JP2012061784A - 液滴吐出装置及び液滴吐出方法 - Google Patents
液滴吐出装置及び液滴吐出方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012061784A JP2012061784A JP2010209078A JP2010209078A JP2012061784A JP 2012061784 A JP2012061784 A JP 2012061784A JP 2010209078 A JP2010209078 A JP 2010209078A JP 2010209078 A JP2010209078 A JP 2010209078A JP 2012061784 A JP2012061784 A JP 2012061784A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ink
- nozzle
- nozzle row
- discharge
- droplet
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Ink Jet (AREA)
Abstract
【課題】画像形成用のカラーインクを吐出するノズル列と、アンダーコート用又はオーバーコート用のクリアインク等を吐出するノズル列とを共に有する吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置として、その描画能力を低下させることなく、カラーインクによる画像形成、及びアンダーコート層、オーバーコート層の形成を可能にした、装置競争力の高い液滴吐出装置を提供する。
【解決手段】インクを吐出する吐出ヘッド20を備える液滴吐出装置である。吐出ヘッド20は、色材を有する画像形成用のインクを吐出するノズル24からなる第1のノズル列71と、アンダーコート用又はオーバーコート用のインクを吐出するノズル24からなる第2のノズル列72とを有している。第2のノズル列72の数は、第1のノズル列71における、少なくとも一色の色材を有するインクについてのノズル列の数より多い。
【選択図】図3
【解決手段】インクを吐出する吐出ヘッド20を備える液滴吐出装置である。吐出ヘッド20は、色材を有する画像形成用のインクを吐出するノズル24からなる第1のノズル列71と、アンダーコート用又はオーバーコート用のインクを吐出するノズル24からなる第2のノズル列72とを有している。第2のノズル列72の数は、第1のノズル列71における、少なくとも一色の色材を有するインクについてのノズル列の数より多い。
【選択図】図3
Description
本発明は、液滴吐出装置及び液滴吐出方法に関する。
従来、普通紙を代表とする様々な記録媒体に対して印刷可能な記録装置として、インクジェット記録装置(液滴吐出装置)が知られている。インクジェット記録装置は、記録ヘッド(吐出ヘッド)の記録媒体に対向する面に設けられたノズルから、色材であるカラーインクや、アンダーコート、オーバーコートを行うためのクリアインク等を直接記録媒体に対して吐出し、記録媒体上に着弾させて浸透もしくは定着させることにより、記録媒体上に画像等を形成する装置である。
このようなインクジェット記録装置を用い、非吸収性の(インク吸収性を有さない)樹脂や金属等の材料からなる記録媒体(メディア)に対して、画像等の記録を行う場合がある。その場合、このような記録媒体に対してインクを定着させるため、例えば紫外線照射によって硬化する光硬化型(紫外線硬化型)インクが用いられる。この光硬化型インクを用いるインクジェット記録装置では、インクを硬化させるための紫外線照射装置を備えており、記録媒体に画像を記録する際、インクを記録媒体に着弾させた直後に、インクの硬化が可能な条件で紫外線照射装置から紫外線を照射し、インクを硬化定着させるようにしている(例えば、特許文献1〜特許文献5参照)。
また、このように非吸収性の記録媒体へ紫外線硬化型(光硬化型)インクを吐出する際には、記録媒体上でインク滴を小さくし、高解像度の画像を形成するために、前記したクリアインクによるアンダーコート描画を行うことがある。また、裏面から見た場合のバックプリント用や、インクジェット特有のスジ消しのため、画像形成後、クリアインクや白色インク等によってオーバーコートすることがある。
ところで、画像形成については、通常、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(黒)の4色のカラーインクを用いて打ち分けるのに対し、クリアインク等によるアンダーコート、オーバーコートについては、基本的に全面塗布(べた塗り)で行う。そのため、液滴吐出装置の描画能力は、アンダーコート用やオーバーコート用のノズルの吐出デューティーに依存することになる。したがって、特に同一の吐出ヘッドにカラーインクを吐出するノズル列とクリアインク等を吐出するノズル列とを共に有している場合、その描画能力はクリアインク等を吐出するノズルの吐出デューティーに大きく依存するため、良好な描画能力が得られなくなってしまう。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、画像形成用のカラーインクを吐出するノズル列と、アンダーコート用又はオーバーコート用のクリアインク等を吐出するノズル列とを共に有する吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置として、その描画能力を低下させることなく、カラーインクによる画像形成、及びアンダーコート層、オーバーコート層の形成を可能にした、装置競争力の高い液滴吐出装置を提供することにある。また、このような液滴吐出装置を用いた液滴吐出方法を提供することにある。
本発明に係る液滴吐出装置は、インクを吐出する吐出ヘッドを備える液滴吐出装置であって、前記吐出ヘッドは、色材を有する画像形成用のインクを吐出するノズルからなる第1のノズル列と、アンダーコート用又はオーバーコート用のインクを吐出するノズルからなる第2のノズル列とを有してなり、前記第2のノズル列の数は、前記第1のノズル列における、少なくとも一色の色材を有するインクについてのノズル列の数より多いことを特徴としている。
この液滴吐出装置によれば、アンダーコート用又はオーバーコート用のインクを吐出する第2のノズル列の数を、画像形成用のインクを吐出する第1のノズル列の数より多くしたので、第2のノズル列を構成するノズルの吐出ディユーティー、すなわち吐出ヘッド全体の吐出能力を100%としたときの、第2のノズル列を構成するノズルが吐出可能な比率を、大きくすることができる。したがって、第2のノズル列から吐出するアンダーコート用又はオーバーコート用のインクの吐出能力が高くなるため、良好な描画能力を有するものとなり、装置競争力の高い液滴吐出装置となる。
また、前記液滴吐出装置においては、前記第1のノズル列は、色材が異なる複数種のインクに対応してそれぞれのノズル列を有してなり、前記第2のノズル列の数は、前記複数種のインクに対応するノズル列の、それぞれの数より多いのが好ましい。
このようにすれば、全てのカラーインク用のノズル列(第1のノズル列)の数より第2のノズル列の数の方が多くなっているので、アンダーコート用又はオーバーコート用のインクの吐出能力がより高くなる。
このようにすれば、全てのカラーインク用のノズル列(第1のノズル列)の数より第2のノズル列の数の方が多くなっているので、アンダーコート用又はオーバーコート用のインクの吐出能力がより高くなる。
また、前記液滴吐出装置においては、前記画像形成用のインクと前記アンダーコート用又はオーバーコート用のインクとは、共に紫外線硬化性を有する成分を含む紫外線硬化型インクであるのが好ましい。
このようにすれば、前述したように記録媒体上でインク滴を小さくして高解像度の画像を形成するべく、アンダーコート描画を行うような際に、良好な描画能力を発揮するようになる。
このようにすれば、前述したように記録媒体上でインク滴を小さくして高解像度の画像を形成するべく、アンダーコート描画を行うような際に、良好な描画能力を発揮するようになる。
本発明に係る別の液滴吐出装置は、インクを吐出する吐出ヘッドを備える液滴吐出装置であって、前記吐出ヘッドは、色材を有する画像形成用のインクを吐出するノズルからなる第1のノズル列と、アンダーコート用又はオーバーコート用のインクを吐出するノズルからなる第2のノズル列とを有してなり、前記吐出ヘッドの各ノズル列から吐出するインクの液滴径を制御する液滴径制御部を備え、前記液滴径制御部は、前記第2のノズル列から吐出されるインクの液滴径が、吐出可能な液滴径の最大径となるように吐出制御することを特徴としている。
この液滴吐出装置によれば、液滴径制御部により、第2のノズル列から吐出されるインクの液滴径、すなわち液滴重量を、吐出可能な液滴径の最大径、すなわち最大液滴重量となるように吐出制御するので、吐出ヘッド全体の吐出能力(吐出インク量)に占める、第2のノズル列を構成するノズルの吐出能力(吐出インク量)を高くすることができる。したがって、第2のノズル列から吐出するアンダーコート用又はオーバーコート用のインクの吐出能力が高くなるため、良好な描画能力を有するものとなり、装置競争力の高い液滴吐出装置となる。
