JP2012049225A - 電子デバイス及びその製造方法、並びに、半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

電子デバイス及びその製造方法、並びに、半導体装置及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来よりも低い温度での形成が可能である絶縁層を備えた電子デバイスを提供する。
【解決手段】電子デバイスは、(A)制御電極12、(B)第1電極14及び第2電極14、並びに、(C)第1電極14と第2電極14との間であって、絶縁層13を介して制御電極12と対向して設けられた、有機半導体材料層15から成る能動層16を備えて成り、少なくとも能動層12と接触する絶縁層13の部分は、下記の式(1)にて示される材料を硬化して成る層から構成されている。
Figure 2012049225

【選択図】 図3

Description

本発明は、電子デバイス及びその製造方法、並びに、半導体装置及びその製造方法に関し、より具体的には、能動層が有機半導体材料から構成された電子デバイス及びその製造方法、並びに、チャネル形成領域が有機半導体材料から構成された半導体装置及びその製造方法に関する。
現在、多くの電子機器に用いられている薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor,TFT)を含む電界効果トランジスタ(FET)は、例えば、シリコン半導体基板あるいはシリコン半導体材料層に形成されたチャネル形成領域及びソース/ドレイン電極、シリコン半導体基板表面あるいはシリコン半導体材料層表面に形成されたSiO2から成るゲート絶縁層、並びに、ゲート絶縁層を介してチャネル形成領域に対向して設けられたゲート電極から構成されている。尚、このような構成のFETを、便宜上、トップゲート型FETと呼ぶ。あるいは又、基体上に形成されたゲート電極、ゲート電極上を含む基体上に形成されたSiO2から成るゲート絶縁層、並びに、ゲート絶縁層上に形成されたチャネル形成領域及びソース/ドレイン電極から構成されている。尚、このような構成のFETを、便宜上、ボトムゲート型FETと呼ぶ。そして、これらの構造を有する電界効果トランジスタの作製には、非常に高価な半導体製造装置が使用されており、製造コストの低減が強く要望されている。
そうした中、最近、有機半導体分子から成る薄膜を用いた電子デバイスの開発が精力的に行われており、その中でも、有機トランジスタ、有機発光素子、有機太陽電池といった有機エレクトロニクスデバイス(以下、単に、有機デバイスと略称する場合がある)が注目を浴びている。これらの有機デバイスの最終的な目標として、低コスト、軽量、可撓性、高性能を挙げることができ、開発の鍵は、有機半導体材料の物性にあると云われている。有機半導体材料は、シリコンを中心とする無機材料と比較して、
(1)低温で、簡易なプロセスにて、大面積の有機デバイスを低コストで製造することができる。
(2)可撓性を有する有機デバイスを製造することが可能である。
(3)有機材料を構成する分子を所望の形態に修飾することで、有機デバイスの性能や物性を制御することができる。
といった種々の利点を有している。
そして、特に、低温で、簡易なプロセスとして、印刷法等の塗布成膜法の検討が進められている(例えば、WO2003/016599参照)。
ところで、低温で、しかも、簡易なプロセスにて有機デバイスを製造するためには、チャネル形成領域以外の種々の層も低温プロセスにて形成することが必要不可欠である。それ故、例えば、ゲート絶縁層を、有機材料、具体的には高分子を溶解して成るコーティング材料にて構成する検討が進められている。
WO2003/016599
下田達也ら、「インクジェットプリント法による有機トランジスタ」"応用物理"、第70巻、1452頁(2001) Veres B.J.,et al.,"Low−k insulator as the choice of dielectrics in organic field−effect transistors",vol.13,pp.199(2003)
可撓性を有する樹脂基板上に有機デバイスを設ける場合、ゲート絶縁層や有機半導体材料層といった基板上に設けるべき構成要素は、出来るだけ低温、具体的には、200゜C以下、より好ましくは180゜C以下というプロセス温度にて製造することが望ましい。プロセス温度を低くする必要がある理由は、樹脂基板を高温雰囲気に晒すと、樹脂基板が熱によって収縮したり軟化し、劣化を引き起こし、有機デバイスそのものが破壊されてしまう可能性があるからである。そのため、200゜C以下の低温にてゲート絶縁層を形成するために様々な取り組みがなされている。
例えば、ポリビニルフェノール(PVP)をゲート絶縁層に使用し、電極と有機半導体材料層をインクジェット印刷法で形成する技術が非特許文献1に開示されている。また、比誘電率の低いゲート絶縁層上にポリトリアリルアミンを設けたFETを作製する技術が非特許文献2に開示されている。しかしながら、これらの技術にあっては、いずれも、ゲート絶縁層を形成する材料として熱可塑性樹脂を用いているため、加工性が良い反面、耐溶剤性や熱安定性に問題が残り、薄膜で十分な絶縁性を示す緻密な層を形成することが困難である。また、絶縁性の高いことで知られるポリイミドを絶縁層に用いた例も報告されているが、前駆体からポリイミドを重合させて絶縁層を形成しようとすると、250゜C以上の高温が必要となってしまう。
従って、本発明の目的は、従来よりも低い温度での形成が可能である絶縁層あるいはゲート絶縁層を備えた電子デバイスあるいは半導体装置の製造方法、及び、係る、電子デバイスあるいは半導体装置の製造方法によって得られた電子デバイスあるいは半導体装置を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の電子デバイスは、
(A)制御電極、
(B)第1電極及び第2電極、並びに、
(C)第1電極と第2電極との間であって、絶縁層を介して制御電極と対向して設けられた、有機半導体材料層から成る能動層、
を備えて成る電子デバイスであって、
少なくとも能動層と接触する絶縁層の部分は、下記の式(1)、式(2)又は式(3)にて示される材料を硬化して成る層から構成されている。
Figure 2012049225
Figure 2012049225
Figure 2012049225
上記の目的を達成するための本発明の半導体装置は、基体上に、ゲート電極、ゲート絶縁層、ソース/ドレイン電極、及び、有機半導体材料層から成るチャネル形成領域を備えており、
少なくともチャネル形成領域と接触するゲート絶縁層の部分は、上記の式(1)、式(2)又は式(3)にて示される材料を硬化して成る層から構成されている。あるいは又、本発明の半導体装置は、次に述べる本発明の第1の態様〜第4の態様に係る半導体装置の製造方法によって得られる。
上記の目的を達成するための本発明の電子デバイスの製造方法は、
(A)制御電極、
(B)第1電極及び第2電極、並びに、
(C)第1電極と第2電極との間であって、絶縁層を介して制御電極と対向して設けられた、有機半導体材料層から成る能動層、
を備えており、
少なくとも能動層と接触する絶縁層の部分を、上記の式(1)、式(2)又は式(3)にて示される材料を硬化させることで形成する。
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る半導体装置の製造方法は、より具体的には、ボトムゲート・ボトムコンタクト型の半導体装置の製造方法であって、
(a)基体上にゲート電極を形成した後、全面にゲート絶縁層を形成し、次いで、
(b)ゲート絶縁層上にソース/ドレイン電極を形成した後、
(c)少なくとも、ソース/ドレイン電極の間に位置するゲート絶縁層の上に、有機半導体材料層から成るチャネル形成領域を形成する、
各工程を有する半導体装置の製造方法であって、
