JP2012049293A - スピン偏極装置 - Google Patents

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佳明 関根
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貴亮 古賀
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Abstract

【課題】スピン偏極装置と他の素子の電気的な接続が、より容易に行えるようにする。
【解決手段】第1オーミック電極107の側の電界印加電極106の側面106aと同一平面上で第2半導体層104に形成された第1側面104aと、第2オーミック電極108の側の電界印加電極106の側面106bと同一平面上で第2半導体層104に形成された第2側面104bと、第1オーミック電極107の側の電界印加電極106の側面106aと同一平面上で第3半導体層105に形成された第3側面105aと、第2オーミック電極108の側の電界印加電極106の側面106bと同一平面上で第3半導体層105に形成された第4側面105bとを備える。
【選択図】 図1A

Description

本発明は、電子のスピンを操作するスピン偏極装置に関するものである。
電子が電荷とともに備えているスピンを利用した素子(スピン偏極装置)が、開発されている(特許文献1,特許文献2,特許文献3参照)。例えば、特許文献1のスピン偏極装置(半導体スピンフィルター)は、図9の断面図に示すように、基板(不図示)の上に、In0.53Ga0.47Asソース層901、In0.52Al0.48As障壁層902、In0.53Ga0.47As井戸層903、InP障壁層904、In0.53Ga0.47As井戸層905、In0.52Al0.48As障壁層906、In1-xGaxAsドレイン層907を積層し、In1-xGaxAsドレイン層907の上に金属電極908を接続し、In0.53Ga0.47Asソース層901に金属電極909を接続している。
このスピン偏極装置は、In0.53Ga0.47As井戸層903およびIn0.53Ga0.47As井戸層905による2つの量子井戸を、In0.52Al0.48As障壁層902、InP障壁層904、In0.52Al0.48As障壁層906による3つの障壁で挟み、2つの量子井戸の間で、スピン−軌道相互作用の向きが反対方向になる3重障壁構造を形成した構成である。この構成により、材料の磁気的性質を用いることを不要にすると共に、高いスピン偏極率を得ることができる。
特開2002−343958号公報 特開2004−165426号公報 特開2004−165438号公報
Can-Ming Hu and Detlef Heitmann, "Bilayer quantum transistor", APPLIED PHYSICS LETTERS, vol.77, no.10, pp.1475-1477, 2000. Supriyo Datta and Biswajit Das, "Electric analog of the electro-optic modulator", Appl. Phys. Lett. , vol.56, no.7, pp665-667, 1990. H.C.Koo, et al. , "Control of Spin Precession in a Spin-Injected Field Effect Transistor", Science, vol.325, pp.1515-1518, 2009.
しかしながら、上述したスピン偏極装置では、各層を積層している方向にスピン偏極した電子による電流(スピン偏極電流)を取り出す構造となる。このため、上述したスピン偏極装置と基板の上に集積されている他の素子との電気的な接続を得るためには、複雑な構造(配線構造)が必要となるという問題がある。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、スピン偏極装置と他の素子の電気的な接続が、より容易に行えるようにすることを目的とする。
本発明に係るスピン偏極装置は、基板の上に形成された第1半導体層と、この第1半導体層の上に形成された第1半導体層よりバンドギャップエネルギーが小さい第2半導体層と、この第2半導体層の上に形成された第2半導体層よりバンドギャップエネルギーが大きい第3半導体層と、この第3半導体層の上に形成されて第2半導体層に電界を印加する電界印加電極と、基板の平面方向に電界印加電極を挟んで配置されて第2半導体層に接続する第1オーミック電極および第2オーミック電極と、第1オーミック電極の側の電界印加電極の側面と同一平面上で第2半導体層に形成された第1側面と、第2オーミック電極の側の電界印加電極の側面と同一平面上で第2半導体層に形成された第2側面と、第1オーミック電極の側の電界印加電極の側面と同一平面上で第3半導体層に形成された第3側面と、第2オーミック電極の側の電界印加電極の側面と同一平面上で第3半導体層に形成された第4側面と、基板と第1半導体層との間および第3半導体層と電界印加電極との間の少なくとも一方に形成された電子供給層と、電界印加電極に対し、基板の平面方向において第1オーミック電極および第2オーミック電極を通る方向に垂直な方向に磁場を印加する磁場印加手段とを少なくとも備え、第1オーミック電極および第2オーミック電極は、電界印加電極との間の第2半導体層に電界印加電極による電界が印加されない領域が形成される範囲に電界印加電極と離間して配置され、第2半導体層は、電界が印加されると、第2半導体層の層厚方向の中央部にこの両脇より伝導帯端のポテンシャルが高い障壁が形成され、第1側面および第2側面は、第2半導体層の層厚方向に、障壁より電界印加電極の側に形成されている。