本発明に係るさらに別の液滴吐出装置は、インクを吐出する吐出ヘッドを備える液滴吐出装置であって、前記吐出ヘッドは、色材を有する画像形成用のインクを吐出するノズルからなる第1のノズル列と、アンダーコート用又はオーバーコート用のインクを吐出するノズルからなる第2のノズル列とを有してなり、前記吐出ヘッドの各ノズル列からのインクの吐出制御をする吐出制御部を備え、前記吐出制御部は、前記第2のノズル列から記録媒体の所定領域に向けてインクを吐出する際の走査回数が、前記第1のノズル列から前記記録媒体の所定領域に向けてインクを吐出する際の走査回数より少なくなるように吐出制御することを特徴としている。
この液滴吐出装置によれば、吐出制御部により、第2のノズル列から記録媒体の所定領域に向けてインクを吐出する際の走査回数が、第1のノズル列から前記記録媒体の所定領域に向けてインクを吐出する際の走査回数より少なくなるように吐出制御するので、同一の所定領域にインクを吐出する際の、アンダーコート用又はオーバーコート用のインクを吐出する第2のノズル列の吐出能力を、第1のノズル列の吐出能力に比べて相対的に高めることができる。したがって、第2のノズル列から吐出するアンダーコート用又はオーバーコート用のインクの吐出能力が高くなるため、良好な描画能力を有するものとなり、装置競争力の高い液滴吐出装置となる。
本発明に係る液滴吐出方法は、色材を有する画像形成用のインクを吐出するノズルからなる第1のノズル列と、アンダーコート用又はオーバーコート用のインクを吐出するノズルからなる第2のノズル列とを有してなる吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置を用い、記録媒体に対して前記吐出ヘッドからインクを吐出して画像を形成する液滴吐出方法であって、前記第2のノズル列から吐出するインクの液滴径を、前記吐出ヘッドから吐出可能な液滴径の最大径となるように吐出制御することを特徴としている。
この液滴吐出方法によれば、第2のノズル列から吐出されるインクの液滴径、すなわち液滴重量を、吐出可能な液滴径の最大径、すなわち最大液滴重量となるように吐出制御するので、吐出ヘッド全体の吐出能力(吐出インク量)に占める、第2のノズル列を構成するノズルの吐出能力(吐出インク量)を高くすることができる。したがって、第2のノズル列から吐出するアンダーコート用又はオーバーコート用のインクの吐出能力が高くなるため、良好な描画能力を発揮することができる。
本発明に係る別の液滴吐出方法は、色材を有する画像形成用のインクを吐出するノズルからなる第1のノズル列と、アンダーコート用又はオーバーコート用のインクを吐出するノズルからなる第2のノズル列とを有してなる吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置を用い、記録媒体に対して前記吐出ヘッドからインクを吐出して画像を形成する液滴吐出方法であって、前記第2のノズル列から前記記録媒体の所定領域に向けてインクを吐出する際の走査回数が、前記第1のノズル列から前記記録媒体の所定領域に向けてインクを吐出する際の走査回数より少なくなるように吐出制御することを特徴としている。
この液滴吐出方法によれば、第2のノズル列から記録媒体の所定領域に向けてインクを吐出する際の走査回数が、第1のノズル列から前記記録媒体の所定領域に向けてインクを吐出する際の走査回数より少なくなるように吐出制御するので、同一の所定領域にインクを吐出する際の、アンダーコート用又はオーバーコート用のインクを吐出する第2のノズル列の吐出能力を、第1のノズル列の吐出能力に比べて相対的に高めることができる。したがって、第2のノズル列から吐出するアンダーコート用又はオーバーコート用のインクの吐出能力が高くなるため、良好な描画能力を発揮することができる。
以下、本発明における液滴吐出装置の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
図1(a)、(b)は、本発明における液滴吐出装置の第1の実施形態の概略構成を示す模式図であって、(a)は液滴吐出装置の平面図、(b)は液滴吐出装置の側面図である。なお、図1(a)、(b)では、本発明の液滴吐出装置を、連続した長尺な記録媒体に対して印刷を行う、印刷装置に適用した場合について示している。図1(a)、(b)において符号1は液滴吐出装置であり、この液滴吐出装置1は、インクとして紫外線硬化型のインクを液滴吐出する吐出ヘッド20と、この吐出ヘッド20から吐出された紫外線硬化型インクに紫外線を照射する照射装置(図示せず)と、吐出ヘッド20を有するヘッド機構部2と、供給排出機構部3と、インク供給部(図示せず)と、メンテナンス部5と、制御部60と、を備えて構成されている。
吐出ヘッド20は、インクジェット方式の吐出ヘッドであって、紫外線硬化性を有する成分を含むインク、すなわち紫外線硬化型インクを液滴として、連続した長尺な帯状の記録媒体10の被記録箇所となる表面に向けて吐出するものである。ここで、記録媒体10としては、本実施形態では紫外線硬化型インクによる記録が可能な媒体が用いられ、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレン(PE)、ポリカーボネイト(PC)などのフレキシブルフィルムが用いられる。
供給排出機構部3は、記録媒体10を吐出ヘッド20による記録位置に供給し、また、この記録位置から排出するものである。インク供給部は、貯留タンク(図示せず)に貯留したインクを吐出ヘッド20に供給するためのものである。メンテナンス部5は、吐出ヘッド20の保守を行うものである。また、液滴吐出装置1には、これら各機構部等を総括的に制御する制御部(図示せず)が設けられている。
供給排出機構部3は、供給リール31と、巻取リール32と、吸着ユニット33と、アイドラローラー37と、アイドラローラー38と、Y軸走査機構42と、を備えて構成されている。
Y軸走査機構42は、Y軸ガイドレール42aとY軸スライダー42bとを、それぞれ二組ずつ備えて構成されている。吸着ユニット33は、吸着テーブル33aと、テーブル台43と、テーブル昇降機構44と、供給ローラー34と、従動ローラー34aと、媒体送りローラー36と、従動ローラー36aと、を備えて構成されている。各リール、及び各ローラーは、それぞれ回転軸まわりに回転可能になっており、それぞれの回転軸は互いに略平行になっている。
記録媒体10が送られる方向は、互いに略平行な各リール、及び各ローラーの回転軸に略直交する方向となっている。なお、各リール、及び各ローラーの回転軸の軸方向に平行な方向をX軸方向と表記し、記録媒体10の送り方向をY軸方向と表記している。
Y軸走査機構42は、Y軸ガイドレール42aとY軸スライダー42bとを、それぞれ二組ずつ備えて構成されている。吸着ユニット33は、吸着テーブル33aと、テーブル台43と、テーブル昇降機構44と、供給ローラー34と、従動ローラー34aと、媒体送りローラー36と、従動ローラー36aと、を備えて構成されている。各リール、及び各ローラーは、それぞれ回転軸まわりに回転可能になっており、それぞれの回転軸は互いに略平行になっている。
記録媒体10が送られる方向は、互いに略平行な各リール、及び各ローラーの回転軸に略直交する方向となっている。なお、各リール、及び各ローラーの回転軸の軸方向に平行な方向をX軸方向と表記し、記録媒体10の送り方向をY軸方向と表記している。
Y軸走査機構42のY軸ガイドレール42aは、吸着テーブル33aを挟んでX軸方向の両側にそれぞれ1つずつ配設されており、Y軸方向に延在している。Y軸スライダー42bは、テーブル台43の底面に設けられ、その状態でY軸ガイドレール42a上に配設されたもので、Y軸駆動モーター(図示せず)によってY軸ガイドレール42a上をその延在方向に摺動するように構成されたものである。
吸着ユニット33の吸着テーブル33aは、テーブル台43上に固定されたテーブル昇降機構44に固定されたものである。この吸着テーブル33aは、その上面上に記録媒体10を保持するようになっており、したがってその上面は、記録媒体10を保持する側の面、すなわち保持面となっている。このような構成のもとに、保持面上に記録媒体10が保持された状態で、前記吐出ヘッド20から紫外線硬化型インクが吐出され、このインクの液滴が記録媒体10上に着弾するようになっている。
この吸着テーブル33aには、図示しない負圧源に接続する吸着用孔又は吸着用溝からなる吸着用凹部(図示せず)が設けられ、該吸着用凹部は前記保持面上に開口している。これにより、記録媒体10はその所定部位が保持面上に位置決めされた状態で、前記負圧源に接続する吸着用凹部によって吸引・吸着されることにより、保持面上に保持固定されるようになっている。
前記テーブル昇降機構44は、吸着テーブル33aをZ軸方向に昇降させるもので、吸着テーブル33aの保持面(吸着面)をZ軸方向における所定の位置となる吸着位置、及びこの吸着位置よりテーブル台43に近い退避位置との間で昇降させ、かつ、各位置にて保持固定するようになっている。吸着位置にあるときの吸着テーブル33aの保持面の位置は、後述する供給ローラー34の外周、及び媒体送りローラー36の外周のそれぞれの上端の位置に、略一致している。
吸着テーブル33aのY軸方向における両側には、供給ローラー34及び従動ローラー34aと、媒体送りローラー36及び従動ローラー36aとが配設されている。これら供給ローラー34及び従動ローラー34aと、媒体送りローラー36及び従動ローラー36aとは、支持部材(図示せず)を介してテーブル台43に固定され、その状態で吸着テーブル33aを挟んでその両側に配設されている。供給ローラー34及び従動ローラー34aは、吸着テーブル33aの上流側、すなわち供給リール31側に配設されており、媒体送りローラー36及び従動ローラー36aは、吸着テーブル33aの下流側、すなわち巻取リール32側に配設されている。
