JP2012052157A - 温間プレス成形用素材及びパネル用部材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高強度溶融亜鉛めっき鋼板からなる温間プレス成形用素材及び耐面歪性及び耐デント性に優れたパネル用部材の製造方法を提供する。
【解決手段】マルテンサイト相の面積率が3〜15%の複合組織を有し、BH量が45MPa以上、YSが280MPa以下、YRが60%以下である高強度溶融亜鉛めっき鋼板からなることを特徴とする温間プレス成形用素材。
【選択図】なし

Description

本発明は、自動車、家電等の用途で使用される温間プレス成形用素材およびこの素材を使用してパネル用部材を製造する方法に関する。
従来、フード、ドア、トランクリッド、バックドア、フェンダーといった耐デント性の要求される自動車外板パネルには、TS:340MPaクラスのBH鋼板(焼付け硬化型鋼板、以後、単に340BHと呼ぶ。)が適用されてきた。340BHはC:0.01質量%未満の極低炭素鋼において固溶C量をNb、Ti等の炭窒化物形成元素の添加により制御し、Mn、Pで固溶強化したフェライト単相鋼である。近年、車体軽量化ニーズが更に高まり、これらの340BHの適用されてきた外板パネルを更に高強度化して鋼板を薄肉化する、あるいは同板厚でR/F(補強部材)を削減する、さらには焼付け塗装工程を低温、短時間化する等の検討が進められている。
しかしながら、従来の340BHに更にMn、Pを多量添加して高強度化を図ると、降伏応力(YS)の増加に起因してプレス成形品の耐面歪性が著しく劣化する。ここで、面歪とは、ドアのノブ部の外周などに生じやすいプレス成形面の微小なしわ、うねり状の模様である。面歪は自動車の外観品質を著しく損なうので、外板パネルに適用される鋼板には、プレス成形品の強度を高めつつも、プレス成形前の降伏応力は現状の340BHに近い低いYSを有することが要求される。
一方、低いYSを維持しつつプレス成形および焼付け塗装後の強度を高くするためには、プレス成形時の加工硬化(WH)、プレス成形後の焼付け硬化(BH)を増加させる必要がある。ドアなどの張り出し部位で、デンド性が要求される位置での歪量は数%であり、WHはそのような低歪で高い値が必要となる。また、プレス成形時に付与される歪量に依存せず高い耐デント性を安定して確保するためにはBHを増加させることが好ましい。しかしながら、BHを増加させると耐時効性の劣化が生じる。とりわけ、近年の車両生産拠点のグローバル化により、北米や北東アジア地域だけでなく、東南アジア、南米、インド等においてもパネル用鋼板の需要が増加しつつあり、更なる耐時効性の向上が求められている。例えば、赤道付近の地域で鋼板を使用する場合は、輸送工程や現地の倉庫での保管期間を考慮すると、鋼板は40〜50℃に2〜5ヶ月曝されるので、従来のフェライト単相鋼(340BH)では耐時効性は十分でなく、プレス成形後の外板意匠面にしわ状の模様が発生する。このように、近年は高いBHを保持しつつも従来鋼より優れた耐時効性を有していることが鋼板特性として要求される。
このような背景から、例えば、特許文献1には、重量比にて、C:0.005〜0.15%、Mn:0.3〜2.0%、Cr:0.023〜0.8%を含有する鋼の焼鈍後の冷却速度を適正化し、主としてフェライトとマルテンサイトからなる複合組織を形成させることにより、低い降伏応力(YS)、高い焼付け硬化(BH)を兼ね備えた合金化亜鉛めっき鋼板を得る方法が開示されている。また、特許文献2には、重量%で、C:0.01%超0.03%未満、Mn:0.5〜2.5%、B:0.0025%以下を含有する鋼にMoを0.02〜1.5%添加し、さらにsol.Al、N、B、Mn量をsol.Al≧9.7×N、B≧1.5×10-4×(Mn2+1)となるように制御してフェライトと低温変態生成相からなる組織を得ることにより、焼付硬化性と常温耐時効性の両者に優れた溶融亜鉛めっき鋼板を得る方法が開示されている。特許文献3には、質量%で、C:0.005%以上0.04%未満、Mn:0.5〜3.0%を含有する鋼板を熱間圧延する過程において圧延終了後2秒以内に70℃/s以上の冷却速度で650℃以下まで冷却することにより、耐時効性に優れた鋼板を得る方法が開示されている。特許文献4には、質量%で、C:0.02〜0.08%、Mn:1.0〜2.5%、P:0.05%以下、Cr:0.2%超1.5%以下を含有した鋼においてCr/Alを30以上とすることにより、低い降伏比、高いBH、優れた常温耐時効性を有する鋼板を得る方法が開示されている。特許文献5には、mass%で、C:0.005〜0.04%、Mn:1.0〜2.0%、Cr:0.2〜1.0%を含有する鋼においてMn+1.29Crを2.1〜2.8に制御するとともに、Crを比較的多く添加することにより、YSが低くBHの高い溶融亜鉛めっき鋼板を得る方法が開示されている。特許文献6には、質量%で、C:0.01%以上0.040%未満、Mn:0.3〜1.6%、Cr:0.5%以下、Mo:0.5%以下を含有する鋼を焼鈍後550〜750℃の温度までを3〜20℃/sの冷却速度で冷却し、200℃以下の温度までを100℃/s以上の冷却速度で冷却することにより、焼付硬化性に優れた鋼板を得る方法が開示されている。
特公昭62-40405号公報 特開2005-8904号公報 特開2005-29867号公報 特開2008-19502号公報 特開2007-211338号公報 特開2006-233294号公報
しかしながら、上記特許文献1〜6に記載の鋼板は、いずれも鋼板の組織としてフェライトとマルテンサイトを主体とした複合組織鋼であり、従来の固溶強化型の鋼板と比べて十分低いYSと高いBHを有しているものの、現状外板パネルに使用されている340BHなどに比べると、YSが高く、耐面歪性の要求の厳しい部材には適用が進んでいなかった。
