以下、チェックアウトシステムを例に、本実施形態にかかる商品コード読取装置、商品情報処理装置及びプログラムを説明する。本実施形態では、飲食店やスーパーマーケット等の店舗に導入されたチェックアウトシステムに適用した例について説明する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る商品コード読取装置200を備えたチェックアウトシステムの構成を概略的に示す斜視図である。図1に示すように、チェックアウトシステムは、POS端末100と商品コード読取装置200とを備える。
POS端末100は、顧客が購入する商品の販売登録を行うための商品情報処理装置であって、チェックアウト台11に載置されている。POS端末100は、キーボード101と、オペレータ用の表示器102と、顧客用の表示器103と、プリンタ104と、カードリーダ105と、ドロワ106とを備えている。なお、POS端末100が備える各部については後述する。
また、チェックアウト台11とL字を形成するようにして、横長テーブル状のカウンタ台12が配置されている。カウンタ台12の上面には、荷受面13が形成されている。商品コード読取装置200は、この荷受面13に載置され、有線又は無線によりPOS端末100との間で通信可能に接続されている。
商品コード読取装置200は、商品に貼付されたコードシンボルを読み取って、該コードシンボルが含む商品コードをPOS端末100に出力するための装置である。図1に示すように、商品コード読取装置200は、読取窓201と、キーボード202と、オペレータ用の表示器203と、顧客用の表示器204とを備えている。なお、商品コード読取装置200が備える各部については後述する。
荷受面13には、後述するコードラベルやポイント割増ラベルが貼付された商品Gを収納する買物カゴ14が載置される。買物カゴ14は、顧客によって持ち込まれる第1の買物カゴ14aと、第1の買物カゴ14aから商品コード読取装置200を挟んだ位置に載置される第2の買物カゴ14bとに分別される。
顧客によって持ち込まれた第1の買物カゴ14aには、一取引にかかる商品Gが収納されている。商品Gには、バーコードや二次元コード等のコードシンボルを表したコードラベルや、ポイント付与数を表したポイント割増ラベルが貼付されている。コードシンボルには、商品Gに関する商品コードが符号化された状態で保持されている。ここで商品コードは、商品Gを特定するために各商品に割り当てられたコードであり、一例としてJANコードがある。
第1の買物カゴ14a内の商品Gは、商品コード読取装置200を操作するオペレータにより第2の買物カゴ14bへと移動される。この移動過程で、コードラベル及びポイント割増ラベルが商品コード読取装置200の読取窓201に向けられる。この際、読取窓201内に設けられた後述する撮像部216(図2参照)は、コードラベルやポイント割増ラベルを撮像する。
商品コード読取装置200では、撮像部216で撮像された画像に含まれるコードシンボルやポイント割増ラベルを検出し、商品Gに関する商品コードやこの商品Gに関するポイント割増数を表したポイント割増情報を読み取る。なお、本実施形態ではコードシンボルとしてバーコードを用いた例を説明するが、これに限らず二次元コードを用いる形態としてもよい。
以下、チェックアウトシステムの構成について説明する。図2は、POS端末100及び商品コード読取装置200の構成を示すブロック図である。
まず、POS端末100の構成について説明する。POS端末100は、情報処理を実行するマイクロコンピュータとして、CPU(Central Processing Unit)111、ROM(Read Only Memory)112及びRAM(Random Access Memory)113を備えている。
CPU111は、ROM112や後述する記憶部114に記憶された各種プログラムを実行することにより、POS端末100を総括的に制御する。ROM112は、基本動作を行うためのプログラムが記憶される。RAM113は、POS端末100の主記憶装置であって、CPU111のワークエリアとして機能する。
また、CPU111には、各種の入出力回路(図示せず)を介して、上述したキーボード101、表示器102、表示器103、プリンタ104、カードリーダ105及びドロワ106が接続されている。
キーボード101は、POS端末100を操作するオペレータから入力されたキーの情報(以下、キー情報という)をCPU111に通知する入力デバイスである。このキーボード101には、数字や演算子を入力するためのテンキーや、商品代金の決済に必要な「締め」キー等の各種操作キーが配設されている。
表示器102及び表示器103は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示デバイスを有し、CPU111の指示に基づいて商品の名称や価格等の各種の情報を表示する。ここで、表示器102は、POS端末100を操作するオペレータ用の表示器であって、その表示面がオペレータに向けて配置されている(図1参照)。また、表示器103は、顧客用の表示器であって、その表示面が顧客に向けて配置されている(図1参照)。なお、表示器102をタッチパネル構成とすることで、キーボード101の全てのキー又は一部のキーをタッチパネル上に実現する形態としてもよい。
