JP2012051722A - エレベータのかご室換気装置 - Google Patents

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謙吾 吉田
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Abstract

【課題】 かご室内に入る煙をかご室内に広げることなく出入り口付近で排気装置によって排気することによって、かご室内の煙の汚染を防止し乗客の安全性を確保できるエレベータのかご室換気装置を得る。
【解決手段】 エレベータのかご室内の出入り口付近、かつ天井角部近傍にエレベータの昇降路内の空気をかご室内に吹き出す給気装置を設け、給気装置の下部に昇降路の空気をかご室の中央方向あるいは排気口の方向に変化させる風向変更板を設けた。また、かご室の出入り口付近の床に設けられた排気口と連結し、給気装置からかご室内に吹き出した空気をかご室の外部に排気する排気装置を設けた。
【選択図】 図3

Description

本発明は、建物内における火災時等にエレベータかご室内への煙の流入を防止するエレベータかご室の換気装置に関するものである。
従来におけるエレベータのかご室換気装置においては、かご室内に空気を供給する換気ファンがかご室の天井上に設けられ、また、天井から吊着された吊天井の内部に、喚起ファンからの空気をかご室内に流入させる機構が形成されている。換気ファンの作動時には、当該機構内にあり、バネが設けられた板の固定されてない一端が換気ファンからの風圧で押し下がることで、空気がかご室内に流入し空気を循環させる。また、板と連動して動き、天井に設けられた風穴を塞ぐための蓋の固定されてない一端は換気ファンからの風圧で押し下がり、風穴を塞ぐ。一方、換気ファンの停止時には、板に設けられたバネの伸びに伴って板の一端が上方に押し上げられ、同時に蓋の一端も上方に押し上げられることで自然換気が行われる。これにより、空気の入れ換えの円滑化を図っている(例えば、特許文献1参照)。
また、ビルの管理人が自らの花粉飛散量の予測に従い、花粉対策弱又は花粉対策強の信号を入力し、その入力により乗場からかご室に入る乗客に対してかご室の出入り口上部付近から弱風又は強風を吹きつけ、エレベータの利用客の衣服等に付着する花粉を吹き飛ばすための機器をかご室に設けているものがある。エレベータ利用客の乗場呼びにより戸が開くと機器は作動し、乗客がかご室に入り、戸閉すると機器は停止する。また、かご室の床付近には、上記信号により弱運転あるいは強運転を行い、上記花粉等の微小物質を吸い取るとともに除去するための空気清浄器が設置されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平3−138283号公報(第3頁、第1図) 特開2005−75579号公報(0013段落、第3図)
しかしながら、従来のエレベータのかご室換気装置は、換気ファンの停止時においてかご室内の空気の自然換気を行うための装置に過ぎない。例えば、建物内で火災等が生じ、昇降路内に煙が流入した場合、昇降路内に充満した煙がエレベータのドアの隙間等からかご室内に流入してしまうことがあり、煙がかご室内を循環してしまう恐れがあるという問題があった。従って、かご室が最寄階に到着し、乗客が避難するまでの間に、かご室内の乗客が煙を吸ってしまい逃げ遅れてしまう可能性があるといった問題があった。
また、かご室の出入り口上部に設けられる機器は乗場からかご室内への花粉の流入を対策するものであるため、乗場呼びへの応答の際には機器は動作するが、戸が閉まっている場合やかご呼びによる停止の場合には動作しない。従って、昇降路内に煙が流入した場合には、上記同様にかご室内へ煙が入り込むといった問題がある。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、かご室内に入る煙をかご室内に広げることなく出入り口付近で排気装置によって排気することによって、かご室内の煙の汚染を防止し乗客の安全性を確保できるエレベータのかご室換気装置を得ることを目的とする。
