JP2012059197A - エコポイント管理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】CO削減量に応じてエコポイントを付与する。
【解決手段】 電気自動車を運転する利用者を特定する利用者IDを取得し、前記電気自動車に搭載されたバッテリへの充電量を取得する充電スタンド113と、前記充電量取得手段で取得した充電量から走行距離を算出し、前記走行距離に単位CO削減量をかけ、得られたCO削減量に基づいてエコポイント数を算出するデータセンター102と、算出したエコポイント数を利用者IDと関連付けして管理するエコポイントサービスセンター104を備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電気自動車等の利用に伴う環境へのエコロジー化(エコ化)を促進するためのエコポイント管理システムに関する。
近年、電気自動車が普及しつつあるが、その促進を図ることを目的としたインフラ整備の拡充対策が重要視されている。また、このような電気自動車の普及やインフラ整備の拡充促進のひとつとして、自治体単位或いは自治体と一般企業との提携によるエコポイントの還元が提案されている。
このようなエコポイントを利用者に付与し、獲得エコポイントによって割引等の対価の還元といったエコポイント管理システムとしては、充電量に応じて充電料金の割引を行うもの(例えば、特許文献1参照)、走行距離に応じてエコポイントを付与するもの(例えば、特許文献2参照)、電気自動車に広告機能を具備させてその報酬をエコポイント化するもの(例えば、特許文献3参照)、等がある。
特開2009−225638号公報 特許4466726号公報 特許4466728号公報
しかしながら、従来のエコポイント管理システムでは、単に充電量だけをエコポイントの対象としたのでは、実際のCO削減量との関連性が考慮されていない。したがって、CO削減に貢献しようという本来のエコ化目的が置き去りとなってインフラ整備の拡充促進の妨げとなる虞がある。このように、従来のエコポイント管理システムでは、エコポイントとCO削減量との関連性が薄いため、利用者のエコ意識の高揚を図ることができず、CO削減効果が十分に達成されないという問題があった。
また、従来のエコポイント管理システムでは、エコポイントの換算式が異なっており、互換性がない。例えば、特許文献1に記載されたシステムでは、エコポイントが充電された電力量から算出されるのに対して、特許文献2に記載されたシステムでは、エコポイントが走行距離から算出される。このように換算式が異なるため、車種や装備に関係なく、広く公平にエコポイントを付与することができないという問題があった。
そこで、本発明は、CO削減量に応じたエコポイントを付与するとともに、車種や装備に関係なく広くエコポイントを付与することが可能なエコポイント管理システムを提供することを目的とする。
請求項1記載のエコポイント管理システムは、電気自動車を運転する利用者を特定する利用者IDを取得するID情報取得手段と、電気自動車に搭載されたバッテリへの充電量を取得する充電量取得手段と、充電量取得手段で取得した充電量から走行距離を算出し、走行距離に単位CO削減量をかけ、得られたCO削減量に基づいてエコポイント数を算出する充電量基準エコポイント算出手段と、算出したエコポイント数を利用者IDと関連付けして管理するエコポイント管理手段と、を備えていることを特徴とする。
また、請求項2記載のエコポイント管理システムは、さらに、電気自動車の走行距離を取得する走行距離取得手段と、取得された前記走行距離に単位CO削減量をかけ、得られたCO削減量に基づいてエコポイント数を算出する走行距離基準エコポイント算出手段とを備え、前記走行距離が取得できない場合には前記充電量基準エコポイント算出手段が前記エコポイントを算出し、前記走行距離が取得できた場合には前記走行距離基準エコポイント算出手段が前記エコポイントを算出することを特徴とする。
本発明のエコポイント管理システムは、CO削減量に基づいてエコポイントを算出しているので、利用者のエコ意識の高揚を図ることができるという効果がある。
また、本発明のエコポイント管理システムは、複数のエコポイント算出手段を切り換えて使用するので、車種や装備に関係なく、広くエコポイントを付与することができるという効果がある。