プリンタ104は、サーマルプリンタ等の印刷装置であって、CPU111の制御に従い、レシートやジャーナル等を印字する。
カードリーダ105は、ポイントカードCに記憶されている会員識別情報を読み出すものであり、本実施形態では、磁気カードリーダである。ここで、ポイントカードCは、会員に対して発効された会員固有の会員識別情報を、読み出し可能に記憶しているものであり、本実施形態では、磁気テープに会員識別情報を記憶した磁気カードである。なお、カードリーダ105によりポイントカードCから読み出された会員識別情報は、CPU111の制御により、一取引の間RAM113に保持されるものとする。
ドロワ106は、現金等を収容するためのキャッシュドロワであって、CPU111の制御に従い開閉する。
また、CPU111には、各種の入出力回路(図示せず)を介して、記憶部114及び通信I/F115が接続されている。
記憶部114は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶媒体であって、CPU111が実行可能なプログラムや各種ファイルを記憶している。記憶部114に記憶されるプログラムの一例は、商品販売データ処理用のプログラム114aである。また、記憶部114に記憶されるファイルとしては、PLUファイル114b、会員マスタファイル114c及び売上ファイル114d等である。
PLUファイル114bは、各商品に関する情報を保持するためのファイルである。具体的に、PLUファイル114bには、商品の種別を表わす部門コード、各商品にユニークに割り当てられた商品コード、その商品の名称及び価格を対応付けたレコードが保持されている。なお、PLUファイル114bに他の情報を対応付けて記憶する形態としてもよい。
会員マスタファイル114cは、各会員に付与されたポイント等を保持するためのファイルである。具体的に、会員マスタファイル114cには、図3に示すように、会員識別情報と累積ポイントとを対応付けたレコードが保持されている。ここで、累積ポイントには、その会員(会員識別情報)に付与されたポイントの累積値が格納される。なお、会員マスタファイル114cに記憶する情報は、図3の例に限らず、例えば会員の氏名や年齢、住所等の個人情報、ポイントの使用履歴等を記憶する形態としてもよい。
売上ファイル114dは、POS端末100での会計処理により、下記取引で購入された商品の商品コードや数量、金額、ポイント数等の売上情報を格納するファイルである。
通信I/F115は、商品コード読取装置200とデータ通信を行うためのインタフェースである。CPU111は、この通信I/F115を介し、商品コード読取装置200との間で種々のデータを送受信する。
また、POS端末100のCPU111は、ROM112又は記憶部114に記憶されたプログラムとの協働により、図2に示すように、決済処理部121、ポイント算出部122及びポイント集計部123として機能する。
決済処理部121は、商品コード読取装置200からから商品コードの入力を受け付けると、この商品コードに対応するレコードをPLUファイル114bから読み出し、後述するポイント算出部122が算出したポイントとともに表示器102及び表示器103に表示出力する。また、決済処理部121は、PLUファイル114bから読み出した各商品のレコードを、ポイント算出部122が算出したポイントとともに会計対象商品として販売登録を行う。ここで、販売登録とは、PLUファイル114bから読み出した各商品のレコードを、その商品の購入数等と関連付けてRAM113に保持することを意味する。
また、決済処理部121は、キーボード101の「締め」キーの入力に応じて、販売登録した各商品の価格及び販売個数から全商品の購入金額を算出し、後述するポイント集計部123が集計したポイント数とともに、表示器102及び表示器103への表示出力や、プリンタ104からのレシート出力を行う。そして、決済処理部121は、算出した購入金額を、販売登録した各商品の商品コードや購入数、金額及び後述するポイント集計部123が算出したポイント総数等とともに、一取引分の取引内容として売上ファイル114dに登録する。
ポイント算出部122は、取引の内容に応じたポイントを算出するための機能部である。具体的に、ポイント算出部122は、販売登録の対象となる各商品について、その商品の価格に応じたポイントを算出する。以下、商品の価格から直接導出されるポイントを通常ポイントという。なお、各商品の価格に対する通常ポイントの還元率は予め定められているものとする。
また、ポイント算出部122は、商品コード読取装置200から商品コードと後述するポイント割増情報との組を受け付けた場合、このポイント割増情報に応じたポイント割増数を通常ポイントに加算する。