この発明は、このような従来技術の問題点を、パネル用部材を製造する際に、パネル用素材のプレス成形を温間で行うことで解決するものであり、高強度溶融亜鉛めっき鋼板からなる温間プレス成形用素材及び耐面歪性及び耐デント性に優れたパネル用部材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、降伏強度の低い複合組織を有する高強度溶融亜鉛めっき鋼板を対象にプレス成形後の耐面歪性と耐デント性に優れたパネル用部材を提供する手法について鋭意検討を行い以下の結論を得た。
(1)プレス成形を温間成形とすることで、低YS化し、耐面歪性を改善する。その温度としては、めっきの性状に影響の少ない250〜500℃とする。
(2)温間成形することで、コストアップするものの、素材鋼板の組織、機械特性を規定することで温間成形ままで、塗装焼付け工程を経ずとも耐デント性が向上する。
(3)従来の複合組織鋼板には、低YSを維持しつつ焼入性を確保するためにCrが比較的多量に添加されていたが、ヘム加工部の耐食性はCr添加により著しく劣化する。このため、340BHと同等以上の耐食性を確保するには、Cr含有量を0.5質量%未満に低減する必要がある。
(4)YSあるいは降伏比(YR)を低く抑え、良好な耐時効性を確保するには、Mn当量を高めてパーライトの生成を抑制してフェライトと主としてマルテンサイトである第2相による複合組織に制御しつつ、マルテンサイト相の面積率を3%以上確保する必要がある。
(5)耐食性確保の観点からCrを低減しつつ十分なMn当量を確保するためには、Mnを活用する必要があるが、Mnを多量添加するとフェライト粒が展伸して不均一な粒度分布になるとともにマルテンサイトが著しく微細化してYSの増加を招く。これに対して、B(ホウ素)やP(リン)は焼入性を改善する効果が顕著であり、なおかつフェライト粒を均一、粗大にポリゴナル化する作用や、第2相をフェライト粒界の3重点に均一に分散させる作用がある。具体的には、Bはフェライト粒を均一、粗大化する作用が強く、Pはマルテンサイトを均一分散させる作用が強い。このため、PとBを所定の範囲で複合添加し、さらにMnの添加量を所定範囲に抑制することで均一、粗大なフェライト粒と均一に分散したマルテンサイト粒が同時に得られ、CrやMoを低減した鋼においても低いYSが得られる。
(6)Mnの多量添加は固溶Cの減少と第2相の不均一分散化によりBHを著しく劣化させる。一方、PとBは、それ自体、添加することでBHを増加させる効果がある。したがって、PとBを所定量以上添加してMnの添加量を削減することでBHは著しく増加する。このため、Mn当量の制御に加えて、P、B、Mnを特定範囲に制御することで低いYSと高いBHが同時に得られる。
(7)PとBを活用してMn当量を高めた本発明鋼では、熱延後の冷却過程でのフェライト変態が遅延するので、特殊な急速冷却を施さずとも所定の温度で巻取処理を施すことで、熱延組織が微細なフェライトおよび微細なパーライト、もしくはベイナイトとなり冷延、焼鈍後の組織が均一化してより一層BHが向上する。
このように、Crを0.5質量%未満に低減するとともに、Mn当量を高めつつ、PとBを複合で所定量添加してMnの添加量を所定範囲に制御した溶融亜鉛めっき鋼板を250〜500℃の温間成形を行うことで、従来に比べて製造コストを抑えつつ、耐面歪性、耐デント性、耐食性、耐時効性の全てを兼ね備えたパネル用部材を提供することができる。
本発明は、以上の知見に基づきなされたもので、以下の発明を提供する。
(1)マルテンサイト相の面積率が3〜15%の複合組織を有し、BH量が45MPa以上、YSが280MPa以下、YRが60%以下である高強度溶融亜鉛めっき鋼板からなることを特徴とする温間プレス成形用素材を提供する。
(2)鋼の成分組成として、質量%で、C:0.015%超0.1%未満、Si:0.2%以下、Mn:1.0%以上1.9%未満、P:0.015%以上0.05%以下、S:0.02%以下、sol.Al:0.01%以上0.5%以下、N:0.005%以下、Cr:0.5%未満、B:0.0003%以上0.005%以下、Mo:0.10%以下、Ti:0.014%未満を含有し、更に2.2≦[Mneq]≦3.1を満足し、残部鉄および不可避不純物からなる組成を有することを特徴とする(1)に記載の温間プレス成形用素材を提供する。
ここで、[Mneq]=[%Mn]+1.3[%Cr]+8[%P]+3.3[%Mo]+150B*、B*=[%B]+[%Ti]/48×10.8×0.9+[%Al]/27×10.8×0.025で表され、[%Mn]、[%Cr]、[%P] 、[%Mo]、[%B]、[%Ti]、[%Al]はMn、Cr、P、Mo、B、Ti、sol.Alのそれぞれの含有量を表す。[%B]=0のときはB*=0、[%B]+[%Ti]/48×10.8×0.9+[%Al]/27×10.8×0.025≧0.0022のときはB*=0.0022とする。
(3)更に、質量%で、V:0.4%以下、Nb:0.015%以下、Zr:0.1%以下、Cu:0.5%以下、Ni:0.5%以下のうちの少なくとも1種を含有することを特徴とする(2)に記載の温間プレス成形用素材を提供する。
(4) (1)〜(3)のいずれかに記載の温間プレス成形用素材を、250℃〜500℃で温間プレス成形することを特徴とする耐面歪性及び耐デント性に優れたパネル用部材の製造方法を提供する。
本発明の高強度溶融亜鉛めっき鋼板からなる温間プレス成形用素材を用いて、本発明法で温間プレス成形すると、耐面歪性および耐デント性に優れたパネル用部材を得ることができる。また、塗装焼付け工程を省略、簡略化しても耐デント性を確保できるので、大幅なコストアップ無しに耐デント性に優れたパネル用部材の製造が可能になる。
