JP2012059490A - 扁平形二次電池用電極群およびこれを用いた扁平形二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】正極集電体の表面に正極合剤層を形成した正極板と負極集電体の表面に負極合剤層を形成した負極板との間に多孔質絶縁体を介在させて渦巻状に巻回して構成した扁平形二次電池用電極群であって、正極板と負極板のスティフネスカーブが同等となる構成にしたことで、扁平状に加圧変形する際の合剤層の浮き上がり、脱落を抑制して、また充放電に伴う電極板のたわみを抑制することで、これらに起因する内部短絡で扁平形二次電池が熱暴走することを回避して安全性の高い扁平形二次電池を提供する。
【解決手段】正極板3および負極板2を多孔質絶縁体4を介して巻回して電極群1を構成する際に、ループスティフネス法での正極板3と負極板2のスティフネスカーブが同等となる構成にした。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に代表される二次電池に関し、特に扁平形二次電池用電極群およびこれを用いた扁平形二次電池に関するものである。
近年、携帯用電子機器の電源として利用が広がっているリチウムイオン二次電池は、負極にリチウムの吸蔵・放出が可能な炭素質材料等を用い、正極にLiCoO等の遷移金属とリチウムの複合酸化物を活物質として用いており、これによって、高電位で高放電容量の二次電池を実現している。しかし、近年の電子機器および通信機器の多機能化や小型化に伴って、リチウムイオン二次電池の更なる小型高容量化が望まれている。特に薄形化する電子機器および通信機器においては電池を収容するスペースの効率化および機器形状から、発電要素を電池ケースに収容した扁平形のリチウムイオン二次電池が使用されることが多い。
ここで、高容量の二次電池を実現するための発電要素である電極板としては、正極板および負極板ともに各々の構成材料を塗料化した合剤塗料を集電体の上に塗布し乾燥後、プレス等により規定の厚みまで圧縮する方法が用いられており、より多くの活物質を充填してプレスすることにより活物質密度が高くなり、一層の高容量化が可能となる。また、上述の正極板と負極板とを多孔質絶縁体としてのセパレータを介して渦巻状に巻回した電極群をステンレス製、ニッケルメッキを施した鉄製、またはアルミニウム製等の金属からなる電池ケースに収納し、次に非水電解液を電池ケース内に注液した後、電池ケースの開口端部に封口板を密封固着して二次電池が構成される。
ところで、高容量化が進む一方で重視すべきは安全対策であり、特に正極板と負極板との内部短絡などが原因で二次電池の急激な温度上昇が起こり熱暴走に至る場合もあるため、二次電池の安全性の向上が強く要求されている。特に、大型・高出力な二次電池では、熱暴走の発生確率が高くなるためその発生確率を低くするなどの安全性を向上させる工夫が必要である。
上述のように二次電池が内部短絡する要因としては、二次電池の内部に異物が混入する以外にも電極群を構成する際、さらには二次電池を充放電する際に電極板に加わる応力によって電極板が破断することが考えられる。より詳しくは、渦巻状に巻回して電極群を構成する際または扁平形に圧縮成形する際には構成要素である正極板、負極板、セパレータには曲率半径の小さい部分で大きな応力が加わり、合剤層の脱落またはこの際の各構成要素における伸び率の差によって最も伸び率が小さなものから破断することになる。
また、二次電池を充放電すると電極板の膨張収縮が起こるが、上述のように活物質密度を高くすると充放電の際に起こる電極板の膨張収縮による応力が電極板に加わり、充放電を繰り返すことによる繰り返し応力により電極板が挫屈して電極群の形状が変形し、それに伴って電池ケースに接触し、さらに電極群の形状が変形するとその応力によって電池ケースを内側から押すことになって、電池ケースの膨れが起こることになる。
さらに、電極群の形状の変形が進行すると正極板、負極板もしくはセパレータの伸び率の最も低いものが優先的に破断してしまい、正極板もしくは負極板がセパレータよりも先に破断した場合には、いずれかの電極板の破断部がセパレータを突き破り正極板と負極板が短絡することになる。この短絡により大電流が流れ、その結果、二次電池の温度が急激に上昇し、上述のように二次電池が熱暴走する可能性がある。
さらには、巻回した電極群を加圧して扁平形状に成形する際に、特に最内周部の湾曲部において負極板と正極板の電極合剤層が割れたり、電極合剤層が負極集電体や正極集電体から浮き上がり、ついには脱落して充放電の際に電極群が膨れることにより脱落した負極板と正極板の合剤層が負極板と正極板とを隔てる多孔質絶縁体を突き破り内部短絡を引き起こして二次電池が熱暴走するという課題があった。
そこで、特に引っ張り伸び率が低い正極板は応力かかると優先的に破断することを抑制するために、応力が加わっても伸びることで正極板の破断を抑制するために、伸び率1%以上15%以下、かつ引張り強度7kg/mm以上40kg/mm以下の正極板を用いるという方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−213339号公報