テーブル台43は、Y軸走査機構42によってY軸方向に移動可能になっており、かつ、Y軸方向における任意の位置に保持可能になっている。また、このテーブル台43上に配置された吸着テーブル33a、供給ローラー34及び従動ローラー34a、媒体送りローラー36及び従動ローラー36aも、Y軸走査機構42によってY軸方向に移動可能になっており、かつ、Y軸方向における任意の位置に保持可能になっている。
供給排出機構部3が備える供給リール31と、アイドラローラー37と、吸着ユニット33と、アイドラローラー38と、巻取リール32とは、記録媒体10の供給方向であるY軸方向においてこの順に配置されており、供給リール31側が記録媒体10の供給方向における上流側、巻取リール32側が下流側になっている。
また、吸着ユニット33において、供給ローラー34及び従動ローラー34aと、吸着テーブル33aと、媒体送りローラー36及び従動ローラー36aとは、Y軸方向においてこの順に配置されている。したがって、供給排出機構部3において、供給リール31と、アイドラローラー37と、供給ローラー34及び従動ローラー34aと、吸着テーブル33aと、媒体送りローラー36及び従動ローラー36aと、アイドラローラー38と、巻取リール32とは、Y軸方向においてこの順に配置されている。
供給リール31には、帯状の記録媒体10が巻かれており、供給モーター(図示せず)によって供給リール31が回転させられることにより、記録媒体10が繰り出されるようになっている。従動ローラー34aは、その外周が供給ローラー34の外周に接して配置されており、付勢装置(図示せず)によって供給ローラー34に押し付けられている。供給ローラー34は、供給モーター(図示せず)によって回転させられるようになっており、この供給ローラー34に直接又は間接的に接する従動ローラー34aは、供給ローラー34の回転に従動して回転するようになっている。このような構成のもとに、これら供給ローラー34と従動ローラー34aとの間に挟持される記録媒体10は、供給ローラー34の回転によって送られるようになっている。
アイドラローラー37は、その回転軸がZ軸方向に揺動可能になっており、かつ、揺動方向の一方(本実施形態では下方)に付勢されている。また、このアイドラローラー37は、記録媒体10における、供給リール31と、供給ローラー34及び従動ローラー34aとの間の部分に、前記付勢力によって当接させられている。このような構成のもとに記録媒体10は、アイドラローラー37によって付勢されることにより、供給リール31とアイドラローラー37との間、及びアイドラローラー37と供給ローラー34及び従動ローラー34aとの間の部分が、弛み無く張られた状態になっている。
したがって、記録媒体10は、供給ローラー34と従動ローラー34aとの間に供給されて挟持される際の状態が、略平坦に維持され易くなっている。なお、供給ローラー34における記録媒体10の供給速度と、供給リール31における記録媒体10の繰り出し速度との差によって、供給リール31と供給ローラー34及び従動ローラー34aとの間の部分の弛み量が変動する。しかし、弛み量の変動に追従してアイドラローラー37の位置が変わることにより、弛み無く張られた状態に維持されるようになっている。また、吸着ユニット33の移動による、供給リール31と供給ローラー34及び従動ローラー34aとの間における記録媒体10の弛み量の変動についても、同様にして、弛み無く張られた状態に維持されるようになっている。
従動ローラー36aは、その外周が供給ローラー36の外周に接して配置されており、付勢装置(図示せず)によって媒体送りローラー36に押し付けられている。媒体送りローラー36は、媒体送りモーター(図示せず)によって回転させられるようになっており、この媒体送りローラー36に直接又は間接的に接する従動ローラー36aは、媒体送りローラー36の回転に従動して回転するようになっている。このような構成のもとに、これら媒体送りローラー36と従動ローラー36aとの間に挟持される記録媒体10は、媒体送りローラー36の回転によって送られるようになっている。
ここで、媒体送りローラー36による送り量は、供給ローラー34による送り量より多く設定されている。また、媒体送りモーターから媒体送りローラー36への動力伝達機構には、トルク制御機構(図示せず)が組み込まれている。このような構成のもとに、媒体送りローラー36において供給ローラー34より速く送られる記録媒体10は、供給ローラー34と媒体送りローラー36との間の部分が、前記トルク制御機構で制御されたトルクに応じた張力で張られるようになっている。
この張られた部分には、吸着テーブル33aの保持面(保持板61の表面)が対向している。すなわち、記録媒体10における、吸着テーブル33aの保持面上に位置する部分は、前記トルク制御機構で制御されたトルクに応じた張力で張られている。ここで、前述した吸着位置に位置する吸着テーブル33aの保持面の位置は、媒体送りローラー36の外周上端と供給ローラー34の外周上端とがなす面の位置に略一致している。したがって、吸着位置に位置する吸着テーブル33aの保持面は、供給ローラー34と媒体送りローラー36との間に張られた記録媒体10に接してこれを保持するようになっている。
吸着テーブル33aは、その保持面上に記録媒体10を保持するようになっている。保持面は平坦な面であり、したがって記録媒体10における被保持面、すなわち被記録面と反対の側の面は、保持面によって平坦な状態に保持されるようなっている。また、この保持面には、図示しないものの、吸着用孔又は吸着用溝からなる吸着用凹部が設けられており、該吸着用凹部によって記録媒体10はその被保持面が吸着され、吸着テーブル33aの保持面上に吸着・保持されるようになっている。すなわち、吸着用凹部には、吸引ポンプ等の図示しない負圧源が配管等を介して接続されており、これによって吸着用凹部はその開口部上に位置する記録媒体10を吸着するようになっている。
巻取リール32は、巻取モーター(図示せず)によって回転させられるようになっており、これにより、媒体送りローラー36から送り出された記録媒体10は、巻取リール32に巻き取られるようになっている。
アイドラローラー38は、その回転軸がZ軸方向に揺動可能になっており、かつ、揺動方向の一方に付勢されている。また、このアイドラローラー38は、記録媒体10における、媒体送りローラー36及び従動ローラー36aと、巻取リール31との間の部分に、前記付勢力によって当接させられている。このような構成のもとに記録媒体10は、アイドラローラー38によって付勢されることにより、媒体送りローラー36及び従動ローラー36aと巻取リール31との間、及びアイドラローラー38と巻取リール32との間の部分が、弛み無く張られた状態になっている。
アイドラローラー38は、その回転軸がZ軸方向に揺動可能になっており、かつ、揺動方向の一方に付勢されている。また、このアイドラローラー38は、記録媒体10における、媒体送りローラー36及び従動ローラー36aと、巻取リール31との間の部分に、前記付勢力によって当接させられている。このような構成のもとに記録媒体10は、アイドラローラー38によって付勢されることにより、媒体送りローラー36及び従動ローラー36aと巻取リール31との間、及びアイドラローラー38と巻取リール32との間の部分が、弛み無く張られた状態になっている。
したがって、記録媒体10は、巻取リール32に巻き取られる際の状態が、略平坦に維持され易くなっている。なお、媒体送りローラー36における記録媒体10の送り速度と、巻取リール32における記録媒体10の巻き取り速度との差によって、媒体送りローラー36と巻取リール32との間の部分の弛み量が変動する。しかし、弛み量の変動に追従してアイドラローラー38の位置が変わることにより、弛み無く張られた状態に維持されるようになっている。また、吸着ユニット33の移動による、媒体送りローラー36と巻取リール32との間における記録媒体10の弛み量の変動についても、同様にして、弛み無く張られた状態に維持されるようになっている。
このような状態のもとで、記録媒体10は供給リール31から巻取リール32まで送られ、途中の吸着テーブル(媒体保持部)33aの保持面上に保持された部位に、記録(印刷)がなされるようになっている。
ヘッド機構部2は、ヘッドキャリッジ22と、X軸走査機構11とを備えている。
X軸走査機構11は、X軸ガイド11aとX軸スライダー11bと支持台11dとをそれぞれ二組備え、さらにガイドレール支持柱11cを4本備えて構成されている。支持柱台11dは、吸着テーブル33aのX軸方向に、該吸着テーブル33aを挟んでその両側にそれぞれ一つずつ配設されており、前述した一対のY軸ガイドレール42a、42aを間に挟む位置に配設されている。一方のY軸ガイドレール42aと支持柱台11dとの間には、メンテナンス部5が配設されている。
X軸走査機構11は、X軸ガイド11aとX軸スライダー11bと支持台11dとをそれぞれ二組備え、さらにガイドレール支持柱11cを4本備えて構成されている。支持柱台11dは、吸着テーブル33aのX軸方向に、該吸着テーブル33aを挟んでその両側にそれぞれ一つずつ配設されており、前述した一対のY軸ガイドレール42a、42aを間に挟む位置に配設されている。一方のY軸ガイドレール42aと支持柱台11dとの間には、メンテナンス部5が配設されている。
