面積が略L×Wとなるのに対し、回路基板部110のGND板111がその2倍以上の面積、すなわちL×W×2以上の面積を有するのが好ましい。
ハイバンドに対しては、放射導体121を疑似平衡給電が可能なループアンテナとして動作させる。このとき、放射導体121の1周の長さがハイバンド側の1波長λhにほぼ等しくなる。すなわち、エレメント長の1波長λh=2(L+W)となる。ハイバンド側をループアンテナとして動作させることで、給電方式が疑似平衡給電となり、GND板111にはほとんど電流が流れない。その結果、GND板111におけるハイバンドの近傍電磁界強度を抑制することができ、アンテナ部120が配置されている位置から離れた筺体部101の一端側では、ハイバンドの近傍電磁界強度が十分に低くなる。
そこで、本実施形態では、アンテナ部120の配置位置から離れた筺体部101の一端側に受話部を設け、アンテナ部120が配置されている筺体部101の他端側を頭部から遠ざけることで、受話部を耳に近付けてもハイバンドの近傍電磁界が頭部及び耳周辺に及ぶのを十分に低減することができる。これにより、ハイバンドにおいてSARやHAC等の規定を満たすようにすることが可能となる。
これに対しローバンドに対しては、図2において破線で囲んで示すように、放射導体121をアンテナ部120の長手方向の略中央(回路基板部110の幅方向の略中央)を対称軸とし、2つに分割(2つの放射導体部分を121a、121bとする)したそれぞれを、λl/4で共振するモノポールアンテナ(折り返しモノポールアンテナ)として動作させる。このとき、放射導体121の1周の長さは、2つの折り返しモノポールアンテナを合せたλl/4×2=λl/2に等しくなる。すなわち、エレメント長の半波長λl/2=2(L+W)となる。
折り返しモノポールアンテナでは不平衡給電となることから、GND板111にも電流が流れることになる。その結果、GND板111からも放射させることでローバンドの帯域幅を適切に確保することが可能となる。なお、従来の逆Fアンテナではλl/4のエレメント長の放射導体を用いるのに対し、本実施形態ではその2倍のλl/2(λl/4が2つ)のエレメント長の放射導体121を用いている。そのため、より好ましくは放射導体121の配置をミアンダ状にするなど工夫してアンテナ部120の小型化を図るのがよい。
次に、本実施形態の携帯型通信機器100のアンテナ特性を、シミュレーション解析により評価した結果を以下に説明する。シミュレーション対象の携帯型通信機器100の主要なパラメータを図3に示す。アンテナ部120は、寸法が48×12×5mmの誘電体124の上面周辺に沿って放射導体121を配置した構成としている。放射導体121は、長手方向のGND板111側の辺(寸法48mm)に沿って配置された導体片の略中央に端部を有し、それぞれに給電端子122及び接地端子123が接続されている。誘電体124として、ここでは比誘電率εr=3、誘電損失(誘電正接)tanδ=0.005の樹脂材を用いている。
また、GND板111の寸法を、長手方向80mm、幅方向48mmとし、幅方向の2端辺の一方に沿ってアンテナ部120を配置している。アンテナ部120の誘電体124は、その長手方向の寸法がGND板111の幅に一致する48mmとなっている。
図3に示した携帯型通信機器100を対象に、シミュレーションした結果を図4、5に示す。図4は、(a)ハイバンド(周波数2.25GHz)における近傍電界強度分布、及び、(b)ローバンド(周波数1.52GHz)における近傍電界強度分布、をそれぞれ示している。また、図5は、携帯型通信機器100のアンテナ特性としてVSWRを示している。
図4(a)に示すハイバンドにおける近傍電界強度分布では、ループ状放射導体121がループアンテナのように動作し、アンテナ部120及びその周辺で近傍電界強度が高くなっている。これに対し、GND板111のアンテナ部120とは反対側の端部近傍では、GND板111に流れる電流が小さいことから近傍電界強度が低くなっている。このように、本実施形態の携帯型通信機器100では、ハイバンドにおいて近傍電界強度が高くなる領域をアンテナ部120及びその周辺に限定することができることから、近傍電界強度が抑制されているアンテナ部120から離れたGND板111の端部側に耳や頭部を近接させても、SARやHAC等の規定を満たすようにすることができる。
一方、図4(b)に示すローバンドにおける近傍電界強度分布では、ループ状放射導体121が折り返しモノポールとして動作することによりアンテナ部120及びその周辺で近傍電界強度が高くなる。それとともに、GND板111が長手方向に配置されたダイポールアンテナのように動作するため、GND板111のアンテナ部120とは反対側の端部近傍でも比較的高い近傍電界強度が得られている。その結果、ローバンドではアンテナ部120に加えてGND板111も有効に利用でき、好適な帯域幅を確保することができる。
図5に示すVSWRでは、ローバンドの折り返しモノポール動作によるλ/4系の共振が1.52GHz近傍に、またハイバンドのループアンテナ動作による1λ系の共振が2.25GHz近傍に得られている。なお、ここではローバンド、ハイバンドとも携帯電話の使用周波数帯からずれているが、放射導体121のエレメント長等を調整することで所望の周波数に調整することができる。
