JP2012052031A - 被加工層の加工方法および剥離方法ならびに仮固定用組成物 - Google Patents

被加工層の加工方法および剥離方法ならびに仮固定用組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】被加工層を仮固定して加工する方法において、被加工層の剥離性が良好で、接着剤層の残渣が少ない被加工層の加工方法を提供する。
【解決手段】(1)支持体10上に、重合体(A)および光ラジカル発生剤(B)を含有する接着剤層であって、前記接着剤層100重量%中、重合性化合物の含有量が10重量%以下の接着剤層20を形成する工程、(2)接着剤層20上に、被加工層30を形成する工程、(3)被加工層30を加工する工程、(4)支持体10側から接着剤層20に光40を照射する工程、ならびに(5)支持体10から加工後の被加工層30を剥離する工程をこの順で有する、被加工層の加工方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、被加工層の加工方法および剥離方法ならびに仮固定用組成物に関する。
レジスト形成を必要とする層間絶縁膜や半導体ウエハなどの基材を加工するに際して、支持体からこれらの被加工物がずれて動かないように、接着剤を用いて支持体と被加工物とを仮固定する必要がある。そして、加工終了後には、支持体から被加工物を剥離する必要がある。
従来、光照射を伴う剥離方法としては、光照射により接着剤層を完全に硬化させることによりその粘着性を低下させて、支持体から被加工物を剥離する方法が多く用いられている。また、前記方法の他、例えば以下の方法(特許文献1〜5)が提案されている。
特許文献1〜3には、光吸収剤等を含む光熱変換層や接着剤層を、光照射による熱分解等を利用して変質させることにより、支持体から被加工物を剥離する技術が開示されている。
特許文献4には、被着体と基体とを接着剤の硬化物を介して積層してなる積層体に光を照射して接着剤を分解し、続いて積層体を加熱して分解後の接着剤を発砲させ、続いて積層体を溶剤に浸漬させて、基体から被着体を剥離する方法が開示されている。前記文献には、硬化性の接着剤として、重合体、酸分解性の架橋剤(重合性化合物)、光ラジカル開始剤、光酸発生剤および溶剤からなる接着剤溶液が開示されている。
特許文献5には、(A)多官能(メタ)アクリレート、(B)単官能(メタ)アクリレートおよび(C)光ラジカル発生剤を含有する光硬化性の接着剤組成物が開示されている。前記文献には、接着剤組成物を光照射により硬化させて部材同士を仮固定し、仮固定された部材を加工した後、加工された部材を90℃以下の温水に浸漬して硬化体を熱膨張させ、部材を硬化体から剥離する方法も開示されている。
しかしながら、何れの方法も被加工物、被着体などの被加工層の剥離性は充分ではない。また、被加工層がレジスト形成を必要とする層間絶縁膜などである場合、上記剥離性が特に重要となるところ、従来の方法では充分な剥離性が確保されない、あるいは接着剤層の残渣があるといった問題がある。
特開2004−064040号公報 特開2004−339285号公報 特開2005−159155号公報 特開2005−290146号公報 国際公開第08/018252号パンフレット
本発明の課題は、被加工層を仮固定して加工する方法において、被加工層の剥離性が良好で、接着剤層の残渣が少ない被加工層の加工方法および剥離方法、ならびに前記接着剤層の形成に用いることのできる光照射剥離型の仮固定用組成物を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、下記工程を有する方法により上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の構成は、例えば以下のとおりである。
[1](1)支持体上に、重合体(A)および光ラジカル発生剤(B)を含有する接着剤層であって、前記接着剤層100重量%中、重合性化合物の含有量が10重量%以下の接着剤層を形成する工程、(2)接着剤層上に、被加工層を形成する工程、(3)被加工層を加工する工程、(4)支持体側から接着剤層に光を照射する工程、ならびに(5)支持体から加工後の被加工層を剥離する工程をこの順で有する、被加工層の加工方法。
[2]前記光が紫外線である、前記[1]に記載の被加工層の加工方法。
[3]重合体(A)が芳香族環を有する重合体である、前記[1]または[2]に記載の被加工層の加工方法。
[4]光照射前の接着剤層における光ラジカル発生剤(B)の含有量が、重合体(A)100重量部に対して5〜30重量部である、前記[1]〜[3]の何れか一項に記載の被加工層の加工方法。
[5](6)剥離後の被加工層を溶剤で洗浄する工程をさらに有する、前記[1]〜[4]の何れか一項に記載の被加工層の加工方法。
[6]重合体(A)、光ラジカル発生剤(B)および溶剤(C)を含有する仮固定用組成物であって、固形分換算の仮固定用組成物100重量%中、重合性化合物の含有量が10重量%以下である、光照射剥離型の仮固定用組成物。
[7]重合体(A)が芳香族環を有する重合体である、前記[6]に記載の仮固定用組成物。
