以下、本発明の洗濯乾燥機について図1ないし図9を参照して説明する。
本実施形態の洗濯乾燥機Sは、ドラム式の洗濯乾燥機であり、筐体1(図1参照)、回転ドラム(内槽)10(図2参照)、外槽20(図2参照)、モータ30(図2参照)などを備え、筐体1に操作パネル4(図1参照)が設けられて構成されている。
図1に示すように、筐体1は、外郭が鋼板と樹脂成型品とを組み合わされ、ベースBの上に取り付けられて構成されている。また、筐体1は、左右の側板1a(片側は不図示)、前面カバー1c、背面カバー1d(図2参照)、上面カバー1e、下部前面カバー1fで構成されている。左右の側板1aは、コの字型の上補強材(図示せず)、前補強材(図示せず),後補強材(図示せず)で結合されている。これにより、ベースBを含めて箱状の筐体1を形成し、筐体として十分な強度を有している。
筐体1の前面カバー1cの略中央には、衣類など(洗濯物、乾燥対象物)を出し入れするための投入口を開閉するドア2が、前補強材に設けたヒンジ(図示せず)で開閉可能に支持されて構成されている。ドア2の近傍の前面カバー1cには、ドア2のロック機構(図示せず)を解除するドア開放ボタン3が設けられている。ドア開放ボタン3を押すことで、ロック機構(図示せず)が外れてドア2が開き、ドア2を前面カバー1cに押し付けることでロックされて閉じるようになっている。図示しない前補強材は、後記する外槽20(図2参照)の開口部20b(図2参照)と略同心に、衣類などを出し入れするための円形の開口部を有している。
図1に示す操作パネル4は、操作部4aおよび表示部4bを備え、筐体1の上部中央に設けられている。なお、操作パネル4の詳細な構成については後記する。
また、操作パネル4の右側には、電源をON/OFFする電源入ボタン4c、電源切ボタン4dが別々に設けられている。操作パネル4、電源入ボタン4cおよび電源切ボタン4dは、筐体1の下部に設けられた制御装置200(図2参照)と電気的に接続されている。
また、操作パネル4の左側には、洗剤や柔軟剤などを投入する引き出し式のトレイ5が設けられ、操作パネル4の右側には、引き出し式の乾燥フィルタ6が設けられている。乾燥フィルタ6は、メッシュ式のフィルタを備えており、乾燥運転時に糸くずや埃などが除去されるようになっている。また、上面カバー1eには、水道栓と接続される給水ホース接続口7、風呂の残り湯を汲み上げるホースが接続される吸水ホース接続口8が設けられている。
図2に示すように、破線で示す回転ドラム(内槽)10は、筐体1内に設けられ、回転可能に支持された円筒状の洗濯兼脱水槽として機能するようになっている。この回転ドラム10は、前側(手前側)端面に衣類などを出し入れするための開口部10aを有するとともに、その周壁および底壁(奥側)に通水および通風のための多数の貫通孔(図示せず)を有している。開口部10aを形成する縁部には、回転ドラム10と一体に高速回転時の振動を抑制する流体バランサ10bが設けられている。また、回転ドラム10の内周壁には、奥行き方向(軸方向)に延びるリフタ10cが複数個設けられており、洗濯、乾燥時に回転ドラム10が回転すると、衣類などがリフタ10cと遠心力で周壁に沿って持ち上がり、重力で落下する動きを繰り返し、洗濯・乾燥を促進するようになっている。なお、回転ドラム10の回転中心は、開口部10a側が高くなるように傾斜している。
外槽20は、回転ドラム10を同軸上に内包するとともに前面が開口した円筒状に形成され、内部が洗濯室および乾燥室として機能するようになっている。外槽20の前面の開口には、合成樹脂製の外槽カバー20aが設けられ、外槽20内への貯水を可能としている。外槽カバー20aの前側(手前側)中央には、衣類などを出し入れするための開口部20bが形成されている。この開口部20bと前補強材に設けた開口部は、ゴム製のパッキンで接続されている。このパッキンは、外槽20とドア2との水密性を維持する役割を果たしている。これにより、洗い、すすぎおよび脱水時の外槽20外への水漏れの防止が図られている。外槽20の底面には、排水口20cが設けられ、排水ホース8が接続されている。
