JP2012056483A - シートバックボード及びこれを用いた車両用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な構成で樹脂バネ部に生じる応力集中の緩和とシートバックの薄型化とを両立させることができるシートバックボード及びこれを用いた車両用シートを提供する。
【解決手段】シートバックボード16のバックバネ部38は下側バックバネ本体部48と上側バックバネ本体部とを備えている。例えば、下側バックバネ本体部48には、平断面視で見た場合にシート幅方向に複数個の曲面を連続させることにより波状に形成された多数の波状部分48Aが形成されている。この波状部分48Aを含む下側バックバネ本体部48の板厚は、シート幅方向の両端部48B及び中央部48Cで最大とされ、シート幅方向の端部48Bと中央部48Cとの中間で最小となるように設定されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、シートバックボード及びこれを用いた車両用シートに関する。
車両用シートには、軽量化及び薄型化の要請がある。下記特許文献1には、車両用シートの軽量化を図る観点から、樹脂材料で構成された網状の樹脂バネ体を用いた技術が開示されている。より詳しくは、樹脂バネ体は、熱可塑性エラストマー樹脂から成る線径0.2〜1.5mmの複数本の連続線状体を互いの交絡点において融着し網状に形成することにより構成されている。この構成の樹脂バネ体によれば、大きい応力で変形させると、多数の連続線状体が互いに協働して変形しつつ応力を吸収する、というものである。また、樹脂バネ体を用いることにより、シートバックスプリングを用いた車両用シートよりもシートバックを薄型化することができるものと思われる。
特開2004−138156号公報
しかしながら、上記先行技術による場合、連続線状体を互いの交絡点において融着して網状に形成する構成であるため、荷重に対して応力を分散させる効果があるとしても、樹脂バネ体自体が複雑である。
本発明は上記事実を考慮し、簡素な構成で樹脂バネ部に生じる応力集中の緩和とシートバックの薄型化とを両立させることができるシートバックボード及びこれを用いた車両用シートを得ることが目的である。
請求項1記載の本発明に係るシートバックボードは、樹脂の板材で形成されると共にシートバックフレームの背面側に配置されるバックボード部と、樹脂製とされて前記バックボード部に一体又は一体的に設けられ、前記シートバックフレームが備える左右一対のサイドフレーム間にシート幅方向に沿って架け渡されたバックバネ本体部を備えたバックバネ部と、を有し、さらに、前記バックバネ本体部には、平断面視で見た場合にシート幅方向に複数個の曲面を連続させることにより波状に形成され、かつ板厚がシート幅方向で変化するように設定された撓み部が一体に設けられている。
請求項2記載の本発明に係るシートバックボードは、請求項1記載の発明において、前記撓み部は、厚肉部と薄肉部とを備えている、ことを特徴としている。
請求項3記載の本発明に係るシートバックボードは、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記撓み部が一体に形成された前記バックバネ本体部のシート幅方向の両端部及び中央部の板厚は、それ以外の部位の板厚よりも厚く設定されている、ことを特徴としている。
請求項4記載の本発明に係るシートバックボードは、請求項3記載の発明において、前記バックバネ本体部の板厚は、シート幅方向の両端部及び中央部で最大になるように設定されている、ことを特徴としている。
請求項5記載の本発明に係るシートバックボードは、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明において、前記バックバネ本体部は、シートバック高さ方向に間隔を開けて複数本配置されており、当該複数本のバックバネ本体部にそれぞれ形成された撓み部には、シートバック高さ方向のいずれか一方に型抜きできるように抜き勾配が設定されている、ことを特徴としている。
請求項6記載の本発明に係るシートバックボードは、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の発明において、前記バックバネ部は、シートバック高さ方向に間隔を開けて配置された複数本のバックバネ本体部と、当該複数本のバックバネ本体部のシート幅方向の両端部と前記バックボード部とを連結すると共に前記サイドフレームに固定される樹脂製の連結固定部と、を有することを特徴としている。
請求項7記載の本発明に係る車両用シートは、前記シートバックフレームと、前記シートバックフレームにおける前記左右一対のサイドフレームに支持された請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のシートバックボードと、前記シートバックボードの前面側に配置されたシートバックパッドと、前記シートバックパッドの表面を覆うカバーと、を有している。
請求項1記載の本発明によれば、シートバックボードがシートバックフレームに装着された状態では、左右一対のサイドフレーム間にバックバネ部のバックバネ本体部がシート幅方向に沿って架け渡されて配置される。本発明では、このバックバネ本体部に波状に形成された撓み部が一体に設けられているため、乗員がこのシートバックボードを備えた車両用シートに着座すると、撓み部が荷重作用方向へ撓み変形することで、シートバックのクッション性が確保される。
ここで、本発明では、バックバネ部には平断面視で見た場合にシート幅方向に複数個の曲面を連続させることにより波状に形成された撓み部が一体に設けられているので、例えば大きな山が一つのみ形成された撓み部を設けた場合に比べて、撓み易くなる(即ち、撓み量を増やすことができる)。また、その分、撓み部のシートバック厚さ方向の長さを短くすることができるので、シートバックを薄くできる。