しかしながら、従来技術の伸び率1%以上15%以下、かつ引張り強度7kg/mm以上40kg/mm以下の正極板を用いるという特許文献1においては、曲率半径の小さい部分での破断を抑制できるが、充放電の際の電極板の膨張収縮による応力が電極板に加わり、充放電を繰り返すことによる繰り返し応力により電極板が挫屈して電極群の形状が変形することについては、その効果は期待できない。
本発明は上記従来の課題を鑑みてなされたもので、ループスティフネス法での正極板と負極板のスティフネスカーブが同等となる構成としたことにより、扁平形状に加圧成形する際に発生する応力を均一に分散させることで電極合剤層の割れや浮き上がり、電極合剤層の脱落を抑制し、また湾曲部において充電時の負極板の膨張による応力を均一に分散させることで、電極板のたわみを抑制して安全性の高い扁平形二次電池を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明は、正極集電体の表面に正極合剤層を形成した正極板と負極集電体の表面に負極合剤層を形成した負極板との間に多孔質絶縁体を介在させて渦巻状に巻回して構成した扁平形二次電池用電極群であって、ループスティフネス法での正極板と負極板のスティフネスカーブが同等となる構成としたことを特徴とするものである。
本発明によれば、扁平形状に加圧成形する際に発生する応力を均一に分散させることで合剤層の割れや浮き上がり、合剤層の脱落を抑制し、また湾曲部において充電時の負極板の膨張による応力を均一に分散させることで、電極板のたわみを抑制して安全性の高い扁平形二次電池を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係る扁平形二次電池用電極群の断面図 本発明に係る電極群を構成する電極板の柔軟性の測定を示す図 本発明に係る電極群を構成する電極板の柔軟性を示すスティフネスカーブを表した図 (a)本発明に係る扁平形二次電池用電極群を楕円形形状に巻回する第1工程の説明するための模式図、(b)本発明に係る楕円形状に製作した電極群の断面模式図、(c)本発明に係る電極群を扁平形状に成形する第2工程の説明するための模式図 本発明に係る扁平形二次電池の一部切欠斜視図 (a)本発明に係る扁平形二次電池用電極群を形成した際の湾曲部の模式図、(b)本発に係る電極群の負極板の膨張時における正極板の変形を示す模式図 (a)従来技術に係る電極群を形成した際の湾曲部の模式図、(b)従来技術に係る電極群の負極板の膨張時における正極板の変形を示す模式図
本発明の第1の発明は、正極集電体の表面に正極合剤層を形成した正極板と負極集電体の表面に負極合剤層を形成した負極板との間に多孔質絶縁体を介在させて渦巻状に巻回して構成した扁平形二次電池用電極群であって、ループスティフネス法での正極板と負極板のスティフネスカーブが同等となる構成としたことにより、扁平形状に加圧成形する際に発生する応力を均一に分散させることで電極合剤層の割れや浮き上がり、電極合剤層の脱落を抑制し、また湾曲部において充電時の負極板の膨張による応力を均一に分散させることで、電極板のたわみを抑制することができる。
本発明の第2の発明は、正極板と負極板のスティフネスカーブを同等にするために、正極集電体と負極集電体に同等の柔軟性を付与したことにより、扁平形状に加圧成形する際の応力を均一に分散させ、正極板と負極板を滑らかに成形することができ、充電時の負極板の膨張による応力を均一に分散させることで、電極板のたわみを抑制できる。
本発明の第3の発明は、正極板と負極板のスティフネスカーブを同等にするために、正極合剤層と負極合剤層に同等の柔軟性を付与したことにより、扁平形状に加圧成形する際の応力を電極合剤層で分散できるため、電極合剤層の割れや浮きあがり、合剤層の脱落を抑制することができる。
本発明の第4の発明は、正極板と負極板のスティフネスカーブを同等にするために、正極集電体と負極集電体および前記正極合剤層と負極合剤層に同等の柔軟性を付与したことにより、扁平形状に加圧成形する際の応力を電極合剤層および集電体の両方で均一に分散させることができ、より効果的に電極合剤層の割れや浮きあがり、電極合剤層の脱落を抑制することができ、また、湾曲部において充電時の負極板の膨張による応力を均一に分散させることで、電極板のたわみを抑制して安全性の高い扁平形二次電池を提供することができる。
本発明の第5の発明は、第1〜4のいずれか一つに記載の扁平形二次電池用電極群を非水系電解液とともに電池ケースに封入したことにより、安全性が高く、膨れない扁平形二次電池を提供することができる。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の扁平形二次電池用電極群1(以下電極群1と称す)を示す図であって、負極板2と正極板3と多孔質絶縁体4を積層して巻回したものを扁平形状に成形したものであり、湾曲部8,9を有している。
