JP2012056065A - 切粉搬送装置 - Google Patents

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JP2012056065A JP2010204211A JP2010204211A JP2012056065A JP 2012056065 A JP2012056065 A JP 2012056065A JP 2010204211 A JP2010204211 A JP 2010204211A JP 2010204211 A JP2010204211 A JP 2010204211A JP 2012056065 A JP2012056065 A JP 2012056065A
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啓太郎 村田
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Abstract

【課題】切削油の回収率を向上し、搬送抵抗を低減するとともに、切粉詰まりを防止できる切粉搬送装置を提供する。
【解決手段】切粉搬送装置10は、回転動作により切粉を搬送方向下流側へ搬送するスクリュウ21と、このスクリュウ21を収容しマシニングセンタから排出された切粉を導入可能な導入用開口部23が形成されたケーシング22を有するスクリュウコンベア20と、スクリュウコンベア20の搬送方向下流端に接続され内径が下流側程拡径するよう形成された排出管29を備え、スクリュウコンベア20と排出管29を搬送方向下流側程高くなるよう傾斜状に配置し、スクリュウコンベア20の搬送方向下流側部分においてケーシング22から上方へ延び且つケーシングの内部と連通された切粉収容箱30を設けるよう構成されている。これにより、搬送方向下流側の切粉の搬送抵抗を低減して装置の大型化を招くことなく切粉詰まりを防止することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、工作機械から排出された切粉を搬送する切粉搬送装置に関する。
従来、マシニングセンタ等の工作機械から発生した切粉は、工作機械から搬出された後、工作機械の近傍に設置された切粉収容器等の容器に一旦回収され、その後運搬車両により容器から処理設備へ運搬され処理されている。螺旋状や鱗片状の比較的大型の切粉や切削油が大量に付着した切粉は、運搬時に切粉容量が嵩張るため、切粉に対して減容処理や固液分離処理を行い切粉の減容化を図っていた。
工作機械から切粉を回収するには、ベルトコンベア、コイルコンベア、スクリュウコンベア及びスクレーパコンベア等のコンベアが夫々の目的に応じて採用されている。特に、スクリュウコンベアは、筒状のケーシングとこのケーシングに収容された回動可能な螺旋状のスクリュウを備え、工作機械から発生した切粉をスクリュウにより搬送方向へ押圧しながら搬送するため、搬送過程と同期して切粉の減容化や切削油の切粉からの分離を行える有効な搬送手段である。
特許文献1に記載された工作機械は、切粉を小さく破砕可能な切粉切断破断装置と、一端部が旋盤本体の切削作業領域下部に位置し他端部が切粉切断破断装置の導入口に接続された移送ケーシングと、移送ケーシング内に設置された螺旋状の移送スクリュウと、移送スクリュウを回転駆動可能な移送用モータを備え、移送ケーシングの一端部上方に形成された切粉導入用開口から供給された切粉を移送スクリュウにより圧送し、切粉を切粉切断破断装置により細かく切断処理している。
特許文献2に記載された搬送装置は、工作機械から供給された切粉を搬送するスクリュウコンベアと、スクリュウコンベアの内部下方位置に設置されたメッシュ板と、スクリュウコンベアのケーシング底部を形成し搬送方向下流側程高くなるよう水平面に対し傾斜された切削油受板と、この切削油受板の上流側終端部分に切削油を切削油貯油タンクに導入する導入管を備え、切粉がスクリュウコンベアにより圧送される過程で切粉に付着した切削油をメッシュ板から落下させ切粉から分離している。
特開2000−117507号公報 実開昭63−91344号公報
特許文献1,2に開示されたスクリュウコンベアでは、切粉をスクリュウにより搬送方向へ圧送しているため、そのメカニズム上、搬送方向下流側程切粉の体積密度を大きくして減容化でき且つ切粉に含まれる切削油量を少なくすることができる。しかし、前記のように体積密度が大きく切削油量が少ない切粉は、搬送方向下流側程、搬送路との間に生じる摩擦抵抗が増大し、スクリュウコンベアから切粉を排出する排出管の出口部分において切粉が排出管内に詰まる虞がある。切粉が排出管内に詰まり、その結果、スクリュウコンベアが停止した場合、補修や点検のため工作機械も停止され、工作機械の稼働率低下を招く虞もある。