この発明に係るエレベータのかご室換気装置においては、エレベータのかご室内の出入り口付近、かつ天井角部近傍に配設されるとともにエレベータの昇降路内の空気をかご室内に吹き出す給気装置と、かご室の出入り口付近の床に設けられ、昇降路内と連通しかご室内の空気が通る排気口と、かご室内の床下に配設されるとともに排気口と連結し、給気装置からかご室内に吹き出した空気をかご室の外部に排気する排気装置と、給気装置の下部に設けられるとともに給気装置から吹き出す空気をかご室の中央方向あるいは排気口の方向に変化させる風向変更板とを備えたものである。
この発明は、かご室内の出入り口付近、かつ天井角部近傍に給気装置を設け、かご室の床下に排気口を設ける。また、給気装置に風向変更板を設け、風向変更板をかご室の中央方向あるいは排気口の方向に吹き出すよう風向変更板の向きを変化させる。これにより、かご室の出入り口からかご室内に入る煙をかご室内に広げることなく出入り口付近で排気装置によって排気することによって、かご室内の煙の汚染を防止し乗客の安全性を確保できる。
この発明の実施の形態1を示すエレベータのかご室換気装置が設けられたかご室の断面図である。 この発明の実施の形態1を示すエレベータのかご室換気装置が設けられたエレベータの通常運転時におけるかご室の別の断面図である。 この発明の実施の形態1を示すエレベータのかご室換気装置が設けられた建物内での火災時等の煙発生時におけるかご室の別の断面図である。 この発明の実施の形態1を示すエレベータのかご室換気装置の要部断面図である。 この発明の実施の形態1を示すエレベータのかご室換気装置の要部斜視図である。 この発明の実施の形態1を示す別のかご室換気装置の要部断面図である。
実施の形態1.
本実施の形態1におけるエレベータのかご室換気装置の構成について説明する。一般的に、エレベータのかご室が利用者に乗車サービスを提供するために、建物内の上下方向においてかご室が昇降するための昇降路が設けられている。図1はエレベータの通常運転時あるいはエレベータが設けられた建物内での火災時等による煙発生時におけるエレベータのかご室の断面図を示し、かご室内からエレベータ乗場の方向を見たときの図である。また、給気装置1から給気された空気が床に向かって流れる状態を示している。
図1において、かご室の出口中央にエレベータの乗客が乗り降りするために開閉するドア13があり、ドア13が閉まった状態を示す。また、ドア13の上部には、駆動ベルト(図示略)の駆動によりドア13を開閉するドア装置14がある。そして、ドア13の開く方向には、袖壁10がドア13に隣接している。袖壁10は、現在の位置(階)を示すインジケータ等が設けられた壁である。また、ドア13と袖壁10との間にはドア13が収納されるための戸袋18がある。図1でドア13が閉まっている場合に、ドア13と袖壁10との間にある戸袋18及びドア13の中央境目には僅かな隙間が生じており、それぞれ昇降路と連通している。
かご室内出入り口の天井7の上面には、昇降路内の空気をかご室内に取り入れるための給気装置1が設置されている。なお、給気装置1はかご室内出入り口の天井7の上面に限られるものではなく、かご室の壁及び天井からなる三面の角部付近にあっても良い。また、給気装置1にはエレベータの通常運転時と建物内での火災時等による煙発生時で風向可変である風向変更板4が設けられ、風向変更板4の吹き出し口を通じてかご室内に空気が供給される。また、風向変更板4は回動板及び側板15からなり、回動板は回動するが、側板15はドア13の開閉方向に給気装置1からの空気を広げる役割を持った状態で位置が固定され回動しない。また風向変更板4は、かご室の天井7と空間をもって吊着された吊天井16の内部に設けられる。給気装置1を天井上に配置することで風向変更板4の長さが確保でき、風向変更板4の長さ方向の指向性をもった空気を風向変更板4からかご室内に給気することができる。なお、天井上でなく吊天井16と天井7との間に形成された空間に給気装置1を配置しても良い。これにより、吊天井16と天井7との間にできた空間を利用して給気装置を設けることができるため、天井上に給気装置1を設ける必要がなくスペースの有効活用が図れる。