また、外槽20の下部は、下側をベースBに固定された複数の防振手段9(コイルばねとダンパで構成)で防振支持されている。また、外槽20の上部は、上部補強部材に取り付けた補助ばね(図示せず)で支持されており、外槽20の前後方向への倒れを防ぐように構成されている。
排水ホース8の先端部は、床面に設けられた排水孔に接続されている。また、排水ホース8の途中には、排水弁Vが設けられ、この排水弁Vを閉じて給水することで外槽20内に水が溜められ、排水弁Vを開くことで外槽20内の水が機外へ排出される。
モータ30は、回転ドラム10を回転駆動するものであり、外槽20の背面中央に設けられている。なお、モータ30の回転軸31は、外槽20を貫通し、回転ドラム10の背面に設けられた金属製フランジ10eと結合している。
また、洗濯乾燥機Sは、筐体1の内部に送風ダクト(送風路)40を備えている。送風ダクト40は、外槽20の背面側を上下方向(鉛直方向)に延びる後ダクト42と、外槽20の上面側を後方から前方に延びる上ダクト43とを有している。後ダクト42の下部は、外槽20の背面下部に設けられた出口20dに柔軟構造のベローズ41で略水平に接続されている。なお、後ダクト42内には、水冷除湿機構(図示せず)が設けられている。
上ダクト43の下流側には、送風手段としてのファン46と加熱手段としてのヒータ47とを備えた送風ファンユニット45が設けられている。送風ファンユニット45が作動すると、ファン46による吸引力によって上ダクト43から送風ファンユニット45内に空気が取り込まれ、ヒータ47を通過することにより、取り込まれた空気が加熱されて、送風ファンユニット45の吐出口(図示せず)から排出される。また、空気が後ダクト42を通過する際、図示しない水冷除湿機構によって冷却されて除湿が行われる。送風ファンユニット45から排出された加熱空気は、温風ダクト35、ベローズ36、吹き出しノズル37を介して回転ドラム10内に供給されるようになっている。
図3に示すように、操作パネル4は、カバー部材50、印字シート60、発光装置80(図5参照)などで構成されている。なお、本実施形態における操作パネル4の特徴部分は、液晶表示パネルを用いて文字や数字などを表示させるものではなく、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)などの発光素子を用いて文字や数字などを発光させるものである。
カバー部材50は、合成樹脂製の材料で略矩形状に形成され、筐体1の前面カバー1c、上面カバー1e、トレイ5、乾燥フィルタ6の各表面と面一になるように形成されている(図1参照)。また、カバー部材50は、透明で矩形状の窓部51を有し、この窓部51を介して奥側に設けられた印字シート60を視認できるようになっている。なお、操作パネル4の窓部51を除く部分は、着色加工されて、裏側に位置する部材が見えないように構成されている。
操作パネル4の操作部4aは、運転コースを洗濯する複数の操作ボタンB1〜B11で構成され、右端に操作ボタンB1〜B3が上下方向に並んで配置され、下端に操作ボタンB4〜B11が左右方向に並んで配置されている。
操作ボタンB1は、洗濯のみを行うコースを選択する洗濯コース設定ボタンである。操作ボタンB2は、洗濯から乾燥までを連続して行うコースを選択する洗濯乾燥コース設定ボタンである。操作ボタンB3は、乾燥のみを行うコースを選択する乾燥コース設定ボタンである。
操作ボタンB4は、運転を開始および一時停止するボタンである。操作ボタンB5は、予約運転を行うボタンである。操作ボタンB6は、風呂の残り湯をポンプで給水するボタンである。操作ボタンB7(選択手段)は、洗濯時の脱水回転速度を変更するボタンである。
なお、本実施形態における脱水回転速度は、例えば、洗濯コース設定時において最後に行われる脱水(最終脱水)時の回転速度を意味しており、最終脱水より前の中間脱水については、予め設定(固定)された脱水回転速度で脱水が行われるようになっている。