以下、本発明の詳細を説明する。
先ず、温間プレス成形用素材である高強度溶融亜鉛めっき鋼板の組織と機械特性について説明する。
1)組織
鋼板組織は、主としてフェライト、マルテンサイトを有し、その他に残留γ、パーライト、ベイナイトや微量の炭化物を含むでもよい。特に、本発明では、マルテンサイト相の存在が重要である。最初に、マルテンサイト相の面積率の測定方法を説明する。
マルテンサイト相の面積率は鋼板のL断面(圧延方向に平行な垂直断面)を研磨後ナイタールで腐食し、SEM(走査型電子顕微鏡)で4000倍の倍率にて10視野観察し、撮影した組織写真を画像解析して求めた。組織写真で、白いコントラストの付いている粒子をマルテンサイトとした。なお、SEM写真上で認められる直径0.4μm以下の微細な点状粒子は、TEM(透過型電子顕微鏡)観察より主に炭化物であり、また、これらの面積率は非常に少ないため、材質に殆ど影響しないと考え、ここでは0.4μm以下の粒子径の粒子は面積率の評価から除外した。その他、フェライトはやや黒いコントラストの領域であり、炭化物がラメラー状もしくは点列状に生成している領域をパーライトもしくはベイナイトとし、白いコントラストの付いている粒子で素地にラス状組織が観察されないものを残留γとした。
マルテンサイト相の面積率:3〜15%
優れた耐時効性を確保しつつ低いYSを得るためには、マルテンサイト相の面積率を3%以上とする必要がある。マルテンサイト相の面積率が3%未満では、耐時効性が劣化してYSが上昇する。また、マルテンサイト相の面積率が15%を超えるとYSが上昇しBHが低下する。したがって、優れた耐時効性を確保し、低いYSおよび高いBHを得るため、マルテンサイト相の面積率は3〜15%の範囲とする。さらに高いBHを得つつ低いYSを得るためにはマルテンサイト相の面積率は10%以下とするのが好ましく7%以下とすることが更に好ましい。
フェライト、残留γ、パーライト、ベイナイトについては特に規定するものではないが、成形性の観点からフェライトは70%以上であることが好ましく、パーライト、ベイナイトは、それぞれ10%以下が好ましい。残留γの存在により延性は向上するので、成形性の観点からはその存在は有効であるが、降伏強度を上昇させるので残留γは10%以下が好ましい。
2)機械特性
BH量:45MPa以上
BH量は、引張試験で2%の予歪を付与した試験片を、170℃-20分の熱処理を行い、再度引張試験を行った時の上降伏応力から予歪時の到達応力を差し引いたもの(再引張試験時の上降伏応力と予歪時の到達応力の差)である。一般的なBH鋼はBH量が30MPa以上であるが、本発明では、より耐デント性が必要となる部材を対象とするためBH量は45MPa以上とする。
YS:280MPa以下
室温でのYSが280MPaを超えると、面歪が温間プレス時に発生し、金型の調整などでも解消が難しくなるため、YSは280MPa以下とする。
YR:60%以下
上記のように低YSは重要な要件であるが、同時に耐デント性の観点から、加工硬化とBH量が高いことが必要である。加工硬化の観点からは、YRが60%以下とし、YSに対して、よりTSが高いことが好ましい。
3)鋼の成分組成
次に、高強度溶融亜鉛めっき鋼板の好ましい鋼の成分組成について説明する。なお、成分の量を表す%は、特に断らない限り質量%を意味する。
Cr:0.5%未満
Crは本発明において厳密に制御される必要のある重要な元素である。すなわち、従来、CrはYSの低減、BHの向上といった目的で積極的に活用されてきたが、Crは高価な元素であるばかりでなく、多量に添加されるとヘム加工部の耐食性を著しく劣化させることが明らかになった。すなわち、従来のYSの低い複合組織鋼で作製したドアアウタやフードアウタの部品の湿潤環境下での耐食性を評価したところ、ヘム加工部の穴明き寿命が従来鋼より1〜4年も減少する鋼板が認められた。そしてさらに、このような耐食性の劣化は、Crの含有量が0.5%以上で生じることが明らかになった。したがって、十分な耐食性を確保するためには、Crの含有量は0.5%未満とする必要がある。
[Mneq]:2.2以上3.1以下
高いBHを確保しつつ同時に低いYSと優れた耐時効性を確保するためには鋼組織としてフェライトと第2相として主としてマルテンサイトからなる複合組織とする必要がある。従来鋼では、YSあるいはYRが十分低減されていない鋼板や耐時効性が不十分な鋼板が多く見られ、その原因を調査した結果、このような鋼板では第2相としてマルテンサイトと少量の残留γに加え、パーライトやベイナイトが生成していることが明らかになった。このパーライトは1〜2μm程度と微細でありマルテンサイトに隣接して生成しているので、光学顕微鏡ではマルテンサイトと識別することは難しく、SEMを用いて3000倍以上の倍率で観察することで識別できる。例えば、従来の0.03%C-1.5%Mn-0.5%Cr鋼の組織を詳細に調査すると、光学顕微鏡での観察や1000倍程度の倍率でのSEMでの観察では粗大なパーライトのみが識別され、第2相の面積率に占めるパーライトもしくはベイナイトの面積率は10%程度と測定されるが、4000倍のSEM観察で詳細に調査を行うと、パーライトもしくはベイナイトの第2相の面積率に占める割合は30〜40%を占める。このようなパーライトもしくはベイナイトを抑制することで高いBHを確保しつつ低いYSが得られる。
このような微細なパーライトもしくはベイナイトを焼鈍後に緩冷却が施されるCGL熱履歴において十分に低減するために、各種元素の焼入性を調査した。その結果、これまでに焼入性元素としてよく知られるMn、Cr、B、Moに加え、Pも大きな焼入性向上効果を有していることが明らかになった。また、BはTiやAlと複合で添加すると焼入性向上効果が顕著に増加するが、所定量以上添加しても焼入性の向上効果は飽和するので、これらの効果は次式の様にMn当量式として表されることがわかった。
