JP2012057257A - 表面処理金属板、樹脂被覆金属板、金属缶および缶蓋 - Google Patents

表面処理金属板、樹脂被覆金属板、金属缶および缶蓋 Download PDF

Info

Publication number
JP2012057257A
JP2012057257A JP2011281099A JP2011281099A JP2012057257A JP 2012057257 A JP2012057257 A JP 2012057257A JP 2011281099 A JP2011281099 A JP 2011281099A JP 2011281099 A JP2011281099 A JP 2011281099A JP 2012057257 A JP2012057257 A JP 2012057257A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
resin
metal plate
organic
metal sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011281099A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5482775B2 (ja
Inventor
Takumi Tanaka
田中  匠
Takeshi Suzuki
威 鈴木
Hiroki Iwasa
浩樹 岩佐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2011281099A priority Critical patent/JP5482775B2/ja
Publication of JP2012057257A publication Critical patent/JP2012057257A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5482775B2 publication Critical patent/JP5482775B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】クロムを用いず、樹脂密着性および耐食性に優れ、ティンフリー鋼板の代替材となり得る表面処理金属板およびその製造方法、ならびにこの表面処理金属板に有機樹脂が被覆された樹脂被覆金属板、それを用いた金属缶および缶蓋を提供する。
【解決手段】金属板の少なくとも片面に、Ni皮膜を有し、前記Ni皮膜上にTiおよびOを含む皮膜を有し、前記TiおよびOを含む皮膜上に有機皮膜を有し、該有機皮膜が有機酸に接触後、乾燥することにより形成された皮膜であることを特徴とする表面処理金属板。
【選択図】なし