二つの支持柱台11d、11dのそれぞれの上には、そのY軸方向おける両端部に、ガイドレール支持柱11cがそれぞれ1本ずつ、計2本立設されている。二つのX軸ガイドレール11aのうちの一方は、支持柱台11dの供給リール31の側の端部にそれぞれ立設されたガイドレール支持柱11c間に架け渡されて、吸着テーブル33aの上方にてX軸方向に延在した状態で配設されている。また、一対のX軸ガイドレール11aのうちの他方は、支持柱台11dの巻取リール32の側の端部にそれぞれ立設されたガイドレール支持柱11c間に架け渡されて、吸着テーブル33aの上方にてX軸方向に延在した状態で配設されている。
X軸スライダー11bは、X軸ガイドレール11a上に配設されたもので、X軸駆動モーター(図示せず)によってX軸ガイドレール11a上をその延在方向に摺動するように構成されたものである。2本のX軸ガイドレール11aのそれぞれに支持されたX軸スライダー11bには、ヘッドキャリッジ22のブリッジプレート27の両端部がそれぞれ固定されている。両端部がそれぞれX軸スライダー11bに固定されたブリッジプレート27は、X軸スライダー11bに支持された状態で、2本のX軸ガイドレール11aの間に懸架されている。このような構成のもとに、ブリッジプレート27は、X軸駆動モーターによってX軸ガイドレール11a上をその延在方向に摺動するようになっており、また、X軸方向における任意の位置に保持されるようになっている。
ヘッドキャリッジ22は、ブリッジプレート27と、サブキャリッジ28と、ヘッドユニット21とを備えて構成されている。サブキャリッジ28は、ブリッジプレート27の下面略中央部に設けられたもので、このサブキャリッジ28の下面側には、ヘッドユニット21が固定されている。ヘッドユニット21の下面側には吐出ヘッド20が備えられており、この吐出ヘッド20の底部側には、図2(a)に示すようにノズル24を形成したノズル基板25が配設されている。このような構成のもとに吐出ヘッド20は、前記の吸着テーブル33aの保持面上に位置させられるようになっており、その際、ノズル基板25を保持面に対向させるようになっている。
ここで、吸着ユニット33はY軸走査機構42によってY軸方向に移動可能になっており、したがって吸着テーブル33aの保持面はY軸方向に移動可能になっている。すなわち、記録媒体10における吸着テーブル33aの保持面に吸着保持された部位を、Y軸方向に走査させることが可能になっている。
一方、サブキャリッジ28に固定されたヘッドユニット21の吐出ヘッド20は、X軸走査機構11によってサブキャリッジ28が設けられたブリッジプレート27がX軸方向に移動させられることにより、X軸方向に走査させられるようになっている。
一方、サブキャリッジ28に固定されたヘッドユニット21の吐出ヘッド20は、X軸走査機構11によってサブキャリッジ28が設けられたブリッジプレート27がX軸方向に移動させられることにより、X軸方向に走査させられるようになっている。
このような構成のもとに、X軸走査機構11によってヘッドユニット21の吐出ヘッド20をX軸方向に走査させ、Y軸走査機構42によって記録媒体10における吸着テーブル33aの保持面に吸着保持された部位をY軸方向に走査させることができる。すなわち、記録媒体10における吸着テーブル33aの保持面に吸着保持された部位のほぼ全面に対して、吐出ヘッド20のノズル24を対向させることができるようになっている。
よって、吸着テーブル33aの保持面上に吸着保持された記録媒体10の被記録部分を、Y軸方向の吐出位置まで移動させて停止させ、ヘッドユニット21のX軸方向の移動に同調させて、吐出ヘッド20から紫外線硬化型インクを液滴として吐出させることで、記録媒体10上の所望位置に紫外線硬化型インクの液滴(ドット)を配することができる。したがって、ヘッドユニット21をX軸方向に移動させる主走査と、吸着テーブル33aの保持面に吸着保持された記録媒体10をY軸方向に移動させる副走査(改行)とを、後述するように制御部60で制御することにより、吸着テーブル33aの保持面に保持された記録媒体10上の任意の位置にヘッドユニット21の吐出ヘッド20を対向させ、その状態で紫外線硬化型インクを液滴として吐出させることができる。これにより、記録媒体10に所望の画像を形成(記録)することが可能になる。
次に、吐出ヘッドについて、図2(a)〜(c)、図3を参照して説明する。図2(a)〜(c)は吐出ヘッドの概略構成を示す図であり、図2(a)は吐出ヘッド20の概略構成を示す外観斜視図、(b)は吐出ヘッド20の内部構造を説明するための要部斜視図、(c)は吐出ヘッド20のノズル部分を示す要部側断面図である。また、図3は吐出ヘッド20の吐出面(下面)を示す平面図であって、ノズル列の概略構成を説明するための図である。なお、図2(a)、図3に示したX軸、Y軸、(Z軸)は、吐出ヘッド20が液滴吐出装置1に組み込まれた状態を示す図1(a)、(b)における、X軸、Y軸、(Z軸)に一致している。
図2(a)に示すように吐出ヘッド20は、ノズル基板25を備えて形成されたもので、ノズル基板25には、多数のノズル24がY軸方向に沿って直線状に配列されてなるノズル列70が、X軸方向に複数列形成されている。本実施形態では、図3に示すようにノズル列70が8列形成されている。これらノズル列70は、本実施形態では色材を有する画像形成用のインク、すなわちカラーインクを吐出するノズルを配列した第1のノズル列71と、アンダーコート用又はオーバーコート用のインク、すなわち色材を有さないクリアインクや白色インク等を吐出するノズルを配列した第2のノズル列72と、からなっている。
具体的には、図3中において左側から順に、第1のノズル列71として、カラーンクとしてのC(シアン)を吐出する第1のノズル列71C、M(マゼンタ)を吐出する第1のノズル列71M、Y(イエロー)を吐出する第1のノズル列71Y、黒(K)を吐出する第1のノズル列71Kが、それぞれ1列ずつ配置されている。さらに、第2のノズル列72として、アンダーコート用のクリアインクを吐出する第2のノズル列72CR、オーバーコート用の白色インクを吐出する第2のノズル列72Wが、それぞれ2列ずつ配置されている。すなわち、本実施形態では、第2のノズル列72CR、72Wの数が、カラーインクを吐出する第1のノズル列71C、71M、71Y、71Kのそれぞれの数より、多く配置されている。
ここで、図3中において左側から奇数番目のノズル列、すなわち1番目の第1のノズル列71C、3番目の第1のノズル列71Y、5番目の第2のノズル列72CR、7番目の第2のノズル列72Wは、Y軸方向において対応するノズル24どうしの位置が各ノズル列間において同じに配置され、かつ、Y軸方向沿うノズル24間の間隔が全て同じに形成配置されている。したがって、各ノズル列の各ノズル24は等ピッチに配置されている。同様に、図3中において左側から偶数番目のノズル列、すなわち2番目の第1のノズル列71M、4番目の第1のノズル列71K、6番目の第2のノズル列72CR、8番目の第2のノズル列72Wも、Y軸方向において対応するノズル24どうしの位置が各ノズル列間において同じに配置され、かつ、Y軸方向沿うノズル24間の間隔が全て同じに形成配置されている。したがって、各ノズル列の各ノズル24は等ピッチに配置されている。
ただし、X軸方向において隣り合う二つのノズル列間、例えば第1のノズル列71Cと第1のノズル列71Mとの間、第1のノズル列71Yと第1のノズル列71Kの間、二つの第2のノズル列72CR間、二つの第2のノズル列72W間では、それぞれ、ノズル24の位置がY軸方向において半ピッチずれた千鳥状になっている。
なお、各ノズル列71、72は、本実施形態では全てノズル24を180個配列して形成されている。
そして、このようなノズル24から紫外線硬化型インクを液滴として吐出し、対向する記録媒体10の面上に着弾させることで、吐出ヘッド20は記録媒体10上の所望位置に紫外線硬化型インクを配することができるようになっている。
なお、各ノズル列71、72は、本実施形態では全てノズル24を180個配列して形成されている。
そして、このようなノズル24から紫外線硬化型インクを液滴として吐出し、対向する記録媒体10の面上に着弾させることで、吐出ヘッド20は記録媒体10上の所望位置に紫外線硬化型インクを配することができるようになっている。
図2(b)、(c)に示すように吐出ヘッド20は、ノズル基板25上に圧力室プレート51を積層し、さらに圧力室プレート51上に振動板52を積層したものである。圧力室プレート51には、吐出ヘッド20に供給される紫外線硬化型インクが常に充填される液たまり55が形成されており、液たまり55は、振動板52とノズル基板25と、壁部(図示せず)とに囲まれた空間からなっている。紫外線硬化型インクは、振動板52の液供給孔53を経由して液たまり55に供給されるようになっている。また、圧力室プレート51には、複数のヘッド隔壁57によって区画された圧力室58が形成されている。
圧力室58はノズル24のそれぞれに対応して設けられており、圧力室58の数とノズル24の数とは同じになっている。圧力室58には、2つのヘッド隔壁57の間に位置する供給口56を介して、液たまり55から機能液が供給されるようになっている。ヘッド隔壁57の圧力室58とノズル24と供給口56との組は、液たまり55に沿って1列に並んでおり、1列に並んだノズル24がノズル列24Aを形成している。図2(b)では図示を省略しているが、ノズル24Aを含むノズル列24Aに対して、その側方にもう1列のノズル列24Aが形成されている。