さらに、本発明では、平断面視で見た場合に撓み部がシート幅方向で変化するように設定されているので、撓み部(バックバネ部)に生じる応力分布に応じて撓み部の板厚を厚くしたり薄くしたりすることが可能になる。よって、撓み部に生じる応力を緩和することができる。
しかも、本発明の撓み部は平断面視で波状に形成されかつシート幅方向に板厚を変化させた構造であるので、構造的にも先行技術に比べて非常に簡素である。
請求項2記載の本発明によれば、撓み部は厚肉部と薄肉部とを備えているので、高い応力が発生する部位には厚肉部を設定し、低い応力が発生する部位には薄肉部を設定するといったことが可能になる。
請求項3記載の本発明の作用は、以下の通りである。今、バックバネ本体部の撓みを、両端固定支持の梁の撓みとして考えてみる。この場合の応力分布図を描くと、梁の両端と中央で応力が最大になる分布を示す。この点を考慮し、本発明では、撓み部が一体に形成されたバックバネ本体部のシート幅方向の両端部及び中央部の板厚を、それ以外の部位の板厚よりも厚く設定したので、高い応力が発生する部位では板厚が厚くなっている。
請求項4記載の本発明によれば、バックバネ本体部に生じる応力はバックバネ本体部のシート幅方向の両端部と中央部で最大となる。この点を考慮し、本発明では、バックバネ本体部の板厚を、シート幅方向の両端部及び中央部で最大になるように設定したので、最も高い応力が発生する部位に対しては最大の板厚で対応することができる。
請求項5記載の本発明によれば、シートバックボードがバックボード部を備えているため、複数本のバックバネ本体部を備えたバックバネ部をバックボード部と樹脂成形で一体に形成するためには、シートバック高さ方向のいずれか一方に金型を抜く方法を採ることが望ましい。本発明では、この点を考慮し、各バックバネ本体部にそれぞれ形成された撓み部に、抜き勾配を設定したので、シートバック高さ方向のいずれか一方に型抜きすることができる。
請求項6記載の本発明によれば、バックバネ部がバネ本体部の他に連結固定部を備えているので、サイドフレームへの固定に関する性能は連結固定部で担保すればよい。つまり、サイドフレームへの固定に関する要求特性とバネ本体部に要求される撓み特性とを切り分けて設計することができる。このため、一方の特性を充分に満足させるためには他方の特性を一部犠牲にしなければならないといったことが起こり難い。
請求項7記載の本発明によれば、車両用シートは、シートバックフレームとシートバックボードとシートバックパッドとカバーとを含んで構成されている。そして、このうち、シートバックボードが請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載されたシートバックボードであるため、車両用シートにおいて上述した作用が得られる。
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係るシートバックボードは、簡素な構成で樹脂バネ部に生じる応力集中の緩和とシートバックの薄型化とを両立させることができるという優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明に係るシートバックボードは、応力に応じた板厚に設定された撓み部を設けることができるという優れた効果を有する。
請求項3記載の本発明に係るシートバックボードは、応力に応じた板厚に設定されたバックバネ本体部を設けることができるという優れた効果を有する。
請求項4記載の本発明に係るシートバックボードは、より一層応力に応じた板厚に設定されたバックバネ本体部を設けることができるという優れた効果を有する。
請求項5記載の本発明に係るシートバックボードは、シートバックボードを効率よく製作することができるという優れた効果を有する。
請求項6記載の本発明に係るシートバックボードは、バックボード部の設計が容易になるという優れた効果を有する。
請求項7記載の本発明に係る車両用シートは、簡素な構成で樹脂バネ部に生じる応力集中の緩和とシートバックの薄型化とを両立させることができるという優れた効果を有する。
第1実施形態に係る車両用シートのシートバックの分解斜視図である。 図1に示されるシートバックフレームに樹脂バネ一体バックボードが組付けられた状態を示す斜視図である。 図1に示されるシートバックの組付状態を拡大して示す拡大平断面図(図2の3−3線に沿った拡大平断面図)である。 図1に示されるシートバックの組付状態を示す拡大縦断面図である。 (A)〜(C)は多数の波状部分を形成することが有利であることを説明するための説明図である。 (A)〜(D)は応力に応じた板厚の決定の仕方を説明するための説明図である。 第2実施形態に係る車両用シートの樹脂バネ一体バックボードの斜視図である。
〔第1実施形態〕
以下、図1〜図6を用いて、本発明に係る車両用シートの第1実施形態について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印INは車両幅方向内側を示している。
<全体構成>
図1には、本実施形態に係る車両用シートの背もたれに相当するシートバックの分解斜視図が示されている。なお、図1では、各構成要素を見る角度を若干変えて描いている。また、図4には、当該シートバックを備えた車両用シートの縦断面図が示されている。これらの図に示されるように、車両用シート10は、乗員が着座するシートクッション11(図4参照)と、シートクッション11の後端部に傾倒可能に支持されたシートバック12と、シートバック12の上端部に上下動可能に支持された図示しないヘッドレストと、によって構成されている。