操作ボタンB8は、乾燥時間を変更するボタンである。操作ボタンB9は、脱水時間を変更するボタンである。操作ボタンB10は、すすぎ回数を変更するボタンである。操作ボタンB11は、洗い時間を変更するボタンである。
カバー部材50には、操作ボタンB1〜B11の操作面を構成する印字部a,b,c,d,e,f,g,h,i,j,kと、後記する発光部群52の表面を構成する光透過印字部52a,52a・・・が形成されている。カバー部材50は、印字部a〜kおよび光透過印字部52a,・・・が形成されたシートを、透明な樹脂で形成されたカバー部材50の裏面から貼着することなどによって構成されている。
操作パネル4の表示部4bは、第1LED表示部61、第2LED表示部62、発光部群52,65,66,67,68,69,70,71,72,73により構成されている。なお、第2LED表示部62は、第1LED表示部61の左側に「1」のみを表示可能なものであり、第1LED表示部61と合わせて4桁表示を可能としたものである。第1LED表示部61および第2LED表示部62の詳細な構成については後記する。
発光部群52は、操作ボタンB1〜B3の左側に配置され、操作ボタンB1を操作したときに設定可能な項目(コース)、操作ボタンB2操作したときに設定可能な項目(コース)、操作ボタンB3を操作したときに設定可能な項目(コース)がまとめられて配置されている。例えば、操作ボタンB1によって洗濯コースを選択した場合には、設定可能な項目(標準→おいそぎ→念入り→手造り→柔らか→毛布→ドライ)の文字が順番に切り替わりながら発光するように構成されている。なお、「手造り」とは、洗い、すすぎ、脱水をユーザの好みの内容に設定できるモードである。
発光部群65は、第1LED表示部61の右側に配置され、脱水時の回転速度の単位である「回転/分」、予約時間の単位である「時間後」、投入する洗剤量である「杯」、残りの運転時間である「分」からなる文字部分がLEDとの組み合わせで発光するように構成されている。
発光部群66は、第2LED表示部62の左側に配置され、第1LED表示部61および第2LED表示部62に表示された数字の内容を示す、「脱水」、「予約」、「洗剤」、「あと約」からなる文字部分がLEDとの組み合わせで発光するように構成されている。
発光部群67は、第1LED表示部61の下側に配置され、操作ボタンB7を操作したときに切り替わるものであり、「しっかり」、「ふつう」、「弱め」からなる文字部分がLEDとの組み合わせで発光するように構成されている。
発光部群68は、操作ボタンB6を操作したときに切り替わるものであり、発光部群67の右側に配置され、洗濯時に風呂の残り湯を使用する時期を示す「洗い」、「すすぎ1」、「すすぎ2」からなる文字部分がLEDとの組み合わせで発光するように構成されている。
発光部群69〜72は、操作ボタンB8〜B11を操作したときに切り替わるものであり、乾燥時間、脱水時間、すすぎ回数、洗い時間を表示する数字などからなる文字部分がLEDとの組み合わせで発光するように構成されている。なお、発光部群69〜72は、例えば、それぞれ5段階で表示するようになっている。
発光部群73は、洗剤の計量カップを模した形状であり、投入する洗剤量を4段階で表示するようになっている。
図4に示すように、第1LED表示部61は、「0」から「9」までのアラビア数字(算用数字)を7セグメントで表示可能な3連の数字表示部61a,61b,61cと、記号表示部61d,61eと、が一体化されて構成されている。
数字表示部61a,61b,61cは、図3において白抜きの8の数字で示すように、左右に並べられて3桁表示を可能としたものである。
記号表示部61dは、左側の数字表示部61aと中央の数字表示部61bとの間に設けられ、残りの運転時間(例えば、「2:30」)を表示する際に点灯するコロン「:」の記号で構成されている。