マシニングセンタ等の工作機械では、複雑な加工処理を連続して自動制御可能であるため、その作業内容によって工作機械から発生する切粉の発生量に変動が生じることがある。それ故、工作機械の稼働率を保証するためには、発生量が増加したときの切粉を基準にして大量の切粉搬送に対応可能なスクリュウ、駆動モータ及び排出管等の機能設定が必要である。また、複数の機械加工を行う機械加工ラインでは、複数のマシニングセンタが直列状に配置され、これに対応して個々のマシニングセンタに設置された切粉搬送装置も直列状に連結配置させることが考えられるが、搬送方向下流側に設置された切粉搬送装置には搬送方向上流側のマシニングセンタから発生した切粉が影響を及ぼし、更に搬送する切粉量の上下変動が増大する虞もある。
本発明の目的は、スクリュウコンベアによる切粉搬送時、切粉からの切削油の回収率を向上できる切粉搬送装置、搬送方向下流側の切粉の搬送抵抗を低減して装置の大型化を招くことなく切粉詰まりを防止できる切粉搬送装置、複数の切粉搬送装置を直列状に配置しても搬送方向上流側の工作機械から発生した切粉が搬送抵抗に与える影響を抑制できる切粉搬送装置等を提供することである。
請求項1の切粉搬送装置は、工作機械から排出された切粉を搬送する切粉搬送装置において、回転動作により切粉を搬送方向下流側へ搬送するスクリュウと、このスクリュウを収容し工作機械から排出された切粉を導入可能な導入用開口部が形成されたケーシングを有するスクリュウコンベアと、前記スクリュウコンベアの搬送方向下流端に接続され内径が下流側程拡径するよう形成された排出管とを備え、前記スクリュウコンベアと排出管とを搬送方向下流側程高くなるよう傾斜状に配置し、前記スクリュウコンベアの搬送方向下流側部分において前記ケーシングから上方へ延び且つケーシングの内部と連通された切粉収容箱を設けたことを特徴としている。
この切粉搬送装置においては、スクリュウコンベアの搬送方向下流側部分においてケーシングから上方へ延び且つケーシングの内部と連通された切粉収容箱を設けているため、排出管内を搬送される切粉の搬送抵抗が増加した場合、密度の大きなスクリュウコンベアの搬送方向下流側部分の切粉を切粉収容箱へ一旦押し上げて貯留し、排出管内における切粉の搬送抵抗を低減することができる。また、切粉収容箱内に貯留された切粉は、排出管内の搬送抵抗が減少した段階で切粉収容箱からスクリュウコンベア内に下降し、搬送が再開される。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記ケーシングの導入用開口部よりも高い位置に、搬送方向上流側に隣接状に配置された切粉搬送装置の前記排出管の搬送方向下流端部分を接続可能な接続部が形成されたことを特徴としている。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記ケーシングの搬送方向上流側部分の底部に切削油回収用孔を設けたことを特徴としている。
請求項4の発明は、請求項1〜3の何れか1項の発明において、前記排出管の傾斜角度はスクリュウコンベアの傾斜角度より大きく設定されたことを特徴としている。
請求項5の発明は、請求項1〜4の何れか1項の発明において、前記排出管の内径は、排出管長1mにつき1mm〜15mmの範囲で下流側程拡径するよう設定されたことを特徴としている。
請求項1の発明によれば、搬送方向へ押圧しながら圧送するスクリュウコンベアを用いているため、搬送工程に同期して切粉の減容処理や固液分離処理を行うことができ、スクリュウコンベアと排出管を搬送方向下流側程高くなるよう傾斜状に配置したため、切粉に付着する切削油の回収率を向上することができる。しかも、スクリュウコンベアの搬送方向下流端に接続された排出管の内径を下流側程拡径するよう形成し、スクリュウコンベアの搬送方向下流側部分においてケーシングから上方へ延び且つケーシングの内部と連通された切粉収容箱を設けたため、切粉の発生量の大きな変動があっても、切粉密度の大きなスクリュウコンベアの搬送方向下流側部分における切粉の搬送抵抗を搬送過程の切粉を一旦切粉収容箱に貯留することにより低減することができ、装置の大型化を招くことなく排出管内における切粉詰まりを防止できる。
請求項2の発明によれば、複数の工作機械が直列状に配置された機械加工ラインにおいて、設置された工作機械の台数に拘わらず切粉搬送装置を配置レイアウトや加工プログラム変更に合わせて直列状に配置でき、搬送方向上流側の工作機械から発生した切粉が搬送抵抗に与える影響を抑制でき、切粉を直列状の単一搬送経路で搬送することができ、設備の簡略化や省スペース化を図ることができる。