[Mneq]=[%Mn]+1.3[%Cr]+8[%P]+3.3[%Mo]+150B*
B*=[%B]+[%Ti]/48×10.8×0.9+[%Al]/27×10.8×0.025
但し、[%B]=0のときはB*=0、[%B]+[%Ti]/48×10.8×0.9+[%Al]/27×10.8×0.025≧0.0022のときはB*=0.0022とする。
ここで、[%Mn]、[%Cr]、[%P]、[%Mo]、[%B]、[%Ti]、[%Al]は、Mn、Cr、P、Mo、B、Ti、sol.Alのそれぞれの含有量を表す。
B*は、B、Ti、Al添加により固溶Bを残存させて焼入性を向上させる効果を表す指標であり、Bが無添加の鋼ではB添加による効果は得られないのでB*=0である。また、B*が0.0022以上の場合、Bによる焼入性の向上効果は飽和するので、B*は0.0022とする。
この[Mneq]を2.2以上とすることで焼鈍後に緩冷却が施されるCGL熱履歴においてもパーライトもしくはベイナイトが十分抑制される。したがって、YSを低減しつつ優れた耐時効性を得るためには、[Mneq]を2.2以上とする必要がある。さらに低YS化の観点からは[Mneq]は2.3以上とすることが望ましく、2.4以上とすることがさらに望ましい。
[Mneq]は、大きすぎると、焼入れ効果は飽和し、合金添加コストアップとなるので、3.1以下とする。
Mn:1.0%以上1.9%未満
上述のとおり、低YS化しつつ高BH化するには少なくとも[Mneq]の適正化が必要であるが、それだけでは不十分であり、Mn量や後述するP、Bの含有量を所定範囲に制御する必要がある。すなわち、Mnは焼入性を高め、第2相中のマルテンサイトの比率を増加させるために添加される。そのため1.0%以上必要である。しかしながら、その含有量が多すぎると、焼鈍過程におけるα→γ変態温度が低くなり、再結晶直後の微細なフェライト粒界あるいは再結晶途中の回復粒の界面にγ粒が生成するので、フェライト粒が展伸して不均一になるとともに第2相が微細化してYSが上昇する。また、Mnの添加はFe-C状態図のA1線を低温、低C側に移行させることでフェライト中の固溶Cを減少させ、なおかつ第2相を不均一に分散させる作用があるので、BHを著しく低下させる。したがって、低YSと高BHを同時に得るためには、1.9%未満とする必要がある。
P:0.015%以上0.05%以下
Pは本発明において低YS化と高BH化を達成する重要な元素である。つまり、Pは後述するBと併用して所定範囲で含有させることで、低い製造コストで低YS化、高BH化、良好な耐時効性が同時に得られるとともに、優れた耐食性の確保も可能になる。
Pは従来固溶強化元素として活用されており、低YS化の観点からはむしろ低減することが望ましいと考えられていた。しかしながら、上述したようにPは微量添加でも大きな焼入性の向上効果を有していることが明らかになった。さらに、Pは第2相をフェライト粒界の3重点に均一かつ粗大に分散させる効果や、BHを増加させる効果を有していることが明らかになった。そこで、Pの焼入性向上効果を活用して低YS化、高BH化する手法について鋭意検討した。その結果、所定の[Mneq]を保持しながらMnをPで置換することで、第2相を極めて均一に分散させることができ、YSが低下するとともに大幅にBHが増加することが明らかになった。
しかも、Pは耐食性を改善する元素でもあるので、CrをPに代替することで良好な材質を維持しつつ耐食性を向上させることができる。このようなP添加による効果を得るにはPは少なくとも0.015%以上添加する必要があり、0.020%以上添加するのが好ましい。
しかしながら、Pは0.05%を超えて添加されると焼入性向上効果や組織の均一化、粗大化効果が飽和するとともに、固溶強化量が大きくなり過ぎて低いYSが得られなくなる。また、BHの増加効果も小さくなる。また、Pは0.05%を超えて添加されると地鉄とめっき層の合金化反応が著しく遅延して耐パウダリング性が劣化する。また、溶接性も劣化する。したがって、P量は0.05%以下とする。
B:0.0003%以上0.005%以下
Bはフェライト粒を均一、粗大化する作用、焼入性を向上させる作用、BHを増加させる作用がある。このため、所定量の[Mneq]を確保しつつMnをBで置換することで低YS化と高BH化が図られる。マルテンサイトを粒界に生成させる作用のあるPとフェライト粒を均一粗大化する作用のあるBを併用することで均一粗大なフェライト粒とその粒界3重点に均一に分散したマルテンサイトを有する鋼組織が得られ、YSの低減、BHの向上が顕著に図られる。このようなB添加の効果を得るには、Bは0.0003%以上必要である。B添加による低YS化の効果をさらに発揮させるにはBは0.0005%以上添加するのが好ましく、さらには0.0010%超添加するのがさらに好ましい。しかしながら、Bは0.005%を超えて添加すると鋳造性や圧延性が著しく低下する。このため、Bは0.005%以下とする。鋳造性、圧延性を確保する観点からBは0.004%以下が好ましい。
C:0.015%超0.1%未満
Cは所定量のマルテンサイト相の面積率を確保するために必要な元素である。C量が少なすぎると十分なマルテンサイト相の面積率が確保できなくなり、十分な耐時効性や低いYSが得られなくなる。従来鋼と同等以上の耐時効性を得るためにはCは0.015%超とする必要がある。耐時効性をさらに向上させ、YSをさらに低減する観点からはCは0.020%以上とすることが望ましい。一方、C量が0.1%以上となるとマルテンサイト相の面積率が多くなりすぎてYSが増加し、BHも低下する。また、溶接性も劣化する。したがって、C量は0.1%未満とする。より低いYSを得つつ高いBHを得るためにはC量は0.06%未満とすることが好ましく、0.04%未満とすることがさらに好ましい。