記号表示部61eは、中央の数字表示部61bと右側の数字表示部61cとの間に設けられ、洗剤量(例えば、1.2)を表示する際に点灯するピリオド(ドット)「.」の記号で構成されている。
図5の断面図に示すように、第2LED表示部62は、印字シート60、発光装置80により構成されている。発光装置80は、LED101a,101b、回路基板110、ガイド板120により構成されている。印字シート60は、ガイド板120と接着層を介してガイド板120の所定の位置に固定されるようになっている。なお、回路基板110、ガイド板120などの構成については後記する。
図6に示すように、印字シート60は、合成樹脂製で光透過性を有するシート材に印刷処理を施して形成したものであり、第1LED表示部61に対応する位置に無色透明な窓部63を有している。窓部63は、第1LED表示部61(図4参照)の表面とほぼ同じ大きさとなるように形成されている。なお、印字シート60の窓部63は、第1LED表示部61に表示された数字等を印字シート60を介して視認することができるものであれば、無色透明に限定されるものではない。
また、印字シート60は、第1LED表示部61(図3参照)が組み込まれる窓部63の左側縁部に、第2LED表示部62の表面を構成する光透過印字部62aが形成されている。この光透過印字部62aは、窓部63の左側縁部に形成された黒色の矩形状の光遮蔽部64から、「1」に相当する数字を抜き取るようにして構成したものである。また、窓部63の上側縁部、右側縁部および下側縁部にも、黒色に縁取られた光遮蔽部が形成されている。
なお、本実施形態での光透過印字部62aの「1」は、7セグメントの数字表示部61a〜61cで表示される「1」と同様な形状で表されるように、印字部62a1,62a2によって上下に分割して形成されている。また、光遮蔽部64の左右方向の幅は、ひとつの数字表示部61a(61b,61c)の幅よりも小さくなるように形成され、光透過印字部62aが窓部63の左側縁部の近傍に位置するように構成されている。したがって、数字の「1」を非常に小さなスペースで形成することが可能になる。
また、印字シート60には、発光部群65(図3参照)の表面を構成する光透過印字部65a,65bが上下に並んで、光透過印字部65c,65dが、その下に左右に並んで形成されている。また、印字シート60は、発光部群66(図3参照)の表面を構成する光透過印字部66a,66c,66dが上段、中段、下段となるように並んで、光透過印字部66b,66cが中段において左右に並んで形成されている。また、印字シート60は、発光部群67(図3参照)の表面を構成する光透過印字部67a,67b,67cが上段、中段、下段に分かれて形成されている。また、印字シート60には、発光部群68〜73(図3参照)の表面を構成する光透過印字部群68a,69a,70a,71a,72a,73aが形成されている。
図7に示すように、印字シート60の裏面には、窓部63の縁部全周に沿って四角枠状に形成された黒色の縁取部63aと、数字の「1」の周囲を縁取るように形成された黒色の縁取部63b,63bとが形成されている。なお、図7において窓部63の周囲の光透過印字部65a〜65d、66a〜66dを除く領域は、光を透過しない処理が施されている。
また、印字シート60には、光透過印字部65a〜65d,66a〜66dの裏面に光を拡散する拡散シート65s,66sが貼着されている。これにより、光透過印字部65a〜65d、66a〜66dを発光させたときに、光透過印字部65a〜65d,66a〜66dの文字の一部のみが発光する状態(例えば、目玉状に発光すること)になるのを防止できる。なお、図示していないが、印字シート60に形成された他の光透過印字部についても拡散シートが貼着されている。
