JP2012063418A - 表示素子の製造方法、および表示素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、隔壁タイプの表示素子において、2つの基板同士を、強固に且つ、効率よく接合することのできる表示素子の製造方法、表示素子を提供する。
【解決手段】本発明の電気泳動表示装置の製造方法は、基板面上に複数の空間を形成する隔壁4が設けられた素子基板300と、隔壁4を介して素子基板300と対向する対向基板310との間に電気泳動材料33を封入して貼り合わせる際、素子基板300と対向基板310とが貼り合わされる領域において、素子基板300及び対向基板310の少なくとも一方に、プラズマ重合法により形成されたプラズマ重合膜11を形成し、プラズマ重合膜11に対して紫外線を照射することにより表面を活性化させた後、セル内に液状の電気泳動材料33を供給し、素子基板300及び対向基板310を貼り合わせることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、表示素子の製造方法、および表示素子に関するものである。
マイクロカプセル方式では、画素電極を有した素子基板上にマイクロカプセルとバインダとを共に塗布するだけで電気泳動層を製造することができるため、量産性に優れている。
マイクロカプセルおよびマイクロカプセルを結合するバインダも親水性が高いため、マイクロカプセル方式の電気泳動層は水分の影響を受けやすく、高い防湿、防水構造が必要であった。また、マイクロカプセルの強度は十分ではないため、表示体を押さえると、マイクロカプセルが破損するおそれもある。
一方、隔壁方式では、隔壁材料の選択に制約が少ないため、親水性の低い材料も使用することができる。そのため、使用環境中の水分の影響を受けにくい表示素子を作製することが可能である。また、分散液に接着剤の成分が混入して、分散液の性能を劣化させることがあった。
このような表示素子は、画素電極を有する素子基板上に隔壁を形成し、隔壁によって基板面上に形成される複数の空間(以下、セルという)内に電気光学材料を供給した後に、対向基板と接着剤(接着層)を介して貼り合わせることになる。しかしながら、その際、接着剤(接着層)に分散媒が接触して接着力が低下してしまうおそれがあった。
このため、従来の隔壁方式をフレキシブルな表示素子に適用すると、湾曲を繰り返す曲げ試験によって電気泳動層と第2基板とが剥がれてしまうという問題があり、機械的に不十分であった。
また、接着剤を用いない接合方法が提案されている(特許文献1)。
この接合方法では、まず、ポリオルガノシロキサンを含む接合層を対向基板側に形成する。そして、接合層に対して紫外線照射処理や表面プラズマ処理を施すことによって、接合層の表面にシラノール基やシリコンラジカル(ダングリングボンド)を誘導する。その後、対向基板の接合層側と電気泳動層とを接合してしばらく放置すると、双方が強固に接着される。
特許第4337935号公報
しかしながら、接合層の表面に対して紫外線照射処理や表面プラズマ処理を施した後に大気中で基板同士を貼り合わせる手法では、貼り合わせ後に電気光学材料を注入する必要があった。この場合、隔壁の構造に制約が生じてしまうという欠点があった。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、隔壁タイプの表示素子において、2つの基板同士を、強固に且つ、効率よく接合することのできる表示素子の製造方法、および表示素子を提供することを目的の一つとしている。
本発明の表示素子の製造方法は、基板面上に複数の空間を形成する隔壁が設けられた第1基板と、前記隔壁を介して前記第1基板と対向する第2基板との間に電気光学材料を封入して貼り合わせる表示素子の製造方法であって、前記第1基板と前記第2基板とが貼り合わされる領域において、前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方に、プラズマ重合法により形成されたポリオルガノシロキサン部を形成し、前記ポリオルガノシロキサン部に対してエネルギーを付与することにより表面を活性化させた後、前記空間内に液状の前記電気光学材料を供給して前記第1基板及び前記第2基板を貼り合わせることを特徴とする。
上記した製造方法では、第1基板と第2基板とが貼り合わされる領域において、第1基板及び第2基板の少なくとも一方にポリオルガノシロキサン部を形成し、その表面を活性化させた後に基板同士を貼り合わせている。これにより、活性化されたことでポリオルガノシロキサン部の表面に発現された接着性により、基板同士を強固に接着させることができる。また、隔壁の空間内に電気光学材料を供給した後で基板同士を貼り合わせる手法のため、基板同士を貼り合せた後に電気光学材料を供給する手法に比べて、隔壁の構造に特段の制約を設ける必要はなく、製造が容易である。
また、前記エネルギーの付与による表面処理として、紫外線照射処理あるいはプラズマ処理を施す方法としてもよい。
これによれば、ポリオルガノシロキサン部の表面に接着性を発現させることができる。
また、前記空間に対して過剰量の電気光学材料を供給する方法としてもよい。
これによれば、空間内が電気光学材料で満たされて、気泡の混入のない電気光学層を形成することができる。
また、前記空間内に前記電気光学材料を供給してから300秒以内に前記第1基板と前記第2基板とを貼り合わせる方法としてもよい。
これによれば、ポリオルガノシロキサン部の接着性が低下する前に基板どうしの貼り合せを行うことができる。これにより、十分な強度で基板同士が接合され、表示素子としての機械的な強度を十分に確保することができる。
