JP2012062511A5 - - Google Patents
Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012062511A5 JP2012062511A5 JP2010206651A JP2010206651A JP2012062511A5 JP 2012062511 A5 JP2012062511 A5 JP 2012062511A5 JP 2010206651 A JP2010206651 A JP 2010206651A JP 2010206651 A JP2010206651 A JP 2010206651A JP 2012062511 A5 JP2012062511 A5 JP 2012062511A5
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- composite oxide
- resistant member
- temperature resistant
- high temperature
- ceramic layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Description
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係る耐高温部材は、耐熱合金製の母材と、多数の気孔が形成され、前記母材を被覆する多孔質セラミックス層と、を備える耐高温部材であって、前記多孔質セラミックス層のうち少なくとも表面側には、複合酸化物が含浸した複合酸化物含浸部を具備していることを特徴とする。
この構成によれば、多孔質セラミックス層のうち少なくとも表面側には、複合酸化物が含浸した複合酸化物含浸部を具備しているので、複合酸化物含浸部における気孔が複合酸化物で塞がれる。これにより、多孔質セラミックス層の表面からCMASが深さ方向に侵入することを阻害するので、CMASが多孔質セラミックス層に浸透し難くなる。従って、CMASの浸透による母材の腐食を抑止することができると共に、多孔質セラミックス層において亀裂及び亀裂の成長を生じさせず、多孔質セラミックス層の剥離や喪失を抑止することができる。
また、気孔を塞ぐ複合酸化物は、構造的に安定していることからCMASと反応し難いので、CMAS耐性を長期間に亘って安定して維持することができる。
さらに、気孔を複合酸化物が塞ぐので、機械的強度が向上する。これにより、多孔質セラミックス層のエロージョン耐性を向上させることができる。
これに加えて、多孔質セラミックス層により優れた遮熱効果を得られる他、多孔質セラミックス層の表面における気孔を複合酸化物が塞ぐことで、流体流れの中に耐高温部材を設けたとしても気孔において渦が発生しない。これにより、耐高温部材の表面の流動抵抗を、多孔質セラミックス層を形成しない場合に比べて小さくすることができる。
すなわち、本発明に係る耐高温部材は、耐熱合金製の母材と、多数の気孔が形成され、前記母材を被覆する多孔質セラミックス層と、を備える耐高温部材であって、前記多孔質セラミックス層のうち少なくとも表面側には、複合酸化物が含浸した複合酸化物含浸部を具備していることを特徴とする。
この構成によれば、多孔質セラミックス層のうち少なくとも表面側には、複合酸化物が含浸した複合酸化物含浸部を具備しているので、複合酸化物含浸部における気孔が複合酸化物で塞がれる。これにより、多孔質セラミックス層の表面からCMASが深さ方向に侵入することを阻害するので、CMASが多孔質セラミックス層に浸透し難くなる。従って、CMASの浸透による母材の腐食を抑止することができると共に、多孔質セラミックス層において亀裂及び亀裂の成長を生じさせず、多孔質セラミックス層の剥離や喪失を抑止することができる。
また、気孔を塞ぐ複合酸化物は、構造的に安定していることからCMASと反応し難いので、CMAS耐性を長期間に亘って安定して維持することができる。
さらに、気孔を複合酸化物が塞ぐので、機械的強度が向上する。これにより、多孔質セラミックス層のエロージョン耐性を向上させることができる。
これに加えて、多孔質セラミックス層により優れた遮熱効果を得られる他、多孔質セラミックス層の表面における気孔を複合酸化物が塞ぐことで、流体流れの中に耐高温部材を設けたとしても気孔において渦が発生しない。これにより、耐高温部材の表面の流動抵抗を、多孔質セラミックス層を形成しない場合に比べて小さくすることができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
以下、本発明の実施例について説明する。
本実施例は、エロージョン耐性向上の効果を確認するために、母材21の表面上にTBC層24を形成した試験体に、Al2TiO5,ZrTiO4,CeAlO3,CaZrO3,Al6Si2O13,Ce2SiO5,Zr4AlO9を用いて複合酸化物含浸部25をそれぞれ形成したサンプル1〜7(サンプル3,4,6,7は参考例)を用意し、サンプル1〜7に対してブラストエロージョン試験を行って磨耗量を測定したものである。
ボンドコート層22は、Co基またはNi基のMCrAlYコーティングで形成されると共に0.02〜0.5mmとなっており、多孔質セラミックス層23は、YSZなどの安定化ジルコニアで形成されると共に0.1〜2mmとなっている。
以下、本発明の実施例について説明する。
本実施例は、エロージョン耐性向上の効果を確認するために、母材21の表面上にTBC層24を形成した試験体に、Al2TiO5,ZrTiO4,CeAlO3,CaZrO3,Al6Si2O13,Ce2SiO5,Zr4AlO9を用いて複合酸化物含浸部25をそれぞれ形成したサンプル1〜7(サンプル3,4,6,7は参考例)を用意し、サンプル1〜7に対してブラストエロージョン試験を行って磨耗量を測定したものである。
ボンドコート層22は、Co基またはNi基のMCrAlYコーティングで形成されると共に0.02〜0.5mmとなっており、多孔質セラミックス層23は、YSZなどの安定化ジルコニアで形成されると共に0.1〜2mmとなっている。