図2(c)に示すように振動板52上には、それぞれの圧力室58に対応して、すなわち個々のノズル24に対応して圧電素子59が配置されている。圧電素子59は、下部電極と上部電極との間に圧電層を挟持したもので、電極間に駆動波形(駆動電圧)が印加されることで、対応するノズル24から紫外線硬化型インクを吐出させるようになっている。ここで、圧電素子59は、図1(a)、(b)に示した制御部60によって制御されるようになっている。
制御部60は、本実施形態では前記ブリッジプレート27上に配置されており、吐出ヘッド20の吐出動作を制御するとともに、前記X軸走査機構11を制御してヘッドユニット21の吐出ヘッド20をX軸方向に走査(主走査)させ、かつ、前記Y軸走査機構42を制御して記録媒体10における吸着テーブル33aの保持面に吸着保持された部位をY軸方向に走査(副走査)させるようになっている。なお、制御部60については、吐出ヘッド20の吐出動作を制御する吐出制御部と、X軸走査機構11及びY軸走査機構42を制御する走査制御部とに分けて構成してもよく、その場合には、吐出制御部を図1(a)、(b)に示したようにブリッジプレート27上に配置し、走査制御部を液滴吐出装置1の脚部もしくは傍に制御ラックとして配置してもよい。
吐出ヘッド20の吐出動作制御として具体的には、本実施形態では前記圧電素子59の電極間に印加する駆動波形(駆動電圧)の選択を行うようなっている。すなわち、制御部60は、例えば図4に示すような予め設定された3種類の駆動波形S、M、Lからなる駆動信号(駆動電圧)が、それぞれ発生可能になっている。そして、これら3種類の駆動波形S、M、L(駆動電圧)から1種類の駆動波形を選択し、制御対象となるノズル24の圧電素子59に印加するようになっている。
ここで、ノズル24からの吐出量は、圧電素子59に与えられた駆動波形によって決定される。すなわち、ノズル24からの吐出量は、図4中の各駆動波形における、最大電位VH1〜VH3と最小電位VLとの差VS1〜VS3に応じて決定される。差VSが最も大きい駆動波形Lでは、最も液滴径が大きい液滴(ドット)、つまり最大径の液滴であって、最大重量となる液滴が吐出されるようになっている。また、差VSが最も小さい駆動波形Sでは、最も液滴径が小さい液滴(最小径の液滴)であって、最小重量となる液滴が、吐出されるようになっており、駆動波形Mでは、駆動波形Lの場合と駆動波形Sの場合との中間の大きさの液滴であって、重量も中間の液滴が吐出されるようになっている。
このような構成のもとに制御部60は、吐出ヘッド20の各ノズル列70から吐出するインクの液滴径を制御する、液滴径制御部としての機能を有している。なお、本実施形態では、制御部60は形成する画像に応じて、全てのノズル列70から吐出するインクの液滴径、すなわちドットあたりの重量を決定し、前記3種類の駆動波形S、M、Lから1種を選択して圧電素子59に印加させるようになっている。
また、制御部60は、前記X軸走査機構11を制御することでX軸方向の主走査をなさせるとともに、前記Y軸走査機構42を制御することでY軸方向の副走査をなさせるようになっている。さらに、このようなX軸走査機構11及びY軸走査機構42の制御による走査制御とともに、各走査時でのノズル24(ノズル列70)からの吐出制御をなすようになっている。つまり、各走査に対応して吐出を制御する、吐出制御部としての機能も有している。
次に、ヘッド機構部2が備えるヘッドユニット21の概略構成について、図5を参照して説明する。図5は、ヘッドユニットの概略構成を示す底面図である。なお、図5に示したX軸及びY軸は、図1に示したX軸及びY軸に一致している。
図5に示すようにヘッドユニット21は、サブキャリッジ28の下面に取り付けられたユニットプレート23と、ユニットプレート23の下面側に搭載された9個の吐出ヘッド20とを有し、さらにこれら9個の吐出ヘッド20のX軸方向における両側に、紫外線を照射する照射装置80をそれぞれ配設したものである。なお、図5では吐出ヘッド20を9個配設しているが、吐出ヘッド20の数についてはこれに限定されることなく、例えば15個配設した構成であってもよい。
図5に示すようにヘッドユニット21は、サブキャリッジ28の下面に取り付けられたユニットプレート23と、ユニットプレート23の下面側に搭載された9個の吐出ヘッド20とを有し、さらにこれら9個の吐出ヘッド20のX軸方向における両側に、紫外線を照射する照射装置80をそれぞれ配設したものである。なお、図5では吐出ヘッド20を9個配設しているが、吐出ヘッド20の数についてはこれに限定されることなく、例えば15個配設した構成であってもよい。
吐出ヘッド20は、ノズル基板25を下方に向けた状態で、保持部材(図示せず)によってユニットプレート23に固定されている。また、9個の吐出ヘッド20は、Y軸方向に分かれて、それぞれ3個ずつの吐出ヘッド20からなるヘッド組20Aを、3つ形成している。なお、各吐出ヘッド20のノズル列24Aは、ヘッドユニット21が液滴吐出装置1に取り付けられた状態で、Y軸方向に沿って配列させられている。
一つのヘッド組20Aを構成する3個の吐出ヘッド20は、Y軸方向において、互いに隣り合う吐出ヘッド20の、一方の吐出ヘッド20の端のノズル24に対して、もう一方の吐出ヘッド20の端のノズル24が、1ノズルピッチずれて配置されている。このような構成のもとにヘッド組20Aが有する3個の吐出ヘッド20は、全てのノズル24のX軸方向の位置を同じにすると、全てのノズル24がY軸方向に等ピッチで並ぶようになる。すなわち、X軸方向の同じ位置において、それぞれの吐出ヘッド20が有するそれぞれのノズル列24Aを構成するノズル24から吐出される液滴は、設計上では、Y軸方向に等間隔に並んで一直線に着弾するようになる。
また、ヘッドユニット21が有する3つのヘッド組20Aは、全てのノズル24のX軸方向の位置を同じにすると、全てのノズル24がY軸方向に等ピッチで並ぶようになっている。すなわち、X軸方向の同じ位置において、それぞれの吐出ヘッド20が有するそれぞれのノズル列24Aを構成するノズル24から吐出される液滴は、設計上では、Y軸方向に等間隔に並んで一直線に着弾するようになっている。したがって、ヘッドユニット21が備える三つのヘッド組20Aにおける9個の吐出ヘッド20が有する18列のノズル列24Aは、1本のノズル列として扱うことができる。
照射装置80は、紫外線光源(図示せず)を備えて構成されたもので、紫外線光源を下方に向けた状態でサブキャリッジ28又はユニットプレート23に固定されている。照射装置80は、前記したように吐出ヘッド20のX軸方向における両側にそれぞれ配設されたものであり、これによって吐出ヘッド20から記録媒体10に向けて紫外線硬化型インクが吐出された直後に、記録媒体10に着弾した紫外線硬化型インクに対して紫外線を照射できるようになっている。すなわち、吐出ヘッド20はX軸方向に走査(主走査)されつつ、紫外線硬化型インクを吐出する。したがって、ユニットプレート23がX軸方向に走査された際、走査方向に対して後側に位置する照射装置80から記録媒体10に向けて紫外線を照射することにより、記録媒体10上に着弾している紫外線硬化型インクに対して紫外線を照射することができるようになっている。
ここで、紫外線光源としては、メタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ等を用いることができる。また、紫外帯域で発光するLEDを用いることもできる。
このような紫外線光源から照射される紫外線によって硬化する紫外線硬化型インクとしては、ビヒクル、光重合開始剤および顔料の混合物に、消泡剤、重合禁止剤等の補助剤を添加して調合されたものが挙げられる。ビヒクルは、光重合硬化性を有するオリゴマー、モノマー等を、反応性希釈剤により粘度調整して調合される。したがって、インクを硬化させ目的で溶媒を揮発させることはない。
ビヒクルとしては、単官能あるいは多官能の重合性化合物が使用できる。より具体的には、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート等のオリゴマー(プレポリマー)を例示でき、インクとしての粘度を調整する反応性希釈剤もこれらの材料を用いることができる。
光重合開始剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾイン系、アセトフェノン系、チオキサントン系が広く用いられる。より具体的には、4−benzoyl−N,N,N−trimethyl benzene methaneannmonium chloride、2−hydroxy 3−(4−benzoyl−phenoxy)−N,N,N− trimethyl 1−propane annmonium chloride、4−benzoyl−N,N−dimethyl N−[2− (1−oxo−2−propenyloxy) ethyl] benzene methammonium bromide等、第4級アンモニウム塩型の水溶性有機物等を用いることができる。この種の光重合開始剤は、その組成に応じて、紫外線吸収特性、反応開始効率、黄変性等が異なるので、インクとしての色等に応じて使い分けられる。