また、前記隔壁の前記第2基板と接触する領域に凹凸形状を形成する方法としてもよい。
これによれば、基板同士が十分な強度で接着されることになる。
また、前記ポリオルガノシロキサン部をプラズマ重合で形成する方法としてもよい。
これによれば、ポリオルガノシロキサン部をプラズマ重合で形成することにより、緻密で均質な膜を効率よく作製することができる。これにより、第1基板と第2基板とが貼り合わされる領域において、第1基板及び第2基板の少なくとも一方にプラズマ重合法で形成したポリオルガノシロキサン部を形成しておくことにより、基板同士が特に強固に接合されることになる。
また、前記電気光学材料にポリオルガノシロキサンを含有させる方法としてもよい。
これによれば、基板同士の接合部分(ポリオルガノシロキサン部)に電気光学材料が存在している場合でも、基板同士を良好に接合させることが可能である。
また、前記電気光学材料として、少なくとも分散媒と当該分散媒内に混合された複数の電気泳動粒子とを供給する方法としてもよい。
これによれば、機械的強度に優れた電気泳動表示装置を製造することができる。オルガノシロキサン部は、耐候性、耐薬品性に優れているため、液状の電気泳動材料に長期に亘って曝される表示素子においても有効に用いることができる。
本発明の表示素子は、基板面上に複数の空間を形成する隔壁が設けられた第1基板と、前記隔壁を介して前記第1基板と貼り合わされる第2基板と、前記複数の空間内に封入される電気光学層と、前記第1基板及び前記第2基板が貼り合わされる領域において、前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方に形成されたポリオルガノシロキサン部と、を有し、前記ポリオルガノシロキサン部は、前記第1基板及び前記第2基板が貼り合わされる前に、表面に対してエネルギーが付与されたものであることを特徴とする。
本発明では、第1基板及び第2基板が貼り合わされる領域において、第1基板及び第2基板の少なくとも一方に形成されたポリオルガノシロキサン部は、第1基板と第2基板とが貼り合わされる前に、表面に対してエネルギーが付与されたものである。つまり、ポリシロキサン部の表面が活性化された状態で基板どうしが貼り合わされて構成されていることから、基板同士が強固に接着され、機械的強度が確保されたものとなっている。
また、前記隔壁の前記第2基板と接触する領域に凹凸形状が形成されている構成としてもよい。
これによれば、基板同士が十分な強度で接着された構造となる。
また、前記ポリオルガノシロキサン部がプラズマ重合で形成されている構成としてもよい。
これによれば、ポリオルガノシロキサン部として、緻密で均質な膜を効率よく成膜することができる。これにより、第1基板と第2基板とが貼り合わされる領域において、第1基板及び第2基板の少なくとも一方にプラズマ重合法で形成されるポリオルガノシロキサン部を設けておくことにより、基板同士が特に強固に接合されることになる。
また、前記電気光学層を構成する電気光学材料にポリオルガノシロキサンを含有させる構成としてもよい。
これによれば、基板同士の接合部分に電気光学材料が存在していたとしても、基板どうしが良好に接合されたものとなる。
また、前記電気光学層が、少なくとも分散媒と当該分散媒内に混合された複数の電気泳動粒子を有する電気泳動材料からなる構成としてもよい。
これによれば、機械的強度に優れた電気泳動表示装置とすることができる。オルガノシロキサン部は、耐候性、耐薬品性に優れているため、液状の電気泳動材料に長期にわたって曝される表示素子においても有効に用いることができる。
第1実施形態における電気泳動表示装置の製造工程を表示素子単位で示す部分拡大断面図。 第1実施形態における電気泳動表示装置の製造工程を表示素子単位で示す部分拡大断面図。 第1実施形態における電気泳動表示装置の製造工程を表示素子単位で示す部分拡大断面図。 電気泳動表示装置の製造工程を示す断面図。 電気泳動表示装置の他の製造方法を示す図。 電気泳動材料の他の塗布方法を示す図。 素子基板と対向基板との剥離試験による剥離強度を示すグラフ。 第1実施形態の電気泳動表示装置の概略構成を示す断面図。 第2実施形態における電気泳動表示装置の製造工程を示す断面図。 第2実施形態の電気泳動表示装置の概略構成を示す断面図。 隔壁の上面における形状を拡大して示す斜視図。
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
(第1実施形態)
まず、本発明の表示素子の第1実施形態である電気泳動表示装置の製造方法について述べる。
図1〜図3は、電気泳動表示装置の製造工程を、表示素子単位で示す部分拡大断面図である。図4は、電気泳動表示装置の製造工程を示す断面図である。同図では、画素ごとに画素電極及び隔壁が設けられている。
図1(a)に示すように、まず、基材(第1基板)30上に、トランジスタ素子(図示略)、層間絶縁膜(図示略)、及び画素電極35を形成する。
画素電極35は、基材30上にITO薄膜をスパッタ法によって所定の膜厚で成膜した後、このITO薄膜をフォトリソグラフィ、およびドライエッチング加工を用いてパターン形成する。
その後、図1(b)に示すように、基材30の画素電極35が設けられた表面上に隔壁4を形成する。この隔壁4は、平面視格子状を呈し、画素毎に、あるいは複数の画素領域を区画するようにして、基板面上に複数の空間(以下、セルと言う。)を形成するものである。
隔壁4の形成については、まず、隔壁材料をスピンコート法等によって基材30の略全面に塗布して材料膜を形成する。そして、材料膜上に厚さ25μmのフォトレジスト層(例えば、東京応化工業製 TMMR S2000)を形成し、露光、現像を行うことにより、画素領域の境界に選択的に材料膜を配置することによって隔壁4とする。
