JP2012049719A - 画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】顔料色材を含む有色インクに加えて無色インクを用いることで、画像全域でのインク付着量を均一化し、顔料由来の光沢むらを低減することができるが、反射光の光路長差により記録面からの正反射光に色がつく干渉色が発生することがある。
【解決手段】互いに屈折率の異なる複数種類の無色インクを用いる。まず、カラー画像データの画素ごとに、有色インク打ち込み量と、各無色インクの打ち込み量を合計した無色インク合計打ち込み量を、それらの合計が全画素で一定となるように設定する。そして無色インク合計打ち込み量における無色インクごとの打ち込み量を、その比率が画素ごとにランダムとなるよう、乱数に基づいて設定する。このように設定された無色インクごとの打ち込み量に基づいた記録を行うことで、複数種類の無色インクの境界位置が画素ごとに異なることから様々な色の干渉色が発生し、複数ドットによる干渉色は、結果的にその平均的な色である白色として知覚される。
【選択図】図6

Description

本発明は、顔料色材を含む有色インクと無色インクを用いてカラー画像を形成する画像形成装置および画像形成方法に関する。
インクジェット記録装置で用いられるインクとしては、水に溶解する染料を色材に用いた染料インクが広く用いられている。水を主成分とする染料インクは、溶媒に溶解した色材が記録媒体の繊維質の内部に浸透し易い。従って、記録媒体の表面形状は画像の記録後にも維持され易く、記録媒体の光沢が画像の光沢として維持される。言い換えれば、光沢に優れた記録媒体と染料インクの組み合わせは、光沢に優れた画像を形成する。従って、染料インクを用いるインクジェット記録装置のユーザは、所望する光沢性を有する記録媒体を選択することで、所望する光沢性をもつ印刷物を得ることができる。
一方、印刷物の耐光性や耐水性を向上させたいという要求がある。上記染料インクは、色材の染料分子が光によって分解して画像の色が褪色し易い。また、水に濡れると繊維質に浸透した染料分子が水に溶解して画像に滲みが発生し易い。つまり、染料インクを用いた印刷物は一般に、耐光性および耐水性が悪い。
上述したような染料インクの印刷物における耐光性や耐水性の問題を解決するために、近年、色材として顔料を用いる顔料インクの開発が進められている。溶媒中に分子として染料が存在する染料インクと異なり、顔料インクの色材は直径が数10nmから数100nmの粒子として溶媒中に存在する。つまり、顔料インクの色材粒子は、染料インクの染料分子と比べて大きいため、耐光性が高い印刷物が得られる。また、顔料は水に溶けない性質を有するため、顔料インクは耐水性の面でも染料インクに比べて優れる。
顔料インクを用いて記録を行うと、顔料粒子は記録媒体内に浸透し難く、記録媒体の表面に堆積する。そのため、顔料インクを記録した記録領域と、記録しなかった非記録領域とで、画像表面の微細な形状(平滑性)が異なることになる。
また、記録媒体上に形成する画像の濃度や色に応じて色材の使用量が異なり、顔料が記録媒体を被覆する面積に変化が生じる。顔料の反射率と記録媒体の反射率は異なるから、顔料が記録媒体を被覆する面積の違いにより光沢の違いが発生する。
このように、顔料インクを用いた記録においては、画像の濃度や色によって光沢度が異なるため、1つの画像内に光沢が異なる領域が混在する。つまり、光沢ありと観察されるグロス領域と、光沢なしと観察されるマット領域とが1つの画像内に混在することになり、このような光沢の変化は「光沢むら」として認識される。特に写真画像を印刷した場合には、光沢むらは画像不良として認識される。
そこで、顔料インク使用による光沢むらの発生を低減するために、色材を含まない無色インクを用いて画像形成を行う方法が提案されている。例えば、記録媒体の被記録領域の全域において、顔料インクに由来する樹脂成分の単位面積当たりの付着量が均一になるように、有色インクと無色インクの吐出量を調整する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、被記録領域における光沢性が実質的に均一になるように、有色インクと無色インクの吐出量を調整する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2006-272934公報 特開2007-276482公報
しかしながら、上記従来の、無色インクを用いて顔料インク由来の光沢むらを低減する方法では、光沢性を均一にすることはできるが、インクの種類や印刷条件によっては、インク層境界での反射光の干渉が発生することがある。このような干渉が発生した場合、記録面からの正反射光に対して画像の階調によって異なる色が付き、視覚的に目立ってしまう。特に、イエローインクや無色インク等の明るいインクによって形成された領域において、正反射光の色付きが目立つ。このような現象は、空気層を含む色材層間での屈折率の違いに起因する薄膜干渉によって生じるものであり、色材層の厚さに応じて付く色が決まってくる。以下、このような薄膜干渉によって正反射光に付いて見える色を「干渉色」と称する。
図1は、干渉色の発生原理を説明する模式図である。顔料インクで画像を形成した場合、該画像からの反射光として、記録媒体1002上に記録された色材層1001の表面で反射する光1003と、色材層1001を透過後に記録媒体1002の表面で反射して色材層1001から出射する光1004が存在する。光1004の光路長は、色材層1001を通過する分、光1003よりも長くなる。この光路長差に基づく光の位相のずれにより、特定の波長がその強度を強め合ったり弱め合ったりする所謂干渉が発生し、反射光に色が付く、すなわち干渉色が発生するという現象が発生する。
そこで本発明では、顔料色材を含む有色インクと無色インクを用いて画像形成を行う際に、光沢むらの低減効果を維持しつつ、さらに、無色インクの使用による正反射光への色付きを低減することを目的とする。