少なくともチャネル形成領域と接触するゲート絶縁層の部分を、上記の式(1)、式(2)又は式(3)にて示される材料を硬化させることで形成する。尚、こうして得られたボトムゲート・ボトムコンタクト型の半導体装置(具体的には、ボトムゲート・ボトムコンタクト型電界効果トランジスタ,FETであり、より具体的には、ボトムゲート・ボトムコンタクト型薄膜トランジスタ,TFT)は、
(A)基体上に形成されたゲート電極、
(B)ゲート電極及び基体上に形成されたゲート絶縁層、
(C)ゲート絶縁層上に形成されたソース/ドレイン電極、並びに、
(D)ソース/ドレイン電極の間であってゲート絶縁層上に形成された、有機半導体材料層から成るチャネル形成領域、
を備えており、
少なくともチャネル形成領域と接触するゲート絶縁層の部分は、上記の式(1)、式(2)又は式(3)にて示される材料を硬化して成る層から構成されている。
上記の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る半導体装置の製造方法は、より具体的には、ボトムゲート・トップコンタクト型の半導体装置の製造方法であって、
(a)基体上にゲート電極を形成した後、全面にゲート絶縁層を形成し、次いで、
(b)ゲート絶縁層上に、有機半導体材料層から成るチャネル形成領域及びチャネル形成領域延在部を形成した後、
(c)チャネル形成領域延在部上にソース/ドレイン電極を形成する、
各工程を有する半導体装置の製造方法であって、
少なくともチャネル形成領域と接触するゲート絶縁層の部分を、上記の式(1)、式(2)又は式(3)にて示される材料を硬化させることで形成する。尚、こうして得られたボトムゲート・トップコンタクト型の半導体装置(具体的には、ボトムゲート・トップコンタクト型の電界効果トランジスタ,FETであり、より具体的には、ボトムゲート・トップコンタクト型の薄膜トランジスタ,TFT)は、
(A)基体上に形成されたゲート電極、
(B)ゲート電極及び基体上に形成されたゲート絶縁層、
(C)ゲート絶縁層上に形成された、有機半導体材料層から成るチャネル形成領域及びチャネル形成領域延在部、並びに、
(D)チャネル形成領域延在部上に形成されたソース/ドレイン電極、
を備えており、
少なくともチャネル形成領域と接触するゲート絶縁層の部分は、上記の式(1)、式(2)又は式(3)にて示される材料を硬化して成る層から構成されている。
上記の目的を達成するための本発明の第3の態様に係る半導体装置の製造方法は、より具体的には、トップゲート・ボトムコンタクト型の半導体装置の製造方法であって、
(a)基体上にソース/ドレイン電極を形成し、次いで、
(b)全面に、有機半導体材料層から成るチャネル形成領域を形成した後、
(c)全面にゲート絶縁層を形成し、次いで、チャネル形成領域の上のゲート絶縁層の部分にゲート電極を形成する、
各工程を有する半導体装置の製造方法であって、
少なくともチャネル形成領域と接触するゲート絶縁層の部分を、上記の式(1)、式(2)又は式(3)にて示される材料を硬化させることで形成する。尚、こうして得られたトップゲート・ボトムコンタクト型の半導体装置(具体的には、トップゲート・ボトムコンタクト型の電界効果トランジスタ,FETであり、より具体的には、トップゲート・ボトムコンタクト型の薄膜トランジスタ,TFT)は、
(A)基体上に形成されたソース/ドレイン電極、
(B)ソース/ドレイン電極の間の基体上に形成された、有機半導体材料層から成るチャネル形成領域、
(C)チャネル形成領域上に形成されたゲート絶縁層、並びに、
(D)ゲート絶縁層上に形成されたゲート電極、
を備えており、
少なくともチャネル形成領域と接触するゲート絶縁層の部分は、上記の式(1)、式(2)又は式(3)にて示される材料を硬化して成る層から構成されている。
上記の目的を達成するための本発明の第4の態様に係る半導体装置の製造方法は、より具体的には、トップゲート・トップコンタクト型の半導体装置の製造方法であって、
(a)基体上に、有機半導体材料層から成るチャネル形成領域及びチャネル形成領域延在部を形成し、次いで、
(b)チャネル形成領域延在部上にソース/ドレイン電極を形成した後、
(c)全面にゲート絶縁層を形成し、次いで、チャネル形成領域の上のゲート絶縁層の部分にゲート電極を形成する、
各工程を有する半導体装置の製造方法であって、
少なくともチャネル形成領域と接触するゲート絶縁層の部分を、上記の式(1)、式(2)又は式(3)にて示される材料を硬化させることで形成する。尚、こうして得られたトップゲート・トップコンタクト型の半導体装置(具体的には、トップゲート・トップコンタクト型の電界効果トランジスタ,FETであり、より具体的には、トップゲート・トップコンタクト型の薄膜トランジスタ,TFT)は、
(A)基体上に形成された、有機半導体材料層から成るチャネル形成領域及びチャネル形成領域延在部、
(B)チャネル形成領域延在部上に形成されたソース/ドレイン電極、
(Cソース/ドレイン電極及びチャネル形成領域上に形成されたゲート絶縁層、並びに、
(D)ゲート絶縁層上に形成されたゲート電極、
を備えており、
少なくともチャネル形成領域と接触するゲート絶縁層の部分は、上記の式(1)、式(2)又は式(3)にて示される材料を硬化して成る層から構成されている。
本発明の電子デバイスあるいはその製造方法、本発明の半導体装置、本発明の第1の態様〜第4の態様に係る半導体装置の製造方法にあっては、少なくとも能動層と接触する絶縁層あるいは少なくともチャネル形成領域と接触するゲート絶縁層の部分を、上記の式(1)、式(2)又は式(3)にて示される材料を硬化させることで形成するが、硬化に必要とされる温度(硬化温度)は180゜C以下であり、従来よりも低い温度での形成が可能である。従って、有機デバイスである電子デバイスあるいは半導体装置を可撓性を有する樹脂基板上に設けることが可能であり、安価で高い量産性にて、しかも、高い信頼性を有する電子デバイスあるいは半導体装置を提供することが可能となる。
図1の(A)〜(D)は、実施例1の半導体装置の製造方法を説明するための基体等の模式的な一部断面図である。 図2の(A)〜(C)は、図1の(D)に引き続き、実施例1の半導体装置の製造方法を説明するための基体等の模式的な一部断面図である。 図3の(A)〜(B)は、図2の(C)に引き続き、実施例1の半導体装置の製造方法を説明するための基体等の模式的な一部断面図である。 図4の(A)〜(C)は、実施例2の半導体装置の製造方法を説明するための基体等の模式的な一部断面図である。 図5の(A)〜(C)は、実施例3の半導体装置の製造方法を説明するための基体等の模式的な一部断面図である。 図6の(A)〜(C)は、実施例4の半導体装置の製造方法を説明するための基体等の模式的な一部断面図である。
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではなく、実施例における種々の数値や材料は例示である。尚、説明は、以下の順序で行う。
1.本発明の電子デバイス及びその製造方法、並びに、半導体装置、及び、第1の態様〜第4の態様に係る半導体装置の製造方法、全般に関する説明
2.実施例1(本発明の電子デバイス及びその製造方法、並びに、本発明の半導体装置、及び、本発明の第1の態様に係る半導体装置の製造方法)
3.実施例2(実施例1の変形であり、本発明の第2の態様に係る半導体装置の製造方法)
4.実施例3(実施例1の変形であり、本発明の第3の態様に係る半導体装置の製造方法)
5.実施例4(実施例1の変形であり、本発明の第4の態様に係る半導体装置の製造方法)、その他
[本発明の電子デバイス及びその製造方法、並びに、半導体装置、及び、第1の態様〜第4の態様に係る半導体装置の製造方法、全般に関する説明]
