JP2012057218A - 方向性電磁鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】パルスレーザを表面に照射して該表面上に点列状の照射痕を形成することにより鉄損を低減させる方向性電磁鋼板の製造方法において、該鋼板を用いて作製した変圧器鉄心を励磁する際に発生する騒音を低減する方途を提供する。
【解決手段】二次再結晶焼鈍後の方向性電磁鋼板の表面に、パルス状のレーザを圧延方向と交差する方向に走査し、鋼板の表面に照射痕を交差方向に伸びる点列状に形成して磁区細分化処理を施すに当たり、照射痕相互の間隔を、従来技術のように等間隔とはせずに、変化させて不等とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、トランスなどの鉄心材料に用いる方向性電磁鋼板およびその製造方法に関するものである。
方向性電磁鋼板は、主にトランスの鉄心として利用され、その磁化特性が優れていること、特に鉄損が低いことが求められている。
そのためには、鋼板中の二次再結晶粒を、(110)[001]方位(いわゆる、ゴス方位)に高度に揃えることや、製品鋼板中の不純物を低減することが重要である。しかしながら、結晶方位を制御することや、不純物を低減することは、製造コストとの兼ね合い等で限界がある。そこで、鋼板の表面に対して物理的な手法で不均一性(歪)を導入し、磁区の幅を細分化して鉄損を低減する技術、すなわち磁区細分化技術が開発されている。
例えば、特許文献1には、最終製品板にレーザを照射し、鋼板表層に線状の高転位密度領域を導入し、磁区幅を狭くすることによって、鋼板の鉄損を低減する技術が提案されている。レーザ照射を用いる磁区細分化技術は、その後改良され(特許文献2、特許文献3および特許文献4などを参照)鉄損特性が良好な方向性電磁鋼板が得られるようになってきている。
特公昭57−2252号公報 特開2006−117964号公報 特開平10−204533号公報 特開平11−279645号公報
しかしながら、特許文献1〜4に記載の技術は、鉄損の低減には有効であるものの、得られた方向性電磁鋼板を用いて作製した単相積み変圧器鉄心を励磁して騒音を測定した場合、思いのほか騒音が高く、測定条件にも依存するがレーザ照射を行っていない素材で作製した変圧器鉄心の騒音よりも大きくなった。即ち、上掲の特許文献1〜4に記載された方向性電磁鋼板は、そのいずれもが低鉄損及び低騒音特性を兼ね備えるものではなく、これら2つの特性を両立した方向性電磁鋼板を製造する方法の確立が希求されていた。
そこで、本発明の目的は、特にパルスレーザを鋼板表面に照射して該表面上に点列状の照射痕を形成することにより鉄損を低減させる方向性電磁鋼板の製造方法において、該鋼板を用いて作製した変圧器鉄心を励磁する際に発生する騒音(以下、単に「騒音」という)の低い方向性電磁鋼板を得るための方途を提供することにある。
発明者らは、パルスレーザを方向性電磁鋼板に照射する際のパルス間隔、すなわち点列状の照射痕につき、その配列や間隔を様々に変更し、該レーザ照射後の方向性電磁鋼板を用いて小型変圧器を多数作製してパルス間隔と変圧器鉄心から発生する騒音との関係を詳細に調査した。その結果、鋼板の圧延方向と交差する方向に点列状に形成されるレーザ照射痕の間隔をパルス間隔一定で変更した場合には顕著な変化が見られなかったが、パルス間隔自身を変化させて照射痕の間隔を不等とする照射を行ったところ、鉄心から発生する騒音が低減されることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
(1)二次再結晶焼鈍後の方向性電磁鋼板の表面に、該鋼板の圧延方向と交差する方向にパルス状レーザを走査して照射し、前記鋼板の表面に照射痕を前記交差方向に伸びる点列状に形成して磁区細分化処理を施すに当たり、前記照射痕相互の間隔を変化させることを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
(2)前記照射痕相互の間隔が周期的に変化することを特徴とする、前記(1)に記載の製造方法。
(3)前記照射痕相互の間隔がランダムな値をとることを特徴とする、前記(1)に記載の製造方法。