Description

本発明は、主に缶などの容器に加工して用いられる金属板、特にプラスチックフィルムなどの樹脂との密着性(以後、樹脂密着性と呼ぶ)および耐食性に優れる表面処理金属板およびその製造方法、ならびにこの表面処理金属板に有機樹脂が被覆された樹脂被覆金属板、それを用いた金属缶および缶蓋に関する。
飲料缶、食品缶、ペール缶や18リットル缶などの各種金属缶には、錫めっき鋼板やティンフリー鋼板と呼ばれる電解クロム酸処理鋼板などの金属板が用いられている。なかでも、ティンフリー鋼板は、6価クロムを含む浴中で鋼板を電解処理することにより製造され、塗料などとの優れた樹脂密着性を有していることに特長がある。
近年、環境に対する意識の高まりから、世界的に6価クロムの使用が規制される方向に向かっており、製造に6価クロム浴を用いるティンフリー鋼板に対しても代替材が求められている。クロムを用いないティンフリー鋼板の代替材として、例えば特許文献1には、タングステン酸溶液中で電解処理が施された容器用鋼板が開示されている。特許文献2には、表面にリン酸塩層が形成された容器用表面処理鋼板が開示されている。特許文献3には、Sn、Niの1種以上を含む表面処理層の上にタンニン酸または酢酸の1種以上およびTiまたはZrまたはそれらの化合物の1種以上を含んだフェノール構造を有する樹脂皮膜を施す容器用鋼板が提案されている。特許文献4には、リン酸イオンを含有しない、Ti、O、Fを主成分とする無機表面処理層と有機表面処理層が形成された表面処理金属材料が提案されている。
一方、各種金属缶は、従来より、ティンフリー鋼板などの金属板に塗装を施した後に、缶体に加工して製造されていたが、近年、製造に伴う廃棄物の抑制のために、塗装に代わってプラスチックフィルムなどの樹脂をラミネートしたラミネート金属板(樹脂被覆金属板)を缶体に加工する方法が多用されるようになっている。このラミネート金属板には、樹脂と金属板が強く密着していることが必要であり、特に飲料缶や食品缶として用いられるラミネート金属板には、内容物の充填後にレトルト殺菌工程を経る場合があるため、高温の湿潤環境でも樹脂が剥離することのない強い樹脂密着性が要求される。また、このラミネート金属板に用いられる金属板には、引っかき傷などで部分的に樹脂が欠損した場合でも、内容物などに侵されて穴開きを生じることのない優れた耐食性も必要となる。
特開2004-285380号公報 特開2001-220685号公報 特開2002-355921号公報 特開2006-009046号公報
しかしながら、特許文献1に記載のタングステン酸溶液中で電解処理が施された容器用鋼板、特許文献2に記載の表面にリン酸塩層が形成された容器用表面処理鋼板を用いたラミネート鋼板、および特許文献3に記載のフェノール構造を有する樹脂皮膜を施す容器用鋼板では、いずれもレトルト殺菌工程における樹脂密着性が不十分である。また、特許文献4に記載のTi、O、Fを主成分とする無機表面処理層と有機表面処理層が形成された表面処理金属材料では、樹脂欠損部の耐食性が不十分である。
本発明は、クロムを用いず、樹脂密着性および耐食性に優れ、ティンフリー鋼板の代替材となり得る表面処理金属板およびその製造方法、ならびにこの表面処理金属板に有機樹脂が被覆された樹脂被覆金属板、それを用いた金属缶および缶蓋を提供することを目的とする。
本発明者らは、クロムを用いず、樹脂密着性および耐食性に優れ、ティンフリー鋼板の代替材となり得る表面処理金属板について鋭意研究を重ねた結果、金属板表面にNi皮膜を形成後、Ni皮膜上にTiおよびOを含む皮膜を形成後、さらにその皮膜上に有機皮膜を形成することにより極めて優れた樹脂密着性と耐食性を両立させることができることを見出した。
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、金属板の少なくとも片面に、Ni皮膜を有し、前記Ni皮膜上にTiおよびOを含む皮膜を有し、前記TiおよびOを含む皮膜上に有機皮膜を有し、該有機皮膜が有機酸に接触後、乾燥することにより形成された皮膜であることを特徴とする表面処理金属板を提供する。
このとき、有機酸が、ヒドロキシ酸であることが好ましい。また、ヒドロキシ酸が、クエン酸、酒石酸、グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、マンデル酸の中から選ばれた少なくとも1種の酸からなることがより好ましい。さらに、TiおよびOを含む皮膜のTi量が、3〜200mg/m2であることが好ましい。
本発明は、さらに、上記のような表面処理金属板の有機皮膜上に、有機樹脂が被覆されている樹脂被覆金属板、それを用いた金属缶および缶蓋を提供する。
本発明により、クロムを用いず、樹脂密着性および耐食性に優れる表面処理金属板を製造できるようになった。本発明の表面処理金属板は、これまでのティンフリー鋼板の代替材として問題なく、有機樹脂を被覆して樹脂被覆金属板とし、金属缶や缶蓋に加工しても、樹脂の剥離が全く起こらず加工できる。また、引っかき傷などによる樹脂の欠陥部においても、素地金属の溶出が著しく少なく、耐食性に極めて優れている。
180°ピール試験を説明する図である。
1)表面処理金属板
本発明の表面処理金属板では、金属板の少なくとも片面に、Ni皮膜を形成後、Ni皮膜上にTiおよびOを含む皮膜を形成後、さらにその皮膜上に有機皮膜が形成されている。
金属板としては、一般的な缶用の鋼板、アルミニウム板、アルミニウム合金板などを用いることができる。
金属板表面に形成されたNi皮膜は、下地金属板と強固に結合し、金属板に耐食性を付与する。このとき、金属板の片面あたりのNi皮膜の付着量は、10mg/m2未満だと耐食性改善の効果が不十分であり、1000mg/m2を超えると更なる耐食性の向上が望めず、コスト高となるので、10〜1000mg/m2であることが好ましい。なお、Ni量の測定は、蛍光X線分析により行うことができる。
Ni皮膜の形成は、公知の電気めっき浴を用いて陰極電解処理する方法によって行うのが簡便で適当である。電気めっき浴には、例えば、硫酸ニッケル、塩化ニッケルおよびホウ酸を含むいわゆるワット浴を用いることができる。
Ni皮膜上に、TiおよびOを含む皮膜を形成後、さらにその皮膜上に有機皮膜を形成すると、樹脂密着性が向上する。