また、吊天井16は、天井7に対して垂直に吊着された支持部と、支持部の下部に水平に架設された水平部8からなり、風向変更板4からの空気がかご室内に取り入れられるように風向変更板4の吹き出し口が変化できる限度においてかご室内に空気が給気できるように水平部に開口部が形成されている。さらに、風向変更板4は複数枚の板から成り、その一部である側板15は、給気装置1のドア13開閉方向の両端下部に設けられている。また、側板15は、戸袋18から入る空気を遮断できるように、側板15の先端の位置と戸袋18の位置がドア13の開閉方向において略等しくなるよう固定されており、エレベータの通常運転時と煙発生時で向きが変化することはない。
また、給気装置1の略真下であり、かご室の床17にはかご室と昇降路を連結するとともに空気を通すための排気口3が開いている。排気口3は排気装置2の方向に向かうほど穴が狭まるよう形成されている。排気口3の空気の吸い込み口は風向変更板4の吹き出し口と同様、ドア13開閉方向における給気装置1及び排気装置2の幅よりも広くなっている。また、排気口3の吸い込み口は、風向変更板4の先端が絞られた煙発生時の場合に比べて、ドア13開閉方向及びドア13の厚さ方向において幅広くなっている。そして、床17の下面には、排気口3と連結し、かご室内の空気を昇降路内に排気するための排気装置2がある。排気装置2も、排気口3と同様に給気装置1の略真下に位置し、かご室の出入り口に設けられているが、排気口3と連通していれば良く、給気装置1の略真下に設けられる必要は無い。排気装置2は、かご室内、特に排気口3の周辺にある空気を吸い込み、昇降路内へ排気する。
また、側板15は、ドア13の開閉方向において、ドア13付近のみならず戸袋18間付近まで空気を流すよう空気の流れを導くためのものであり、末広がりに位置を固定している。この側板15は、ドア13の中央境目の隙間だけでなく、戸袋18の隙間からかご室内に流れ込む煙をも遮断し、排気装置2に運ぶという役割をもつ。また、排気装置2は給気装置1から吹き出した空気及びその空気の勢いによって誘導された煙をかご室の外に排気する。
図2は、エレベータの通常運転時におけるかご室換気装置が設けられたかご室の断面図であり、図1に示したかご室のA−A断面図である。また、図3は、火災等による煙発生時におけるエレベータのかご室換気装置が設けられたかご室の断面図であり、図1に示したかご室のA−A断面図である。図2及び図3において、紙面左方がかご室の出入口側であり、5はエレベータの乗場を表す。
図2において、かご室内の出入り口付近の天井上に、給気装置1が設けられている。また、天井7との間に空間を形成する吊天井16内の空間内にはかご室の照明9及び風向変更板4が設置されている。吊天井16は、天井7に対して鉛直に吊着された支持部6と支持部の下部に水平に架設された水平部8からなり、照明9を覆っている。さらに、エレベータの通常運転時あるいは火災等による煙発生時において風向変更板4を通る空気をかご室内に給気できるようにかご室内の出入り口付近において水平部8の一部に開口部が形成されている。さらに、図2のエレベータの通常運転時において風向変更板4は、吊天井16内の空間を介してかご室内に空気を供給できるよう形成されており、給気装置1の下端設けられている。エレベータの通常運転時、風向変更板4に構成される回動板11及び回動板12において給気装置1に固定されていない他端は、ドア13の高さ方向において吊天井16の水平部8と略同じ高さに位置する。一方、給気装置1により昇降路内からかご室に取り入れた空気を再び昇降路内に排気するための排気装置2は、床下面のかご室出入り口付近、つまり給気装置1の略真下に設けられている。また、排気口3の入り口である吸込み口には、乗客が排気口に足を引っ掛けないための網目状の蓋が設けられている。図2はエレベータの通常運転時におけるかご室内の様子を示したものであり、回動板11、回動板12及び側板15(図示略)からなる風向変更板4はかご室の中央に向けて調整されている。