本発明の電子デバイス、あるいは、本発明の電子デバイスの製造方法によって得られる電子デバイスにおいては、制御電極に印加される電圧によって、第1電極から第2電極に向かって能動層に流れる電流が制御される。具体的には、電子デバイスは、制御電極がゲート電極に相当し、第1電極及び第2電極がソース/ドレイン電極に相当し、絶縁層がゲート絶縁層に相当し、能動層がチャネル形成領域に相当する電界効果トランジスタから成る構成とすることができる。あるいは又、制御電極、第1電極及び第2電極への電圧の印加によって能動層が発光する発光素子(有機発光素子、有機発光トランジスタ)から成る構成とすることができる。ここで、発光素子において、能動層を構成する有機半導体材料は、制御電極に印加される電圧に基づく変調による電荷の蓄積や、注入された電子と正孔(ホール)との再結合に基づく発光機能を有する。能動層を構成する有機半導体材料として、広くは、p型導電性を有する有機半導体材料あるいはノン・ドープ有機半導体材料を用いることができる。p型導電性を有する有機半導体材料から能動層が構成された発光素子(有機発光トランジスタ)において、発光強度は、ドレイン電流の絶対値に比例し、ゲート電圧とソース/ドレイン電極間の電圧によって変調することができる。尚、電子デバイスが、電界効果トランジスタとしての機能を発揮するか、発光素子として機能するかは、第1電極及び第2電極への電圧印加状態(バイアス)に依存する。先ず、第2電極からの電子注入が起こらない範囲のバイアスを加えた上で制御電極を変調することにより、第1電極から第2電極へ電流が流れる。これがトランジスタ動作である。一方、正孔が十分に蓄積された上で第1電極及び第2電極へのバイアスが増加されると電子注入が始まり、正孔との再結合によって発光が起こる。あるいは又、能動層への光の照射によって第1電極と第2電極との間に電流が流れる光電変換素子から成る構成とすることができる。電子デバイスから光電変換素子を構成する場合、光電変換素子によって、具体的には、太陽電池やイメージセンサーを構成することができ、この場合、制御電極への電圧の印加は行わなくともよいし、行ってもよく、後者の場合、制御電極への電圧の印加によって、流れる電流の変調を行うことが可能となる。尚、電子デバイスを発光素子や光電変換素子とする場合、発光素子や光電変換素子の構成、構造は、例えば、上述した4種類の電界効果トランジスタの構成、構造のいずれかと同様とすることができる。
上記の好ましい構成を含む本発明の電子デバイスあるいはその製造方法、本発明の半導体装置、本発明の第1の態様〜第4の態様に係る半導体装置の製造方法にあっては、前記式(1)、式(2)又は式(3)にて示される材料及び硬化剤を含む溶液を塗布した後、加熱することで、少なくともチャネル形成領域と接触するゲート絶縁層の部分(あるいは、少なくとも能動層と接触する絶縁層の部分)を形成する形態とすることができる。更には、上記の好ましい構成、形態を含む本発明の電子デバイスあるいはその製造方法、本発明の半導体装置、あるいは、本発明の第1の態様〜第4の態様に係る半導体装置の製造方法にあっては、有機半導体材料を含む溶液を塗布した後、乾燥させることで、有機半導体材料層を形成する形態とすることができる。
以上に説明した好ましい構成、形態を含む本発明の電子デバイスあるいはその製造方法、本発明の半導体装置、本発明の第1の態様〜第4の態様に係る半導体装置の製造方法(以下、これらを総称して、単に『本発明』と呼ぶ場合がある)において、少なくとも能動層と接触する絶縁層の部分あるいは少なくともチャネル形成領域と接触するゲート絶縁層の部分は、式(1)、式(2)又は式(3)にて示される材料を硬化して成る層から構成されているが、絶縁層あるいはゲート絶縁層(以下、これらを総称して、『ゲート絶縁層等』と呼ぶ場合がある)は、単層であってもよいし、多層であってもよい。後者の場合、多層構成のゲート絶縁層等の最も能動層あるいはチャネル形成領域に近い層(能動層あるいはチャネル形成領域に隣接した層)を、式(1)、式(2)又は式(3)にて示される材料を硬化して成る層から構成すればよく、ゲート絶縁層等におけるそれ以外の層を構成する絶縁材料は、適宜、決定すればよく、例えば、酸化ケイ素系材料、窒化ケイ素(SiNY)、酸化アルミニウム(Al23)やHfO2等の金属酸化物高誘電絶縁膜にて例示される無機系絶縁材料だけでなく、ポリメチルメタクリレート(PMMA)やポリビニルフェノール(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン(AEAPTMS)、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(MPTMS)、オクタデシルトリクロロシラン(OTS)等のシラノール誘導体(シランカップリング剤)、オクタデカンチオール、ドデシルイソシアネイト等の一端に制御電極やゲート電極と結合可能な官能基を有する直鎖炭化水素類にて例示される有機系絶縁材料(有機ポリマー)にて例示される有機系絶縁材料を挙げることができるし、これらの組み合わせを用いることもできる。ここで、酸化ケイ素系材料として、酸化シリコン(SiOX)、BPSG、PSG、BSG、AsSG、PbSG、酸化窒化シリコン(SiON)、SOG(スピンオングラス)、低誘電率SiO2系材料(例えば、ポリアリールエーテル、シクロパーフルオロカーボンポリマー及びベンゾシクロブテン、環状フッ素樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化アリールエーテル、フッ化ポリイミド、アモルファスカーボン、有機SOG)を例示することができる。
本発明におけるゲート絶縁層等は、エポキシ樹脂(プレポリマー)を硬化剤によって硬化させて成るエポキシ樹脂組成物(エポキシ樹脂硬化物)から構成されているが、このエポキシ樹脂(プレポリマー)は、グリシジル基を有する単量体と、アルキルスチレンより選ばれる共重合が可能な単量体から成る共重合体とから形成されており、例えば、ナフタレン骨格型4官能エポキシ樹脂である。
ゲート絶縁層等の形成方法として、塗布法以外にも;リフト・オフ法;ゾル−ゲル法;電着法;及び、シャドウマスク法の内のいずれかと、必要に応じてパターニング技術との組合せを挙げることができる。ここで、塗布法として、スクリーン印刷法やインクジェット印刷法、オフセット印刷法、反転オフセット印刷法、グラビア印刷法、マイクロコンタクト法といった各種印刷法;スピンコート法;エアドクタコーター法、ブレードコーター法、ロッドコーター法、ナイフコーター法、スクイズコーター法、リバースロールコーター法、トランスファーロールコーター法、グラビアコーター法、キスコーター法、キャストコーター法、スプレーコーター法、スリットオリフィスコーター法、カレンダーコーター法、キャスティング法、キャピラリーコーター法、浸漬法といった各種コーティング法;スプレー法;ディスペンサーを用いる方法:スタンプ法といった、液状材料を塗布する方法を挙げることができる。
塗布するための溶液調製に使用する溶媒として、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン等の芳香族類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類、PGMEA、デカリン等の炭化水素類の溶媒を例示することができる。これらより2種類以上を、適宜、選択して、混合溶媒として使用してもよい。
ゲート絶縁層等を形成するとき、式(1)、式(2)又は式(3)にて示される材料を単独にて使用してもよいし、他の樹脂(例えば、他のエポキシ系樹脂や、アクリル系樹脂等、溶液調製時に分離しない樹脂)と混合して使用してもよい。
硬化剤として、以下の(11)〜(25)の熱硬化型触媒(熱硬化型の硬化剤)、(31)〜(38)のエネルギ―線硬化型触媒(エネルギ―線硬化型の硬化剤)を好ましく例示することができ、これらの中から、1種を単独で使用することができるし、あるいは又、2種以上を混合して使用することもできる。
[熱硬化型触媒]
(11)ポリメチレンジアミン、ジプロピレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン等の鎖状脂肪族第一ジアミン
