JP2012049168A - 有機デバイスの製造方法および当該製法で得られた有機デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】高い機能性の有機物薄膜を有する有機デバイスの提供。また、構造が制御された有機物薄膜を有する有機デバイスの提供。
【解決手段】基板1上に機能膜層Aが形成された有機デバイスの製造方法であって、基板1上に直接または他の層を介して有機物を含有する有機物薄膜層を形成する工程A、有機物薄膜層の上に被覆層Bを形成する工程B、被覆層Bの形成後の有機物薄膜層の少なくとも一部に構造変化を生じさせることにより機能膜層Cを形成する工程C、および機能膜層Cを形成した後に被覆層Bを除去する工程Dを含む、有機デバイスの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機デバイスの製造方法、および、当該製造方法に従って製造された有機光電変換素子に関する。
光電変換、熱制御、電流制御、センシング等の機能を有するデバイスにおいては、デバイス機能を担う機能膜層が性能を決定する上で重要となる。そして機能膜層の基本機能は機能膜層を構成する材料の物性によって支配されるため、様々の物質およびその組み合わせが提案されている。機能膜層に有機物を用いたデバイスについては軽量化や塗布成膜が容易になることから注目を集めており、近年種々な検討がなされている。
たとえば、C.W.Tang著、「Two−Layer organic photovoltaic cell」、Applied Physics Letters、48巻、183−185頁、1986年(非特許文献1)には、電子供与体である銅フタロシアニンと電子受容体であるペリレン誘導体とを組み合わせた光電変換素子が開示されている。
また、G.Yu等著、「Polymer Photovoltaic Cells:Enhanced Efficiencies via a Network of Internal Donor−Acceptor Heterojunctions」、Science、270巻、1789頁、1995年(非特許文献2)および特表平8−500701号公報(特許文献1)には、電子供与体であるポリフェニレンビニレンと、電子受容体であるフラーレン誘導体とを組み合わせた光電変換素子が開示されている。
また、Y.Sato等著「Organic photovoltaics based on solution−processed benzoporphyrin」、Proceedings of SPIE、6656巻、66560U頁、2007年(非特許文献3)には、電子供与体であるベンゾポルフィリンと、電子受容体であるフラーレン誘導体とを組み合わせた光電変換素子を、ベンゾポルフィリンの前駆体を用いることにより塗布法で作製した光電変換素子が開示されている。
このような有機デバイスにおいては、機能膜層の基本機能は機能膜層を構成する材料の物性に依存するが、材料の物性のみならず、材料の存在形態や層構成等にも依存する。
特に、有機デバイスに含まれる機能膜層が有機物の集合体である有機デバイスの特性は、化合物としての物質単独の物性以外に有機物の集合状態、さらには機能膜層の膜構造によって大きく変化する。
したがって、有機デバイスの性能を向上、安定化させるためには有機デバイスの機能を担う機能膜層の構造を、機能を発現するために好ましい構造とする必要がある。
しかし、無機デバイスの機能膜層と比較すると有機デバイスの機能膜層として用いられる有機物薄膜は有機物を含んでいるために構造制御が難しい。たとえば、有機物は無機物と比較してより低温で複数のガラス転移温度、結晶化温度、融点を示すことが多く、それらの存在により同一条件の製法でも構造が変化する。また、結晶性の高い有機物では結晶化、結晶の成長、結晶のサイズ、配向等が製造方法で左右されることがある。
さらに、有機物薄膜の構造変化は成膜工程の結果として現れるのみでなく、成膜された後の膜の変化としても生じうる。このような事後的な変化は意図的な場合であっても既に基板上に薄膜として形成された機能膜層に対する制御要因が限定されるため構造制御が難しくなる。また意図しない形で発現した場合は、特性を低下、不安定化させる要因となる。このように有機物薄膜は製造工程上の温度変化等の擾乱によりその構造が変化しやすい。
有機物薄膜の製法としては溶媒に対する溶解性の低い有機物に対しては蒸着法が主として用いられる。蒸着法は真空中で有機物を溶融して1分子レベルで蒸発させ基板上に堆積させる手法であり、サイズ・形状異方性のある分子が逐次ランダムに到着した結果得られる膜は充填度が低いアモルファス状であることが多く分子集合体として安定化された状態のものとはいえない。また溶解性の低い有機物は結晶性が高いものが多く、膜上でアモルファスから結晶へ転換してしまうことがある。そのため目的とする構造を得ることが難しいとともに、製造工程で膜構造が意図せずに変化してしまう可能性がある。
また、有機物薄膜の製法としては溶解性の高い有機物に対しては塗布法が用いられる。塗布法は低コストで大面積化にも適した方法として期待されている。しかし、溶解性の高い有機物は、溶媒分子との親和性が高いことが普通であり、高親和性であるため薄膜中に溶媒が残留することが多く、その脱離過程において有機膜に大きな体積変化が生じる。また溶解性を高めるために側鎖をつけたものが多いが、側鎖は分子鎖の運動性が高く膜中で構造の再配置が生じやすい。
その他、塗布法を用いる有機物薄膜の製法として、溶解性の高い前駆体有機物を使用し、薄膜を形成後、前駆体有機物を機能性有機物に転換することにより機能膜層を得る手法がある。この方法は溶解性の低い機能性有機物も塗布法で作製することが可能となる利点があるが、この手法では塗布法による有機物薄膜に生じうる構造変化に加えて前駆体有機物から機能性有機物への転換に伴う構造変化を必然的に伴うため、膜構造の制御が困難であるという問題点が残されている。
特に有機物薄膜の厚みが薄い場合は、構造変化のスケールに対して薄膜の厚みが相対的に小さいため、構造変化が膜構造自体の大きな変動につながることがある。たとえば2成分が混合した有機薄膜では、2成分の相分離に伴う構造変化が機能性薄膜表面に凹凸を発生させ、薄膜表面が荒れて特性が低下することがある。有機物の化学的構造変化を伴う構造変化では、有機物の分子体積変化に伴い薄膜に膨張・収縮の応力が加わり、膜が不均一になる可能性がある。特に、有機物の結晶化に伴う構造変化では結晶成長に伴い有機物分子が集合し、その分布が不均一になって有機物が存在しない膜欠陥部が生じることさえある。また、結晶成長が進みすぎてそのサイズが膜厚より大きくなり、突起が発生して特性が低下することがある。さらに結晶の成長方向が制御されず、様々な配向の結晶が成長して特性の面内不均一が生じ全体特性が低下することがある。
特表平8−500701号公報
C.W.Tang著、「Two−Layer organic photovoltaic cell」、Applied Physics Letters、48巻、183−185頁、1986年 G.Yu等著、「Polymer Photovoltaic Cells:Enhanced Efficiencies via a Network of Internal Donor−Acceptor Heterojunctions」、Science、270巻、1789頁、1995年 Y.Sato等著「Organic photovoltaics based on solution−processed benzoporphyrin」、Proceedings of SPIE、6656巻、66560U頁、2007年
上記の状況の下、たとえば、高い機能性の有機物薄膜を有する有機デバイスが求められている。また、たとえば、構造が制御された有機物薄膜を有する有機デバイスが求められている。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の有機デバイスの製造方法等を発明するに至った。
[1]
基板上に機能膜層が形成された有機デバイスの製造方法であって、基板上に直接または他の層を介して有機物を含有する有機物薄膜層を形成する工程A、有機物薄膜層の上に被覆層を形成する工程B、被覆層の形成後の有機物薄膜層の少なくとも一部に構造変化を生じさせることにより機能膜層を形成する工程C、および機能膜層を形成した後に被覆層を除去する工程Dを含む、有機デバイスの製造方法。
[2]
工程Cにおいて、有機物薄膜層に加熱または電磁波の照射を行う、[1]に記載の有機デバイスの製造方法。
[3]
構造変化が化学構造変化である、[1]または[2]に記載の有機デバイスの製造方法。
[4]
有機物薄膜層に含まれる有機物が下記式(A1)で表される化合物である、[1]〜[3]のいずれかに記載の有機デバイスの製造方法。
(式(A1)中、XおよびXはそれぞれ独立してπ共役した2価の芳香族環を形成する基、または、置換基を有してもよいエテニレン基であり、XおよびXの少なくとも一方はπ共役した2価の芳香族基、複素環基、縮合多環芳香族基または縮合多環複素環基であり;Z−Zは熱または光により脱離可能な基である。)