上記で説明したように、放射導体121の1周の長さは、ローバンドではエレメント長の半波長となるのに対し、ハイバンドではエレメント長の1波長となることから、周波数で見た場合、ローバンドの共振周波数とハイバンドの共振周波数が1対2となる。しかし、図5に示すVSWRでは共振周波数が1対2となっていない。これは、ローバンドの折り返しモノポールアンテナ及びハイバンドのループアンテナとも、それぞれの理想的な形状からずれていることによるものである。理想的な折り返しモノポールアンテナでは放射導体121の形状がL<<Wとなり、理想的なループアンテナではL≒Wとなるのに対し、図1〜3に示す携帯型通信機器100ではこれが満たされていない。そのため、共振周波数も1対2とはなっていない。
上記説明のように、本実施形態の携帯型通信機器100によれば、ループ状の放射導体121をローバンドとハイバンドでそれぞれ別の動作をさせるアンテナとして共用させ、これをローバンドでは折り返しモノポールアンテナとして動作させることによりGND板111でも放射させて好適な帯域幅を確保する一方、ハイバンドでは放射導体121をループアンテナとして動作させることによりGND板111における近傍電界強度を十分に低減させている。これにより、アンテナ部120の配置位置から離れた筺体部101の一端側に受話部を設けることで、受話部を耳に近付けてもハイバンドの近傍電磁界が頭部及び耳周辺に及ぶのを十分に抑制することが可能となる。
(第2実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る携帯型通信機器を図6、7を用いて説明する。図6は、本実施形態の携帯型通信機器200の概略構成を示す斜視図である。また、図7は、携帯型通信機器200のアンテナ特性をシミュレーションした結果としてVSWRを示している。
本実施形態の携帯型通信機器200は、アンテナ部220の放射導体221の形状が第1実施形態の放射導体121と異なっており、折り返しパターン221a、221bを有している。折り返しパターン221a、221bを形成することで、所定長さの放射導体を配置する面積を小さくすることができ、放射導体221の配置に必要な誘電体224の体積を低減することができる。あるいは、折り返しパターン221a、221bを形成してエレメント長を長くすることができ、これにより共振周波数を低周波化することができる。ここでは、誘電体224及びその上面周辺に配置される放射導体221の形状を第1実施形態と同じとし、折り返しパターン221a、221bを形成した分だけエレメント長を長くしている。
図7に示すVSWRでは、ローバンドの折り返しモノポール動作によるλ/4系の共振が1GHz近傍に形成されており、折り返しパターン221a、221bにより共振周波数が第1実施形態より低周波化されている。また、ハイバンドのループアンテナ動作による1λ系の共振も、1.7GHz近傍と低周波化されている。これらの共振周波数に加えて、本実施形態ではさらに高次の共振モードが形成されている。すなわち、2GHz近傍にλ/4系共振の高次モード(3倍波)である3/4λ系共振が形成され、2.4GHz近傍に1λ系共振の高次モード(2倍波)である2λ系共振が形成されている。
アンテナ部220の小型化のために放射導体221の形状を変更すると、それに伴ってアンテナのマルチバンド特性(各共振間のバランス)も変化する。そのため、放射導体221の形状を工夫して小型化とマルチバンド特性を両立させる必要がある。本実施形態で示すように、幅方向の対称性を保持して放射導体221に折り返しパターン221a、221bを形成することで、アンテナ部220の小型化や共振周波数の調整が可能となる。また、高次モードの共振を利用することで、使用する周波数帯域を好適に調整することが可能となる。
(第3実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る携帯型通信機器を図8、9を用いて説明する。図8は、本実施形態の携帯型通信機器300の概略構成を示す斜視図である。また、図9は、携帯型通信機器300のアンテナ特性をシミュレーションした結果としてVSWRを示している。
本実施形態の携帯型通信機器300は、アンテナ部320の放射導体321の形状が第1実施形態及び第2実施形態の放射導体121、221と異なっており、ミアンダ状に形成されている。幅方向の対称性を保持して放射導体321をミアンダ状に形成することで、所定長さの放射導体を配置する面積をさらに小さくすることができ、放射導体321の配置に必要な誘電体324の体積を低減することができる。あるいは、放射導体321をミアンダ状に形成することでエレメント長を長くすることができ、これにより共振周波数を低周波化することができる。
図9に示すVSWRでは、ローバンドの折り返しモノポール動作によるλ/4系の共振が0.8〜0.9GHz近傍(携帯電話用アンテナのローバンドの使用周波数帯域)となっており、ミアンダ状に形成することで共振周波数をさらに低周波化している。また、ハイバンドのループアンテナ動作による1λ系の共振も、1.6GHz近傍に低周波化されている。本実施形態でも、λ/4系共振の高次モード(3倍波)である3/4λ系共振、及び1λ系共振の高次モード(2倍波)である2λ系共振が形成されており、このような高次モードの共振によりハイバンドの広帯域化が図られている。
上記のように、本実施形態では幅方向の対称性を保持して放射導体321をミアンダ状に形成することで、アンテナ部320の小型化や共振周波数の調整が可能となる。また、高次モードの共振を形成することで、使用する周波数帯域を好適に調整することが可能となる。
(第4実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る携帯型通信機器を図10、11を用いて説明する。図10は、本実施形態の携帯型通信機器400の概略構成を示す斜視図である。また、図11は、携帯型通信機器400のアンテナ特性をシミュレーションした結果としてVSWRを示している。