(12)イミノビスプロピルアミン、1,3,6−トリスアミノメチルヘキサン、テトラエチレンペンタミン等の鎖状脂肪族第一ポリアミン
(13)N−アミノエチルピペラジン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン等の脂環式ポリアミン
(14)メタキシリレンジアミン等の芳香族含有脂肪族第一アミン
(15)メタフエニレンジアミン、2,4−ジアミノジフエニルアミン、ジアミノジフエニルスルホン等の芳香族第一アミン
(16)ジメチルアミン、ジエチルアミン等の第二アミン
(17)ジメチルシクロヘキシルアミン、ピリジン、α−ピコリン等の第三アミン
(18)フタル酸無水物、ピロメリツト酸無水物、グリレロ―ルトリス(アンヒドロトリメリテ―ト)等の芳香族系酸無水物
(19)マレイン酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物等の環状脂肪族酸無水物
(20)ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物等の脂肪族酸無水物
(21)ダイマ―酸とポリアミンの縮合反応により得られるポリアミド樹脂
(22)2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フエニルイミダゾリニウム・トリメリテ―ト等のイミダゾール類
(23)三フツ化ホウ素−アミン錯体、有機酸ヒドラジツド、ポリアミンの塩等の潜在性硬化剤
(24)液状ポリメルカプタン、ポリスルフイド等のポリメルカプタン
(25)ノボラツク型フエノ―ル樹脂、ポリビニルフエノ―ル等の合成樹脂初期縮合物
[エネルギ―線硬化型触媒]
(31)フエニルジアゾニウムテトラフルオロボレ―ト、4−メトキシフエニルジアゾニウムヘキサフルオロホスフエ―ト等のアリ―ルジアゾニウム塩
(32)ジフエニルヨウドニウムテトラフルオロボレ―ト、ジ(4−ブチルフエニル)ヨウドニウムヘキサフル
オロホスフエ―ト等のジアリ―ルヨウドニウム塩
(33)トリフエニルスルホニウムヘキサフルオロホスフエ―ト、トリフエニルスルホニウムテトラフルオロボレ―ト、トリス(4−メトキシフエニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフエ―ト等のトリアリ―ルスルホニウム塩
(34)ジメチルフエナシルスルホニウムヘキサフルオロホスフエ―ト、フエナシルテトラメチレンスルホニウムテトラフルオロボレ―ト等のジアルキルフエナシルスルホニウム塩
(35)3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフエニルスルホニウムテトラフルオロボレ―ト、3,5−ジブチル−4−ヒドロキシフエニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネ―ト等のジアルキル−4−ヒドロキシフエニルスルホニウム塩
(36)α−ヒドロキシメチルベンゾインスルホン酸エステル、N−ヒドロキシイミドスルホネ―ト、α−スルホニロキシケトン等のスルホン酸エステル
(37)2−(4−メトキシフエニル)−4,6−ジ(トリクロロメチル)トリアジン等のトリアジン化合物
(38)オルソジアゾナフトキノン−4−スルホン酸エステル、オルソジアゾナフトキノン−5−スルホン酸エステル等のジアゾナフトキノン化合物
硬化剤の使用量は、共重合体のエポキシ基当量とすればよく、エポキシ樹脂(プレポリマー)100重量部当たり、0.01重量部〜50重量部、好ましくは0.1重量部〜20重量部を例示することができる。特に、前記の(11)〜(25)の熱硬化型触媒を用いる場合、エポキシ樹脂(プレポリマー)100重量部当たり、0.01重量部〜5重量部、前記の(31)〜(38)のエネルギ―線硬化型触媒を用いる場合、エポキシ樹脂(プレポリマー)100重量部当たり、1重量部〜50重量部とすればよい。
本発明におけるエポキシ樹脂組成物(エポキシ樹脂硬化物)は、上記の共重合体及び硬化剤の2成分から構成されるが、その他、本発明における効果を損なわない範囲内で、硬化促進剤、離型剤、可撓化剤、カツプリング剤、充填剤等の添加剤を、適宜、添加してもよい。
本発明において、有機半導体材料として、ポリチオフェン、ポリチオフェンにヘキシル基を導入したポリ−3−ヘキシルチオフェン[P3HT]、ペンタセン[2,3,6,7−ジベンゾアントラセン]、ペリキサンテノキサンテン等を含むジオキサアンタントレン系化合物、ポリアントラセン、ナフタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、ジベンゾペンタセン、テトラベンゾペンタセン、クリセン、ペリレン、コロネン、テリレン、オバレン、クオテリレン、サーカムアントラセン、ベンゾピレン、ジベンゾピレン、トリフェニレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、ポリフェニレン、ポリフラン、ポリインドール、ポリビニルカルバゾール、ポリセレノフェン、ポリテルロフェン、ポリイソチアナフテン、ポリカルバゾール、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンビニレン、ポリフエニレンスルフィド、ポリビニレンスルフィド、ポリチエニレンビニレン、ポリナフタレン、ポリピレン、ポリアズレン、銅フタロシアニンで代表されるフタロシアニン、メロシアニン、ヘミシアニン、ポリエチレンジオキシチオフェン、ピリダジン、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸[PEDOT/PSS]、キナクリドンを例示することができる。あるいは又、本発明における有機半導体材料として、縮合多環芳香族化合物、ポルフィリン系誘導体、フェニルビニリデン系の共役系オリゴマー、及び、チオフェン系の共役系オリゴマーから成る群から選択された化合物を挙げることができる。具体的には、例えば、アセン系分子(ペンタセン、テトラセン等)といった縮合多環芳香族化合物、ポルフィリン系分子、共役系オリゴマー(フェニルビニリデン系やチオフェン系)を挙げることができる。
あるいは又、本発明における有機半導体材料として、例えば、ポルフィリン、4,4’−ビフェニルジチオール(BPDT)、4,4’−ジイソシアノビフェニル、4,4’−ジイソシアノ−p−テルフェニル、2,5−ビス(5’−チオアセチル−2’−チオフェニル)チオフェン、2,5−ビス(5’−チオアセトキシル−2’−チオフェニル)チオフェン、4,4’−ジイソシアノフェニル、ベンジジン(ビフェニル−4,4’−ジアミン)、TCNQ(テトラシアノキノジメタン)、テトラチアフルバレン(TTF)−TCNQ錯体、ビスエチレンテトラチアフルバレン(BEDTTTF)−過塩素酸錯体、BEDTTTF−ヨウ素錯体、TCNQ−ヨウ素錯体に代表される電荷移動錯体、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸、1,4−ジ(4−チオフェニルアセチリニル)−2−エチルベンゼン、1,4−ジ(4−イソシアノフェニルアセチリニル)−2−エチルベンゼン、デンドリマー、C60、C70、C76、C78、C84等のフラーレン、1,4−ジ(4−チオフェニルエチニル)−2−エチルベンゼン、2,2”−ジヒドロキシ−1,1’:4’,1”−テルフェニル、4,4’−ビフェニルジエタナール、4,4’−ビフェニルジオール、4,4’−ビフェニルジイソシアネート、1,4−ジアセチニルベンゼン、ジエチルビフェニル−4,4’−ジカルボキシレート、ベンゾ[1,2−c;3,4−c’;5,6−c”]トリス[1,2]ジチオール−1,4,7−トリチオン、アルファ−セキシチオフェン、テトラチオテトラセン、テトラセレノテトラセン、テトラテルルテトラセン、ポリ(3−アルキルチオフェン)、ポリ(3−チオフェン−β−エタンスルホン酸)、ポリ(N−アルキルピロール)ポリ(3−アルキルピロール)、ポリ(3,4−ジアルキルピロール)、ポリ(2,2’−チエニルピロール)、ポリ(ジベンゾチオフェンスルフィド)を例示することができる。