上記スピン偏極装置において、障壁を介して第2半導体層の層厚方向に形成される2つの量子井戸層の間で起こる一方のスピンの電子の共鳴の位相が、πの奇数倍とされていればよい。なお、第2半導体層は、層厚方向の中央部に、第2半導体層よりバンドギャップエネルギーの大きい第4半導体層を備え、この第4半導体層が障壁となるようにしてもよい。
以上説明したことにより、本発明によれば、スピン偏極装置と他の素子の電気的な接続が、より容易に行えるようになるという優れた効果が得られる。
図1Aは、本発明の実施の形態におけるスピン偏極装置の構成を示す断面図である。 図1Bは、本発明の実施の形態におけるスピン偏極装置の構成を示す平面図である。 図2は、本発明の実施の形態におけるスピン偏極装置の一部動作を説明するための説明図である。 図3は、本発明の実施の形態におけるスピン偏極装置の一部動作を説明するための説明図である。 図4Aは、本発明の実施の形態における他のスピン偏極装置の構成を示す断面図である。 図4Bは、本発明の実施の形態における他のスピン偏極装置の構成を示す平面図である。 図5は、本発明の実施の形態におけるスピン偏極装置の一部動作を説明するための説明図である。 図6は、本発明の実施の形態におけるスピン偏極装置の一部動作を説明するための説明図である。 図7は、スピン偏極動作が行えない場合の動作を説明するための説明図である。 図8は、スピン偏極動作が行えない場合の動作を説明するための説明図である 図9は、半導体スピンフィルターの構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1Aは、本発明の実施の形態におけるスピン偏極装置の構成を示す断面図であり、図1Bは、本発明の実施の形態におけるスピン偏極装置の構成を示す平面図である。このスピン偏極装置は、基板101の上に形成された第1半導体層103と、第1半導体層103の上に形成された第1半導体層103よりバンドギャップエネルギーが小さい第2半導体層104と、第2半導体層104の上に形成された第2半導体層104よりバンドギャップエネルギーが大きい第3半導体層105と、第3半導体層105の上に形成されて第2半導体層104に電界を印加する電界印加電極106と、基板101の平面方向に電界印加電極106を挟んで配置されて第2半導体層104に接続する第1オーミック電極107および第2オーミック電極108とを備える。
また、本実施の形態におけるスピン偏極装置は、基板101と第1半導体層103との間に電子供給層102を備える。なお、電子供給層は、第3半導体層105と電界印加電極106との間に配置されていてもよい。
加えて、本実施の形態におけるスピン偏極装置は、第1オーミック電極107の側の電界印加電極106の側面106aと同一平面上で第2半導体層104に形成された第1側面104aと、第2オーミック電極108の側の電界印加電極106の側面106bと同一平面上で第2半導体層104に形成された第2側面104bと、第1オーミック電極107の側の電界印加電極106の側面106aと同一平面上で第3半導体層105に形成された第3側面105aと、第2オーミック電極108の側の電界印加電極106の側面106bと同一平面上で第3半導体層105に形成された第4側面105bとを備える。
なお、上述している側面とは、基板101の平面に対して垂直(ほぼ垂直)な面のことを示している。また、後述するように、各半導体層を公知のエッチング技術によりパターニングすることで、上述した各側面を形成することになる。従って、完全に同一平面上に各側面を形成することは、容易ではない。各側面は、設計上同じ平面上に形成されていればよく、各半導体層の加工精度の範囲内で、各層の側面が各々ずれて配置されていてもよい。
また、本実施の形態におけるスピン偏極装置は、電界印加電極106に対し、基板101の平面方向において第1オーミック電極107および第2オーミック電極108を通る方向に垂直な方向に磁場109aを印加する磁場印加部109を備える。
なお、第1オーミック電極107および第2オーミック電極108は、電界印加電極106との間の第2半導体層104に電界印加電極106による電界が印加されない領域が形成される範囲に電界印加電極106と離間して配置されている。また、第2半導体層104は、電界が印加されると、第2半導体層104の層厚方向の中央部に両脇より伝導帯端のポテンシャルが高い障壁が形成される。また、第1側面104aおよび第2側面104bは、第2半導体層104の層厚方向に、障壁より電界印加電極106の側に形成されている。