請求項3の発明によれば、最も下方位置となるケーシングの搬送方向上流側部分から切削油を回収できるため、切削油の回収率を向上することができる。
請求項4の発明によれば、排出管内の切粉に付着した切削油の回収率を増すことができる。
請求項5の発明によれば、切粉の搬送抵抗低減と切粉搬送装置のコンパクト化の両立を図ることができる。
本発明の実施例に係る切粉搬送装置の外観図である。 切粉搬送装置の側面図である。 切粉搬送装置の正面図である。 切粉搬送装置の要部縦断面図である。 図4のV−V線断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
尚、以下の実施例において、切粉の搬送方向下流側を前側、切粉の搬送方向上流側を後側とし、切粉の搬送方向に向かって左右方向を左右方向として説明する。
以下、本発明の実施例について図1〜図5に基づいて説明する。
本実施例では、加工対象のワーク(図示略)が搬送手段(例えば、搬送パレット)により搬送され、所定の加工プログラムに従い自動加工する複数のマシニングセンタ1(工作機械)がワークの搬送経路に沿って直列状に配置された機械加工ラインにおいて、マシニングセンタ1から加工時発生する切粉を所定位置に設置された廃棄容器(図示略)まで搬送する切粉搬送装置10の例について説明する。
図1に示すように、複数のマシニングセンタ1は、ワークの搬送経路に沿って所定間隔おきに直列状に配置され、個々の加工作業に応じた加工プログラムに従い、フライス加工、中ぐり加工或いはねじ立て等の多種類の機械加工を行っている。マシニングセンタ1には、機台(図示略)上にハウジング2が立設され、このハウジング2内に設置された水平方向に延びるスピンドル3と、スピンドル3に収容され水平方向に延びる回転可能な主軸4と、主軸4の先端に取付けられた工具(図示略)や自動工具交換装置(図示略)等が設けられている。主軸4は、加工プログラムに従いXYZの3軸方向へ移動可能に構成されている。
各マシニングセンタ1の正面位置には、機械加工時に発生した切粉を機械加工ライン近傍に設置された廃棄容器へ搬送可能な複数の切粉搬送装置10が各マシニングセンタ1に隣接して配置されている。尚、切粉搬送装置10による切粉の搬送先は廃棄容器に限られず、切粉を更に細かく裁断する破砕装置へ搬送しても良い。
図1〜図3に示すように、切粉搬送装置10は、立方体形状に形成されたフレーム11と、このフレーム11に支持されたスクリュウコンベア20と、スクリュウコンベア20の前端に接続された筒状の排出管29と、スクリュウコンベア20の前側部分に設置された切粉収容箱30等を備えている。
図2,図3に示すように、フレーム11は、前後左右の4隅に配置された4本の縦部材12と、縦部材12の上端部分に連結された矩形状の横部材13と、縦部材12の下端部分に連結された矩形状の横部材14と、横部材13の下側にスクリュウコンベア20に沿うように横部材13の後端から途中部まで前後方向へ延びる断面コ字状の樋部材15と、横部材14の底部の4隅に設置された前後左右に回動自在な4つのキャスタ16と、フレーム11の中段且つ後側位置に設置された減速機付駆動モータ17と、フレーム11を補強する複数の補強部材等を備えている。
フレーム11には、搬送過程の切粉から固液分離された切削油を貯留する貯留タンク5を収容可能なタンク収容部18が形成されている。タンク収容部18は、横部材13と横部材14の間で且つ前側位置にフレーム11の各構成部材により形成されている。
樋部材15の後端部分は、後述するスクリュウコンベア20に設けられた切削油回収用孔28の下方に配置され、樋部材15の前端部分は、タンク収容部18に設置された貯留タンク5の開口上方位置まで前方に向けて延設されている。
各キャスタ16は、横部材14の下面に所定の厚さを有する着脱自在な調整カラー部材16aを介して夫々固定されている。後側の左右1対のキャスタ16は夫々1枚の調整カラー部材16aを介して横部材14の後端部に固定され、前側の左右1対のキャスタ16は夫々2枚の調整カラー部材16aを介して横部材14の前端部に固定されている。それ故、図2に示すように、フレーム11は、水平面に対して傾斜角度θ1を形成した前方上がり傾斜状に傾斜配置されている。尚、調整カラー部材16aの設置枚数は、切粉搬送装置10の設置条件に応じて増減可能である。