[8]光ラジカル発生剤(B)の含有量が、重合体(A)100重量部に対して5〜30重量部である、前記[6]または[7]に記載の仮固定用組成物。
[9](i)重合体(A)および光ラジカル発生剤(B)を含有する接着剤層であって、前記接着剤層100重量%中、重合性化合物の含有量が10重量%以下の接着剤層を介して、支持体と被加工層とが積層された積層体に、支持体側から光を照射する工程、ならびに(ii)支持体から被加工層を剥離する工程をこの順で有する、被加工層の剥離方法。
本発明によれば、被加工層を仮固定して加工する方法において、被加工層の剥離性が良好で、接着剤層の残渣が少ない被加工層の加工方法および剥離方法、ならびに前記接着剤層の形成に用いることのできる光照射剥離型の仮固定用組成物を提供することができる。
図1は、本発明の被加工層の加工方法の各工程を示す模式図である。
以下、本発明の被加工層の加工方法および剥離方法、ならびに光照射剥離型の仮固定用組成物について説明する。本発明において「仮固定」とは、加工中では被加工層を支持体に固定することができ、加工終了後には光照射により被加工層を支持体から剥離しうることを意味する。
〔被加工層の加工方法〕
本発明の被加工層の加工方法は、(1)支持体上に、重合体(A)および光ラジカル発生剤(B)を含有する接着剤層であって、前記接着剤層100重量%中、重合性化合物の含有量が10重量%以下の接着剤層を形成する工程、(2)接着剤層上に、被加工層を形成する工程、(3)被加工層を加工する工程、(4)支持体側から接着剤層に光を照射する工程、ならびに(5)支持体から加工後の被加工層を剥離する工程をこの順で有し、必要に応じて、(6)剥離後の被加工層を溶剤で洗浄する工程をさらに有することが好ましい。
〈工程(1)〉
工程(1)は、支持体上に、重合体(A)および光ラジカル発生剤(B)を含有する接着剤層であって、前記接着剤層100重量%、重合性化合物の含有量が10重量%以下の接着剤層を形成する工程である。接着剤層は必要に応じて溶剤(C)や添加剤(D)を含有してもよい。
接着剤層中に含有される重合体(A)、光ラジカル発生剤(B)、必要に応じて含有される溶剤(C)、添加剤(D)については、後述する〔光照射剥離型の仮固定用組成物〕の欄にて好ましい態様も含めて詳細に説明する。
本発明において「重合性化合物」とは、光照射により重合可能な化合物を意味し、数例を挙げれば、単官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレートなどの重合性二重結合含有化合物などである。重合性化合物の含有量は、接着剤層100重量%中、通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下、より好ましくは1重量%以下、特に好ましくは0重量%である。接着剤層が重合性化合物を前記上限値を超えて含有する場合、光ラジカル発生剤と重合性化合物との作用により接着剤層中に形成される架橋構造等によって、例えば、被加工層の剥離が困難となる、剥離後の被加工層を溶剤で洗浄する際、洗浄が困難となる等の問題が起こることがある。
本発明では、接着剤層中に含有される光ラジカル発生剤(B)が光照射によりラジカル、励起種などの活性種に変換され、この活性種の作用により接着剤層を変質させると考えられる。活性種は被加工層にダメージを与えることもあるため、被加工層と接着剤層との界面での活性種の発生を抑制することが好ましい。すなわち、接着剤層の被加工層との界面付近での活性種の発生を抑制しつつ、接着剤層の支持体との界面付近等では活性種を発生させることが好ましい。
例えば、接着剤層の光線透過率を制御することにより、被加工層と接着剤層との界面まで照射光が届かなくなるため、結果として当該界面での活性種の発生を抑制できる。接着剤層の光線透過率は、10%T以下が好ましく、1%T以下がより好ましく、0%Tが特に好ましい。光線透過率を調整するには、例えば、接着剤層中に含まれる光ラジカル発生剤(B)の含有量をコントロールしたり、接着剤層の膜厚をコントロールしたりすればよい。
光線透過率は、以下のようにして測定される。上記のようにして支持体および接着剤層からなる積層体を形成する。積層体に、工程(4)で照射される光と同波長の光を支持体側から照射する。このときの積層体の光線透過率(%T)を測定する。すなわち本発明では、接着剤層の光線透過率は、支持体および接着剤層からなる積層体の光線透過率として測定される。
支持体としては、例えば、石英基板、ガラス基板、フッ化マグネシウム基板、透明プラスチック基板が挙げられる。工程(4)で光照射をして接着剤層を変質させるため、支持体としては石英基板などの透明基板が好ましい。
接着剤層は、例えば、後述する仮固定用組成物を用いて形成することができる。接着剤層の形成方法としては、例えば、(i)仮固定用組成物を支持体上に直接塗布して塗膜を形成し、前記塗膜を加熱する方法、(ii)仮固定用組成物を、例えば離型処理が施されたPET(Polyethylene Terephthalate)フィルム上に一定膜厚で塗布して成膜した後、支持体へラミネート方式により転写する方法が挙げられる。膜厚均一性の点から、前記(i)の方法が好ましい。