(4)前記照射痕の点列形成を圧延方向に繰り返し行い、前記照射痕の点列の圧延方向の間隔を変化させることを特徴とする、前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の製造方法。
(5)二次再結晶焼鈍後の方向性電磁鋼板の表面に、該鋼板の圧延方向と交差する方向にパルス状レーザを走査して照射し、前記鋼板の表面に照射痕を前記交差方向に伸びる点列状に形成して磁区細分化処理を施した方向性電磁鋼板であって、前記照射痕相互の間隔が不等であることを特徴とする方向性電磁鋼板。
(6)前記照射痕相互の間隔が周期的に変化することを特徴とする、前記(5)に記載の方向性電磁鋼板。
(7)前記照射痕の間隔がランダムな値をとることを特徴とする、前記(5)に記載の方向性電磁鋼板。
(8)前記照射痕の点列形成を圧延方向に繰り返し行い、前記照射痕の点列の圧延方向の間隔が不等であることを特徴とする、前記(5)〜(7)のいずれか一項に記載の方向性電磁鋼板。
本発明によれば、パルスレーザの照射により磁区細分化処理を行った方向性電磁鋼板について、磁区細分化による鉄損の低減効果を有しつつ、トランス等で使用する際に発生する騒音を大きく低減することができる。
従来の磁区細分化処理の要領を示す図である。 本発明に従う磁区細分化処理の要領を示す図である。 本発明に従う磁区細分化処理の要領を示す図である。
以下、本発明の方法について具体的に説明する。
本発明の方向性電磁鋼板の製造方法は、二次再結晶焼鈍後の方向性電磁鋼板の表面に、パルス状のレーザを圧延方向と交差する方向に走査して点列状の照射痕を形成して磁区細分化処理を施し、鉄損の低減とともに、騒音の低減を図るものである。その際、電磁鋼板の表面に形成される照射痕相互の間隔を、従来技術のように等間隔とはせずに、変化させて不等とすることが肝要である。なお、本発明において、「圧延方向と交差する方向」とは、圧延方向と直交する方向に対して±30°以内の角度範囲を意味する。また、「照射痕相互の間隔」は、隣接する照射痕の中心間距離を意味する。
発明者らは、パルスレーザを照射して表面に点列状の照射痕を形成する処理を施した方向性電磁鋼板を用いて500 mm角の単相変圧器のモデル鉄心を作製し、照射痕相互の間隔と鉄心から発生する騒音との関係について詳細に検討した。その際、使用した電磁鋼板の質量は約40 kgであり、電磁鋼板の積層は、磁区細分化処理面が常に同じ側となるように、すなわち磁区細分化処理面と非磁区細分化処理面とが接するように行った。
騒音の測定は、鉄心の全面に面圧で1.0 kgf/cm2(0.098 MPa)の荷重をかけ、U脚、W脚およびそれらを結ぶ両ヨーク部から200 mm 外側の位置に設置したコンデンサマイクロフォンを用いて行い、4点の平均値をとった。同時に周波数解析も行ったが、騒音はオーバーオール値で比較した。
その結果、パルスレーザの走査方向における照射痕相互の間隔を不等とすることにより、照射痕間隔を等間隔にした場合に比べて騒音値が小さくなることが判明したのである。
ここで、レーザ走査方向(板幅方向)の照射痕相互の間隔を等間隔から不等とすることにより騒音が低くなるメカニズムは明らかではないが、(1)パルス間隔を不等にして磁区細分化処理の間隔を不規則にしたことによる鋼板の板幅方向の固有振動数の変化、(2)積層状態での固有振動のピークの緩和、および(3)積層鉄心全体の見かけの弾性率の変化、等が、騒音の低減に有利に働いたものと考えられる。
また、鉄心の板幅方向(走査方向)の振動は、交流磁場における、いわゆる磁歪振動により生じる圧延方向の振動と比較してあまり注目されないが、比較的大きな振幅を持つとの報告がある(例えば、マグネティクス研究会資料MAG-09-48参照)。従って、照射痕相互の間隔を走査方向に不等にして磁区細分化処理を行ったことにより板幅方向の振動が抑制され、騒音の低減に寄与していることも考えられる。
ここで、照射痕相互の間隔を変化させて不等間隔にする具体的方法について説明する。