有機半導体材料溶液を調製するための溶媒として、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン等の芳香族類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類、デカリン等の炭化水素類等を例示することができる。なかでも、メシチレン、テトラリン、デカリン等の沸点が比較的高い溶媒を用いることが、トランジスタ特性の観点から、また、有機半導体材料層の成膜時に有機半導体材料層が急激に乾燥することを防止するといった観点から、好ましい。
能動層やチャネル形成領域(有機半導体材料層)には、有機半導体材料以外にも、必要に応じてポリマーが含まれていてもよい。ポリマーは、有機溶剤に溶解すればよい。具体的には、ポリマー(有機結合剤)として、ポリスチレン、ポリアルファメチルスチレン、ポリオレフィンを例示することができる。更には、場合によっては、添加物(例えば、n型不純物やp型不純物といった、所謂ドーピング材料)を加えることもできる。
以上に説明した好ましい構成を含む本発明の電子デバイスの製造方法あるいは本発明の第1の態様〜第4の態様に係る半導体装置の製造方法における能動層、チャネル形成領域、あるいは、チャネル形成領域及びチャネル形成領域延在部の形成方法として、塗布法を挙げることができる。ここで、塗布法は、一般的な塗布方法をいずれも問題なく使用することができ、具体的には、例えば、上述した各種の塗布法としてを挙げることができる。
基体は、酸化ケイ素系材料(例えば、SiOXやスピンオンガラス(SOG));窒化ケイ素(SiNY);酸化アルミニウム(Al23);金属酸化物高誘電絶縁膜から構成することができる。基体をこれらの材料から構成する場合、基体を、以下に挙げる材料から適宜選択された支持体上に(あるいは支持体の上方に)形成すればよい。即ち、支持体として、あるいは又、上述した基体以外の基体として、ポリメチルメタクリレート(ポリメタクリル酸メチル,PMMA)やポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルフェノール(PVP)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)に例示される有機ポリマーから構成された可撓性を有するプラスチック・フィルムやプラスチック・シート、プラスチック基板を挙げることができ、あるいは又、雲母を挙げることができる。このような可撓性を有する有機ポリマー、高分子材料から構成された基体を使用すれば、例えば曲面形状を有するディスプレイ装置や電子機器への電子デバイスや半導体装置の組込みあるいは一体化が可能となる。あるいは又、基体として、各種ガラス基板や、表面に絶縁膜が形成された各種ガラス基板、石英基板、表面に絶縁膜が形成された石英基板、表面に絶縁膜が形成されたシリコン基板、サファイヤ基板、ステンレス等の各種合金や各種金属から成る金属基板を挙げることができる。電気絶縁性の支持体としては、以上に説明した材料から適切な材料を選択すればよい。支持体として、その他、導電性基板(金やアルミニウム等の金属から成る基板、高配向性グラファイトから成る基板、ステンレス基板等)を挙げることができる。また、半導体装置の構成、構造によっては、半導体装置が支持体上に設けられているが、この支持体も上述した材料から構成することができる。
制御電極や第1電極、第2電極、ゲート電極、ソース/ドレイン電極を構成する材料として、白金(Pt)、金(Au)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、銅(Cu)、チタン(Ti)、インジウム(In)、錫(Sn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)等の金属、あるいは、これらの金属元素を含む合金、これらの金属から成る導電性粒子、これらの金属を含む合金の導電性粒子、不純物を含有したポリシリコン等の導電性物質を挙げることができるし、これらの元素を含む層の積層構造とすることもできる。更には、制御電極や第1電極、第2電極、ゲート電極、ソース/ドレイン電極を構成する材料として、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸[PEDOT/PSS]やポリアニリンといった有機材料(導電性高分子)を挙げることもできる。制御電極や第1電極、第2電極、ゲート電極、ソース/ドレイン電極を構成する材料は、同じ材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。
制御電極や第1電極、第2電極、ゲート電極、ソース/ドレイン電極の形成方法として、これらを構成する材料にも依るが、上述した各種の塗布方法;物理的気相成長法(PVD法);MOCVD法を含む各種の化学的気相成長法(CVD法);リフト・オフ法;シャドウマスク法;及び、電解メッキ法や無電解メッキ法あるいはこれらの組合せといったメッキ法の内のいずれかと、必要に応じてパターニング技術との組合せを挙げることができる。尚、PVD法として、(a)電子ビーム加熱法、抵抗加熱法、フラッシュ蒸着、ルツボを加熱する方法等の各種真空蒸着法、(b)プラズマ蒸着法、(c)2極スパッタリング法、直流スパッタリング法、直流マグネトロンスパッタリング法、高周波スパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法、イオンビームスパッタリング法、バイアススパッタリング法等の各種スパッタリング法、(d)DC(direct current)法、RF法、多陰極法、活性化反応法、電界蒸着法、高周波イオンプレーティング法、反応性イオンプレーティング法等の各種イオンプレーティング法を挙げることができる。
本発明の電子デバイス、半導体装置を、ディスプレイ装置や各種の電子機器に適用、使用する場合、基体や支持体に多数の電子デバイスや半導体装置を集積したモノリシック集積回路としてもよいし、各電子デバイスや半導体装置を切断して個別化し、ディスクリート部品として使用してもよい。また、電子デバイスや半導体装置を樹脂にて封止してもよい。
実施例1は、本発明の電子デバイス及びその製造方法、並びに、本発明の半導体装置及び本発明の第1の態様に係る半導体装置の製造方法に関し、より具体的には、ボトムゲート・ボトムコンタクト型の有機電界効果トランジスタ(以下、『有機FET』と呼ぶ場合がある)及びその製造方法に関する。
図3の(3)に模式的な一部断面図を示すように、実施例1の電子デバイスは、
(A)制御電極12、
(B)第1電極14及び第2電極14、並びに、
(C)第1電極14と第2電極14との間であって、絶縁層13を介して制御電極12と対向して設けられた、有機半導体材料層15から成る能動層16、
を備えて成る。また、実施例1の半導体装置は、基体上に、ゲート電極12、ゲート絶縁層13、ソース/ドレイン電極14、及び、有機半導体材料層15から成るチャネル形成領域16を備えている。
あるいは又、実施例1の半導体装置(具体的には、ボトムゲート・ボトムコンタクト型の半導体装置、より具体的には、ボトムゲート・ボトムコンタクト型電界効果トランジスタ,FETであり、ボトムゲート・ボトムコンタクト型薄膜トランジスタ,TFT)は、
(A)基体11上に形成されたゲート電極12、
(B)ゲート電極12及び基体11上に形成されたゲート絶縁層13、
(C)ゲート絶縁層13上に形成されたソース/ドレイン電極14、並びに、
(D)ソース/ドレイン電極14の間であってゲート絶縁層13上に形成されたチャネル形成領域16、
を備えており、
少なくともチャネル形成領域16と接触するゲート絶縁層13の部分は、上記の式(1)にて示される材料を硬化して成る層から構成されている。ここで、チャネル形成領域16は、具体的には、有機半導体材料層15から構成され、ソース/ドレイン電極14とソース/ドレイン電極14との間に位置するゲート絶縁層13の部分の上にゲート電極12と対向して形成されている。また、有機半導体材料層15はソース/ドレイン電極14上に延在している。
