JP2012051322A - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】インクが無駄に消費されることを抑えるとともにインク流路を清浄化して高品質な印字を記録することが可能な液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供する。
【解決手段】液体を収容する圧力室24と、圧力室に連通して液体を噴射するノズル21と、圧力室24に連通する攪拌室70に配置されるとともに外部からの力により移動する移動部材60と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関するものである。
従来、液体噴射装置の一種としてインクジェット式プリンター(以下、「プリンター」という)がある。このプリンターは、キャリッジに搭載された液体噴射ヘッド(以下、「ヘッド」という)の複数のノズルからプラテン上に配置された記録媒体にインク(液体)を噴射することで印刷を行っている。
このようなプリンターにあっては、ノズルにおける紙粉及びゴミ等の異物の付着、非吐出ノズルにおけるノズル開口からのインク溶媒の蒸発に起因するインク粘度の上昇や、インクの固化、塵埃の付着、さらには気泡の混入などによりノズル開口に目詰まりを発生し、印刷不良を起こすという問題がある。
このような問題点を解決するための技術が検討されており、例えば、特許文献1では、キャップでヘッドを覆った状態(キャッピング状態)でヘッドを搭載したキャリッジを振動させている。これにより、ヘッドのインク流路の壁面に付着した泡を引き離して吸引除去している。
特開2002−211008号公報
特許文献1の技術にあっては、キャリッジの振動を吸引と同時に行うことによってインクの吸引に要する時間を短縮してヘッドのノズルやインク流路の清浄化を図ることができると考えられる。
しかしながら、特許文献1では、真空吸引を用いているため、吸引されたインクはそのまま廃棄されるため資源を無駄に費やすことになる。特に、少数の異常ノズルの復旧のために多数のノズルからインクが吸引される場合は、印字に使用されるべきインクが無駄に消費されることになる。
また、ヘッドの圧力室内に気泡がつまると真空吸引では気泡を外部に排出することが困難となり、空気だまりによるノズル抜けを抑制するにも限界がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、インクが無駄に消費されることを抑えるとともにインク流路を清浄化して高品質な印字を記録することが可能な液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の液体噴射ヘッドは、液体を収容する圧力室と、前記圧力室に連通して前記液体を噴射するノズルと、前記圧力室に連通する攪拌室に配置されるとともに外部からの力により移動する移動部材と、を備えることを特徴とする。
この液体噴射ヘッドによれば、圧力室に連通する攪拌室に配置された移動部材が外部からの力により移動するので、攪拌室に収容された液体を揺動することができる。これにより、攪拌室と圧力室との間、さらには圧力室とノズルとの間の流路における液体を循環させることができる。つまり、圧力室に収容された液体が攪拌されることとなる。このため、圧力室内に気泡が滞留することを抑え、空気だまりによるノズル抜けを抑制することができる。また、特許文献1のように、真空吸引を利用する構成とはなっておらず、吸引された液体(インク)が無駄に廃棄されることがない。したがって、インクが無駄に消費されることを抑えるとともに液体の流路(インク流路)を清浄化して高品質な印字を記録することが可能な液体噴射ヘッドが提供できる。
また、上記液体噴射ヘッドにおいて、前記外部からの力は、当該液体噴射ヘッドの移動に伴う慣性力であってもよい。
この液体噴射ヘッドによれば、圧力室に連通する攪拌室に配置された移動部材が液体噴射ヘッドの移動に伴う慣性力により移動するので、攪拌室に収容された液体を揺動することができる。例えば、液体噴射ヘッドが一定以上加減速したときに攪拌室に収容された液体が揺動されることとなる。したがって、液体噴射ヘッドを走査移動する動作シーケンスを作成することにより、インクが無駄に消費されることを抑制するとともに高品質な印字を記録することが可能となる。
また、上記液体噴射ヘッドにおいて、前記移動部材は、前記圧力室と前記攪拌室との間の流路を開閉する弁であってもよい。
この液体噴射ヘッドによれば、弁の開閉によって圧力室と攪拌室との間の流路が開閉される。例えば、液体噴射ヘッドが停止状態のときは弁が圧力室と攪拌室との間の流路を閉塞し、液体噴射ヘッドが一定以上加減速したときは弁が圧力室と攪拌室との間の流路が開放することとなる。これにより、攪拌室と圧力室との間、さらには圧力室とノズルとの間の流路における液体を循環させて圧力室に収容された液体を攪拌することができる。このため、移動部材として弁を用いることによっても、インクが無駄に消費されることを抑制するとともに高品質な印字を記録することが可能となる。
また、上記液体噴射ヘッドにおいて、前記移動部材は、球体であってもよい。
この液体噴射ヘッドによれば、球体の転がりによって攪拌室に収容された液体が揺動される。例えば、液体噴射ヘッドが停止状態のときは球体も停止したままとなり攪拌室に収容された液体が揺動されず、液体噴射ヘッドが一定以上加減速したときは球体が転がり攪拌室に収容された液体が揺動されることとなる。これにより、攪拌室と圧力室との間、さらには圧力室とノズルとの間の流路における液体を循環させて圧力室に収容された液体を攪拌することができる。このため、移動部材として球体を用いることによっても、インクが無駄に消費されることを抑制するとともに高品質な印字を記録することが可能となる。
また、上記液体噴射ヘッドにおいて、前記外部からの力は磁気力であり、前記移動部材は磁性体からなっていてもよい。
この液体噴射ヘッドによれば、圧力室に連通する攪拌室に配置された移動部材(磁性体)が外部からの磁気力により移動するので、攪拌室に収容された液体を揺動することができる。例えば、液体噴射ヘッドは、磁気力が発せられる領域(磁気力発生領域)に近接したときに攪拌室に収容された液体が揺動されることとなる。このため、液体噴射ヘッドを走査移動する走査領域に近接する位置に磁気力発生領域を設けることにより、インクが無駄に消費されることを抑制するとともに高品質な印字を記録することが可能となる。