本発明の第1実施形態に係るエコポイント管理システムの説明図である。 本発明の第1実施形態に係るエコポイント管理システムのエコポイント換算ツールを説明するための概念図である。 本発明の第1実施形態に係るエコポイント換算処理を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係るエコポイント換算ツールの起動と出力の処理を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係るエコポイント管理システムにおけるエコポイントデータファイルの一例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るエコポイント管理システムの説明図である。 本発明の第2実施形態に係るエコポイント換算処理を示すフローチャートである。
次に、本発明の一実施形態に係るエコポイント管理システムについて、図面を参照して説明する。尚、以下に示す実施例は本発明のエコポイント管理システムにおける好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。また、以下に示す実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、かつ、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、以下に示す実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
(第1実施形態)
[全体構成]
図1は本発明の一実施形態に係るエコポイント管理システムの説明図である。図1において、このエコポイント管理システムは、会員側装備101と、会員情報とエコポイントを管理するデータセンター102と、電気自動車を貸し出すレンタカーセンター103と、エコポイントを還元するエコポイントサービスセンター104とを含んでいる。
会員側装備101は、会員111が使用または携帯している設備をいう。ここでいう会員111とは、登録したユーザをいい、本実施形態ではデータセンター102、レンタカーセンター103、エコポイントサービスセンター104に登録され、レンタカー事業者からレンタカーを借り出すことができるユーザ(具体的には、A、B、C)をいう。
会員側装備101は、会員が借り出す電気自動車112(1号車、2号車・・・)と、電気自動車112を充電する充電スタンド113と、会員111が携帯しているICカード114(例えば、FeliCa(登録商標)カード)と、パーソナルコンピュータ(PC)115を含む。具体的には、会員111は電気自動車112を充電スタンド113を使用して充電を行う。このとき、充電スタンド113は、会員の認証をICカード114を使ってデータセンター102との通信により行う。
データセンター102は、データセンター会員情報DB121と、利用履歴情報DB122と、エコポイントDB123とを含む。データセンター会員情報DB121は、例えば、会員であるAを利用者ID「10yyyyy」と関連付けることによって、会員情報を管理している。また、データセンター会員情報DB121は、例えば、電気自動車の1号車を車ID「01xxxxx」と関連付けることによって、車情報を管理している。エコポイントDB123は、利用者IDごとに換算されたエコポイントを各ICカードのIDごとに関連付けることによって、付与されたエコポイントを管理している。
レンタカーセンター103は、レンタカー事業者、あるいはカーシェア事業者が保有し、レンタカー会員情報DB131を含んでいる。このレンタカー会員情報DB131は、基本的には、データセンター102のデータセンター会員情報DB121と類似の情報を共有する。例えば、利用者が電気自動車を借り出すと、レンタカーセンター103はデータセンター102と通信し、登録・照会を行うとともに、利用履歴に関する情報を利用履歴情報DB122に提供する。
エコポイントサービスセンター104は、付与されたエコポイントを還元するサービスを行うエコポイントサービス事業者が保有し、こちらもエコポイントサービス会員情報DB141を含んでいる。このエコポイントサービス会員情報DB141は、基本的には、データセンター102のデータセンター会員情報DB121と類似の情報を共有する。例えば、ある利用者にエコポイントが付与されると、データセンター102がエコポイントサービスセンター104にエコポイント付与を伝達し、エコポイントサービスセンター104はそれをエコポイントサービス会員情報DB141に登録する。
[エコポイント付与処理]
続いて、図1を参照して、本実施形態に係るエコポイント管理システムの処理について説明する。
まず、会員がレンタカー事業者が所有する電気自動車のうち1号車112a(ID番号は「01xxxxx」)を借り出して、充電を行う目的で充電スタンド113に到着する。会員は、ICカードを充電スタンド113の読取装置(ID情報取得手段)に読み込ませる。充電スタンド113は読み込んだ情報をデータセンター102に送信する。