風向変更板4の一部である回動板11及び回動板12は、エレベータの通常運転時においては末広がりとなりかご室の中央方向に空気を送るよう、給気装置1内に設けられる風向変更モーター(図示略)で制御している。このとき、例えば、回動板11と回動板12が平行になるよう風向変更モーターで制御しても良いし、略真下方向に向く回動板11を固定し、回動板12についてエレベータの通常運転時にかご室の中央方向に向けるよう制御し、火災等による煙発生時には略真下方向よりややドア13のある方向に向けるよう制御してもよい。このように、風向変更板4の向き変更はエレベータの通常運転時と火災等による煙発生時で行う。
図3は、火災等による煙発生時におけるかご室内の様子を示したものであり、回動板11、回動板12及び側板15からなる風向変更板4は略真下である排気口3の存在する方向に向けて調整されている。この時、エレベータの通常運転時と異なり、回動板11及び回動板12は末広がりな状態になく、送風の指向性を高めるために風向変更板4の先端である吹き出し口を絞っている。また、回動板11は床17に対して略垂直に設けられ、回動板12は先端がややかご室の方に向いている。このとき、回動板11及び回動板12の給気装置1に固定されていない他端は、ドア13の高さ方向において吊天井16の水平部8よりやや低い位置となる。
次に、本実施の形態1におけるエレベータのかご室換気装置の動作について説明する。
図2における、建物内で火災等による煙が発生していないエレベータの通常運転時には、昇降路内の空気をかご室内に循環させるため風向変更板4を通じてかご室の中央に空気を送風し、かご室内の乗客に空気を送る。このとき、風向変更板4に一部構成される回動板11及び回動板12は末広がりの状態または、互いに平行状態を保つ。そして、図1において、回動板11及び回動板12の側面を覆う側板15の先端の位置と戸袋18の位置がドア13の開閉方向において略等しくなるように側板15は末広がりに固定される。
ここで、固定された位置を保持する側板15は、火災等による煙発生時において昇降路内の空気を回動板11と回動板12により図3に示す給気装置1の略真下方向に指向性をもって吹き出すときに有効に働く。もっとも、エレベータの通常運転時は、風向変更板4の先は煙発生時に比べて広がっているため、かご室内全体に弱い風圧の空気が風向変更板4から吹き出し、かご室内に蔓延する。そして、給気装置1の風向変更板4から送風された空気はかご室内を循環する。また、排気装置2がかご室内を循環する空気を吸い込む。給気装置1によって給気された空気とおよそ同量の空気を排気装置2で排気させることができ、かご室内の空気圧が高めることがないためかご室内の空気の換気性能が向上する。なお、排気装置2を停止させても構わない。また、ドア13の中央境目、戸袋18及び排気口3からは昇降路内の空気がかご室内に流入する。
一方、建物内で火災が発生すると、建物の火災検知器の火災検知に伴い、例えば昇降路の内壁に設けられる制御機に火災検知信号が送られる。そして、制御機から火災検知信号が各かご室の上面に設けられるかご上ステーション(図示略)に送信される。かご上ステーションは給気装置1、排気装置2、給気装置1内に設けられる風向変更モーター及び照明9等に用いられる電源の供給並びに給気装置1内に設けられる風向変更モーターへの信号出力を行う。かご上ステーションからの信号を受けた風向変更モーターは、風向変更板4の向きを通常運転時におけるかご室の中央方向から変化させ、風向変更板4から排気装置2までの風路を最短にするよう略真下方向に向ける。このとき、風向変更板4の先端の吹き出し口を絞ることで給気装置1から吹き出す空気の指向性を高める。つまり、通常運転時に比べ煙発生時には側板15は位置が固定されたままであるが、回動板11の先端と回動板12の先端との幅は狭くなるよう絞られているため、側板15、回動板11及び回動板12に囲まれた風向変更板4全体として、吹き出し口は絞られる。