図2に示すように、駆動モータ17は、複数の補強部材によりフレーム11の後側位置に固定されている。駆動モータ17の後端部には、モータ回転軸に連結されたスプロケット17aが設けられている。このスプロケット17aは、チェーン部材19を介してスクリュウコンベア20のスプロケット21cと連結されている。
スクリュウコンベア20は、回転動作により切粉を前側へ押圧しながら搬送するスクリュウ21と、このスクリュウ21を内部へ収容しマシニングセンタ1から排出された切粉を導入可能な導入用開口部23が形成されたケーシング22等を備えている。スクリュウコンベア20は、横部材13に対して支持部材を介して略平行状態となるよう固定されているため、フレーム11と同様に、水平面に対して傾斜角度θ1を形成する前方上がり傾斜状に傾斜配置されている。
図2,図4,図5に示すように、スクリュウ21は、スクリュウ軸21aと、スクリュウ軸21aの外周に形成された螺旋状のスクリュウ羽根21bと、スクリュウ軸21aの後端に形成されたスプロケット21cを備えている。スクリュウ21の後端部分は、軸受け(図示略)を介してケーシング22の後端部に回転自在に枢支されている。本実施例では、スクリュウ21の回転速度を170〜180rpmに設定している。また、スクリュウ21の後端部分が片持ち状態でケーシング22の後端部に枢支されているが、スクリュウ21の前端部分もケーシング22の前端部に回転自在に枢支することによりスクリュウ21をケーシング22に対して両持ち状態に形成することも可能である。
ケーシング22は、部分円筒状に形成され、ケーシング22の後側位置に形成された導入用開口部23と、ケーシング22の前側位置に形成された貯留用開口部24と、開口部23と開口部24の間に形成された円筒部25と、開口部23の上方位置にケーシング22の後端部から円筒部25に亙って前後方向に形成されたホッパ部26と、ホッパ部26の上方且つ後側位置に形成された接続部27と、ケーシング22の後端部分の底部に設けられた切削油回収用孔28等を備えている。
開口部23は、ケーシング22上部に後端部から途中部に亙って形成されている。開口部23は、マシニングセンタ1から排出された切粉を開口部23の上縁部に連なるホッパ部26により回収し、回収された切粉をケーシング22内部へ導入可能に構成されている。開口部24は、ケーシング22上部に途中部から前端部に亙って形成され、スクリュウ21によりケーシング22の前側位置へ圧送された切粉を開口部24の上縁部に連なる切粉収容箱30内部へ導入可能に構成されている。円筒部25の内周とスクリュウ羽根21bの先端とのクリアランスは約2.7mmに設定されている。
接続部27は、ケーシング22の開口部23よりも高い位置に配置され、おいてホッパ部26の上縁部に連なるように形成されている。図1,図2に示すように、接続部27は、筒状の内周部27aを備え、切粉搬送装置10の後側に隣接状に配置された切粉搬送装置10の排出管29の前端部分が内嵌接続可能に形成されている。これにより、複数のマシニングセンタ1が直列状に配置された機械加工ラインにおいて、設置されたマシニングセンタ1の台数に拘わらず切粉搬送装置10を配置レイアウトや加工プログラム変更に合わせて直列状の単一搬送経路を形成でき、設備の簡略化や省スペース化を図っている。尚、最下流側の切粉搬送装置10の排出管29は廃棄容器に接続され、機械加工ラインで発生した切粉を全て廃棄容器に回収している。
図2に示すように、切削油回収用孔28は、ケーシング22と排出管29の底部を流れ落ちた切削油を樋部材15の後端部分へ流下可能に形成されている。樋部材15の底部は前側程低くなるよう前方下り傾斜状に形成されているため、樋部材15に排出された切削油は樋部材15の底部上面を前方に向かって流れ、貯留タンク5に回収される。
ラッパ形状の排出管29の後端部は、ケーシング22の前端部22aに接続され、排出管29の内径は、排出管長1mにつき1mm〜15mmの範囲で前側程拡径するよう設定されている。本実施例では、排出管29の全長が1.35m、排出管29の後端直径L1が100mm、排出管29の前端直径L2が120mmに設定されている。それ故、切粉と排出管29の出口部分との間の搬送抵抗低減を図ることができ、駆動モータ17やスクリュウ21等を大型化することなく切粉の搬送性能を増すことができる。
排出管29は、スクリュウコンベア20のケーシング22に対して所定の傾斜角度を形成するように接続され、前方上がり傾斜状に形成されている。つまり、図2に示すように、スクリュウコンベア20は水平面に対して傾斜角度θ1となるよう設置され、排出管29は水平面に対して傾斜角度θ1より大きな傾斜角度θ2となるよう設置されている。これにより、排出管29内の切粉に付着した切削油の回収率を更に増すことができる。