例えば、基板101は、高抵抗InPから構成すればよい。また、電子供給層102は、n型としたInAlAsから構成すればよい。また、第1半導体層103は、InAlAsから構成すればよい。また、第2半導体層104は、InGaAsから構成すればよく、層厚は10〜20nm程度とすればよい。また、第3半導体層105は、第1半導体層103と同様であり、InAlAsから構成すればよい。これらの各層は、例えば、有機金属気相成長法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:MOCVD)および分子線エピタキシー法(Molecular Beam Epitaxy:MBE)などの、半導体の結晶成長技術により形成することができる。
また、電界印加電極106は、Auから構成すればよく、例えば、第3半導体層105にショットキー接続させればよい。また、第1オーミック電極107は、AuGeNi/Auから構成すればよく、第2半導体層104との間で合金領域が形成されていればよい。また、第2オーミック電極108も同様であり、AuGeNi/Auから構成すればよく、第2半導体層104との間で合金領域が形成されていればよい。これらの電極は、例えば、真空蒸着法やスパッタ法などの堆積技術を用いたリフトオフ法により形成することができる。
また、例えば、電界印加電極106を形成した後、第3半導体層105および第2半導体層104を、公知のリソグラフィー技術およびエッチング技術によりパターニングし、電界印加電極106の側方に溝を形成することで、第1側面104a,第2側面104b,第3側面105a,および第4側面105bが形成できる。上記溝は、例えば、第2半導体層104の層厚方向の途中まで形成すればよい。また、このようにして溝を形成した後、溝底部の第2半導体層104の上に、第1オーミック電極107および第2オーミック電極108を形成すればよい。
ここで、電界の印加により、第2半導体層104の層厚方向の中央部に形成される、両脇より伝導帯端のポテンシャルが高い障壁について説明する。
まず、量子井戸層となる第2半導体層104において、図2の(a)に示すように、電界印加電極106により電界が印加された状態では、層厚方向の中央部に層厚方向の両端部より伝導帯端のポテンシャルが高い領域(電子に対する障壁)が形成され、層厚方向の両端部に、よりポテンシャルの低い2つの井戸(電子に対する井戸)が形成される。例えば、基板101の側に第1井戸が形成され、電界印加電極106の側に第2井戸が形成される。この状態は、図2の(a)のポテンシャルの図において、実線で示している。
このように2つの井戸が形成される二重量子井戸構造においては、任意の1つの向きに流れる電子に対し、一方の井戸では、下向きスピンの電子のエネルギーが上向きスピンの電子のエネルギーよりも大きく、他方の井戸では、上向きスピンの電子のエネルギーが下向きスピンの電子のエネルギーよりも大きい状態となる。この状態は、図2の(a)のポテンシャルの図において、点線で示している。この結果、電界印加電極106により電界が印加される領域では、第2半導体層104の層厚方向の上述した2つの領域(井戸)に、各々異なる方向にスピン偏極した電子が偏在する状態となる。
一方、電界印加電極106の領域以外の、薄くされている第2半導体層104の領域(電界が印加されない領域)は、図2の(b)に示すように、層厚方向の中央部に層厚方向の両端部より伝導帯端のポテンシャルが高い領域が形成されず、層厚方向に、1つの井戸(電子に対する井戸)が形成される状態となる。この状態は、図2の(b)のポテンシャルの図において、実線で示している。
このため、電界印加電極106と第1オーミック電極107との間の、電界印加電極106による電界が印加されない薄い第2半導体層104では、スピン偏極がない状態の電子によるチャネルが形成されるようになる。この状態は、電界印加電極106と第2オーミック電極108との間の第2半導体層104においても同様である。このように、第1オーミック電極107および第2オーミック電極108と電界印加電極106との間の第2半導体層104では、電子が移動できる状態となり、電流が流れる状態となっている。
また、本実施の形態によれば、二重量子井戸構造となる第2半導体層104に第1側面104aおよび第2側面104bを形成し、上記第2井戸は、二重量子井戸構造の領域で閉じた状態としている。このため、第2井戸を基板101の平面方向に移動するいずれかのスピン状態の電子は、第1側面104aおよび第2側面104bで反射し、二重量子井戸構造の領域の第2井戸に閉じ込められる状態となる。これに対し、基板101の側の第1井戸は、薄くされている領域のチャネルと連続して接続する状態としているので、スピン偏極している電子が閉じ込められることなく、通過することができる。
このような状態において、2つの井戸層の間の相関の強さや二重量子井戸構造となる長さ(第1オーミック電極107および第2オーミック電極108方向の電界印加電極106の長さ)を適宜に設定することで、一方のスピンの電子が、2つの井戸の間で共鳴を起こす条件とすることができ、一方のスピンの電子を2つの井戸間でトンネリングさせる(高い確率でトンネリングさせる)ことができるようになる。