また、上記液体噴射ヘッドにおいて、前記磁気力は、前記ノズルから前記液体が噴射されない非液体噴射領域において発せられてもよい。
この液体噴射ヘッドによれば、液体噴射ヘッドが走査移動中に磁気力により移動部材から影響を受けたとしても、その場所が非液体噴射領域となる。このため、液体噴射ヘッドが移動部材から受ける影響がノズルからの液体の噴射に影響することはない。つまり、液体噴射ヘッドは磁気力が発せられる領域(磁気力発生領域)と磁気力が発せられない領域(非磁気力発生領域)とで移動速度にバラツキが生じたとしても、それがノズルからの液体の噴射に影響し画像品位を低下させることはない。
また、上記液体噴射ヘッドにおいて、前記圧力室に連通するとともに前記液体を供給するリザーバーが設けられており、前記攪拌室は前記リザーバーに連通していてもよい。
この液体噴射ヘッドによれば、攪拌室と圧力室との間、圧力室とノズルとの間に加えて、さらに圧力室とリザーバーとの間の流路における液体をも循環させることができる。このため、リザーバーに収容された液体を攪拌することができる。したがって、リザーバー内に気泡が滞留することを抑え、空気だまりによるノズル抜けを抑制することができる。
また、上記液体噴射ヘッドにおいて、前記攪拌室は一方向に長手を有して形成されており、前記移動部材の移動方向は前記攪拌室の長手方向と同じになっていてもよい。
この液体噴射ヘッドによれば、移動部材の移動方向が攪拌室の短手方向と同じになっている場合に比べて、移動部材の移動距離が長くなる。したがって、攪拌室に収容された液体を確実に揺動することができる。
本発明の液体噴射装置は、上述した液体噴射ヘッドを備えていることを特徴とする。
この液体噴射装置によれば、上述した液体噴射ヘッドを備えているので、インクが無駄に消費されることを抑えるとともにインク流路を清浄化して高品質な印字を記録することが可能な液体噴射装置が提供できる。
第1実施形態に係る液体噴射装置の概略構成を示す斜視図である。 液体噴射ヘッドのノズル形成面におけるノズル配列状態を示す図である。 第1実施形態に係る液体噴射ヘッドの内部構成を示す部分断面図である。 第1実施形態における移動部材の配置状態を示す平面図である。 第1実施形態における移動部材の移動状態を示す図である。 第2実施形態に係る液体噴射ヘッドの内部構成を示す部分断面図である。 第3実施形態に係る液体噴射ヘッドの内部構成を示す部分断面図である。 第3実施形態における移動部材の配置状態を示す平面図である。 第4実施形態における移動部材の配置状態を示す平面図である。 第5実施形態における移動部材の配置状態を示す平面図である。 第5実施形態における磁気力発生領域を示す平面図である。 第5実施形態における移動部材の移動状態を示す図である。 第6実施形態における移動部材の配置状態を示す平面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。かかる実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等が異なっている。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る液体噴射装置の概略構成を示す斜視図である。以下、液体噴射装置としてシリアル型のインクジェット式プリンターを例に挙げて説明する。
液体噴射装置1は、プラテン50に支持された記録用紙Pにインク(液体)を噴射することで記録用紙Pに所定の情報や画像を印字する記録処理を行うものである。この液体噴射装置1は、液体噴射ヘッド10と、液体噴射ヘッド10を搭載して走査移動するキャリッジ40と、を備えて構成されている。
以下、図1に示したXYZ直交座標系に基づいて説明する。このXYZ直交座標系において、X方向及びY方向がプラテン50の面方向と平行となっており、Z方向がプラテン50の面方向と直交している。実際には、XY平面が水平面に平行な面に設定されており、Z方向が鉛直上方向に設定されている。ここでは、記録用紙Pの搬送方向がY方向、液体噴射ヘッド10の走査方向がX方向に設定されている。
図1に示すように、液体噴射装置1は、平面視矩形状をなすフレーム42を備えている。このフレーム42内には、プラテン50が架設されている。このプラテン50は、記録用紙Pを吸引する複数の吸引孔を備えている。記録用紙Pは複数の吸引孔に作用する吸引力によってプラテン50の上面に保持される。これにより、記録用紙Pのコックリングやカールが抑えられる。
また、プラテン50上には、フレーム42の背面に設けられた紙送りモーター44を有する紙送り機構により記録用紙Pが+Y方向側から給送される。これにより、記録用紙PがY方向に延びる搬送路に沿って搬送されるようになっている。また、フレーム42内におけるプラテン50の上方には、プラテン50の長手方向(X方向)と平行な棒状のガイド部材45が架設されている。
ガイド部材45には、キャリッジ40がガイド部材45の長手方向(X方向)に沿って往復移動可能に支持されている。キャリッジ40は、フレーム42内の後面に設けられた一対のプーリ47a間に張設されたタイミングベルト47を介してフレーム42の背面に設けられたキャリッジモーター48に連結されている。キャリッジ40は、キャリッジモーター48の駆動によりガイド部材45に沿って往復移動される。
キャリッジ40の下面には、液体噴射ヘッド10が設けられている。液体噴射ヘッド10の下面は、複数のノズル21が形成されたノズル形成面11Aとなっている(図2参照)。キャリッジ40における液体噴射ヘッド10の上側には、インクカートリッジ41が着脱可能に搭載されている。このインクカートリッジ41内には、インクがそれぞれ液体噴射ヘッド10に供給可能に収容されている。
また、フレーム42内の右端部(+X方向端部)に位置する非液体噴射領域には、非印刷時に液体噴射ヘッド10のメンテナンス(例えば、クリーニングやフラッシング等)を行うためのメンテナンスユニット52が設けられている。メンテナンスユニット52は、液体噴射ヘッド10のノズル形成面11Aを封止可能な上側(+Z方向側)が開口したキャップ53を備えている。
ところで、従来の液体噴射ヘッドにおいては、ノズルにおける紙粉及びゴミ等の異物の付着、非吐出ノズルにおけるノズル開口からのインク溶媒の蒸発に起因するインク粘度の上昇や、インクの固化、塵埃の付着、さらには気泡の混入などによりノズル開口に目詰まりを発生し、印刷不良を起こすという問題があった。