図1は、パルスレーザを使用した従来の磁区細分化処理の要領を示す図である。図1(a)に示すように、パルスレーザを圧延方向と交差する方向に走査して照射し、電磁鋼板の表面に点列状の照射痕が形成されている。その際、図1(b)に示すように、パルス間隔は等間隔であり、形成される照射痕相互の間隔も等間隔となる。このような点列状の照射痕の形成を、圧延方向に所定の間隔を置いて繰り返す。
本発明において鋼板の表面に形成される照射痕相互の間隔を変化させる方法は、パルスレーザの走査速度を一定にして、パルス間隔を変化させることにより行うことができる。その際、使用するパルスレーザがQスイッチ型であり、機械的Qスイッチの場合には、例えばプリズムの回転数に変調をかけることにより、また、電気光学Qスイッチの場合には、例えば偏光結晶に加える電圧を変調させる方法により実現することができる。
一方、パルス間隔を一定とした上で、パルスレーザの走査速度を変化させることにより照射痕相互の間隔を変化させることもできるが、走査速度を一定としてパルス間隔を変化させる方法が簡便で好適である。また、これらのパルス間隔の変化と走査速度の変化を併用することもできる。
上述のように、本発明においては照射痕相互の間隔を変化させて等間隔としないことが肝要であり、変化のパターンは限定されない。この変化パターンの一例として、照射痕相互の間隔を周期的に変化させることができる。具体的には、照射痕相互の間隔の下限および上限を設定し、下限と上限との間を所定の刻み間隔ずつ増減させることであり、図2(a−1)および(a−2)に示すように、例えば照射痕相互の間隔を0.01 mmから0.1 mmの間で0.01 mmの刻み間隔ずつ周期的に増減させる。その際、刻み間隔を一定とせずに、照射痕相互の間隔を、例えば0.01 mmから0.1 mmまでの間で三角関数的に変化させることもできる。
更に、上記した騒音が低減されるメカニズムを考慮すると、図2(b−1)および(b−2)に示すように、照射痕相互の間隔を完全に不均一(ランダム)にすることが最も効果的と考えられる。ここで、「照射痕相互の間隔をランダムにする」とは、所定の下限から上限までを、例えば0.01 mmの刻み間隔で刻み、下限から上限までの間の刻まれた間隔の中から不規則に間隔の値を選択して設定することを意味する。
本発明において、方向性電磁鋼板の表面に点列状の照射痕を形成するためのレーザ光源としてパルスレーザを使用するが、パルスレーザとしては、例えばYAGレーザやCOレーザを使用することができ、種類は特に限定されない。中でも、最近使用されるようになってきたグリーンレーザマーカーは、照射精度の面で特に好適である。このグリーンレーザマーカーを使用する場合には、その出力は、単位長さ当たりの熱量として、5〜100J/mの範囲とすることが好ましい。
照射痕相互の間隔は、パルスレーザ照射による鉄損の低減効果を図る点から0より大きく、2mm以下とする。好ましくは0.2〜0.8mmである。
一方、圧延方向の照射痕の列間隔は、1〜20 mmの範囲とすることが好ましい。
また、使用するレーザのビームのスポット形状は限定されず、例えば円形や楕円形とすることができる。スポット径は0.01〜0.5 mmの範囲とすることが好ましい。
こうして、パルス状のレーザを圧延方向と交差する方向に走査して点列状の照射痕を形成する際に、電磁鋼板の表面に形成される照射痕相互の間隔を変化させて不等とすることにより、騒音を大きく低減することができる。
更に、上記の圧延方向と交差する方向での点列状の照射痕相互の間隔の変化に加えて、鋼板の圧延方向に繰り返される点列状の照射痕の列間隔を等間隔とせずに、変化させて不等とすることにより、騒音を更に低減することができる。上記した点列状の照射痕相互の間隔の変化パターンと同様に、この列間隔の変化パターンも限定されず、例えば、図3に示すように、繰り返し周期を0.1 mmから0.6 mmまでの間で0.1mmの刻み間隔で周期的に増減させることができる。その際、圧延方向と交差する方向での点列状の照射痕相互の間隔の変化パターンは限定されないことは言うまでもない。
こうして、圧延方向の点列状の照射痕の列間隔を不等とすることにより、騒音を更に低減することができる。
次に、方向性電磁鋼板の素材について説明する。