次に、図4(a)〜(c)は電極群1の製造方法を示している。図4(a)は電極群1の製造方法における第1工程であり、負極板2と正極板3と多孔質絶縁体4とで構成される部材を巻回する初期状態を示している。これらの部材を巻回する巻芯47は左巻芯43と右巻芯45とで構成され楕円形状をしていて、右巻芯45は巻回開始時に部材を挟み込んで保持するための中軸46を備えている。さらに、巻回体を押さえる押さえローラ31を備えている。
ここで、矢印Aの方向に巻芯47を回転させて巻回を行うと、図4(b)で示すように巻芯47の形状を転写した電極群1aが作成できる。また、図4(c)は楕円形状に巻回した電極群1aを加圧して扁平形状に成形する第2工程を示している。
ここで、図4(c)に示したように電極群1aを扁平形状に押圧変形させると、ループスティフネス法での正極板3と負極板2のスティフネスカーブが同等となる構成とした場合には、図6(a)に示すように、電極群1は滑らかな円弧形状の湾曲部8,9が形成でき、さらに正極板3と負極板2の形状の差が小さく成形できる。このように滑らかで差の小さい形状が成形できると、負極板2の充電時の膨張による応力を湾曲部8,9で均一に吸収でき、さらに図6(b)に示すように、湾曲部8,9で吸収し切れなった応力が内へ向かって扁平形状の直線部にかかっても、正極板3の柔軟性が高いときには、正極板3がしなることで応力を吸収できるため、正極板3のたわみ6を微小に抑制することができる。
一方で、ループスティフネス法での正極板53と負極板52のスティフネスカーブが同等ではなく、例えば正極板53の柔軟性が負極板52よりも低い場合には、図7(a)に示すように、負極板52より先に正極板53が屈曲してしまうことで、電極群51は湾曲部58,59の形状が図7(a)に示すようないびつな形状になる。正極板53がこのような形状になると、負極板52の膨張による応力が一様にかからず、特定箇所に大きくかかってしまい、このときに湾曲部58,59で吸収できなかった応力が扁平形状の直線部にかかるが、正極板53がしなることができないため、図7(b)に示すように応力を吸収できなくなって正極板53の屈曲57が発生することになる。
次に、二次電池としての扁平形二次電池について詳細に説明する。まず、扁平形二次電池の構成について説明する。図5は本発明の電極群1を用いて製作した扁平形二次電池25の一部切欠斜視図を示す。電極群1を有底扁平形の電池ケース21の内部に絶縁枠体27と共に収容し、電極群1の上部より導出した負極リード23を絶縁ガスケット29を周縁に取り付けた端子20に接続し、次いで電極群1の上部より導出した正極リード22を封口板26に接続し、電池ケース21の開口部に封口板26を挿入し電池ケース21の開口部の外周に沿って封口板26と電池ケース21とを溶接して封口し、封栓口から電池ケース21に所定量の非水溶媒からなる非水電解液(図示せず)を注液した後、封栓24を封口板26に溶接して、扁平形二次電池とする。
次いで、扁平形二次電池の電極板の構成について説明する。正極板3は、アルミニウムやアルミニウム合金製の箔や不織布の厚みが5μm〜30μmを有する正極集電体の片面または両面に正極活物質、導電材、結着材を分散媒中にプラネタリーミキサー等の分散機により混合分散させた正極合剤塗料を塗布、乾燥、圧延して製作される。
正極活物質は、例えばコバルト酸リチウムおよびその変性体(コバルト酸リチウムにアルミニウムやマグネシウムを固溶させたものなど)、ニッケル酸リチウムおよびその変性体(一部ニッケルをコバルト置換させたものなど)、マンガン酸リチウムおよびその変性体などがある。このときの導電材としては、例えばアセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック、各種グラファイトを単独あるいは組み合わせて用いる。このときの正極用結着材は、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニリデンの変性体、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、アクリレート単位を有するゴム粒子結着材等を用いる。
一方、負極板2は、圧延銅箔、電解銅箔、銅繊維の不織布の厚みが5μm〜25μmを有する負極集電体の片面または両面に負極活物質、結着材、必要に応じて導電材、増粘剤を分散媒中にプラネタリーミキサー等の分散機により混合分散させた負極の合剤塗料を塗布、乾燥、圧延して製作される。