そこで、本発明に係る液体噴射ヘッド10では、インクを収容する圧力室に連通する攪拌室に外部からの力により移動する移動部材を配置することによって、インクが無駄に消費されることを抑えるとともにインク流路を清浄化して高品質な印字を記録することを可能にしている。以下、図2〜図5を用いて液体噴射ヘッド10の構成について説明する。
図2は、第1実施形態に係る液体噴射ヘッド10のノズル形成面11Aにおけるノズル21の配列状態を示す図である。図3は、液体噴射ヘッド10の内部構成を示す部分断面図である。図4は、第1実施形態における移動部材60の配置状態を示す平面図である。図5は、移動部材60の移動状態を示す図である。なお、図4においては、便宜上、複数のノズル列31のうちノズル列31Y、31Mを図示しその他のノズル列31C、31K1、31K2を省略している。
図2に示すように、ノズル21はノズル形成面11Aにおいて記録用紙Pの搬送方向(Y方向)に沿って複数設けられ、ノズル列31を形成している。このノズル列31は、液体噴射ヘッド10の走査方向(X方向)に沿って計5列設けられている。ノズル列31Y、31M、31C、31K1、31K2は、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K1)、顔料ブラック(K2)の各色に応じたインクを噴射する構成となっている。なお、液体噴射ヘッド10どうしをノズル21間のピッチの半分だけ左右方向にずらして配置してもよい。これにより、記録用紙Pに対して印字する解像度を向上させることができる。
図3に示すように、液体噴射ヘッド10は、インクを収容する圧力室24と、圧力室24に連通してインクを噴射するノズル21と、圧力室24に連通する攪拌室70に配置されるとともに外部からの力により移動する移動部材60と、備えている。
また、液体噴射ヘッド10は、圧力室24を含む個別インク流路30が形成された流路ユニット20と、この流路ユニット20の上面に配置されて圧力室24内のインクに圧力を付与する圧電素子16と、を備えている。なお、本実施形態にかかる液体噴射ヘッド10は、圧電素子16が横になって振動板15に貼り付けられたMLChips(Multi Layer Ceramic with Hyper Integrated Piezo Segment)タイプである。
流路ユニット20は、振動板15と、圧力室プレート(キャビティプレート)14と、第2連通プレート(ベースプレート)13と、第1連通プレート(マニホールドプレート)12と、ノズルプレート11と、を備えている。そして、これら5枚のプレート11〜15が前記した順に積層状態で接合されている。これらのうち、圧力室プレート14、第2連通プレート13及び第1連通プレート12は、例えば、シリコンカーバイドによって形成されている。
振動板15は、平面視矩形状の金属材料からなる板である。振動板の形成材料としては、例えば、ステンレス鋼等の鉄系合金、銅系合金、ニッケル系合金、あるいは、チタン系合金を用いることができる。この振動板15は、圧力室プレート14の上面に圧力室24を覆う位置に設けられている。また、振動板15には、インクを流路ユニット20に供給するインク供給口27が形成されている(図4参照)。また、振動板15は導電性を有しており、この振動板15と後述する個別電極16bとの間に挟まれた圧電層16aに電界を作用させる共通電極を兼ねている。
圧力室プレート14は、振動板15と第2連通プレート13との間に配置されている。この圧力室プレート14には、インクを収容する複数の圧力室24が形成されている。圧力室24は、リザーバー22からインクが供給されるインク流入口24aと、ノズル21向けてインクを供給するインク流出口24bとを有している。
第2連通プレート13は、圧力室プレート14と第1連通プレート12との間に配置されている。この第2連通プレート13には、平面視で圧力室24のインク流入口24aと重なる位置に連通孔23が形成されている。一方、第2連通プレート13の平面視で圧力室24のインク流出口24bと重なる位置に連通孔25が形成されている。つまり、連通孔23はインク流入口24aを介して圧力室24に連通し、連通孔25はインク流出口24bを介して圧力室24に連通している。
第1連通プレート12は、第2連通プレート13とノズルプレート11との間に配置されている。この第1連通プレート12には、複数の圧力室24にインクを供給するリザーバー22が形成されている。リザーバー22には、振動板15に形成されたインク供給口27が接続されており、インクカートリッジ41(図1参照)からインク供給口27を介してインクが供給される。また、この第1連通プレート12には、第2連通プレート13の連通孔25とノズルプレート11のノズル21とを連通させる連通孔26が形成されている。
ノズルプレート11は、第1連通プレート12よりも外側(−Z方向側)に配置されている。このノズルプレート11には、平面視で連通孔26と重なる位置にノズル21が形成されている。また、ノズルプレート11は、ポリイミド等の高分子合成樹脂材料によって形成された有機膜からなっている。ここで、ノズルプレート11にノズル21を形成する方法としては、有機膜に例えばエキシマレーザー加工を施すことにより行われる。
圧電素子16は、振動板15の上面に形成されており、圧電層16aと、この圧電層16aの上面に複数の圧力室24に対応して形成された複数の個別電極16bとを備えている。圧電層16aは、例えば、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との固溶体であり強誘電体であるチタンジルコン酸鉛(PZT)を主成分とするものからなる。また、個別電極16bは、例えば、金、銅、銀、パラジウム、白金、あるいは、チタン等の導電性材料からなる。この個別電極16bには、不図示のドライバICと電気的に接続された配線部が接続されている。これにより、ドライバICから配線部を介して個別電極16bに駆動電圧が供給されるようになっている。
このように、流路ユニット20内には、リザーバー22から連通孔23、圧力室24、連通孔25、連通孔26を経て、ノズル21に至る個別インク流路30が形成されている。つまり、流路ユニット20は、圧電素子16により各圧力室24内のインクに圧力が付与されたときに、この圧力室24に連通するノズル21からインク滴を噴射することができるように構成されている。