上記目的を達成するための一手段として、本発明は以下の構成を備える。
すなわち、顔料色材を含む複数色の有色インクと、互いに屈折率の異なる複数種類の無色インクを用いて画像形成を行う画像形成装置であって、入力されたカラー画像データに対する色分解処理を行って、該カラー画像データの画素ごとに、前記有色インクの各色についての有色インク打ち込み量と、前記無色インクのそれぞれについての打ち込み量を合計した無色インク合計打ち込み量とを、各色の前記有色インク打ち込み量と前記無色インク合計打ち込み量との合計が前記カラー画像データの全画素において一定となるように設定する色分解手段と、前記無色インク合計打ち込み量における前記複数種類の無色インクのそれぞれについての無色インク打ち込み量の比率が画素ごとにランダムとなるように、該それぞれの無色インク打ち込み量を設定する打ち込み量設定手段と、前記カラー画像データの画素ごとに、前記複数色の有色インクの各色については前記色分解手段で設定された前記有色インク打ち込み量による記録を行い、前記複数種類の無色インクのそれぞれについては前記打ち込み量設定手段で設定された前記無色インク打ち込み量による記録を行うことで記録媒体上にカラー画像を形成する画像形成手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、顔料色材を含む有色インクと無色インクを用いて画像形成を行う際に、光沢むらの低減効果を維持しつつ、さらに、無色インクの使用による正反射光への色付きを低減することが可能となる。
薄膜干渉の発生原理を説明する模式図、 第1実施形態における画像形成装置の構成例を示すブロック図、 第1実施形態における記録ヘッドの構成例を示す図、 第1実施形態における画像形成処理を示すフローチャート、 第1実施形態における色分解処理例を示すブロック図、 第1実施形態におけるクリアインク打ち込み量設定処理を説明する図、 第1実施形態において色材層の厚みが変化した際の干渉色の変化を示す図、 第2実施形態における画像形成装置の構成例を示す図、 第2実施形態における2次元打ち込み量比率マップの一例を示す図、 第3実施形態における記録ヘッドの構成例を表す図である。 第3実施形態におけるクリアインク打ち込み量設定処理を説明する図、 第1実施形態において記録されるクリアインクの模式図、 2種類のクリアインクに共有の溶剤の組成例を示す図、 屈折率の異なる2種類のポリマーの組成例を示す図、である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施の形態は特許請求の範囲に関る本発明を限定するものではなく、また、本実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
<第1実施形態>
●システム構成
本実施形態では、顔料色材を含む複数色の有色インク(以下、カラーインクと称する)により形成された画像において発生する干渉色を、屈折率の異なる複数種類の無色インク(以下、クリアインクと称する)を用いて低減する例を示す。以下では、2種類のクリアインクを用いる場合を例として説明を行う。
図2は、本実施形態における画像形成システムの構成例を示すブロック図であり、2は画像処理装置、3はプリンタである。なお、画像処理装置2は例えば一般的なパーソナルコンピュータにインストールされたプリンタドライバによって実施され得る。その場合、以下に説明する画像処理装置2の各部は、コンピュータが所定のプログラムを実行することにより実現されることになる。また別の構成としては、例えばプリンタ3が画像処理装置2を含む構成としても良い。
画像処理装置2とプリンタ3は、回路、又はプリンタインタフェースによって接続されている。画像処理装置2は、入力端子201より印刷対象のカラー画像データを入力し、該カラー画像データを画像バッファ202に格納する。色分解処理部203は入力されたカラー画像データを、プリンタ3が備えるインク色毎の打ち込み量を示すデータに色分解する。このとき、色分解LUT204が参照される。なお、ここでインク色とは、CMYKの各色にクリアインクを加えた5色であり、クリアインクについての打ち込み量としては、2種類のクリアインクの合計打ち込み量が決定される。次にクリアインク打ち込み量設定部205において、乱数を利用して2種類のクリアインクそれぞれの打ち込み量を設定する。次にハーフトーン処理部206は、CMYKの各色に2種類のクリアインクを加えた計6色のインク色について、その多階調値(3階調以上)を2値画像データに変換する。そしてハーフトーン画像格納バッファ207には、ハーフトーン処理部206にて得られた各インク色の2値画像データが格納され、該格納された2値画像データは出力端子208より出力され、プリンタ3へ入力端子301を介して入力される。
プリンタ3では、記録ヘッド302を記録媒体303に対して相対的に縦横に移動させることによって、画像処理装置2にて形成された各色の2値画像データを記録媒体上に形成する。記録ヘッド302はインクジェット方式による記録を行うヘッドであり、複数の記録素子(ノズル)を有する。移動部304は、ヘッド制御部305の制御下で記録ヘッド302を移動する。搬送部306は、ヘッド制御部305の制御下で記録媒体303を搬送する。また、インク色及び吐出量選択部307は、画像処理装置2で形成された、2種類のクリアインクを含む各色の2値画像データに基づいて、記録ヘッド302に搭載されるインク色と該ヘッドが吐出可能なインク吐出量の中から、インク色とその吐出量を選択する。このとき、クリアインクが表層となるように打ち込み順が制御される。