加えて、ここに磁場109aを印加することで、上述した一方のスピンの電子のトンネリングを制御することができる。
上述した、一方の井戸を閉じた領域とした二重量子井戸構造、一方のスピンの電子のトンネリング、および磁場印加によるトンネリングの制御により、本実施の形態によれば、一方のスピンの電子は電界印加電極106の側の第2井戸にトンネリングさせ、かつ第1側面104aで反射させることができるようになる。この結果、一方のスピンの電子については、電界印加電極106下の通過を阻止し、他方のスピンの電子については、電界印加電極106下を通過させることができるようになる。このように、本実施の形態によれば、スピン偏極させたスピン電流を、第1オーミック電極107および第2オーミック電極108の間に流すことができるようになる。
以上に説明したように、上述した本実施の形態によれば、半導体層の平面方向にスピン偏極電流が流せるので、集積されている他の素子に対してスピン偏極装置を基板の平面方向に並べて配置すれば、これらの間の電気的な接続が容易にできる。このように、本実施の形態によれば、スピン偏極装置と他の素子の電気的な接続が、より容易に行えるようになる。なお、上述した一方のスピンの電子の制御については、詳細を後述する。
ところで、上述では、1つの層からなる第2半導体層104を、電界の印加により層厚方向の中央部に層厚方向の両端部より伝導帯端のポテンシャルが高い領域が形成される構成としたが、これに限るものではない。例えば、図3に示すように、第1半導体層103よりバンドギャップエネルギーが小さい量子井戸層141および量子井戸層142で、量子井戸層141および量子井戸層142よりバンドギャップエネルギーの大きい障壁層143を挟む構成としてもよい。これは、第2半導体層104の層厚方向の中央部に、第2半導体層104よりバンドギャップエネルギーの大きい第4半導体層(障壁層)を備えるようにした構成と同じである。
また、このスピン偏極装置では、第1オーミック電極107の側の電界印加電極106の側面106aと同一平面上において、量子井戸層142に第1側面142aが形成され、第2オーミック電極108の側の電界印加電極106の側面106bと同一平面上において、量子井戸層142に第2側面142bが形成されている。なお、このスピン偏極装置においても、上述した各側面は、設計上同じ平面上に形成されていればよく、各半導体層の加工精度の範囲内で、各層の側面が各々ずれて配置されていてもよい。
このように、量子井戸層141,量子井戸層142,および障壁層143からなる2重量子井戸構造としても、前述した実施の形態と同様である。この構成としても、量子井戸層141,量子井戸層142,および障壁層143の全体としては、図3の(a)に示すように、電界印加電極106により電界が印加された状態では、層厚方向の中央部に層厚方向の両端部より伝導帯端のポテンシャルが高い障壁(障壁層143)が形成され、層厚方向の両端部(量子井戸層141,量子井戸層142)に、よりポテンシャルの低い2つの井戸が形成される。この状態は、図3の(a)のポテンシャルの図において、実線で示している。
従って、量子井戸層141,量子井戸層142,および障壁層143からなる2重量子井戸構造としても、図3の(a)のポテンシャルの図に点線で示すように、2つの電子エネルギー状態が形成され、電界印加電極106により電界が印加される領域では、電子供給層102より供給される電子は、量子井戸層141,量子井戸層142の2つの領域に、各々異なる方向にスピン偏極して偏在するようになる。
また、図3の(b)に示す、電界印加電極106の電界が印加されない領域(電界印加電極106と第1オーミック電極107との間の領域)では、層厚方向に、第1半導体層103の側の量子井戸層141に、1つの井戸が形成されるようになる。この状態は、図3の(b)のポテンシャルの図において、実線で示している。
このため、電界印加電極106による電界が印加されない電界印加電極106と第1オーミック電極107との間の領域では、前述同様にチャネルが形成されて電流が流れる状態となっている。この状態は、電界印加電極106と第2オーミック電極108との間の量子井戸層141においても同様である。このように、第1オーミック電極107および第2オーミック電極108と電界印加電極106との間の量子井戸層141では、電子が移動できる状態となり、電流が流れる状態となっている。
従って、量子井戸層141,量子井戸層142,および障壁層143からなる2重量子井戸構造としても、量子井戸層142に第1側面142aなどを形成して第2井戸と同様に閉じた領域とすることで、第1オーミック電極107と第2オーミック電極108との間に、スピン偏極させた電流が流せるようになる。