あるいは、隔壁材料をディスペンサーやインクジェット法等を用いて選択的に配置し、その後、乾燥(焼成)等によって形成してもよい。さらには、スクリーン印刷法によって直接形成するようにしてもよい。
次に、隔壁4を有する基材30をプラズマ重合装置内に収納して、図1(c)に示すように、隔壁4の表面に対して酸素プラズマによるクリーニングを行う。さらに、上記装置内にオルガノシロキサンのガスを導入してRFプラズマを発生させることにより、基材30上にその略全体を覆うようにして、平均厚さ200nmのプラズマ重合膜(ポリオルガノシロキサン部)11を形成する。具体的には、露出した画素電極35及び隔壁4の表面の全体を覆うようにして形成する。
以下にプラズマ表面処理の条件を示す。
・原料ガスの組成 :オクタメチルトリシロキサン
・原料ガスの流量 :50sccm
・キャリアガスの組成:アルゴン
・キャリアガスの流量:100sccm
・高周波電力の出力 :100W
・高周波出力密度 :25W/cm
・チャンバー内圧力 :1Pa(低真空)
・処理時間 :15分
・基板温度 :20℃
ポリオルガノシロキサンのようなシロキサン結合を含む重合物は、それ自体が優れた機械的特性を有している。また、多くの材料に対して特に優れた接着性を示す。
このようにして、隔壁4を有する素子基板300を形成する。
一方、図1(d)に示すように、対向基板310側では、基材(第2基板)31を用意し、この基材31の表面略全体に対向電極37を形成する。
対向電極37は、基材31上にITO薄膜をスパッタ法によって所定の膜厚で成膜することで形成される。
次に、対向電極37を有した基材31をプラズマ重合装置内に収容して、対向電極37の表面略全体を覆う平均厚さ200nmのプラズマ重合膜11を形成する。
このようにして対向基板310を形成する。
次に、図2に示すように、素子基板300及び対向基板310にそれぞれ形成されたプラズマ重合膜11に対して所定波長の紫外線を照射して、プラズマ重合膜11の表面を活性化させる。
以下に紫外線照射処理の条件を示す。
・雰囲気ガスの組成 :大気(空気)
・雰囲気ガスの温度 :20℃
・雰囲気ガスの圧力 :大気圧(100kPa)
・紫外線の波長 :172nm
・紫外線の照射時間 :5分
紫外線としては、波長150〜300nm程度の紫外線を用いるのが好ましい。係る紫外線によれば、プラズマ重合膜11に対して付与されるエネルギーが最適化されるので、膜中のSi骨格が必要以上に破壊されてしまうのを防止しつつ、Si骨格と脱離基との間の結合を選択的に切断することが可能である。これにより、プラズマ重合膜11の接合膜としての特性(機械的特性、化学的特性等)が低下するのを防止しつつ、プラズマ重合膜11に接着性を発現させることができる。
また、紫外線によれば、広範囲をムラなく短時間に処理することができるので、脱離基の離脱を効率よく行わせることができる。さらには、UVランプ41等の簡単な設備で発生させることができる点においても有利である。
また、紫外線の照射は、いかなる雰囲気中で行うようにしてもよいが、特に大気雰囲気中で行うことが好ましい。これにより、表面処理にかける手間やコストが必要なくなり、容易に処理を行える。
大気雰囲気中でプラズマ重合体に紫外線を照射することにより、脱離基がSi骨格から脱離する。これにより、プラズマ重合体の表面に活性手が生じて活性化される。その結果、プラズマ重合膜11の表面に接着性が発現することになる。このプラズマ重合膜11は、紫外線が照射されて活性化された状態が比較的長時間に亘って維持される。
ここで、「活性化させる」とは、脱離基が脱離して、Si骨格において終端化されていない結合手(ダングリングボンド)が生じた状態や、この未結合手(ダングリングボンド)が水酸基(OH基)によって終端化された状態、または、これらの状態が混在した状態のことを言う。上述したように大気雰囲気中において紫外線を照射した場合には、大気中の水分(OH基)が未結合手を終端化する。
そして、プラズマ重合膜11に対して紫外線を照射してから1分後に、図3(a)に示すように、素子基板300上に電気泳動材料(電気光学材料)33を供給する。この際、電気泳動材料33が隔壁4の全体(上部)を覆うように、隔壁4の各セル15の容量に対して過剰量を塗布するようにし、本実施形態においては平均厚さが40μmになるように塗布する。
電気泳動材料33は、シリコーンオイルからなる分散媒21中に黒色のチタン粒子(電気泳動粒子)26と、無色透明で白色のチタニア粒子(電気泳動粒子)27とを含んでいる。チタン粒子26とチタニア粒子27にはシリコーンマクロモノマを含む高分子によるグラフト処理(表面改質処理)が施されている。これにより、チタン粒子26及びチタニア粒子27の表面の塗れ性が向上し、シリコーンオイルからなる分散媒21内におけるチタン粒子26とチタニア粒子27との移動がスムーズになる。
図4(a)に、隔壁4を有する素子基板300上にディスペンサーで電気泳動材料33を塗布した状態を示す。電気泳動材料33の粘度は、10cps以下であるため、必ずしも均一な厚さで塗布されるわけではなく、表面張力によって、図示されるように周辺に比べて中央部分が高くなるような膜厚分布になる。
そして、電気泳動材料33を素子基板300上に供給した後、所定時間(1分間)放置する。
1分が経過した後、図3(b)に示すように、素子基板300(図4(b))の隔壁4側に対向電極37側を対向させた状態で、素子基板300(図4(b))上に対向基板310(図4(b))を静かに重ね合わせる。
その後、素子基板300および対向基板310どうしを1MPaの圧力で加圧して、所定時間(15分間)保持する。