[5]
有機物薄膜層に含まれる有機物が下記一般式(I)または(II)で表される化合物である、[1]〜[3]のいずれかに記載の有機デバイスの製造方法。
式(I)および式(II)中、R〜Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン原子または有機基であり、(R,R10)、(R11,R12),(R13,R14)および(R15,R16)の組はそれぞれ独立して式(III)または式(IV)で表される基が結合したものを表わし、式(II)中、Mは金属あるいは軸配位子を有する金属である。)
(式(III)および(IV)中、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子または炭素数10以下のアルキル基を表わし、(R,R)および(R,R)の組の少なくとも1つの組はどちらも炭素数10以下のアルキル基であり、R17〜R20はそれぞれ独立して水素、ハロゲン原子または有機基である。)
[6]
[1]〜[5]のいずれかに記載の有機デバイスの製造方法により製造された有機デバイス。
[7]
被覆層を形成した後に、構造変化を生じさせることにより形成される機能膜層の厚みが25nm以下である[6]に記載の有機デバイス。
[8]
有機デバイスが光電変換素子である、[6]または[7]に記載の有機デバイス。
本発明の好ましい態様によれば、高い機能性の有機物薄膜を有する有機デバイスを製造できる。また、本発明の好ましい態様によれば、構造が制御された有機物薄膜を有する有機デバイスを製造できる。
本発明のデバイスの製造方法の模式図を示す。 本発明の光電変換素子の模式図を示す。 光透過スペクトル測定の結果を示す。 実施例1の機能膜層aの電子顕微鏡(SEM)画像を示す。 比較例1の機能膜層aの電子顕微鏡(SEM)画像を示す。
1 基板
2 ITO電極
3 正孔取り出し層
4 機能膜層a(電子供与体層)
5 機能膜層b(電子供与体と電子受容体の混合層)
6 機能膜層c(電子受容体層)
7 電子取り出し層
8 電極
A 有機物薄膜層
B 被覆層
C 機能膜層
以下に、本発明を実施するための形態を説明する。なお、以下の説明は、本発明の実施形態の一例(代表例)であり、本発明のその要旨を超えない限り、これらの内容に限定されない。
1 本発明のデバイス
本発明のデバイスは、基板上に有機物薄膜層に被覆層を形成して得られる機能膜層を有する。機能膜層は基板に直接設けられても、他の層を介して設けられてもよい。
本発明のデバイスの好ましい態様としては光電変換素子が挙げられる。本発明の光電変換素子において、たとえば、電子供与体層、電子受容体層等を機能膜層として形成することができる。好ましい態様の光電変換素子は、図2に示すように、ガラス基板等の基板1の上に、順に、ITO電極2、正孔取り出し層3、機能膜層a(電子供与体層)4、機能膜層b(電子供与体と電子受容体の混合層)5、機能膜層c(電子受容体層)6、電子取り出し層7および電極8を有する。
1.1 基板
本発明のデバイスは基板を有することが好ましい。基板は電極等の支持体となるものが好ましく、基板の材料(基板材料)は電極等の支持体となり得るであれば特に限定されない。ただし、本発明の光電変換素子において、基板に照射された光を素子内に取り込むため、基板には透光性の材料が用いられる。基板材料としては、当該基板を透過する可視光の透過率が、60%以上が好ましく、80%以上がさらに好ましい。
基板材料は、石英、ガラス、サファイア、チタニア等の無機材料;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体、フッ素樹脂フィルム、塩化ビニル、ポリエチレン、セルロース、ポリ塩化ビニリデン、アラミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリノルボルネン等の有機材料;紙、合成紙等の紙材料;ステンレス、チタン、アルミニウム等の金属に、絶縁性を付与するために表面をコート或いはラミネートしたもの等の複合材料などが挙げられる。これらの中でも、ガラス、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホンが好ましい。なお、基板材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
基板のガスバリヤ性が低いと、基板を通過する外気により有機光電変換素子が劣化する可能性がある。そこで、基板材料としてガスバリヤ性の低い材料(たとえば合成樹脂)を用いる場合には、基板のどちらか片側もしくは両側に、ガスバリヤ性を有する層(ガスバリヤ層)を形成することが好ましい。このガスバリヤ層としては、たとえば、緻密なシリコン酸化膜などが挙げられる。
基板の形状に制限はなく、たとえば、板、フィルム、シートなどの形状を用いることができる。
基板の厚みには制限はないが、5μm〜20mmが好ましく、20μm〜10mmがさらに好ましい。基板が薄すぎると有機光電変換素子を保持する強度が不足する可能性があり、厚すぎるとコストが高くなったり、重量が重くなりすぎたりする可能性があるからである。
1.2 機能膜層
本発明で基板上に設けられる機能膜層は、本発明のデバイスの主要機能を発現する層であり、有機物を含んで形成される発電、発光、電流制御、電圧制御、センシング等の機能を有する薄膜である。
機能膜層は基板上に直接設けられても、他の層を介して設けられてもよい。
機能膜層は好ましくは、半導体化合物を含んで形成される。半導体化合物としてはp型半導体化合物、n型半導体化合物等があげられる。半導体化合物には、p型とn型の両極性を示すものが知られているが、特性が強い方の極性を用いて活用されることが望ましい。
機能膜層は目的とする機能によってp型半導体化合物またはn型半導体を含む単層でもよく、p型半導体化合物を含む層とn型半導体化合物を含む層との積層、p型半導体化合物とn型半導体化合物を含む混合層、p型半導体化合物またはn型半導体化合物以外の層を含んだ多層、さらにこれらを組み合わせた複層であってもよい。
電子受容体層である機能膜層には、電子供与体層、電子受容体層、混合層等が挙げられる。これらの機能膜層には、電子供与体層である機能膜層にはp型半導体化合物、電子受容体層にはn型半導体化合物が用いられ、電子供与体と電子受容体の混合層にはp型半導体化合物とn型半導体化合物が用いられる。したがって、本発明における光電変換素子として用いられる機能膜層では,電子供与体層としてp型半導体化合物層,電子受容体層としてn型半導体化合物層を用いるのが一般的である。この場合には,p型半導体化合物とn型半導体化合物の積層、あるいはp型半導体化合物とn型半導体化合物の混合層、さらにこれらの複層が好ましく用いられる。複層で用いられる場合には,p型半導体化合物を含む層とn型半導体化合物層を含む層との間に、p型半導体化合物とn型半導体化合物とを含む混合層を入れることがエネルギー変換効率を高める上で好ましい。
(1)p型半導体化合物
p型半導体化合物としては特に限定はないが、好ましくは有機低分子材料と有機高分子材料が挙げられる。
有機高分子材料としては半導体として機能すれば特に限定はないが、ポリチオフェン、ポリフルオレン、ポリフェニレンビニレン、ポリチエニレンビニレン、ポリアセチレン、ポリアニリン等の共役ポリマー半導体;アルキル基やその他の置換基が置換されたオリゴチオフェン等のポリマー半導体も挙げられる。また、二種以上のモノマー単位を共重合させた半導体ポリマーも挙げられる。共役ポリマーは、たとえば、Handbook of Conducting Polymers,3rdEd.(全2巻), 2007、Materials Science and Engineering,2001,32,1−40、Pure Appl.Chem.2002, 74, 2031−3044、Handbook of THIOPHENE−BASED MATERIALS(全2巻), 2009などの公知文献に記載されたポリマーやその誘導体、もしくは記載されているモノマーの組み合わせによって合成し得るポリマーを用いることができる。ポリマーやモノマーの置換基は、溶解性、結晶性、成膜性、HOMOレベル,LUMOレベルを制御するために選択することができる。
高分子材料としては有機溶媒に可溶な高分子材料が、有機太陽電池素子の製造プロセスにおいて塗布法を使用できるため好ましい。なお、高分子材料は上記一種の化合物でも複数種の化合物の混合物でもよい。高分子材料は、成膜された状態において、何らかの自己組織化した構造を有するものであっても、アモルファス状態であっても良い。