TiおよびOを含む皮膜の形成方法としては、Tiを含む溶液中で陰極電解処理または浸漬処理する方法が好ましい。特に、フルオロチタン酸イオンを含む水溶液中で金属板を陰極電解処理または浸漬処理する方法、またはフルオロチタン酸イオンおよびフッ素塩を含む水溶液中で金属板を陰極電解処理または浸漬処理する方法などが好適である。フルオロチタン酸イオンを与える化合物としては、フッ化チタン酸、フッ化チタン酸アンモニウム、フッ化チタン酸カリウムなどを用いることができる。フッ素塩としては、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化銀、フッ化錫などを用いることができる。特に、フッ化チタン酸カリウム水溶液中で、さらにはフッ化チタン酸カリウムおよびフッ化ナトリウムを含む水溶液中で、金属板を陰極電解処理する方法は、効率良く均質な皮膜を形成することが可能であり好適である。
TiおよびOを含む皮膜上に形成する有機皮膜は、有機物の溶液に、Ni皮膜、TiおよびOを含む皮膜の順次形成された金属板を接触後、乾燥することにより形成される。このとき、有機物としては、例えばアルコール類、フェノール類、エーテル類、アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸類、アミン類などを用いることができる。中でも、常温で固体の不揮発性物質が好ましく、有機酸、特にヒドロキシ酸が好適である。ヒドロキシ酸とは、1分子中にカルボキシル基とアルコール性水酸基とを持つ有機化合物の総称であり、本発明では、クエン酸、酒石酸、グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、マンデル酸などの中から選ばれた少なくとも1種の酸を用いることが好ましい。
TiおよびOを含む皮膜上に形成する有機皮膜の付着量は、0.1mg/m2未満だと樹脂密着性の改善効果が不十分であり、50 mg/m2を超えると皮膜中で凝集破壊が生じ、かえって樹脂密着性が低下する恐れがあるので、0.1〜50 mg/m2であることが好ましい。なお、有機物または有機皮膜の付着量の測定は、皮膜を適当な有機溶媒で溶解し、燃焼して発生した気体の組成をガスクロマトグラフィーで分析することにより行うことができる。
TiおよびOを含む皮膜のTi量は、片面あたり、3mg/m2未満だと樹脂との密着性改善の効果が不十分であり、200mg/m2を超えると更なる密着性の向上が望めず、コスト高となるので、3〜200mg/m2であることが好ましい。なお、皮膜のTi量の測定は、蛍光X線分析により行うことができる。また、O量については、特に規定しないが、XPSによる表面分析でその存在を確認することができる。
2)樹脂被覆金属板(ラミネート金属板)
本発明の表面処理金属板の有機皮膜上に、有機樹脂を被覆して樹脂被覆金属板とすることができる。上述したように、本発明の表面処理金属板は樹脂密着性に優れているため、この樹脂被覆金属板は優れた耐食性と加工性を有する。
本発明の表面処理金属板に被覆する有機樹脂としては、特に限定はなく、各種熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を挙げることができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリルエステル共重合体、アイオノマー等のオレフィン系樹脂フィルム、またはポリブチレンテレフタラートなどのポリエステルフィルム、もしくはナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン11、ナイロン12などのポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルムなどの熱可塑性樹脂フィルムの未延伸または二軸延伸したものであってもよい。積層の際に接着剤を用いる場合は、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、酸変性オレフィン樹脂系接着剤、コポリアミド系接着剤、コポリエステル系接着剤(厚さ:0.1〜5.0μm)などが好ましく用いられる。さらに熱硬化性塗料を、厚み0.05〜2μmの範囲で表面処理金属板側、あるいはフィルム側に塗布し、これを接着剤としてもよい。
さらに、フェノールエポキシ、アミノ-エポキシなどの変性エポキシ塗料、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体けん化物、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体、エポキシ変性-、エポキシアミノ変性-、エポキシフェノール変性-ビニル塗料または変性ビニル塗料、アクリル塗料、スチレン-ブタジエン系共重合体などの合成ゴム系塗料などの熱可塑性または熱硬化性塗料の単独または2種以上の組合わせであってもよい。
本発明において、有機樹脂被覆層の厚みは3〜50μm、特に5〜40μmの範囲にあることが望ましい。厚みが上記範囲を下回ると耐食性が不十分となり、厚みが上記範囲を上回ると加工性の点で問題を生じやすい。
本発明において、表面処理金属板への有機樹脂被覆層の形成は任意の手段で行うことができ、例えば、押出コート法、キャストフィルム熱接着法、二軸延伸フィルム熱接着法などにより行うことができる。押出コート法の場合、表面処理金属板の上に有機樹脂を溶融状態で押出コートして、熱接着させることにより製造することができる。すなわち、有機樹脂を押出機で溶融混練した後、T-ダイから薄膜状に押し出し、押し出された溶融樹脂膜を表面処理金属板と共に一対のラミネートロール間に通して冷却下に押圧一体化させ、次いで急冷する。多層の有機樹脂被覆層を押出コートする場合には、各層用の押出機を複数使用し、各押出機からの樹脂流を多重多層ダイ内で合流させ、以後は単層樹脂の場合と同様に押出コートを行えばよい。また、一対のラミネートロール間に垂直に表面処理金属板を通し、その両側に溶融樹脂ウエッブを供給することにより、前記表面処理金属板両面に有機樹脂被覆層を形成させることができる。
3)金属缶および缶蓋
本発明の金属缶は、前述した樹脂被覆金属板から形成されている限り、任意の製缶法によるものでよい。この金属缶は、側面継ぎ目を有するスリーピース缶であることもできるが、一般にシームレス缶(ツーピース缶)であることが好ましい。このシームレス缶は、表面処理金属板の有機樹脂の被覆面が缶内面側となるように、絞り・再絞り加工、絞り・再絞りによる曲げ伸ばし加工(ストレッチ加工)、絞り・再絞りによる曲げ伸ばし・しごき加工、あるいは絞り・しごき加工などの従来公知の手段に付すことによって製造される。