仮固定用組成物を支持体上に塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、ナイフコーターによる塗布方法、ロールコータによる塗布方法、ドクターブレードによる塗布方法、カーテンコータによる塗布方法、ダイコータによる塗布方法、ワイヤーコータによる塗布方法、スクリーン印刷装置によるスクリーン印刷法が挙げられる。
塗膜の加熱条件は、加熱後における溶剤(C)の残存割合が通常2重量%以内となるように適宜調整すればよく、さらに、光ラジカル発生剤(B)が分解しない程度の加熱温度であればよく、例えば、加熱温度が通常150〜400℃、好ましくは180〜300℃であり、加熱時間が通常5〜40分間、好ましくは10〜30分間である。また、塗膜の加熱は2段階以上で行ってもよい。加熱装置としては、例えば、クリーンオーブン、ホットプレート、赤外線炉が挙げられる。
仮固定用組成物の塗布量は、支持体の接着面のサイズ、加工処理などで要求される密着性の程度に応じて任意に選択することができるが、接着剤層の厚みが通常1〜100μm、好ましくは1〜40μm、より好ましくは1〜20μmとなる量である。接着剤層の厚みが前記範囲外にあると、接着力が充分ではないことがあり、接着面からの支持体の剥がれが生じる場合がある。なお、接着剤層の厚みは、接着剤の塗布量および張り合わせるときの圧力で調整することができる。
本発明の仮固定用組成物を支持体上に塗布するに際して、仮固定用組成物の面内への広がりを均一にするため、支持体表面を予め疎水化処理しておいてもよい。疎水化処理の方法としては、支持体表面に予め表面処理剤を塗布する方法などが挙げられる。
表面処理剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザンなどのカップリング剤が挙げられる。
〈工程(2)〉
工程(2)は、支持体上に形成された接着剤層上に、被加工層を形成する工程である。
被加工層としては、例えば、有機成分を主成分として含有する層が挙げられ;具体的には、感光性材料から形成される感光性樹脂層、絶縁性材料から形成される絶縁性樹脂層、感光性絶縁樹脂材料から形成される感光性絶縁樹脂層などが挙げられ;より具体的には、特許3812654号、特開2007−314695号公報、特開2008−107458号公報、特開2006−189788号公報、国際公開第2009/072492号パンフレット、特開2001−033965号公報などに記載の樹脂層が挙げられる。これらの樹脂層を形成するには、前記材料等を接着剤層上に塗布して適宜加熱すればよい。
被加工層としては、その他、半導体ウエハ、ガラス基板、樹脂基板、金属基板、金属箔、研磨パッドなどの基材を挙げることもできる。前記基材を接着剤層上に形成、すなわち仮固定するには、通常100〜400℃、好ましくは150〜350℃の温度をかけながら基材を接着剤層上に貼付すればよい。
〈工程(3)〉
工程(3)は、被加工層を加工する工程である。
被加工層が、感光性材料から形成される感光性樹脂層、絶縁性材料から形成される絶縁性樹脂層、感光性絶縁樹脂材料から形成される感光性絶縁樹脂層である場合、例えばフォトリソグラフィーなどにより、前記樹脂層に対してパターン形成、エッチング加工、配線形成、リストオフによるバンプ形成などがなされる。さらに、配線形成された前記樹脂層に対して半導体チップの搭載や半田リフロー、樹脂封止などを行うこともできる。このように、被加工層の加工では、層間絶縁膜などの樹脂層の形成から半導体チップの樹脂封止に至るような、特表2010−531520号公報などに記載の三次元実装を行うことができる。
また、上記基材の加工処理としては、基材の薄膜化(裏面研削など)、エッチング加工、スパッタ膜の形成、メッキ処理およびダイシングから選択される少なくとも1種の方法を用いることができる。
〈工程(4)〉
工程(4)は、支持体側から接着剤層に光を照射する工程である。接着剤層中に含有される光ラジカル発生剤(B)が光照射により活性種に変換され、この活性種の作用により接着剤層を変質させることができる。
照射光としては、例えば、赤外線(波長0.7μm〜1mm程度)、可視光線(380〜750nm程度)、紫外線(10〜380nm程度)、X線が挙げられ、剥離性の観点から、これらの中でも可視光線および紫外線が好ましく、紫外線がより好ましく、近紫外線(200〜380nm程度)が特に好ましい。照射光の光源としては、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ、レーザーが挙げられ、これらの中でも、接着剤層の溶融や炭化溶融が起こりにくいことから、レーザーが好ましい。
レーザーとしては、例えば、固体レーザー(例:YAGレーザー)、液体レーザー(例:色素レーザー)、ガスレーザー(例:炭酸ガスレーザー、ヘリウムネオンレーザー、アルゴンイオンレーザー、エキシマレーザー)、半導体レーザーが挙げられる。これらの中でも、エキシマレーザーが好ましい。
エキシマレーザーとしては、例えば、ArFエキシマレーザー(発振波長:193nm)、KrFエキシマレーザー(248nm)、XeClエキシマレーザー(308nm)、XeFエキシマレーザー(353nm)が挙げられる。