図5に戻って、第2LED表示部62を構成する発光装置80は、光透過印字部62aの印字部62a1(図6参照)に対応する位置にLED101aが配置され、また印字部62a2(図6参照)に対応する位置にLED101bが配置されている。LED101aは、「1」の領域の上側に位置する印字部62a1(図6参照)に対向して配置され、LED101bは、「1」の領域の下側に位置する印字部62a2(図6参照)に対向して配置されている。なお、LED101a,101bは、印字部62a1,62a2の長手方向の中央部に位置している。
LED101a,101bは、回路基板110に実装され、回路基板110がガイド板120の背面(裏面)に取り付けられて構成されている。また、LED101a,101bは、いわゆる砲弾型の発光素子であり、例えばオレンジ色に発光するものである。
ガイド板120は、例えば、合成樹脂材料により全体が白色で成形され、貫通孔121と溝部122とが形成されている。
貫通孔121は、回路基板110から突出して配置されたLED101a,101bが挿通される。溝部122は、基端(底部)が貫通孔121と連通し、先端が開放するように凹状に形成されている。また、貫通孔121に挿通されたLED101a,101bは、その先端の樹脂製(エポキシ樹脂など)のレンズケースの先端部が溝部122内に突出するように配置され、貫通孔121から溝部122内に突出した位置において発光するようになっている。
溝部122は、底部側に表面側に向けて幅が拡大する傾斜面122aと、表面側にガイド部材120の表面に垂直な垂直面122bとを有している。なお、傾斜面122aが拡大する方向は、「1」の上下と一致する方向である。なお、溝部122は、図5において紙面に垂直な方向(左右方向)の両面122c,122d(図8参照)が、底部側から表面側にかけて平坦な面で形成されている。
図8に示すように、ガイド板120には、印字シート60の光透過印字部65a〜65d(図6参照)に対応(対向)する位置に、凹状の溝123a,123b,123c,123dが形成され、該溝123a〜123dの底側の中央にLED102a,102b,102c,102dが配置されるように構成されている。
同様にして、ガイド板120には、光透過印字部66a〜66d(図6参照)に対応(対向)する位置に、凹状の溝124a,124b,124c,124dが形成され、該溝124a〜124dの中央にLED103a,103b,103c,103dが配置されるように構成されている。
また、同様にして、ガイド板120には、光透過印字部67a〜67c(図6参照)に対応(対向)する位置にLED104a〜104cが配置された溝が形成されている。すなわち、ひとつの言葉などに対して、ひとつのLEDが配置されるようになっている。なお、発光部群52,68〜72の各光透過印字部についても、それぞれの言葉や数字などに対応してLEDが配置されている。
なお、LED102a〜102d,103a〜103d,104a〜104cの発光色については、前記したLED101a,101bと同様に、オレンジ色で統一して構成されている。しかし、オレンジ色に限定されるものではなく、例えば、操作パネル4には図示省略しているが、警告を意味する表示部については、赤色に発光するLEDとしてもよい。また、青色や緑色に発光するLEDなどを組み合わせて操作パネル4の表示部4bを構成してもよい。
また、ガイド板120には、各印字部a〜k(図3参照)に対応(対向)する位置に、該印字部a〜kの押圧操作を検知する検出部S1〜S11が設けられている。検出部S1〜S11は、印字部a〜kのドーム状の表面が押圧されることで、図示円形(楕円形、矩形)の部分が紙面垂直方向に押し込まれて、ガイド板120の裏側に設けられたタクトスイッチがONするようになっている。
なお、制御装置200は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などで構成され、回路基板110と電気的に接続されており、操作部4aの各操作ボタンB1〜B11の押圧操作が検出部S1〜S11によって検出されることで、それに応じて表示部4bの第1LED表示部61、第2LED表示部62、発光部群65,66,67などの表示(発光状態)が変化するように制御している。