図4に示すように、移動部材60は、圧力室24に連通する攪拌室70に配置されている。この攪拌室70は、一方向(ここではY方向)に長手を有して形成されている。また、複数の移動部材60は、各圧力室24に対応する位置に配置されている。この移動部材60は、液体噴射ヘッド10の移動に伴う慣性力により移動するようになっている。これにより、攪拌室70に収容されたインクを揺動することができる。例えば、液体噴射ヘッド10が一定以上加減速したときに攪拌室70に収容されたインクが揺動されることとなる。これにより、攪拌室70と圧力室24との間、さらには圧力室24とノズル21との間の流路におけるインクを循環させることができる。
また、圧力室24に連通するとともにインクを供給するリザーバー22が設けられており、攪拌室70はリザーバー22に連通している。このため、攪拌室70と圧力室24との間、圧力室24とノズル21との間に加えて、さらに圧力室24とリザーバー22との間の流路におけるインクをも循環させることができる。このためリザーバー22に収容されたインクを攪拌することができる。
図5に示すように、本実施形態にかかる移動部材60は、圧力室24と攪拌室70との間の流路を開閉する弁である。具体的には、移動部材60は平面視矩形となっている。また、移動部材60の下部は側面視扇形となっている(図3参照)。移動部材60の上端部には移動部材60の回動中心となる貫通孔(図示略)が形成されており、支持軸61がこの貫通孔を介して第2連通プレート13の凸部13aに取り付けられている。これにより、移動部材60は、液体噴射ヘッド10の移動に伴う慣性力に従って、回動中心軸(支持軸61の中心軸)を基準に回動するようになっている。なお、移動部材60は、停止状態において、攪拌室70に近接する断面視凸状の第1連通プレート12(図3参照)に当接している。言い換えると、移動部材60は、第1連通プレート12よりも攪拌室70の側(−X方向側)に移動しないようになっている。
ここで、液体噴射ヘッド10が走査移動される場合の移動部材60の移動のようすについて説明する。先ず、液体噴射ヘッド10が一定以上加減速しない場合(例えば、停止しているとき)を考える。この場合、移動部材60は停止した状態となっている。つまり、圧力室24と攪拌室70との間は移動部材60によって閉塞されることとなる。このため、攪拌室70と圧力室24との間(圧力室24とノズル21との間、圧力室24とリザーバー22との間)の流路におけるインクは循環しない。
次に、液体噴射ヘッド10が一定以上加速する場合(例えば、停止している状態から+X方向に急加速するとき)を考える。この場合、移動部材60(例えばノズル列31Yにおける移動部材)はその慣性のため、液体噴射ヘッド10が急加速しても停止している状態を続けようとして停止位置よりも−X方向に移動する。つまり、移動部材60は回動中心軸を基準に左回りに回動することとなる。このため、攪拌室70と圧力室24との間(さらに圧力室24とノズル21との間、圧力室24とリザーバー22との間)の流路におけるインクを循環させることができる。
次に、液体噴射ヘッド10が一定以上減速する場合(例えば、+X方向に等速移動している状態から−X方向に急減速するとき)を考える。この場合、移動部材60(例えばノズル列31Mにおける移動部材)はその慣性のため、液体噴射ヘッド10が急減速しても等速移動している状態を続けようとして停止位置よりも+X方向に移動する。つまり、移動部材60は回動中心軸を基準に左回りに回動した状態から右回りに回動することとなる。このため、攪拌室70と圧力室24との間(さらに圧力室24とノズル21との間、圧力室24とリザーバー22との間)の流路におけるインクを循環させることができる。
このように、液体噴射ヘッド10を停止させた状態、急加速させた状態及び急減速させた状態など、液体噴射ヘッド10を走査移動する動作シーケンスを作成することにより、攪拌室70と圧力室24との間(さらに圧力室24とノズル21との間、圧力室24とリザーバー22との間)のインクを必要に応じて適宜循環させることが可能となる。
本実施形態に係る液体噴射ヘッド10によれば、圧力室24に連通する攪拌室70に配置された移動部材60が外部からの力により移動するので、攪拌室70に収容されたインクを揺動することができる。これにより、攪拌室70と圧力室24との間、さらには圧力室24とノズル21との間の流路におけるインクを循環させることができる。つまり、圧力室24に収容されたインクが攪拌されることとなる。このため、圧力室24内に気泡が滞留することを抑え、空気だまりによるノズル抜けを抑制することができる。また、特許文献1のように、真空吸引を利用する構成とはなっておらず、吸引されたインクが無駄に廃棄されることがない。したがって、インクが無駄に消費されることを抑えるとともにインク流路を清浄化して高品質な印字を記録することが可能な液体噴射ヘッド10が提供できる。
また、この構成によれば、移動部材60が液体噴射ヘッド10の移動に伴う慣性力により移動するので、攪拌室70に収容されたインクを揺動することができる。例えば、液体噴射ヘッド10が一定以上加減速したときに攪拌室70に収容されたインクが揺動されることとなる。したがって、液体噴射ヘッド10を走査移動する動作シーケンスを作成することにより、インクが無駄に消費されることを抑制するとともに高品質な印字を記録することが可能となる。
また、この構成によれば、移動部材60は圧力室24と攪拌室70との間の流路を開閉する弁である。このため、弁の開閉によって圧力室24と攪拌室70との間の流路が開閉される。例えば、液体噴射ヘッド10が停止状態のときは弁が圧力室24と攪拌室70との間の流路を閉塞し、液体噴射ヘッド10が一定以上加減速したときは弁が圧力室24と攪拌室70との間の流路が開放することとなる。これにより、攪拌室70と圧力室24との間、さらには圧力室24とノズル21との間の流路におけるインクを循環させて圧力室24に収容されたインクを攪拌することができる。このため、移動部材60として弁を用いることによっても、インクが無駄に消費されることを抑制するとともに高品質な印字を記録することが可能となる。
また、この構成によれば、攪拌室70がリザーバー22に連通しているので、攪拌室70と圧力室24との間、圧力室24とノズル21との間に加えて、さらに圧力室24とリザーバー22との間の流路におけるインクをも循環させることができる。このためリザーバー22に収容されたインクを攪拌することができる。したがって、リザーバー22内に気泡が滞留することを抑え、空気だまりによるノズル抜けを抑制することができる。