照射条件は上記光線透過率によって異なるが、XeClエキシマレーザーの場合、出力は通常1000mJ/cm2以下、好ましくは500mJ/cm2以下、より好ましくは300mJ/cm2以下であり(下限値は10mJ/cm2程度である。);照射時間は通常60秒以下、好ましくは40秒以下、より好ましくは10〜30秒である。
〈工程(5)〉
工程(5)は、支持体から加工後の被加工層を剥離する工程である。工程(4)で接着剤層が変質しているため、例えばせん断処理により、容易に支持体から加工後の被加工層を剥離することができる。
〈工程(6)〉
工程(6)は、剥離後の被加工層を溶剤で洗浄する工程である。被加工層と接着剤層との界面での剥離は光ラジカル発生剤(B)から発生した活性種により被加工層にダメージを与える可能性があり、好ましくないことがあるため、被加工層には接着剤層が一部残ることがある。したがって、剥離後の被加工層を溶剤で洗浄することが好ましい。
溶剤(以下「洗浄液」ともいう。)としては、後述する仮固定用組成物を調製する際に使用される溶剤(C)が挙げられる。洗浄方法としては、例えば、被加工層を洗浄液に浸漬する方法、被加工層に洗浄液をスプレーする方法、被加工層を洗浄液に浸漬しながら超音波を加える方法が挙げられる。洗浄液の温度は特に限定されないが、好ましくは20〜80℃、より好ましくは20〜50℃である。
以上の処理の一例の模式図を図1に示す。図1では、工程(1)で支持体10上に接着剤層20を形成し(図1(a))、工程(2)および(3)で接着剤層20上に被加工層30を形成し、被加工層30を加工し(図1(b))、工程(4)で支持体10側から接着剤層20に光を照射し(図1(c))、工程(5)で支持体10から加工後の被加工層30を剥離している(図1(d))。
〔被加工層の剥離方法〕
本発明の被加工層の剥離方法は、(i)重合体(A)および光ラジカル発生剤(B)を含有する接着剤層であって、前記接着剤層100重量%中、重合性化合物の含有量が10重量%以下の接着剤層を介して、支持体と被加工層とが積層された積層体に、支持体側から光を照射する工程、ならびに(ii)支持体から被加工層を剥離する工程をこの順で有し、必要に応じて、(iii)剥離後の被加工層を溶剤で洗浄する工程をさらに有することが好ましい。
工程(i)において、上記積層体は〔被加工層の加工方法〕の工程(1)および(2)と同様にして形成することができる。また〔被加工層の加工方法〕の工程(4)と同様にして上記積層体に支持体から光を照射することができる。工程(ii)および(iii)は、それぞれ〔被加工層の加工方法〕の工程(5)および(6)と同様にして行うことができる。
〔光照射剥離型の仮固定用組成物〕
本発明の光照射剥離型の仮固定用組成物は、重合体(A)、光ラジカル発生剤(B)および溶剤(C)を含有し、固形分換算の前記組成物100重量%中、重合性化合物の含有量が10重量%以下であり、必要に応じて添加剤(D)を含有してもよい。
本発明において「光照射剥離型」とは、上記組成物から形成された接着剤層が光照射前にあっては被加工層を保持する接着力を有しており、光照射後にあっては接着力が低下し、被加工層の剥離が容易になることを意味する。
本発明において「重合性化合物」とは、光照射により重合可能な化合物を意味し、数例を挙げれば、単官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレートなどの重合性二重結合含有化合物などである。重合性化合物の含有量は、固形分換算の仮固定用組成物100重量%中、通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下、より好ましくは1重量%以下、特に好ましくは0重量%である。本発明の仮固定用組成物において、重合性化合物の含有量が制限されており、重合体(A)も重合性基(例:重合性二重結合)を通常有していない。
〈重合体(A)〉
重合体(A)は、溶剤(C)に可溶であれば特に限定されず、エンジニアリングプラスチックやスーパーエンジニアリングプラスチックなどの耐熱性を有する樹脂などが挙げられる。
エンジニアリングプラスチックやスーパーエンジニアリングプラスチックとしては、例えば、ポリアセタール、ポリアミド(例:ポリアミド6、ポリアミド6・6、ポリアミド12、ポリアミド4・6、ポリアミド6・10、ポリアミド6・12、ポリアミド11、ポリアミドMXD6)、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、芳香族ポリエステル(例:ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリベンゾオキサゾール、非晶ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド(例:ポリヒドロキシイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド)、フッ素樹脂(例:ポリテトラフルオロエチレン)、液晶ポリマー(例:エチレンテレフタレートとp−ヒドロキシ安息香酸との重縮合体、フェノールとフタル酸とp−ヒドロキシ安息香酸との重縮合体、2,6−ヒドロキシナフトエ酸とp−ヒドロキシ安息香酸との重縮合体)が挙げられる。