また、本発明の缶蓋は、上述した樹脂被覆金属板から形成されている限り、従来公知の任意の製蓋法によるものでよい。一般には、ステイ・オン・タブタイプのイージーオープン缶蓋やフルオープンタイプのイージーオープン缶蓋に適用することができる。
上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したに過ぎず、請求の範囲内において種々の変更を加えることができる。
金属板として、
A:板厚0.20mm、調質度T-4の低炭素冷延鋼板
B:板厚0.20mm、調質度T-2の極低炭素冷延鋼板
C:板厚0.28mmのJIS5021H18アルミニウム板
を使用し、アルカリ脱脂、酸洗を施した後、表1に示す組成の処理液中で、同じく表1に示す陰極電解処理(1)の条件で陰極電解処理を行い、水洗してNi皮膜を金属板の両面に形成した。次いで、表1に示す陰極電解処理(2)の条件で陰極電解処理または浸漬処理を行い、乾燥してTiおよびOを含有する皮膜を金属板の両面に形成した。最後に、表1に示す組成の有機処理液に浸漬し、水洗、乾燥して表面処理金属板No.1〜6を作製した。陰極電解処理の際は、陽極には酸化イリジウム被覆したチタンを用いた。
比較のため、金属板Aを用い、表2に示す条件で電解処理を行い、一部の金属板には、その後、表2に示す組成の浸漬処理液に1sec間浸漬して、表面処理金属板No.12〜15を作製した。ここで、表面処理金属板No.12では、陰極電解処理によりW含有皮膜が、表面処理金属板No.13では、陽極電解処理後、リン酸マグネシウム水溶液に浸漬処理を行ってMg含有皮膜が形成されている。表面処理金属板No.14では、陰極電解処理によりSn皮膜が形成された後、浸漬処理によりTi含有フェノール樹脂皮膜が形成されている。表面処理金属板No.15では、陰極電解処理によりZr皮膜が形成された後、浸漬処理によりシランカップリング剤処理層が形成されている。
表面処理金属板No.1〜6の皮膜のTi量、No.12の皮膜のW量、No.13の皮膜のMg量、No.14の皮膜のSn、Ti量、No.15の皮膜のZr、Si量の測定は、それぞれ予め付着量を湿式分析して求めた検量板との比較による蛍光X線分析により行った。なお、Oは、XPSによる表面分析でその存在を確認した。また、表面処理金属板No.1〜6の有機皮膜の付着量の測定を、水またはエタノールに皮膜を溶解し、燃焼して発生した気体の組成をガスクロマトグラフィー分析することにより行った。皮膜のTi量、W量、Mg量、Sn量、Zr量、Si量、有機皮膜の付着量(片面当たり)を、表1〜2に示す。
これらの表面処理金属板No.1〜6、12〜15の両面に、厚さ25μm、共重合比12mol%のイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタラートフィルム(有機樹脂被覆層)をラミネートして、ラミネート金属板(樹脂被覆金属板)No.1〜6、12〜15を作製した。ラミネートは、245℃に加熱した金属板とフィルムを一対のゴムロールで挟んでフィルムを金属板に融着させ、ゴムロール通過後1sec以内に水冷して行った。このとき、金属板の送り速度は40m/min、ゴムロールのニップ長は17mmであった。ここで、ニップ長とは、ゴムロールと金属板が接する部分の搬送方向の長さのことである。そして、作製したラミネート金属板No.1〜6、12〜15について、次の樹脂密着性の評価を行った。
樹脂密着性評価:
温度130℃、相対湿度100%のレトルト雰囲気における180°ピール試験により樹脂密着性の評価を行った。180°ピール試験とは、図1の(a)に示すようなフィルム2を残して金属板1の一部3を切リ取った試験片(サイズ:30mm×100mm)を用い、図1の(b)に示すように、試験片の一端に重り4(100g)を付けてフィルム2側に180°折り返して30min間放置して行うフィルム剥離試験のことである。そして、図1の(c)に示す剥離長5を測定し、次のように樹脂密着性を評価し、◎または○であれば樹脂密着性が良好であるとした。
◎:剥離長が15mm未満
○:剥離長が15mm 以上20mm未満
△:剥離長が20mm以上50mm未満
×:剥離長が50mm以上
結果を表3に示す。本発明例であるラミネート金属板No.1〜6は、いずれも極めて良好な樹脂密着性を示している。これに対し、比較例であるラミネート金属板No.12〜15は、いずれも樹脂密着性に劣っている。
Figure 2012057257
Figure 2012057257
Figure 2012057257
実施例1で作製したラミネート金属板No.1、3〜6、14、15の樹脂被覆面に、カッターを用いて金属板素地まで達するカット傷2本を交差して施し、表4に示す試験条件で試験液に浸漬し、耐食性を調査した。そして、カット傷部の耐食性を次のように評価し、○であれば耐食性が良好であるとした。
○:腐食なし
△:わずかに腐食がある
×:腐食が大きい
結果を表5に示す。本発明例であるラミネート金属板No.1、3〜6は、良好な耐食性を示している。これに対し、比較例であるラミネート金属板No.14、15は、いずれも耐食性に劣っている。
Figure 2012057257
Figure 2012057257
実施例1で作製したラミネート金属板No.1、3〜6、14を用いて、表6に示す条件で製缶加工を行い、缶胴の開口端をネックイン、フランジ加工して金属シームレス缶No.1〜6を作製した。また、同じラミネート金属板を用いて、209径のSOT蓋を作製し、スコア加工部内外面をエポキシフェノール系塗料で補修した。
作製した金属缶No.1〜6および蓋について、製缶後のフィルムの剥離や穴あきなどの異常の有無を目視で調査した。また、金属缶に50℃でコーヒー飲料を充填した後、蓋を2重巻締めし、125℃で25min間のレトルト処理を行い、37℃で6ヶ月放置後開缶して、缶内面側の腐食やフィルム異常を目視で調査した。
結果を表7に示す。本発明であるラミネート金属板を用いた金属缶No.1〜5には、製缶後および内容物充填後、金属缶および蓋を調べたが、いずれにおいてもフィルムの異常は確認できなかった。
一方、本発明でないラミネート金属板を用いた金属缶No.6では、製缶後にフィルム異常や、内容物充填後にフィルム異常(剥離)と腐食が確認された。
Figure 2012057257
Figure 2012057257
1 金属板
2 フィルム
3 金属板の切リ取った部位
4 重り
5 剥離長