本実施形態に係る液体噴射装置1によれば、上述した液体噴射ヘッド10を備えているので、インクが無駄に消費されることを抑えるとともにインク流路を清浄化して高品質な印字を記録することが可能な液体噴射装置1が提供できる。
なお、本実施形態では、移動部材が圧力室と攪拌室との間の流路を開閉する弁である場合を例に挙げて説明したが、これに限らない。以下、本実施形態とは異なる移動部材を備える液体噴射ヘッドについて図6を用いて説明する。
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態に係る液体噴射ヘッド110の内部構成を示す部分断面図である。なお、図6は図3に対応する液体噴射ヘッド110の内部構成を示す図である。本実施形態に係る液体噴射ヘッド110は、移動部材160が振り子である点で第1実施形態における移動部材60と異なる。図6において、図3と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図6に示すように、液体噴射ヘッド110は、インクを収容する圧力室24と、圧力室24に連通してインクを噴射するノズル21と、圧力室24に連通する攪拌室70に配置されるとともに外部からの力により移動する移動部材160と、備えている。移動部材160は、圧力室24に連通する攪拌室170に配置されている。
移動部材160は、例えば可撓性を有する糸状部材と振り子161とからなるものである。糸状部材は、その一端が第2連通プレート13に取り付けられており、他端が振り子161に取り付けられている。これにより、移動部材160は、液体噴射ヘッド110の移動に伴う慣性力に従って、糸状部材の一端を基準に振り子161が揺動するようになっている。
なお、本実施形態では、移動部材が振り子である場合を例に挙げて説明したが、これに限らない。以下、本実施形態とは異なる移動部材を備える液体噴射ヘッドについて図7及び図8を用いて説明する。
(第3実施形態)
図7は、第3実施形態に係る液体噴射ヘッド210の内部構成を示す部分断面図である。図8は、第3実施形態における移動部材260の配置状態を示す平面図である。なお、図7は図3に対応する液体噴射ヘッド210の内部構成を示す図である。また、図8は図4に対応する移動部材260の配置状態を示す図である。また、図8においては、便宜上、複数のノズル列31のうちノズル列31Y、31Mを図示しその他のノズル列31C、31K1、31K2を省略している。本実施形態に係る液体噴射ヘッド210は、移動部材260が球体である点で第1実施形態における移動部材60と異なる。図7及び図8において、図3及び図4と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図7及び図8に示すように、液体噴射ヘッド210は、インクを収容する圧力室24と、圧力室24に連通してインクを噴射するノズル21と、圧力室24に連通する攪拌室270に配置されるとともに外部からの力により移動する移動部材260と、備えている。
図8に示すように、移動部材260は、圧力室24に連通する攪拌室270に配置されている。圧力室24と攪拌室270との間には仕切り部272が設けられている。攪拌室270は、第1連通プレート12と仕切り部272に仕切られた領域に形成されている。この攪拌室270は、一方向(ここではX方向)に長手を有して形成されている。このため、移動部材260の移動方向が攪拌室270の短手方向と同じになっている場合に比べて、移動部材260の移動距離が長くなる。
また、移動部材260は、各ノズル列31Y、31Mに対応する複数の圧力室24につき2つずつ(例えばノズル列が5列の場合、移動部材160は10つ)配置されている。この移動部材260は、液体噴射ヘッド210の移動に伴う慣性力により移動するようになっている。これにより、攪拌室270に収容されたインクを揺動することができる。例えば、液体噴射ヘッド210が一定以上加減速したときに攪拌室270に収容されたインクが揺動されることとなる。これにより、攪拌室270と圧力室24との間、さらには圧力室24とノズル21との間の流路におけるインクを循環させることができる。
また、本実施形態にかかる移動部材260は、球体である。この移動部材260は、仕切り部272を乗り越えないように攪拌室270に収容されている。具体的には、移動部材260のサイズは、仕切り部272と第1連通プレート12との間の隙間(圧力室24と攪拌室270との間の流路)よりも大きくなっている。これにより、移動部材260は、液体噴射ヘッド210の移動に伴う慣性力に従って、攪拌室270の長手方向(X方向)に沿って転がるようになっている。また、移動部材260のサイズは仕切り部272と第1連通プレート12との間の隙間よりも大きいので、圧力室24を塞いでしまうことはない。
ここで、液体噴射ヘッド210が走査移動される場合の移動部材260の移動のようすについて説明する。先ず、液体噴射ヘッド210が一定以上加減速しない場合(例えば、停止しているとき)を考える。この場合、移動部材260は停止した状態となっている。つまり、攪拌室270に収容されたインクは揺動されない。このため、攪拌室270と圧力室24との間(圧力室24とノズル21との間、圧力室24とリザーバー22との間)の流路におけるインクは循環しない。
次に、液体噴射ヘッド210が一定以上加速する場合(例えば、停止している状態から+X方向に急加速するとき)を考える。この場合、移動部材260はその慣性のため、液体噴射ヘッド210が急加速しても停止している状態を続けようとして停止位置よりも−X方向に移動する。つまり、移動部材260は攪拌室270の長手方向に沿って−X方向に転がることとなる。このため、攪拌室270と圧力室24との間(さらに圧力室24とノズル21との間、圧力室24とリザーバー22との間)の流路におけるインクを循環させることができる。
次に、液体噴射ヘッド210が一定以上減速する場合(例えば、+X方向に等速移動している状態から−X方向に急減速するとき)を考える。この場合、移動部材260はその慣性のため、液体噴射ヘッド210が急減速しても等速移動している状態を続けようとして停止位置よりも+X方向に移動する。つまり、移動部材260は攪拌室270の長手方向に沿って+X方向に転がることとなる。このため、攪拌室270と圧力室24との間(さらに圧力室24とノズル21との間、圧力室24とリザーバー22との間)の流路におけるインクを循環させることができる。