次に、本実施形態の洗濯乾燥機Sの動作について説明する。なお、本実施形態では、洗濯コースが選択された場合の脱水時(最終脱水時)に第2LED表示部62が発光するようになっている。以下では、主に洗濯コース洗濯時の動作について説明する。
電源入ボタン4c(図1参照)をユーザが操作すると、制御装置200によって、操作パネル4には初期設定コースとして洗濯乾燥コース(標準)が設定された状態が表示される。例えば、洗濯乾燥コースが設定されている状態において、操作ボタンB3(図3参照)が操作されると、乾燥コースが選択され、発光部群52の乾燥コースに対応した項目(光透過印字部52a)のいずれかが発光し、操作ボタンB3の操作に応じて項目が順次切り替わるようになっている。
一方、制御装置200は、洗濯乾燥コースの状態において、操作ボタンB1の操作が検知されると、発光部群52の洗濯コースに対応した項目(光透過印字部52a)のいずれかが発光し、操作ボタンB1の操作に応じて項目が順次切り替わるように制御する。この洗濯コースが設定された状態において、操作ボタンB7を操作すると、制御装置200は、LED104b(図8参照)を発光させることで、光透過印字部67b(「ふつう」)を点灯させる。このとき、制御装置200は、例えば、第1LED表示部61の数字表示部61aが「9」となるように、数字表示部61bが「5」となるように、数字表示部61cが「0」となるようにそれぞれ点灯させる。また、制御装置200は、LED103a,102aを発光させて、発光部群66の光透過印字部66a(「脱水」)と発光部群65の光透過印字部65a(「回転/分」)とを点灯させる。これにより、図9(b)に示すように、第2LED表示部62は点灯せず、第1LED表示部61に脱水時の回転速度(脱水回転速度)が「脱水950回転/分」が表示される。なお、操作ボタンB7を操作しない場合には、予め決められた脱水回転速度(例えば、950回転/分)で脱水(最終脱水)が行われる。
また、制御装置200は、さらに操作ボタンB7の操作を検知すると、光透過印字部67b(「ふつう」)を消灯させると同時に、LED104aを発光させて、光透過印字部67a(「しっかり」)を点灯させる。このとき、制御装置200は、第1LED表示部61の数字表示部61aが「2」、数字表示部61bが「0」、数字表示部61cが「0」となるようにそれぞれ点灯させる。また、制御装置200は、第2LED表示部62のLED101a,101bを発光させて、印字部62a1,62a2を点灯させ、「1」を表示する。これにより、図9(a)に示すように、第1LED表示部61と第2LED表示部62によって「脱水1200回転/分」(「しっかり」)のように4桁表示される。
また、制御装置200は、さらに操作ボタンB7の操作を検知すると、光透過印字部62a(62a1,62a2),67a(「1」,「しっかり」)を消灯させると同時に、LED104cを発光させて、光透過印字部67c(「弱め」)を点灯させる。このとき、制御装置200は、数字表示部61aが「7」、数字表示部61bが「0」、数字表示部61cが「0」となるようにそれぞれ点灯させる。これにより、図9(c)に示すように、第2LED表示部62は点灯せず、第1LED表示部61に脱水回転速度が「脱水700回転/分」(「弱め」)が表示される。
このように、操作ボタンB7を操作して、脱水回転速度を「1200回転/分」に変更することにより、洗濯物の含水率を、脱水回転速度が「950回転/分」の場合と比べて低減できる。よって、含水率が低減することにより、洗濯物の干し時間を短縮することが可能になり、洗濯物を部屋干した際に有効であり、アイロン掛けおよび/または乾燥することによって、衣類を早くに着用することが可能になる。
また、操作ボタンB7を操作して、脱水回転速度を「700回転/分」に変更することにより、脱水率を、脱水回転速度が「950回転/分」の場合と比べて低減できるので、洗濯物に生じる脱水ジワを低減することができる。したがって、Yシャツなどのアイロン掛けを軽減することが可能になる。また、消費電力量についても「ふつう」の設定より低減することが可能になる。