負極用活物質は、各種天然黒鉛および人造黒鉛、シリサイドなどのシリコン系複合剤料および各種合金組成材料を用いることができる。このときの負極用結着材としてはPVdFおよびその変性体をはじめ各種バインダーを用いることができるが、リチウムイオン受入れ性向上の観点から、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム粒子(SBR)およびその変性体等を用いる。増粘剤としては、ポリエチレンオキシド(PEO)やポリビニルアルコール(PVA)などの水溶液として粘性を有する材料で、カルボキシメチルセルロース(CMC)をはじめとするセルロース系樹脂およびその変性体が、合剤塗料の分散性、増粘性の観点から好ましい。
次に、多孔質絶縁体4は、扁平形二次電池の使用範囲に耐えうる組成であればよいが、特にポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂の微多孔フィルムを、単一あるいは複合して用いるのが好ましい。またフィルムの表面に多孔質絶縁層を形成してもよく、厚みは10〜25μmとするのが良い。
次に、非水系電解液については、電解質塩としてLiPFおよびLiBFなどの各種リチウム化合物を用いることができる。また溶媒としてエチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)を単独および組み合わせて用いることができる。また正負極板上に良好な皮膜を成形させる、あるいは過充電時の安定性を保証するために、ビニレンカーボネート(VC)やシクロヘキシルベンゼン(CHB)およびその変性体を用いることも好ましい。但し、上記製造方法は一例でありこれに限定されるものではない。
次に、柔軟性の指標であるループスティフネス法について説明する。図2に示すようにループスティフネス法とは真円状に一重にまるめた試験片を所定の速度で押圧するときの応力を測定してサンプルの柔軟性を評価する方法である。詳しくは、まず、電極板を幅が10mm、長さが100mmに裁断し、その両端をつき合わせて真円状に一重に丸めて外周が100mmのサンプル13を作成する。
次に、図2に示すサンプル13の突合せ部分13aを下側平板14b上に固定し、上側平板14aと下側平板14bの間に挟む。次いで、上側平板14aを速度が10mm/分で下方に移動させてサンプル13の外周を押圧し押圧したときのサンプル13に発生する応力をロードセル15で測定し、同時にそのときの上側平板14aの位置を検出して、上側平板14aと下側平板14bのギャップ、つまりサンプル13のギャップLを測定した。
図3はサンプル13に発生する応力とギャップLの関係を示すループスティフネスカーブであり、ループスティフネス法による電極板の柔軟性の指標としては、応力が大きいほど押圧に対する変形のし難さを示しており、柔軟性の高い電極板ほど応力が小さく、変形しやすいことを示している。
例えば、図3において、16eはギャップLが大きくても応力が大きく、ギャップLが大きいうちにサンプル13が折れ曲がってしまう屈曲点がみられ、柔軟性が低いことを示している。これに対して、16aはギャップLが非常に小さくなるまで応力は小さいままで推移しており、柔軟性が高いことを示している。また、16b、16c、16dは別の電極板のループスティフネスカーブだが、16aと同等の推移を示しており、本発明におけるループスティフネス法での正極板と負極板のスティフネスカーブが同等となる構成とするとは、これらのカーブで示される正極板と負極板の柔軟性を同等になるように構成することを示している。
次に柔軟性を付与する方法について説明する。まず正極集電体については、一般にアルミニウム箔を用いるが、その際に、より薄い箔や鉄を含有したアルミニウム箔を用いたりする。また、正極合剤層については、結着材として、より柔軟性の高いゴム系結着材を用いる。但し、上記方法は一例でありこれに限定されるものではない。
以下、具体的実施例に基づいてさらに詳しく説明する。
以下、本発明の一実施例について図を参照しながら説明する。まず、正極活物質としてコバルト酸リチウムを100重量部、導電材としてアセチレンブラックを活物質100重量部に対して2重量部、結着材としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)を活物質100重量部に対して2重量部とを適量のN−メチル−2−ピロリドンと共に双腕式練合機にて攪拌し混練することで、正極合剤塗料を製作した。
次に、この正極合剤塗料を厚みが12μmである鉄を含有するアルミニウム箔の正極集電体の両面に塗布し、乾燥後に片面の正極合剤層の厚みが100μmとなる正極板基体を製作した。さらに、この正極板基体を総厚が165μmとなるようにプレスすることで、正極合剤層の片面の厚みが75μmとなるように、アルミニウム箔の正極集電体上に正極合剤層を成形した後、図5に示す扁平形二次電池で規定する幅にスリット加工し、正極板3を製作した。
一方、負極活物質として人造黒鉛を100重量部、結着材としてスチレン−ブタジエン共重合体ゴム粒子分散体(固形分40重量%)を活物質100重量部に対して2.5重量部(結着材の固形分換算で1重量部)、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースを活物質100重量部に対して1重量部、および適量の水とともに双腕式練合機にて攪拌し、負極合剤塗料を製作した。