サンプル3(参考例)は、CeAlO3を用いて複合酸化物含浸部25を形成している。この複合酸化物含浸部25は、セリアゾル10%溶液とアルミナゾル10%溶液とを、セリウムとアルミニウムとが1:1のモル比率になるように、セリアゾル10%溶液を76重量%及びアルミナゾル10%溶液を24重量%の割合で混合し、この混合ゾル溶液を多孔質セラミックス層23の表面側に含浸させ、母材21の熱処理を兼ねた焼成処理でCeAlO3を生成させた。
サンプル4(参考例)は、CaZrO3を用いて複合酸化物含浸部25を形成している。この複合酸化物含浸部25は、カルシアゾル10%溶液とジルコニアゾル10%溶液とを、カルシウムとジルコニウムとが1:1のモル比率になるように、カルシアゾル10%溶液を29重量%及びジルコニアゾル10%溶液を71重量%の割合で混合し、この混合ゾル溶液を多孔質セラミックス層23の表面側に含浸させ、母材21の熱処理を兼ねた焼成処理でCaZrO3を生成させた。
サンプル6(参考例)は、Ce2SiO5を用いて複合酸化物含浸部25を形成している。この複合酸化物含浸部25は、セリアゾル10%溶液とシリカゾル10%溶液とを、セリウムとシリコンとが2:1のモル比率になるように、セリアゾル10%溶液を85重量%及びシリカゾル10%溶液を15重量%の割合で混合し、この混合ゾル溶液を多孔質セラミックス層23の表面側に含浸させ、母材21の熱処理を兼ねた焼成処理でCe2SiO5を生成させた。
サンプル7(参考例)は、Zr4AlO9を用いて複合酸化物含浸部25を形成している。この複合酸化物含浸部25は、ジルコニアゾル10%溶液とアルミナゾル10%溶液とを、ジルコニウムとアルミニウムとが2:1のモル比率になるように、ジルコニアゾル10%溶液を91重量%及びアルミナゾル10%溶液を9重量%の割合で混合し、この混合ゾル溶液を多孔質セラミックス層23の表面側に含浸させ、母材21の熱処理を兼ねた焼成処理でZr4AlO9を生成させた。
Claims (10)
- 耐熱合金製の母材と、
多数の気孔が形成され、前記母材を被覆する多孔質セラミックス層と、を備える耐高温部材であって、
前記多孔質セラミックス層のうち少なくとも表面側には、複合酸化物が含浸した複合酸化物含浸部を具備していることを特徴とする耐高温部材。 - 前記複合酸化物は、Al2TiO5であることを特徴とする請求項1に記載の耐高温部材。
- 前記複合酸化物含浸部は、その厚さが10μm以上170μm以下であることを特徴とする請求項2に記載の耐高温部材。
- 前記複合酸化物は、ZrTiO4であることを特徴とする請求項1に記載の耐高温部材。
- 前記複合酸化物含浸部は、その厚さが10μm以上250μm以下であることを特徴とする請求項4に記載の耐高温部材。
- 前記複合酸化物は、Al6Si2O13であることを特徴とする請求項1に記載の耐高温部材。
- 前記複合酸化物含浸部は、その厚さが10μm以上170μm以下であることを特徴とする請求項6に記載の耐高温部材。
- 前記多孔質セラミックス層は、セラミックスに対する前記気孔の体積占有率である気孔率が2%以上20%以下であることを特徴とする請求項1から7のうちいずれか一項に記載の耐高温部材。
- 前記母材と前記多孔質セラミックス層との間に形成されたボンドコート層を備えることを特徴とする請求項1から8のうちいずれか一項に記載の耐高温部材。
- 請求項1から9のうちいずれか一項に記載の耐高温部材を用いたことを特徴とするガスタービン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010206651A JP5656528B2 (ja) | 2010-09-15 | 2010-09-15 | 耐高温部材及びガスタービン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010206651A JP5656528B2 (ja) | 2010-09-15 | 2010-09-15 | 耐高温部材及びガスタービン |
Related Child Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013056976A Division JP5693631B2 (ja) | 2013-03-19 | 2013-03-19 | 耐高温部材及びガスタービン |
JP2013056977A Division JP5657048B2 (ja) | 2013-03-19 | 2013-03-19 | 耐高温部材及びガスタービン |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012062511A JP2012062511A (ja) | 2012-03-29 |
JP2012062511A5 true JP2012062511A5 (ja) | 2013-05-09 |
JP5656528B2 JP5656528B2 (ja) | 2015-01-21 |
Family
ID=46058529
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010206651A Active JP5656528B2 (ja) | 2010-09-15 | 2010-09-15 | 耐高温部材及びガスタービン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5656528B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9869188B2 (en) | 2014-12-12 | 2018-01-16 | General Electric Company | Articles for high temperature service and method for making |
CN105202212A (zh) * | 2015-10-27 | 2015-12-30 | 浙江省东阳市华东暖通设备有限公司 | 耐高温风管阀 |
US10201831B2 (en) | 2015-12-09 | 2019-02-12 | General Electric Company | Coating inspection method |