有機低分子材料は、半導体として機能すれば特に限定はないが、ナフタセン、ペンタセン、ピレン等の縮合芳香族炭化水素;α−セキシチオフェン等のチオフェン環を4個以上含むオリゴチオフェン類;チオフェン環、ベンゼン環、フルオレン環、ナフタレン環、アントラセン環、チアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環を合計4個以上連結したもの;フタロシアニン化合物およびその金属錯体並びにテトラベンゾポルフィリン等のポルフィリン化合物およびその金属錯体等の大環状化合物なども挙げられる。好ましくは、フタロシアニン化合物およびその金属錯体、もしくはテトラベンゾポルフィリン等のポルフィリン化合物およびその金属錯体である。
p型半導体の材料として用いられるポルフィリン化合物およびその金属錯体(図中のQがCH)、フタロシアニン化合物およびその金属錯体(QがN)としては、たとえば、以下のような構造の化合物が挙げられる。
ここで、Mは金属あるいは2個の水素原子を表し、金属としては、Cu、Zn、Pb、Mg、Co、Ni等の2価の金属のほか、軸配位子を有する3価以上の金属、たとえば、TiO、VO、SnCl、AlCl、InClさらには、Si等も挙げられる。
〜Yはそれぞれ独立に、水素原子,もしくは炭素数1−24のアルキル基である。炭素数1から24のアルキル基とは、炭素数が1から24の飽和または不飽和の鎖状炭化水素基、もしくは飽和または不飽和の環式炭化水素である。その中でも好ましくは炭素数1から12の飽和または不飽和の鎖状炭化水素基、もしくは飽和または不飽和の環式炭化水素である。
フタロシアニン化合物およびその金属錯体の中でも、29H,31H−フタロシアニン、銅フタロシアニン錯体、亜鉛フタロシアニン錯体、チタンフタロシアニンオキシド錯体、マグネシウムフタロシアニン錯体、鉛フタロシアニン錯体、銅4,4’,4’’,4’’’−テトラアザ−29H,31H−フタロシアニン錯体を用いることが好ましく、29H,31H−フタロシアニン、銅フタロシアニン錯体を用いることがさらに好ましい。
ポルフィリン化合物およびその金属錯体の中でも、テトラベンゾポルフィリン、テトラベンゾ銅ポルフィリン、テトラベンゾ亜鉛ポルフィリン、5,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィン、5,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィンコバルト(II)、5,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィン銅(II)、5,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィン亜鉛(II)、5,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィンバナジウム(IV)オキシド、5,10,15,20−テトラ(4−ピリジル)−21H,23H−ポルフィンを用いることが好ましく、テトラベンゾポルフィリン、テトラベンゾ銅ポルフィリン、テトラベンゾ亜鉛ポルフィリンを用いることがさらに好ましい。
なお、有機低分子材料としては上記一種の化合物でも複数種の化合物の混合物でもよい。有機低分子材料では、蒸着法によって成膜する方法、溶媒に溶解して塗布法で成膜する方法、半導体化合物前駆体を成膜後、半導体に変換することで成膜する方法などが知られている。
低分子材料の分子量は、特に制限されないが、通常100以上、好ましくは200以上であり、一方、通常5000以下、好ましくは2000以下である。
また、低分子材料は結晶性を有するものが好ましい。結晶性を有するp型半導体化合物は分子間相互作用が強く、本発明の光電変換素子において、p型半導体とn型半導体の混合物層界面で生成した正孔(ホール)を効率よく正極へ輸送できることが期待されるためである。
本発明における結晶性とは、分子間相互作用等によって配向の揃った3次元周期配列をとる化合物の性質である。
結晶性の測定方法としては、X線回折法(XRD)、あるいは電界効果移動度測定等が挙げられる。特に電界効果移動度測定において、正孔移動度が1.0×10−5cm/(Vs)以上である結晶性化合物が好ましく、1.0×10−4cm/(Vs)以上である結晶性化合物がさらに好ましい。
(2)n型半導体化合物
n型半導体化合物としては特に限定はないが、好ましくは有機低分子材料と有機高分子材料が挙げられる。
本発明に係る半導体デバイスに用いられるn型半導体は、電子受容体として機能すれば特に限定されない。n型半導体の材料としてたとえば、フラーレンおよびフラーレン誘導体、ペリレンおよびペリレン誘導体、キノリンおよびキノリン誘導体、ナフタレンおよびナフタレン誘導体、フルオレンおよびフルオレン誘導体、多環キノン、キナクリドン、カーボンナノチューブ等が挙げられる。また、上記骨格を持つオリゴマーやポリマー、シアノポリフェニレンビニレン等のポリマーも挙げられる。なお、本発明に係る半導体デバイスに用いられるn型半導体は、一種の化合物で構成されても、複数種の化合物の混合物として構成されてもよい。また、本発明で用いられる好ましいn型半導体の材料は、フラーレン誘導体である。
本明細書に記載されたフラーレン誘導体は既知の方法によって製造できる。たとえば、特許公開2009-206470号公報に記載されているように、フラーレンC60にグリニャール試薬と極性物質とを反応させて、位置選択的にさらに有機基をフラーレン(誘導体)に付加する工程(有機基付加工程A)と、塩基性化合物とハロゲン化合物とを反応させて有機基を付加する工程(有機基付加工程B)とを用いてフラーレン誘導体を合成できる。
1.3 電極
本発明の有機デバイスは、電極を有してもよい。電極が形成される場所としては厚み方向においては基板上に形成される場合、形成された層の上に形成される場合、双方に形成される場合があり、2次元的には全面に形成される場合と、パターン化して形成される場合がある。
機能膜層との関係では、機能膜層の基板側に形成する場合、基板と反対側に形成する場合、双方に形成する場合があり、それぞれ特定の目的を有する単一または複数の薄膜層を介することもできる。また機能膜層の全面には形成せず一部分に形成することもできる。これらは目的とする機能に応じて使い分けることが好ましい。
本発明のデバイスにおいて、電極に用いられる材料は、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、たとえば、ITO(酸化インジウムスズ)、酸化スズ、酸化亜鉛、金、コバルト、ニッケル、白金等の仕事関数の高い材料と、アルミニウム、銀、リチウム、インジウム、カルシウム、マグネシウム等を組み合わせて用いることが好ましい。なかでも、光が透過する位置にある電極は、ITO,酸化スズ、酸化亜鉛等の透明電極を用いることが好ましい。
電極の膜厚に制限はない。ただし、通常10nm以上、中でも50nm以上、また、通常1000nm以下、中でも300nm以下とすることが好ましい。電極が厚すぎると光が透過する用途では透明性が低下する。また、高コストとなる可能性がある。薄すぎると直列抵抗が大きくなり性能が低下する可能性がある。
電極の形成方法に制限はなく、たとえば、真空蒸着、スパッタ等のドライプロセスにより形成することができる。また、たとえば、導電性インク等を用いたウェットプロセスにより形成することもできる。この際、導電性インクとしては任意のものを使用することができ、たとえば、導電性高分子、金属粒子分散液等を用いることができる。さらに、電極は2層以上積層してもよく、表面処理により特性(電気特性やぬれ特性等)を改良してもよい。
1.4 正孔取取り出し層・電子取り出し層
本発明のデバイスは、さらに正孔取り出し層と電子取り出し層との少なくとも一方を有することができる。
正孔取り出し層の材料は、機能膜層から電極へ正孔の取り出し効率を向上させることが可能な材料であれば特に限定されない。具体的には、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアセチレン、トリフェニレンジアミン等の導電性有機化合物や前述のp型半導体等が挙げられる。また、金、インジウム、銀、パラジウム等の金属等の薄膜も使用することができる。さらに、金属等の薄膜は、単独で形成してもよく、上記の有機材料と組み合わせて用いることもできる。
電子取り出し層の材料は、機能膜層から電極へ電子の取り出し効率を向上させることが可能な材料であれば特に限定されない。具体的には、バソキュプロイン(BCP)または、バソフェナントレン(Bphen)、ナフチルバソフェナントレン(NBphen)およびこれらにアルカリ金属またはアルカリ土類金属をドープした層が挙げられる。また、フッ化リチウムのような無機化合物やカルシウムやセシウムのようなアルカリ金属、アルカリ土類金属を用いることもできる。また、このような電子取り出し層の材料にフラーレン類等のn型半導体材料やシロール類等を用いることも可能である。これらの層は単独でも、いくつかを組み合わせて用いることもできる。
正孔取り出し層と電子取り出し層とは、それぞれ機能膜層と電極の間に形成される。