図3は、記録ヘッド302の構成例を示す図である。本実施形態では、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色のカラーインクに加え、屈折率が異なる2種類のクリアインク(CL1,CL2)を合わせた計6色のインクを、記録ヘッド302に搭載するものとする。なお、本発明の記録ヘッド302は図3に示す構成に限られず、例えば、淡シアン、淡マゼンタ、グレー等の濃度の異なるインクや、赤や緑などの特色インクを搭載していても良い。さらに、同一色でも吐出量が異なるノズル列を有しても良いし、ノズル配列も必ずしも直線状でなくても良い。例えば各ノズルがジグザグに配置されているような構成であっても良い。また、図3に示す例ではインク色の配置順序はヘッド移動方向に一列となっているが、これを用紙搬送方向に一列として配置する構成であっても良い。
●画像形成処理
以下、本実施形態の画像処理装置2における画像形成処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。
まずS401において、多階調のカラー入力画像データが入力端子201より入力され、画像バッファ202に格納される。なお入力画像データは、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の3つの色成分によってカラー画像データを構築している。
次にS402で色分解処理部203において、画像バッファ202に格納された多階調のカラー画像データに対し、色分解LUT204を用いた色分解処理を施す。これにより、入力されたRGBデータが、カラーインク(C,M,Y,K)の各色と、2種類のクリアインク(CL1,CL2)を1色とした、計5色のそれぞれの打ち込み量データに変換される。なおこの色分解時には、上述したようにクリアインクについては2種類それぞれの打込み量を決定するのではなく、2種類のクリアインクの合計打込み量を決定する。そのため本実施形態では入力されたRGBデータを、CMYKの各カラーインクの打込み量を示す4プレーンと、2種類のクリアインクの合計打ち込み量を示すプレーンとの計5プレーンへの色分解を行う。尚、各インクの打ち込み量は例えば0〜255の8ビットデータとして表現されるとする。しかしながらインクの打ち込み量の表現は8ビットに限定されるものではなく、16ビット表現としても良いし、実数で表現しても良い。
ここで、本実施形態における色分解処理について、図5を用いて説明する。

図5は、色分解処理部203で色分解LUT204を参照することで、入力RGBデータが、各カラーインクの打ち込み量(有色インク打ち込み量)、および2種類のクリアインクの合計打ち込み量(無色インク合計打ち込み量)に色分解される様子を示している。ここで、入力画像データの画像内における画素位置を座標(i,j)で表すとする。座標(i,j)における入力画像データR,G,Bから、各カラーインクの打ち込み量データC,M,Y,K、およびクリアインクの合計打ち込み量データCLへの変換は下式(1)で表わされる。
C(i,j)=C_LUT_3D(R(i,j),G(i,j),B(i,j))
M(i,j)=M_LUT_3D(R(i,j),G(i,j),B(i,j))
Y(i,j)=Y_LUT_3D(R(i,j),G(i,j),B(i,j)) ・・・(1)
K(i,j)=K_LUT_3D(R(i,j),G(i,j),B(i,j))
CL(i,j)=CL_LUT_3D(R(i,j),G(i,j),B(i,j))
(1)式の右辺に定義される各関数が、色分解LUT204に該当する。色分解LUT204は、R,G,Bの3入力値に対し、各インク色の出力信号値を定めるテーブルであり、本実施形態では、R,G,Bの3入力値から、C,M,Y,K,CLの5プレーン分の出力値を得るLUT構成となる。尚、色分解LUT204としては、画像全域における光沢むらの発生を低減するために、全インクの付着量が常に一定になるように、クリアインク合計打ち込み量CLが設定されている。なお、一定とする全インクの付着量としては、最適な値を例えば実験に基づいて決定すれば良く、特に規定されない。
図4に戻り、S402で計5プレーンへの色分解処理が終了すると、次にS403でクリアインク打ち込み量設定部205において、クリアインク合計打ち込み量CLに基づき、2種類のクリアインクそれぞれの打ち込み量(無色インク打ち込み量)を設定する。本実施形態では、各クリアインクの打ち込み量の合計を常にS402で決定したクリアインク合計打ち込み量CLに保ちつつ、画素ごとに各クリアインクの打ち込み量比率がランダムとなるように制御することを特徴とする。具体的には後述するが、本実施形態では画素ごとに乱数を発生させ、該乱数に基づいて、クリアインクの合計打ち込み量CLを各クリアインクの打ち込み量CL1,CL2へ分配する。
各クリアインクの打ち込み量が設定されると、次にS404でハーフトーン処理部206において、色分解処理部203及びクリアインク打ち込み量設定部205より得られた、各インクの打ち込み量データに対するハーフトーン処理を行う。これにより、8ビットで多値表現されている各インクの打ち込み量データが、ドットのオン/オフを示す2レベルに対応する2値の画像データへ変換される。ハーフトーン処理後の各インクの2値画像データは、S405でハーフトーン画像格納バッファ207に格納される。なお、本実施形態におけるハーフトーン処理としては、例えば周知の誤差拡散法を用いるとする。しかしながら、本実施形態に適用可能なハーフトーン処理は誤差拡散法に限られず、例えばディザマトリックスを用いた閾値処理による2値化を行っても良い。また、各インクの2値画像データ間に何らかの補完関係、相関関係を持たせるような処理を行っても良い。
なお、本実施形態ではS403において画素ごとのインク付着量が画像内の全画素で一定となるように各色の多値データを算出したが、これにハーフトーン処理が施される。したがって、出力画像において画素ごとのインク付着量は一定とはならないものの、所定の周辺領域を単位とした平均的なインク付着量としては画像全域で均一に保たれる。