US10822966B2 (en) | 2016-05-09 | 2020-11-03 | General Electric Company | Thermal barrier system with bond coat barrier |
US10822696B2 (en) | 2016-12-14 | 2020-11-03 | General Electric Company | Article with thermal barrier coating and method for making |
CN111500967B (zh) * | 2020-05-15 | 2022-06-28 | 中国人民解放军国防科技大学 | 一种钨铜合金表面隔热/抗烧蚀一体化复合涂层及其制备方法 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6046377A (ja) * | 1983-08-24 | 1985-03-13 | Usui Internatl Ind Co Ltd | セラミツクス・金属接合体を製造する方法 |
JPH0791660B2 (ja) * | 1989-08-30 | 1995-10-04 | 株式会社日立製作所 | 環境遮断用耐熱壁を備えた地上機器 |
JPH0610112A (ja) * | 1992-06-29 | 1994-01-18 | Nittetsu Hard Kk | 無機質皮膜の強化方法 |
JP2000096204A (ja) * | 1998-09-19 | 2000-04-04 | Nippon Steel Hardfacing Co Ltd | 溶融金属耐食性に優れた皮膜を有する溶融金属浴用部材の製造方法 |
US20060280955A1 (en) * | 2005-06-13 | 2006-12-14 | Irene Spitsberg | Corrosion resistant sealant for EBC of silicon-containing substrate and processes for preparing same |
-
2010
- 2010-09-15 JP JP2010206651A patent/JP5656528B2/ja active Active
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2012062511A5 (ja) | ||
JP5075880B2 (ja) | 耐熱部材およびガスタービン用高温部品 | |
US20150159507A1 (en) | Article for high temperature service | |
US20190093497A1 (en) | Low porosity abradable coating | |
EP2194164A1 (en) | Multilayer thermal barrier coatings | |
Chen et al. | Microstructures and properties of double-ceramic-layer thermal barrier coatings of La2 (Zr0. 7Ce0. 3) 2O7/8YSZ made by atmospheric plasma spraying | |
US20060166019A1 (en) | Thermal/environmental barrier coating for silicon-comprising materials | |
US10597330B2 (en) | Thermal barrier coating for CMAS resistance and low thermal conductivity | |
US11466370B2 (en) | Turbine engine part coated in a thermal barrier, and a method of obtaining it | |
JP2011167994A (ja) | 遮熱コーティングを有する耐熱部材と、それを用いたガスタービン用部品 | |
JP2008266698A (ja) | 遮熱被覆を有する耐熱部材 | |
JP7232295B2 (ja) | 基材上に高温保護層を接合するための付着促進層、並びにそれの製造方法 | |
CN103556098B (zh) | 一种抗火山灰侵蚀的多层热障涂层 | |
CA2904846A1 (en) | Environmental barrier coating-based thermal barrier coatings for ceramic matrix composites | |
JP5656528B2 (ja) | 耐高温部材及びガスタービン | |
JP2013129917A (ja) | 耐高温部材及びガスタービン | |
JP2010144211A (ja) | 遮熱コーティング層、タービン部材及び遮熱コーティング層の形成方法 | |
Cao et al. | Oxidation and corrosion behavior of 2D laminated SiC/SiC with Si/mullite/BSAS EBC in dry oxygen/water vapor at 1200° C | |
JP7086649B2 (ja) | 高温用の物品 | |
TW201636317A (zh) | 隔熱塗層及渦輪構件 | |
JP5693631B2 (ja) | 耐高温部材及びガスタービン | |
RU2402639C1 (ru) | Способ нанесения комбинированного теплозащитного покрытия на детали из жаропрочных сплавов | |
RU2532646C1 (ru) | Многослойное теплозащитное покрытие | |
RU2349679C1 (ru) | Способ нанесения комбинированного теплозащитного покрытия на лопатки турбин гтд | |
WO2014184906A1 (ja) | 遮熱コーティング部材 |