切粉収容箱30は、スクリュウコンベア20の前側部分においてケーシング22から上方へ延び且つケーシング22の内部と連通するよう形成されている。切粉収容箱30は、前板と、前板よりも上下長が短い後板と、左右1対の台形形状の側板と、左右1対の底板と、切粉収容箱30の上部を覆う上板を備え、その内部に切粉を貯留可能な切粉貯留空間31が形成されている。
前板の下端は貯留用開口部24の前端部と接続され、後板の下端は円筒部25の上側外周部に接続されている。前板と後板と左右1対の側板の上縁部が上板により塞がれている。左右1対の底板は、その上縁部が左右1対の側板の下縁部と接続され、ホッパ部26の前端部に連なるようにホッパ部26と一体形成されている。それ故、排出管29内を搬送される切粉の搬送抵抗が増加した場合、密度の大きなケーシング22内の前側部分の切粉を切粉貯留空間31へ一旦押し上げて貯留し、排出管29内における切粉の搬送抵抗を低減することができる。また、切粉収容箱30内に貯留された切粉は、排出管29内の搬送抵抗が減少した段階で切粉貯留空間31からケーシング22内に下降し、搬送が再開される。
図4に示すように、切粉貯留空間31は、前端側上部が湾曲形状に形成され、後端側上部が後方下がり傾斜状に形成されている。これにより、搬送過程の切粉量が減少し、切粉貯留空間31内に貯留された切粉がスクリュウ21により再度前方へ搬送されるとき、各板が形成する屈曲部が少ないため、切粉が円滑にスクリュウ21側へ移動し、切粉貯留空間31内の残留切粉を減少させることができる。
図5に示すように、開口部23の上方且つホッパ部26の左右端近傍位置には、搬送過程の切粉の飛散を防止すると共に切粉に付着する切削油を切粉から分離するためのエアブロー装置6が設けられている。エアブロー装置6は工場の加圧エア源(図示略)と接続され、エア噴出口はホッパ部26の左右上端部分の内側にスクリュウ21へ向かうように配置されている。これにより、スクリュウ羽根21bにより前方へ圧送される切粉に対し左右両側から夫々内側へ向けて加圧エアが噴射されるため、開口部23から外方へ向けて飛散する切粉をスクリュウ21側へ集めることができ、切粉に付着する切削油を切粉から効率良く除去分離することができる。
次に、切粉搬送装置10の作用、効果について説明する。
この切粉搬送装置は、マシニングセンタ1から排出された切粉を搬送する切粉搬送装置10において、回転動作により切粉を搬送方向下流側へ搬送するスクリュウ21と、このスクリュウ21を収容しマシニングセンタ1から排出された切粉を導入可能な導入用開口部23が形成されたケーシング22を有するスクリュウコンベア20と、スクリュウコンベア20の搬送方向下流端に接続され内径が下流側程拡径するよう形成された排出管29とを備え、スクリュウコンベア20と排出管29とを搬送方向下流側程高くなるよう傾斜状に配置し、スクリュウコンベア20の搬送方向下流側部分においてケーシング22から上方へ延び且つケーシングの内部と連通された切粉収容箱30を設けている。
この切粉搬送装置10によれば、搬送方向へ押圧しながら圧送するスクリュウコンベア20を用いているため、搬送工程に同期して切粉の減容処理や固液分離処理を行うことができ、スクリュウコンベア20と排出管29を搬送方向下流側程高くなるよう傾斜状に配置したため、切粉に付着する切削油の回収率を向上することができる。しかも、スクリュウコンベア20の搬送方向下流端に接続された排出管29の内径を下流側程拡径するよう形成し、スクリュウコンベア20の搬送方向下流側部分においてケーシング22から上方へ延び且つケーシング22の内部と連通された切粉収容箱30を設けたため、切粉密度の大きなスクリュウコンベア20の搬送方向下流側部分における切粉の搬送抵抗を搬送過程の切粉を一旦切粉収容箱30に貯留することにより低減することができ、装置の大型化を招くことなく排出管29内における切粉詰まりを防止することができる。
ケーシング22の導入用開口部23よりも高い位置に、搬送方向上流側に隣接状に配置された切粉搬送装置10の排出管29の搬送方向下流端部分を接続可能な接続部27が形成されたため、複数のマシニングセンタ1が直列状に配置された機械加工ラインにおいて、設置されたマシニングセンタ1の台数に拘わらず切粉搬送装置10を配置レイアウトや加工プログラム変更に合わせて直列状に配置でき、搬送方向上流側のマシニングセンタ1から発生した切粉が搬送抵抗に与える影響を抑制でき、切粉を直列状の単一搬送経路で搬送することができ、設備の簡略化や省スペース化を図ることができる。