S406ではハーフトーン画像格納バッファ207に格納されたハーフトーン処理後の2値画像データが、例えば画像全体や単位記録領域のバンド幅分といった任意のサイズで出力端子208より出力され、入力端子301からプリンタ3へ入力される。そしてS407でプリンタ3において、該ハーフトーン処理後の2値画像データに基づく画像形成がなされる。すなわち、インク色及び吐出量選択部307において該2値画像データに適合するインク色および吐出量を選択して、印字動作を開始する。この印字動作においては、記録ヘッド302が記録媒体303に対して左から右に走査(主走査)しながら、一定の駆動間隔で各ノズルを駆動することで記録媒体上に画像を記録する。このような記録媒体上での主走査を、記録媒体303を副走査方向へ所定量搬送したタイミングで繰り返すことで、画像の全領域についての記録が行われる。
以上で、多階調のカラー入力画像データに対する一連の画像形成処理が完了する。以上の処理によって形成された印刷物においては、その画像全域においてインク付着量が一定となるように制御されることで光沢むらが低減され、かつ、クリアインクの使用に由来する干渉色の発生が抑制される。
●クリアインク打ち込み量設定処理
以下、上記S403におけるクリアインク打ち込み量設定処理について、詳細に説明する。上述したように本実施形態では、クリアインク合計打ち込み量CLに基づき、2種類のクリアインクそれぞれの打ち込み量を、その合計をCLに保ちつつ、その打ち込み量比率がランダムとなるように制御する。具体的には、画素ごとに乱数を発生させ、該乱数に基づいて、クリアインクの合計打ち込み量CLを各クリアインクの打ち込み量CL1,CL2へ分配する。尚、本実施形態では2種類のクリアインクの打ち込み量を乱数に基づいて変化させる例を示すが、2種類のクリアインクの打ち込み量をランダムに変化させることができれば、どのような方法を用いても良い。
画像内の座標(i,j)における2種類のクリアインクのうち、一方のクリアインク打ち込み量をCL1(i,j)、もう一方のクリアインクの打ち込み量をCL2(i,j)とする。この場合、画素ごとに発生させる0以上かつ1以下の乱数Rnd(i,j)を用いて、CL1(i,j)、CL2(i,j)はそれぞれ下式によって設定される。
CL1(i,j)=CL(i,j)×Rnd(i,j) ・・・(2)
CL2(i,j)=CL(i,j)×(1−Rnd(i,j)) ・・・(3)
CL1,CL2をこのように設定することで、画素ごとにCL1,CL2の値をランダムに変化させることが可能である。なお、CL1とCL2には下式に示す関係が常に成り立つ。
CL1(i,j)+CL2(i,j)=CL(i,j) ・・・(4)
本実施形態において画素ごとに発生させる乱数Rnd(i,j)は、隣接する画素で発生した値との間に相関や関連性がない一様乱数、または一様乱数と見なすことができる疑似乱数であるとする。また例えば、隣接する画素において発生する乱数間の空間周波数特性として、低周波領域ではパワースペクトルが小さく高周波領域ではパワースペクトルが大きい、いわゆるブルーノイズ特性を有する乱数であっても良い。このようなブルーノイズ特性を有する乱数の発生方法としてはどのような方法を用いても良く、例えば周知の極性交番乱数を用いることで簡単に発生させることができる。
ここで、クリアインク打ち込み量設定部205におけるクリアインク打ち込み量設定処理について、図6を用いて詳細に説明する。図6は、画像内の10点からなる1次元信号に対してクリアインク打ち込み量を設定する例を示している。なお、本発明を実際の画像形成に適用する際には、平面画像、すなわち2次元信号に対する設定を行うことになるが、説明の簡単化のため、ここでは1次元信号を用いて説明する。図6に示す設定例においては、10点を座標i(i=1〜10の整数)によって示し、該10点のいずれについてもクリアインクの合計打ち込み量CLを128とし、各点におけるCL1とCL2を、その合計が128となるように設定している。まず601が、各点すなわち各座標において発生させた乱数であり、本実施形態ではこの乱数がクリアインクの打ち込み量比率を示すため、0以上1以下の値をとるものとする。そして602が、上記式(2)に従って各画素のCL1(i,j)を算出した結果である。例えば、座標i=1である点では発生した乱数が0.90であるため、合計打ち込み量128のうちの0.90の割合分、すなわち115をCL1とする。603も同様に、上記式(3)に従って各画素のCL2(i,j)を算出した結果であり、座標i=1である点ではCL2は13となる。これにより、座標i=1である点についてのCL1とCL2の合計(115+13)は、クリアインクの合計打ち込み量(128)と等しくなる。図6では、各座標におけるCL1とCL2の和を604に示しているが、その値は全ての座標において、合計打ち込み量CLである128に等しくなっている。
このように、各クリアインクの打ち込み量を設定する際に、画素ごとに発生させた乱数を用いることで、各クリアインクの打ち込み量比率を画素ごとにランダムに変化させることができる。なお、図6では10点についてのクリアインクの合計打ち込み量CLが均一である例を示したが、例えばカラーインクとクリアインクを重畳する場合等、クリアインクの合計打ち込み量CLは画像全域においてもちろん均一ではない。本実施形態ではクリアインクの合計打ち込み量CLに関わらず、乱数を用いて各クリアインクの打ち込み量比率がランダムとなるように設定する。
●クリアインク打ち込み量制御による効果
上述したように本実施形態においては、屈折率の異なる2種類のクリアインクの打ち込み量の合計を、色分解処理部203で決定したクリアインク合計打ち込み量CLに保ちつつ、各クリアインクの打ち込み量比率を画素ごとに変化させることを特徴とする。以下、このように各クリアインクの打ち込み量比率を画素ごとにランダムに変化させることによって得られる効果について、詳細に説明する。
まず、図1に示すように、色材層1001の表面で反射する光1003と、色材層1001を透過後に記録媒体1002の表面で反射して色材層1001から出射する光1004によって、画像本来の色とは異なる干渉色が発生する。この干渉色とは、2つの光の光路長差に基づく光の位相のずれにより、特定の波長において干渉が発生することで、反射光に色が付くという現象によるものである。そのため、2つの光の光路長差に応じて干渉の発生する波長が変わり、干渉色としての色も変化する。