そして、少なくとも能動層16と接触する絶縁層13の部分、あるいは又、少なくともチャネル形成領域16と接触するゲート絶縁層13の部分は、以下の式(1)にて示される材料(絶縁層あるいはゲート絶縁層の出発物質あるいは前駆体物質)を硬化して成る層(ナフタレン骨格型4官能エポキシ樹脂から成る層)から構成されている。具体的には、ゲート絶縁層13(あるいは絶縁層13)は、単層構成であり、ゲート絶縁層13(あるいは絶縁層13)の全体が、以下の式(1)にて示される材料を硬化して成る層から構成されている。尚、式(1)にて示される材料と、硬化剤として2−メチルイミダゾールとを混合して(混合重量比率=100:5)、ゲート絶縁層形成用溶液(溶媒:シクロペンタノン)としている。
Figure 2012049225
実施例1、あるいは、後述する実施例2〜実施例4において、基体11はポリエーテルサルホン(PES)基板から成り、ゲート電極12及びソース/ドレイン電極14は金薄膜から成り、有機半導体材料層15は、ペリキサンテノキサンテン(peri-xanthenoxanthene,PXX)誘導体、より具体的には、以下の式(4)から成る。
Figure 2012049225
以下、基体等の模式的な一部断面図である図1の(A)〜(D)、図2の(A)〜(C)、及び、図3の(A)〜(B)を参照して、実施例1の電子デバイスの製造方法、半導体装置の製造方法を説明する。
[工程−100]
先ず、基体11上にゲート電極12を形成する。具体的には、基体11上に、レジスト層31に基づきゲート電極形成用のパターンを形成する(図1の(A)参照)。次いで、密着層としてのTi層、及び、ゲート電極12としてのAu層を、順次、基体11及びレジスト層31上に真空蒸着法によって形成する(図1の(B)参照)。図面においては、密着層の図示を省略した。蒸着を行う際、基体11は温度を調整することができる基体ホルダー(図示せず)に載置されており、蒸着中の基体温度の上昇を抑制することができるので、基体11の変形を最小限に抑えた成膜を行うことができる。その後、リフトオフ法によりレジスト層31を除去することで、Au層から成るゲート電極12を得ることができる(図1の(C)参照)。
[工程−110]
次に、全面にゲート絶縁層13を形成する。即ち、基体11及びゲート電極12上にゲート絶縁層13を形成する。
そのために、上述したゲート絶縁層形成用溶液を準備する。具体的には、溶媒であるシクロペンタノンに式(1)にて示される材料(絶縁層あるいはゲート絶縁層の出発物質あるいは前駆体物質)を溶解した溶液に、硬化剤として2−メチルイミダゾールを混合して、ゲート絶縁層形成用溶液を調製する。硬化剤混合量は、使用する共重合体のエポキシ基等量に相当する量に、適宜、調整すればよいが、実施例1にあっては、混合重量比率を100:5とした。
そして、このゲート絶縁層形成用溶液を基体11上に塗布した後、加熱・硬化させることで、全面に(具体的には、基体11及びゲート電極12上に)にゲート絶縁層(絶縁層)13を形成する。より具体的には、このゲート絶縁層形成用溶液をスピンコート法にて塗布した後、乾燥するといった操作を2回、繰り返した後、大気雰囲気中で150゜C、2時間の加熱を行う。これによって硬化反応が生じる。即ち、共重合体と硬化剤とが反応し、式(1)にて示される材料を硬化して成る層(ナフタレン骨格型4官能エポキシ樹脂から成る層)から構成されたゲート絶縁層(絶縁層)13を得ることができる。尚、ゲート絶縁層形成用溶液を塗布法にて塗布した後、乾燥するといった操作を複数回、繰り返すことで、最終的に得られるゲート絶縁層(絶縁層)13にピンホール等の欠陥が発生することを確実に防止することができる。
[工程−120]
その後、ゲート絶縁層13上にソース/ドレイン電極14を形成する。具体的には、全面に、レジスト層32に基づきソース/ドレイン電極形成用のパターンを形成する(図1の(D)参照)。次いで、密着層としてのTi層、及び、ソース/ドレイン電極としてのAu層を、順次、ゲート絶縁層13及びレジスト層32上に真空蒸着法によって形成する(図2の(A)参照)。図面においては、密着層の図示を省略した。蒸着を行う際、基体11は温度を調整することができる基体ホルダー(図示せず)に載置されており、蒸着中の基体温度の上昇を抑制することができるので、基体11の変形を最小限に抑えた成膜を行うことができる。その後、リフトオフ法によりレジスト層32を除去することで、Au層から成るソース/ドレイン電極14を得ることができる(図2の(B)参照)。
[工程−130]
次に、少なくとも、ソース/ドレイン電極14の間に位置するゲート絶縁層13の上に、有機半導体材料層15から成るチャネル形成領域16を形成する(図2の(C)参照)。具体的には、スピンコート法に基づき、式(4)に示したPXX誘導体から成る有機半導体材料層15をソース/ドレイン電極14及びゲート絶縁層13の上に形成し、乾燥する。その後、必要に応じて、有機半導体材料層15のパターニングを行う(図3の(A)参照)。
[工程−140]
次いで、周知の方法に基づき、全面にSiO2から成る絶縁層20を形成した後、ゲート電極12及びソース/ドレイン電極14の上方の絶縁層20の部分に開口部を形成し、これらの開口部内を含む絶縁層20上に配線材料層を形成し、この配線材料層をパターニングすることで、ゲート電極12に接続された配線(図示せず)、及び、ソース/ドレイン電極14に接続された配線21を形成することができる(図3の(B)参照)。こうして、実施例1の有機FETを得ることができる。
[比較例1]
比較例として、ゲート絶縁層を、メタクリル酸グリシジル単量体のみで構成されている材料を硬化して成る層から構成した。尚、硬化剤として、2−メチルイミダゾールを使用し、混合重量比率を、共重合体:硬化剤=100:5とした。この点を除き、実施例1と同様にして半導体装置を作製した。
表1に、実施例1及び比較例1の半導体装置のトランジスタ特性を示す。
[表1]
実施例1 比較例1
移動度(cm2/V・秒) 0.6 0.01
オン/オフ比 1×107 1×102
ヒステリシス なし あり
実施例1にあっては、少なくとも能動層と接触する絶縁層あるいは少なくともチャネル形成領域と接触するゲート絶縁層の部分を、上記の式(1)にて示される材料を硬化させることで形成するが、硬化に必要とされる温度は150゜Cといった、従来よりも低い温度である。従って、有機デバイスである電子デバイスあるいは半導体装置を可撓性を有する樹脂基板上に設けることができ、安価に高い量産性にて、しかも、高い信頼性を有する電子デバイスあるいは半導体装置を提供することが可能となる。しかも、少なくとも能動層と接触する絶縁層あるいは少なくともチャネル形成領域と接触するゲート絶縁層の部分を、上記の式(1)にて示される材料を硬化させることで形成するので、能動層あるいはチャネル形成領域が接する絶縁層あるいはゲート絶縁層の界面に高い平滑性を付与することができる結果、また、スピンコート法に基づき式(4)に示したPXX誘導体から成る有機半導体材料層を成膜する際のゲート絶縁層に対する濡れ性が良い結果、更には、絶縁層あるいはゲート絶縁層の界面が有機半導体材料層の配向状態に寄与していると考えられ、優れた有機半導体材料層を成膜することができ、有機デバイスである電子デバイスや半導体装置は高移動度を示す。次の実施例2においても同様である。
実施例2は、本発明の電子デバイス及びその製造方法、並びに、本発明の半導体装置及び本発明の第2の態様に係る半導体装置の製造方法に関し、より具体的には、ボトムゲート・トップコンタクト型の有機FET及びその製造方法に関する。
実施例2のボトムゲート・トップコンタクト型の半導体装置(具体的には、ボトムゲート・トップコンタクト型の電界効果トランジスタ,FETであり、より具体的には、ボトムゲート・トップコンタクト型の薄膜トランジスタ,TFT)は、模式的な一部断面図を図4の(C)に示すように、