重合体(A)は、光ラジカル発生剤(B)に由来する活性種との親和性に優れ、それにより剥離性が向上することから、芳香族環を有する重合体であることが好ましい。エンジニアリングプラスチックやスーパーエンジニアリングプラスチックでいえば、例えば、芳香族ポリアミド、芳香族ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、芳香族ポリエステル、ポリベンゾオキサゾール、非晶ポリアリレート、芳香族ポリスルホン、芳香族ポリエーテルスルホン、芳香族ポリエーテルエーテルスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、芳香族ポリエーテルケトン、芳香族ポリエーテルエーテルケトン、芳香族ポリイミド、液晶ポリマーが挙げられる。
これらの中でも、三次元実装などで耐熱性が必要とされ、溶剤による洗浄性に優れることから、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルホンが好ましい。
重合体(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1,000〜1,000,000、より好ましくは5,000〜500,000であり;重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5である。
GPCの測定条件は、例えば以下のとおりである。
・標準物質:ポリスチレン
・装置:東ソー(株)製、商品名:HLC−8220GPC
・カラム:東ソー(株)製、商品名:Tskguardcolumn SuperHZM-M
・溶剤:N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)
・測定温度:40℃
・流量:1〜5mL/min
・カラム圧:5〜10MPa
重合体(A)はガラス転移温度(Tg)を有さないか、あるいはガラス転移温度(Tg)が通常150〜400℃、より好ましくは150〜350℃である。ガラス転移温度(Tg)は、例えば示差走査熱量測定(DSC)で測定される。このような重合体であれば、耐熱性により優れた接着剤層を形成することができる。
重合体(A)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の仮固定用組成物において、重合体(A)の含有量は、固形分換算で通常50〜95重量%、好ましくは70〜95重量%、特に好ましくは80〜95重量%である。固形分換算とは、溶剤(C)以外の成分の合計量を100重量%とすることを意味する。重合体(A)の含有量が前記範囲にあると、耐熱性により優れた接着剤層を形成することができる。
〈光ラジカル発生剤(B)〉
光ラジカル発生剤(B)は、光照射によりラジカルなどの活性種を発生しうる化合物である。
光ラジカル発生剤(B)としては、例えば、ベンジル、ジアセチルなどのα−ジケトン類;ベンゾインなどのアシロイン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのアシロインエーテル類;チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、チオキサントン−4−スルホン酸、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;
アセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−アセトキシベンゾフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、p−メトキシアセトフェノン、1−[2−メチル−4−メチルチオフェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、α,α−ジメトキシ−α−モルフォリノ−メチルチオフェニルアセトフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4’−モルフォリノブチロフェノンなどのアセトフェノン類;
アントラキノン、1,4−ナフトキノンなどのキノン類;フェナシルクロライド、トリブロモメチルフェニルスルホン、トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどのハロゲン化合物;[1,2'−ビスイミダゾール]−3,3',4,4'−テトラフェニル、[1,2'−ビスイミダゾール]−1,2'−ジクロロフェニル−3,3',4,4'−テトラフェニル、2,2'−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4',5'−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールなどのビスイミダゾール類、ジ−tert−ブチルパ−オキサイドなどの過酸化物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドなどのアシルフォスフィンオキサイド類が挙げられる。