ポイント集計部123は、キーボード101の「締め」キーの入力に応じ、一の取引で販売登録された各商品についてポイント算出部122が算出したポイントを、販売個数等に基づいて集計する。また、ポイント集計部123は、会員マスタファイル114cにアクセスし、集計したポイントの総数を、ポイント付与対象となる会員の会員識別情報に対応付けられた累積ポイントに加算する。
次に、商品コード読取装置200の構成について説明する。図2に示すように、商品コード読取装置200は、情報処理を実行するマイクロコンピュータとして、CPU211、ROM212及びRAM213を備えている。
CPU211は、ROM212に記憶された各種プログラムを実行することにより、商品コード読取装置200を総括的に制御する。ROM212は、基本動作を行うためのプログラムが記憶される。RAM213は、商品コード読取装置200の主記憶装置であって、CPU211のワークエリアとして機能する。
また、CPU211には、各種の入出力回路(図示せず)を介して、上述したキーボード202、表示器203及び表示器204が接続されている。
キーボード202は、商品コード読取装置200を操作するオペレータから入力されたキー情報をCPU211に通知する入力デバイスである。このキーボード202は、主にバーコードで登録不能な商品の登録を行う場合に用いられる。
表示器203及び表示器204は、LCD等の表示デバイスを有し、CPU211の指示に基づいて商品の名称や価格等の各種の情報を表示する。ここで、表示器203は、商品コード読取装置200を操作するオペレータ用の表示器であって、その表示面がオペレータに向けて配置されている(図1参照)。また、表示器204は、顧客用の表示器であって、その表示面が顧客に向けて配置されている(図1参照)。なお、表示器203をタッチパネル構成とすることで、キーボード202の全てのキー又は一部のキーを該タッチパネル上に実現する形態としてもよい。
また、CPU211には、各種の入出力回路(図示せず)を介して、通信I/F214、計時部215、撮像部216及び記憶部217が接続されている。
通信I/F214は、POS端末100とデータ通信を行うためのインタフェースである。CPU211は、この通信I/F214を介し、POS端末100との間で種々のデータを送受信する。計時部215は、RTC等の計時装置であって、現在日時(時間)をCPU211に出力する。
撮像部216は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサであって、図1に示した読取窓201内に設けられている。また、撮像部216は、CPU211の制御に従い、商品に付帯されたコードシンボルやポイント割増ラベルを撮像する。
ここで、図4を参照して、撮像部216の撮像領域と商品Gとの関係について説明する。図4は、撮像部216の撮像領域と商品Gとの関係の一例を示す図である。図中2点鎖線で囲った領域は、撮像部216が1フレームで撮像できる領域である撮像領域216aである。また、図4に示す商品Gには、コードラベルCLに加え、ポイント割増ラベルPL1が貼付されている。
コードラベルCLには、商品名「豚バラうす切り」や商品価格「200円」の他、コードシンボルとしてバーコードBC等が表されている。バーコードBCの下部には、このバーコードBCに組み込まれている商品コードの数値「2101234567890」が表されている。
また、ポイント割増ラベルPL1には、商品Gを購入した顧客(会員)に対して、「10ポイント」分の割増を提供することが表示されている。なお、ポイント割増ラベルは、ポイント割増ラベルPL1の例に限らず、図5に示すように、通常ポイントに対するポイントの割増率(2倍)を表示したポイント割増ラベルPL2等としてもよい。
また、図6に示すように、ロゴタイプ等をポイント割増ラベルPL3として用いる形態としてもよい。この場合、ポイント割増ラベルPL3となるロゴタイプは、商品Gのパッケージに予め印刷されたものを用いる形態としてもよく、例えば、商品Gを製造・販売する企業の標識(商標)や、特定の商品名を表す標識(商標)をポイント割増ラベルPL3として用いることができる。
図2に戻り、記憶部217は、HDDやフラッシュメモリ等の記憶媒体であって、CPU211が実行可能なプログラム217aや、各種ファイルを記憶している。ここで、記憶部217に記憶されるプログラム217aは、撮像部216の制御用プログラムや、コードシンボル読取用のプログラム、OCRやパターンマッチング等の画像や文字認識用のプログラム等である。また、記憶部217は、商品コード読取装置200の動作に必要なファイルとして、ラベル特徴ファイル217bを記憶している。ここで、ラベル特徴ファイル217bは、各ポイント割増ラベルの特徴とポイントの割増数とを対応付けて保持している。
図7は、ラベル特徴ファイル217bを説明するための図である。同図に示すように、ラベル特徴ファイル217bは、ポイント割増ラベルが含む文字やシンボル、ロゴマーク等の特徴を示したラベル特徴データと、当該ポイント割増ラベルによるポイントの割増数を表したポイント割増情報とを対応付けて記憶している。