正孔取り出し層と電子取り出し層との形成方法に制限はなく、たとえば、昇華性を有する材料を用いる場合は真空蒸着法等により形成することができる。また、たとえば、溶媒に可溶な材料を用いる場合は、スピンコートやインクジェット等の湿式塗布法等により形成することができる。
1.5 各層の厚さ
本発明の光電変換素子において、電子供与体層、電子受容体層および混合層等を含む全ての機能膜層を含む厚さは特に限定されないが、10nm未満では均一性が十分ではなく、短絡を起こしやすいという問題が生じる。他方、層の厚さが1000nmを超えると内部抵抗が大きくなり、また電極間の距離が離れて電荷の拡散が悪くなる問題が生じるため、好ましくない。そこで、電子供与体層、電子受容体層および混合層等を含む全ての機能膜層を含む厚さは10〜1000nmが好ましく、50〜200nmがさらに好ましい。
2 本発明のデバイスの製造方法
本発明のデバイスの製造方法は、基板上に直接または他の層を介して有機物を含有する有機物薄膜層を形成する工程A、有機物薄膜層の上に被覆層を形成する工程B、被覆層の形成後の有機物薄膜層の少なくとも一部に構造変化を生じさせることにより機能膜層aを形成する工程C、および機能膜層aを形成した後に被覆層を除去する工程Dを有する方法である。
すなわち、図1に示すように、本発明のデバイスの製造方法は、基板1の上に形成された有機物薄膜層Aに被覆層Bを形成した後、有機物薄膜層Aを機能膜層Cに構造変化させてから、被覆層Bを除去する方法である。
(1) 有機物薄膜層を形成する工程A
本発明で用いられる有機物を含有する有機物薄膜層は、該有機物薄膜層の上に直接に被覆層が形成された後、化学的または物理的な構造変化によって機能膜層aとなる層である。
有機物薄膜層が、機能膜層aに含まれる物質を含む場合、有機物薄膜層自体が機能を発現できるが、有機物薄膜層を形成した時点(被覆層形成前)では、所定の機能を十分に発現できない状態あるいは構造的に不安定な状態にとどまっている。このような有機物薄膜層に被覆層を形成した後、たとえば、物理的な構造変化を生じさせることにより、安定して機能を十分に発現できる機能膜層aを得ることができる。
また、有機物薄膜層が、化学的構造変化が生じることにより機能膜層aを構成する物質に変換する物質(前駆体)で構成される場合には、被覆層を形成した後、たとえば化学的な構造変化を生じさせることにより、所定の機能を発現する機能膜層aとすることができる。
有機物薄膜層に生じる構造変化の例としては、上記のように「物理的構造変化」と「化学的構造変化」が挙げられる。
本明細書中、「物理的構造変化」とは、アモルファス状態、ガラス状態、結晶状態間の変化のような相変化、会合、クラスター、凝集状態変化のような集合状態変化、結晶化度の変化のような結晶状態変化、2成分の分離状態の変化のような相分離状態変化等が挙げられる。これらの構造変化の状態は、構造変化の前後の状態に応じてX線散乱、X線回折、光吸収、光学顕微鏡観察、電子顕微鏡観察等の手法により確認することができる。また示差熱分析等により構造変化の発生する条件を把握した上で当該条件を印加することでも間接的に確認できる。さらには、キャリア移動度や電子親和力、仕事関数のような物性測定でも確認しうる。
本明細書中、「化学的構造変化」とは、化合物の分子構造の変化であり、転移、付加、重合、脱離等が挙げられる。これらの構造変化は1分子内で生じても複数分子間で生じても良い。
化学的構造変化は、構造変化の前後の状態に応じてX線散乱、X線回折、光吸収、NMR、質量分析等の手法により確認することができる。また薄膜を溶解して各種分析をおこなうことにより確認することもできる。また示差熱分析等により構造変化の発生する条件を把握した上で当該条件を印加することでも間接的に確認できる。さらには、キャリア移動度や電子親和力、仕事関数のような物性測定でも確認しうる。
有機物薄膜層の化学的構造変化は被覆層を形成した後に生じさせるが、さらに温度変化、電磁波照射等によって化学的構造変化を促すことができる。具体的には、温度変化としては加熱による温度変化が挙げられ、電磁波照射としては各種波長の光照射、マイクロ波照射等が挙げられる。
化学的構造変化が生じる有機物薄膜層に含まれる物質としては、構造変化の結果、機能膜層aを構成する物質に変化する物質、すなわち前駆体を使用することができる。
有機物薄膜層に含まれる前駆体は特に制限されない。前駆体の基本構造として必要な構造は、化学的構造変化後の機能膜層aを構成する物質に依存し決定されるが、化学構造自体は異なるものであるから、目的に応じて構造を選択する余地がある。
たとえば、結晶性が高く、溶解、成膜が困難である物質に対して適当な置換基を導入することにより溶解性を向上させた前駆体を用いて、塗布工程によって有機物薄膜層を形成し、被膜層で被覆した後、たとえば加熱処理などで該置換基を脱離させることにより、結晶性が高く電子性能に優れた物質とすることができる。
前記前駆体は、化学的構造変化によって容易に半導体材料に変換できることが好ましく、高い収率で機能膜層aを構成する物質に変換される物質であることが好ましい。
なお、前駆体として用いられる化合物は単独で使用されても、混合して使用されてもよい。
また、有機物薄膜層には、最終的に形成される機能膜層aに含有されないが、被覆層が存在した状態で構造変化を生じさせるため当該変化の過程で、被覆層中の物質に物理的または化学的に吸着される等によって有機物薄膜層の外に排出される物質が含まれることがある。この様な物質としては、たとえば、分子量の低い分子、熱およびまたは光で分解する物質があげられる。これらの物質は有機物であっても無機物であってもよい。特に、分子量の低い分子や分解生成物は、有機物薄膜層中あるいは被覆層中を移動して層外へ排出されることが可能である。
有機物薄膜層に含まれる前駆体の例としては、上記式(A1)で表される化合物が挙げられる。
スキーム1に示すように、有機物薄膜層に含まれる前駆体として用いることができる式(A1)で表される化合物は、被覆層が形成された後、加熱または光やマイクロ波等の電磁波の照射によって式(A1)中のZ−Zが脱離して、平面性の高いπ共役化合物である式(A2)の化合物を生成する。この生成された式(A2)の化合物が機能性膜において所定の機能を発現する化合物となる。
式(A1)で表される化合物の例としては、式(A3)、式(A4)、式(A5)、式(A6)等で表される化合物が挙げられる。
式(A1)の前駆体の一例である(A7)で表される化合物は、以下のスキームを経て、式(A8)で表される所定の機能を発現する化合物に変化する。
式(A1)中、XおよびXは、π共役した2価の芳香族基、複素環基、縮合多環芳香族基または縮合多環複素環基、または、置換基を有してもよいエテニレン基である。また、式(A1)中、Z−Zは加熱、または光、マイクロ波等の電磁波の照射により脱離可能な基である。
有機物薄膜層に含まれる式(A1)で表される前駆体の中でも、上記式(I)または(II)で表される化合物が好ましい。
式(I)または(II)で表される化合物は被覆層によって被覆された状態で加熱、または光、マイクロ波等の電磁波の照射によりR−Rで構成される構造が脱離してポルフィリン化合物に変化する。
特に、式(A7)で表される化合物は脱離する構造が小さく、体積変化が少ないため好ましい。R−Rの一部がメチル基に置き換わった化合物は溶解性が向上するため好ましい。
式(I)および式(II)中、R〜Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン原子または有機基であり、式(III)および(IV)中、R17〜R20はそれぞれ独立して水素、ハロゲン原子または有機基である。
本明細書において、「有機基」は、水酸基、シアノ基、置換基を有してもよいC〜C20炭化水素基、置換基を有してもよいC〜C20アルコキシ基、置換基を有してもよいC〜C20アリールオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいシリル基、置換基を有してもよいアルキルチオ基(−SY、式中、Yは置換基を有してもよいC〜C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールチオ基(−SY、式中、Yは置換基を有してもよいC〜C18アリール基を示す。)、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基(−SO、式中、Yは置換基を有してもよいC〜C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールスルホニル基(−SO、式中、Yは置換基を有してもよいC〜C18アリール基を示す。)、置換基を有してもよいC〜C20アシル基、置換基を有してもよいC〜C20アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいC〜C20ジアルキルアミノ基、置換基を有してもよいC14〜C30ジアラルキルアミノ基、芳香族基、複素環基、縮合多環芳香族基または縮合多環複素環基であることが好ましい。