すると、セル15内から溢れ出した余計な分散媒21が、基材30,31(図4(c))どうしの周辺部、つまり隔壁4と対向基板310との隙間から押し出され、図3(c)に示すように、隔壁4の上面4bと対向基板310の対向電極37とが接触する。詳細には、隔壁4の上面4bおよび対向電極37の表面37aにそれぞれ形成されたプラズマ重合膜11,11どうしが接触し、各プラズマ重合膜11,11の表面に存在する水酸基どうしが、水素結合によって互いに引き合い、水酸基どうしの間に引力が発生する。この引力によって、対向基板310と素子基板300とが強固に接合されることになる。
また、対向基板310および素子基板300の接合については、互いに接触しあうプラズマ重合膜11,11どうしにおける未結合手(ダングリングボンド)の終端化(水素化)によって結合が生じる可能性もある。
また、先の工程において素子基板300上に電気泳動材料33を供給する際、隔壁4の各セル15の容量に対して過剰量の電気泳動材料33を供給した。このため、素子基板300と対向基板310とを貼り合せる際に余分な電気泳動材料33は外部へ溢れ出し、各セル15内が電気泳動材料33で満たされるため、気泡の混入のない電気泳動層(電気光学層)32を形成することができる。
このようにして本実施形態の電気泳動表示装置(表示素子)100が完成する。
本実施形態の電気泳動表示装置100の製造方法によれば、素子基板300と対向基板310との接合面、つまり、隔壁4の表面4aと対向電極37の表面37aとに、接合膜として、ポリオルガノシロキサンを主材料として構成されるプラズマ重合膜11,11をそれぞれ形成したため、これらの優れた接着性により素子基板300および対向基板310同士を強固に接合することができる。また、これらプラズマ重合膜11,11は、耐候性、耐薬品性に優れているため、電気泳動材料33に長期にわたって曝される電気泳動表示素子においても有効に用いることができる。
また、素子基板300上に電気泳動材料33を供給してからすぐに(1分後に)、素子基板300および対向基板310どうしを貼り合せている。電気泳動材料33を供給した直後に基板300,310どうしの貼り合わせを行うことによって、それぞれのプラズマ重合膜11,11の接着性が低下してしまう前に接合させることが可能となる。このため、接触したプラズマ重合膜11,11同士の接合強度(密着性)が十分に得られ、表示素子としての機械的な強度を十分に確保することができる。
さらに、上述した製造方法では、電気泳動材料33を隔壁4の上面4bを覆うほどの過剰量を塗布した後に基板同士の接合を行っていることから、隔壁4の各セル15内が電気泳動材料33で満たされて、気泡の混入のない電気泳動層32を形成することができる。これにより、機械的強度(剥離強度)の高い電気泳動表示装置を提供することが可能である。
また、従来のように、接着層の表面に対して表面処理を施した後に大気中で基板同士を貼り合わせる手法では、貼り合わせた後に電気泳動材料を注入する必要があるため隔壁4の構造に制約があったが、上述したような製造方法によれば、隔壁4の構造に特段の制約を設ける必要はなく、製造が容易になる。
また、プラズマ重合膜11,11を形成することによって、接合面となる隔壁4の上面4bに軟性の接着剤を塗布した場合と比較して、接着剤による分散媒の汚染や凝集が生じることもなく、高い品質の電気泳動表示装置100を製造することが可能である。
また、軟性の接着剤を隔壁4の上面4bに選択的且つ均一な膜厚で塗布するのは容易ではない。これに対して本実施形態の構成によれば、互いに対向する素子基板300と対向基板310との最表面(貼り合せ面)全体にプラズマ重合膜11,11を形成することにより、貼り合せ時の位置決めも容易となり、素子基板300と対向基板310との接合工程を安定して行うことが可能である。
なお、本実施形態では、電気泳動材料33の塗布工程と、素子基板300および対向基板310どうしの貼り合わせ工程とを別に行うこととしたが、図5に示すように、ディスペンサー17を移動させながら素子基板300上に電気泳動材料33を供給しつつ、電気泳動材料33が供給された領域側から素子基板300上に対向基板310を貼り合せるようにしてもよい。このとき、可撓性を有する素子基板300を用い、素子基板300上で湾曲させた対向基板310を素子基板300に対して順次対向させていき、素子基板300に対向した対向基板310の領域上をローラー24で素子基板300側へと押圧する(図5)。すると、素子基板300上に電気泳動材料33を供給するのと同時に、素子基板300と対向基板310とを接合してこれらの間に電気泳動層32を形成することができる。この製造方法によれば、連続的に作業が行えるので生産効率が向上する。
しかしながら、UV処理で活性化したプラズマ重合膜11の表面を電気泳動材料33で覆うことは、接着性を低下させると従来では考えられていた。
そこで、素子基板300上にポリオルガノシロキサンからなるプラズマ重合膜11を形成してその表面に紫外線を照射させ、その後に電気泳動材料33を供給するが、その際、図6に示すように、隔壁4の上面4a(具体的には、上面4a上に位置するプラズマ重合膜11の一部)を電気泳動材料33で覆わないように塗布してもよい。
例えば、電気泳動材料33の粘度を低くしておくことにより、その流動性によって隔壁4の各セル15内に材料が広がって、得られる電気泳動層32の膜厚が略均一になる。
しかしながら、電気泳動材料33(電気泳動層32)の液面は、セル15の周辺部よりも中央部の方が凹んでおり、基材30側に向かって凹状となっている。この状態で素子基板300上に対向基板310を貼り合わせると、素子基板300および対向基板310どうしを強固に接着することはできるものの、セル15内に気泡が混入してしまい、表示装置として正常に機能しなかった。