ここで図7に、色材層の厚みが変化した際の干渉色の変化を示す。図7は、空気層の屈折率を1、色材層1001の屈折率を1.5、入射角45度とした場合に、色材層1001の厚みを100〜300nmまで20nm間隔で変化させたときの干渉色の色度を、CIEL*a*b*空間のa*b*平面にプロットしたものである。図7によれば、色材層1001の厚みが変化することで光路長差が変化すると、発生する干渉色が様々に変化することが分かる。特に、干渉色の変化の軌跡がa*b*平面上で円を描くように得られるということは、あらゆる色の干渉色が発生しているということになる。
また図12に、本実施形態により2種類のクリアインク1201と1202が画素ごとに異なる割合で重なって、その合計の厚さが同じとなるように記録媒体1002上に形成された模式図を示す。本実施形態で使用される2種類のクリアインク1201,1202は互いに屈折率が異なっているため、これらが重なって形成された場合、その境界面において入射光の一部が反射される界面反射が発生する。すると、画像に入射した光に対する、上層のクリアインク1202表面での反射光と、上層のクリアインク1201と下層のクリアインク1202の境界面で反射して出射した光とが干渉することによって、干渉色が発生する。このとき、光路長差は上層に記録されたクリアインク1202の厚みによって決まるため、発生する干渉色の色もクリアインク1202の厚みによって決まる。本実施形態におけるクリアインク1201,1202のそれぞれの打ち込み量は画素によって異なるため、クリアインク1202の厚みが画素ごとにランダムとなり、すなわち光路長差が画素ごとにランダムとなる。したがって図7を用いて説明したように、光路長差に応じて様々な色の干渉色が発生する。
なお、図12に示してはいないが、クリアインク1201,1202間で界面反射されなかった光については、クリアインク1202を透過してその最下面において反射され、さらにクリアインク1201を透過して出射する。その際の光路長は、クリアインク1201,1202のそれぞれについて屈折率に厚みを乗じた値の和として算出される。したがって、クリアインク1201,1202の打ち込み量が画素ごとにランダムに変化することで、クリアインク1201を透過した反射光についての光路長も画素ごとにランダムとなり、やはり様々な色の干渉色が発生する。
なお、図12では画素ごとのクリアインク1201と1202の合計打ち込み量が均一である例を示したが、本実施形態では上述したように、クリアインクの合計打ち込み量CLに関わらず、各クリアインクの打ち込み量比率がランダムとなるように設定する。これにより、例えばカラーインクにクリアインクが重畳される領域でクリアインクの合計打ち込み量が画素ごとに異なる場合にも、2種類のクリアインクにおける最上面、境界面、および最下面からの反射光の光路長差は、結果的に画素ごとにランダムとなる。したがって、該領域においてもやはり様々な色の干渉色が発生する。
ところで、一般に人間の目では、プリンタの1ドットサイズでの色の変化を分別することはできず、実際には複数ドットによる平均的な色を知覚している。したがって、図12を用いて説明したように画素ごとに様々な色の干渉色が発生した場合、ユーザの目では該様々な色の平均的な色である白色として知覚されることになる。したがって、本実施形態において2種類のクリアインクの打ち込み量比率が画素ごとにランダムになるように制御した画像形成を行うことで、干渉光の発生による正反射光の色付きが結果的に低減される。
尚、画素ごとにインク層の厚みを変えることは、例えば1種類のみのクリアインクを用いる場合であっても、その打ち込み量を画素ごとに変えることで実現可能である。しかしながら、1種類のみのクリアインクの打ち込み量を画素ごとに変えてしまうと、記録領域の全域に亙ってインク付着量を一定に保つことができないため、光沢むらを低減することができなくなってしまう。そこで本実施形態においては、画像全域でインク付着量を一定とするために必要となる、画素ごとのクリアインク打ち込み量を、2種類のクリアインクの合計打ち込み量として定め、画素によって各クリアインクの打ち込み量比率を変えるように制御する。これにより本実施形態によれば、顔料インク使用による光沢むらを抑制しつつ、さらに干渉色も抑制することが可能となる。
なお上述したように、本実施形態において算出された各クリアインクの打ち込み量を示す多値データには、ハーフトーン処理が施される。したがって、出力画像において画素ごとのインク付着量は一定とはならないものの、所定の周辺領域を単位とした平均的なインク付着量としては画像全域で均一に保たれるため、画像全体として光沢むらの抑制効果は得られる。同様に、各クリアインクについても設定された各打ち込み量は2値化されるが、やはり画像全域においてはその比率がランダムとなるため、干渉色の発生も抑制される。
●クリアインク組成
ここで、本実施形態において使用されるクリアインクについて、具体的に説明する。本実施形態で使用される2種類のクリアインクは、互いにその屈折率が異なることを特徴とする。図13に、本実施形態における2種類のクリアインクに共有の溶剤の組成を示す。該溶剤に対し、図14に示すように組成の異なる2種類のポリマー(ポリマーA,B)のそれぞれをアルカリ(水酸化カリウム水溶液等)で中和した樹脂水溶液を添加する。この操作により、ポリマーAに対しては屈折率が比較的高く、かつ色材を含まないクリアインクが作成され、ポリマーBに対しては屈折率が比較的低く、かつ色材を含まないクリアインクが作成される。なお、上記ポリマーA,Bに、例えば一般的なカーボンブラックを色材として少量含有させ、薄いグレーインクとしても良い。この場合の色材の含有率は、例えば、黒インクが3.5%のカーボンブラックを含有する場合に対して、薄いグレーインクは0.2%以下の含有率とすれば良い。薄いグレーインクとして使用する場合は、周知の同一色相の濃淡インクを搭載したプリンタにおける淡インクと同様に用いる。また、薄いグレーインクについての色材の含有率はこの数値に限らず、該グレーインクを下地の上に重ねて印字した際に、下地の色が濁らない程度の含有率であれば良い。なお、カーボンブラック等の色材の増減分は、純水を増減させることで調整する。