本明細書において、「C〜C20炭化水素基」の炭化水素基は、飽和若しくは不飽和の非環式であってもよいし、飽和若しくは不飽和の環式であってもよい。C〜C20炭化水素基が非環式の場合には、線状でもよいし、枝分かれでもよい。「C〜C20炭化水素基」には、C〜C20アルキル基、C〜C20アルケニル基、C〜C20アルキニル基、C〜C20アルキルジエニル基、C〜C18アリール基、C〜C20アルキルアリール基、C〜C20アリールアルキル基、C〜C20シクロアルキル基、C〜C20シクロアルケニル基、(C〜C10シクロアルキル)C〜C10アルキル基などが含まれる。
本明細書において、「C〜C20アルキル基」は、C〜C12アルキル基であることが好ましく、C〜Cアルキル基であることが更に好ましい。アルキル基の例としては、制限するわけではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ドデカニル等を挙げることができる。
本明細書において、「C〜C20アルケニル基」は、C〜C12アルケニル基であることが好ましく、C〜Cアルケニル基であることが更に好ましい。アルケニル基の例としては、制限するわけではないが、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチルアリル、2−ブテニル等を挙げることができる。
本明細書において、「C2〜C20アルキニル基」は、C〜C12アルキニル基であることが好ましく、C〜Cアルキニル基であることが更に好ましい。アルキニル基の例としては、制限するわけではないが、エチニル、プロピニル、ブチニル等を挙げることができる。
本明細書において、「C〜C20アルキルジエニル基」は、C〜C12アルキルジエニル基であることが好ましく、C〜Cアルキルジエニル基であることが更に好ましい。アルキルジエニル基の例としては、制限するわけではないが、1,3−ブタジエニル等を挙げることができる。
本明細書において、「C〜C18アリール基」は、C〜C12アリール基であることが好ましい。アリール基の例としては、制限するわけではないが、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、インデニル、ビフェニル、アントリル、フェナントリル等を挙げることができる。
本明細書において、「C〜C20アルキルアリール基」は、C〜C12アルキルアリール基であることが好ましい。アルキルアリール基の例としては、制限するわけではないが、o−トリル、m−トリル、p−トリル、2,3−キシリル、2,4−キシリル、2,5−キシリル、o−クメニル、m−クメニル、p−クメニル、メシチル等を挙げることができる。
本明細書において、「C〜C20アリールアルキル基」は、C〜C12アリールアルキル基であることが好ましい。アリールアルキル基の例としては、制限するわけではないが、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、2,2−ジフェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチル等を挙げることができる。
本明細書において、「C〜C20シクロアルキル基」は、C〜C12シクロアルキル基であることが好ましい。シクロアルキル基の例としては、制限するわけではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等を挙げることができる。
本明細書において、「C〜C20シクロアルケニル基」は、C〜C12シクロアルケニル基であることが好ましい。シクロアルケニル基の例としては、制限するわけではないが、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル等を挙げることができる。
本明細書において、「C〜C20アルコキシ基」は、C〜C12アルコキシ基であることが好ましく、C〜Cアルコキシ基であることが更に好ましい。アルコキシ基の例としては、制限するわけではないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ等がある。
本明細書において、「C〜C20アリールオキシ基」は、C〜C12アリールオキシ基であることが好ましい。アリールオキシ基の例としては、制限するわけではないが、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等を挙げることができる。
本明細書において、「アルキルチオ基(−SY、式中、Yは置換基を有してもよいC〜C20アルキル基を示す。)」および「アルキルスルホニル基(−SO、式中、Yは置換基を有してもよいC〜C20アルキル基を示す。)」において、YおよびYは、C〜C10アルキル基であることが好ましく、C〜Cアルキル基であることが更に好ましい。アルキル基の例としては、制限するわけではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ドデカニル等を挙げることができる。
本明細書において、「アリールチオ基(−SY、式中、Yは置換基を有してもよいC〜C18アリール基を示す。)」および「アリールスルホニル基(−SO、式中、Yは置換基を有してもよいC〜C18アリール基を示す。)」において、YおよびYは、C〜C10アリール基であることが好ましい。アリール基の例としては、制限するわけではないが、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、インデニル、ビフェニリル、アントリル、フェナントリル等を挙げることができる。
本明細書において、「C〜C20アシル基」のC〜C20アシル基は、C〜C12アシル基であることが好ましい。アシル基の例としては、制限するわけではないが、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基等を挙げることができる。
本明細書において、「C〜C20アルコキシカルボニル基」のC〜C20アルコキシカルボニル基は、C〜C12アルコキシカルボニル基であることが好ましい。アルコキシカルボニル基の例としては、制限するわけではないが、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等を挙げることができる。
本明細書において、「C〜C20ジアルキルアミノ基」のC〜C20ジアルキルアミノ基は、C〜C12ジアルキルアミノ基であることが好ましい。ジアルキルアミノ基の例としては、制限するわけではないが、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等を挙げることができる。
本明細書において、「C14〜C30ジアラルキルアミノ基」のC14〜C30ジアラルキルアミノ基は、C14〜C20ジアラルキルアミノ基であることが好ましい。ジアラルキルアミノ基の例としては、制限するわけではないが、ジベンジルアミノ基、ジフェネチルアミノ基等を挙げることができる。
「C〜C20炭化水素基」、「C〜C20アルコキシ基」、「C〜C20アリールオキシ基」、「アミノ基」、「シリル基」、「アルキルチオ基」、「アリールチオ基」、「アルキルスルホニル基」、「アリールスルホニル基」、「アシル基」、「アルコキシカルボニル基」、「ジアルキルアミノ基」および「ジアラルキルアミノ基」には、置換基が導入されていてもよい。この置換基としては、たとえば、エステル基、カルボキシル基、アミド基、アルキン基、トリメチルシリル基、アミノ基、ホスホニル基、チオ基、カルボニル基、ニトロ基、スルホ基、イミノ基、ハロゲノ基、アルコキシ基などを挙げることができる。この場合、置換基は、置換可能な位置に1個以上、置換可能な最大数まで導入されていてもよく、好ましくは1個〜4個導入されていてもよい。置換基数が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
本明細書において、「置換基を有してもよいアミノ基」の例としては、制限するわけではないが、アミノ、ジメチルアミノ、メチルアミノ、メチルフェニルアミノ、フェニルアミノ等がある。
本明細書において、「置換基を有していてもよいシリル基」の例としては、制限するわけではないが、ジメチルシリル、ジエチルシリル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリメトキシシリル、トリエトキシシリル、ジフェニルメチルシリル、トリフェニルシリル、トリフェノキシシリル、ジメチルメトキシシリル、ジメチルフェノキシシリル、メチルメトキシフェニル等がある。
本明細書において、「芳香族基」の例としては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基等がある。
本明細書において、「複素環基」の例としては、チエニル基、ピロリル基、ピリジル基、ビピリジル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、ターチエニル基等がある。