本実施形態の携帯型通信機器400は、幅方向の対称性を保持してアンテナ部420の放射導体421の形状が第第3実施形態の放射導体321と同様にミアンダ状に形成されており、さらに線路間の所定の位置に集中定数部425が接続されている。集中定数部425を用いてミアンダ状の放射導体421をハイパスフィルタのような構造とすることで、ハイバンドとローバンドをある程度切り分けて周波数調整できるようにしている。FPC(Flexible Printed Circuits)を用いてアンテナ部420を構成する場合には、コイルやコンデンサなどのチップ部品をFPC上に実装することによって集中定数部425を容易に配置することができる。
図11に示すVSWRでは、ローバンドの折り返しモノポール動作によるλ/4系の共振が第3実施形態からほとんど変化していないのに対し、ハイバンドでは1.5〜2GHzの広帯域で良好な特性が得られるようになっている。これは、1λ系の共振にλ/4系共振の高次モードである3/4λ系共振及び1λ系共振の高次モードである2λ系共振を組み合わせることで実現されたものである。
上記のように、幅方向の対称性を保持して本実施形態では放射導体421をミアンダ状に形成しかつ集中定数部425を用いることで、ハイバンドで広帯域な特性が得られるアンテナ部420を備えた携帯型通信機器400を提供することが可能となる。
(第5実施形態)
本発明の第5の実施形態に係る携帯型通信機器を図12、13を用いて説明する。図12は、本実施形態の携帯型通信機器500の概略構成を示す斜視図である。また、図13は、携帯型通信機器500のアンテナ特性をシミュレーションした結果としてVSWRを示している。
本実施形態の携帯型通信機器500は、幅方向の対称性を保持して放射導体521のパターンを第2実施携帯と同様の折り返しパターンを有する形状とし、誘電体524として第1〜第4実施形態より高い比誘電率(εr=16)を有する樹脂材を用いている。このような高い誘電率の誘電体524を用いることで、第2に実施形態に比べて放射導体521の長さを短くすることができ、アンテナ部520をさらに小型化することができる。
図13に示すVSWRでは、ローバンドのλ/4系共振が第2実施形態より低周波化されるとともに、ハイバンドでは1λ系の共振にλ/4系共振の高次モードである3/4λ系共振及び1λ系共振の高次モードである2λ系共振を組み合わせることで、1.7〜1.9GHzの広帯域で良好な特性が得られている。
上記のように、本実施形態では誘電体524として比誘電率の高いものを用いており、これによりアンテナ部520を小型化するとともにハイバンドでは広帯域な特性が得られている。
上記説明の第1〜第5実施形態のいずれの携帯型通信機器においても、ループ状の放射導体をローバンドとハイバンドで共用させ、これをローバンドでは折り返しモノポールアンテナとして動作させることによりGND板でも放射させて好適な帯域幅を確保する一方、ハイバンドでは放射導体をループアンテナとして動作させることによりGND板における近傍電界強度を十分に低減させることが可能となっている。これにより、アンテナ部の配置位置から離れた筺体部の一端側に受話部を設けることで、受話部を耳に近付けてもハイバンドの近傍電磁界が頭部及び耳周辺に及ぶのを十分に抑制することが可能となっている。
なお、本実施の形態における記述は、本発明に係る携帯型通信機器の一例を示すものであり、これに限定されるものではない。本実施の形態における携帯型通信機器の細部構成及び詳細な動作等に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
100、200、300、400、500 携帯型通信機器
101 筺体部
110 回路基板部
111 GND板
112 給電点
113 接地点
120、220、320、420、520 アンテナ部
121、221、321、421、521 放射導体
122 給電端子
123 接地端子
124、224、324、424、524 誘電体
425 集中定数部

Claims (6)

  1. 少なくとも第1の周波数帯と該第1の周波数帯よりも高い第2の周波数帯に対して共振するマルチバンドアンテナであるアンテナ部と、通信機能を備えた回路基板部と、を内蔵する筺体部の一端側を耳に近接させて使用する携帯型通信機器であって、
    前記回路基板部は、少なくともグランド板(以下ではGND板とする)、給電点、及び接地点を備え、該給電点及び接地点は、前記筺体部の他端側に位置する端辺の略中央に位置し、
    前記アンテナ部は、前記回路基板部の幅方向の略中央に相当する位置に配置されて前記給電点及び前記接地点にそれぞれ接続される給電端子及び接地端子と、両端が前記給電端子及び前記接地端子に接続されてループ形状に形成された放射導体と、を備えて前記筺体部の他端側に配置され、
    前記放射導体が前記回路基板部の幅方向の中心線に対して略対称となっている
    ことを特徴とする携帯型通信機器。
  2. 前記放射導体は、前記第1の周波数帯では不平衡給電となる折り返しモノポールアンテナとして動作し、前記第2の周波数帯では擬似平衡給電となるループアンテナとして動作する
    ことを特徴とする請求項1に記載の携帯型通信機器。
  3. 前記アンテナ部は、所定の誘電率を有する誘電体をさらに備え、前記放射導体が前記誘電体の上面あるいは内部に配置されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の携帯型通信機器。