以上説明したように本実施形態によれば、顔料色材を含むカラーインクと、屈折率の異なる複数のクリアインクを用いて画像形成を行う際に、画像全域で全インクの付着量をほぼ均一にしつつ、各クリアインクの打ち込み量比率がランダムとなるように制御する。これにより、顔料インクの使用により発生する光沢むらを低減する等、クリアインクを用いることによって得られる効果を低減させることなく、さらにクリアインクの使用により発生する干渉色を抑制することが可能となる
<第2実施形態>
以下、本発明に係る第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、画素ごとに乱数を発生させて、複数のクリアインクのそれぞれの打ち込み量比率を決定する方法を示した。第2実施形態では、予め乱数に基づく打ち込み量比率を2次元配列した所定サイズのマップをメモリに格納しておき、画像内の画素位置に対する打ち込み比率を該メモリから読み出す例を示す。以下、第2実施形態においても屈折率の異なる複数のクリアインクとして、2種類のクリアインクを用いるとして説明を行う。
図8に、第2実施形態における画像形成システムの構成例を示すが、図8において、上述した第1実施形態における図2と同様の構成については同一番号を付し、説明を省略する。すなわち第2実施形態においては、クリアインク打ち込み量設定部205から参照可能な2次元打ち込み量比率記憶部801を備えたことを特徴とする。
●2次元打ち込み量比率
以下、2次元打ち込み量比率記憶部801とクリアインク打ち込み量設定部205における処理についてのみ、説明する。まず、2次元打ち込み量比率記憶部801には、横方向にW個、縦方向にH個からなる、計W×H個に2次元配列された実数値を、打ち込み量比率マップとして予め記憶しておく。図9に、2次元打ち込み量比率記憶部801に記憶される打ち込み量比率マップの一例を示す。W×H個の実数値からなる打ち込み量比率マップはすなわち、W×H個の画素領域に対応している。ここで、打ち込み量比率として記録される2次元の実数値はすなわち、上述した第1実施形態と同様にクリアインクの打ち込み量比率を示す2次元乱数であり、それぞれが0以上1以下の値をとるものとする。ただし、打ち込み量比率の記憶形式としては、必ずしも0以上1以下の実数である必要はなく、例えば、0〜1の範囲で表される各打ち込み比率に255を乗じて、0以上255以下の値を示す8ビットの整数値として記憶しても良い。その場合、後に説明するクリアインク打ち込み量設定部205で打ち込み比率を利用する際に、各打ち込み比率を255で除算することで、0以上1以下の実数値として利用することができる。また、打ち込み量比率マップとして保持される実数値は必ずしも乱数に基づく必要はなく、任意の実数値を任意のパターンに配置したものであっても良い。
なお、打ち込み量比率マップとして用いる2次元乱数としては、上述した第1実施形態と同様に、隣接する乱数間に相関がない一様乱数や、一様乱数と見なせる疑似乱数であっても良く、例えばブルーノイズ特性を有する乱数である。このとき、W×Hの2次元打ち込み量比率の空間周波数特性がブルーノイズ特性となるだけではなく、該2次元打ち込み量比率をタイル状に周期的に配置した場合においても、その空間周波数特性がブルーノイズ特性を有することが望ましい。
●クリアインク打ち込み量設定
次に、第2実施形態におけるクリアインク打ち込み量設定処理について説明する。クリアインク打ち込み量設定部205では、色分解処理部203で決定されたクリアインク合計打ち込み量CLから、2種類のクリアインクそれぞれの打ち込み量CL1,CL2を決定する。第2実施形態ではこのCL1,CL2の決定を、2次元打ち込み量比率記憶部801に記憶された打ち込み量比率マップを用いて行う。
クリアインク打ち込み量設定部205ではまず、2次元打ち込み量比率記憶部801から、画像中で処理対象となる注目画素の位置(座標)に応じた打ち込み比率を取得する。注目画素の座標が(i,j)である場合、2次元打ち込み量比率記憶部801に記憶された打ち込み量比率のうち、以下の式(5),(6)によって算出される座標(n,m)に記憶された打ち込み量比率R(n,m)を取得する。なお、式(5),(6)において"%"は剰余演算を表し、すなわち「a%b」によって「aをbで除算して商を整数とした際に得られる余り」を表すものとする。
n=i%W ・・・(5)
m=j%H ・・・(6)
続いて、座標(i,j)におけるクリアインク合計打ち込み量CL(i,j)から、2種類のクリアインクのそれぞれの打ち込み量CL1(i,j),CL2(i,j)を、下式(7),(8)に従って算出する。
CL1(i,j)=CL(i,j)×R(n,m) ・・・(7)
CL2(i,j)=CL(i,j)×(1−R(n,m)) ・・・(8)
以上で、第2実施形態におけるクリアインク打ち込み量設定処理が終了する。なお、以後の処理については上述した第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
以上説明したように第2実施形態によれば、予め複数のクリアインクに対する2次元の打ち込み量比率マップを作成しておくことで、画素ごとに乱数を発生させることなく、第1実施形態と同様に干渉色の発生を抑制することが可能となる。
<第3実施形態>
以下、本発明に係る第3実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、屈折率の異なる2種類のクリアインクを用いる例を示したが、第3実施形態では3種類以上のクリアインクを用いる例を示す。
