JP2012056837A - 発光装飾ガラス、装飾ガラスおよびその製造方法と製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】4〜25mmの厚さの透光性板ガラス1の表面に、0.01〜3.0mmの径の大きさの放射状の亀裂7を打刻により多数設け、この亀裂7のドットにより任意の文字または図柄を構成して装飾ガラスを作製する。発光装飾ガラスは、この装飾ガラスと、透光性板ガラス1の四方側面の何れかの方向から、指向性のある照射光が透光性板ガラス1内部に入射するように配置された光源とを備える。
【選択図】図3
Description
また、それらの発光装飾ガラスおよび装飾ガラスの製造方法ならびに製造装置を提供することを目的とする。
所定の大きさの放射状の亀裂を設けるとは、透光性板ガラスの表面を先の尖った加工用工具で瞬間的に打刻することにより、微小な亀裂をガラス板の表面に生じさせることである。微小な亀裂を複数設けて、これらの亀裂のドットにより任意の文字または図柄を構成する。
指向性のある光源の光は、ガラス内部を導光路として、一方側面から対向する反対側の側面まで透過する。この際、ガラスの界面に来る光は、ガラスから空気への臨界角は41〜43°程度であることから、全反射することからガラス外部には出射しない。
しかし、微小な亀裂をガラス板の表面に生じさせることで、その亀裂部分に到達した光は亀裂により散乱されてガラス外部に出射することになる。亀裂のドットにより任意の文字または図柄を構成した場合、文字や図柄が周囲のガラスと比較して格段に光り輝くことになる。しかも、亀裂は表面付近だけであり、ガラス自体の強度を損なうことはない。
ここで、さらに好ましくは、透光性板ガラスの表面を、表面からの深さが厚さの0.005〜0.02の範囲内になるように打刻する。板ガラスに対する衝撃強度を小さくし、ガラス表面にひび割れが生じる可能性を低くでき、ガラス自体の強度の低減を回避できるからである。
ここで、さらに好ましくは、放射状の亀裂の大きさは、0.01〜1.0mmの径である。意匠性や装飾性がより高まるからである。
ここで、さらに好ましくは、使用する透光性板ガラスの厚さは、10〜25mmである。側面から光源の光を照射しやすいからである。
本発明の装飾ガラスは、所定厚さの透光性板ガラスの表面に、所定の大きさの放射状の亀裂を少なくとも1つ設け、亀裂のドットにより任意の文字または図柄を構成したことを特徴とする。
所定の大きさの放射状の亀裂を設けるとは、透光性板ガラスの表面を先の尖った加工用工具で瞬間的に打刻することにより、微小な亀裂をガラス板の表面に生じさせることである。微小な亀裂を複数設けて、これらの亀裂のドットにより任意の文字または図柄を構成する。
ここで、さらに好ましくは、透光性板ガラスの表面を、表面からの深さが厚さの0.005〜0.02の範囲内になるように打刻する。板ガラスに対する衝撃強度を小さくし、ガラス表面にひび割れが生じる可能性を低くでき、ガラス自体の強度の低減を回避できるからである。
ここで、さらに好ましくは、放射状の亀裂の大きさは、0.01〜1.0mmの径である。意匠性や装飾性がより高まるからである。
ここで、さらに好ましくは、使用する透光性板ガラスの厚さは、10〜25mmである。側面から光源の光を照射しやすいからである。
また、透光性板ガラスの表面に、マジックミラー、ハーフミラー、ミラーグラス、ミラーのいずれかが貼り合わされたものでもよい。
さらに、透光性板ガラスが、カラーガラスであることでもよい。
各々の理由については、上述の発光装飾ガラスと同様であり、説明は省略する。
本発明の装飾ガラスの製造方法は、下記1)〜3)の工程を備える。
1)厚み4〜25mmの透光性板ガラスを、緩衝材を敷いた加工台の上に配置する配置工程
2)ガラスより強度がある硬質性の先の尖った工具を用いて透光性板ガラスの表面を瞬間的に打刻し、打刻された透光性板ガラス表面に所定の大きさの放射状の亀裂を設ける打刻工程
3)打刻工程を繰り返し、前記亀裂のドットにより任意の文字または図柄を構成する装飾工程
また、板ガラスの表面を瞬間的に打刻するとは、板ガラスの表面の上から工具を落下させるイメージである。重力による自然落下でもよい。また、勢いよく速度をつけて落下させてもよい。但し、表面からある程度の深さまでしか亀裂が生じないように、工具の落下を制御する必要がある。具体的には、落下位置を制御するストッパーを設けたりする。
ここで、緩衝材は、好適にはフェルトシートが用いられる。傷防止に優れており、粘着性もあるからである。
本発明の装飾ガラスの製造装置は、下記a)〜c)を備える。
a)緩衝材を敷いた平坦な加工台
b)ガラスより強度がある硬質性の先の尖った工具
c)工具を保持するアームであって、加工台に搭載された対象物に対して、瞬間的に下降し、工具の先端部により対象物の表面を打刻し得るアーム