より詳細には、ラベル特徴データとは、ポイント割増ラベルからパターン認識やOCR等の認識処理によって抽出される情報である。即ち、図4に示すように、「10ポイント」と記載されたポイント割増ラベルPL1については、図7のラベル特徴ファイル217bにおいてNo.1のラベル特徴データに示すように、「10、ポイント」という情報がパターン認識や文字認識処理によって抽出される。また、図5に示すように、「ポイント2倍」と記載されたポイント割増ラベルPL2については、図7のラベル特徴ファイル217bにおいてNo.2のラベル特徴データに示すように、「ポイント、2、倍」という情報がパターン認識や文字認識処理によって抽出される。また、図6に示すロゴマークのポイント割増ラベルPL3については、図7のラベル特徴ファイル217bにおいてNo.3のラベル特徴データに示すように、そのロゴマークの形状を特徴付けるラスタデータやベクトルデータがパターン認識や文字認識処理によって抽出される。
また、ポイント割増情報とは、ポイント割増ラベルが表すポイント割増数を、POS端末100の販売登録処理において使用できるよう英数値に変換した情報のことである、即ち、図7に示すように、ラベル特徴データ「10、ポイント」に対しては、10ポイントのポイント割増を意味するポイント割増情報「+10P」が対応付けて記憶されている。また、ラベル特徴データ「ポイント、2、倍」に対しては、通常のポイント付与数を2倍に割増することを意味するポイント割増情報「×2P」が対応付けて記憶されている。また、図6に示すロゴマークと同形状のラベル特徴データに対しては、5ポイントのポイント割増を意味するポイント割増情報「+5P」が対応付けて記憶されている。
次に、商品コード読取装置200が有する特徴的な機能について説明する。CPU211は、ROM212又は記憶部217が記憶するプログラムとの協働により、図2に示すように、画像データ取込部221、コード読取部222、ラベル読取部223及び情報出力部224を実現させる。
画像データ取込部221は、撮像部216に撮像オン信号を出力することで撮像部216に撮像動作を開始させる。画像データ取込部221は、撮像部216が撮像した撮像領域216a内の画像データを取り込んで、RAM213に格納する。また、画像データ取込部221は、ラベル読取部223の指示を受けた場合に、撮像部216が撮像した撮像領域216a内の画像データを取り込んで、RAM213に格納する。
コード読取部222は、画像データ取込部221がRAM213に格納した画像データから、バーコードBCの画像を検出し、検出したバーコードBCから商品コードを読み取るバーコード読取処理を行う。具体的に、コード読取部222は、RAM213に格納された1フレームの画像データを二値化し、この二値化したデータ内にバーコードに関するデータ領域が存在するか否かを検出する。コード読取部222は、バーコードに関するデータ領域を検出した場合には、そのバーコードをデコードし、デコードしたデータを商品Gの商品コードとして読み取る。そして、コード読取部222は、読み取った商品コードをRAM213に格納する。
ラベル読取部223は、画像データ取込部221がRAM213の画像ワークエリアに格納した1フレームの画像データから、ポイント割増ラベルの画像を検出するラベル読取処理を行う。このラベル読取処理では、ラベル読取部223は、パターン認識やOCR文字認識によりポイント割増ラベルが含む文字や絵やシンボル等の特徴と、ラベル特徴ファイル217bのラベル特徴データ(図7参照)とを照合し、一致度の高いラベル特徴データを検出した場合に、ポイント割増ラベルを検出したと判定する。そして、ラベル読取部223は、ポイント割増ラベルの画像を検出すると、この検出したラベル特徴データに対応するポイント割増情報をラベル特徴ファイル217bから読み取る。そして、ラベル読取部223は、読み取ったポイント割増情報をRAM213に格納する。
さらに、ラベル読取部223は、計時部215が計時する時間に基づき、ラベル読取処理を実行する時間を制限する。具体的に、ラベル読取部223は、ラベル読取処理の実行時に、計時部215が計時する時間に基づいて、該ラベル読取処理の実行時間(例えば、5秒等)となるタイムアウト時間の計時を開始する。そして、ラベル読取部223は、ポイント割増ラベルを検出していない場合であっても、タイムアウト時間に到達するまではラベル読取処理を継続して実行し、画像データ取込部221に対して画像取り込みを行うよう指示して、撮像部216が撮像した撮像領域216a内の画像データを新たに取り込む処理を行わせる。このようにすることで、商品コード読取装置200のオペレータは、ラベル読取処理が実行される所定時間の間、商品Gを撮像部216によって複数回撮像することができる。
情報出力部224は、コード読取部222が読み取った商品コード、ラベル読取部223が読み取ったポイント割増情報を、通信I/F214を介してPOS端末100に送信(出力)出力する。具体的に、情報出力部224は、RAM213に格納された情報が商品コードのみの場合、この商品コードをPOS端末100に出力する。また、情報出力部224は、RAM213に商品コードとポイント割増情報とが格納されている場合、この商品コードとポイント割増情報とをPOS端末100に出力する。