第3実施形態における画像形成システムの構成は、上述した第1実施形態における図2と同様であるため説明を省略する。ただし、クリアインク打ち込み量設定部205の動作、及び記録ヘッド302の構成が第1実施形態とは異なり、以下、第3実施形態の特徴的な動作について説明する。
まず図10に、第3実施形態における記録ヘッド302の構成例を示す。第3実施形態の記録ヘッド302は、CMYKの4色のカラーインクに加え、屈折率の異なる3種類のクリアインク(CL1,CL2,CL3)を搭載しているとする。
●クリアインク打ち込み量設定
次に、第3実施形態におけるクリアインク打ち込み量設定処理について説明する。クリアインク打ち込み量設定部205では、色分解処理部203で決定されたクリアインク合計打ち込み量CLから、3種類のクリアインクそれぞれの打ち込み量CL1,CL2,CL3を決定する。このとき、3種類のクリアインクの打ち込み量の和を常にCLに保ちつつ、画像中の座標によって各クリアインクの打ち込み量比率を変化させることを特徴とする。そのため第3実施形態では、画素ごとに乱数を発生させ、該乱数に基づいて3種類のクリアインクの打ち込み量を決定する。なお、第3実施形態では3種類のクリアインクの打ち込み量を乱数に基づいて変化させる例を示すが、3種類のクリアインクの打ち込み量を画素ごとに変化させることができれば、どのような方法を用いても良い。
以下、画像内の画素位置を示す座標(i,j)におけるクリアインクの合計打ち込み量データCL(i,j)とし、3種類のクリアインクの打ち込み量をそれぞれCL1(i,j)、CL2(i,j)、CL3(i,j)とする。まず、最小値が0、最大値が以下の(9)式で表わされるRNDMAX1となる乱数Rnd1(i,j)を発生させる。
RNDMAX1=2/3 ・・・(9)
そして乱数Rnd1(i,j)を用いて、以下の(10)式からCL1(i,j)を算出する。
CL1(i,j)=CL(i,j)×Rnd1(i,j) ・・・(10)
次にCL2(i,j)、CL3(i,j)を設定するために、さらに乱数Rnd2(i,j)を発生させる。乱数Rnd2(i,j)は、最小値が0、最大値が以下の(11)式で表わされるRNDMAX2(i,j)となる乱数である。
RNDMAX2(i,j)=1−Rnd1(i,j) ・・・(11)
そして、Rnd2(i,j)を用いて、以下の(12)式からCL2(i,j)を、(13)式からCL3(i,j)を、それぞれ算出する。
CL2(i,j)=(CL(i,j)−CL1(i,j))×Rnd2(i,j) ・・・(12)
CL3(i,j)=(CL(i,j)−CL1(i,j))×(1−Rnd2(i,j)) ・・・(13)
以上で、第3実施形態における3種類のクリアインクのそれぞれの打ち込み量が決定される。
ここで、第3実施形態におけるクリアインク打ち込み量設定処理について、図11を用いて詳細に説明する。図11は、画像内の10点からなる1次元信号に対してクリアインク打ち込み量を設定する例を示している。なお、本発明を実際の画像形成に適用する際には、平面画像、すなわち2次元信号に対する設定を行うことになるが、説明の簡単化のため、ここでは1次元信号を用いて説明する。図11に示す設定例においては、10点を座標i(i=1〜10の整数)によって示し、該10点のいずれについてもクリアインクの合計打ち込み量CLを128とし、各点におけるCL1,CL2,CL3を、その合計が128となるように設定している。まず1101,1102が、各点すなわち各座標において発生させた乱数Rnd1,Rnd2である。そして1103が、上記式(10)に従って各画素のCL1(i,j)を算出した結果であり、同様に1104,1105が、上記(12),(13)式に従って算出されたCL2(i,j),CL3(i,j)である。そして1106が、各座標におけるCL1,CL2,CL2の総和を示しているが、その値は全ての座標において、合計打ち込み量である128に等しくなっている。
このように、異なる乱数を用いて3種類以上の各クリアインクの打ち込み量を設定することで、各クリアインクの打ち込み量比率を画素ごとにランダムに変化させることができる。
尚、第3実施形態における打ち込み量決定方法を、クリアインク数がNである場合に一般化することができる。n番目(1≦n≦N−1)のクリアインクの打ち込み量は、最小値が0、最大値が以下の(14)式で示されるRNDMAXnとなる乱数Rndn(i,j)を用いて、以下の(15)式より決定することができる。
RNDMAXn=2×(1−Σ(1≦m≦n)Rndn(i,j))/(N−n+1) ・・・(14)
CLn(i,j)=(CL(i,j)−Σ(1≦m≦n)CLm(i,j))×Rndn(i,j) ・・・(15)
また、最後のN番目のクリアインクの打ち込み量CLN(i,j)は、以下の(16)式により算出される。
CLN(i,j)=CL(i,j)−Σ(1≦m≦N-1)CLm(i,j) ・・・(16)
以上のように、互いに屈折率の異なるN種類のクリアインクのそれぞれの打ち込み量を決定することで、各クリアインクの打ち込み比率を画素ごとにランダムに変えることが可能となる。また、全てのクリアインクの打ち込み量の和は常に、色分解処理部203で設定したクリアインク合計打ち込み量CLに等しくなる。ただし、使用するクリアインク数が多いほど、より干渉色の色付きを低減する効果が得られるが、構成の負荷とのバランスを考慮して、使用するクリアインク数を決定すれば良い。
以上説明したように第3実施形態によれば、3種類以上のクリアインクを搭載する場合においても、色分解処理で設定されたクリアインクの合計打ち込み量を保ちつつ、画素ごとに各クリアインクの打ち込み量比率を変えることが可能となる。これにより、顔料インクの使用により発生する光沢むらを低減する等、クリアインクを用いることによって得られる効果を低減させることなく、さらにクリアインクの使用により発生する干渉色を抑制することが可能となる。
尚、上述した第1〜第3実施形態は、必ずしも形成画像全体に対して適用する必要はなく、例えば干渉色が目立つ階調に対してのみ適用しても良い。さらに、干渉色の生じやすい特定色のインク層、たとえばイエローインク等に対してのみ、各実施形態を適用しても良い。