なお、前記した、「ふつう」、「しっかり」、「弱め」の各設定における脱水回転速度は一例であり、適宜変更することができる。例えば、「ふつう」における脱水回転速度について1000回転/分を超える設定としてもよく、「しっかり」における脱水回転速度を1200回転/分よりも高く設定してもよい。
そして、制御装置200は、「しっかり」が設定された後、操作ボタンB4の操作を検知すると、光透過印字部65a,66a(「回転/分」、「脱水」)を消灯させ、LED103b,102cを発光させて、光透過印字部66b(「洗剤」)と光透過印字部65c(「杯」)を点灯させる。また、制御装置200は、投入された洗濯物の重さ等に応じた洗剤量(「洗剤0.8杯」、「洗剤1.0杯」、「洗剤1.2杯」など)を第1LED表示部61の数字表示部61b,61cおよび記号表示部61eを介して表示させる。
そして、制御装置200は、洗剤量が所定時間表示されたことを図示しないタイマによって検知すると、光透過印字部65c,66b(「杯」、「洗剤」)を消灯させ、LED103d,102dを発光させて、光透過印字部66d(「あと約」)と光透過印字部65d(「分」)を点灯させる。例えば、制御装置200は、数字表示部61aが「2」、数字表示部61bが「4」、数字表示部61cが「0」および記号表示部61dをそれぞれ点灯させて、洗濯開始から洗濯終了までの時間が2時間40分(2:40)であることを表示する。そして、図示しないタイマによって所定時間が経過すると、洗濯乾燥機Sへの注水が自動的に開始され、洗濯が開始される。
なお、洗濯開始後、最終脱水工程時において、脱水回転速度が700、950、1200回転/分にそれぞれ到達した段階で、「脱水700回転/分」、「脱水950回転/分」、「脱水1200回転/分」のように残時間表示と脱水回転速度とを交互に切り換えて表示してもよい。または、脱水時には残時間表示のみを表示するようにしてもよい。
以上説明したように、本実施形態の洗濯乾燥機Sによれば、「0」から「9」までの10個の数字を7セグメントで(数字3桁)表示する第1LED表示部61と、第1LED表示部61の左側に「1」のみの数字を表示可能な第2LED表示部62と、を備えたので、新たに7セグメントの表示部を追加して桁表示を1桁増やす必要がなくなり、簡単かつ安価な構成で桁を増やすことが可能になる。
ちなみに、第2LED表示部62として7セグメントの表示器を搭載すると、第1LED表示部61の数字表示部61aと発光部群66との間に、黒色で塗りつぶされた領域が大きく形成されてしまい、無駄な領域が形成され、またユーザに対して高級感に欠ける感じを与えることになる。しかし、本実施形態によれば、第2LED表示部62として、印字シート60、LED101a,101bおよび溝部122で「1」のみを表示する構成とすることで、黒色で塗りつぶされた領域が大きく形成されるのを防止することができ、ユーザに対して高級感に欠ける感じを抱かせることもない。
また、本実施形態では、操作パネル4において、「1」を使用しない(4桁表示しない)別機種に搭載したとしても、光透過印字部62aの部分を塗りつぶして全体が黒く塗りつぶされた状態とすることで、別機種に対応することが可能になり、別機種との操作パネル4の共通化を向上することが可能になる。つまり、第2LED表示部62に7セグメントの表示器を使用した場合、4桁表示を使用しない機種に適用しようとすると、印字シート60の窓部63の形状を変更しなければならず、異なる形状の印字シートを用意しなければならなくなり、同じ印字シート60を使用できる本実施形態と比べてコスト高となる。
ところで、家庭における洗濯事情では、生活環境の変化や季節的な要因によって洗濯物を部屋で干すいわゆる部屋干しを行うことが増えている。洗濯物を部屋干しする場合、なるべく早くに乾くことが好ましく、これまでの脱水時の回転ドラムの回転速度では十分ではない場合があり、洗濯乾燥機Sの多機能化によって、脱水回転速度をさらに高い回転速度で駆動する必要がある。また、脱水回転速度の設定は、数値的に表示する方がユーザにとって視覚的に認識し易いと考えられる。