このように、液体噴射ヘッド210を停止させた状態、急加速させた状態及び急減速させた状態など、液体噴射ヘッド210を走査移動する動作シーケンスを作成することにより、攪拌室270と圧力室24との間(さらに圧力室24とノズル21との間、圧力室24とリザーバー22との間)のインクを必要に応じて適宜循環させることが可能となる。
本実施形態に係る液体噴射ヘッド210によれば、移動部材260は球体であるため、この球体の転がりによって攪拌室270に収容されたインクが揺動される。例えば、液体噴射ヘッド210が停止状態のときは球体も停止したままとなり攪拌室270に収容されたインクが揺動されず、液体噴射ヘッド210が一定以上加減速したときは球体が転がり攪拌室270に収容されたインクが揺動されることとなる。これにより、攪拌室270と圧力室24との間、さらには圧力室24とノズル21との間の流路におけるインクを循環させて圧力室24に収容されたインクを攪拌することができる。このため、移動部材260として球体を用いることによっても、インクが無駄に消費されることを抑制するとともに高品質な印字を記録することが可能となる。
この構成によれば、攪拌室270は一方向(X方向)に長手を有して形成されており、移動部材260の移動方向は攪拌室270の長手方向と同じになっているので、移動部材260の移動方向が攪拌室270の短手方向と同じになっている場合に比べて、移動部材260の移動距離が長くなる。したがって、攪拌室270に収容されたインクを確実に揺動することができる。
なお、本実施形態では、移動部材が球体である場合を例に挙げて説明したが、これに限らない。例えば、移動部材は棒状であってもよいし羽車形状であってもよい。すなわち、移動部材は、液体噴射ヘッドの移動に伴う慣性力によって移動しうる形状であればよい。
また、本実施形態では、各ノズル列に対応する複数の圧力室が各ノズル列毎に区画されている場合を例に挙げて説明したが、これに限らない。以下、本実施形態とは移動部材の配置状態が異なる液体噴射ヘッド310について図9を用いて説明する。
(第4実施形態)
図9は、第4実施形態における移動部材360の配置状態を示す平面図である。なお、図9は図8に対応する移動部材360の配置状態を示す図である。また、図9においては、便宜上、複数のノズル列331のうちノズル列331Yを図示しその他のノズル列331M、331C、331K1、331K2を省略している。本実施形態に係る液体噴射ヘッド310は、各ノズル列に対応する複数の圧力室が複数のノズル列に亘ってまとめて区画されている点(例えばイエロー(Y)に応じたノズル列が2列の場合、この2列に亘ってまとめて区画されている点)で第3実施形態における移動部材260の配置状態と異なる。図9において、図8と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図9に示すように、移動部材360は、2列の圧力室24に連通する攪拌室370に配置されている。また、圧力室24と攪拌室370との間には仕切り部372が設けられている。攪拌室370は、第1連通プレート312で形成された仕切り部372と開閉部材380に仕切られた領域に形成されている。この攪拌室370は、一方向(ここではX方向)に長手を有して形成されている。なお、第1連通プレート312は平面視枠状になっており、2列の圧力室24を収容している。
また、移動部材360は、各色に対応する各ノズル列331(ここでは331Y)に対応する2列の複数の圧力室24につき2つずつ(例えばイエロー(Y)に応じたノズル列が2列の場合、移動部材は2つ)配置されている。この移動部材360は、液体噴射ヘッド310の移動に伴う慣性力により移動するようになっている。これにより、攪拌室370に収容されたインクを揺動することができる。例えば、液体噴射ヘッド310が一定以上加減速したときに攪拌室370に収容されたインクが揺動されることとなる。これにより、攪拌室370と2列の圧力室24との間、さらには圧力室24とノズル21との間の流路におけるインクを循環させることができる。
また、本実施形態にかかる移動部材360は、球体である。この移動部材360は、仕切り部371を乗り越えないように攪拌室370に収容されている。これにより、移動部材360は、液体噴射ヘッド310の移動に伴う慣性力に従って、攪拌室370の長手方向(X方向)に沿って転がるようになっている。また、移動部材360のサイズは仕切り部372と第1連通プレート312との間の隙間よりも大きいので、圧力室24を塞いでしまうことはない。
ここで、液体噴射ヘッド310が走査移動される場合の移動部材360の移動のようすについて説明する。先ず、液体噴射ヘッド310が一定以上加減速しない場合(例えば、停止しているとき)を考える。この場合、移動部材360は停止した状態となっている。つまり、攪拌室370に収容されたインクは揺動されない。このため、攪拌室370と2列の圧力室24との間(圧力室24とノズル21との間、圧力室24とリザーバー22との間)の流路におけるインクは循環しない。
次に、液体噴射ヘッド310が一定以上加速する場合(例えば、停止している状態から+X方向に急加速するとき)を考える。この場合、移動部材360はその慣性のため、液体噴射ヘッド310が急加速しても停止している状態を続けようとして停止位置よりも−X方向に移動する。つまり、移動部材360は攪拌室370の長手方向に沿って−X方向に転がることとなる。このため、攪拌室370と2列の圧力室24との間(さらに圧力室24とノズル21との間、圧力室24とリザーバー22との間)の流路におけるインクを循環させることができる。
次に、液体噴射ヘッド310が一定以上減速する場合(例えば、+X方向に等速移動している状態から−X方向に急減速するとき)を考える。この場合、移動部材360はその慣性のため、液体噴射ヘッド310が急減速しても等速移動している状態を続けようとして停止位置よりも+X方向に移動する。つまり、移動部材360は攪拌室370の長手方向に沿って+X方向に転がることとなる。このため、攪拌室370と2列の圧力室24との間(さらに圧力室24とノズル21との間、圧力室24とリザーバー22との間)の流路におけるインクを循環させることができる。
このように、液体噴射ヘッド310を停止させた状態、急加速させた状態及び急減速させた状態など、液体噴射ヘッド310を走査移動する動作シーケンスを作成することにより、攪拌室370と2列の圧力室24との間(さらに圧力室24とノズル21との間、圧力室24とリザーバー22との間)のインクを必要に応じて適宜循環させることが可能となる。また、移動部材360は2列の複数の圧力室24につき2つずつ配置されるので、各ノズル列に対応する複数の圧力室につき2つずつ配置される場合に比べて、その配置数を減らすことができる。