また、上述した第1〜第3実施形態においては、各クリアインクの打ち込み量比率を画素ごとにランダムとする例を示した。しかしながら、クリアインクの打ち込み量比率は必ずしも画素ごとに変化させる必要はなく、複数の画素からなる所定サイズの領域ごとに変化させても良い。この場合例えば、画素ごとの色分解結果に基づいて領域ごとにクリアインクの合計打ち込み量を決定し、該領域ごとに一つの乱数を割り当てることで、各クリアインクの打ち込み量比率を領域ごとに決定すれば良い。ただし領域のサイズとしては、人間の目で色の識別ができない程度に小さく設定する必要がある。例えば、横2画素×縦2画素の4画素からなる領域内で共通の乱数を用いて各クリアインクの打ち込み量比率を設定することで、画素ごとに制御した場合と同様の効果を得ることができる。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

Claims (8)

  1. 顔料色材を含む複数色の有色インクと、互いに屈折率の異なる複数種類の無色インクを用いて画像形成を行う画像形成装置であって、
    入力されたカラー画像データに対する色分解処理を行って、該カラー画像データの画素ごとに、前記有色インクの各色についての有色インク打ち込み量と、前記無色インクのそれぞれについての打ち込み量を合計した無色インク合計打ち込み量とを、各色の前記有色インク打ち込み量と前記無色インク合計打ち込み量との合計が前記カラー画像データの全画素において一定となるように設定する色分解手段と、
    前記無色インク合計打ち込み量における前記複数種類の無色インクのそれぞれについての無色インク打ち込み量の比率が画素ごとにランダムとなるように、該それぞれの無色インク打ち込み量を設定する打ち込み量設定手段と、
    前記カラー画像データの画素ごとに、前記複数色の有色インクの各色については前記色分解手段で設定された前記有色インク打ち込み量による記録を行い、前記複数種類の無色インクのそれぞれについては前記打ち込み量設定手段で設定された前記無色インク打ち込み量による記録を行うことで記録媒体上にカラー画像を形成する画像形成手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記打ち込み量設定手段は、前記カラー画像データの画素ごとに乱数を発生させ、該乱数を用いて、前記無色インク合計打ち込み量における前記複数種類の無色インクのそれぞれについての無色インク打ち込み量の比率を決定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. さらに、予め画素ごとにランダムに設定した打ち込み量比率の2次元配列を記憶する打ち込み量比率記憶手段を有し、
    前記打ち込み量設定手段は、前記打ち込み量比率記憶手段に記憶された2次元配列から当該画素に対応する打ち込み量比率を取得し、該取得した打ち込み量比率を用いて、前記複数種類の無色インクのそれぞれについての無色インク打ち込み量を設定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記打ち込み量比率記憶手段は、予め定められたサイズの画素領域に対応する2次元乱数を記憶することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記色分解手段は、前記カラー画像データを入力とし、前記有色インクの各色についての有色インク打ち込み量と、前記無色インクのそれぞれについての打ち込み量を合計した無色インク合計打ち込み量を示すデータを出力としたテーブルを用いて、前記色分解処理を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. さらに、前記色分解手段で設定された前記有色インク打ち込み量と、前記打ち込み量設定手段で設定された前記無色インク打ち込み量に対するハーフトーン処理を行うハーフトーン処理手段を有し、
    前記画像形成手段は、前記ハーフトーン処理手段でハーフトーン処理された、前記有色インク打ち込み量と前記無色インク打ち込み量による記録を行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 色分解手段、打ち込み量設定手段、および画像形成手段を有し、顔料色材を含む複数色の有色インクと、互いに屈折率の異なる複数種類の無色インクを用いて画像形成を行う画像形成装置の制御方法であって、
    前記色分解手段が、入力されたカラー画像データに対する色分解処理を行って、該カラー画像データの画素ごとに、前記有色インクの各色についての有色インク打ち込み量と、前記無色インクのそれぞれについての打ち込み量を合計した無色インク合計打ち込み量とを、各色の前記有色インク打ち込み量と前記無色インク合計打ち込み量との合計が前記カラー画像データの全画素において一定となるように設定する色分解ステップと、
    前記打ち込み量設定手段が、前記無色インク合計打ち込み量における前記複数種類の無色インクのそれぞれについての無色インク打ち込み量の比率が画素ごとにランダムとなるように、該それぞれの無色インク打ち込み量を設定する打ち込み量設定ステップと、
    前記画像形成手段が、前記カラー画像データの画素ごとに、前記複数色の有色インクの各色については前記色分解手段で設定された前記有色インク打ち込み量による記録を行い、前記複数種類の無色インクのそれぞれについては前記打ち込み量設定手段で設定された前記無色インク打ち込み量による記録を行うことで記録媒体上にカラー画像を形成する画像形成ステップと、
    を有することを特徴とする制御方法。
  8. コンピュータで実行されることにより、該コンピュータを請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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