例えば、図4に示すように、商品Gに10ポイント付与するポイント割増ラベルPL1が貼付されていた場合、ラベル読取部223は、ポイント割増ラベルPL1に該当するポイント割増情報「+10P」をラベル特徴ファイル217bから読み取り、RAM213に格納する。従って、商品コード読取装置200からは、「2101234567890」を表わす商品コードと、「+10P」を表わすポイント割増情報との組がPOS端末100に出力されることになる。
次に、図8及び図9を参照して、本実施形態のチェックアウトシステムの動作について説明する。ここで、図8は、商品コード読取装置200が行う情報出力処理の手順を示すフローチャートである。
商品コード読取装置200のCPU211は、POS端末100からの信号により取引開始が指示されると、情報出力処理を開始する。画像データ取込部221は、撮像部216に撮像オン信号を出力し、撮像部216による撮像動作を開始する(ステップS11)。画像データ取込部221は、撮像部216が撮像した画像データをRAM213に取り込む(ステップS12)。そして、コード読取部222は、上述したバーコード読取処理を開始する(ステップS13)。
コード読取部222は、ステップS13のバーコード読取処理においてバーコードを検出したか否かを判定する(ステップS14)。バーコードを検出することができない場合には(ステップS14;No)、ステップS12に再び戻り、撮像部216による撮像を継続する。
バーコードを検出した場合(ステップS14:Yes)、ラベル読取部223は、計時部215が計時する時間に基づき、タイムアウト時間の計時を開始する(ステップS15)。続いて、ラベル読取部223は、ステップS12でRAM213に取り込まれた画像データに対して、ラベル読取処理を開始する(ステップS16)。そして、ラベル読取部223は、ステップS17のラベル読取処理においてポイント割増ラベルを検出したか否かを判定する(ステップS17)。
ここで、ポイント割増ラベルを検出できない場合(ステップS17;No)、ラベル読取部223は、タイムアウト時間に到達したか否かを判定する(ステップS18)。タイムアウト時間に到達していない場合(ステップS18;No)、ラベル読取部223は、画像データ取込部221を制御して画像データの取り込みを新たに行う(ステップS19)。そして、ラベル読取部223は、ステップS16に戻ることで、新たに取り込まれた画像データに対してラベル読取処理を実行する。
また、タイムアウト時間に到達したと判定した場合(ステップS18;Yes)、情報出力部224は、ステップS13のバーコード読取処理によりRAM213に格納された商品コードを、通信I/F214を介してPOS端末100に送信し(ステップS20)、ステップS22に移行する。
また、タイムアウト時間に到達する前にポイント割増ラベルが検出された場合(ステップS17:Yes)、情報出力部224は、ステップS13のバーコード読取処理及びステップS16のラベル読取処理によりRAM213に格納された商品コード及びポイント割増情報を、通信I/F214を介してPOS端末100に送信し(ステップS21)、ステップS22に移行する。
ステップS22において、CPU211は、POS端末100からの信号により取引終了が指示されたか否かを判定する(ステップS22)。取引終了が指示されない場合には(ステップS22;No)、ステップS12に再び戻り、ステップS12〜S22を全ての商品の販売登録が完了するまで繰り返し実行する。また、取引終了が指示された場合には(ステップS22;Yes)、画像データ取込部221は、撮像部216に撮像オフ信号を出力し(ステップS23)、撮像部216による撮像動作を停止する。
次に、図9を参照して、POS端末100が行う売上登録処理について説明する。ここで、図9は、POS端末100が行う売上登録処理の手順を示すフローチャートである。
まず、POS端末100のCPU111は、キーボード101の所定のキー操作に応じて、取引開始を指示する信号を商品コード読取装置200に送信する(ステップS31)。続いて、決済処理部121は、商品コード読取装置200から商品コードが入力されるまで待機する(ステップS32;No)。ここで、商品コードの入力を受け付けると(ステップS32;Yes)、カウンタ台12は、この商品コードに対応するレコード(商品名、価格等)をPLUファイル114bから読み出す(ステップS33)。
ポイント算出部122は、ステップS33で読み出されたレコードに基づき、その商品の価格に応じた通常ポイントを算出する(ステップS34)。次いで、ポイント算出部122は、ステップS32で入力された商品コードとともに、ポイント割増情報の入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS35)。ここで、ポイント割増情報の入力が確認できない場合(ステップS35;No)、ステップS37に移行する。