データセンター102は、受け取った車IDをデータセンター会員情報DB121に照会し、認証を行う。データセンター102はさらに車IDをレンタカーセンター103に送信する。レンタカーセンター103は、受け取った車IDをレンタカー会員情報DB131に照会し、1号車を使用している利用者(例えば、A)であることを特定し、その利用者の利用者IDをデータセンター102に送信する。
ここで、会員が1号車に対して充電を開始し、そして終了する。充電スタンド113(充電量取得手段)はその充電を行った電力量、1号車の車ID(「01xxxxx」)、充電時間などの情報をデータセンター102に送信する。データセンター102はこれらの情報を利用履歴情報DB122に登録する。一方、データセンター102はレンタカーセンター103から1号車を利用しているAの利用者IDを受け取り、これらの情報を利用履歴情報DB122に登録する。その結果、データセンター102(エコポイント管理手段)の利用履歴情報DB122は、充電した電力量、充電を行った利用者(例えば、A)の利用者ID、充電を行った車の車ID(例えば、「01xxxxx」)を記録する。
データセンター102は、利用履歴情報DB122の情報に基づき、エコポイント換算ツール(詳細は後述)を用いて利用者IDごとに算出し、算出したエコポイントを利用者の利用者IDと関連付けてエコポイントDB123に登録する。併せて、データセンター102は、利用履歴情報DB122の情報に基づき、車IDごとに課金を行う。
データセンター102は、付与されたエコポイントをエコポイントサービスセンター104に送信する。また、データセンター102は、会員情報抽出アプリケーション124起動し、エコポイント付与に必要な会員情報をエコポイントサービスセンター104に送信する。エコポイントサービスセンター104は、受け取った情報をエコポイントサービス会員DB141に登録する。例えば、利用者IDが10yyyyyであるAにエコポイントを付与する。エコポイントサービスセンター104を所有するエコポイントサービス事業者は、地域に根ざした協賛企業・団体・個人であり、エコポイントをこのエコポイントサービス事業者から提供された商品やイベントに交換することができ、価値の循環を通じた地域の活性化に居することができる。
利用者が自己のエコポイントを確認したいときは、PC115からWebブラウザなどを使用して、エコポイントサービスセンター104のエコポイントシステム142に直接アクセスする。エコポイントシステム142は会員の認証をした後、アクセスした利用者のエコポイントをWebとしてPC115の画面に表示する。
[エコポイント換算処理]
図2を参照して、本実施形態のエコポイント管理システムにおけるエコポイント換算ツール(充電量基準エコポイント算出手段)について説明する。
図2において、充電スタンド113は、エコポイント付与の対象となる特定の地域、例えば○○市に設置されている。一方、データセンター102は○○市とは別に設置され、独自の情報管理システム201を有している。情報管理システム201は、前述したデータセンター会員情報DB121等から必要な情報を取得し、エコポイント換算ツール202を用いてエコポイントを換算する。
エコポイント換算ツール202は、電気自動車への充電量に基づき、ガソリン車と比較して電気自動車がなしうるCO削減量を算出し、このCO削減量に対応したエコポイントを算出し、算出した結果をエコポイントデータファイルに出力する。利用者は、○○市のエコポイントシステムにアクセスし、CO削減量とともにエコポイントを視認することができる。
CO削減量をエコポイント換算することにより、利用者がCO削減効果を視認できる。いわゆる、CO削減効果の「見える」化を行う。すなわち、CO削減効果の視覚化によって、電気自動車の普及への動機付けを高め、結果としてCO削減効果のさらなる向上を図ることができる。
エコポイント換算ツール202における換算式は以下のとおりである。
電気自動車を利用した場合のエコポイント=V
充電した電力量(kWh)=P
1kWhあたり電気自動車の走行距離<電費>(km/kWh)=K
1kmあたりのCO削減量(kgCO/km)=R
エコポイント換算係数(エコポイント/kgCO)=X
とした場合、
V=P×K×R×X … 式1
で求める。