Claims (7)

  1. 金属板の少なくとも片面に、Ni皮膜を有し、前記Ni皮膜上にTiおよびOを含む皮膜を有し、前記TiおよびOを含む皮膜上に有機皮膜を有し、該有機皮膜が有機酸に接触後、乾燥することにより形成された皮膜であることを特徴とする表面処理金属板。
  2. 有機酸が、ヒドロキシ酸であることを特徴とする請求項1に記載の表面処理金属板。
  3. ヒドロキシ酸が、クエン酸、酒石酸、グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、マンデル酸の中から選ばれた少なくとも1種の酸からなることを特徴とする請求項2に記載の表面処理金属板。
  4. TiおよびOを含む皮膜のTi量が3〜200mg/m2であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の表面処理金属板。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の表面処理金属板の有機皮膜上に、有機樹脂が被覆されていることを特徴とする樹脂被覆金属板。
  6. 請求項5に記載の樹脂被覆金属板からなることを特徴とする金属缶。
  7. 請求項5に記載の樹脂被覆金属板からなることを特徴とする缶蓋。
JP2011281099A 2011-12-22 2011-12-22 表面処理金属板、樹脂被覆金属板、金属缶および缶蓋 Active JP5482775B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011281099A JP5482775B2 (ja) 2011-12-22 2011-12-22 表面処理金属板、樹脂被覆金属板、金属缶および缶蓋