また、ステップS35において、商品コードとともにポイント割増情報の入力を受け付けたと判定した場合(ステップS35;Yes)、ポイント算出部122は、ステップS34で算出した通常ポイントに対して、ポイント割増情報に応じたポイント割増数を加算し(ステップS36)、ステップS37に移行する。
例えば、商品コード読取装置200から入力されたポイント割増情報が「+10P」の場合には、商品コードが表わす商品の価格に応じた通常ポイントに10ポイントを加算する。また、商品コード読取装置200から入力されたポイント割増情報が「×2P」の場合には、商品コードが表わす商品の価格に応じた通常ポイントを2倍に割増する。
ステップS37において、決済処理部121は、ステップS33で読み出したレコードと、ポイント算出部122が算出したポイントとに基づいて販売登録を行う(ステップS37)。このとき、決済処理部121は、販売登録した内容を表示器102や表示器103に表示することで、ポイント算出部122が算出したポイントを表示出力する。
次いで、CPU111は、キーボード101から「締め」キーを表わすキー情報の入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS38)。ステップS38において、「締め」キーの入力を確認できない場合(ステップS38;No)、決済処理部121は、ステップS32に再び戻り、商品コードの入力を待機する。また、ステップS38において、「締め」キーの入力を受け付けた場合(ステップS38;Yes)、ポイント集計部123は、RAM113を参照し、会員識別情報の入力が行われているか否かを判定する(ステップS39)。
ここで、会員識別情報の入力が行われていないと判定した場合(ステップS39;No)、ステップS42に移行する。一方、会員識別情報の入力が行われていると判定した場合(ステップS39;Yes)、ポイント集計部123は、各商品に付与されたポイントを販売個数に基づいて集計する(ステップS40)。そして、ポイント集計部123は、集計したポイント総数を、会員識別情報に対応する会員マスタファイル114cの累積ポイントに加算し(ステップS41)、ステップS42に移行する。
続いて、決済処理部121は、これまでに販売登録された商品の価格及び販売個数に基づいて全商品の購入金額を算出すると、この購入金額とともに、これら商品の商品コードや数量、金額等を一取引分の取引内容として売上ファイル114dに登録する(ステップS42)。なお、会員識別情報の入力が行われていた場合には、その会員識別情報及びポイント算出部122が集計したポイント総数を取引内容に含めて売上ファイル114dに登録するものとする。
次いで、決済処理部121は、売上ファイル114dに登録した取引内容を、プリンタ104を用いて印字することで、一取引分の取引内容やポイント集計部123が集計したポイント総数をレシート出力する(ステップS43)。そして、CPU111は、取引の終了を指示する信号を通信I/F115を介し商品コード読取装置200に送信し(ステップS44)、本処理を終了する。
以上のように、本実施形態のチェックアウトシステムでは、撮像部216により撮像されたポイント割増ラベルからポイント割増情報を読み取り、このポイント情報に基づいてポイントの割増付与を行うことができるため、ポイント割増ラベルに基づくポイント付与を効率的に行うことできる。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について説明する。本実施形態では、商品コード読取装置側にて各商品についてのポイントを算出することが可能な形態について説明する。なお、上述した第1の実施形態と同様の要素については、同一の符号を付与し説明を省略する。
図10は、第2の実施形態に係るPOS端末300及び商品コード読取装置400の構成を示すブロック図である。なお、POS端末300と商品コード読取装置400との配置関係は、図1に示した態様と同様である。
図10に示すように、POS端末300は、上述したPOS端末100と同様のハードウェア構成を備えている。POS端末300のCPU111は、ROM112又は記憶部114に記憶されたプログラムとの協働により、本実施形態に特有の機能部である決済処理部301と、ポイント集計部302を実現する。
決済処理部301は、商品コード読取装置400から商品コード及び後述するポイント情報の入力を受け付けると、この商品コードに対応するレコードをPLUファイル114bから読み出し、ポイント情報が表す値(ポイント数)とともに表示器102及び表示器103に表示出力する。また、決済処理部301は、PLUファイル114bから読み出したレコードを、ポイント情報及びその商品の販売個数等と関連付け、RAM113に保持することで販売登録を行う。
また、決済処理部301は、キーボード101の「締め」キーの入力に応じて、販売登録した各商品の価格及び販売個数から全商品の購入金額を算出し、後述するポイント集計部302が集計したポイント数とともに、表示器102及び表示器103への表示出力や、プリンタ104からのレシート出力を行う。そして、決済処理部301は、算出した購入金額を、販売登録した各商品の商品コードや購入数、金額及び後述するポイント集計部302が算出したポイント総数等とともに、一取引分の取引内容として売上ファイル114dに登録する。