エコポイント換算式の決定は、まず理論値・経験則・慣例・過去の実証実験から推定した換算係数を仮に設定した基礎式を定義し、走行実験のデータを評価し、その地域のCO削減活動の状況を把握した上で、エコポイント換算係数を調整する。なお、COの排出量の算定にあたっては、ガソリン車と電気自動車の製造時に排出されるCOの量も考慮する必要があるが、ガソリン車と電気自動車もほぼ同じ仕様であり、両者の違いはエンジンの形式(燃焼エンジンであるか、モータであるか)の違いでしかないので、製造時のCO削減量は無視できる。
この際、エコポイント換算式を構成する上記諸元として、充電した電力量Pは、充電スタンド113から送信され、情報管理システムで管理されている情報から取得する。1kWhあたり電気自動車の走行距離Kは、走行実験のデータに基づいて予め決定しておく。1kmあたりのガソリン車に対する電気自動車のCO削減量Kは、実験データにより得られた1kmあたりガソリン車のCO排出量(kgCO/km)から1kmあたりの電気自動車のCO排出量(kgCO/km)を減じた差分である。
ここで、1kmあたりガソリン車のCO排出量(kgCO/km)は、1kmあたりガソリン使用量(L/km)×単位発熱量(0.0346GJ/L)×二酸化炭素排出係数(18.3kgC/GJ)×二酸化炭素換算係数(44/12)で算出する。また、1kmあたり電気自動車のCO排出量(kgCO/km)は、1kmあたり電気自動車の電力消費量(kWh/km)×二酸化炭素排出係数(0.473kgCO/kWh)で予め決定しておく。
さらに、エコポイント換算係数(エコポイント/kgCO)は、1kgあたりCO削減量取引の経済価値(円/kgCO)×地域通貨への換算基準(エコポイント/円)で予め決定しておく。
図3は、エコポイント換算ツールによるエコポイント換算処理の手順を示すフローチャートである。
ステップS301において、まず会員別に、充電に使用された電力量を取得する。この電力量は、充電スタンド113からデータセンター102に送信され、利用履歴情報DB122に登録された情報から取得される。ステップS302において、単位走行距離あたりのガソリン車と比較した電気自動車のCO削減量Kを取得する。前述したように、このCO削減量Kは、実験データにより得られたガソリン車のCO排出量から電気自動車のCO排出量を減じた値である。
ステップS303において、取得した電力量Pに1kWhあたり電気自動車の走行距離(電費)Kをかけて、電気自動車の推定走行距離を算出する。ステップS304において、推定走行距離に1kmあたりのCO削減量をかけて、その電気自動車が走行したことによって得られたCO削減量を算出する。ステップS305において、CO削減量にエコポイント換算係数Xをかけて、エコポイントを算出する。
ここで、CO削減量に対して付与される金銭的価値としてのエコポイントの算出であるが、社会的に広く認知されている節約物を基準として決定する方法(第1の方法)と、COの市場取引価格に基づいて決定する方法(第2の方法)などが考えられる。
第1の方法として、例えば、店舗で商品を購入したときに無料で配布される袋(いわゆるレジ袋)を基準とすることができる。レジ袋を製造するときに排出されるCO排出量がすでに認定されている(例えば、平均値として33.6gCO/枚)。レジ袋1枚を節約した(使用しなかった)場合に付与される金銭的価値は、全国的に、2.5円に設定されている。この基準に基づいて、電気自動車のCO削減量を付与すべきエコポイントに換算することができる。
第2の方法として、例えば、日本国内実施されている「自主参加型国内排出量取引制度(第1期)」の排出削減実績と取引結果によれば、1トンあたり1212円とされている。また、欧州連合のCO排出権取引価格は、1トンあたり3000円とされている。この基準に基づいて、電気自動車のCO2削減量を付与すべきエコポイントに換算することができる。
[エコポイント換算ツール]
図4を参照して、エコポイント換算ツールの起動と出力の処理について説明する。ステップS401において、エコポイント換算ツールが起動され、パラメータとして諸元が取得される。動的に変化する可能性がある諸元は、起動時にパラメータとして指定され、起動のたびに新規に読み込まれる。
ステップS402において、情報管理システムから、会員単位でエコポイント集計期間に含まれる電力量が取得される。エコポイントの集計単位は、ICカード単位に付与された利用者IDごとに集計される。また、エコポイント集計期間は、原則として、任意な開始日付と終了日付によって集計される期間をいう。
ステップS403において、取得された諸元がエコポイント換算式に会員ごとに代入される。続いて、ステップS404において、会員ごとに、CO削減量とエコポイントが算出され、エコポイントデータファイルに出力される。