図1に示されるように、上記シートバック12は、シートバック12の骨格部材を構成する金属製のシートバックフレーム14と、シートバックフレーム14の前面側に装着される樹脂バネ一体バックボード(以下、単に「シートバックボード」と称す。)16と、シートバック12のクッション材を構成すると共にシートバックボード16の前面側から取付けられてシートバックフレーム14に支持されるシートバックパッド18と、シートバックパッド18の主として前面を覆うカバー(表皮)20と、カバー20をシートバックボード16に取付けるための縦方向取付部材22及び横方向取付部材24と、によって構成されている。以下、各構成要素について詳細に説明する。
<シートバックフレーム14の構成>
図1〜図4に示されるように、シートバックフレーム14は、正面視(車両の正面から見た場合を指す。以下、車両の向きと車両用シート10の向きは同一であるものとして説明する。)で、矩形枠状に形成されている。具体的には、車両幅方向に対向して配置された左右一対のサイドフレーム26と、左右のサイドフレーム26の上端部同士を繋ぐ逆U字状のアッパフレーム28と、左右のサイドフレーム26の下端部同士を車両幅方向に繋ぐロアフレーム30と、によって構成されている。上記シートバック12はアッパフレーム28も含めて4つの部材がすべてプレス成形によって製作されているが、他のフレーム構造を採用してもよい。例えば、アッパフレームのみを逆U字状に曲げたパイプ材で構成してもよいし、アッパフレームと左右一対のサイドフレームを逆U字状に曲げた一つのパイプ材で構成してもよい。
次に、上記左右のサイドフレーム26の断面構造について説明する。図2及び図3に示されるように、サイドフレーム26は、側壁部26Aと、前壁部26Bと、後壁部26Cとによって構成されており、単独で見ると平断面視で略L字状に形成されており、左右一対で見ると平断面視でシート幅方向に対向する内側が開口された開断面形状に形成されている。側壁部26Aは全体的には下端部から上端部に向かうほど幅が狭くなっている。また、側壁部26Aの下部には、上下に離間して複数の取付孔32(図1参照)が形成されている。前壁部26Bは側壁部26Aの前端から円弧面を介してシート幅方向内側かつやや斜め後方へ延在されている。後壁部26Cは側壁部26Aの後端からシート幅方向内側へ延在されており、その先端部は車両前方側へ斜めに折り曲げられている。後壁部26Cの幅は前壁部26Bの幅に対して充分に広く設定されている。また、後壁部26Cの上部側にも取付孔34(図1参照)が形成されている。
<シートバックフレーム14の構成>
図1〜図4に示されるように、シートバックフレーム14は、正面視(車両の正面から見た場合を指す。以下、車両の向きと車両用シート10の向きは同一であるものとして説明する。)で、矩形枠状に形成されている。具体的には、車両幅方向に対向して配置された左右一対のサイドフレーム26と、左右のサイドフレーム26の上端部同士を繋ぐ逆U字状のアッパフレーム28と、左右のサイドフレーム26の下端部同士を車両幅方向に繋ぐロアフレーム30と、によって構成されている。上記シートバック12はアッパフレーム28も含めて4つの部材がすべてプレス成形によって製作されているが、他のフレーム構造を採用してもよい。例えば、アッパフレームのみを逆U字状に曲げたパイプ材で構成してもよいし、アッパフレームと左右一対のサイドフレームを逆U字状に曲げた一つのパイプ材で構成してもよい。
次に、上記左右のサイドフレーム26の断面構造について説明する。図2及び図3に示されるように、サイドフレーム26は、側壁部26Aと、前壁部26Bと、後壁部26Cとによって構成されており、単独で見ると平断面視で略L字状に形成されており、左右一対で見ると平断面視でシート幅方向に対向する内側が開口された開断面形状に形成されている。側壁部26Aは全体的には下端部から上端部に向かうほど幅が狭くなっている。また、側壁部26Aの下部には、上下に離間して複数の取付孔32(図1参照)が形成されている。前壁部26Bは側壁部26Aの前端から円弧面を介してシート幅方向内側かつやや斜め後方へ延在されている。後壁部26Cは側壁部26Aの後端からシート幅方向内側へ延在されており、その先端部は車両前方側へ斜めに折り曲げられている。後壁部26Cの幅は前壁部26Bの幅に対して充分に広く設定されている。また、後壁部26Cの上部側にも取付孔34(図1参照)が形成されている。
<シートバックボード16の構成>
次に、本実施形態に係る車両用シート10の要部を構成するシートバックボード16の構成について詳細に説明する。図1〜図4(特には図1及び図2)に示されるように、シートバックボード16は、樹脂の板材で形成されると共にシートバックフレーム14の背面側に配置されたバックボード部36と、樹脂製とされてバックボード部36に一体に設けられると共に左右一対のサイドフレーム26に直接支持されるように架け渡され、更にシートバック後方側への荷重が作用することにより荷重作用方向(車両後方側)へ撓み変形可能に形成されたバックバネ部38と、を備えている。
バックボード部36は、シートバックフレーム14よりも一回り小さく形成されたボード本体40と、このボード本体40の外周部に一体成形されたU溝状の係止部42と、によって構成されている。より具体的には、ボード本体40は矩形枠状に形成されたシートバックフレーム14の開口部の内周縁よりも一回り小さく形成されている。そして、シートバックフレーム14への組付状態では、ボード本体40は左右のサイドフレーム26の後壁部26Cの先端部(内端部)間の若干車両後方側に配置されている。従って、ボード本体40は、シートバックフレーム14の車両前方側から組付可能とされている(図3参照)。係止部42の断面形状は、車両後方側が開放されたU字状とされている。この係止部42は、後述するカバー20の外周部を係止するために用いられるが、板状のボード本体40を補強してバックボード部36全体の面剛性を高める機能をも有している。