Si:0.2%以下
Siは微量添加することで熱間圧延でのスケール生成を遅延させて表面品質を改善する効果、めっき浴中あるいは合金化処理中の地鉄と亜鉛の合金化反応を適度に遅延させる効果、鋼板のミクロ組織をより均一、粗大化する効果等があるので、このような観点から添加することができる。しかしながら、Siを0.2%超えて添加するとめっき外観品質が劣化して外板パネルへの適用が難しくなるとともにYSの上昇を招く。したがって表面品質を向上させ、YSを低減する観点からSiは0.2%以下とする。
S:0.02%以下
Sは適量含有させることで鋼板の一次スケールの剥離性を向上させ、めっき外観品質を向上させる作用があるので、含有させることが出来る。しかしながら、Sはその含有量が多いと鋼中に析出するMnSが多くなりすぎ鋼板の伸びや伸びフランジ性といった延性を低下させ、プレス成形性を低下させる。また、スラブを熱間圧延する際に熱間延性を低下させ、表面欠陥を発生させやすくする。さらには耐食性を低下させる。このため、S量は0.02%以下とする。延性や耐食性を向上させる観点から、Sは0.01%以下とすることが好ましく、0.002%以下とすることがさらに好ましい。
sol.Al:0.01%以上0.5%以下
AlはNを固定してBの焼入性向上効果を促進する目的、耐時効性を向上させる目的、介在物を低減して表面品質を向上させる目的で添加される。Alの焼入性向上効果は、B無添加鋼では小さくMnの0.1〜0.2倍程度であるが、Bを添加した鋼ではNをAlNとして固定して固溶Bを残存させる効果により、少量のsol.Alの添加量でも大きい。逆にsol.Alの含有量が適正化されていないとBの焼入性向上効果は得られず、固溶Nが残存して耐時効性も劣化する。Bの焼入性向上効果や耐時効性を向上させる観点からsol.Alの含有量は0.01%以上とする。このような効果をより発揮させるためには、sol.Alは0.015%以上含有させることが好ましく、0.04%以上とすることがさらに好ましい。一方、sol.Alを0.5%を超えて添加しても固溶Bを残存させる効果や耐時効性を向上させる効果は飽和し、徒にコストアップを招く。また、鋳造性を劣化させて表面品質を劣化させる。このためsol.Alは0.5%以下とする。優れた表面品質を確保する観点からはsol.Alは0.2%未満とするのが好ましい。
N:0.005%以下
Nは鋼中でBN、AlN、TiN等の窒化物を形成する元素であり、BNの形成を通じてBの効果を消失させる弊害がある。また、微細なAlNを形成して粒成長性を低下させ、YSの上昇をもたらす。さらには、固溶Nが残存すると耐時効性が劣化する。このような観点からNは厳密に制御されなければならない。N含有量が0.005%を超えるとBの焼入性向上効果が十分得られなくなりYSが上昇する。また、このような成分鋼では耐時効性が劣化し、外板パネルへの適用性が不十分となる。以上より、Nの含有量は0.005%以下とする。Bを有効に活用し、なおかつAlNの析出量を軽減してより一層YSを低減する観点からはNは0.004%以下にすることが好ましい。
Mo:0.10%以下
Moは焼入性を向上させてパーライトの生成を抑制し、低YR化する、あるいは良好な耐時効性を維持しつつBHを向上させる観点から添加することができる。しかしながら、Moは極めて高価な元素であるので、その添加量が多いと著しいコストアップにつながる。また、Moは添加量が増加するとYSが増加する。したがって、YSの低減および低コスト化の観点からMoの添加量は0.10%以下に限定する。より一層低YS化する観点からは0.05%以下とすることが好ましく、無添加(0.02%以下)とすることがより好ましい。
Ti:0.014%未満
TiはNを固定してBの焼入性を向上させる効果、耐時効性を向上させる効果や鋳造性を向上させる効果がある。しかし、その含有量が多くなると鋼中でTiCやTi(C,N)といった微細な析出物を形成して著しくYSを上昇させるとともに、焼鈍後の冷却中にTiCを生成してBHを減少させる作用があるので、Tiの含有量は適正範囲に制御する必要がある。Tiの含有量が0.014%以上になると著しくYSが増加しBHが低下する。したがって、Tiの含有量は0.014%未満とする。TiNの析出によりNを固定してBの焼入性の向上効果を発揮させるためにはTiの含有量は0.002%以上とするのが好ましく、TiCの析出を抑えて低いYSと高いBHを得るためにはTiの含有量は0.010%未満とするのが好ましい。
残部は、鉄および不可避不純物であるが、更にV:0.4%以下、Nb:0.015%以下、Zr:0.1%以下、Cu:0.5%以下、Ni:0.5%以下のうちの少なくとも1種を含有させることもできる。
V:0.4%以下
Vは焼入性を向上させる元素であり、めっき品質や耐食性を劣化させる作用が小さいので、MnやCrの代替として活用することができる。しかしながら、0.4%を超えて添加すると著しいコスト増になるので、Vは0.4%以下で添加する。
Nb:0.015%以下
Nbは組織を細粒化するとともにNbC、Nb(C,N)を析出させ鋼板を強化する作用、細粒化によりBHを増加させる作用があるので、高強度化、高BH化の観点から添加することができる。しかしながら、0.015%を超えて添加するとYSが著しく上昇するので、Nbは0.015%以下で添加する。
Zr:0.1%以下
Zrも同様に焼入性元素、析出強化元素として活用できる。しかしながら、その添加量が多すぎるとYSの上昇を招くのでZrは0.1%以下で添加する。
Cu:0.5%以下