以下、量子井戸層141および量子井戸層142を設ける構成について、より詳細に説明する。図4Aは、本発明の実施の形態におけるスピン偏極装置の構成を示す断面図であり、図4Bは、本発明の実施の形態におけるスピン偏極装置の構成を示す平面図である。スピン偏極装置は、基板101の上に形成された第1半導体層103を備える。また、基板101と第1半導体層103との間に電子供給層102を備える。これらの構成は、前述したスピン偏極装置と同様である。
また、このスピン偏極装置は、第1半導体層103の上に形成された第1半導体層103よりバンドギャップエネルギーが小さい量子井戸層141と、量子井戸層141の上に形成された量子井戸層141よりバンドギャップエネルギーの大きい障壁層143と、障壁層143の上に、障壁層143よりバンドギャップエネルギーが小さい量子井戸層142とを備える。
また、量子井戸層142の上に形成された量子井戸層142よりバンドギャップエネルギーが大きい第3半導体層105と、第3半導体層105の上に形成されて量子井戸層141および量子井戸層142に電界を印加する電界印加電極106と、基板101の平面方向に電界印加電極106を挟んで配置されて量子井戸層141に接続する第1オーミック電極107および第2オーミック電極108とを備える。
また、このスピン偏極装置においては、第1オーミック電極107の側の電界印加電極106の側面106aと同一平面上で量子井戸層142に形成された第1側面142aと、第2オーミック電極108の側の電界印加電極106の側面106bと同一平面上で量子井戸層142に形成された第1側面142bと、第1オーミック電極107の側の電界印加電極106の側面106aと同一平面上で第3半導体層105に形成された第3側面105aと、第2オーミック電極108の側の電界印加電極106の側面106bと同一平面上で第3半導体層105に形成された第4側面105bとを備える。
また、このスピン偏極装置においても、電界印加電極106に対し、基板101の平面方向において第1オーミック電極107および第2オーミック電極108を通る方向に垂直な方向に、磁場109aを印加する磁場印加部109を備える。
なお、第1オーミック電極107および第2オーミック電極108は、電界印加電極106との間の量子井戸層142に電界印加電極106による電界が印加されない領域が形成される範囲に電界印加電極106と離間して配置されている。このように構成したスピン偏極装置においても、図1A,図1Bを用いて説明したスピン偏極装置と同様に、電界印加電極106の下部領域に二重量子井戸構造が形成される状態となっている。
このスピン偏極装置では、例えば、量子井戸層141および量子井戸層142は、InGaAsから構成すればよく、各々の層厚は5nm程度とすればよい。また、第3半導体層105は、第1半導体層103と同様であり、InAlAsから構成すればよい。また、障壁層143は、InAlAsから構成すればよく、層厚は5nm程度とすればよい。これらの各層は、例えば、有機金属気相成長法および分子線エピタキシー法などの、半導体の結晶成長技術により形成することができる。
また、電界印加電極106は、Ti/Auから構成すればよく、例えば、第3半導体層105にショットキー接続させればよい。また、第1オーミック電極107は、AuGeNi/Auから構成すればよく、量子井戸層141にまで合金領域が形成されていればよい。また、第2オーミック電極108も同様であり、AuGeNi/Auから構成すればよく、量子井戸層141にまで合金領域が形成されていればよい。これらの電極は、例えば、真空蒸着法やスパッタ法などの堆積技術を用いたリフトオフ法により形成することができる。
また、例えば、電界印加電極106を形成した後、第3半導体層105および量子井戸層142を、公知のリソグラフィー技術およびエッチング技術によりパターニングし、電界印加電極106の側方に溝を形成することで、第1側面142a,第2側面142b,第3側面105a,および第4側面105bが形成できる。上記溝は、例えば、障壁層143が露出するまで形成すればよい。また、このようにして溝を形成した後、溝底部の障壁層143の上に、第1オーミック電極107および第2オーミック電極108を形成すればよい。
次に、量子井戸層141,障壁層143,および量子井戸層142による二重量子井戸構造としたスピン偏極装置を例に、一方のスピンの電子の制御についてより詳細に説明する。
前述したように、二重量子井戸構造としている電界印加電極106の下の領域においては、任意の1つの向きに流れる電子に対し、量子井戸層141では、上向きスピンの電子のエネルギーが下向きスピンの電子のエネルギーよりも大きく、量子井戸層142では、下向きスピンの電子のエネルギーが上向きスピンの電子のエネルギーよりも大きい状態となる。この結果、電界印加電極106により電界が印加される領域では、量子井戸層141および量子井戸層142に、各々異なる方向にスピン偏極した電子が偏在する状態となる。
一方、電界印加電極106の領域以外の、量子井戸層141の領域(電界が印加されない領域)では、スピン偏極がない状態の電子によるチャネルが形成されるようになり、電界印加電極106と第1オーミック電極107および第2オーミック電極108との間の量子井戸層141では、電子が移動できる状態となっている。