UV処理で活性化させたプラズマ重合膜11の表面を分散媒21で覆ってしまうと接着性が低下してしまう。これは、分散媒21中の成分、分散媒21や添加剤が活性化した表面に吸着して接合能を損なうためである。UV処理で活性化した表面にはSi−OH基やSiダングリングボンド(Siラジカル)が大量に誘起されている。これらと、分散媒21中の成分とが反応してしまうことにより、接合能が低下してしまうものと考えられる。
しかしながら、これらの反応は、素子基板300上に電気泳動材料33を塗布した後、比較的緩やかに進むことが判明した。
図7に、幅1cmのテスト片(素子基板300および対向基板310)に対して、素子基板300と対向基板310との剥離角度90度で剥離試験を実施した結果を示す。素子基板300上に電気泳動材料33を塗布した後の経過時間に対して、素子基板300と対向基板310との剥離強度をプロットした。なお、分散媒21を塗布しないで素子基板300と対向基板310とを接合させた場合の剥離強度を比較例とする。
図7から分かるように、比較例の剥離強度は3.5Nであったのに対して、本実施形態の構成の剥離強度はいずれの時間であっても低い値となった。
表示装置としては、素子基板300上に分散媒21を塗布してから5分以内に対向基板310を貼り合わせれば、機械的な強度は十分に確保できることが明らかになった。
[電気泳動表示装置]
上記した製造方法によって製造された電気泳動表示装置について述べる。
図8は、第1実施形態の電気泳動表示装置の概略構成を示す断面図である。
図8に示すように、電気泳動表示装置100は、基材30及び画素電極35を含む素子基板300と、基材31及び対向電極37を含む対向基板310との間に電気泳動層32及び隔壁4が挟持されてなる隔壁タイプの表示素子である。
素子基板300は、厚さ0.5mmのガラス、PET、PEN、PCなどからなる基材30を有している。基材30上には、画素ごとに、トランジスタ素子(図示略)、層間絶縁膜(図示略)、画素電極35、及び隔壁4が設けられている。
画素電極35は、基材30の表面上の略全体にスパッタ法により形成された厚さ50nmのITO薄膜をパターン形成されてなり、トランジスタ素子のドレインに接続されている。複数の画素電極35を備えた基材30上には、さらに、各画素領域を区画するようにして平面視格子状の隔壁4が形成されている。
隔壁4は、基材30上を画素ごとに複数の空間(セル15)に分割するもので、所定の高さを有する。隔壁4の高さは、素子基板300と対向基板310とのセルギャップに応じて設定される。
このような隔壁4の表面全体及び露出した画素電極35の表面上には、これらを覆うようにしてポリオルガノシロキサンを主材料として構成されるプラズマ重合膜11が形成されている。
一方、対向基板310は、厚さ0.5mmのガラス、PET、PEN、PCなどからなる基材31を有している。基材31上には、その表面全体に50nmのITO薄膜からなる対向電極37が形成されている。そして、この対向電極37上にも表面全体を覆うようにしてプラズマ重合膜11が形成されている。
素子基板300および対向基板310にそれぞれ形成されたプラズマ重合膜11,11は、200nmの平均厚さを有し、製造時において紫外線照射によってその表面全体が活性化された後に、素子基板300及び対向基板310の接合のために互いに密着した状態で接着されている。具体的には、素子基板300のプラズマ重合膜11の一部分、すなわち、隔壁4の上面4bに存在するプラズマ重合膜11が対向基板310側のプラズマ重合膜11と接着されている。これらプラズマ重合膜11,11は互いに強固に接着されて、素子基板300と対向基板310との接合状態が維持されている。
隔壁4の各セル15内には、それぞれ電気泳動層32が形成されている。電気泳動層32は、基材30と基材31と隔壁4とによって囲まれた空間内に、分散媒21と該分散媒21中に混合された複数のチタン粒子26及びチタニア粒子27とを有する電気泳動材料33が封入されてなる。
チタン粒子26及びチタニア粒子27は、それぞれ正負のいずれかに帯電しており、電気泳動層32中において電気泳動粒子として振る舞う。電気泳動粒子は、画素電極35と対向電極37との電位差に基づいて移動する。
また、本実施形態では、電気泳動材料33の分散媒21としてシリコーンオイルが用いられている。分散媒21としてシリコーン系オイルを用いることが、特に、剥離強度を向上させるのに有効である。シリコーン系オイルは、ポリオルガノシロキサンを主成分としていることから、素子基板300および対向基板310上に形成されたプラズマ重合膜11,11の密着面の間に電気泳動層32の分散媒21が残っていた場合でも、分散媒21中のポリオルガノシロキサンとプラズマ重合膜11におけるポリオルガノシロキサンとが架橋的に結合し、素子基板300および対向基板310同士を良好に接合させることができる。
ここで、アイソパー、ドデシルベンゼンからなる分散媒を用いて剥離強度を比較した。
すると、シリコーンオイルからなる分散媒を用いた場合の剥離強度を1とした場合、アイソパーからなる分散媒を用いた場合では剥離強度が0.6となった。また、ドデシルベンゼンからなる分散媒を用いた場合では0.2の剥離強度しか得られなかった。
よって、分散媒としてシリコーンオイルを用いることが最も適していることが分かった。