光ラジカル発生剤(B)の市販品としては、例えば、イルガキュア184、同500、同651、同107、CGI369、G24−61(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、ルシリンLR8728、同TPO(以上、BASF(株)製)、ダロキュア1116、同1173(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、ユベクリルP36(UCB(株)製)が挙げられる。
光ラジカル発生剤(B)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
光ラジカル発生剤(B)の中でも、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;1−[2−メチル−4−メチルチオフェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4’−モルフォリノブチロフェノンなどのアセトフェノン類;フェナシルクロライド、トリブロモメチルフェニルスルホン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、1,2'−ビスイミダゾール類と4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンとメルカプトベンゾチアゾールとの併用が好ましい。
本発明の仮固定用組成物において、光ラジカル発生剤(B)の含有量は、重合体(A)100重量部に対して、通常5〜30重量部、好ましくは5〜25重量部、特に好ましくは5〜20重量部である。これは、光照射前の接着剤層中においても同様である。光ラジカル発生剤(B)の含有量が前記範囲にあると、光ラジカル発生剤(B)の分解による発泡の抑制と、接着剤層の剥離性とのバランスに優れる。光ラジカル発生剤(B)の含有量が前記範囲を下回ると、酸素によるラジカルの失活の影響(感度の低下)を受けることがある。また、光ラジカル発生剤(B)の含有量が前記範囲を上回ると、光ラジカル発生剤(B)と他の成分との相溶性が悪くなる傾向や、保存安定性が低下する傾向がある。
〈溶剤(C)〉
溶剤(C)としては、例えば、有機溶剤が挙げられる。
有機溶剤としては、例えば、
メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなどのアルコール類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテルなどのプロピレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ類;ブチルカルビトールなどのカルビトール類;
乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸イソプロピルなどの乳酸エステル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソブチルなどの脂肪族カルボン酸エステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチルなどの他のエステル類;
トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類;
N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;γ−ブチロラクンなどのラクトン類;トリクロロメタン、テトラクロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン含有溶剤;
が挙げられる。
本発明の仮固定用組成物において、溶剤(C)の含有量は塗布方法に応じて適宜選択される。例えば、固形分濃度(溶剤(C)を除く組成物中に含まれる全成分の合計量)は、仮固定用組成物100重量%に対して、通常15〜30重量%、好ましくは15〜25重量%である。溶剤(C)の含有量が前記範囲にあると、重合体(A)の溶解性が良好となり、仮固定用組成物の膜形成性が良好となる。
〈添加剤(D)〉
本発明の仮固定用組成物は、必要に応じて、添加剤(D)を含有してもよい。添加剤(D)としては、例えば、界面活性剤、密着助剤、レベリング剤、高分子添加剤、反応性希釈剤、濡れ性改良剤、可塑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、防カビ剤、調湿剤、難燃剤、粘性付与剤、光増感剤が挙げられる。
界面活性剤を用いることにより、仮固定用組成物の支持体への塗布性を向上することができる。界面活性剤としては、例えばシリコーン系界面活性剤が挙げられ、具体的には主骨格の疎水部としてシリコーンを有し、親水部として主骨格の側鎖にポリエーテルを有する化合物を挙げることができる。
シリコーン系界面活性剤の市販品としては、例えば、ポリフローKL−250、ポリフローKL−260、ポリフローKL−270、ポリフローKL−280(以上、共栄社化学(株)製)が挙げられる。
界面活性剤を用いる場合、本発明の仮固定用組成物において界面活性剤の含有量は、重合体(A)100重量部に対して、通常0.001〜1重量部、好ましくは0.01〜1重量部、より好ましくは0.01〜0.5重量部である。