また、量子井戸層142に第1側面142aおよび第2側面142bを形成しており、まず、量子井戸層142は閉じた領域となっている。このため、例えば、量子井戸層142を基板101の平面方向に移動する下向きスピンの電子は、第1側面142aおよび第2側面142bで反射し、量子井戸層142に閉じ込められる状態となる。これに対し、量子井戸層141は、第2オーミック電極108から第1オーミック電極107にかけて形成されているので、スピン偏極している電子が電界印加電極106の下の領域に閉じ込められることなく、通過することができる。
このような構成において、まず、一方のスピンの状態の電子が量子井戸層141と量子井戸層142との間で共鳴を起こせば、このスピン状態の電子は、量子井戸層141と量子井戸層142との間を高い確率でトンネリングして移動することができるようになる。
ここで、上述した共鳴の位相は、以下の式(1)に示すように、量子井戸層141と量子井戸層142との間の相関の強さt’、電子のフェルミ速度vF、電界印加電極106の第1オーミック電極107および第2オーミック電極108方向の長さLにより決定される。なお、hはプランク定数である。また、L/vFは、電子が電界印加電極106の下の領域を通過するのに要する時間であり、t’/(h/2π)は、共鳴周波数である。
共鳴の位相=t’/(h/2π)×L/vF・・・(1)
この共鳴の位相がπの整数倍の時、上述した共鳴が最大となり、一方のスピン状態の電子が、量子井戸層141と量子井戸層142との間をトンネリングして移動する確率が最大となる。従って、Lおよびt’を適宜に設定して共鳴の位相をπの整数倍とすることで、上記トンネリングの確率を最大とすることができる。
ここで、共鳴の位相が、π,3π,5π・・・とπの奇数倍の場合、井戸層を長さLの方向に走行する共鳴する電子は、奇数回のトンネリングを行うことになる。従ってこの場合、量子井戸層141を走行していた一方のスピン状態の電子は、量子井戸層142の側に移動し、同じ方向の走行においては量子井戸層141の側に戻ってくることがない。
一方、共鳴の位相が2π,4π,6π・・・とπの偶数倍の場合、井戸層を長さLの方向に走行する共鳴する電子は、偶数回のトンネリングを行うことになる。従ってこの場合、量子井戸層141を走行していた一方のスピン状態の電子は、同じ方向の走行において、最終的に量子井戸層141の側に移動して戻ってくることになる。
以上の共鳴条件を考慮し、まず、Lおよびt’を適宜に設定して共鳴の位相をπとし、加えて、図5に示すように、紙面手前より奥に向かう磁場109aを印加する場合について考える。この状態で、図5に示すように、第1オーミック電極107には正電圧、第2オーミック電極には負電圧を印加し、電界印加電極106に正電圧を印加すると、第2オーミック電極108から第1オーミック電極107の側にかけて、量子井戸層141に上向きスピンの電子501が流れる。この場合、電子501は、量子井戸層141と量子井戸層142との間で共鳴を起こさず、トンネリングしない。
一方、上記条件の電圧印加において、第2オーミック電極108から第1オーミック電極107の側にかけて、量子井戸層141には、図6に示すように、下向きスピンの電子601も流れるが、電子601は、量子井戸層141と量子井戸層142との間で共鳴を起こす。このため、第2オーミック電極108から第1オーミック電極107の側にかけて、走行する電子601は、量子井戸層142が存在する領域では、量子井戸層141から量子井戸層142にトンネリングする。トンネリングした電子601は、正電圧が印加されている第1オーミック電極107の側に走行する。
この場合、共鳴の位相をπとしているので、第1オーミック電極107の側への走行では、電子601が量子井戸層141の側に再度トンネリングすることがない。この結果、走行している電子601は、第1側面142aにぶつかって反射する。反射して第2オーミック電極108の側へ走行することになった電子601は、今度は、量子井戸層142から量子井戸層141にトンネリングし、第2オーミック電極108の方向に戻る。
以上のように、上述した各条件では、まず、第2オーミック電極108から第1オーミック電極107に向けて量子井戸層141を走行する一方のスピン状態の電子(電子601)は、量子井戸層142にトンネリングして第1側面142aで反射するため、第1オーミック電極107の側へ通過できない。
これに対し、第2オーミック電極108から第1オーミック電極107に向けて量子井戸層141を走行する他方のスピン状態の電子(電子501)は、量子井戸層142にトンネリングしないため、第1オーミック電極107の側へ通過する。このように、本実施の形態におけるスピン偏極装置では、電界印加電極106により正電圧が印加される領域に、一方のスピン状態(上向きスピン)に偏極したスピン偏極電流を流すことができる。
次に、一方のスピン状態の電子(電子601)が量子井戸層141と量子井戸層142との間で共鳴を起こす条件として、Lおよびt’を適宜に設定して共鳴の位相をπの偶数倍とし、加えて、前述同様に磁場109aを印加する場合について考える。例えば、図7に示すように、共鳴の位相がπとなる電界印加電極106の長さLに対し、共鳴の位相が2πとなる長さが2Lとされた電界印加電極706の場合について考える。この場合、第1オーミック電極107および第2オーミック電極108の量子井戸層742および第3半導体層705も、長さが2Lとされている。