本明細書において、「縮合多環芳香族基」の例としては、フルオレニル基、ナフチル基、フルオランテニル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、テトラセニル基、ペンタセニル基、トリフェニレニル基、ペリレニル基等がある。
本明細書において、「縮合多環複素環基」の例としては、カルバゾリル基、アクリジニル基、フェナントロリル基等がある。
また、これらの、「芳香族基」、「複素環基」、「縮合多環芳香族基」および「縮合多環複素環基」が有してもよい置換基の例としては、制限するわけではないが、C〜C10炭化水素基(たとえば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ナフチル、インデニル、トリル、キシリル、ベンジル等)、C〜C10アルコキシ基(たとえば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C〜C10アリールオキシ基(たとえば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子(たとえば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)またはシリル基などを挙げることができる。この場合、置換基は、置換可能な位置に1個以上導入されていてもよく、好ましくは1個〜4個導入されていてもよい。置換基数が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
有機物薄膜層を形成する方法は特に限定されないが、たとえば、真空成膜法(真空蒸着、CVD等)、湿式の塗布方法等を用いることができる。
湿式の塗布方法としては、たとえばダイコート法、スピンコート法、ディップコート法、ロールコート法、スプレーコート法、インクジェット法等が挙げられる。
湿式の塗布方法は薄膜層を形成する物質を液状にして塗布する方法であり、好ましくは当該物質を溶液にして塗布することが好ましい。湿式の塗布方法では、有機物薄膜層に含まれる物質(たとえば、前駆体)の溶解度をより高くするように設計することが可能であることから好ましい。
用いられる溶媒は、有機物薄膜層を形成する物質を溶解できれば特に制限されないが、具体的には、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、ノナン、デカン等の脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル等のエステル類;クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン等のハロゲン炭化水素類;エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類等が挙げられる。
有機物を含有する薄膜の好ましい厚みは5nmから1000nmであり、さらに好ましくは、10nmから200nmである。膜が薄すぎると薄膜層に欠陥が生じる可能性があり、膜が厚すぎると膜内における構造変化自由度が高くなり、被覆層を設けても膜中の構造を制御しきれなくなり本発明の効果が低下する可能性があるからである。
(2) 被覆層を形成する工程B・機能膜層aを形成する工程C
本発明で用いられる被覆層は有機物薄膜層上に形成されるものである。被覆層の直下にある有機物薄膜層に構造変化を生じさせ、機能膜層aの少なくとも一部を形成する際に、たとえば、空間的自由度の制限、界面的相互作用等により機能膜層aを好ましい構造に制御するためのものである。
被覆層はこのような役割を果たす層であれば特に限定はない。
被覆層は有機物薄膜層に構造変化を生じさせる条件において安定であることが好ましい。当該条件より緩やかな条件において揮発・分解すると、有機物薄膜層の構造変化時において被覆層が存在しないことになるため好ましくない。
本発明では、有機物薄膜層が構造変化した後に、被覆層の除去が連続的に行われることが好ましい。
本発明の被覆層としては、たとえば、有機低分子材料や有機高分子材料からなる機能膜層aに使用される物質、正孔取り出し層、および電子取り出し層に使用される物質を用いることができる。これらの有機デバイスに使用される物質を被覆層として用いる場合には、被覆層を除去する工程Dにおいて、除去しきれない分子が不純物として残存しても特性に与える影響が小さいため好ましい。
なお、機能膜層aに含まれる物質を被覆層が含む場合、機能膜層aと被覆層が共通の物質を有することによって両者が一体として機能膜層aとなり得るが、機能膜層aと被覆層では、配向、構造等に相違があることにより両者を区別でき、本発明に特徴的な効果を奏することができる。
また、被覆層としては有機低分子材料や有機高分子材料を用いることができ、これらの材料は半導体のような機能材料である必要はない。
低分子の材料としては分子量100−2000の範囲の物質が好ましく使用できる。高分子材料としてはポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、AS(アクリロニトリル−スチレン)樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フッ素系樹脂、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリアクリル系樹脂、各種ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド−イミド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。
また、高分子と低分子の中間にあたるオリゴマーも使用できる。被覆層を除去する場合、オリゴマーは高分子より除去が容易であることが多く、好ましい。
さらに、被覆層としては、無機酸化物、無機イオン性物質、金属のような無機材料が挙げられる。無機材料は半導体のような機能材料であっても、導体のような電極形成可能物質であっても、絶縁体のような物質であっても良い。
無機酸化物としては酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化ニッケル,酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)、インジウムージルコニウム酸化物(IZO)、酸化亜鉛などが挙げられる。
無機イオン性物質としてはフッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩などが挙げられる。金属としては金、白金、銀、クロム、コバルトやナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、カリウム、カルシウム、チタン、マンガン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛などが挙げられる。
被覆層は単独の化合物でも2以上の化合物を併用してもよい。
被覆層を形成する方法は特に限定されないが、たとえば、真空成膜法(真空蒸着、CVD等)、湿式の塗布方法等を用いることができる。
湿式の塗布方法としては、たとえばダイコート法、スピンコート法、ディップコート法、ロールコート法、スプレーコート法、インクジェット法等が挙げられる。湿式の塗布方法の具体的な方法は、上述のとおりである。
これらの被覆層の形成方法の中でも、真空成膜法、または、有機物を含有する薄膜層を形成する手法と異なる溶媒を用いる形成方法が好ましい。
被覆層の形成方法としては、被覆層を形成する際、および、被覆層の形成後に有機物薄膜層にダメージを与えない方法を用いることが好ましい。具体的には、被覆層を湿式の塗布方法を用いて形成する場合は、使用する溶媒によって有機物を含有する薄膜層にダメージが生じないようにすることが好ましい。また、真空成膜によって被覆層を形成する場合は真空、加熱、堆積分子によって有機物薄膜層にダメージが生じないようにすることが好ましい。また被覆層に含まれる物質と有機物を含有する薄膜層に含まれる物質の相溶性が高すぎないことが好ましい。
被覆層の好ましい厚みは5nmから1000nmであり、さらに好ましくは、10nmから200nmである。被覆層が薄すぎると被覆の効果を十分に発揮できない可能性があり、厚すぎると被覆層の除去をおこなう場合に除去に時間がかかる場合がある。
被覆層の形成後に、構造変化を生じさせることにより、有機物薄膜層は構造変化し機能膜層aとなる。構造変化を促進するために、有機物薄膜層に温度変化を与えたり、電磁波照射を施したりすることが好ましい。これらの方法の中でも、温度変化は装置が簡便で広く用いることができるので好ましい。
本発明において、化学的構造変化が生じる有機物薄膜層に含まれる物質としては、構造変化の結果、機能膜層aを構成する物質に変化する物質、すなわち前駆体を使用することができる。