次に、この負極合剤塗料を幅方向に厚みが8μmである銅箔の負極集電体に塗布し、乾燥後に負極合剤層の片面の厚みが100μmとなる負極板基体を製作した。さらに、この負極板基体を総厚が170μmとなるようにプレスすることで、負極合剤層の片面の厚みが80μmとなるように負極集電体上に負極合剤層を成形した後、図5に示す扁平形二次電池で規定する幅にスリット加工し負極板2を製作した。
次に、この正極板3と負極板2の柔軟性の評価を図2に示すループスティフネス法を用いて行った。図3の16aは負極板2のスティフネスカーブであり、応力が全体にわたって小さく、折り曲げるときの反力が小さいので、柔軟性が高く変形しやすいことを示している。また、ギャップが小さくなっても、屈曲点が見られず、折れ曲がるときにも緩やかに折れていることから、滑らかな湾曲形状が形成されることがわかる。また、図3の16b(実線)は正極板3のスティフネスカーブであって、負極板2のスティフネスカーブ16aと同等の形状をしている。これは積層状態で扁平形状に成形する際に、負極板2と正極板3が同じような形状に成形できることを示している。
さらに、電極群1の製作においては図4(a)に示す第1工程で負極板2と正極板3と多孔質絶縁体4とで構成する部材を左巻芯43と右巻芯45との間に挟みこんで、中軸46と右巻芯45とで保持し、負極板2と正極板3には1000gfの張力をかけ、多孔質絶縁体4には500gfの張力をかけて、図4(a)の矢印A方向に巻芯33を回転させて、本巻き動作で7回巻き取り、さらに残巻動作で押し圧を0.06MPaとした押さえローラ31で巻回体を押さえながら、3回転巻き取った後、最外周にポリプロピレン製の粘着テープを貼り付けて端部を固定し、巻芯47から抜き取って、図4(b)に示す楕円形状の電極群1aを製作した。次に図4(c)に示す第2工程において、電極群1aを短軸5の方向から加圧して扁平形状に成形して電極群1を製作した。
以上のようにして製作した電極群1を有底扁平形の電池ケース21の内部に絶縁枠体27と共に収容し、電極群1の上部より導出した負極リード23を絶縁ガスケット29を周縁に取り付けた端子20に接続し、次いで電極群1の上部より導出した正極リード22を封口板26に接続し、電池ケース21の開口部に封口板26を挿入し電池ケース21の開口部の外周に沿って封口板26と電池ケース21とを溶接して封口し、封栓口から電池ケース21に所定量の非水溶媒からなる非水電解液(図示せず)を注液した後、封栓24を封口板26に溶接し、扁平形二次電池25を製作し、実施例1とした。
まず、正極活物質としてコバルト酸リチウムを100重量部、導電材としてアセチレンブラックを活物質100重量部に対して2重量部、結着材として2―エチルヘキシルアクリレートとアクリル酸とアクリロニトリルの共重合体(ゴム微粒子)を活物質100重量部に対して2重量部とを適量のN−メチル−2−ピロリドンと共に双腕式練合機にて攪拌し混練することで、正極合剤塗料を製作した。
次に、この正極合剤塗料を厚みが12μmであるアルミニウム箔の正極集電体の両面に塗布し、乾燥後に片面の正極合剤層の厚みが100μmとなる正極板基体を製作した。さらに、この正極板基体を総厚が165μmとなるようにプレスすることで、正極合剤層の片面の厚みが75μmとなるように、アルミニウム箔の正極集電体上に正極合剤層を成形した後、図5に示す扁平形二次電池で規定する幅にスリット加工し、正極板3を製作した。また、負極板2は実施例1と同様に作成した。
次に、この正極板3と負極板2の柔軟性の評価を図2に示すループスティフネス法を用いて行った。図3の16aは負極板2のスティフネスカーブであり、応力が全体にわたって小さく、折り曲げるときの反力が小さいので、柔軟性が高く変形しやすいことを示している。また、ギャップが小さくなっても、屈曲点が見られず、折れ曲がるときにも緩やかに折れていることから、滑らかな湾曲形状が形成されることがわかる。
また、図3の16c(一点鎖線)は正極板3のスティフネスカーブであって、負極板2のスティフネスカーブ16aと同等の形状をしている。これは積層状態で扁平形状に成形する際に、負極板2と正極板3が同じような形状に成形できることを示している。さらに、実施例1と同様に巻回後、加圧成形して電極群1を製作した後、実施例1と同様にして扁平形二次電池25を製作し、実施例2とした。
まず、正極活物質としてコバルト酸リチウムを100重量部、導電材としてアセチレンブラックを活物質100重量部に対して2重量部、結着材として2―エチルヘキシルアクリレートとアクリル酸とアクリロニトリルの共重合体(ゴム微粒子)を活物質100重量部に対して2重量部とを適量のN−メチル−2−ピロリドンと共に双腕式練合機にて攪拌し混練することで、正極合剤塗料を製作した。