なお、上記実施形態では、外部からの力が液体噴射ヘッドの移動に伴う慣性力である場合を例に挙げて説明したが、これに限らない。以下、上記実施形態とは異なる外部からの力により移動する移動部材を備える液体噴射ヘッド410について図10〜図12を用いて説明する。
(第5実施形態)
図10は、第5実施形態における移動部材460の配置状態を示す平面図である。図11は、磁気力発生領域を示す平面図である。図12は、移動部材460の移動部材を示す図である。
なお、図10は図4に対応する移動部材460の配置状態を示す図である。また、図10においては、便宜上、複数のノズル列31のうちノズル列31Y、31Mを図示しその他のノズル列31C、31K1、31K2を省略している。また、図11において、符号S1はキャリッジ40の走査領域、符号S1aはキャリッジ40の走査領域S1のうち液体噴射ヘッド410からインクが噴射される液体噴射領域、符号S1bはキャリッジ40の走査領域S1のうち液体噴射ヘッド410からインクが噴射されない非液体噴射領域、符号S2は非液体噴射領域S1bに近接する、磁気力が発せられる領域(磁気力発生領域)である。また、図12においては、便宜上、液体噴射ヘッド410における攪拌室470に配置された移動部材460及び磁気力発生領域S2を図示しその他の図示は省略している。
本実施形態に係る液体噴射ヘッド410は、外部からの力は磁気力であり、移動部材460は磁性体からなる点で第1実施形態における移動部材60と異なる。図10において、図4と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
ここで、「磁性体」(第1磁性体及び第2磁性体)とは、磁気力(同種の磁極ではしりぞけあう力が、異種の磁極ではひきあう力がはたらく)を持つ物体である。本実施形態では、移動部材(第1磁性体)440として金属(例えば鉄)を用いるとともに磁気力発生領域に配置される第2磁性体として磁石(例えば永久磁石)を用いる。これにより、第1磁性体と第2磁性体との間には互いにひきあう力が作用するようになっている。
図10に示すように、移動部材460は、圧力室24に連通する攪拌室470に配置されている。この攪拌室470は、一方向(ここではY方向)に長手を有して形成されている。また、移動部材460は、磁性体(第1磁性体)からなり、外部からの磁気力によって移動するようになっている。これにより、攪拌室470に収容されたインクを揺動することができる。例えば、液体噴射ヘッド410は、磁気力発生領域S2(図11参照)に近接したときに攪拌室470に収容されたインクが揺動されることとなる。
本実施形態における移動部材460は、棒状の磁性体(第1磁性体)である。具体的には、移動部材460の−Y方向側の端部から所定の距離だけ離れた位置において移動部材460の回動中心となる貫通孔(図示略)が形成されており、支持軸461がこの貫通孔を介して第1連通プレート12及びノズルプレート11に取り付けられている。これにより、移動部材460は、外部からの磁気力に従って、回動中心軸(支持軸461の中心軸)を基準に回動するようになっている。
図11に示すように、磁気力発生領域S2は、非液体噴射領域S1bに近接している。これにより、液体噴射ヘッド410が走査移動中に磁気力により移動部材(第1磁性体)460から影響を受けたとしても、その場所が非液体噴射領域S1bとなる。このため、液体噴射ヘッド410が移動部材460から受ける影響がノズル21からのインクの噴射に影響することはない。つまり、液体噴射ヘッド410は磁気力発生領域S2と磁気力が発せられない領域(非磁気力発生領域、ここでは液体噴射領域S1a)とで移動速度にバラツキが生じたとしても、それがノズル21からのインクの噴射に影響し画像品位を低下させることはない。
ここで、図12を用いて、液体噴射ヘッド410が走査移動される場合の移動部材360の移動のようすについて説明する。以下、液体噴射ヘッド410がキャリッジ40の走査に従って液体噴射領域S1aを移動し、液体噴射領域S1aから非液体噴射領域S1bに入り、その後、磁気力発生領域S2に近接し、そして離間するときの攪拌室470に設けられた移動部材460の移動のようすについて説明する。また、本実施形態では、移動部材(第1磁性体)460として金属(例えば鉄)を用いるとともに磁気力発生領域に配置される第2磁性体として磁石(例えば永久磁石)を用いる。これにより、第1磁性体と第2磁性体との間には互いにひきあう力が作用するようになっている。
先ず、液体噴射ヘッド410がキャリッジ40の走査に従って移動し、液体噴射領域S1aに位置する場合を考える(図11(a)参照)。この場合、移動部材460は、磁気力発生領域S2に配置された第2磁性体との間の磁気力(互いにひきあう力)が影響しない程度に磁気力発生領域S2から離間している。このため、移動部材460は支持軸461に支持された状態で静止している。
次に、液体噴射ヘッド410がキャリッジ40の走査に従って移動し、液体噴射領域S1aから非液体噴射領域S1bに入り、その後、磁気力発生領域S2の−X方向側に近接した場合を考える。この場合、移動部材460は、第2磁性体との間の磁気力(互いにひきあう力)が影響する程度に磁気力発生領域S2と近接する。このため、移動部材460は、第2磁性体に引き寄せられ、その一端(支持軸461に支持された位置よりも−Y方向側の端部)が第2磁性体の方向(−Y方向から傾いて+X方向)を向いた状態となる。つまり、移動部材460は支持軸461を基準として左回りに回動することとなる。
次に、液体噴射ヘッド410がキャリッジ40の走査に従って移動し、非液体噴射領域S1bにおいて磁気力発生領域S2の+X方向側に近接した場合を考える。この場合、移動部材460は、第2磁性体との間の磁気力(互いにひきあう力)が影響する程度に磁気力発生領域S2と近接する。このため、移動部材460は、第2磁性体に引き寄せられ、その一端(支持軸461に支持された位置よりも−Y方向側の端部)が−Y方向から傾いて+X方向を向いた状態から−Y方向から傾いて−X方向側に移動する。つまり、移動部材460は支持軸461を基準として右回りに回動することとなる。