建物内での火災時には、昇降路内に煙が充満することがある。それに従い、図3において、例えば、エレベータ作動中(ドア13閉時)でありかご室内に乗客が存在する場合に、昇降路内の煙がドア13の中央境目の隙間あるいは戸袋18の隙間からかご室内に煙が入ってくる可能性がある。煙がかご室内に流入したとき、ドア13付近に設置されている給気装置1から給気される空気が、風向変更板4の空気流通部分の長さや風向変更板4に構成される回動板11及び回動板12の向きの変更によって風向変更板4の長さ方向に指向性が高められている。また、回動板11の先端はおおよそかご室の床17方向を向き、回動板12の先端は床17方向よりもややドア13方向に向いているので、空気は略真下方向かつドア13に近い位置で略真下方向に勢いよく空気を吹き出すことができる。この時、給気装置1による空気の給気量は、通常運転時の給気量よりも多く、モーターの回転数を高める制御を行っている。さらに、風向変更板4の先端である吹き出し口を絞っているため指向性がより高くなっている。つまり、側板15は先端に向かうにつれて末広がりの状態のままであるが、回動板11及び回動板12の先端の間隔が狭まる。従って、ドア13に対してより近い位置で略真下方向に空気を送ることができるため、ドア13の中央境目あるいは戸袋18からかご室内に流入した煙がかご室内で広がる前に、風向変更板4からの空気の勢いで煙を昇降路内に排気することができる。
また、給気装置1からかご室内に給気される空気の大部分は、かご室の床17に向かって直線的に流れるが、図1に示すとおり側板15に沿って流れる空気は、ドア13開閉方向において袖壁10付近まで届くように流れる。
つまり、図1において側板15は、ドア13の中央境目だけでなく戸袋18から流入する煙をもかご室の奥に入り込まないよう遮断するためのものであり、側板15の先端の位置と戸袋18の位置がドア13の開閉方向において略等しくなるよう固定されている。そして、その空気はドア13の厚さ方向であるかご室の奥方向にほとんど広がることなく、風向変更板4の先端が向いている略真下方向にある排気口3から排気装置2に吸い込まれ、昇降路へと排気される。このとき、排気装置2へ通じる排気口3の吸い込み口は、風向変更板4の吹き出し口に比べてドア13の開閉方向及び厚さ方向にやや広がっているため、排気口3付近まで誘導されて排気口3の周辺に広がった煙をも出入り口付近で排気できる。従って、風向変更板4から送風された空気が略真下方向に進む途中で指向性を持たなくなった場合でも煙が排気口3付近まで誘導される。
また、昇降路内に煙が存在する場合には、給気装置1から煙をかご室内に給気してしまうことが考えられる。しかし、長さをもった風向変更板4から吹き出す空気は指向性の高い空気であるため、かご室内に充満することなく排気装置2によって排気される。そして、避難階もしくは最寄階へ到着すれば乗客はかご室から脱出できる。なお、上記において、給気装置1をかご室内の出入り口付近の天井7上に配置し、排気装置2を床17下に配置する構成を示したが、給気装置1と排気装置2の位置を逆にしても良い。昇降路内に存在する煙は通常上方に立ち上るため、床17下から昇降路内の空気を吸う方がかご室内に煙を給気する可能性が低いためである。また、ドア13の中央境目あるいは戸袋18からかご室に入り込む煙も天井7方向に上るため、床17から天井7方向に指向性をもった空気を流す方が煙をより排気しやすい。
なお、上記では、ドア13閉時として述べたが、ドア13開時であっても良い。また、かご室が乗場停止時であっても良く、その場合には、乗場から流入する煙を防止できる。
このように、給気装置1はエレベータの通常運転時においてはかご室内の換気を行う機能をもち、火災時においては、ドア13の中央境目あるいは戸袋18からの煙を防ぐ機能をもつ。また、排気装置2は、通常運転時においてはかご室内を循環する空気を吸い込む機能をもち、火災時等の煙発生時においては、ドア13の中央境目あるいは戸袋18からの煙を吸い込む機能をもつ。また、通常運転時には乗客が不快に感じないように微風し、煙発生時には空気を排気口3に到達させるために3、4倍程度必要となる。このとき、給気装置1の空気の給気量及び排気装置2の空気の排気量は通常運転時例えば1分あたり4.5mであるのに対し、煙発生時は例えば1分あたり16.8mである。排気装置2の空気の排気量は給気装置1の給気量と略同量であればよいが、給気装置1の給気量より多くてもよい。