本発明における有機物薄膜層が可溶性前駆体からなり、熱変換により機能膜層aを形成する場合の温度条件は、熱変換反応が進行する限り制限はないが、通常100℃以上、好ましくは150℃以上である。温度が低すぎると変換に時間がかかり、実用上好ましくなくなる可能性がある。上限は任意であるが、通常400℃以下、好ましくは300℃以下である。温度が高すぎると、有機物薄膜層が分解する可能性があるためである。
また、加熱時間は上記の変換反応が進行する限り制限はないが、通常10秒以上、好ましくは30秒以上、また、通常100時間以下、好ましくは50時間以下である。加熱時間が短すぎると変換が不十分となる可能性があり、長すぎると実用上好ましくなくなる可能性がある。
電磁波照射としては、紫外線から赤外線までの各種波長の光照射やマイクロ波照射等が挙げられ、市販の装置を各々用いることができる。これらの中でも、有機物薄膜層中に含有される物質の熱伝導に依存せずに、短時間で均一な加熱が行える点から、熱効率の良いマイクロ波照射が好ましく用いられる。
マイクロ波照射としては、0.4GHz〜41GHzの周波数の電圧を印加することが好ましく、更に好ましくは、例えば2.45GHz、28GHzの周波数の電圧を印加することが好ましい。これらのマイクロ波照射により分子振動が生じ、当該振動摩擦による発熱を利用して機能膜層aへの構造変化を促進することができるからである。
被覆層の形成後に、構造変化により生じた機能膜層aの好ましい厚みは、5nmから100nmであり、さらに好ましくは、10nmから25nmである。機能膜層aが薄すぎると薄膜層に欠陥が生じる可能性があり、厚すぎると電極までの正孔の輸送に障害となり、光電変換素子としての性能が低下する可能性がある。
(3) 被覆層を除去する工程D
本発明で用いられる被覆層は、有機物薄膜層の上に被覆し、有機物薄膜層に構造変化を生じさせて、機能膜層aの少なくとも一部を形成した後に除去される。
被覆層を除去することにより、形成された機能膜層aの上にさらに必要な層を積層することが可能となる。被覆層が除去される場合、有機デバイスから不要な層を減らすことができ、また、被覆層に用いる物質の選択の余地が広くなるので好ましい。
被覆層を除去する方法は、被覆層を構成する物質の一部または全部が除去できれば、特に限定されないが、この際に形成された機能膜層aに損失を与えない手法であることが好ましい。
被覆層を除去する方法としては、機械的方法、物理的方法、化学的方法等が挙げられる。
機械的方法としては剥離、切削、研磨等の手法が挙げられる。これらの中でも粘着性物質等を有するテープを被覆層に付着させた後に剥離するテープ剥離法が好ましい。
物理的方法としては、気化、溶解、溶融等の方法が挙げられる。これらの中でも気化、溶解の方法が好ましい。気化は加熱して被覆層を形成する物質を気化させるもので、工程が容易で残存も少ないことから好ましい。溶解は被覆層を形成する物質を溶媒に溶解させて溶液としこれを洗浄して除去する手法であり、溶解可能な多くの物質に適用できることから好ましい。溶解に用いられる溶媒としては、被覆層を形成する物質を溶解できるとともに機能膜層aに与える損失が少ない溶媒が好ましく、具体的には、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、ノナン、デカン等の脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル等のエステル類;クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン等のハロゲン炭化水素類;エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類等が挙げられる。
化学的方法としては、被覆層を形成する物質を分解する方法が挙げられる。これらの中でも加熱分解、溶解反応分解の方法が好ましい。加熱分解は加熱して被覆層を形成する物質を蒸発気化可能な形として気化させるもので、工程が容易で残存も少ないことから好ましい。溶解反応分解は被覆層を形成する物質を反応させて溶媒に可能な形とした後、これを洗浄して除去する手法であり、無機酸化物や金属のような溶解困難な物質でも除去することができるため好ましい。
(4) 機能膜層b・機能膜層cを形成する工程
被覆層を除去した後に、さらに機能膜層(機能膜層b・機能膜層c)を形成してもよい。機能膜層は1層でも複数層でもよい。機能膜層aの上に設けられる機能膜層の構成は特に限定されないが、さらに設けられる機能膜層が1層の場合には、n型半導体を含む電子受容体層である機能膜層cを設けることが好ましい。さらに設けられる機能膜層が2層の場合には、機能膜層aの上に、n型半導体化合物とp型半導体化合物を含む混合層である機能膜層bを設け、さらにその上に上記機能膜層cを設けることが好ましい。
なお、機能膜層bおよび機能膜層cは、機能膜層aと同様に構造変化させて形成させても、公知の方法で形成させてもよい。
(5) 機能膜層以外の層
本発明のデバイスに含まれる機能膜層以外の構成(たとえば、電極、正孔取り出し層、電子取り出し層)は、公知の方法で形成される。具体的には、これらの構成は、真空成膜法(真空蒸着、CVD等)、湿式の塗布方法等を用いることができる。
次に、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
[実施例1]光電変換素子
実施例1では、図2に示すような光電変換素子を製造した。
1 正孔取り出し層の成膜
ガラス基板1上に電極としてITO電極2がパターニングされた、ITO付きガラス基板上に、正孔取り出し層3としてポリ(3,4)−エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォネート水分散液(スタルクヴィテック社製 商品名「Baytron AI」)をスピンコート法により塗布した。塗布後のガラス基板を120℃のホットプレート上で大気中10分間、加熱処理を施して、正孔取り出し層3を成膜した。ポリ(3,4)−エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォネート層(正孔取り出し層3)の膜厚は40nmであった。
2 電子供与体層(機能膜層)の形成
2.1 有機物薄膜層の形成
正孔取り出し層3が成膜された基板をグローブボックス中に持ち込み、ガラス基板を窒素雰囲気下180℃で3分間加熱処理して乾燥させた。続けてクロロホルム/モノクロロベンゼンの重量比1:2の混合溶媒に下記式(B1)で表される化合物を0.33重量%溶解し、グローブボックス中でガラス基板上の正孔取り出し層3上に1500rpmでスピンコート法により塗布して有機物薄膜層を得た。得られた有機物薄膜層は薄茶色のアモルファス膜であった。
2.2 被覆層の形成
真空蒸着装置内に有機物薄膜層が形成された基板を設置し、真空蒸着装置内に配置されたメタルボートにフェナントロリン誘導体(ナフチルバソフェナントレン:NBphen)を入れ、加熱した。有機物を含有する薄膜層上にフェナントロリン誘導体(ナフチルバソフェナントレン:NBphen)を膜厚25nmになるまで蒸着し、被覆層を形成した。
2.3 基板の加熱
積層体が形成されたガラス基板をグローブボックス中180℃で20分間加熱した。有機物薄膜層を構成する上記式(B1)で表される化合物は、p型半導体材料であるテトラベンゾポルフィリンの前駆体であり、加熱により式(B1)で表される化合物はテトラベンゾポルフィリンへと構造変化し、薄膜は緑色に変化した。これによって、有機物薄膜層は電子供与体層(機能膜層a)4となった。
2.4 被覆層の除去
有機物薄膜層の構造変化による電子供与体層(機能膜層a)4の形成後に、クロロホルム、トルエンで洗浄することにより被膜層であるフェナントロリン誘導体(ナフチルバソフェナントレン:NBphen)を除去した。薄膜X線による解析結果から、得られた機能膜層aは結晶性であることが示された。被覆層を除去した段階における電子供与体層(機能膜層a)4の膜厚は21nmであった。
3 電子供与体と電子受容体の混合層(機能膜層b)の形成
被膜層が除去された基板に設けられた電子供与体層(機能膜層a)4を機能膜層の一部として利用し、その上に電子供与体と電子受容体の混合層(機能膜層b)5を続けて形成した。具体的には、クロロホルム/モノクロロベンゼンの1:1混合溶媒(重量)に、式(B1)で表される化合物を0.6重量%、下記式で表されるフラーレン化合物3で表されるフラーレン誘導体を1.4重量%溶解した液を調製し、グローブボックス中で窒素雰囲気下、被膜が除去された基板における電子供与体層(機能膜層a)4上に1500rpmでスピンコートし、グローブボックス中180℃で20分間加熱した。加熱により式(B1)で表される化合物は、テトラベンゾポルフィリンへと変換された。
このようにして、電子供与体と電子受容体の混合層(機能膜層b)5を形成した。
4 電子受容体層(機能膜層)の形成