本発明の方法は、二次再結晶焼鈍後の方向性電磁鋼板の表面にレーザを照射する磁区細分化処理に特徴を有しており、従って、素材については方向性電磁鋼板の一般に従えばよく、例えば、Si:2.0〜8.0質量%を含む電磁鋼素材を用いればよい。以下、使用する電磁鋼素材における各組成について説明する。
Si:2.0〜8.0質量%
Siは、鋼の電気抵抗を高め、鉄損を改善するのに有効な元素であるが、含有量が2.0質
量%に満たないと十分な鉄損低減効果が達成できず、一方、8.0質量%を超えると加工性
が著しく低下し、また磁束密度も低下するため、Si量は2.0〜8.0質量%の範囲とすることが好ましい。
ここで、Siの他の基本成分および任意添加成分について述べると次のとおりである。
C:0.08質量%以下
Cは、熱延板組織の改善のために添加をするが、0.08質量%を超えると製造工程中に磁気時効の起こらない50質量ppm以下までCを低減することが困難になるため、0.08質量%以下とすることが好ましい。なお、下限に関しては、Cを含まない素材でも二次再結晶が可能であるので特に設ける必要はない。
Mn:0.005〜1.0質量%
Mnは、熱間加工性を良好にする上で必要な元素であるが、含有量が0.005質量%未満ではその添加効果に乏しく、一方1.0質量%を超えると製品板の磁束密度が低下するため、Mn量は0.005〜1.0質量%の範囲とすることが好ましい。
ここで、二次再結晶を生じさせるために、インヒビターを利用する場合、例えばAlN系インヒビターを利用する場合であればAlおよびNを、またMnS・MnSe系インヒビターを利用する場合であればMnとSeおよび/またはSを適量含有させればよい。勿論、両インヒビターを併用してもよい。この場合におけるAl、N、SおよびSeの好適含有量はそれぞれ、Al:0.01〜0.065質量%、N:0.005〜0.012質量%、S:0.005〜0.03質量%、Se:0.005〜0.03質量%である。
さらに、本発明は、Al、N、S、Seの含有量を制限した、インヒビターを使用しない方向性電磁鋼板にも適用することができる。
この場合には、Al、N、SおよびSe量はそれぞれ、Al:100 質量ppm以下、N:50 質量ppm以下、S:50 質量ppm以下、Se:50 質量ppm以下に抑制することが好ましい。
上記の基本成分以外に、磁気特性改善成分として、次に述べる元素を適宜含有させることができる。
Ni:0.03〜1.50質量%、Sn:0.01〜1.50質量%、Sb:0.005〜1.50質量%、Cu:0.03〜3.0質量%、P:0.03〜0.50質量%、Mo:0.005〜0.10質量%およびCr:0.03〜1.50質量%のうちから選んだ少なくとも1種
Niは、熱延板組織を改善して磁気特性を向上させるために有用な元素である。しかしながら、含有量が0.03質量%未満では磁気特性の向上効果が小さく、一方1.5質量%を超えると二次再結晶が不安定になり磁気特性が劣化する。そのため、Ni量は0.03〜1.5質量%の範囲とするのが好ましい。
また、Sn、Sb、Cu、P、MoおよびCrはそれぞれ磁気特性の向上に有用な元素であるが、いずれも上記した各成分の下限に満たないと、磁気特性の向上効果が小さく、一方、上記した各成分の上限量を超えると、二次再結晶粒の発達が阻害されるため、それぞれ上記の範囲で含有させることが好ましい。
なお、上記成分以外の残部は、製造工程において混入する不可避的不純物およびFeである。
上記した成分組成になる鋼スラブは、やはり方向性電磁鋼板の一般に従う工程を経て、二次再結晶焼鈍を施した方向性電磁鋼板とする。すなわち、スラブ加熱後に熱間圧延を施し、1回又は中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延にて最終板厚とし、その後、脱炭、一次再結晶焼鈍した後、例えばMgOを主成分とした焼鈍分離剤を塗布し、二次再結晶過程と純化過程を含む最終焼鈍を施す。必要に応じて、例えば、コロイダルシリカとリン酸塩(リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウムなど)からなる絶縁コートを塗布して焼付けてもよい。