(A)基体11上に形成されたゲート電極12、
(B)ゲート電極12及び基体11上に形成されたゲート絶縁層13、
(C)ゲート絶縁層13上に形成されたチャネル形成領域16及びチャネル形成領域延在部17、並びに、
(D)チャネル形成領域延在部17上に形成されたソース/ドレイン電極14、
を備えており、
少なくともチャネル形成領域16と接触するゲート絶縁層13の部分は、上記の式(1)にて示される材料を硬化して成る層から構成されている。尚、チャネル形成領域16及びチャネル形成領域延在部17は、有機半導体材料層15から構成され、チャネル形成領域16はゲート電極12と対向している。
実施例2の有機FETは、このように、ソース/ドレイン電極14及び有機半導体材料層15の垂直方向の配置状態が実施例1の有機FETと逆になっているが、その他の点は実施例1の有機FETと同じとすることができる。それ故、実施例2の有機FETの詳細な説明は省略する。
以下、基体等の模式的な一部断面図である図4の(A)〜(C)を参照して、実施例2の半導体装置の製造方法を説明する。
[工程−200]
先ず、実施例1の[工程−100]と同様にして、基体11上にゲート電極12を形成する。
[工程−210]
次に、実施例1の[工程−110]と同様にして、全面に(具体的には、基体11及びゲート電極12上に)、ゲート絶縁層13を形成する。
[工程−220]
その後、実施例1の[工程−130]と同様にして、絶縁層13上に有機半導体材料層15から成るチャネル形成領域16及びチャネル形成領域延在部17を形成する(図4の(A)及び図4の(B)参照)。
[工程−230]
その後、有機半導体材料層15上に、Au層から成るソース/ドレイン電極14を形成する。具体的には、有機半導体材料層15の一部及びゲート絶縁層13をハードマスクで覆った状態で、密着層としてのTi層、及び、ソース/ドレイン電極としてのAu層を、順次、有機半導体材料層15上に真空蒸着法によって形成する。図面においては、密着層の図示を省略した。こうして、Au層から成るソース/ドレイン電極14をフォトリソグラフィ・プロセス無しで形成することができる。
[工程−240]
次いで、周知の方法に基づき、実施例1の[工程−140]と同様にして、全面にSiO2から成る絶縁層20を形成した後、ゲート電極12及びソース/ドレイン電極14の上方の絶縁層20の部分に開口部を形成し、これらの開口部内を含む絶縁層20上に配線材料層を形成し、この配線材料層をパターニングすることで、ゲート電極12に接続された配線(図示せず)、及び、ソース/ドレイン電極14に接続された配線21を形成することができる(図4の(C)参照)。こうして、実施例2の有機FETを得ることができる。
実施例3は、本発明の電子デバイス及びその製造方法、並びに、本発明の半導体装置及び本発明の第3の態様に係る半導体装置の製造方法に関し、より具体的には、トップゲート・ボトムコンタクト型の有機FET及びその製造方法に関する。
実施例3のトップゲート・ボトムコンタクト型の半導体装置(具体的には、トップゲート・ボトムコンタクト型の電界効果トランジスタ,FETであり、より具体的には、トップゲート・ボトムコンタクト型の薄膜トランジスタ,TFT)は、模式的な一部断面図を図5の(C)に示すように、
(A)基体11上に形成されたソース/ドレイン電極14、
(B)ソース/ドレイン電極14の間の基体11上に形成された、有機半導体材料層15から成るチャネル形成領域16、
(C)チャネル形成領域16上に形成されたゲート絶縁層13、並びに、
(D)ゲート絶縁層13上に形成されたゲート電極12、
を備えており、
少なくともチャネル形成領域16と接触するゲート絶縁層13の部分は、上記の式(1)にて示される材料を硬化して成る層から構成されている。尚、チャネル形成領域16はゲート電極12と対向している。
以下、基体等の模式的な一部断面図である図5の(A)〜(C)を参照して、実施例3の有機FETの製造方法を説明する。
[工程−300]
先ず、実施例1の[工程−120]と同様にして、基体11上にソース/ドレイン電極14を形成する。
[工程−310]
次に、全面に、実施例1の[工程−130]と同様にして、有機半導体材料層15から成るチャネル形成領域16を形成する(図5の(A)及び(B)参照)。
[工程−320]
その後、全面に、実施例1の[工程−110]と同様にして、ゲート絶縁層13を形成する。
[工程−330]
次いで、チャネル形成領域16の上のゲート絶縁層13の部分にゲート電極12を形成する。具体的には、実施例1の[工程−100]と同様にして、ゲート絶縁層13上に、Ti層から成る密着層、及び、Au層から成るゲート電極12を形成する。図面においては、密着層の図示を省略した。あるいは又、ゲート絶縁層13の一部をハードマスクで覆った状態で、密着層としてのTi層、及び、ゲート電極としてのAu層を、順次、ゲート絶縁層13上に真空蒸着法によって形成してもよく、これによって、ゲート電極12をフォトリソグラフィ・プロセス無しで形成することができる。
[工程−340]
次いで、周知の方法に基づき、実施例1の[工程−140]と同様にして、全面にSiO2から成る絶縁層20を形成した後、ゲート電極12及びソース/ドレイン電極14の上方の絶縁層20の部分に開口部を形成し、これらの開口部内を含む絶縁層20上に配線材料層を形成し、この配線材料層をパターニングすることで、ゲート電極12に接続された配線(図示せず)、及び、ソース/ドレイン電極14に接続された配線21を形成することができる(図5の(C)参照)。こうして、実施例3の有機FETを得ることができる。
実施例4は、本発明の電子デバイス及びその製造方法、並びに、本発明の半導体装置及び本発明の第4の態様に係る半導体装置の製造方法に関し、より具体的には、トップゲート・トップコンタクト型の有機FET及びその製造方法に関する。
実施例4のトップゲート・トップコンタクト型の半導体装置(具体的には、トップゲート・トップコンタクト型の電界効果トランジスタ,FETであり、より具体的には、トップゲート・トップコンタクト型の薄膜トランジスタ,TFT)は、模式的な一部断面図を図6の(C)に示すように、
(A)基体11上に形成された、有機半導体材料層15から成るチャネル形成領域16及びチャネル形成領域延在部17、
(B)チャネル形成領域延在部17上に形成されたソース/ドレイン電極14、
(Cソース/ドレイン電極14及びチャネル形成領域16上に形成されたゲート絶縁層13、並びに、
(D)ゲート絶縁層13上に形成されたゲート電極12、
を備えている。
実施例4の有機FETは、ソース/ドレイン電極14及び有機半導体材料層15の垂直方向の配置状態が実施例3の有機FETと逆になっているが、その他の点は実施例3の有機FETと同じとすることができる。それ故、実施例4の有機FETの詳細な説明は省略する。
以下、基体等の模式的な一部断面図である図6の(A)〜(C)を参照して、実施例4の半導体装置の製造方法を説明する。
[工程−400]
先ず、実施例1の[工程−130]と同様にして、基体11上に有機半導体材料層15から成るチャネル形成領域16及びチャネル形成領域延在部17を形成する(図6の(A)及び(B)参照)。
[工程−410]
その後、実施例1の[工程−120]と同様にして、チャネル形成領域延在部17上にソース/ドレイン電極14を形成する。
[工程−420]
次いで、全面に、実施例1の[工程−110]と同様にして、ゲート絶縁層13を形成する。
[工程−430]
その後、実施例1の[工程−100]と同様にして、チャネル形成領域16の上のゲート絶縁層13の部分にゲート電極12を形成する。
[工程−440]
その後、ゲート絶縁層13上に、Ti層から成る密着層、及び、Au層から成るゲート電極12を形成する。図面においては、密着層の図示を省略した。あるいは又、ゲート絶縁層13の一部をハードマスクで覆った状態で、密着層としてのTi層、及び、ゲート電極としてのAu層を、順次、ゲート絶縁層13上に真空蒸着法によって形成してもよく、これによって、ゲート電極12をフォトリソグラフィ・プロセス無しで形成することができる。