バックバネ部38は、バックボード部36の下部側に一体に形成された下側バックバネ部44と、バックボード部36の上部側に一体に形成された上側バックバネ部46と、によって構成されている。上側バックバネ部46は、下側バックバネ部44に対してシートバック高さ方向に所定距離だけ離間した位置に独立して設けられている。
下側バックバネ部44は、シートバック高さ方向に上下三段に平行に配置された3本の下側バックバネ本体部48と、これら3本の下側バックバネ本体部48のシート幅方向(長手方向)の両端部をシートバック高さ方向に連結すると共にバックボード部36とも連結しかつサイドフレーム26に固定される下側連結固定部50と、によって構成されている。なお、下側バックバネ部44を何本の下側バックバネ本体部48で構成するかは任意であり、要求されるクッション性能との関係で適宜変更される。従って、下側バックバネ部の上下幅を広げて1本にしてもよいし、逆に2本又は4本以上の複数本にしてもよい。
下側バックバネ本体部48の平断面形状は波状に形成されており、バックボード部36側(車両後方側)への荷重が作用することにより波状部分48Aが伸長し、これにより荷重作用方向であるバックボード部36側へ撓み変形(弾性変形)するようになっている。なお、上段と中段の下側バックバネ本体部48のシート幅方向の両端部48B近傍には、カバー20を取付けるための後述する縦向き樹脂爪部58が一体に形成されており、この縦向き樹脂爪部58が形成される範囲については波状部分48Aは形成されない。
図3に示されるように、上述したバックボード部36は、下側バックバネ部44の車両後方側に所定距離だけ離間した位置に配置されている。つまり、下側バックバネ部44とバックボード部36との間には所定の隙間52が形成されている。この隙間52の範囲内で下側バックバネ本体部48は弾性変形可能とされている。すなわち、バックボード部36は、下側バックバネ部44の撓み量を所定量以下に制限する制限部材としても機能している。
下側連結固定部50は、平断面視で略逆U字状に形成されており、下側バックバネ本体部48のシート幅方向の端部48Bが連結される内側側壁50Aと、この内側側壁50Aに対して平行に配置されてサイドフレーム26の側壁部26Aの外側面に面接触状態で係止される外側側壁50Bと、内側側壁50Aの前端と外側側壁50Bの前端とを車両幅方向に連結しサイドフレーム26の前壁部26Bに部分的な面接触状態で係止される前壁50Cと、内側側壁50Aの後端部から下側バックバネ本体部48のシート幅方向の端部48Bに対してバックボード部36に連結される後壁50Dと、を備えている。
上述した上下三段の下側バックバネ本体部48のシート幅方向の両端部48Bは、波状部分48Aが形成されないフラットな部分として構成されており、左右一対の下側連結固定部50によって相互に連結されている。つまり、下側バックバネ本体部48はシートバック高さ方向に複数段に設けられるが、これらの下側バックバネ本体部48のシート幅方向の両端部48Bが左右一対の下側連結固定部50によって連結されることにより、下側バックバネ部44がバックボード部36に一体化されている。なお、下側連結固定部50は、最上段の下側バックバネ本体部48の上縁から最下段の下側バックバネ本体部48の下縁までの範囲を含むようにその長手方向寸法が設定されている。
上記下側連結固定部50は、その外側側壁50Bがサイドフレーム26の側壁部26Aの取付孔32に図示しない固定手段によってシート幅方向外側から固定されることにより、サイドフレーム26に固定されている。なお、固定手段としては、外側側壁50Bに樹脂クリップを一体に形成して取付孔32に係合させる構成や、リベット、スクリュー、ネジ又はボルトとウエルドナット等の締結具で締結する構成、構造用接着剤で接着する構成等、種々の態様が適用可能である。下側連結固定部50がサイドフレーム26に固定された状態では、後壁50Dがサイドフレーム26の後壁部26Cに対しても平行に配置されている。これにより、下側バックバネ本体部48のシート幅方向の端部48Bがサイドフレーム26の断面内方に入り込んだ状態で配置されている。
上側バックバネ部46も基本的には下側バックバネ部44と同様に構成されており、上側バックバネ本体部54と上側連結固定部56とによって構成されている。そして、上側バックバネ本体部54には、バックボード部36側(車両後方側)への荷重が作用すると伸長して撓み変形(弾性変形)するように波状部分54Aが形成されている。さらに、上側バックバネ本体部54のシート幅方向の両端部54Bには縦向き樹脂爪部58が一体に形成されている他、シート幅方向の両端部54Bと中央部54Cには横向き樹脂爪部60が一体に形成されている。また、上側連結固定部56にあっては、シート幅方向外側へ向けて張出した形状とされており、上述した左右のサイドフレーム26の側壁部26A間に納まる長手方向寸法に設定されている。そして、上側連結固定部56が後壁部26Cの取付孔34に図示しない固定手段によってシート後方側から固定されることにより、上側連結固定部56がサイドフレーム26に固定されている。
なお、本実施形態では、上述したようにバックバネ部38を下側バックバネ部44と上側バックバネ部46とに分けたが、これに限らず、両者を繋げて一体化してもよい。すなわち、下側連結固定部50をシートバック上方側へ延長して上側バックバネ本体部54のシート幅方向の両端部と連結させる構成を採ってもよい。