建物の火災検知器が火災検知すると、火災検知を受けた制御機が、エレベータを避難階あるいは最寄階に停止させる制御を行う。エレベータはエレベータが最寄階又は予め定められた避難階に到着するとドア13を開き、乗客を降ろす。乗客を降ろした後は、エレベータの利用が停止になるとともにかご室の照明9、給気装置1、排気装置2が停止される。
図4と図5は、図3に示したエレベータのかご室換気装置の要部断面図と要部斜視図であり、通常運転時及び煙発生時における風向変更板4の向きを表したものである。昇降路内から取り入れた空気が、エレベータの通常運転時と建物内での火災時で一端を中心に回動する風向変更板4を介してかご室内に吹き出される。図5において、風向変更板4は例えば4枚の台形の形状をした板で構成される。その一部である2枚の側板15は、回動板11及び回動板12の両側面を覆うとともに互いに対向するように設けられ、給気装置1のドア13開閉方向の両端下部を覆うように側板15の一端が固定されている。なお、側板15は給気装置1に直接固定されてなくても良い。また、互いに対向する側板15の内側には回動板11と回動板12が、側板15同士の対向し合う方向と略垂直に対向する。回動板11と回動板12は同じ物を使用しても良い。
また、回動板11の上部一端には、図5に示すB方向に回動するための第1の歯車が取り付けられ一体化している。そして、第1の歯車は歯車の回転軸を中心に回転し、回動板11の長手方向に通る回転軸の一端が給気装置1の内壁に固定される。同様に、回動板12の上部一端にも、図5に示すB方向に回動するための第2の歯車が取り付けられ一体化しているが、第2の歯車の歯数は第1の歯車の歯数に比べて少なくなっている。また、第1の歯車と第2の歯車の間には、第3の歯車が存在し、第1の歯車及び第2の歯車と歯合している。つまり、第1、第2及び第3の歯車はかご室の奥方向において略同一直線上に配置され、第1、第2及び第3の歯車のそれぞれの回転軸はドア13開閉方向に延在する。また、給気装置1の内壁には風向変更板4を回動させるための風向変更モーター21が設けられ、第3の歯車の回転軸が風向変更モーター21に直結し、風向変更モーター21の回転により第3の歯車の回転軸が回転する。
かご室の上面に設置されるかご上ステーションから風向変更モーターに通電制御がされると、風向変更モーター21の回転に伴って第3の歯車が回転する。そして、第3の歯車の前後にある第1の歯車及び第2の歯車が回転する。ここで、第1の歯車の歯数が第2の歯車の歯数より多いため、第1の歯車の回転軸を中心に回動する回動板11は、第2の歯車の回転軸を中心に回動する回動板12よりも回動距離が少ない。また、回動板11及び回動板12はエレベータの通常運転時あるいは煙発生時において給気装置1のかご室の奥方向の両端下部を覆う。
そして、エレベータの通常運転時から煙発生時、あるいは煙発生時から通常運転時へ切替える時に、回動板11及び回動板12の側面は側板15同士が対向しあう面と摺るよう動く。なお、煙発生時において回動板11及び回動板12の側面が側板15同士が対向しあう面と摺動すれば良く、通常運転時には摺動せずに多少の隙間が生じても構わない。この時、風向変更モーターが支持する回動板11及び回動板12の上部一端を中心に回動板11及び回動板12がそれぞれ回動し、回動板11の回動距離よりも回動板12の回動距離のほうが長い。また、風向変更板4に構成される回動板11、回動板12及び側板15のうち、回動板11及び回動板12は通常運転時あるいは煙発生時によって向きが矢印Bに示す方向に変化するが、図1に示す2枚の側板15は固定式であり方向は変化しない。
以上のことより、かご室内の出入り口付近の天井7角部近傍に給気装置1を設け、かご室の出入り口付近の床下に排気装置2を設ける。また、給気装置1に長さをもった風向変更板4を設けるとともに先端の形状を絞り、空気をかご室の床17に対し略垂直に吹き出すよう風向変更板4の向きを変化させる。これにより、建物内で生じた火災等によりドア13の中央境目若しくは戸袋18からかご室内に入る、昇降路内の煙等をかご室内に広げることなく出入り口付近で排気装置によって排気することができる。従って、かご室内の煙の汚染を防止し乗客の安全性を確保することができる。