Cuは耐食性を向上させるので、耐食性向上の観点から添加することが好ましい。また、スクラップを原料として活用するときに混入する元素であり、Cuの混入を許容することでリサイクル資材を原料資材として活用でき、製造コストを削減することができる。耐食性向上の観点からはCuは0.03%以上添加するのが好ましい。しかしながら、その含有量が多くなりすぎると表面欠陥の原因となるので、Cuは0.5%以下とする。
Ni:0.5%以下
Niも耐食性を向上する作用のある元素である。また、NiはCuを含有させる場合に生じやすい表面欠陥を低減する作用がある。したがって、耐食性を向上させつつ表面品質を改善する観点からNiは0.02%以上添加するのが好ましい。しかし、Niの添加量が多くなりすぎると加熱炉内でのスケール生成が不均一になり表面欠陥の原因になるとともに、著しいコスト増となる。したがって、Niは0.5%以下とする。
さらに、以下の成分の1種以上を添加することもできる。
W:0.15%以下
Wは焼入性元素、析出強化元素として活用できる。しかしながら、その添加量が多すぎるとYSの上昇を招くのでWは0.15%以下で添加することが好ましい。
Sn:0.2%以下
Snは鋼板表面の窒化、酸化、あるいは酸化により生じる鋼板表層の数十ミクロン領域の脱炭や脱Bを抑制する観点から添加するのが望ましい。窒化や酸化を抑制する観点からSnは0.005%以上添加することが望ましいが、0.2%を超えるとYSの上昇や靱性の劣化を招くのでSnは0.2%以下で含有させるのが好ましい。
Sb:0.2%以下
SbもSnと同様に鋼板表面の窒化、酸化、あるいは酸化により生じる鋼板表層の数十ミクロン領域の脱炭や脱Bを抑制する観点から添加するのが望ましい。このような窒化や酸化を抑制することで鋼板表層においてマルテンサイトの生成量が減少するのを防止したり、Bの減少により焼入性が低下するのを防止したり、溶融亜鉛めっきの濡れ性を向上させてめっき外観品質を向上させることが出来る。窒化や酸化を抑制する観点からSbは0.005%以上添加することが望ましいが、0.2%を超えるとYSの上昇や靱性の劣化を招くのでSbは0.2%以下で含有させるのが好ましい。
Ca:0.01%以下
Caは鋼中のSをCaSとして固定し、さらには腐食性生物中のpHを増加させ、ヘム加工部やスポット溶接部周辺の耐食性を向上させる作用がある。また、CaSの生成により伸びフランジ性を低下させるMnSの生成を抑制し、伸びフランジ性を向上させる作用がある。このような観点からCaは0.0005%以上添加することが好ましい。しかしながら、Caは溶鋼中で酸化物として浮上分離しやすく、鋼中に多量に残存させることは難しい。したがって、Caの含有量は0.01%以下とする。
Ce:0.01%以下
Ceも鋼中のSを固定する目的で添加することができる。しかし、高価な元素であるので多量添加するとコストアップになる。したがって、Ceは0.01%以下で添加するのが好ましい。
La:0.01%以下
Laも鋼中のSを固定する目的で添加することができる。しかし、高価な元素であるので多量添加するとコストアップになる。したがって、Laは0.01%以下で添加するのが好ましい。
上記の高強度溶融亜鉛めっき鋼板は、現状の340BHと同程度のYS、より高いTSを有し、耐時効性に優れる。この高強度溶融亜鉛めっき鋼板を温間プレス成形すると、低YS化できることから優れた耐面歪性が得られる。また、低い歪量であっても温間プレス成形時の加工硬化(WH)、温間プレス成形後の焼付け硬化(BH)が得られることから、温間プレス成形された部材は、塗装焼付け工程を経ずとも耐デント性に優れる。
4)高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
上記の高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を説明する。
本発明の鋼板は、上述したように、上記のように限定された成分組成を有する鋼スラブを、熱間圧延および冷間圧延した後、連続溶融亜鉛めっきライン(CGL)において、740℃超840℃未満の焼鈍温度で焼鈍し、前記焼鈍温度から2〜30℃/secの平均冷却速度で冷却した後、亜鉛めっき浴に浸漬して亜鉛めっきし、亜鉛めっき後5〜100℃/secの平均冷却速度で100℃以下まで冷却し、あるいは亜鉛めっき後さらにめっきの合金化処理を施し、合金化処理後5〜100℃/secの平均冷却速度で100℃以下まで冷却する方法により製造できる。以下、より詳しく説明する。
熱間圧延:
鋼スラブを熱間圧延するには、スラブを加熱後圧延する方法、連続鋳造後のスラブを加熱することなく直接圧延する方法、連続鋳造後のスラブに短時間加熱処理を施して圧延する方法などで行える。熱間圧延は、例えば、スラブ加熱温度は1100〜1300℃、仕上圧延温度はAr3変態点〜Ar3変態点+150℃とし、巻取温度は400〜720℃とすればよい。仕上圧延後、20℃/s以上の平均冷却速度で640℃以下まで冷却し、その後400〜620℃で巻取ることが好ましい。
平均冷却速度が20℃/s未満では、熱延板のフェライトが粗大となり、パーライトが粗大に形成される。これは、冷間圧延、焼鈍後にマルテンサイトの分散を不均一にして延性を低下させるなとの不具合が生じるので好ましくない。同一の理由で冷却停止温度は640℃以下が好ましい。巻取温度についても上限の620℃は、上記の理由から好適要件となる。ただし、巻取温度が400℃未満では、熱延板が硬質化して、冷間圧延の負荷が大きくなるので好ましくない。
外板パネル用の美麗なめっき表面品質を得るためには、スラブ加熱温度は好ましくは1250℃以下として鋼板表面に生成した1次、2次スケールを除去するためにデスケーリングを十分行い、仕上圧延温度を好ましくは900℃以下とするのがよい。