次に、この正極合剤塗料を厚みが12μmである鉄を含有するアルミニウム箔の正極集電体の両面に塗布し、乾燥後に片面の正極合剤層の厚みが100μmとなる正極板基体を製作した。さらに、この正極板基体を総厚が165μmとなるようにプレスすることで、正極合剤層の片面の厚みが75μmとなるように、アルミニウム箔の正極集電体上に正極合剤層を成形した後、図5に示す扁平形二次電池で規定する幅にスリット加工し、正極板3を製作した。また、負極板2は実施例1と同様に作成した。
次に、この正極板3と負極板2の柔軟性の評価を図2に示すループスティフネス法を用いて行った。図3の16aは負極板2のスティフネスカーブであり、応力が全体にわたって小さく、折り曲げるときの反力が小さいので、柔軟性が高く変形しやすいことを示している。また、ギャップが小さくなっても、屈曲点が見られず、折れ曲がるときにも緩やかに折れていることから、滑らかな湾曲形状が形成されることがわかる。
また、図3の16d(破線)は正極板3のスティフネスカーブであって、負極板2のスティフネスカーブ16aと同等の形状をしている。これは積層状態で扁平形状に成形する際に、負極板2と正極板3が同じような形状に成形できることを示している。さらに、実施例1と同様に巻回後、加圧成形して電極群1を製作した後、実施例1と同様にして扁平形二次電池25を製作し、実施例3とした。
(比較例1)
まず、正極活物質としてコバルト酸リチウムを100重量部、導電材としてアセチレンブラックを活物質100重量部に対して2重量部、結着材としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)を活物質100重量部に対して2重量部とを適量のN−メチル−2−ピロリドンと共に双腕式練合機にて攪拌し混練することで、正極合剤塗料を製作した。
次に、この正極合剤塗料を厚みが15μmである鉄を含有するアルミニウム箔の正極集電体の両面に塗布し、乾燥後に片面の正極合剤層の厚みが100μmとなる正極板基体を製作した。さらに、この正極板基体を総厚が165μmとなるようにプレスすることで、正極合剤層の片面の厚みが75μmとなるように、アルミニウム箔の正極集電体上に正極合剤層を成形した後、図5に示す扁平形二次電池で規定する幅にスリット加工し、正極板を製作した。また、負極板は実施例1と同様に作成した。
次に、この正極板と負極板の柔軟性の評価を図2に示すループスティフネス法を用いて行った。図3の16aは負極板のスティフネスカーブであり、応力が全体にわたって小さく、折り曲げるときの反力が小さいので、柔軟性が高く変形しやすいことを示している。また、ギャップが小さくなっても、屈曲点が見られず、折れ曲がるときにも緩やかに折れていることから、滑らかな湾曲形状が形成されることがわかる。
また、16eは正極板のスティフネスカーブであって、負極板のスティフネスカーブ16aに比べて、応力が高く、大きいギャップで屈曲点が発生している。これは柔軟性が低く、小さな折り曲げだけで正極板が折れてしまうことを示している。このため、積層状態で扁平形状に成形する際に、正極板が先に折れてしまい、負極板と形状が沿わないためいびつな湾曲形状になってしまうことを示している。
さらに、実施例1と同様に巻回後、加圧成形して電極群を製作した後、実施例1と同様にして扁平形二次電池を製作し、比較例1とした。
上記各実施例と比較例1の所要内容を(表1)に示す。上記実施例1〜3および比較例1は、それぞれ電極群1を100個ずつ作製し、その中から60個を扁平形二次電池25に製作し、40個は電池ケースに入れた状態でとどめた。それぞれを次のような評価を行った。
Figure 2012059490
厚み増化量としては、扁平形二次電池25を製作直後の電池厚みと、充放電を500サイクル後の電池厚みを測定し、これらの平均値の差を算出した。
また、電極板のたわみの有無としては、扁平形二次電池25を製作直後と500サイクル後の充電状態での高さ方向の中心部の断面写真をX線によるコンピュータ断層撮影(以下CTと略す)で撮影し目視により確認した。
また、電極合剤層の割れと浮き上がりの有無として、電極群1を電池ケース21に収容した状態で、熱硬化樹脂を用いて硬化させた後に横断的に切断して電極合剤層の割れ幅を測定顕微鏡にて測定した。さらに、湾曲部8,9の最内周部における合剤層の浮き上がりは、上記と同様の手法にて得られた切断面を顕微鏡で観察して電極合剤層の浮き上がりの有無を確認した。以下、実施例1〜3および比較例1の評価結果を(表2)に示す。
Figure 2012059490
(表2)の結果より実施例1〜3のいずれにおいても、負極板2と正極板3のたわみは発生せず、500サイクル後の電池厚みの増加は非常に小さく、製品に対する影響は無かった。これは、正極板3の柔軟性が高く、扁平形状に押圧変形したときに、負極板2と同じ様に滑らかな湾曲形状にすることができたためである。