重合禁止剤としては、ラジカル捕捉能力を有してラジカル重合を阻害する化合物であれば何れも使用できる。ただし、インクジェット式記録装置における吐出適性等を配慮すると、ハイドロキノン類、カテコール類、ヒンダードアミン類、フェノール類、フェノチアジン類、縮合芳香族環のキノン類から選択された少なくとも1種類以上の化合物が好ましい。
ハイドロキノン類としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、1−o−2,3,5−トリメチルハイドロキノン、2−tert−ブチルハイドロキノン等を例示できる。カテコール類としては、カテコール、4−メチルカテコール、4−tert−ブチルカテコール等を例示できる。ヒンダードアミン類としては、テトラメチルピペリジニル基を有する化合物等を例示できる。
また、フェノール類としては、フェノール、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ピロガロール、没食子酸、没食子酸アルキルエステル等を例示できる。フェノチアジン類としては、フェノチアジン等を例示できる。前記縮合芳香族環のキノン類としては、ナフトキノン等を例示できる。
さらに、重合禁止剤は、カーボンブラックまたは表面に重合防止官能基を導入した無機・有機微粒子であってもよい。重合防止官能基としては、例えば、ヒドロキシフェニル基、ジヒドロキシフェニル基、テトラメチルピペリジニル基、縮合芳香族環等を例示できる。
なお、このような紫外線硬化型インクとしては、顔料や染料等の色材(色成分)を含むカラーインクが挙げられるが、アンダーコート、オーバーコートを行うためのクリアインクを挙げることもできる。また、色材を含むものの、オーバーコートを行うために用いられる白色インクや、黒色インクも挙げることができる。
このような構成の液滴吐出装置1によって記録媒体10に対しインクを吐出し、所望の画像を印刷(記録)するには、まず、制御部60により、X軸走査機構11におけるX軸駆動モーターやY軸走査機構42におけるY軸駆動モーターを駆動させ、吐出ヘッド20と吸着テーブル33a上の記録媒体10との相対的位置を逐次変化させる。また、このような走査制御と並行して、吐出ヘッド20の圧電素子59に駆動波形(駆動電圧)を印加してこれ駆動させ、吐出ヘッド20の各ノズル列70から紫外線硬化型インクを記録媒体10に向けて吐出し、着弾させる。
このようにして各ノズル列70から紫外線硬化型インクを吐出させると、記録媒体10の所定領域、すなわち単位面積あたりの吐出速度を従来に比べて速める(高める)ことができる。すなわち、この液滴吐出装置1では、アンダーコート用のインクを吐出する第2のノズル列72CRの数、及びオーバーコート用のインクを吐出する第2のノズル列72Wの数を、画像形成用のカラーインクを吐出する第1のノズル列71C、71M、71Y、71Kの数より多くしているので、第2のノズル列72CR、72Wを構成するノズル24の吐出デューティー、すなわち吐出ヘッド20全体の吐出能力を100%としたときの、第2のノズル列72CR、72Wを構成するノズル24が吐出可能な比率を、大きくすることができる。
したがって、前述したように液滴吐出装置の描画能力は基本的に全面塗布(べた塗り)で行うアンダーコート用やオーバーコート用のノズル24(第2のノズル列72CR、72Wのノズル24)の吐出デューティーに依存するため、本実施形態の液滴吐出装置1は、良好な描画能力を有するものとなる。
よって、液滴吐出装置1は、その吐出ヘッド20が、画像形成用のカラーインクを吐出するノズル列71と、アンダーコート用又はオーバーコート用のクリアインク等を吐出するノズル列72とを共に有しているにもかかわらず、良好な描画能力を有しているため、装置競争力の高いものとなる。
よって、液滴吐出装置1は、その吐出ヘッド20が、画像形成用のカラーインクを吐出するノズル列71と、アンダーコート用又はオーバーコート用のクリアインク等を吐出するノズル列72とを共に有しているにもかかわらず、良好な描画能力を有しているため、装置競争力の高いものとなる。
特に、第1のノズル列71が、C、M、Y、Kの4種のインクに対応してそれぞれのノズル列71C、71M、71Y、71Kを有しているのに対して、第2のノズル列72CR、72Wはその数がいずれも各第1のノズル列71より多くなっているため、アンダーコートについての吐出能力もオーバーコートについての吐出能力も共に高くなり、したがってより高い描画能力を有するものとなる。
また、画像形成用のカラーインクとアンダーコート用、オーバーコート用のインクとが、共に紫外線硬化型インクであるので、前述したように記録媒体10上でインク滴を小さくして高解像度の画像を形成するべく、アンダーコート描画を行うような際に、良好な描画能力を発揮するようになる。
次に、本発明の液滴吐出装置の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態の液滴吐出装置が前記第1の実施形態の液滴吐出装置1と異なるところは、制御部60による、吐出ヘッド20の各ノズル列70から吐出するインクの液滴径についての制御にある。
第2の実施形態の液滴吐出装置が前記第1の実施形態の液滴吐出装置1と異なるところは、制御部60による、吐出ヘッド20の各ノズル列70から吐出するインクの液滴径についての制御にある。
すなわち、第2の実施形態の液滴吐出装置において制御部60は、第2のノズル列72CRから吐出するアンダーコート用のインク、及び第2のノズル列72Wから吐出するオーバーコート用のインクの液滴径を、それぞれ吐出可能な液滴径の最大径となるように、吐出制御するよう構成されている。具体的には、図4に示した駆動波形S、M、Lのうち、最も液滴径が大きく、したがって最大径の液滴であって、最大重量となる液滴を吐出する駆動波形Lを選択し、第2のノズル列72CR、第2のノズル列72Wの各ノズル24に対応する圧電素子59に印加させるようになっている。
一方、第1のノズル列71C、71M、71Y、71Kに対しては、前記第1の実施形態と同様に制御部60は、形成する画像に応じて、各ノズル列71から吐出するインクの液滴径、すなわちドットあたりの重量を決定し、前記3種類の駆動波形S、M、Lから1種を選択して圧電素子59に印加させるようになっている。
よって、この第2の実施形態の液滴吐出装置、及びこれを用いてなる本発明の液滴吐出方法にあっては、第2のノズル列72から吐出されるインクの液滴径、すなわち液滴重量を、吐出可能な液滴径の最大径(最大液滴重量)となるように吐出制御するので、吐出ヘッド20全体の吐出能力(吐出インク量)に占める、第2のノズル列72CR、72Wを構成するノズル24の吐出能力(吐出インク量)を高めることができる。したがって、第2のノズル列72CR、72Wから吐出するアンダーコート用及びオーバーコート用のインクの吐出能力が高くなるため、良好な描画能力を有するものとなり、装置競争力の高い液滴吐出装置となる。
なお、本実施形態では、吐出ヘッド20における各ノズル列70を、第1の実施形態と同様に図3に示した構成としており、これによって第2のノズル列72CR、72Wを構成するノズル24の吐出デューティーを、相乗的に高めている。
ただし、第2のノズル列72CR、72Wから吐出するインクの液滴径を、それぞれ吐出可能な液滴径の最大径となるように吐出制御する本実施形態では、各ノズル列70の数を、図3に示したように構成することなく、例えば第1のノズル列71と第2のノズル列72とを、同じ数ずつ設けるようにしてもよい。
ただし、第2のノズル列72CR、72Wから吐出するインクの液滴径を、それぞれ吐出可能な液滴径の最大径となるように吐出制御する本実施形態では、各ノズル列70の数を、図3に示したように構成することなく、例えば第1のノズル列71と第2のノズル列72とを、同じ数ずつ設けるようにしてもよい。
次に、本発明の液滴吐出装置の第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態の液滴吐出装置が前記第1の実施形態の液滴吐出装置1と異なるところは、制御部60による各走査時での、ノズル24(ノズル列70)からの吐出制御にある。
すなわち、第3の実施形態の液滴吐出装置において制御部60は、第2のノズル列72CR、72Wから記録媒体10の所定領域に向けてインクを吐出する際の走査回数を、第1のノズル列71C、71M、71Y、71Kから前記記録媒体10の所定領域に向けてインクを吐出する際の走査回数より、少なくなるように吐出制御している。
第3の実施形態の液滴吐出装置が前記第1の実施形態の液滴吐出装置1と異なるところは、制御部60による各走査時での、ノズル24(ノズル列70)からの吐出制御にある。
すなわち、第3の実施形態の液滴吐出装置において制御部60は、第2のノズル列72CR、72Wから記録媒体10の所定領域に向けてインクを吐出する際の走査回数を、第1のノズル列71C、71M、71Y、71Kから前記記録媒体10の所定領域に向けてインクを吐出する際の走査回数より、少なくなるように吐出制御している。
通常、図3に示したような吐出ヘッド20を複数(9個)備えたヘッドユニット21を用い、記録媒体10の所定領域、すなわち一連の描画動作で行う領域(面積)にインクを吐出する際には、吐出むらが生じないようにノズル分散やヘッド分散を行っている。これは、特定のノズル24からの吐出量が他のノズル24からの吐出量と大きく異なっていたり、特定の吐出ヘッド20からの吐出傾向が他の吐出ヘッド20からの吐出傾向と大きく異なっていたりする場合、これらノズル24や吐出ヘッド20から規則的にインクを吐出させると、得られる画像にすじむらなどが形成されてしまうためである。