なお、分散媒21としては、比較的高い絶縁性を有するものが好適に使用される。かかる分散媒21としては、例えば各種類(蒸留水、純水、イオン交換水等)、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール類、メチルセロソルブ等のセロソルブ類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ペンタン等の脂肪族炭化水素類、シクロへキサン等の脂環式炭化水素類、ベンゼン、トルエンのような長鎖アルキル基を有するベンゼン類等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ピリジン、ピラジン等の芳香族複素環類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、カルボン酸塩、流動パラフィンなどの鉱物油類、リノール酸、リノレン酸、オレイン酸等の植物油類、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル等のシリコーンオイル類、ハイドロフルオロエーテル等のフッ素系液体またはその他の各種油類等が挙げられ、これらを単独または混合物として用いることができる。
また、分散媒21中には、必要に応じて、例えば、電解質、界面活性剤、金属石鹸、樹脂材料、ゴム材料、油類、ワニス、コンパウンド等の粒子からなる荷電制御剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤等カップリング剤の分散剤、潤滑剤、安定化剤等の各種添加剤を添加するようにしてもよい。
分散媒21中に含まれる、帯電粒子としては、それぞれいかなるものも用いることができ、特に限定はされないが、染料粒子、顔料粒子、樹脂粒子、セラミックス粒子、金属粒子、金属酸化物粒子またはこれらの複合粒子のうちの少なくとも1種が好適に使用される。これらの粒子は、製造が容易であるとともに、荷電の制御を比較的容易に行うことができるという利点を有している。
顔料粒子を構成する顔料としては、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック、チタンブラック等の黒色顔料、二酸化チタン、三酸化アンチモン、硫化亜鉛、亜鉛華等の白色顔料、モノアゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、イソインドリノン、黄鉛、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、チタンイエロー等の黄色顔料、モノアゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、キナクリドンレッド、クロムバーミリオン等の赤色顔料、フタロシアニンブルー、インダスレンブルー、紺青、群青、コバルトブルー等の青色顔料、フタロシアニングリーン等の緑色顔料、フェロシアン化第二鉄等のシアン色顔料、あるいは無機酸化鉄等のマゼンタ色顔料等が挙げられる。無機顔料、有機顔料を用いることも出来る。これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、上記顔料の代わりに染料を用いて染料粒子を構成することもできる。この場合は白色顔料に染料を混入させても良いし、着色の顔料と混ぜて用いても良い。例えばカルボニウム系のマゼンタ等の染料を用いることもできる。
また、樹脂粒子を構成する樹脂材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、エポキシ系樹脂、ロジン樹脂、ポリスチレン、ポリエステル、スチレンとアクリロニトリルを共重合したAS樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、複合粒子としては、例えば、顔料粒子の表面を樹脂材料で被覆したもの、樹脂粒子の表面を顔料で被覆したもの、顔料と樹脂材料とを適当な組成比で混合した混合物で構成される粒子等が挙げられる。
また、このような電気泳動粒子の分散媒21中における分散性を向上させることを目的に、各粒子の表面に、分散媒21と相溶性の高い高分子を物理的に吸着させたり、化学的に結合させたりすることができる。これらの中でも、電気泳動粒子の表面からの離脱着の問題から、高分子が化学的に結合しているものが特に好ましい。かかる構成とすれば、電気泳動粒子の見かけの比重が小さくなる方向に作用して、電気泳動粒子の分散媒21での親和性、すなわち分散性を向上させることができる。
このような高分子としては、例えば、電気泳動粒子と反応性を有する基と帯電性官能基を有する高分子、電気泳動粒子と反応性を有する基と長鎖アルキル鎖、長鎖エチレンオキシド鎖、長鎖フッ化アルキル鎖、長鎖ジメチルシリコーン鎖等を有する高分子、および、電気泳動粒子と反応性を有する基と帯電性官能基と長鎖アルキル鎖、長鎖エチレンオキシド鎖、長鎖フッ化アルキル鎖、長鎖ジメチルシリコーン鎖等を有する高分子等が挙げられる。
上述したような高分子において、電気泳動粒子と反応性を有する基としては、例えば、エポキシ基、チオエポキシ基、アルコキシシラン基、シラノール基、アルキルアミド基、アジリジン基、オキサゾン基、およびイソシアネート基等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を選択して用いることができるが、用いる電気泳動粒子の種類等に応じて、選択するようにすればよい。
電気泳動粒子の平均粒径は、特に限定されないが、0.01〜10μm程度であるのが好ましく、0.02〜5μm程度であるのがより好ましい。
また、画素電極と接続電極の絶縁性を確保するための絶縁膜の材料としてアクリルを用いている。これ以外の材料を用いることも可能であり、シリコン酸化膜等の無機絶縁膜、有機絶縁膜も可能である。
基材30および基材31としては、PET基板以外の有機絶縁基板、薄ガラス等の無機ガラス基板や無機材料および有機材料からなる複合基板を用いてもよい。