図5は、エコポイントデータファイルの一例を示す。例えば、会員である山田太郎は2009年10月1日から2010年2月15日までの間にCO削減量(理論値)が10であり、付与されたエコポイント(理論値)が100である。なお、CO削減量とエコポイントについては実測値を記録し、理論値の実測値に対する乖離状態を比較し、評価することが可能である。エコポイントデータファイルに記録されたエコポイントは、Webブラウザを通じて各会員が確認することができる。
以上述べたように、本実施形態によれば、会員がCO削減量を視認することができるので、CO削減活動の「見える」化を図ることができる。また、CO削減活動に対応したエコポイントが付与されるので、会員のエコ意識の発揚を図ることができる。また、CO削減活動を複数の会員(チーム)で共有し、ネットを活用したコミュニケーションなどにより仲間意識の醸成を図りながら、エコ活動をいっそう促進することができる。また、獲得したエコポイントを商品やイベントを通じて地域に還元することにより、地域社会の活性化を推進することができる。
(第2実施形態)
[全体構成]
図6は本発明の第2実施形態に係るエコポイント管理システムの説明図である。図6において、このエコポイント管理システムは、第1実施形態と同様に、会員側装備101と、データセンター102と、エコポイントサービスセンター104とを含んでいる。第2実施形態では、さらに、会員側装備101に、ICカードの代わりに、車載器601が含まれている。また、レンタカーセンターに代えて、管理センター610が追加されている。
車載器601は、電気自動車112に搭載され、走行実績(走行距離、ルート、走行時間等)を記録し、この情報をデータセンター102に送信する。車載器601は、例えば、カーナビゲーションシステムやETC車載器と一体化することが好ましく、電気自動車自体にビルトインされていてもよい。車載器601は、ETCと同様の方法(無線通信)を利用して読み取り装置と情報を交換し、エコポイント付与に必要な情報を送信する。
管理センター610は、レンタカー事業者に限定されず、例えば、自動車会社、(ETCカード等を管理する)クレジットカード会社などであってもよい。管理センター610は、電気自動車112とその所有者との関係を管理している。
[エコポイント付与処理]
続いて、図6を参照して、本実施形態に係るエコポイント管理システムの処理について説明する。
まず、会員が自己の電気自動車112(ID番号は「01xxxxx」)を運転すると、車載器601(走行距離取得手段)が走行距離・走行ルート・走行時間等の走行記録を記録する。なお、走行記録は、走行距離・走行ルート・走行時間のすべてである必要はなく、走行距離だけであってもよい。会員が電気自動車を運転して、充電を行う目的で充電スタンド113に到着する。このとき、車載器601と充電スタンド113に設けられた通信器(図示せず)とが通信を開始する。充電スタンド113は無線通信により取得した車ID、利用者IDなどの情報をデータセンター102に送信する。
データセンター102は、受け取った車IDおよび利用者IDをデータセンター会員情報DB121に照会し、認証を行う。なお、データセンター102は、管理センター610と通信を随時に行い、管理センター610の管理センター会員情報DB611が更新されると、直ちにデータセンター102のデータセンター会員情報DB121も更新される。例えば、電気自動車の所有者の変更があったとき、利用者の情報に変更があったときは、管理センター610の情報が更新され、それがデータセンター102にも提供される。
認証がなされると、会員が電気自動車に対して充電を開始し、そして終了する。このとき、充電スタンド113の通信器は車載器601と通信を行い、走行記録を取得する。そして、充電スタンド113は、充電を行った電力量、走行記録、車ID、利用者IDなどの情報をデータセンター102に送信する。データセンター102はこれらの情報を利用履歴情報DB122に登録する。
データセンター102は、利用履歴情報DB122の情報に基づき、エコポイント換算ツール(詳細は後述)を用いて利用者IDごとに算出し、算出したエコポイントを利用者の利用者IDと関連付けてエコポイントDB123に登録する。併せて、データセンター102は、利用履歴情報DB122の情報に基づき、車IDごとに課金を行う。
データセンター102は、付与されたエコポイントをエコポイントサービスセンター104に送信する。また、データセンター102は、会員情報抽出アプリケーション124を起動し、エコポイント付与に必要な会員情報をエコポイントサービスセンター104に送信する。エコポイントサービスセンター104は、受け取った情報をエコポイントサービス会員DB141に登録する。
[エコポイント換算処理]