ポイント集計部302は、キーボード101の「締め」キーの入力時に、各商品について販売登録されたポイントを販売個数に基づいて集計する。また、ポイント集計部302は、会員マスタファイル114cにアクセスし、集計したポイントの総数を、ポイント付与対象となる会員の会員識別情報に対応する累積ポイントに加算する。
商品コード読取装置400は、上述した商品コード読取装置200と同様のハードウェア構成を備えている。ここで、記憶部217は、ラベル特徴ファイル217bに加え、上述したPLUファイル114bを記憶している。
また、商品コード読取装置400のCPU211は、ROM212又は記憶部217に記憶されたプログラムとの協働により、上述した画像データ取込部221、コード読取部222及びラベル読取部223を実現させるとともに、本実施形態に特有の機能部であるポイント算出部401及び情報出力部402を実現させる。
ポイント算出部401は、コード読取部222が読み取った商品コードに対応する商品の価格を、記憶部217のPLUファイル114bから読み出し、その価格に応じたポイント(通常ポイント)を算出する。また、ポイント算出部401は、ラベル読取部223がポイント割増情報を読み取った場合に、このポイント割増情報に応じたポイント割増数を通常ポイントに加算することでポイントの割増しを行う。
情報出力部402は、コード読取部222が読み取った商品コードとともに、ポイント算出部401が算出したポイントを表すポイント情報を、通信I/F214を介してPOS端末300に送信(出力)する。
次に、図11及び図12を参照して、本実施形態のチェックアウトシステムの動作について説明する。ここで、図11は、商品コード読取装置400が行う情報出力処理の手順を示すフローチャートである。
商品コード読取装置400のCPU211は、POS端末300からの信号により取引開始が指示されると、情報出力処理を開始する。ここで、ステップS51〜S54の処理は、上述したステップS11〜S14と同様であるため説明を省略する。
ステップS54において、コード読取部222がバーコードBCを検出した場合(ステップS54:Yes)、ポイント算出部401は、このバーコードBCが表す商品コードに対応する商品の価格を記憶部217のPLUファイル114bから読み出し(ステップS55)、この価格に応じた通常ポイントを算出する(ステップS56)。
次いで、ラベル読取部223は、計時部215が計時する時間に基づき、タイムアウト時間の計時を開始すると(ステップS57)、ステップS52でRAM213に取り込まれた画像データに対して、ラベル読取処理を開始する(ステップS58)。そして、ラベル読取部223は、ステップS58のラベル読取処理においてポイント割増ラベルを検出したか否かを判定する(ステップS59)。
ここで、ポイント割増ラベルを検出できない場合(ステップS59;No)、ラベル読取部223は、タイムアウト時間に到達したか否かを判定する(ステップS60)。タイムアウト時間に到達していない場合(ステップS60;No)、ラベル読取部223は、画像データ取込部221を制御して画像データの取り込みを新たに行う(ステップS61)。そして、ラベル読取部223は、ステップS58に戻ることで、新たに取り込まれた画像データに対してラベル読取処理を実行する。
また、タイムアウト時間に到達する前にポイント割増ラベルが検出された場合(ステップS59:Yes)、ポイント算出部401は、このポイント割増ラベルのポイント割増情報に応じたポイント割増数をステップS56で算出した通常ポイントに加算し(ステップS62)、ステップS63に移行する。なお、タイムアウト時間に到達したと判定した場合には(ステップS60;Yes)、ステップS63に直ちに移行する。
ステップS63において、情報出力部402は、コード読取部222が読み取った商品コードと、ポイント算出部401が算出したポイントの値を表すポイント情報とを、通信I/F214を介してPOS端末300に送信(出力)する(ステップS63)。
次いで、CPU211は、POS端末300からの信号により取引終了が指示されたか否かを判定する(ステップS64)。取引終了が指示されない場合には(ステップS64;No)、ステップS52に再び戻り、ステップS52〜S64を全ての商品の販売登録が完了するまで繰り返し実行する。また、取引終了が指示された場合には(ステップS64;Yes)、画像データ取込部221は、撮像部216に撮像オフ信号を出力し(ステップS65)、撮像部216による撮像動作を停止する。
次に、図12を参照して、POS端末300が行う売上登録処理について説明する。ここで、図12は、POS端末300が行う売上登録処理の手順を示すフローチャートである。
まず、POS端末300のCPU111は、キーボード101の所定のキー操作に応じて、取引開始を指示する信号を商品コード読取装置400に送信する(ステップS71)。続いて、決済処理部301は、商品コード読取装置400から商品コード及びポイント情報が入力されるまで待機する(ステップS72;No)。