また、選択トランジスタとしては酸化物半導体を用いたものに限らない。シリコン系、有機TFTを用いても良い。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の電気泳動表示装置について述べる。
図9及び図10は、第2実施形態における電気泳動表示装置の製造工程を示す断面図である。
図9(a)に示すように、本実施形態の電気泳動表示装置200を製造する場合、まず、画素電極35を有する素子基板300上に、DMSプレポリマー混合液(コーニング社 SYLGARD 184 SILICONE ELASTOMER、プレポリマーと硬化剤を10対1で混合)を厚さ1mmになるように塗布した後、隔壁形成用の金型52を押し付けて、室温で24時間放置した。この際、加熱することによって放置時間を短縮することができる。
そして、PDMSプレポリマー混合液が硬化した後、成形物を金型52から剥離させることによって、素子基板300の表面略全体に隔壁54が形成される。つまり、本実施形態の隔壁54は、基材30上に形成された複数の画素電極35を覆うようにして形成される。
次に、PDMSプレポリマーにより成型された隔壁54を有する素子基板300を大気圧プラズマ装置内に配置し、プラズマヘッド40より発生する大気圧プラズマ42を隔壁54の表面に対して照射する。プラズマヘッド40を面方向に移動させながら隔壁54の略全表面に対して大気圧プラズマ処理を施す。このようにして、隔壁54(PDMS)の表面を活性化させた。
このとき、大気圧プラズマ装置内に、ヘリウム、アルゴン、および酸素を反応ガスとして流し、高周波電力700W、プラズマ照射ノズルの幅50cm、プラズマ照射ノズルの先端から基材30の表面までの距離が5mm、プラズマ照射ノズルの通過速度20mm/秒の条件で実施した。
なお、大気圧プラズマの代わりに紫外線を照射することも可能である。
一方、対向基板310は、基材31の表面全体に対向電極37を形成した後、対向電極37上にITO薄膜を形成する。その後、対向電極37を有した基材31をプラズマ重合装置内に収容して、対向電極37の表面略全体に平均厚さ200nmのプラズマ重合膜11を形成する。
次に、対向基板310に形成されたプラズマ重合膜11に対して所定波長の紫外線を照射して、プラズマ重合膜11の表面を活性化させる。紫外線照射処理の条件については先に述べた第1実施形態の条件と同様である。
次に、図9(c)に示すように隔壁4を有する素子基板300上に電気泳動材料33を塗布する。電気泳動材料33を塗布した後、1分間放置する。所定時間放置した後、図9(d)に示すように素子基板300と対向基板310とを重ね合わせて押圧することによって、余分な分散媒21を押し出し、隔壁54の上面と対向電極37の表面とを密着させて保持した。すると、素子基板300と対向基板310とが十分な強度で接着され、図10に示すような電気泳動表示装置200が完成する。本実施形態の電気泳動表示装置200においても、電気泳動層32内への気泡の混入はみとめられなかった。
図11は、隔壁54の上面54bにおける形状を拡大して示す斜視図である。
また、図11に示すように、PDMSプレポリマーで隔壁4を形成する際に、隔壁54の上面54bに複数の凸部55を設けることにより凹凸形状にしてもよい。ここでは、凸部55と凹部56との高低差が1μmとされた隔壁54上に対向基板310を配置して、密着及び保持を行った。すると、隔壁54の上面54bと対向基板310とが十分な強度で接着され、電気泳動層32内への気泡の混入もみとめられなかった。
このように、PDMSプレポリマーにより隔壁54を形成する際に、隔壁54の上面54bを凹凸形状にすれば剥離強度の向上に有効となる。具体的には、隔壁54の上面54bに1μmの高低差を有する凹凸構造を設けて対向基板310を密着させたところ、素子基板300と対向基板310との剥離強度が20%向上した。これは、隔壁54の上面54b及び対向電極37の表面との密着面への分散媒21の入り込みが防止できたことによると考えられる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
また、第1実施形態では、素子基板300及び対向基板310にそれぞれ形成したプラズマ重合膜11,11の表面に対して、接着性を高めるために紫外線の照射を行い、表面の活性化を行った。素子基板300および対向基板310の両方のプラズマ重合膜11,11に対して表面処理を施すことが確実な接着性を得るためには最も好ましいが、素子基板300と対向基板310とが互いに貼り合わされる領域において、素子基板300および対向基板310にそれぞれ形成されたプラズマ重合膜11,11のうち、少なくともいずれか一方のプラズマ重合膜11の表面にのみ紫外線を照射するようにしてもよい。これにより、まったく表面を活性化していないプラズマ重合膜11,11どうしを接着させる場合よりも接着性を高めることができる。
また、これは第2実施形態においても同様のことが言える。第2実施形態の電気泳動表示装置200を製造するにあたって、素子基板300側にPDMSプレポリマーにより隔壁54を形成した後、その表面に大気圧プラズマ処理を施すことによって活性化させているとともに、対向基板310側のプラズマ重合膜11の表面に対しても紫外線を照射するなどして表面の活性化を行っている。これら隔壁54およびプラズマ重合膜11の双方の表面(接合面)に対して表面処理を行うことが最も好ましいが、いずれか一方の表面にのみ表面処理を施すようにしてもよい。