ケーシング22の搬送方向上流側部分の底部に切削油回収用孔28を設けたため、最も下方位置となるケーシングの搬送方向上流側部分から切削油を回収できるため、切削油の回収率を簡単な構成で向上することができる。
排出管29の傾斜角度θ2はスクリュウコンベア20の傾斜角度θ1より大きく設定されているため、排出管29内の切粉に付着した切削油の回収率を効果的に増すことができる。
排出管29の内径は、排出管長1mにつき1mm〜15mmの範囲で下流側程拡径するよう設定されているため、切粉と排出管29の出口部分との間の搬送抵抗低減を図ることができ、駆動モータ17やスクリュウ21等を大型化することなく切粉の搬送性能を増すことができ、切粉の搬送抵抗低減と切粉搬送装置10のコンパクト化の両立を図ることができる。
次に、前記実施例を部分的に変更した変形例について説明する。
1〕前記実施例においては、複数の切粉搬送装置を直列状に連結配置した例を説明したが、複数の切粉搬送装置を連結することなく切粉搬送装置を単独で使用することも可能である。また、マシニングセンタから発生した切粉を切粉搬送装置により廃棄容器へ回収する例を説明したが、減容処理装置や固液分離処理装置へ搬送しても良く、複数の搬送先へ搬送することも可能である。
2〕前記実施例においては、キャスタと横部材の間に着脱自在な調整カラー部材を介在させた例を説明したが、フレームとスクリュウコンベアとの間の支持部材にスクリュウコンベアの傾斜角度調節機構を設けても良い。
3〕前記実施例においては、切粉収容箱に上部を塞ぐ上板を設けた例を説明したが、切粉収容箱は、少なくとも、搬送過程の切粉を貯留できれば良く、上板を省略した切粉収容箱を設置することも可能である。
4〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
本発明は、工作機械から排出された切粉を搬送する切粉搬送装置において、スクリュウコンベアの搬送方向下流側部分においてケーシングから上方へ延び且つケーシングの内部と連通された切粉収容箱を設けたことにより、搬送方向下流側の切粉の搬送抵抗を低減して装置の大型化を招くことなく切粉詰まりを防止することができる。
1 マシニングセンタ
10 切粉搬送装置
20 スクリュウコンベア
21 スクリュウ
22 ケーシング
23 (導入用)開口部
24 (貯留用)開口部
27 接続部
27a 内周部
28 切削油回収用孔
29 排出管
30 切粉収容箱

Claims (5)

  1. 工作機械から排出された切粉を搬送する切粉搬送装置において、
    回転動作により切粉を搬送方向下流側へ搬送するスクリュウと、このスクリュウを収容し工作機械から排出された切粉を導入可能な導入用開口部が形成されたケーシングを有するスクリュウコンベアと、
    前記スクリュウコンベアの搬送方向下流端に接続され内径が下流側程拡径するよう形成された排出管とを備え、
    前記スクリュウコンベアと排出管とを搬送方向下流側程高くなるよう傾斜状に配置し、
    前記スクリュウコンベアの搬送方向下流側部分において前記ケーシングから上方へ延び且つケーシングの内部と連通された切粉収容箱を設けたことを特徴とする切粉搬送装置。
  2. 前記ケーシングの導入用開口部よりも高い位置に、搬送方向上流側に隣接状に配置された切粉搬送装置の前記排出管の搬送方向下流端部分を接続可能な接続部が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の切粉搬送装置。
  3. 前記ケーシングの搬送方向上流側部分の底部に切削油回収用孔を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の切粉搬送装置。
  4. 前記排出管の傾斜角度はスクリュウコンベアの傾斜角度より大きく設定されたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の切粉搬送装置。
  5. 前記排出管の内径は、排出管長1mにつき1mm〜15mmの範囲で下流側程拡径するよう設定されたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の切粉搬送装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112720079A (zh) * 2020-12-21 2021-04-30 重庆宇辰机械设备有限公司 一种雕铣机

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