また、第1オーミック電極107の側の電界印加電極706の側面706aと同一平面上において、量子井戸層742に第1側面742aが形成され、第3半導体層705に第3側面705aが形成されている。また、第2オーミック電極108の側の電界印加電極706の側面706bと同一平面上において、量子井戸層742に第2側面742bが形成され、第3半導体層705に第4側面705bが形成されている。
この場合、量子井戸層141を第1オーミック電極107に向けて走行している下向きスピンの電子601は、量子井戸層742が存在する領域では、量子井戸層141から量子井戸層742にトンネリングする。トンネリングした電子601は、正電圧が印加されている第1オーミック電極107の側に走行する。この例では、電界印加電極706が長く、共鳴の位相が2πとされているので、第1側面742aに到達する前に、量子井戸層742から量子井戸層141に再度トンネリングする。このため、電子601は、電界印加電極706の下の領域で遮られることなく、第1オーミック電極107の側へ通過することになる。
また、量子井戸層141を第1オーミック電極107に向けて走行している上向きスピンの電子(不図示)は、量子井戸層742が存在する領域でも、トンネリングすることなく量子井戸層141をそのまま走行していく。これは、図5を用いて説明した状態と同様である。
従って、上述したように、共鳴の位相を2πとすると、共鳴する電子601も、量子井戸層141の側に戻ってくるので、上向きスピンの電子とともに、第1オーミック電極107の側に到達することになる。このように、共鳴の位相がπの偶数倍とされている条件では、電界印加電極106により正電圧が印加される領域に、一方のスピン状態(上向きスピン)に偏極したスピン偏極電流を流すことができない。
次に、一方のスピン状態の電子(電子601)が量子井戸層141と量子井戸層142との間で共鳴を起こす条件として、Lおよびt’を適宜に設定して共鳴の位相をπの奇数倍とし、一方で、前述とは異なり磁場が印加されていない場合について説明する。
この状態で、第1オーミック電極107には正電圧、第2オーミック電極には負電圧を印加し、電界印加電極106に正電圧を印加すると、第2オーミック電極108から第1オーミック電極107の側にかけて、量子井戸層141に上向きスピンの電子(不図示)が流れる。この場合、上向きスピンの電子は、量子井戸層141と量子井戸層142との間で共鳴を起こさず、トンネリングしない。これは、図5を用いて説明した状態と同じである。
一方、下向きスピンの電子601は、量子井戸層141と量子井戸層142との間で共鳴を起こす。このため、図8に示すように、まず、第2オーミック電極108から第1オーミック電極107の側にかけて走行する電子601は、量子井戸層142が存在する領域では、量子井戸層141から量子井戸層142にトンネリングする。トンネリングした電子601は、正電圧が印加されている第1オーミック電極107の側に走行する。この場合、共鳴の位相をπとしているので、第1側面142aに到達する前に、電子601が量子井戸層141の側にトンネリングすることがない。この結果、走行している電子601は、第1側面142aにぶつかって反射する。
ここで、磁場を印加していない場合、反射して第2オーミック電極108の方向に走行する電子601は、量子井戸層142から量子井戸層141にトンネリングすることがない。これは、磁場がない場合、量子井戸層141に入射された電子は、この入射方向には共鳴条件を満たすが、入射方向とは反対の方向に走行する電子は、共鳴条件を満たさなくなるからである。このため、電子601は、第2オーミック電極108の方向に戻ることなく、第2側面142bで反射する。このようして第2側面142bで反射して第1オーミック電極107の方向に走行する電子601は、入射方向に走行しているために共鳴条件を満たし、量子井戸層142から量子井戸層141に再度トンネリングする。この結果、電子601は、電界印加電極106の下の領域で遮られることなく、第1オーミック電極107の側へ通過することになる。
従って、上述したように、共鳴の位相をπ(πの奇数倍)としていても、磁場が印加されていないと、共鳴する電子601が量子井戸層141の側に戻ってくるので、上向きスピンの電子とともに、第1オーミック電極107の側に到達することになる。このように、磁場が印加されていない場合、共鳴の位相がπの奇数倍とされていても、電界印加電極106により正電圧が印加される領域に、一方のスピン状態(上向きスピン)に偏極したスピン偏極電流を流すことができない。
以上に説明したように、電界印加電極106の下の領域の二重量子井戸構造において、2つの井戸の間で電子が共鳴する条件として、共鳴の位相がπの奇数倍とされ、電界印加電極106に対し、基板101の平面方向において第1オーミック電極107および第2オーミック電極108を通る方向に垂直な方向に磁場が印加されていれば、高い確率で一方のスピン状態の電子を選択的に流すことができるようになり、高効率のスピンフィルタが実現できる。