また、先の各実施形態において、対向基板310側にプラズマ重合膜11を形成したが省略することも可能である。すなわち、素子基板300側にのみ、隔壁4上にプラズマ重合膜11を形成する、あるいはPDMSプレポリマーからなる隔壁54を設けて、これらプラズマ重合膜11、隔壁54の表面に対して表面処理を施すようにしてもよい。
しかしながら、たとえ薄い膜厚(5μm)であろうとも、対向基板310側にプラズマ重合膜11を形成しておくことが好ましい。
なお、対向基板310側にプラズマ重合膜11ではなく、PDMSプレポリマーを均一に塗布してなる薄膜を有する構成としてもよい。
また、先の第1実施形態において、素子基板300側のプラズマ重合膜11の表面全体に対して紫外線を照射して、表面を全体的に活性化させることとしたが、対向基板310との接着部分(上面4b上に形成されたプラズマ重合膜11の一部分)にのみ紫外線を照射するようにしてもよい。少なくとも、素子基板300と対向基板310との接合部分のプラズマ重合膜11の表面を活性化させておけば、十分な接合強度が得られる。
また、先の実施形態においては、隔壁4、54の表面全体にプラズマ重合膜11を形成することとしたが、隔壁4、54の上面のみに選択的にプラズマ重合膜11を形成するようにしてもよい。また、対向電極37上の隔壁4、54と接触する部分にのみ、選択的にプラズマ重合膜11を形成するようにしてもよい。これにより、素子基板300と対向基板310とをそれぞれに設けられたプラズマ重合膜11,11を介して部分的に接合させることができる。
また、先の各実施形態において、対向基板310側にプラズマ重合膜11を形成したが、これに代えて、SiO膜からなる接着膜を設けてもよい。
4,54…隔壁、4a,37a…表面、11…プラズマ重合膜(ポリオルガノシロキサン部)、21…分散媒、26…チタン粒子(電気泳動粒子)、27…チタニア粒子(電気泳動粒子)、30…基材(第1基板)、31…基材(第2基板)、32…電気泳動層、33…電気泳動材料、300…素子基板、310…対向基板

Claims (13)

  1. 基板面上に複数の空間を形成する隔壁が設けられた第1基板と、前記隔壁を介して前記第1基板と対向する第2基板との間に電気光学材料を封入して貼り合わせる表示素子の製造方法であって、
    前記第1基板と前記第2基板とが貼り合わされる領域において、前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方に、プラズマ重合法により形成されたポリオルガノシロキサン部を形成し、前記ポリオルガノシロキサン部に対してエネルギーを付与することにより表面を活性化させた後、前記空間内に液状の前記電気光学材料を供給して前記第1基板及び前記第2基板を貼り合わせる
    ことを特徴とする表示素子の製造方法。
  2. 前記エネルギーの付与による表面処理として、紫外線照射処理あるいはプラズマ処理を施す
    ことを特徴とする請求項1に記載の表示素子の製造方法。
  3. 前記空間に対して過剰量の電気光学材料を供給する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の表示素子の製造方法。
  4. 前記空間内に前記電気光学材料を供給してから300秒以内に前記第1基板と前記第2基板とを貼り合わせる
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の表示素子の製造方法。
  5. 前記隔壁の前記第2基板と接触する領域に凹凸形状を形成する
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の表示素子の製造方法。
  6. 前記ポリオルガノシロキサン部をプラズマ重合で形成する
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の表示素子の製造方法。
  7. 前記電気光学材料にポリオルガノシロキサンを含有させる
    ことを特徴とする請求項1から6に記載の表示素子の製造方法。
  8. 前記電気光学材料として、少なくとも分散媒と当該分散媒内に混合された複数の電気泳動粒子とを供給する
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の表示素子の製造方法。
  9. 基板面上に複数の空間を形成する隔壁が設けられた第1基板と、
    前記隔壁を介して前記第1基板と貼り合わされる第2基板と、
    前記複数の空間内に封入される電気光学層と、
    前記第1基板及び前記第2基板が貼り合わされる領域において、前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方に形成されたポリオルガノシロキサン部と、を有し、
    前記ポリオルガノシロキサン部は、前記第1基板及び前記第2基板が貼り合わされる前に、表面に対してエネルギーが付与されたものである
    ことを特徴とする表示素子。
  10. 前記隔壁の前記第2基板と接触する領域に凹凸形状が形成されている
    ことを特徴とする請求項9に記載の表示素子。
  11. 前記ポリオルガノシロキサン部がプラズマ重合で形成されている
    ことを特徴とする請求項9または10に記載の表示素子。
  12. 前記電気光学層を構成する電気光学材料にポリオルガノシロキサンを含有させる
    ことを特徴とする請求項9から11のいずれか一項に記載の表示素子。
  13. 前記電気光学層が、少なくとも分散媒と当該分散媒内に混合された複数の電気泳動粒子を有する電気泳動材料からなる
    ことを特徴とする請求項9から12のいずれか一項に記載の表示素子。
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