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011281099A JP5482775B2 (ja) 2011-12-22 2011-12-22 表面処理金属板、樹脂被覆金属板、金属缶および缶蓋

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006226446A Division JP4998683B2 (ja) 2006-08-23 2006-08-23 表面処理金属板およびその製造方法、ならびに樹脂被覆金属板、金属缶および缶蓋

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012057257A true JP2012057257A (ja) 2012-03-22
JP5482775B2 JP5482775B2 (ja) 2014-05-07

Family

ID=46054695

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011281099A Active JP5482775B2 (ja) 2011-12-22 2011-12-22 表面処理金属板、樹脂被覆金属板、金属缶および缶蓋

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5482775B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015186827A1 (ja) * 2014-06-05 2015-12-10 Jfeスチール株式会社 容器用鋼板
WO2018225861A1 (ja) * 2017-06-09 2018-12-13 Jfeスチール株式会社 多層構造体および多層構造体の製造方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006009046A (ja) * 2004-06-22 2006-01-12 Toyo Seikan Kaisha Ltd 表面処理金属材料及びその表面処理方法、並びに樹脂被覆金属材料、金属缶、金属蓋
JP2006509909A (ja) * 2002-12-11 2006-03-23 日本パーカライジング株式会社 缶端部用原料アルミニウムの高性能非クロム前処理