第1実施形態では充電した電力量から電気自動車の走行距離を算出し、これに基づいてCO削減量を算出したが、第2実施形態では、主として走行記録に基づいてCO削減量を算出し、充電した電力量は補完的にエコポイント換算式に考慮される。第2実施形態では、走行記録に基づいてエコポイントを算出するので、より精度の高いエコポイントを付与することができるとともに、家庭で充電した場合にもエコポイントを付与することができる。
第2実施形態におけるエコポイント換算ツール202(走行距離基準エコポイント算出手段)における換算式は以下のとおりである。
電気自動車を利用した場合のエコポイント=V
電気自動車の走行距離(km)=D
1kmあたりのCO削減量(kgCO/km)=R
エコポイント換算係数(エコポイント/kgCO)=X
環境変数=α
とした場合、
V=D×R×(X×α) … 式2
で求める。
第2実施形態では、第1実施形態になかった環境変数αを掛け合わせることにより、より高い精度のCO削減量を算出することができ、また政策的目的により付与するエコポイントに重みをつけることも可能である。
[環境変数の詳細]
環境変数αは、走行時の消費電力増減に対する変化要因となる変数であり、車載IDカード読取装置で収集してIDカードに記録したデータと、会員登録時や更新時等で取得するデータとがある。ここで、電費増減の変化要因となる環境変数としては、道路環境、自然環境、人為的環境、走行用バッテリ経年環境、車種環境、政策等が想定される。
道路環境変数(α1)としては、GPSデータを蓄積し、走行距離に対する山間部走行(登坂部走行)の走行率及び走行距離に対する高速道路の走行率を算出し、トータル貢献度を算出する。即ち、登坂部走行は平坦地走行に比べて消費電力は高いとされる。また、高速道路は車速は高いものの市街地のような信号機等による加減速が少ないだけ消費電力は低いとされる。
そこで、一般道(平坦地)のみの走行を定数α1(例えば、1.0)とした場合、登坂部走行をした走行距離に対する登坂部走行の走行率(例えば、5%)から定数α1を可変(例えば、α1=0.95)し、高速道路走行をした走行距離に対する高速道路走行の走行率(例えば、80%)からその1/4を貢献度として定数α1を可変(例えば、α1=1.2)とする。尚、これらの定数の可変率は設定・変更可能である。
自然環境変数(α2)としては、温度センサの検知データを蓄積し、基準温度に対するマイナス温度環境下での走行比率を算出し、トータル貢献度を算出する。即ち、環境温度が低いと走行用バッテリの消費電力は高くなるとされることから、基準温度(例えば、外気温度5℃以上)を定数α2(例えば、1.0)とした場合、外気温度が10℃単位で下がるほど定数α2を可変(例えば、α2=0.9、α2=0.8、…)する。
人為的環境変数(α3)としては、アクセルペダルの開度、ブレーキペダルの開度を標準開度と比較し、急ブレーキ・急発進の回数を蓄積、トータル貢献度を算出する。即ち、急ブレーキ・急発進をすると走行用バッテリの消費電力は高くなるとされることから、アクセルペダルの開度とブレーキペダルの開度を標準開度と比較し、標準開度よりも大きい場合には急ブレーキ・急発進をしたとしてその回数を蓄積し、急ブレーキ・急発進をしない走行を定数α3(例えば、1.0)とした場合、蓄積した回数を所定回数単位(例えば、10回単位)で定数α3を可変(例えば、1〜10回でα3=0.95、11回〜20回でα3=0.9、…)とする。
経年環境変数(α4)としては、予め取得することができ、会員登録時や更新時に初期情報として管理サーバに登録される走行用バッテリ経年環境変数(α4)が考えられる。走行用バッテリ購入時からの経年数を年度毎に予め設定した比率で定数α4を可変する。即ち、走行用に用いる走行用バッテリは、耐用年数が設定されている場合が多い。また、その使用年度が増える程、電気容量の縮小による劣化が激しくなり、充電機会の増加理由となってしまう。そこで、会員登録時や更新時に走行用バッテリの交換の有無や使用年数・耐用年数を予め登録しておき、走行用バッテリ経年数の1年目を定数α4(例えば、1.0)とした場合、充電時の年月日から使用年数を算出し、所定年単位(例えば、2年単位)でα4を可変(例えば、3〜4年目でα4=0.95、5〜6年目で0.9、…)とする。尚、1回での充電満タン状態となるための充電量の変化(縮小)によって経年環境変数を可変しても良い。
車種環境変数(α5)としては、軽自動車(例えば、α5=1.0)、普通自動車(例えば、α5=0.9)、ハイブリッド車(例えば、α5=0.95)によって予め設定される。