以上の説明したように、本発明によれば、二重量子井戸構造を構成している領域における電子の共鳴条件を適宜に設定することで、基板面内方向に高効率にスピン偏極電流を流すことができ、基板面にスピン偏極トランジスタ等のスピン偏極デバイスを高集積化できるようになる。また、本発明は、電子のスピン物性を利用したスピン・トランジスタ(非特許文献2,非特許文献3参照)や、スピンを用いた半導体量子ビットの情報読み取りデバイスへの応用が考えられる。特に、スピン偏極トランジスタを高集積化できる点で、高い実用性が得られる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの組み合わせおよび変形が実施可能であることは明白である。例えば、上述では、電界印加電極の側の井戸に下向きのスピンの電子をトンネリングさせるようにしたが、これに限るものではなく、電界印加電極の側の井戸に上向きのスピンの電子をトンネリングさせるようにしてもよい。
また、上述では、InP基板を用い、InAlAsおよびInGaAsなどの化合物半導体を用いるようにしたが、これに限るものではなく、他の半導体を用いるようにしてもよい。例えば、第1半導体層および第3半導体層をAlSbから構成し、第2半導体層をInAsから構成してもよい。また、電子供給層を第1半導体層の基板側に配置するようにしたが、これに限るものではなく、第3半導体層の電極形成側に電子供給層を配置してもよい。また、両方に、電子供給層を配置してもよい。電子供給層は、基板と第1半導体層との間および第3半導体層と電界印加電極との間の少なくとも一方に形成されていればよい。また、基板の上に、バッファ層を介して各層を結晶成長させるようにしてもよい。例えば、InP基板を用いる場合、InGaAsからなるバッファ層を形成し、この上に、各層を形成(エピタキシャル成長)させてもよい。
101…基板、102…電子供給層、103…第1半導体層、104…第2半導体層、104a…第1側面、104b…第2側面、105…第3半導体層、105a…第3側面、105b…第4側面、106…電界印加電極、106a,106b…側面、107…第1オーミック電極、108…第2オーミック電極、109…磁場印加部、109a…磁場。

Claims (3)

  1. 基板の上に形成された第1半導体層と、
    この第1半導体層の上に形成された前記第1半導体層よりバンドギャップエネルギーが小さい第2半導体層と、
    この第2半導体層の上に形成された前記第2半導体層よりバンドギャップエネルギーが大きい第3半導体層と、
    この第3半導体層の上に形成されて前記第2半導体層に電界を印加する電界印加電極と、
    前記基板の平面方向に前記電界印加電極を挟んで配置されて前記第2半導体層に接続する第1オーミック電極および第2オーミック電極と、
    前記第1オーミック電極の側の前記電界印加電極の側面と同一平面上で前記第2半導体層に形成された第1側面と、
    前記第2オーミック電極の側の前記電界印加電極の側面と同一平面上で前記第2半導体層に形成された第2側面と、
    前記第1オーミック電極の側の前記電界印加電極の側面と同一平面上で前記第3半導体層に形成された第3側面と、
    前記第2オーミック電極の側の前記電界印加電極の側面と同一平面上で前記第3半導体層に形成された第4側面と、
    前記基板と前記第1半導体層との間および前記第3半導体層と前記電界印加電極との間の少なくとも一方に形成された電子供給層と、
    前記電界印加電極に対し、前記基板の平面方向において前記第1オーミック電極および前記第2オーミック電極を通る方向に垂直な方向に磁場を印加する磁場印加手段と
    を少なくとも備え、
    前記第1オーミック電極および前記第2オーミック電極は、前記電界印加電極との間の前記第2半導体層に前記電界印加電極による電界が印加されない領域が形成される範囲に前記電界印加電極と離間して配置され、
    前記第2半導体層は、電界が印加されると、前記第2半導体層の層厚方向の中央部にこの両脇より伝導帯端のポテンシャルが高い障壁が形成され、
    前記第1側面および前記第2側面は、前記第2半導体層の層厚方向に、前記障壁より前記電界印加電極の側に形成されている
    ことを特徴とするスピン偏極装置。
  2. 請求項1記載のスピン偏極装置において、
    前記障壁を介して前記第2半導体層の層厚方向に形成される2つの量子井戸層の間で起こる一方のスピンの電子の共鳴の位相が、πの奇数倍とされている
    ことを特徴とするスピン偏極装置。
  3. 請求項1または2記載のスピン偏極装置において、
    前記第2半導体層は、層厚方向の中央部に、前記第2半導体層よりバンドギャップエネルギーの大きい第4半導体層を備え、この第4半導体層が前記障壁となることを特徴とするスピン偏極装置。
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