こうして、パルスレーザの照射により磁区細分化処理を行った方向性電磁鋼板について、磁区細分化による鉄損の低減効果を有しつつ、トランス等で使用する際に発生する騒音を大きく低減することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
3質量%のSiを含有する、最終板厚0.20mmに圧延された冷延板を、脱炭、一次再結晶焼鈍した後、MgOを主成分とした焼鈍分離剤を塗布し、二次再結晶焼鈍と純化焼鈍を兼ねた最終焼鈍を施し、50%のコロイダルシリカとリン酸マグネシウムからなる絶縁コートを塗布して800℃にて焼付けた。次いで、圧延方向と直角にパルスレーザを走査してレーザ照射による磁区細分化を施した後、再度、リン酸マグネシウムからなる絶縁コート液(コロイダルシリカおよび固形物を含まない)を500℃にて焼き付けた。
使用したパルスレーザのスポット径および形状は、0.3 mmの円形(発明例1、2および7、比較例1)、0.2 mmの円形(発明例3および4、比較例2)、および長径0.3 mm、短径0.1 mmの楕円形(発明例5および6、比較例3)とした。また、レーザ照射時に、走査方向(圧延直角方向)での照射痕相互の間隔を、表1に示すように変化させた。得られた試料を幅100 mm、短辺300 mmおよび長辺500 mmの台形に斜角剪断して積層し、単相変圧器を作製した。この単相変圧器に対して、コンデンサマイクロフォンを使用して1.7 T、50 Hz励磁における騒音を測定した。その際、聴間補正としてAスケール補正を行った。また、発明例7は、圧延方向の列間隔を3mmから6mmの間でサイン関数のように増減させて不等としたものである。
計測された変圧器騒音をレーザ照射条件と合わせて表1に示す。従来のパルス照射のような照射痕相互の間隔を等間隔とした照射条件では大きな騒音値が測定された一方で、本発明による照射痕相互の間隔を変化させた条件では変圧器の騒音が低減されていることが分かる。更に、圧延方向の照射痕の列間隔を変化させることにより、騒音は更に低減されることが分かる。また、パルスレーザのビームのスポットの直径や形状は、照射痕相互の間隔の変化による影響に比べて、騒音への影響は大きくないことが分かる。
このように、照射痕相互の間隔、更には圧延方向の照射痕の列間隔を変化させて不等とすることにより、変圧器から発生する騒音が低減されることが明らかとなった。
Figure 2012057218

Claims (8)

  1. 二次再結晶焼鈍後の方向性電磁鋼板の表面に、該鋼板の圧延方向と交差する方向にパルス状レーザを走査して照射し、前記鋼板の表面に照射痕を前記交差方向に伸びる点列状に形成して磁区細分化処理を施すに当たり、
    前記照射痕相互の間隔を変化させることを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
  2. 前記照射痕相互の間隔が周期的に変化することを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記照射痕相互の間隔がランダムな値をとることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  4. 前記照射痕の点列形成を圧延方向に繰り返し行い、前記照射痕の点列の圧延方向の間隔を変化させることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 二次再結晶焼鈍後の方向性電磁鋼板の表面に、該鋼板の圧延方向と交差する方向にパルス状レーザを走査して照射し、前記鋼板の表面に照射痕を前記交差方向に伸びる点列状に形成して磁区細分化処理を施した方向性電磁鋼板であって、
    前記照射痕相互の間隔が不等であることを特徴とする方向性電磁鋼板。
  6. 前記照射痕相互の間隔が周期的に変化することを特徴とする請求項5に記載の方向性電磁鋼板。
  7. 前記照射痕相互の間隔がランダムな値をとることを特徴とする、請求項5に記載の方向性電磁鋼板。
  8. 前記照射痕の点列形成を圧延方向に繰り返し行い、前記照射痕の点列の圧延方向の間隔が不等であることを特徴とする、請求項5〜7のいずれか一項に記載の方向性電磁鋼板。
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