冷間圧延:
冷間圧延では、圧延率を50〜85%とすればよい。r値を向上させて深絞り性を向上させる観点からは圧延率は65〜73%とするのが好ましく、r値やYSの面内異方性を低減する観点からは、圧延率は70〜85%にすることが好ましい。
連続溶融亜鉛めっき:
冷間圧延後の鋼板には、CGLで焼鈍と亜鉛めっき処理、又は亜鉛めっき処理後さらに合金化処理が施される。焼鈍温度は740℃超840℃未満とする。740℃以下では炭化物の固溶が不十分となり、安定してマルテンサイト相の面積率が確保できなくなる。840℃以上では十分低いYSが得られなくなる。均熱時間は通常の連続焼鈍で実施される740℃超の温度域で20sec以上とすればよく、40sec以上とすることがより好ましい。均熱時間は結晶粒の粗大化による表面品質、延性の低下の点から10min以下が好ましい。
均熱後は、焼鈍温度から通常450〜500℃に保持されている亜鉛めっき浴の温度までの平均冷却速度2〜30℃/secで冷却する。平均冷却速度が2℃/secより遅い場合、500〜650℃の温度域でパーライトが多量に生成し、十分低いYSが得られなくなる。一方、平均冷却速度が30℃/secより大きくなると、亜鉛めっき浴に浸漬する前後の500℃付近でγ→α変態が顕著に進み、マルテンサイト相が微細化するとともに粒界3重点に存在するマルテンサイト相の面積率が少なくなり、YSが上昇する。
その後、亜鉛めっき浴に浸漬して亜鉛めっきする。亜鉛めっき方法は特に限定されないが、浴温:460℃、浴中Al:0.13%程度とするのが好ましい。亜鉛めっき後5〜100℃/secの平均冷却速度で100℃以下まで冷却する。必要に応じて亜鉛めっき後さらに470〜650℃の温度域で30sec以内保持することにより合金化処理を施すこともできる。合金化処理は、めっき浴浸漬後、480〜540℃まで加熱してめっき中Fe%が9〜12%の範囲になるように、10〜25sec保持するのが好ましい。従来の[Mneq]が適正化されていない鋼板ではこのような合金化処理を施すことにより材質が著しく劣化していたが、本発明の鋼板ではYSの上昇が小さく、良好な材質を得ることができる。
亜鉛めっき後合金化処理する場合、合金化処理後平均冷却速度5〜100℃/secの冷却速度で100℃以下まで冷却する。平均冷却速度が5℃/secより小さいと550℃付近でパーライトが、また400℃〜450℃の温度域でベイナイトが生成してYSを上昇させる。一方、平均冷却速度が100℃/secより大きいと連続冷却中に生じるマルテンサイトの自己焼戻しが不十分となってマルテンサイトが硬質化しすぎてYSが上昇すると共に延性が低下する。焼戻し調質処理の可能な設備がある場合は、低YS化の観点から、300℃以下の温度で30sec〜10minの過時効処理を施すことも可能である。
得られた亜鉛めっき鋼板に、表面粗度の調整、板形状の平坦化などプレス成形性を安定化させる観点からスキンパス圧延を施すことができる。その場合は、低YS、高EL化の観点からスキンパス伸長率は0.2〜0.6%とするのが好ましい。
5)パネル用部材の製造方法
本発明では、上記の高強度溶融亜鉛めっき鋼板を使用して、成形温度:250℃〜500℃で温間プレス成形してパネル用部材を製造する。
成形温度は、プレス成形前の鋼板加熱温度を指す。IF鋼などの固溶Cの少ない鋼板では、温度の上昇ととともにYSが低下するが、本発明で対象とするBH性を有する鋼板では、200℃付近で動的歪時効や、第2相であるマルテンサイトの焼戻しが生じるので、プレス成形前の鋼板加熱温度が250℃未満であると、返ってYSが上昇したり、降伏伸びが発生したりするおそれがある。成形温度が250℃以上では、YSが低下し、耐面歪性が良好になる。耐面歪性の点から成形温度は、250℃以上にする。成形温度が500℃超になると、溶融亜鉛めっきの合金化度が上昇し、パウダリングを悪くする。従って成形温度は250℃〜500℃の範囲に限定する。より好ましい成形温度は400℃以下である。
上記の高強度溶融亜鉛めっき鋼板を用いて上記温度でパネル用部材に温間プレス成形すると、低い歪量であっても温間プレス成形時の加工硬化(WH)、温間プレス成形後の焼付け硬化(BH)が得られることから、塗装焼付け工程を経ずとも優れた耐デント性が得られる。
次に、本発明の実施例について説明する。
表1に示す成分組成の溶鋼を転炉で溶製し、連続鋳造法でスラブとした。これら鋼スラブを1220℃に加熱し粗圧延してシートバーとし、次いで仕上圧延温度850℃、仕上圧延後の平均冷却速度20℃/sec、巻取温度550℃を施す熱間圧延工程により熱延板とした。これらの熱延板を酸洗および圧延率65%の冷間圧延工程により厚さ0.7mmの冷延板とした。得られた冷延板に連続溶融亜鉛めっきライン(CGL)において、均熱時間40secで表2に示す焼鈍温度で焼鈍後溶融亜鉛めっき(めっき浴温:480℃)を施し、溶融亜鉛めっき後さらに合金化処理を施し、めっき皮膜をFe-Zn合金にした溶融亜鉛めっき鋼板を作製した。一部、溶融亜鉛めっき後合金化処理を施さない溶融亜鉛めっき鋼板も作製した。前記で作製した溶融亜鉛めっき鋼板に、伸び率0.5%の調質圧延を施した。亜鉛めっき量は、片面あたり45g/m2に調整し、合金化処理は、めっき皮膜のFe%が9.5%になるようにした。
得られた各溶融亜鉛めっき鋼板について鋼板組織、引張特性、BH特性、耐食性、温間成形特性を調査した。調査方法は下記の通りである。
(1)鋼板組織
マルテンサイト相の面積率は鋼板のL断面(圧延方向に平行な垂直断面)を研磨後ナイタールで腐食し、SEM(走査型電子顕微鏡)で4000倍の倍率にて10視野観察し、撮影した組織写真を画像解析して求めた。その他、フェライトはやや黒いコントラストの領域であり、炭化物がラメラー状もしくは点列状に生成している領域をパーライトもしくはベイナイトとし、白いコントラストの付いている粒子で素地にラス状組織が観察されないものを残留γとした。