工具を保持するアームは、加工台に搭載された対象物の表面からある程度の深さまでしか亀裂が生じないように、工具の落下を制御する。瞬間的に下降するとは、上述のとおりで、加工台に搭載された対象物の表面の上から工具を落下させるイメージである。重力による自然落下でもよい。また、勢いよく速度をつけて落下させてもよい。
ここで、緩衝材には、傷防止に優れており、粘着性もあるフェルトシートが好適に用いられる。
アームが加工台の平面の任意の位置に移動できるように、X軸方向の移動ヘッド、Y軸方向の移動ヘッドを備える。この移動ヘッドにアームが取り付けられる。移動ヘッドはサーボモータによりX−Y方向に移動できるようになっている。
このZ軸方向の移動速度を調整することにより、落下による打刻する力を調整する。
また、板ガラスの表面処理を簡単に施すことができるといった効果もある。これにより製作原価を下げることが可能で、余計な労力及び工場施設を作ることにより天然資源の無駄使いを押さえることに貢献できる。
さらに、板ガラス表面に、亀裂を生じさせる位置を変更するだけで自由な形で製作可能であり、ユーザの様々なオーダーにもフレキシブルに対応できる。
透光性板ガラス1を加工台2に載せる。ガラス表面に傷が生じるのを防止する目的と加工台表面の滑りを防止する目的から、加工台2と透光性板ガラス1の間には衝撃を和らげるフェルトシート3をはさむ。
図5は連続して打刻して文字を作製する様子のイメージ図である。透光性板ガラスの表面上を加工工具5の先端部4が移動し、亀裂を連続して形成した。
図7と図8において、1aは透光性板ガラスの内部、1bは透光性板ガラスの表面、1cは表面と反対側の裏面とする。
図7に示すように、透光性板ガラスの表面1bに2つの亀裂(7a,7b)を作製したとする。また、透光性板ガラスの下部からLED11により指向性の高い照射光12が出射されているとする。この場合、透光性板ガラスの表面1bの2つの亀裂(7a,7b)からガラスの外側に光が放射する(8a,8b)。従って、透光性板ガラスの表面側から見ると、亀裂のドット部分が光り輝くように見えることになる。
図7では示していないが、透光性板ガラスの表面1b側からだけでなく、透光性板ガラスの裏面1c側からにも外側に光が放射する(図示せず)。
透光性板ガラスの内部1aを進むうちに、放射状の亀裂7aを通る光は、亀裂によって散乱され、全周囲にランダムに進むようになり、透光性板ガラスの表面側や裏面側から見ると、亀裂のドット部分が光り輝くように見えることになる。
装飾ガラスの製造方法のフローは、配置工程(ステップS11)、打刻工程(ステップS12)、装飾工程(ステップS13)、繰り返し工程(ステップS14)から成る。
配置工程(ステップS11)では、厚み4〜25mmの透光性板ガラスを、緩衝材を敷いた加工台の上に配置する。
打刻工程(ステップS12)では、アルミ製の先の尖った加工工具を用いて透光性板ガラスの表面を瞬間的に打刻し、打刻された透光性板ガラス表面に放射状の亀裂を設ける。
装飾工程(ステップS13)では、打刻位置をシフト移動して、亀裂のドットにより任意の文字または図柄を構成する。
繰り返し工程(ステップS14)では、目的とする文字や図柄が完成したか否かを判断する。完成していなければ、打刻位置をシフト移動して再び打刻工程(ステップS12)と装飾工程(ステップS13)を行う。これらのステップを繰り返す。
装飾ガラスの製造装置は、緩衝材としてのフェルトシート3を敷いた平坦な加工台2と、アルミ製の先端部4が尖った加工工具5と、加工工具5を保持するアーム20から構成される。アーム20は、加工台2に搭載された透光性板ガラス1に対して、瞬間的に下降し、加工工具5の尖った先端部4により透光性板ガラス1の表面を打刻する。
また、アーム20は、透光性板ガラス1の表面を打刻する力を調整できるように、Z軸方向の移動が行える駆動ヘッド(図示せず)に取り付けられる。駆動ヘッドはサーボモータによりZ方向に所定速度で移動し加工工具5の先端部4を落下できるようになっている。このZ軸方向の移動速度を調整することにより、落下による打刻する力を調整する。
2 加工台
3 フェルトシート
4 先端部
5 加工工具
7,7a〜7c 亀裂
8a,8b 散乱光
11,11a〜11f 発光ダイオード(LED)
12,12a〜12c 出射光
20 アーム
Claims (25)
- 所定厚さの透光性板ガラスの表面に、所定の大きさの放射状の亀裂を少なくとも1つ設け、前記亀裂のドットにより任意の文字または図柄を構成した装飾ガラスと、
前記透光性板ガラスの四方側面の何れかの方向から、指向性のある照射光が前記透光性板ガラス内部に入射するように配置された光源と、