より詳しくは、実施例1は鉄含有のアルミニウム箔を用いているが、これは比較例1の鉄含有のアルミニウム箔に比べて厚みが薄いために柔軟性が高い。このため、図3の16bで示すように、押圧時の応力が小さく、負極板2のスティフネスカーブ16aと同等となり、また屈曲点もギャップが小さいところに示している。これは変形形状に押圧変形する際に、より滑らかな円弧形状の湾曲部8,9が形成でき、さらに正極板3と負極板2との形状に差が小さく成形できるといえる。
このように滑らかな形状が形成できると、図6(a)に示すように、負極板2の充電時の膨張による応力を湾曲部8,9で均一に吸収でき、さらに、図6(b)に示すように吸収し切れなった応力が内へ向かって扁平形の直線部にかかっても、柔軟性が高いときには、電極板がしなることで応力を吸収できるため、電極板のたわみが微小で、二次電池の厚みには影響が無い程度に抑制できた。
実施例2は正極合剤層の結着材にゴム微粒子を用いたものであるが、図3の16cで示すように、押圧時の応力が小さく、負極板2のスティフネスカーブ16aと同等となり、また屈曲点もギャップが小さいところに示している。これは変形形状に押圧変形する際に、より滑らかに湾曲部8,9が形成でき、さらに正極板3と負極板2との形状に差が小さく成形できるといえる。
このように滑らかな形状が形成できると、図6(a)に示すように、負極板2の充電時の膨張による応力を湾曲部8,9で均一に吸収でき、さらに、図6(b)に示すように吸収し切れなった応力が内へ向かって扁平形の直線部にかかっても、柔軟性が高いときには、電極板がしなることで応力を吸収できるため、電極板のたわみが微小で、電池厚みには影響が無い程度に抑制できた。
実施例3は鉄含有のアルミニウム箔および正極合剤層の結着材にゴム微粒子を用いたもので、図3の16dで示すように、押圧時の応力が小さく、負極板2の柔軟性と同等となり、また屈曲点もギャップが小さいところに示している。これは変形形状に押圧変形する際に、より滑らかに湾曲部8,9が形成でき、さらに正極板3と負極板2との形状に差が小さく成形できるといえる。
このように滑らかな形状が形成できると、図6(a)に示すように、負極板2の充電時の膨張による応力を湾曲部8,9で均一に吸収でき、さらに、図6(b)に示すように吸収し切れなった応力が内へ向かって扁平形の直線部にかかっても、柔軟性が高いときには、電極板がしなることで応力を吸収できるため、電極板のたわみが微小で、電池厚みには影響が無い程度に抑制できた。
また、実施例1〜3のいずれにおいても、湾曲部8,9の最内周における電極合剤層の割れの幅は非常に小さく、二次電池に対する影響は無く、また電極合剤層の浮き上がりは見られなかった。これは、柔軟性が高いので、扁平形状に加圧成形する際に発生する応力を均一に分散させることで緩やかに湾曲部8,9を形成するため、電極合剤層の割れや浮き上がり、電極合剤層の脱落を抑制することができた。
一方、比較例1は負極板と正極板のたわみが発生し、電池厚みの増加が抑制できずに、0.6mmのたわみが発生した。このような電池厚みの増加は製品に対する影響が大きく、例えば、装着機器から外れるなどの不具合が考えられる。これは、正極板の柔軟性が低く、負極板の柔軟性とは大きく違っているため、扁平形に押圧変形する際、負極板より先に正極板が屈曲してしまうことで、湾曲部の形状が図7(a)に示すようないびつな形状になる。正極板3がこのような形状になると、負極板の膨張による応力が一様にかからず、特定箇所に大きくかかってしまい、このときに湾曲部で吸収できなかった応力が直線部にかかるが、正極板の柔軟性が低く正極板がしなることができないため、図7(b)に示すように、応力を吸収できなくなって、正極板が屈曲した。また、湾曲部の複数点で大きく屈曲するため、電極合剤層の割れが大きく、電極合剤層の浮き上がりも発生した。
加えて、これらの500サイクル繰り返したうちの30個について、次のような試験を行った。まず、落下試験として上述の扁平形二次電池を上限電圧4.2V、電流2Aの条件で2時間充電を行った後に、1.5mの高さからコンクリート面上に、扁平形二次電池の6面に対し各10回落下試験を行い、室温25℃にて10個の発熱温度を測定し、10個の平均値を求めた結果を(表3)に示す。また落下試験後の発熱の有無を確認した結果を(表3)に示す。
また、丸棒圧壊試験として上述の扁平形二次電池を上限電圧4.2V、電流2Aの条件で2時間充電を行った後、電池を寝かせた状態で長さ方向に対し垂直方向に直径10mmの丸棒で圧壊試験を実施し、室温25℃にて10個の発熱温度を測定し、10個の平均値を求めた結果を(表3)に示す。
さらに、150℃加熱試験として上述の扁平形二次電池を上限電圧4.2V、電流2Aの条件で2時間充電を行った後、電池を恒温層に挿入し、常温から5℃/分の条件で恒温層の温度を150℃まで昇温させて、そのときの電池発熱温度を測定し10個の平均値を求めた結果を(表3)に示す。
Figure 2012059490
(表3)の結果より、実施例1〜3では500サイクル後の落下試験、丸棒圧壊試験、150℃加熱試験については、不具合は認められなかった。これは、正極板3および負極板2のたわみが抑制されており、それらに起因する内部短絡を抑制することができたために、良好な安全性を維持できたものと考えられる。