また、本実施形態では、上側バックバネ部46を一段(1本)で構成したが、これに限らず、複数段(複数本)で構成してもよく、バックボード部36の上部から下部に亘って等間隔で複数段(複数本)のバックバネ部を設ける構成を採ってもよい。
<シートバックパッド18の構成>
図1に示されるように、シートバックパッド18は、大別すると、パッド中央上部62と、パッド中央下部64と、左右一対のパッドサイド部66と、によって構成されている。なお、シートバックパッド18は、ウレタンフォーム等によって製作されている。
図4に示されるように、パッド中央上部62の縦断面形状は、上下左右逆向きの略J字状に形成されている。このパッド中央上部62は、シートバックフレーム14のアッパフレーム28にシートバック上方側から係止されている。パッド中央下部64の縦断面形状は、左右逆向きの略J字状に形成されている。また、パッド中央下部64は、下部が上部より車両前方側へ凸湾曲形状に膨らんだ形状をしている。このパッド中央下部64は、サイドフレーム26の下端部同士をシート幅方向に連結するコネクティングロッド68にシートバック下方側から係止されている。なお、コネクティングロッド68は、シートバックフレーム14のロアフレーム30の前方側に平行に配置されている。
また、図3に示されるように、パッドサイド部66の横断面形状は、略C字状に形成されている。このパッドサイド部66は、下側連結固定部50が装着された状態のサイドフレーム26に巻き付けられるようにして装着されている。なお、パッドサイド部66は、下部が上部より車両前方側へ凸湾曲形状に膨らんだ形状を成しており、かつパッド中央上部62及びパッド中央下部64よりも車両前方側へ膨出されて乗員に対するサイドサポート性を確保する形状になっている。
図4に戻り、上述したシートバックボード16は、縦断面視で、パッド中央上部62の背面側下端部62Aからパッド中央下部64の背面側上端部64Aに亘って配設されている。正確には、パッド中央下部64の背面側上端部64Aは背面側下端部62Aよりも薄く形成されており、その薄くなった部分にバックボード部36の下端部が前後に重ねて配置されている。
また、上述したパッド中央上部62とパッド中央下部64との間には、カバー吊り込み用の貫通溝としての横方向スリット70が形成されている。さらに、パッド中央上部62、パッド中央下部64とパッドサイド部66との間には、左右一対のカバー吊り込み用の貫通溝としての縦方向スリット72がそれぞれ形成されている。横方向スリット70及び縦方向スリット72のスリット幅は、後述する縦方向取付部材22及び横方向取付部材24が挿通可能な長さに設定されている。また、これらの横方向スリット70及び縦方向スリット72はいずれも直線状に形成されており、シートバックパッド18をその厚さ方向(車両前後方向でもある)に貫通している。
<カバー20の構成>
図1に示されるように、カバー20は、シートバックパッド18を正面側から覆うことが可能な大きさに形成されている。また、カバー20は、上記シートバックパッド18の分割構成に合わせてカバー中央上部74、カバー中央下部76、左右一対のカバーサイド部78を備えている。
<カバー20の取付構造>
カバー20は、縦方向取付部材22、横方向取付部材24、縦向き樹脂爪部58、横向き樹脂爪部60及び外周係止部80等によって取り付けられている。
図1に示されるように、縦方向取付部材22は、帯状に形成された取付部材本体22Aと、取付部材本体22Aの一方の側縁に設けられると共に楔状に形成された樹脂製の係合部22Bと、によって構成されている。取付部材本体22Aの他方の側縁は、カバー中央上部74、カバー中央下部76とカバーサイド部78とに縫製により予め取り付けられている。なお、図1では縦方向取付部材22(及び横方向取付部材24)をカバー20から分離して描いているが、縦方向取付部材22(及び横方向取付部材24)は、カバー20に予め取り付けられている。これに対応して、バックバネ本体部48における波状部分48Aよりも更にシート幅方向の両外側には、縦向き樹脂爪部58が一体に形成されている。縦方向取付部材22の係合部22Bは、縦向き樹脂爪部58に弾性的に係合可能とされている。そして、左右一対の縦方向取付部材22の係合部22Bを各バックバネ本体部48の対応する縦向き樹脂爪部58に弾性的に係合させることにより、カバー20の中央部が縦方向にシートバックボード16に取り付けられている。
同様に、横方向取付部材24は、帯状に形成された取付部材本体24Aと、取付部材本体24Aの一方の側縁に設けられると共に楔状に形成された樹脂製の係合部24Bと、によって構成されている。取付部材本体24Aの他方の側縁は、カバー中央上部74、カバー中央下部76に縫製により予め取り付けられている。これに対応して、最上段に配置されたバックバネ本体部48には、シート幅方向の中央部と両外側二箇所に横向き樹脂爪部60が一体に形成されている。横方向取付部材24の係合部24Bは、横向き樹脂爪部60に弾性的に係合可能とされている。そして、図4に示されるように、三箇所に設けられた横方向取付部材24の係合部24Bを最上段に配置されたバックバネ本体部48の各横向き樹脂爪部60に弾性的に係合させることにより、カバー20の中央部が横方向にシートバックボード16に取り付けられている。
さらに、カバー20の外周部の適宜位置には、鏃(やじり)形状とされた外周係止部80が縫製により取り付けられている。外周係止部80はバックボード部36の係止部42に車両後方側から挿入されて係止されている。これにより、カバー20の外周部がバックボード部36に取外し可能に係止されている。