を備えたことを特徴とする発光装飾ガラス。 - 所定厚さの透光性板ガラスの表面を打刻することにより放射状の亀裂を設けたことを特徴とする請求項1に記載の発光装飾ガラス。
- 所定厚さの透光性板ガラスの表面を、表面からの深さが厚さの0.005〜0.2の範囲内になるように打刻することにより放射状の亀裂を設けたことを特徴とする請求項1に記載の発光装飾ガラス。
- 上記の放射状の亀裂の大きさは、0.01〜3.0mmの径であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発光装飾ガラス。
- 前記所定厚さは4〜25mmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の発光装飾ガラス。
- 上記の指向性のある光源は、発光ダイオード(LED)により構成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の発光装飾ガラス。
- 上記の指向性のある光源は、時間が経過すると発光色が変化する発光ダイオード(LED)により構成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の発光装飾ガラス。
- 前記透光性板ガラスの四方側面のうち、前記光源が配置される側と対向する側に、光を遮断する枠体が設けられたことを特徴とする請求項6又は7に記載の発光装飾ガラス。
- 前記透光性板ガラスは、ガラス表面に、錫もしくは銀のめっき或いは蒸着が施されたものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の発光装飾ガラス。
- 前記透光性板ガラスの表面に、マジックミラー、ハーフミラー、ミラーグラス、ミラーのいずれかが貼り合わされたものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の発光装飾ガラス。
- 前記透光性板ガラスが、カラーガラスであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の発光装飾ガラス。
- 所定厚さの透光性板ガラスの表面に、所定の大きさの放射状の亀裂を少なくとも1つ設け、前記亀裂のドットにより任意の文字または図柄を構成したことを特徴とする装飾ガラス。
- 所定厚さの透光性板ガラスの表面を打刻することにより放射状の亀裂を設けたことを特徴とする請求項12に記載の装飾ガラス。
- 所定厚さの透光性板ガラスの表面を、表面からの深さが厚さの0.005〜0.2の範囲内になるように打刻することにより放射状の亀裂を設けたことを特徴とする請求項12に記載の装飾ガラス。
- 上記の放射状の亀裂の大きさは、0.01〜3.0mmの径であることを特徴とする請求項12〜14のいずれかに記載の装飾ガラス。
- 前記所定厚さは4〜25mmであることを特徴とする請求項12〜15のいずれかに記載の装飾ガラス。
- 前記透光性板ガラスは、ガラス表面に、錫もしくは銀のめっき或いは蒸着が施されたものであることを特徴とする請求項12〜16のいずれかに記載の装飾ガラス。
- 前記透光性板ガラスの表面に、マジックミラー、ハーフミラー、ミラーグラス、ミラーのいずれかが貼り合わされたものであることを特徴とする請求項12〜16のいずれかに記載の装飾ガラス。
- 前記透光性板ガラスが、カラーガラスであることを特徴とする請求項12〜16のいずれかに記載の装飾ガラス。
- 厚み4〜25mmの透光性板ガラスを、緩衝材を敷いた加工台の上に配置する配置工程と、
ガラスより強度がある硬質性の先の尖った工具を用いて前記透光性板ガラスの表面を瞬間的に打刻し、打刻された前記透光性板ガラス表面に所定の大きさの放射状の亀裂を設ける打刻工程と、
前記打刻工程を繰り返し、前記亀裂のドットにより任意の文字または図柄を構成する装飾工程と、
を備えたことを特徴とする装飾ガラスの製造方法。 - 前記緩衝材は、フェルトシートであることを特徴とする請求項20に記載の装飾ガラスの製造方法。
- 緩衝材を敷いた平坦な加工台と、
ガラスより強度がある硬質性の先の尖った工具と、
前記工具を保持するアームであって、
前記加工台に搭載された対象物に対して、瞬間的に下降し、前記工具の先端部により前記対象物の表面を打刻し得るアームと、
を備えたことを特徴とする装飾ガラスの製造装置。 - 前記緩衝材は、フェルトシートであることを特徴とする請求項22に記載の装飾ガラスの製造装置。
- 前記アームは、前記加工台の平面の任意の位置に移動できることを特徴とする請求項22に記載の装飾ガラスの製造装置。
- 前記アームは、前記対象物の表面を打刻する力を調整できることを特徴とする請求項22に記載の装飾ガラスの製造装置。
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