そこで、本実施形態では、第1LED表示部61および第2LED表示部62に回転ドラム10の脱水回転速度が表示されるようにすることで、ユーザが操作ボタンB7を操作して脱水(最終脱水)時の回転速度を設定した際、脱水回転速度をユーザに対して容易に認識させることが可能になる。特に、「しっかり」が設定された場合には、脱水回転速度として「脱水950回転/分」の3桁表示よりも高い「脱水1200回転/分」の4桁表示として1桁増やして表示することで、脱水回転速度が高くなったことをユーザに対して容易に認識させることができる。
また、本実施形態によれば、操作パネル4に脱水回転速度を選択する操作ボタンB7(選択手段)を備えて、脱水回転速度が変化するように構成、例えば「1200回転/分」に設定することで、洗濯物の含水率を低減でき、洗濯物を部屋干しする際に部屋干し時間を短縮することができ、また部屋干し後にアイロン掛けにより洗濯物を早くに使用(着用)することが可能になる。また、「弱め」に設定することで、洗濯物の脱水率を低めて、Yシャツなどシワになりやすい衣類において脱水ジワが生じるのを低減できる。その結果、アイロン掛けする際の労力を軽減でき、しかも消費電力量を低減できる。
また、本実施形態によれば、操作ボタンB7(選択手段)による選択操作に応じて、予め定められた所定の脱水回転速度を第1LED表示部61および前記第2LED表示部62に表示することにより、設定された脱水回転速度を容易に確認することができる。
また、本実施形態によれば、洗濯のみを行う洗濯コースと、洗濯から乾燥まで連続して行う洗濯乾燥コースとを有するものにおいて、洗濯のみを行う洗濯コースと、操作パネル4(操作ボタンB1)の操作によって、洗濯コースが設定された場合、脱水回転速度を変更可能にすることで、4桁表示としたときに、千の位の数字を「1」に限定できるので、印字シート60の光遮蔽部64に形成する構成を最も簡略化することができ、しかも光遮蔽部64の左右の幅を狭く形成できるので、設置スペースを最小にできる。さらに、発光させるLED101a,101bを最少の2個で済ますことができるので、コスト的にも安価である。
また、本実施形態によれば、第2LED表示部62が、数字の「1」が印刷された印字シート60と、LED101a,101bとを備えて、印字シート60の裏面側にLED101a,101bからの光を拡散させる溝部122を設けたことにより、数字の「1」を均等に光らせることが可能になる。
また、本実施形態によれば、第2LED表示部が、光透過印字部62aによって数字の「1」が印刷された印字シート60とLED101a,101bとを有し、印字シート60の裏面側にLED101a,101bからの光を拡散させる溝部122を設けたので、LED101a,101bで発光した光を、光透過印字部62a(印字部62a1,62a2)の全体に照射することが可能になる。
なお、前記した実施形態では、第2LED表示部62に表示する数字の「1」を洗濯コース設定時の脱水回転速度の際に使用したが、これに限定されるものではなく、12時間の時計表示(例えば、「10:45」)であってもよい。
なお、前記した実施形態では、ドラム式の洗濯乾燥機Sを例に挙げて説明したが、縦型の洗濯乾燥機の操作パネルに適用してもよい。また、本発明は洗濯物を乾燥する乾燥手段(送風ファンユニット45、水冷除湿機構)を備えたものに限定されるものではなく、洗濯物を収容する内槽と、この内槽を内置する外槽と、内槽を回転駆動するモータと、外槽を支持する筐体とを有し、筐体に運転コースを選択する操作パネルを備え、前記操作パネルに、「0」から「9」までの10個の数字を7セグメントで表示する第1LED表示部61と、第1LED表示部61の左側に「1」のみの数字を表示可能な第2LED表示部62と、を備えた洗濯機に適用してもよい。