一方、比較例1で示した何も施していない扁平形二次電池は、500サイクル後に分解し観察した結果、リチウム析出、電極板の破断、電極板の挫屈、電極合剤層の脱落などの不具合が認められた。また、落下試験、丸棒圧壊試験、釘刺し試験、150℃加熱試験のいずれの試験においても、発熱温度が高いことより、巻回時の合剤層の脱落や電極板の破断に起因する内部短絡や挫屈が発生していることが原因と考えられる。
以上の結果から、図1に示す電極群1は、図3に示すように、正極板3と負極板2のスティフネスカーブが同等になるように構成したことにより、扁平形に加圧成形する際図1に示す電極群1の湾曲部8,9の最内周に位置する負極板2と正極板3の電極合剤層の割れと電極合剤層の浮き上がりが抑制できることが判明した。これは、柔軟性が高いので扁平形状に加圧成形する際に発生する応力を均一に分散させることで緩やかに滑らかな湾曲形状を形成するため、電極合剤層の割れや浮き上がり、電極合剤層の脱落を抑制することができた。
また、滑らかな湾曲形状が形成できると、図6(a)に示すように、負極板2の充電時の膨張による応力を湾曲部8,9で均一に吸収できるため、また、吸収し切れなった応力が内へ向かって扁平形の直線部にかかっても、柔軟性が高いときには、電極板がしなることで応力を吸収できるため、電極板のたわみが微小で、電池厚みには影響が無い程度に抑制できたものと考えられる。
一方で、比較例1のような、正極板と負極板のスティフネスカーブが同等となる構成にしなかった電極群は、負極板と正極板のたわみが発生し、電池厚みの増加が抑制できなかった。これは、図7(a)に示すように、扁平形に押圧変形する際、負極板より先に正極板が屈曲してしまうことで、湾曲部の形状がいびつな形状になる。正極板がこのような形状になると、負極板の膨張による応力が一様にかからず、特定箇所に大きくかかってしまい、このときに湾曲部で吸収できなかった応力が直線部にかかるが、正極板の柔軟性が低く正極板がしなることができないため、図7(b)に示すように、応力を吸収できなくなって、正極板が屈曲した。また、湾曲部の複数点で大きく屈曲するため、電極合剤層の割れが大きく、電極合剤層の浮き上がりも発生しやすいと考えられる。
本発明によれば、正極集電体の表面に正極合剤層を形成した正極板と負極集電体の表面に負極合剤層を形成した負極板との間に多孔質絶縁体を介在させて渦巻状に巻回して構成した扁平形二次電池用電極群であって、ループスティフネス法での正極板と負極板のスティフネスカーブが同等となる構成としたことを特徴とする扁平形二次電池用電極群を用いることにより、扁平形状に加圧成形する際に発生する応力を均一に分散させることで電極合剤層の割れや浮き上がり、電極合剤層の脱落を抑制し、また湾曲部において負極板の膨張による応力を均一に分散させることで、電極板のたわみを抑制して安全性の高い扁平形二次電池を提供することができる。
1 電極群
1a 巻回後の電極群
2 負極板
3 正極板
4 多孔質絶縁体
5 短軸
6 たわみ
8,9 湾曲部
13 円形状にしたサンプル
13a サンプルの突合せ部
14a 上側平板
14b 下側平板
15 ロードセル
16a,16b,16c,16d,16e 電極板のループスティフネスカーブ
21 電池ケース
22 正極リード
23 負極リード
24 封栓
25 扁平形二次電池
26 封口板
27 絶縁枠体
29 絶縁ガスケット
30 下巻芯
31 押さえローラ
43 左巻芯
45 右巻芯
46 中軸
47 楕円形形状の巻芯
L ギャップ

Claims (5)

  1. 正極集電体の表面に正極合剤層を形成した正極板と負極集電体の表面に負極合剤層を形成した負極板との間に多孔質絶縁体を介在させて渦巻状に巻回して構成した扁平形二次電池用電極群であって、ループスティフネス法での前記正極板と負極板のスティフネスカーブが同等となる構成としたことを特徴とする扁平形二次電池用電極群。
  2. 前記正極板と負極板のスティフネスカーブを同等にする手段として、前記正極集電体と負極集電体に同等の柔軟性を付与したことを特徴とする請求項1に記載の扁平形二次電池用電極群。
  3. 前記正極板と負極板のスティフネスカーブを同等にする手段として、前記正極合剤層と負極合剤層に同等の柔軟性を付与したことを特徴とする請求項1に記載の扁平形二次電池用電極群。
  4. 前記正極板と負極板のスティフネスカーブを同等にする手段として、前記正極集電体と負極集電体および前記正極合剤層と負極合剤層に同等の柔軟性を付与したことを特徴とする請求項1に記載の扁平形二次電池用電極群。
  5. 請求項1〜4のいずれか一つに記載の扁平形二次電池用電極群を非水系電解液とともに電池ケースに封入したことを特徴とする扁平形二次電池。
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