すなわち、特定のノズル24や吐出ヘッド20から規則的にインクを吐出されることによるすじむら等を防止するため、特に吐出ヘッド20を主走査方向(X軸方向)に走査させる際、例えば走査回毎に吐出するノズル24を変え、ノズル分散を行っている。同様に、吐出ヘッド20を変えることにより、ヘッド分散を行っている。
例えば、図6(a)に示すように記録媒体10の所定領域Rを、図3に示した吐出ヘッド20で描画するものとする。なお、実際には、単一の吐出ヘッド20ではなく図5に示したヘッドユニット21で吐出を行うが、説明を簡略化するため、単一の吐出ヘッド20で吐出を行うものとする。また、図6(a)、(b)に示したX軸、Y軸は、吐出ヘッド20が液滴吐出装置1に組み込まれた状態を示す図1(a)、(b)における、X軸、Y軸に一致している。
このような吐出ヘッド20で所定領域Rを描画する場合、画像形成用のカラーインクを吐出する第1のノズル列71からは、例えば図6(a)中に矢印で示すようにX軸方向(主走査方向)に8回走査し、各走査中にノズル24からインクを吐出させることで、ノズル分散を行う。なお、X軸方向の各走査の間には、行変えとしてY軸方向の走査(副走査)を行う。
その際、X軸方向での各主走査中に、図6(b)中に(1)〜(8)で示すように、Y軸方向に沿う単位列領域S上で異なる8つのノズル24を用いて吐出を行うようにしている。すなわち、同じ単位列領域S上に同じノズル24から吐出を行うことにより、すじむらが生じるのを防止すべく、ノズル分散を行っている。
これに対し、第2のノズル列72からの吐出については、X軸方向の走査(主走査)を第1のノズル列71の場合より少ない回数、例えば2回にする。これは、アンダーコート用のクリアインクやオーバーコート用の白色インクは、カラーインクに比べてむらが視認しにくく、したがってすじむらなどが目立たないためである。なお、2回の走査で吐出を完了させるためには、一回の走査で、2列ある第2のノズル列72CR、72Wの両方の列のノズル24から吐出動作を行わせるようにする。また、一つのノズル列72から異なる二つのノズル24を選択し、同時に吐出をなさせるようにする。このようにすることで、8回の走査を行う第1のノズル列71からの吐出と同等の吐出を、第2のノズル列72CR、72Wでも行うことが可能になる。
よって、この第3の実施形態の液滴吐出装置、及びこれを用いてなる本発明の液滴吐出方法にあっては、第2のノズル列72から記録媒体10の所定領域Rに向けてインクを吐出する際の走査回数が、第1のノズル列71から前記記録媒体10の所定領域Rに向けてインクを吐出する際の走査回数より少なくなるように吐出制御するので、同一の所定領域Rにインクを吐出する際の、アンダーコート用及びオーバーコート用のインクを吐出する第2のノズル列72の吐出能力を、第1のノズル列71の吐出能力に比べて相対的に高めることができる。したがって、第2のノズル列72CR、72Wから吐出するアンダーコート用及びオーバーコート用のインクの吐出能力が高くなるため、良好な描画能力を有するものとなり、装置競争力の高い液滴吐出装置となる。
なお、本実施形態でも、吐出ヘッド20における各ノズル列70を、第1の実施形態と同様に図3に示した構成としており、これによって第2のノズル列72CR、72Wを構成するノズル24の吐出デューティーを、相乗的に高めている。
ただし、第2の実施形態の場合と同様に、各ノズル列70の数を、図3に示したように構成することなく、例えば第1のノズル列71と第2のノズル列72とを、同じ数ずつ設けるようにしてもよい。
また、第2のノズル列72からインクを吐出する際の走査回数が、第1のノズル列71からインクを吐出する際の走査回数より少なくなるようにする吐出制御を、アンダーコート用のインクを吐出する第2のノズル列72CR、オーバーコート用のインクを吐出する第2のノズル列72Wの、いずれか一方にのみ適用するようにしてもよい。
ただし、第2の実施形態の場合と同様に、各ノズル列70の数を、図3に示したように構成することなく、例えば第1のノズル列71と第2のノズル列72とを、同じ数ずつ設けるようにしてもよい。
また、第2のノズル列72からインクを吐出する際の走査回数が、第1のノズル列71からインクを吐出する際の走査回数より少なくなるようにする吐出制御を、アンダーコート用のインクを吐出する第2のノズル列72CR、オーバーコート用のインクを吐出する第2のノズル列72Wの、いずれか一方にのみ適用するようにしてもよい。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、本発明の液滴吐出装置を、連続した長尺な記録媒体に対して印刷を行う印刷装置に適用したが、本発明はこれに限定されることなく、例えば対象とする記録媒体としては長尺なものでなく矩形状の基板とすることもできる。また、このような基板としては、前述した樹脂以外に、ガラス基板を対象とすることもできる。
また、前記実施形態では、照射装置80は、サブキャリッジ28又はユニットプレート23に固定され、X軸走査機構11によってヘッドユニット21をX軸方向に走査させるシリアル型の印刷装置に適用したが、本発明はこれに限定されることなく、ヘッドキャリッジの長さが記録媒体10の印刷領域の幅方向の長さ以上であるヘッドキャリッジ、いわゆるラインヘッドを採用してもよい。また、記録媒体10の印刷領域の幅方向の長さ以上の長さを有する照射装置、いわゆる、ライン状の照射装置を採用してもよい。
また、前記実施形態では、本発明を主に工業的な用途の液滴吐出装置に適用した場合について説明したが、民生用途のプリンターに本発明を適用することもできる。
例えば、前記実施形態では、本発明の液滴吐出装置を、連続した長尺な記録媒体に対して印刷を行う印刷装置に適用したが、本発明はこれに限定されることなく、例えば対象とする記録媒体としては長尺なものでなく矩形状の基板とすることもできる。また、このような基板としては、前述した樹脂以外に、ガラス基板を対象とすることもできる。
また、前記実施形態では、照射装置80は、サブキャリッジ28又はユニットプレート23に固定され、X軸走査機構11によってヘッドユニット21をX軸方向に走査させるシリアル型の印刷装置に適用したが、本発明はこれに限定されることなく、ヘッドキャリッジの長さが記録媒体10の印刷領域の幅方向の長さ以上であるヘッドキャリッジ、いわゆるラインヘッドを採用してもよい。また、記録媒体10の印刷領域の幅方向の長さ以上の長さを有する照射装置、いわゆる、ライン状の照射装置を採用してもよい。
また、前記実施形態では、本発明を主に工業的な用途の液滴吐出装置に適用した場合について説明したが、民生用途のプリンターに本発明を適用することもできる。
1…液滴吐出装置、10…記録媒体、20…吐出ヘッド、60…制御部、70…ノズル列、71、71C、71M、71Y、71K…第1のノズル列、72、72CR、72W…第2のノズル列
Claims (7)
- インクを吐出する吐出ヘッドを備える液滴吐出装置であって、
前記吐出ヘッドは、色材を有する画像形成用のインクを吐出するノズルからなる第1のノズル列と、アンダーコート用又はオーバーコート用のインクを吐出するノズルからなる第2のノズル列とを有してなり、
前記第2のノズル列の数は、前記第1のノズル列における、少なくとも一色の色材を有するインクについてのノズル列の数より多いことを特徴とする液滴吐出装置。 - 前記第1のノズル列は、色材が異なる複数種のインクに対応してそれぞれのノズル列を有してなり、
前記第2のノズル列の数は、前記複数種のインクに対応するノズル列の、それぞれの数より多いことを特徴とする請求項1記載の液滴吐出装置。 - 前記画像形成用のインクと前記アンダーコート用又はオーバーコート用のインクとは、共に紫外線硬化性を有する成分を含む紫外線硬化型インクであることを特徴とする請求項1又は2に記載の液滴吐出装置。
- インクを吐出する吐出ヘッドを備える液滴吐出装置であって、
前記吐出ヘッドは、色材を有する画像形成用のインクを吐出するノズルからなる第1のノズル列と、アンダーコート用又はオーバーコート用のインクを吐出するノズルからなる第2のノズル列とを有してなり、
前記吐出ヘッドの各ノズル列から吐出するインクの液滴径を制御する液滴径制御部を備え、
前記液滴径制御部は、前記第2のノズル列から吐出されるインクの液滴径が、吐出可能な液滴径の最大径となるように吐出制御することを特徴とする液滴吐出装置。 - インクを吐出する吐出ヘッドを備える液滴吐出装置であって、
前記吐出ヘッドは、色材を有する画像形成用のインクを吐出するノズルからなる第1のノズル列と、アンダーコート用又はオーバーコート用のインクを吐出するノズルからなる第2のノズル列とを有してなり、
前記吐出ヘッドの各ノズル列からのインクの吐出制御をする吐出制御部を備え、
前記吐出制御部は、前記第2のノズル列から記録媒体の所定領域に向けてインクを吐出する際の走査回数が、前記第1のノズル列から前記記録媒体の所定領域に向けてインクを吐出する際の走査回数より少なくなるように吐出制御することを特徴とする液滴吐出装置。 - 色材を有する画像形成用のインクを吐出するノズルからなる第1のノズル列と、アンダーコート用又はオーバーコート用のインクを吐出するノズルからなる第2のノズル列とを有してなる吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置を用い、記録媒体に対して前記吐出ヘッドからインクを吐出して画像を形成する液滴吐出方法であって、