政策環境変数(α6)としては、例えば、土日に走行したときは高めに設定され、平日に走行したときは低めに設定される。あるいは、都市部を走行したときは、高めに設定され、平日に走行したときは低めに設定される。さらに、特定の観光地を走行したときは高めに設定してもよい。このようにすることによって、土日に集中する渋滞を緩和することができ、またエコ対策が最も求められる都市部での電気自動車の利用を促進することができる。また、特定の地域でエコポイントに対する政策環境変数を大幅にアップすることにより、その地域に観光客を吸引することも可能となる。
このような環境変数α1〜α6を用い、トータル的に環境変数αを求め、その環境変数αを加味したエコポイント換算係数Xとすることにより、実際の充電量に対するCO削減量を算出することができる。
[換算式の切換え]
第2実施形態は、エコポイント換算式2を主として使用するが、第1実施形態のエコポイント換算式1も併用する。図7は、2つの換算式を切り換えてエコポイントを換算する処理を示すフローチャートである。
ステップS701において、無線通信から走行記録が取得できたか否かを判定する。走行記録が取得できた場合は、ステップS702に進み、走行距離に基づくエコポイント換算式2を用いてエコポイントを換算する。
一方、ステップS701において、走行記録が取得できなかった場合は、ステップS703に進み、充電した電力量に基づくエコポイント換算式1を用いてエコポイントを換算する。走行記録が取得できない場合として、電気自動車に車載器601が搭載されていない場合、車載器601が不調な場合、車載器601は正常だが会員登録が未だされていない場合などが考えられる。この場合は、ステップS703に進み、第1実施形態で記載したように、ICカードを用いて認証を行い、充電した電力量に基づくエコポイント換算式2を使用してエコポイントを換算する。
続いて、ステップS704に進み、充電した電力量に基づくエコポイント換算式2で得られたエコポイントに変数をかける。充電した電力量に基づいて換算した場合、そのエコポイントは概算であり、いわば実測値に基づく推定値である。したがって、走行距離に基づいて換算した場合と同等のエコポイントを付与するのは好ましくない。よって、例えば、変数として0.7をかけ、エコポイントが低めに換算されるようにする。ステップS705では、得られたエコポイントを会員別に記録されているエコポイントに加算する。
このように、2つの換算式を切り換えることによって、データセンター102では車載器601つきの電気自動車にも、車載器601なしの電気自動車の双方に対応することができる。特に、電気自動車の普及初期では車載器601なしの電気自動車が普及していくものと考えられ、後に車載器搭載の電気自動車が普及した場合でも、旧式の電気自動車の所有者に対してもエコポイントを還元することができる。
101 会員側装備
102 データセンター
103 レンタカーセンター
104 エコポイントサービスセンター
202 エコポイント換算ツール

Claims (4)

  1. 電気自動車を運転する利用者を特定する利用者IDを取得するID情報取得手段と、
    前記電気自動車に搭載されたバッテリへの充電量を取得する充電量取得手段と、
    前記充電量取得手段で取得した充電量から走行距離を算出し、前記走行距離に単位CO削減量をかけ、得られたCO削減量に基づいてエコポイント数を算出する充電量基準エコポイント算出手段と、
    算出したエコポイント数を利用者IDと関連付けして管理するエコポイント管理手段と、を備えていることを特徴とするエコポイント管理システム。
  2. 前記電気自動車の走行距離を取得する走行距離取得手段と、
    取得された前記走行距離に単位CO削減量をかけ、得られたCO削減量に基づいてエコポイント数を算出する走行距離基準エコポイント算出手段とを備え、
    前記走行距離が取得できない場合には前記充電量基準エコポイント算出手段が前記エコポイントを算出し、前記走行距離が取得できた場合には前記走行距離基準エコポイント算出手段が前記エコポイントを算出することを特徴とする請求項1記載のエコポイント管理システム。
  3. 前記走行距離基準エコポイント算出手段が、さらに電費増減の変化要因となる環境変数をエコポイントに乗じ、
    前記環境変数は、道路環境、自然環境、人為的環境、経年環境、車種環境、政策環境の少なくとも一つの環境変化を含むことを特徴とする請求項2に記載のエコポイント管理システム。
  4. 前記エコポイント管理手段は、前記利用者の要求に応じてWeb上で前記利用者のエコポイントおよびCO削減量を表示することを特徴とする請求項1記載のエコポイント管理システム。
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