ここで、下側バックバネ本体部48に形成された多数の波状部分48Aについて詳細に説明する。波状部分48Aは、下側バックバネ本体部48のシート幅方向の両端部48Bに立設された左右一対の縦向き樹脂爪部58間の略全範囲に亘って形成されている。このように下側バックバネ本体部48にはシート幅方向に連続した多数の波状部分48Aが形成されているが、その理由は以下の通りである。
図5(A)には、下側バックバネ本体部48を両端固定支持の真直梁B1として捉えた場合の模式図が示されている。この図に示されるように、真直梁B1の中央(スパン長を2Lとした場合にLの位置)に集中荷重(即ち、下側バックバネ本体部48が着座乗員から受ける荷重)Pが作用し、その結果、真直梁B1がδ1だけ撓んだとする。
一方、図5(B)に示されるように、今仮に二個の半円を繋いで形成した曲がり梁B2を想定し、その中央に同じ大きさの集中荷重Pを作用させると、δ1の1.8倍の撓み量が得られる(δ2=1.8×δ1)。
ここで、図5(C)に示されるように、曲がり梁B2(図5(B)参照)の一個分の円弧(半径R)の周長をL1とすると、このL1とn個の半径r(<半径R)の円弧の合計した周長L2とは同一である(∵ L1=2πR/2=πR、L2=(2πr/2)×n=nπrである。また、2rn=2Rであるから、R=nrの関係がある。よって、L1=L2となる。)。つまり、半径が大きい曲がり梁の撓み量と、半径が小さなn個でできた曲がり梁の撓み量は、同じである。
上記より、より多くの撓み量を確保しつつシートバック12を薄型化するためには、多数の波状部分48Aを形成するのが合理的といえる。
さらに、本実施形態では、上記下側バックバネ本体部48の波状部分48Aの板厚がシート幅方向に一定ではなく、変化するように設定されている。
すなわち、図3に示されるように、下側バックバネ本体部48には前述したように多数の波状部分48Aが形成されているが、その板厚は下側バックバネ本体部48のシート幅方向の両端部48B(縦向き樹脂爪部58が形成された部位)及び中央部48Cにて最大となり、シート幅方向の端部48Bと中央部48Cとの中間で最小となるように設定されている。多数の波状部分48Aは、板厚が相対的に厚い厚肉部84と板厚が相対的に薄い薄肉部86とを含んで構成されている。具体的には、厚肉部84は下側バックバネ本体部48のシート幅方向の両端部48B及び中央部48Cに設定されている。また、薄肉部86は下側バックバネ本体部48のシート幅方向の端部48Bと中央部48Cとの間に設定されている。なお、厚肉部84、薄肉部86は、波状部分48Aの山一つ分の単位で図示しているが、波状部分48A(撓み部)の板厚は基本的には徐変しているので、山二つ分で区切ってもよいし、山三つ分で区切ってもよい。要するに、下側バックバネ本体部48の全体から観て、相対的に厚い部分或いは薄い部分として把握できる単位で厚肉部84、薄肉部86を把握すればよい。
上記板厚の変化のさせ方を図6を用いて更に詳細に説明する。図6(A)に示されるように、両端固定支持の梁B3の中央に集中荷重Pを作用させると、梁B3は撓み、そのときの撓み量はδとなる。図6(B)はこのときのモーメント分布図を示したものである。図6(C)は、負のモーメントを正にして許容応力Qを書き入れたものである。図6(C)に示されるように、梁B3の両端部(0、L)と中央部(L/2)とで発生応力は最大となり、梁B3の長手方向の端部と中央部との中間(L/4、3L/4)で発生応力は最小となることが解る。これを許容応力Qとの関係で観ると、梁B3の長さLに対し、0、L/2、Lの三箇所では発生応力が許容応力Qを超過しており、L/4、3L/4では発生応力が許容応力Qに対して余剰になっているといえる。
この応力の変化に応じて板厚を変えたものに成形上の配慮を付加したものが図6(D)であり、実線tが最適化板厚を示す線図である。因みに、h1は最適化しなかった場合の元の板厚であり、h2は成形上の要件から最低限必要となる板厚である。
応力は下側バックバネ本体部48のシート幅方向の両端部48B及び中央部48Cで最大となるため、この部分の板厚が最大となるように厚肉部88が設定されている。また、応力は下側バックバネ本体部48のシート幅方向の端部48Bと中央部48Cとの間で最小となるため、この部分の板厚が最小となるように薄肉部90が設定されている。但し、実際の樹脂成形では、これ以上は薄くできないという厚さがあるので、薄肉部90の板厚は下側バックバネ本体部48の中では最小であるが理論上の最小値ではない所定の厚さ(h2)に設定されている。
なお、以上の板厚の設定の仕方については、上側バックバネ本体部54についても同様である。
(本実施形態の作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
上記構成の車両用シート10では、樹脂製のバックボード部36に樹脂製のバックバネ部38を一体に形成したシートバックボード16を備えている。そして、このシートバックボード16を金属製のシートバックフレーム14に車両前方側から嵌合させる。具体的には、左右の連結固定部50が左右のサイドフレーム26に車両前方側から嵌合され、この状態でサイドフレーム26にシート幅方向外側から固定される。その後、シートバックパッド18がシートバックフレーム14に車両前方側から装着され、更にカバー20がシートバックパッド18に被せられる。カバー20には予め縦方向取付部材22及び横方向取付部材24が縫製により予め固定されており、カバー20をシートバックパッド18に被せながら縦方向取付部材22、横方向取付部材24を対応する縦方向スリット72及び横方向スリット70に挿入して縦向き樹脂爪部58、横向き樹脂爪部60にそれぞれ係止させる。さらに、カバー20の外周係止部80をバックボード部36の係止部42に係止させていく。