(2)引張特性
得られた各溶融亜鉛めっき鋼板から圧延方向に対して90°方向(C方向)にJIS5号引張試験片を採取し、JIS Z 2241の規定に準拠してクロスヘッド速度10mm/minで引張試験をおこない、降伏応力(YS)、引張強さ(TS)を求めた。さらに、TSに対するYSの割合、YS/TSからYRを求めた。
(3)BH特性
得られた各溶融亜鉛めっき鋼板から圧延方向に対して90°方向(C方向)にJIS5号引張試験片を採取し、クロスヘッド速度10mm/minで引張試験をおこない2%の予歪を付与したのち、一旦引張試験機から試験片を外し、高温槽で170℃-20分の時効処理を行い、再びクロスヘッド速度10mm/minで引張試験を行った。再引張時の上降伏応力から予歪時の到達応力を差し引いたものをBH量とした。
(4)温間成形特性
温間成形特性は、高温引張により評価した。試験片は幅10mm、評点間距離を50mmとした。高温引張試験機で、所定の温度で10分保持したのち、YSまで0.15mm/min、YS以降4.5mm/minのクロスヘッドスピードで引張を行い、2%の予歪を行った。その後、170℃-20分の時効処理をしたものとしないものについて、常温で再引張を行い、その時の上降伏点(YP')を耐デント性の指標とした。耐面歪性は、予歪時のYSで評価した。
耐デント性は、YP'に基づき、320MPa以上で耐デント性が良好、320MPa未満では耐デント性が劣ると評価した。
耐面歪性は、YSに基づき、250MPa以下で耐面歪性が良好、250MPa超では耐面歪性が劣ると評価した。
(5)耐食性
ヘム加工部やスポット溶接部周辺を模擬した構造体にて各溶融亜鉛めっき鋼板の耐食性を評価した。すなわち、得られた鋼板を2枚重ねてスポット溶接して鋼板同士が密着した状態とし、さらに実車での塗装工程を模擬した化成処理、電着塗装を施した後にSAE J2334腐食サイクル条件にて腐食試験を行なった。電着塗装膜厚は20μmとした。60サイクル経過後の腐食サンプルについて腐食生成物を除去し、あらかじめ測定しておいた元板厚からの板厚の減少量を求め腐食減量とした。腐食減量が0.5mm未満を良好、0.5mm以上を耐食性が劣ると判断した。
CGLの焼鈍条件、合金化処理の有無、および調査結果を表2に示す。表2中の1次冷却速度は焼鈍温度からめっき浴に浸漬するまでの平均冷却速度、2次冷却速度は合金化処理温度から100℃に冷却するまでの平均冷却速度(合金化処理を施さないものは溶融亜鉛めっき後100℃に冷却するまでの平均冷却速度)である。
表2より明らかなとおり、鋼板組織と機械特性が本発明範囲を満足する溶融亜鉛めっき鋼板を用いて、本発明法で規定する条件で温間成形を行った本発明例は、いずれも耐面歪と耐デント性が良好な評価となっており、耐食性も良好である。
これに対し、鋼板組織と機械特性の少なくとも1つが本発明範囲を満足しない溶融亜鉛めっき鋼板を用い、本発明で規定する条件で温間成形を行った比較例(No.8、10、20〜23)、鋼板組織と機械特性が本発明範囲を満足する溶融亜鉛めっき鋼板を用いても、本発明法を外れる条件で温間成形を行った比較例(No.1〜3)は、耐面歪性、耐デント性のいずれか、または耐食性が劣る。
本発明の高強度溶融亜鉛めっき鋼板を用いて、本発明法で温間プレス成形すると、耐面歪性および耐デント性に優れたパネル用部材を得ることができる。また、塗装焼付け工程を省略、簡略化しても耐デント性を確保できるので、大幅なコストアップ無しに耐デント性に優れたパネル用部材の製造が可能になる。

Claims (4)

  1. マルテンサイト相の面積率が3〜15%の複合組織を有し、BH量が45MPa以上、YSが280MPa以下、YRが60%以下である高強度溶融亜鉛めっき鋼板からなることを特徴とする温間プレス成形用素材。
  2. 鋼の成分組成として、質量%で、C:0.015%超0.1%未満、Si:0.2%以下、Mn:1.0%以上1.9%未満、P:0.015%以上0.05%以下、S:0.02%以下、sol.Al:0.01%以上0.5%以下、N:0.005%以下、Cr:0.5%未満、B:0.0003%以上0.005%以下、Mo:0.10%以下、Ti:0.014%未満を含有し、更に2.2≦[Mneq]≦3.1を満足し、残部鉄および不可避不純物からなる組成を有することを特徴とする請求項1に記載の温間プレス成形用素材。
    ここで、[Mneq]=[%Mn]+1.3[%Cr]+8[%P]+3.3[%Mo]+150B*、B*=[%B]+[%Ti]/48×10.8×0.9+[%Al]/27×10.8×0.025で表され、[%Mn]、[%Cr]、[%P]、[%Mo]、[%B]、[%Ti]、[%Al]はMn、Cr、P、Mo、B、Ti、sol.Alのそれぞれの含有量を表す。[%B]=0のときはB*=0、[%B]+[%Ti]/48×10.8×0.9+[%Al]/27×10.8×0.025≧0.0022のときはB*=0.0022とする。
  3. 更に、質量%で、V:0.4%以下、Nb:0.015%以下、Zr:0.1%以下、Cu:0.5%以下、Ni:0.5%以下のうちの少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項2に記載の温間プレス成形用素材。
  4. 請求項1〜3のいずれかの項に記載の温間プレス成形用素材を、250℃〜500℃で温間プレス成形することを特徴とする耐面歪性及び耐デント性に優れたパネル用部材の製造方法。
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