前記第2のノズル列から吐出するインクの液滴径を、前記吐出ヘッドから吐出可能な液滴径の最大径となるように吐出制御することを特徴とする液滴吐出方法。 - 色材を有する画像形成用のインクを吐出するノズルからなる第1のノズル列と、アンダーコート用又はオーバーコート用のインクを吐出するノズルからなる第2のノズル列とを有してなる吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置を用い、記録媒体に対して前記吐出ヘッドからインクを吐出して画像を形成する液滴吐出方法であって、
前記第2のノズル列から前記記録媒体の所定領域に向けてインクを吐出する際の走査回数が、前記第1のノズル列から前記記録媒体の所定領域に向けてインクを吐出する際の走査回数より少なくなるように吐出制御することを特徴とする液滴吐出方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010209078A JP2012061784A (ja) | 2010-09-17 | 2010-09-17 | 液滴吐出装置及び液滴吐出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010209078A JP2012061784A (ja) | 2010-09-17 | 2010-09-17 | 液滴吐出装置及び液滴吐出方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012061784A true JP2012061784A (ja) | 2012-03-29 |
Family
ID=46058001
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010209078A Withdrawn JP2012061784A (ja) | 2010-09-17 | 2010-09-17 | 液滴吐出装置及び液滴吐出方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012061784A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014065096A1 (ja) * | 2012-10-25 | 2014-05-01 | 富士フイルム株式会社 | インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 |
JP2016501748A (ja) * | 2012-11-29 | 2016-01-21 | ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー.Hewlett‐Packard Development Company, L.P. | プリンティングシステムの動作 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005040994A (ja) * | 2003-07-23 | 2005-02-17 | Seiko Epson Corp | 印刷装置、印刷方法及びプログラム |
JP2006027193A (ja) * | 2004-07-21 | 2006-02-02 | Konica Minolta Holdings Inc | インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 |
JP2006035688A (ja) * | 2004-07-28 | 2006-02-09 | Konica Minolta Medical & Graphic Inc | インクジェット記録装置 |
JP2008530619A (ja) * | 2005-02-21 | 2008-08-07 | コントラ ヴィジョン リミテッド | 視覚制御パネルのuvインクジェット印刷 |
-
2010
- 2010-09-17 JP JP2010209078A patent/JP2012061784A/ja not_active Withdrawn
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005040994A (ja) * | 2003-07-23 | 2005-02-17 | Seiko Epson Corp | 印刷装置、印刷方法及びプログラム |
JP2006027193A (ja) * | 2004-07-21 | 2006-02-02 | Konica Minolta Holdings Inc | インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 |
JP2006035688A (ja) * | 2004-07-28 | 2006-02-09 | Konica Minolta Medical & Graphic Inc | インクジェット記録装置 |
JP2008530619A (ja) * | 2005-02-21 | 2008-08-07 | コントラ ヴィジョン リミテッド | 視覚制御パネルのuvインクジェット印刷 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014065096A1 (ja) * | 2012-10-25 | 2014-05-01 | 富士フイルム株式会社 | インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 |
JP2016501748A (ja) * | 2012-11-29 | 2016-01-21 | ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー.Hewlett‐Packard Development Company, L.P. | プリンティングシステムの動作 |
US9873245B2 (en) | 2012-11-29 | 2018-01-23 | Hewlett-Packard Development Company, L.P. | Operation of printing systems |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8915563B2 (en) | Liquid droplet ejecting apparatus and liquid droplet ejecting method | |
US7735992B2 (en) | Recording apparatus and liquid ejecting apparatus | |
JP5098667B2 (ja) | 記録装置 | |
JP2012213951A (ja) | 液滴噴射装置及び液滴噴射方法 | |
JP2012061784A (ja) | 液滴吐出装置及び液滴吐出方法 | |
US8047645B2 (en) | Recording apparatus and liquid ejecting apparatus | |
JP5707744B2 (ja) | 印刷装置、及び印刷方法 | |
US7854960B2 (en) | Method of manufacturing an optical device, a method of manufacturing a color filter and a method of manufacturing an organic electroluminescence device | |
JP6065038B2 (ja) | 液滴吐出装置 | |
JP5803241B2 (ja) | 液滴噴射装置及び液滴噴射方法 | |
JP2012218340A (ja) | 印刷方法 | |
JP5909859B2 (ja) | 液体噴射装置 | |
JP2012218342A (ja) | 印刷装置 | |
JP2012224049A (ja) | 液滴噴射装置及び液滴噴射方法 | |
JP5861265B2 (ja) | 液滴噴射装置及び液滴噴射方法 | |
JP5707796B2 (ja) | 液滴吐出装置 | |
JP5782809B2 (ja) | 液滴噴射装置及び液滴噴射方法 | |
JP2011245824A (ja) | 描画装置、及び描画方法 | |
JP2012055832A (ja) | 流体噴射装置 | |
JP5707743B2 (ja) | 印刷装置、及び印刷方法 | |
JP2012218414A (ja) | 印刷装置及び印刷方法 | |
JP5707737B2 (ja) | 印刷方法 | |
JP2012050953A (ja) | 液滴吐出装置 | |
JP2023151841A (ja) | インクジェット記録装置 | |
JP2011251483A (ja) | 印刷装置、及び印刷方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130809 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140210 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140218 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20140415 |