上記の如くして組み立てられたシートバック12はシートクッション11及び図示しないヘッドレストが取り付けられて車両用シート10とされる。乗員が車両用シート10に着座すると、カバー20及びシートバックパッド18を介してバックバネ部38にシートバック後方側への荷重(図3に矢印Fでこれを現す)が入力される。このため、下側バックバネ本体部48及び上側バックバネ本体部54が荷重作用方向であるシートバック後方側へ撓み変形する。また、このときの荷重は連結固定部50より左右のサイドフレーム26に伝達されるため、サイドフレーム26から車両前方側への反力(図3に矢印fでこれを現す)が発生する。
このように乗員からバックバネ部38に荷重が入力されると、自身は撓み変形してシートバック12のクッション性の確保に寄与し、荷重そのものは左右のサイドフレーム26に伝達して左右のサイドフレーム26で支持する。その結果、シートバック12のクッション性能が充分に確保される。また、バックバネ部38は樹脂製とされてバックボード部36に一体に設けられているので、バックバネ部38を金属製のシートバックスプリングで構成する場合に比べて、部品点数及び組付工数が削減される。その結果、本実施形態によれば、シートバック12のクッション性能を充分に確保することができ、しかも更なる軽量化及び低コスト化を図ることができる。
ここで、本実施形態では、下側バックバネ本体部48、上側バックバネ本体部54には平断面視で見た場合にシート幅方向に複数個の曲面を連続させることにより波状に形成された撓み部(波状部分48A、54A)が一体に設けられているので、例えば大きな山が一つのみ形成された撓み部を設けた場合に比べて、撓み易くなる(即ち、撓み量を増やすことができる)。また、その分、撓み部(波状部分48A、54A)のシートバック厚さ方向の長さ(図3に符号Wで示す。)を短くすることができる。さらに、下側バックバネ本体部48、上側バックバネ本体部54を平断面視で見た場合に撓み部(波状部分48A、54A)の板厚がシート幅方向で変化するように設定されているので、下側バックバネ本体部48、上側バックバネ本体部54に生じる応力分布に応じて撓み部(波状部分48A、54A)の板厚を厚くしたり薄くしたりすることが可能になる。よって、撓み部(波状部分48A、54A)に生じる応力を緩和することができる。しかも、撓み部(波状部分48A、54A)は平断面視で波状に形成されかつ板厚を変化させた構造であるので、構造的にも先行技術に比べて非常に簡素である。上記より、本実施形態によれば、簡素な構成で樹脂バネ部に相当する波状部分48A、54Aに生じる応力集中の緩和とシートバック12の薄型化とを両立させることができる。
また、波状部分48A、54Aは厚肉部84と薄肉部86とを備えているので、高い応力が発生する部位には厚肉部84を設定し、低い応力が発生する部位には薄肉部86を設定するといったことが可能になる。従って、応力に応じた板厚に設定された撓み部(波状部分48A、54A)ひいてはバックバネ部38を設けることができる。
さらに、上述したように下側バックバネ本体部48、上側バックバネ本体部54の撓みは両端固定支持の梁の撓みと考えてよく、応力分布図を描くと、梁の両端と中央で応力が最大になる分布を示す。この点を考慮し、本実施形態では、波状部分48A、54Aが一体に形成された下側バックバネ本体部48、上側バックバネ本体部54のシート幅方向の両端部48B、54B及び中央部48C、54Cの板厚を、それ以外の部位の板厚よりも厚く設定したので、高い応力が発生する部位では板厚が厚くなっている。その結果、応力に応じた板厚に設定された下側バックバネ本体部48、上側バックバネ本体部54を設けることができる。
加えて、下側バックバネ本体部48、上側バックバネ本体部54のシート幅方向の両端部48B、54Bの板厚を厚くするだけでなく、シート幅方向の中央部48C、54Cの板厚も厚く設定したので、最も高い応力が発生する部位に対しては最大の板厚で対応することができる。よって、より一層、応力に応じた板厚に設定された下側バックバネ本体部48、上側バックバネ本体部54を設けることができる。
さらに、バックバネ部38が下側バックバネ本体部48の他に下側連結固定部50を備えているので、サイドフレーム26への固定に関する性能は下側連結固定部50で担保すればよい。つまり、サイドフレーム26への固定に関する要求特性と下側バックバネ本体部48に要求される撓み特性とを切り分けて設計することができる。このため、一方の特性を充分に満足させるためには他方の特性を一部犠牲にしなければならないといったことが起こり難い。その結果、バックボード部36の設計が容易になる。
〔第2実施形態〕
次に、図7を用いて、本発明に係る車両用シートの第2実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図7に示されるように、この第2実施形態のシートバックボード100では、バックボード部36には下側バックバネ部44’のみが一体に樹脂成形されており、上側バックバネ部54’は熱溶着によりバックボード部36に一体化されている。下側バックバネ部44’における下側バックバネ本体部48’の波状部分48A’には、図示しないスライド型を使って樹脂成形する際に、スライド型をシートバック高さ方向の下側へ脱型できるようにテーパ形状が設定されている。なお、図7では、波状部分48A’のテーパ形状をかなり誇張して描いている。また、図7には、上側バックバネ部54’の波状部分の図示を省略しているが、上側バックバネ部54’はバックボード部36に対して後付けするので任意の波形状を付与することができ、又波形状を付与しない選択も採ることができる。