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006509909A (ja) * 2002-12-11 2006-03-23 日本パーカライジング株式会社 缶端部用原料アルミニウムの高性能非クロム前処理
JP2006009046A (ja) * 2004-06-22 2006-01-12 Toyo Seikan Kaisha Ltd 表面処理金属材料及びその表面処理方法、並びに樹脂被覆金属材料、金属缶、金属蓋

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015186827A1 (ja) * 2014-06-05 2015-12-10 Jfeスチール株式会社 容器用鋼板
JP6079891B2 (ja) * 2014-06-05 2017-02-15 Jfeスチール株式会社 容器用鋼板
WO2018225861A1 (ja) * 2017-06-09 2018-12-13 Jfeスチール株式会社 多層構造体および多層構造体の製造方法
JPWO2018225861A1 (ja) * 2017-06-09 2019-11-07 Jfeスチール株式会社 多層構造体および多層構造体の製造方法
US11377743B2 (en) 2017-06-09 2022-07-05 Jfe Steel Corporation Multilayer structure and method for producing multilayer structure

Also Published As

Publication number Publication date
JP5482775B2 (ja) 2014-05-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4998707B2 (ja) 表面処理金属板およびその製造方法、ならびに樹脂被覆金属板、金属缶および缶蓋
JP5978576B2 (ja) 容器用鋼板およびその製造方法
JP5467719B2 (ja) 表面処理鋼板の製造方法
JP4923855B2 (ja) 表面処理金属板およびその製造方法、ならびに樹脂被覆金属板、金属缶および缶蓋
JP5729230B2 (ja) 容器用鋼板およびその製造方法
JP4626532B2 (ja) 表面処理鋼板およびその製造方法、ならびに樹脂被覆鋼板、缶および缶蓋
JP5786296B2 (ja) 表面処理鋼板、その製造方法およびそれを用いた樹脂被覆鋼板
JP5300119B2 (ja) シームレス缶用表面処理鋼板、樹脂被覆鋼板及びシームレス缶
JP5482775B2 (ja) 表面処理金属板、樹脂被覆金属板、金属缶および缶蓋
JP4940962B2 (ja) 缶蓋
JP5445567B2 (ja) 表面処理金属板、樹脂被覆金属板、金属缶および缶蓋
JP4626518B2 (ja) 表面処理金属板およびその製造方法、ならびに樹脂被覆金属板、金属缶および缶蓋
JP4626485B2 (ja) 表面処理金属板およびその製造方法、ならびに樹脂被覆金属板、金属缶および缶蓋
JP4998683B2 (ja) 表面処理金属板およびその製造方法、ならびに樹脂被覆金属板、金属缶および缶蓋
JP5023468B2 (ja) 缶又は缶蓋用表面処理金属板およびその製造方法、ならびに缶又は缶蓋用樹脂被覆金属板、金属缶および缶蓋
JP4940963B2 (ja) 缶蓋
JP6168101B2 (ja) 表面処理鋼板、その製造方法およびそれを用いた樹脂被覆鋼板
JP4872315B2 (ja) 表面処理鋼板およびその製造方法、ならびに樹脂被覆鋼板、缶および缶蓋
JP5772845B2 (ja) 表面処理鋼板の製造方法
JP5884180B2 (ja) 表面処理鋼板の製造方法および表面処理鋼板、ならびに樹脂被覆鋼板、缶および缶蓋
JP5895879B2 (ja) 表面処理鋼板、樹脂被覆鋼板およびそれらの製造方法、ならびに、缶および缶蓋
JP5742147B2 (ja) 表面処理鋼板、その製造方法およびそれを用いた樹脂被覆鋼板
JP2012036424A (ja) 表面処理鋼板の製造方法および樹脂被覆鋼板の製造方法
JP2000038684A (ja) 表面処理鋼板の製造方法、表面処理鋼板、表面処理鋼板に樹脂を被覆してなる樹脂被覆表面処理鋼板、および樹脂被覆表面処理鋼板を用いた容器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111222

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20120327

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131009

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131022

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140121

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140203

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5482775

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250