  4. 前記放射導体は、一部を前記ループ形状内に折り返した折り返しパターンを有している
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の携帯型通信機器。
  5. 前記放射導体は、少なくとも一部がミアンダ状に折り返されている
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の携帯型通信機器。
  6. 前記放射導体は、前記ミアンダ状に折り返された導体間に集中定数回路を接続している
    ことを特徴とする請求項5に記載の携帯型通信機器。
JP2010208823A 2010-09-17 2010-09-17 携帯型通信機器 Pending JP2012065218A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010208823A JP2012065218A (ja) 2010-09-17 2010-09-17 携帯型通信機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010208823A JP2012065218A (ja) 2010-09-17 2010-09-17 携帯型通信機器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012065218A true JP2012065218A (ja) 2012-03-29

Family

ID=46060463

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010208823A Pending JP2012065218A (ja) 2010-09-17 2010-09-17 携帯型通信機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012065218A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014188747A1 (ja) * 2013-05-20 2014-11-27 株式会社村田製作所 アンテナおよび無線通信装置
CN106972261A (zh) * 2017-03-20 2017-07-21 南京邮电大学 一种偏心馈电的金属封装便携式终端天线
JP2019121940A (ja) * 2018-01-09 2019-07-22 富士通株式会社 アンテナ装置および無線通信装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014188747A1 (ja) * 2013-05-20 2014-11-27 株式会社村田製作所 アンテナおよび無線通信装置
CN106972261A (zh) * 2017-03-20 2017-07-21 南京邮电大学 一种偏心馈电的金属封装便携式终端天线
JP2019121940A (ja) * 2018-01-09 2019-07-22 富士通株式会社 アンテナ装置および無線通信装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4384102B2 (ja) 携帯無線機およびアンテナ装置
US6894649B2 (en) Antenna arrangement and portable radio communication device
JP3864127B2 (ja) デュアルフィーディングポートを有するマルチバンドチップアンテナ及びこれを用いる移動通信装置
KR101132447B1 (ko) 휴대 단말기
JP2002185238A (ja) デュアルバンド対応内蔵アンテナ装置およびこれを備えた携帯無線端末
JP4095072B2 (ja) 携帯型通信機器のアンテナ
TW201530902A (zh) 行動裝置及其製造方法
JP2005318336A (ja) アンテナ及び無線通信機
JP2012518300A (ja) アンテナ構成、プリント回路基板、携帯電子機器、及び変換キット
US7746278B2 (en) Antenna arrangement
JP2004336328A (ja) アンテナ装置及び無線装置
JP6775161B2 (ja) アンテナ装置
JP2014075773A (ja) アンテナ装置、通信装置、及び電子機器
JP2004112044A (ja) ループアンテナ
JP2006074750A (ja) アンテナ装置及びこれを用いた通信機器
JP2012060380A (ja) アンテナ装置
KR101043994B1 (ko) 유전체 공진기 안테나
JP2012065218A (ja) 携帯型通信機器
JP4473825B2 (ja) 携帯端末用アンテナ
JP2010050548A (ja) アンテナ装置
KR20100059727A (ko) 안테나 장치
JP2008042510A (ja) アンテナ装置
JP2010130100A (ja) マルチバンドアンテナ装置
KR100820636B1 (ko) 안테나 및 이를 포함하는 이동통신 단말기
EP2151890A1 (en) Antenna arrangement for a portable radio communication device, and portable radio communication device comprising such an antenna arrangement