トルエンにフラーレン化合物3で表されるフラーレン誘導体を1.2重量%溶解した液を調整し、混合層(機能膜層b)5が形成された基板に、グローブボックス中で窒素雰囲気下3000rpmでスピンコートし、グローブボックス中120℃で5分間加熱処理を施すことにより、電子受容体層(機能膜層c)6を形成した。
5 電子取り出し層の形成
真空蒸着装置内に電子受容体層(機能膜層c)6が形成された基板を設置し、真空蒸着装置内に配置されたメタルボートにフェナントロリン誘導体(ナフチルバソフェナントレン:NBphen)を入れ、加熱した。電子受容体層(機能膜層c)6上にフェナントロリン誘導体(ナフチルバソフェナントレン:NBphen)を膜厚7.5nmになるまで蒸着し、電子取り出し層7を形成した。
6 電極の形成
電子取り出し層7の上に真空蒸着により厚さ80nmのアルミニウム膜を電極8として設けた。
7 積層体の封止
ガラス基板にITO電極、正孔取り出し層、機能膜層(電子供与体層、混合層、電子受容体層)、電子取り出し層および電極が順に積層された積層体に対して、ガラス基板側と反対側を透明ガラス基板(非図示)を用いて封止した。封止はグローブボックス中で窒素雰囲気下、透明ガラス基板の外周を、封止剤を用いて接着することにより行った。このようにして積層体が外気に対して密封された光電変換素子を作製した。
作製した光電変換素子に対して、ITO付きガラス基板側からソーラシミュレーター(AM1.5G)で100mW/cmの強度の光を照射した。ソースメーター(ケイスレー社製,2400型)にて、ITO電極とアルミニウム電極との間における電流−電圧特性を測定し、光電変換効率を算出した。
[実施例2]
実施例1の[有機物薄膜層の形成]において、式(B1)で表される化合物を0.5重量%溶解した液を用いて有機物を含有する薄膜層を作製した以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を作製し評価した。
被覆層を除去した段階における機能膜層aの厚みは27nmであった。
[実施例3]
実施例1の[有機物薄膜層の形成]において、式(B1)で表される化合物を0.40重量%溶解した液を用いて有機物を含有する薄膜層を作製した以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を作製し評価した。
[実施例4]
実施例1の[有機物薄膜層の形成]において、式(B1)で表される化合物を0.25重量%溶解した液を用いて有機物を含有する薄膜層を作製した以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を作製し評価した。
[実施例5]
実施例1の[有機物薄膜層の形成]において、式(B1)で表される化合物を0.20重量%溶解した液を用いて有機物を含有する薄膜層を作製した以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を作製し評価した。
[比較例1]
実施例1の被覆層の形成とその除去を省略した以外は、実施例1と同様にして有機薄膜太陽電池を形成し評価した。機能膜層aの厚みは19nmであった。
[比較例2]
実施例2の被覆層の形成とその除去を省略した以外は、実施例2と同様にして有機薄膜太陽電池を形成し評価した。機能膜層aの厚みは27nmであった。
[比較例3]
実施例4の被覆層の形成とその除去を省略した以外は、実施例4と同様にして有機薄膜太陽電池を形成し評価した。
[光透過スペクトル測定]
実施例1の電子供与体層(機能膜層)の形成(1)が終了した段階の基板の表面に設けられた機能膜層aについて、JASCO製 V−570を使用して光透過スペクトル測定を行った。同様に、比較例1の機能膜層aについて光スペクトル測定を行った。これらの結果は図3の通りであった。
図3の光透過スペクトルから、実施例1の被覆層を形成した後に構造変化が生じた機能膜層aは、比較例1の被覆層を形成せずに構造変化が生じた機能膜層aに比べて吸収スペクトルが強くなっていることが示された。機能膜層aに同一の物質が同量用いられ、機能膜層の厚みもほぼ同じであるにも拘わらず、実施例1の方が機能膜の吸収スペクトルが強くなっていることから、被覆層の形成の有無によって、有機物薄膜中の結晶化度、結晶の配向性などに変化が生じていることがわかる。
[電子顕微鏡(SEM)による観察]
実施例1の電子供与体層(機能膜層)の形成(1)が終了した段階の基板の表面に設けられた機能膜層aについて、電界放射型走査電子顕微鏡(Zeiss社製ULTAR55 Scanning Electron Microscopy(SEM))によって電子顕微鏡観察を行った。観察の結果得られた電子顕微鏡写真は図4に示すとおりであった。
同様に、比較例1の被覆層を形成せずに構造変化が生じた機能膜層aについて電子顕微鏡観察を行った。観察の結果得られた電子顕微鏡写真は、図5に示すとおりであった。
SEM画像では実施例1(図4)では表面がより平坦で均一性が高いことが示された。比較例1(図5)では表面の凹凸が多く欠陥部も存在している。このことから、前駆体の構造変化を被覆層に覆われた状態で生じさせることにより、均一な薄膜が得られることがわかる。
[光電変換効率]
実施例1−5、比較例1−3で得られた光電変換素子の光電変換効率を測定した結果をまとめて示す。前駆体の構造変化を被覆層に覆われた状態で生じさせた実施例において、エネルギー変換効率(PCE)、短絡電流(Jsc)および開放電圧(Voc)とも高い値を示すことがわかる。特に、化合物B1の濃度が低い場合では、比較例3で機能薄膜層aの欠陥の増加に由来すると思われる特性低下が著しいのに対し、実施例4では機能薄膜層aの均一性が高いため高い性能を維持していることがわかる。
また、化合物B1の濃度が0.5重量%と高い場合(実施例2)では、被覆層を除去した段階における機能膜層aの厚みは27nmであり、実施例1(機能膜層aの厚みは21nm)と比較してエネルギー変換効率が低下している。このことから、被覆層を除去した段階における機能膜層aの厚みに上限があることがわかる。
本発明のデバイスは、たとえば、光電変換素子として用いることができ、太陽電池、光スイッチング装置、センサ等の各種の光電変換装置に好適に使用することができる。また、本発明の有機デバイスはバイポーラーのトランジスタやダイオード等にも用いることができる。

Claims (8)

  1. 基板上に機能膜層が形成された有機デバイスの製造方法であって、基板上に直接または他の層を介して有機物を含有する有機物薄膜層を形成する工程A、有機物薄膜層の上に被覆層を形成する工程B、被覆層の形成後の有機物薄膜層の少なくとも一部に構造変化を生じさせることにより機能膜層を形成する工程C、および機能膜層を形成した後に被覆層を除去する工程Dを含む、有機デバイスの製造方法。
  2. 工程Cにおいて、有機物薄膜層に加熱または電磁波の照射を行う、請求項1に記載の有機デバイスの製造方法。
  3. 構造変化が化学構造変化である、請求項1または2に記載の有機デバイスの製造方法。
  4. 有機物薄膜層に含まれる有機物が下記式(A1)で表される化合物である、請求項1〜3のいずれかに記載の有機デバイスの製造方法。
    (式(A1)中、XおよびXはそれぞれ独立してπ共役した2価の芳香族環を形成する基、または、置換基を有してもよいエテニレン基であり、XおよびXの少なくとも一方はπ共役した2価の芳香族基、複素環基、縮合多環芳香族基または縮合多環複素環基であり;Z−Zは熱または光により脱離可能な基である。)
  5. 有機物薄膜層に含まれる有機物が下記一般式(I)または(II)で表される化合物である、請求項1〜3のいずれかに記載の有機デバイスの製造方法。
    式(I)および式(II)中、R〜Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン原子または有機基であり、(R,R10)、(R11,R12),(R13,R14)および(R15,R16)の組はそれぞれ独立して式(III)または式(IV)で表される基が結合したものを表わし、式(II)中、Mは金属あるいは軸配位子を有する金属である。)
    (式(III)および(IV)中、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子または炭素数10以下のアルキル基を表わし、(R,R)および(R,R)の組の少なくとも1つの組はどちらも炭素数10以下のアルキル基であり、R17〜R20はそれぞれ独立して水素、ハロゲン原子または有機基である。)
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の有機デバイスの製造方法により製造された有機デバイス。
  7. 被覆層を形成した後に、構造変化を生じさせることにより形成される機能膜層の厚みが25nm以下である請求項6に記載の有機デバイス。
  8. 有機デバイスが光電変換素子である、請求項6または7に記載の有機デバイス。
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