すると、移動部材460は、支持軸461を中心軸としてその他端(支持軸461に支持された位置よりも+Y方向側の端部)が円弧を描くように回動する。このとき、移動部材460は、その自重、インクの粘性抵抗等の要素により所定の速度で揺動する。これにより、攪拌室470に収容されたインクが揺動されることとなる。このため、攪拌室470と圧力室24との間(さらに圧力室24とノズル21との間、圧力室24とリザーバー22との間)の流路におけるインクを循環させることができる。
本実施形態に係る液体噴射ヘッド410によれば、圧力室24に連通する攪拌室470に配置された移動部材(磁性体)460が外部からの磁気力により移動するので、攪拌室470に収容されたインクを揺動することができる。例えば、液体噴射ヘッド410は、磁気力発生領域S2に近接したときに攪拌室470に収容されたインクが揺動されることとなる。このため、液体噴射ヘッド410を走査移動する走査領域S1に近接する位置に磁気力発生領域S2を設けることにより、インクが無駄に消費されることを抑制するとともに高品質な印字を記録することが可能となる。
また、この構成によれば、磁気力が非液体噴射領域において発せられるので、液体噴射ヘッド410が走査移動中に磁気力により移動部材460から影響を受けたとしても、その場所が非液体噴射領域となる。このため、液体噴射ヘッド410が移動部材460から受ける影響がノズル21からのインクの噴射に影響することはない。つまり、液体噴射ヘッド410は磁気力発生領域S2と非磁気力発生領域(ここでは液体噴射領域S1a)とで移動速度にバラツキが生じたとしても、それがノズル21からのインクの噴射に影響し画像品位を低下させることはない。
なお、本実施形態では、移動部材(第1磁性体)460として金属を用いるとともに第2磁性体として磁石を用いているが、これに限らない。例えば、第1磁性体として磁石を用いるとともに第2磁性体として金属を用いてもよいし、第1磁性体及び第2磁性体として磁石を用いてもよい。
また、本実施形態では、第1磁性体と第2磁性体との間には互いにひきあう力が作用するようになっているが、これに限らない。例えば、第1磁性体と第2磁性体との間には互いにしりぞけあう力が作用していてもよい。
また、本実施形態では、移動部材が棒状である場合を例に挙げて説明したが、これに限らない。例えば、移動部材はL字状であってもよい。すなわち、移動部材は、外部からの磁気力によって移動しうる形状であればよい。
また、本実施形態では、攪拌室がY方向に長手を有して形成されているが、これに限らない。以下、本実施形態とは異なる形態の攪拌室を備える液体噴射ヘッド510について図13を用いて説明する。
(第6実施形態)
図13は、第6実施形態における移動部材560の配置状態を示す平面図である。なお、図13は図10に対応する移動部材560の配置状態を示す図である。また、図13においては、便宜上、複数のノズル列31のうちノズル列31Y、31Mを図示しその他のノズル列31C、31K1、31K2を省略している。
図13に示すように、移動部材560は、圧力室24に連通する攪拌室570に配置されている。この攪拌室570は、一方向(ここではX方向)に長手を有して形成されている。また、移動部材560は、磁性体(第1磁性体)からなり、外部からの磁気力によって移動するようになっている。これにより、攪拌室570に収容されたインクを揺動することができる。例えば、液体噴射ヘッド510は、磁気力発生領域(図示略)に近接したときに攪拌室570に収容されたインクが揺動されることとなる。
本実施形態における移動部材560は、棒状の磁性体(第1磁性体)である。具体的には、移動部材560の−X方向側の端部から所定の距離だけ離れた位置において移動部材560の回動中心となる貫通孔(図示略)が形成されており、支持軸561がこの貫通孔を介して第1連通プレート12及びノズルプレート11に取り付けられている。これにより、移動部材560は、外部からの磁気力に従って、回動中心軸(支持軸561の中心軸)を基準に回動するようになっている。
なお、上記実施形態においては、液体噴射ヘッドとしてMLChipsタイプを例に挙げて説明したが、これに限らない。例えば、圧電素子が縦になって振動板に貼り付けられたMLP(Multi Layer Piezo)タイプについても適用可能である。
1…液体噴射装置、10,110,210,310,410,510…液体噴射ヘッド、21…ノズル、22…リザーバー、60,160,260,360,460,560…移動部材、70,170,270,370,470,570…攪拌室、S2…磁気力発生領域(非液体噴射領域)

Claims (9)

  1. 液体を収容する圧力室と、
    前記圧力室に連通して前記液体を噴射するノズルと、
    前記圧力室に連通する攪拌室に配置されるとともに外部からの力により移動する移動部材と、
    を備えることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 前記外部からの力は、当該液体噴射ヘッドの移動に伴う慣性力であることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッド。
  3. 前記移動部材は、前記圧力室と前記攪拌室との間の流路を開閉する弁であることを特徴とする請求項2に記載の液体噴射ヘッド。
  4. 前記移動部材は、球体であることを特徴とする請求項2に記載の液体噴射ヘッド。
  5. 前記外部からの力は磁気力であり、
    前記移動部材は磁性体からなることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッド。
  6. 前記磁気力は、前記ノズルから前記液体が噴射されない非液体噴射領域において発せられることを特徴とする請求項5に記載の液体噴射ヘッド。
  7. 前記圧力室に連通するとともに前記液体を供給するリザーバーが設けられており、
    前記攪拌室は前記リザーバーに連通していることを特徴とする請求項1〜6に記載の液体噴射ヘッド。
  8. 前記攪拌室は一方向に長手を有して形成されており、
    前記移動部材の移動方向は前記攪拌室の長手方向と同じになっていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッド。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッドを備えていることを特徴とする液体噴射装置。

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