また、給気装置1に設けられた風向変更板4の向き及び給気量を変化させることによって通常運転時はかご室内の換気を行い、建物内での火災時等による煙発生時は煙の流入を防ぐため、給気装置1を2つの用途に使用することができる。従って、設備を有効に活用することができる。
さらに、通常運転時において、給気装置1と排気装置2を併用することで、給気装置1によってかご室内に送風された空気の給気量と略等しい量の空気の排気を排気装置2が行うため、換気性能が向上する。
また、風向変更板4が末広がりな形状となるよう側板15の位置を固定したため、ドア13の開閉方向において、袖壁10付近まで届くように流れる。従って、ドア13の戸袋18からかご室内に流入する煙の遮断を効果的にできる。
なお、上記には、給気装置1から出る空気を風向変更板4の一部である側板15によって末広がりな形状を形成し、吹き出し口がドア13の開閉方向において、ドア13の戸袋18付近まで広がっているが、給気装置1のドア13開閉方向の幅を広くし、側板15を床17に対し垂直な向きに配置させてもよい。つまり、ドア13開閉方向におけるドア13の幅より少し広い給気装置1を使用し、給気装置1の側面一端に、側板15を床17に対して垂直に固定する。
これにより、給気装置1からの空気が風向変更板4を通り、全ての量の空気が略真下方向に流れるため、空気の指向性が高まる。従って、ドア13の中央境目若しくは戸袋からかご室内に入る、昇降路内の煙等の排気効果を高めることができる。
また、ドア13のサイズが大きくなった場合には、図3に示す煙発生時に給気装置1からの空気を風向変更板4の先端の絞りによって指向性を高めても、ドア13の開閉方向において、戸袋18の位置まで煙を遮断するだけの強い空気を送れなくなる可能性が生じる。その場合には、かごの出入り口上面に、ドア13の開閉方向と平行に2個直列に接するよう給気装置1を配置しても良い。このとき、排気装置2も給気装置1と同様に2個直列に接するよう配置する。
また、上記に述べた換気装置の構成とは異なり、図6に示すような構成としても良い。図6は、エレベータの通常運転時あるいは煙発生時におけるエレベータのかご室換気装置の要部断面図であり、図1に示したかご室のA−A断面図に対応するものである。なお、上記で示した構成及び動作については適宜省略する。
図6において、かご室内の出入り口付近であり、天井7の下部には給気装置1が取り付けられており、給気装置1に昇降路内の空気が届くように給気装置1の上部に開口部が形成されている。また、給気装置1からドア13の厚さ方向であるかご室の奥方向の天井には照明9が設けられている。
風向変更板4は回動板20、側板15、回転軸19及び風向変更モーター21からなる。給気装置1のドア13開閉方向の両端下部には側板15が固定されており、側板15の間にはドア13開閉方向に延びるとともに回転する回転軸19が設けられている。また、回動板20は、側板15に挟まれるとともに回転軸19を中心に回動し、回転軸19の軸方向と略垂直な方向に長さをもっている。さらに、給気装置1からの風向きを変更する板20の回転軸19の軸方向の一端には、かご上ステーションから通電制御される風向変更モーター21が接続されており、エレベータの通常運転時と煙発生時で回動板20の向きを変化させる。また、風向変更モーター21は互いに対向する側板15の外側一方に固定され、風向変更モーター21の回転軸19は固定される側板15を貫通する。また、回転軸19方向における回動板20の両端面は側板15に覆われている。煙発生時には、側板15は先端に向かうにつれ末広がりとなった状態のままであるが、回動板20の先端がドア13方向を向き、回動板20とドア13の上部の壁により通常運転時に比べて風向変更板4の吹き出し口が絞られる。これに伴い通常運転時には、風向変更モーター21に支持される一端は、給気装置1においてドア13に近い側の下端部を覆い、煙発生時には、ドア13に遠い側の下端部を覆う。もっとも、通常運転時には、風向変更モーター21に支持される一端は、給気装置1においてドア13に近い側の下端部を必ずしも覆う必要はない。また、他端は通常運転時、かご室の中央方向に向けられ、煙発生時はドア13の方向に向けられる。