決済処理部301は、商品コード及びポイント情報の入力を受け付けると(ステップS72;Yes)、この商品コードに対応するレコード(商品名、価格等)を記憶部114のPLUファイル114bから読み出す(ステップS73)。そして、決済処理部301は、ステップS73で読み出したレコードと、ステップS72で受け付けたポイント情報とに基づいて販売登録を行う(ステップS74)。
次いで、CPU111は、キーボード101から「締め」キーを表わすキー情報の入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS75)。ステップS75において、「締め」キーの入力が確認できない場合(ステップS75;No)、決済処理部301は、ステップS72に再び戻り、商品コードの入力を待機する。また、ステップS75において、CPU111が「締め」キーの入力を受け付けた場合(ステップS75;Yes)、ポイント集計部302は、RAM113を参照し、会員識別情報が存在するか否か、即ちポイントカード(会員識別情報)の読み取りが行われているか否かを判定する(ステップS76)。
ここで、会員識別情報が存在しないと判定した場合(ステップS76;No)、ステップS79に直ちに移行する。一方、会員識別情報が存在すると判定した場合(ステップS76;Yes)、ポイント集計部302は、各商品について販売登録されたポイント(ポイント情報)を販売個数に基づいて集計する(ステップS77)。次いで、ポイント集計部302は、集計したポイント総数を、会員識別情報に対応する会員マスタファイル114cの累積ポイントに加算し(ステップS78)、ステップS79に移行する。
続いて、決済処理部301は、これまでに販売登録された商品の価格及び販売個数に基づいて全商品の購入金額を算出すると、この購入金額とともに、これら商品の商品コードや数量、金額等を一取引分の取引内容として売上ファイル114dに登録する(ステップS79)。なお、会員識別情報の入力が行われていた場合には、その会員識別情報及びポイント集計部302が集計したポイント総数を取引内容に含めて売上ファイル114dに登録するものとする。
次いで、決済処理部301は、売上ファイル114dに登録した取引内容を、プリンタ104を用いて印字することで、一取引分の取引内容やポイント集計部302が集計したポイント総数をレシート出力する(ステップS80)。そして、CPU111は、取引の終了を指示する信号を通信I/F115を介し商品コード読取装置400に送信し(ステップS81)、本処理を終了する。
以上のように、本実施形態によれば、本実施形態のチェックアウトシステムでは、撮像部216により撮像されたポイント割増ラベルからポイント情報を読み取り、このポイント情報に基づいてポイントの割増付与を行うことができるため、ポイント割増ラベルに基づくポイント付与を効率的に行うことできる。また、商品コード読取装置400にて、通常ポイントの算出及びポイント割増付与を行うことができるため、ポイント付与に係るPOS端末300の負荷を軽減することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲での種々の変更、置換、追加等が可能である。
例えば、上記実施形態では、PLUファイル114b、会員マスタファイル114c及び売上ファイル114dを、POS端末100(POS端末300)内に記憶する形態としたが、これに限らず、POS端末100(POS端末300)がアクセス可能な外部装置にこれらのファイルを記憶する形態としてもよい。
また、上記実施形態では、会員マスタファイル114cにポイントの累積値を保持する形態としたが、これに限らず、ポイントカードC自体にポイントの累積値を保持することが可能な場合には、このポイントカードCが保持する累積値にポイントを加算する形態としてもよい。
また、上記第2実施形態では、PLUファイル114bを、商品コード読取装置400内に記憶する形態としたが、これに限らず、POS端末300が保持するPLUファイル114bを参照する形態としてもよいし、商品コード読取装置400がアクセス可能な外部装置にPLUファイル114bを記憶する形態としてもよい。
また、上記実施形態のPOS端末100(POS端末300)及び商品コード読取装置200(商品コード読取装置400)で実行されるプログラムを、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
また、上記実施形態のPOS端末100(POS端末300)及び商品コード読取装置200(商品コード読取装置400)で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上記実施形態のPOS端末100(POS端末300)及び商品コード読取装置200(商品コード読取装置400)で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。