支持体や被加工層と接着剤層との密着性が悪い場合、密着助剤を用いることにより、その密着性を向上させることができる。密着助剤としては、官能性シランカップリング剤が好ましく、カルボキシル基、イソシアネート基、エポキシ基などの反応性置換基を有するシランカップリング剤などが挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、トリメトキシシリル安息香酸、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、1,3,5−N−トリス(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートが挙げられる。
密着助剤を用いる場合、本発明の仮固定用組成物において密着助剤の含有量は、重合体(A)100重量部に対して、通常0.1〜50重量部、好ましくは1〜10重量部、より好ましくは1〜5重量部である。
光増感剤は、接着剤層が工程(4)で用いられる光を効率良く吸収し、光ラジカル発生剤(B)から効率よく活性種を発生させるために、必要に応じて用いることができる。光増感剤としては、工程(4)で用いられる光の波長により適宜選択されるが、例えば、波長308nm付近の光を用いる場合は、9,10−ジプロポキシアントラセンなどのアントラセン構造を有する化合物を用いることができる。
光増感剤を用いる場合、本発明の仮固定用組成物において光増感剤の含有量は、重合体(A)100重量部に対して、通常0.1〜50重量部、好ましくは1〜30重量部、より好ましくは5〜20重量部である。
〈仮固定用組成物の調製方法〉
本発明の仮固定用組成物は、例えば、所定量の上記各成分をディゾルバー、ホモジナイザー、3本ロールミルなどの分散機を用いて分散・混合することにより調製できる。また必要に応じて、メッシュメンブランフィルターなどを用いて、仮固定用組成物を濾過してもよい。
本発明の仮固定用組成物から形成される接着剤層は光照射によって変質して、接着剤層と支持体との界面での接着力が低下すると推定される。このため、例えば支持体/接着剤層/被加工層という積層構成において、支持体から接着材層および被加工層を容易に剥離できる。他方、接着剤層と被加工層との界面での好ましくない剥離は例えば接着剤層の光線透過率を制御することにより抑制することができるため、被加工層にダメージを与えることもない。
本発明の仮固定用組成物は上記特性を有するとともに、レジストの形成時や剥離時の使用溶剤に対する耐溶剤性、エッチング時のラジカル耐性、絶縁膜形成時やリフロー時における耐熱性、メッキ耐性、およびスパッタリング時における耐真空性を有する。
本発明の仮固定用組成物は、このような特性を有することから、現代の経済活動の場面で要求される様々な加工処理(例:フォトリソグラフィーによるパターン化樹脂層の形成、半導体ウエハの極薄研削処理、各種材料表面の微細化加工処理、各種表面実装)などの際に、被加工層を仮止めする接着剤として好適に用いられる。
以下、実施例をもとに本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されない。なお、以下の実施例および比較例において、特に断らない限り、「部」および「%」はそれぞれ「重量部」および「重量%」の意味で用いる。
(1)仮固定用組成物の調製
[合成例1]ポリイミドの合成
フラスコに、41gの2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、19gの1,10−デシレンジアミン、および195gのN−メチル−2−ピロリドンをそれぞれ仕込んだ。フラスコ内の液を室温下で撹拌してそれぞれのモノマーを溶解させた後、45g(100mol%)の1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物を添加した。窒素下、120℃で5時間撹拌した後、180℃に昇温して5時間脱水反応を行った。
反応終了後、反応混合物を水中に投じて、生成物を再沈、ろ過、真空乾燥をすることによって、ポリイミドを得た。得られたポリイミドの重量平均分子量(Mw)は23100であった。また、IR分析を行い、イミドを示す1778cm-1の吸収があることを確認した。
[実施例1〜11、比較例1〜3]仮固定用組成物の調製
100部の合成例1で得られたポリイミドと、10部の4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンと、550部のN−メチル−2−ピロリドンと、0.1部の有機変性ポリシロキサン(商品名「ポリフローKL−270」、共栄社化学(株)製)とを混合して、実施例1の仮固定用組成物を調製した。これと同様に、表1に示す各成分を混合して、実施例2〜11および比較例1〜3の仮固定用組成物をそれぞれ調製した。
Figure 2012052031
A1:合成例1で得られたポリイミド(ガラス転移温度(Tg):200℃以上)
A2:ポリエーテルスルホン(商品名「スミカエクセル5003P」、住友化学(株)製、Tg:210〜230℃、Mw=60000〜80000)
A3:ポリスルホン