このような構成にしたことにより、通常運転時は、かご室の中央方向に昇降路内の新鮮な空気を取り入れることができ、他方、煙発生時にはかご室出入り口の壁と回動板20との間で指向性をもった空気を排気口3のある方向に吹き出すことができる。これにより、建物内で生じた火災等の影響によりかご室の出入り口からかご室内に入る煙をかご室内に広げることなく出入り口付近で排気装置によって排気することによって、かご室内の煙の汚染を防止し乗客の安全性を確保することができる。さらに、通常運転時と煙発生時で風向を切り替えるための回動板20を1枚構成としたため、装置の簡略化が図れるとともにコスト削減を図ることができる。
1 給気装置
2 排気装置
3 排気口
4 風向変更板
5 乗場
6 支持部
7 天井
8 水平部
9 照明
10 袖壁
11 回動板
12 回動板
13 ドア
14 ドア装置
15 側板
16 吊天井
17 床
18 戸袋
19 回転軸
20 回動板
21 風向変更モーター

Claims (7)

  1. エレベータのかご室内の出入り口付近、かつ天井角部近傍に配設されるとともに前記エレベータの昇降路内の空気を前記かご室内に吹き出す給気装置と、
    前記かご室の出入り口付近の床に設けられ、前記昇降路内と連通し前記かご室内の空気が通る排気口と、
    前記かご室内の床下に配設されるとともに前記排気口と連結し、前記給気装置から前記かご室内に吹き出した空気を前記かご室の外部に排気する排気装置と、
    前記給気装置の下部に設けられるとともに前記給気装置から吹き出す空気を前記かご室の中央方向あるいは前記排気口の方向に変化させる風向変更板と、
    を備えたことを特徴とするエレベータのかご室換気装置。
  2. エレベータの通常運転時には前記風向変更板を前記かご室の中央方向に向け、前記エレベータが設けられた建物内での火災等による煙発生時には前記風向変更板を前記排気口の方向に向けるとともに前記風向変更板の吹き出し口を前記通常運転時に対して絞るよう、前記給気装置に設けられたモーターにより制御することを特徴とする請求項1に記載のエレベータのかご室換気装置。
  3. 前記風向変更板は、
    ドア開閉方向に互いに対向し、一端が前記給気装置のドア開閉方向の両端下部に設けられ、固定された位置を保持する側板と、
    ドア厚さ方向における端面が前記側板に覆われる回動板と、
    を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のエレベータのかご室換気装置。
  4. 前記側板の他端はドア開閉方向において、ドアの戸袋付近に位置することを特徴とする請求項3に記載のエレベータのかご室換気装置。
  5. 前記風向変更板に構成される回動板は1枚又は2枚からなることを特徴とする請求項3又は4に記載のエレベータのかご室換気装置。
  6. 前記回動板が1枚の場合には、前記煙発生時に前記風向変更板の吹き出し口を前記側板と前記回動板と壁で絞り、前記回動板が2枚の場合には、前記煙発生時に前記風向変更板の吹き出し口を前記側板と前記回動板で絞ることを特徴とする請求項5に記載のエレベータのかご室換気装置。
  7. 前記煙発生時は前記通常運転時に対して前記給気装置の風量を多くすることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のエレベータのかご室換気装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103332561A (zh) * 2013-07-03 2013-10-02 日立电梯(上海)有限公司 轿厢通风孔结构
CN105800426A (zh) * 2016-04-08 2016-07-27 波士顿电梯(湖州)有限公司 一种新型电梯
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