なお、上側バックバネ部54’の両端部に設けられた上側連結固定部56を、下側バックバネ部44’における下側バックバネ本体部48’の両端部58B’を上下に連結する下側連結部50と連結して、下側バックバネ部44’及び上側バックバネ部54’の両方をバックボード部36と一体に成形することも可能である。この場合には、上側バックバネ部の波状部分にもテーパ形状が設定されるので、下側バックバネ部の波状部分を含めて上側バックバネ部の波状部分のテーパ形状を決定すればよい。
(作用・効果)
上記構成によっても、前述した第1実施形態と同様の作用効果が得られる。さらに、本実施形態によれば、以下の作用効果が得られる。すなわち、このシートバックボード100では、下側バックバネ部44’がバックボード部36に一体成形される。このため、シートバックボード100を製作するにあたっては、シートバック高さ方向のいずれか一方に金型を抜く方法を採ることが望ましい。この点を考慮し、下側バックバネ本体部48’に形成された波状部分48A’に抜き勾配を設定したので、シートバック高さ方向下側にスライド型を抜くことができる。その結果、シートバックボード100を効率よく製作することができる。
〔上記実施形態の補足説明〕
上述した実施形態では、樹脂製のバックボード部36に樹脂製のバックバネ部38を一体に形成したが、これに限らず、樹脂製のバックボード部に樹脂製のバックバネ部を一体的に設けてもよい。すなわち、バックボード部とバックバネ部とを別々に製作してから両者を溶着等により一体化するようにしてもよい。さらに、バックバネ部を構成するバックバネ本体部と連結固定部とを別部品として製作してから溶着等により一体化するようにしてもよい。更に補足すると、上述した実施形態では、連結固定部50をバックバネ部38側の構成要素として説明したが、連結固定部50をバックボード部36側の構成要素と捉えても、そのように解釈すること自体は一向に差し支えない。なぜなら、シートバックボードの完成品の状態では、連結固定部という構成要素をバックバネ部側に含めるか、それともバックボード部側に含めるかは、区分けをどのようにするかの問題に過ぎないからである。
また、上述した実施形態では、撓み部の板厚の変化が徐変するように設定されているが、必ずしも徐変させる必要はない。
10 車両用シート
12 シートバック
14 シートバックフレーム
16 樹脂バネ一体バックボード
18 シートバックパッド
20 カバー
26 サイドフレーム
36 バックボード部
38 バックバネ部
48、48’ 下側バックバネ本体部
48A、48A’ 波状部分(撓み部)
48B シート幅方向の端部
48C シート幅方向の中央部
50 下側連結固定部
54、54’ 上側バックバネ本体部
54A 波状部分(撓み部)
54B シート幅方向の端部
54C シート幅方向の中央部
56 上側連結固定部
84 厚肉部
86 薄肉部
88 厚肉部
90 薄肉部
100 樹脂バネ一体バックボード

Claims (7)

  1. 樹脂の板材で形成されると共にシートバックフレームの背面側に配置されるバックボード部と、
    樹脂製とされて前記バックボード部に一体又は一体的に設けられ、前記シートバックフレームが備える左右一対のサイドフレーム間にシート幅方向に沿って配置されたバックバネ本体部を備えたバックバネ部と、
    を有し、
    さらに、前記バックバネ本体部には、平断面視で見た場合にシート幅方向に複数個の曲面を連続させることにより波状に形成され、かつ板厚がシート幅方向で変化するように設定された撓み部が一体に設けられている、
    シートバックボード。
  2. 前記撓み部は、厚肉部と薄肉部とを備えている、
    ことを特徴とする請求項1記載のシートバックボード。
  3. 前記撓み部が一体に形成された前記バックバネ本体部のシート幅方向の両端部及び中央部の板厚は、それ以外の部位の板厚よりも厚く設定されている、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のシートバックボード。
  4. 前記バックバネ本体部の板厚は、シート幅方向の両端部及び中央部で最大になるように設定されている、
    ことを特徴とする請求項3記載のシートバックボード。
  5. 前記バックバネ部は、前記バックボード部に一体に形成されていると共に、前記バックバネ本体部は、シートバック高さ方向に間隔を開けて複数本配置されており、
    当該複数本のバックバネ本体部にそれぞれ形成された撓み部には、シートバック高さ方向のいずれか一方に型抜きできるように抜き勾配が設定されている、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のシートバックボード。
  6. 前記バックバネ部は、シートバック高さ方向に間隔を開けて配置された複数本のバックバネ本体部と、当該複数本のバックバネ本体部のシート幅方向の両端部と前記バックボード部とを連結すると共に前記サイドフレームに固定される樹脂製の連結固定部と、
    を有することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のシートバックボード。
  7. 前記シートバックフレームと、
    前記シートバックフレームにおける前記左右一対のサイドフレームに支持された請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のシートバックボードと、
    前記シートバックボードの前面側に配置されたシートバックパッドと、
    前記シートバックパッドの表面を覆うカバーと、
    を有する車両用シート。
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