[工程−450]
次いで、周知の方法に基づき、実施例1の[工程−140]と同様にして、全面にSiO2から成る絶縁層20を形成した後、ゲート電極12及びソース/ドレイン電極14の上方の絶縁層20の部分に開口部を形成し、これらの開口部内を含む絶縁層20上に配線材料層を形成し、この配線材料層をパターニングすることで、ゲート電極12に接続された配線(図示せず)、及び、ソース/ドレイン電極14に接続された配線21を形成することができる(図6の(C)参照)。こうして、実施例4の有機FETを得ることができる。
以上、本発明を好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。電子デバイスや半導体装置の構造や構成、形成条件、製造条件は例示であり、適宜変更することができる。実施例においては、少なくとも能動層と接触する絶縁層の部分を式(1)にて示される材料を硬化して成る層から構成したが、その代わりに、少なくとも能動層と接触する絶縁層の部分を、以下の式(2)あるいは式(3)にて示される材料を硬化して成る層から構成しても、硬化に必要とされる温度が150゜Cといった、従来よりも低い温度であり、実施例と同様の効果を得ることができた。本発明によって得られた電子デバイス(半導体装置)を、例えば、ディスプレイ装置や各種の電子機器に適用、使用する場合、基体や支持体、支持部材に多数の電子デバイス(半導体装置)を集積したモノリシック集積回路としてもよいし、各電子デバイス(半導体装置)を切断して個別化し、ディスクリート部品として使用してもよい。
Figure 2012049225
Figure 2012049225
11・・・基体、12・・・ゲート電極(制御電極)、13・・・ゲート絶縁層(絶縁層)、14・・・ソース/ドレイン電極(第1電極、第2電極)、15・・・有機半導体材料層、16・・・チャネル形成領域(能動層)、17・・・チャネル形成領域延在部、20・・・絶縁層、21・・・配線、31,32・・・レジスト層

Claims (11)

  1. (A)制御電極、
    (B)第1電極及び第2電極、並びに、
    (C)第1電極と第2電極との間であって、絶縁層を介して制御電極と対向して設けられた、有機半導体材料層から成る能動層、
    を備えて成る電子デバイスであって、
    少なくとも能動層と接触する絶縁層の部分は、下記の式(1)、式(2)又は式(3)にて示される材料を硬化して成る層から構成されている電子デバイス。
    Figure 2012049225
    Figure 2012049225
    Figure 2012049225
  2. 制御電極がゲート電極に相当し、第1電極及び第2電極がソース/ドレイン電極に相当し、絶縁層がゲート絶縁層に相当し、能動層がチャネル形成領域に相当する電界効果トランジスタである請求項1に記載の電子デバイス。
  3. (A)制御電極、
    (B)第1電極及び第2電極、並びに、
    (C)第1電極と第2電極との間であって、絶縁層を介して制御電極と対向して設けられた能動層、
    を備えており、
    少なくとも能動層と接触する絶縁層の部分を、下記の式(1)、式(2)又は式(3)にて示される材料を硬化させることで形成する電子デバイスの製造方法。
    Figure 2012049225
    Figure 2012049225
    Figure 2012049225
  4. 制御電極がゲート電極に相当し、第1電極及び第2電極がソース/ドレイン電極に相当し、絶縁層がゲート絶縁層に相当し、能動層がチャネル形成領域に相当する電界効果トランジスタである請求項3に記載の電子デバイスの製造方法。
  5. 基体上に、ゲート電極、ゲート絶縁層、ソース/ドレイン電極及びチャネル形成領域を備えており、
    少なくともチャネル形成領域と接触するゲート絶縁層の部分は、下記の式(1)、式(2)又は式(3)にて示される材料を硬化して成る層から構成されている半導体装置。
    Figure 2012049225
    Figure 2012049225
    Figure 2012049225
  6. (a)基体上にゲート電極を形成した後、全面にゲート絶縁層を形成し、次いで、
    (b)ゲート絶縁層上にソース/ドレイン電極を形成した後、
    (c)少なくとも、ソース/ドレイン電極の間に位置するゲート絶縁層の上に、有機半導体材料層から成るチャネル形成領域を形成する、
    各工程を有する半導体装置の製造方法であって、
    少なくともチャネル形成領域と接触するゲート絶縁層の部分を、下記の式(1)、式(2)又は式(3)にて示される材料を硬化させることで形成する半導体装置の製造方法。
    Figure 2012049225
    Figure 2012049225
    Figure 2012049225
  7. (a)基体上にゲート電極を形成した後、全面にゲート絶縁層を形成し、次いで、
    (b)ゲート絶縁層上に、有機半導体材料層から成るチャネル形成領域及びチャネル形成領域延在部を形成した後、
    (c)チャネル形成領域延在部上にソース/ドレイン電極を形成する、
    各工程を有する半導体装置の製造方法であって、
    少なくともチャネル形成領域と接触するゲート絶縁層の部分を、下記の式(1)、式(2)又は式(3)にて示される材料を硬化させることで形成する半導体装置の製造方法。
    Figure 2012049225
    Figure 2012049225
    Figure 2012049225
  8. (a)基体上にソース/ドレイン電極を形成し、次いで、
    (b)全面に、有機半導体材料層から成るチャネル形成領域を形成した後、
    (c)全面にゲート絶縁層を形成し、次いで、チャネル形成領域の上のゲート絶縁層の部分にゲート電極を形成する、
    各工程を有する半導体装置の製造方法であって、
    少なくともチャネル形成領域と接触するゲート絶縁層の部分を、下記の式(1)、式(2)又は式(3)にて示される材料を硬化させることで形成する半導体装置の製造方法。
    Figure 2012049225
    Figure 2012049225
    Figure 2012049225
  9. (a)基体上に、有機半導体材料層から成るチャネル形成領域及びチャネル形成領域延在部を形成し、次いで、
    (b)チャネル形成領域延在部上にソース/ドレイン電極を形成した後、
    (c)全面にゲート絶縁層を形成し、次いで、チャネル形成領域の上のゲート絶縁層の部分にゲート電極を形成する、
    各工程を有する半導体装置の製造方法であって、
    少なくともチャネル形成領域と接触するゲート絶縁層の部分を、下記の式(1)、式(2)又は式(3)にて示される材料を硬化させることで形成する半導体装置の製造方法。
    Figure 2012049225
    Figure 2012049225
    Figure 2012049225
  10. 前記式(1)、式(2)又は式(3)にて示される材料及び硬化剤を含む溶液を塗布した後、加熱することで、少なくともチャネル形成領域と接触するゲート絶縁層の部分を形成する請求項6乃至請求項9のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  11. 有機半導体材料を含む溶液を塗布した後、乾燥させることで、有機半導体材料層を形成する請求項6乃至請求項10のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
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