(商品名「ユーデル」、ソルベイアドバンスツ社製、Tg:150〜200℃)
A4:ポリフェニルスルホン
(商品名「レデール」、ソルベイアドバンスツ社製、Tg:180〜230℃)
A5:ポリエステル(商品名「UE−3600」、ユニチカ製、Tg:なし)
B1:4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
B2:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4’−モルフォリノブチロフェノン
C1:N−メチル−2−ピロリドン
D1:有機変性ポリシロキサン
(商品名「ポリフローKL−270」、共栄社化学(株)製)
D2:9,10−ジプロポキシアントラセン
Z1:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートとの混合物(商品名「カヤラッドDPHA」、日本化薬(株)社製)
(2)評価
得られた仮固定用組成物を用いて下記評価を行った。結果を表2に示す。
(2−1)支持体および接着剤層からなる積層体の光線透過率
仮固定用組成物を、スピンコート法にて厚さ0.7mmの石英基板(支持体)上に塗布し、ホットプレートにて200℃で5分、次いで250℃で10分加熱した。これにより、支持体および厚さ10μmの接着剤層からなる積層体(1)を得た。支持体側から光照射した場合の、積層体(1)の光線波長308nmにおける光線透過率(%T)を測定した。なお、実施例3の仮固定用組成物では、厚さ10μmの接着剤層における評価(実施例3−1)とともに、厚さ5μmの接着剤層における評価(実施例3−2)も行った。
(2−2)耐熱性
積層体(1)において、接着剤層上に感光性組成物(商品名「JSR ELPAC WPR−5200」、JSR(株)製)を塗布し、ホットプレートにて110℃で10分加熱した。これにより、厚さ20μmの被加工層、接着剤層および支持体からなる積層体(2)を得た。
積層体(2)をオーブンにて150℃で1時間加熱した。加熱前後における接着剤層や被加工層の形状の変化を目視にて確認した。評価基準は以下の通りである。
「AA」:加熱前後で、接着剤層や被加工層の形状は変わらない。
「BB」:加熱前後で、接着剤層や被加工層の形状が変わる。
(2−3)剥離性
前記(2−2)で得られた加熱後の積層体(2)に、支持体側からエキシマレーザー(光線波長:308nm、出力:200mJ/cm2、照射時間:30s)を照射した。レーザー照射後、支持体から被加工層を剥離する際の剥離状態を目視にて確認した。評価基準は以下の通りである。
「AA」:支持体と接着剤層との界面で剥離できる。
「BB」:剥離できない。
(2−4)除去性
前記(2−3)で得られた支持体剥離後の被加工層を、N−メチル−2−ピロリドン浴(温度23℃)に5分間浸漬した。その後、被加工層上の接着剤層の残渣の有無を目視にて確認した。評価基準は以下の通りである。
「AA」:接着剤層の痕なし。
「BB」:接着剤層の痕あり。
Figure 2012052031
10…支持体
20…接着剤層
30…被加工層
40…照射光

Claims (9)

  1. (1)支持体上に、重合体(A)および光ラジカル発生剤(B)を含有する接着剤層であって、前記接着剤層100重量%中、重合性化合物の含有量が10重量%以下の接着剤層を形成する工程、
    (2)接着剤層上に、被加工層を形成する工程、
    (3)被加工層を加工する工程、
    (4)支持体側から接着剤層に光を照射する工程、ならびに
    (5)支持体から加工後の被加工層を剥離する工程
    をこの順で有する、被加工層の加工方法。
  2. 前記光が紫外線である、請求項1に記載の被加工層の加工方法。
  3. 重合体(A)が芳香族環を有する重合体である、請求項1または2に記載の被加工層の加工方法。
  4. 光照射前の接着剤層における光ラジカル発生剤(B)の含有量が、重合体(A)100重量部に対して5〜30重量部である、請求項1〜3の何れか一項に記載の被加工層の加工方法。
  5. (6)剥離後の被加工層を溶剤で洗浄する工程
    をさらに有する、請求項1〜4の何れか一項に記載の被加工層の加工方法。
  6. 重合体(A)、光ラジカル発生剤(B)および溶剤(C)を含有する仮固定用組成物であって、固形分換算の仮固定用組成物100重量%中、重合性化合物の含有量が10重量%以下である、光照射剥離型の仮固定用組成物。
  7. 重合体(A)が芳香族環を有する重合体である、請求項6に記載の仮固定用組成物。
  8. 光ラジカル発生剤(B)の含有量が、重合体(A)100重量部に対して5〜30重量部である、請求項6または7に記載の仮固定用組成物。
  9. (i)重合体(A)および光ラジカル発生剤(B)を含有する接着剤層であって、前記接着剤層100重量%中、重合性化合物の含有量が10重量%以下の接着剤層を介して、支持体と被加工層とが積層された積層体に、支持体側から光を照射する工程、ならびに
    (ii)支持体から被加工層を剥離する工程
    をこの順で有する、被加工層の剥離方法。
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