以下、本発明の実施の形態による露光制御装置の一例について図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、本発明の実施の形態による露光制御装置の一例が用いられる画像形成装置の一例について説明するが、画像形成装置に限らず、他の機器においても露光面を露光・走査する必要があれば、この露光制御装置を適用することができる。
図1は、本発明の実施の形態による露光制御装置の一例が用いられる画像形成装置の一例を破断して示す図である。
図1を参照して、図示の画像形成装置は、例えば、モノクロの複写機である。画像形成装置は、原稿給紙装置1、原稿読取部1A、及び画像形成装置部1Bを有している。原稿読取部1Aには、原稿台ガラス2、スキャナーユニット4、ミラー6及び7、レンズ8、及びイメージセンサー部9が備えられている。そして、スキャナーユニット4はスキャナーランプ3及びミラー5を有している。
画像形成装置部1Bは、露光制御装置(図1には光走査装置10が示されている)、被露光面である感光体ドラム11、現像器13、転写部材積載部14及び15、転写部16、定着部17、及び排紙部18を有している。そして、原稿読取部1Aの上側には、各種情報を表示する表示部19が配置されている。
図2は図1に示す画像形成装置における画像形成プロセスの一例を説明するためのフローチャートである。
図1及び図2を参照すると、画像形成を行う際には、原稿給紙装置1上に原稿又は原稿束がセットされる。そして、原稿給紙装置1に積載された原稿束から1枚ずつ原稿が順次原稿台ガラス面2上に搬送される(ステップS1)。原稿台ガラス面2上が搬送されると、スキャナーランプ3を点灯しつつ、スキャナーユニット4が移動して原稿に光を照射する(ステップS2)。
原稿からの反射光はミラー5、6、及び7を介してレンズ8で集光されて、イメージセンサー部9に結像する。そして、イメージセンサー部9は入射光を電気信号に変換して出力する。この電気信号は画像データ(画像信号)に変換された後、一旦画像メモリ(図示せず)に記憶される(ステップS3)。そして、画像メモリから読み出された画像データは露光制御装置に与えられる(ステップS4)。なお、画像メモリに記憶することなく、直接的に画像データを露光制御装置に入力するようにしてもよい。
露光制御装置は、画像データに基づいてレーザ光(光ビーム)を出力(出射)する。露光制御走査は、レーザ光をポリゴンミラーによって偏向して走査光とし、走査光で均一に帯電した感光体ドラム(像担持体)11を露光・走査する(ステップS5)。これによって、感光体ドラム11上に、画像データに応じた静電潜像が形成される(ステップS6)。
次いで、現像器13によって静電潜像が現像されて、トナー像とされる(ステップS7)。つまり、感光体ドラム11にはトナー像が担持される。トナー像の形成とタイミングを合わせて、転写部材積載部14又は15から転写部材(記録紙)が搬送され、転写部16において、感光体ドラム11上のトナー像が転写部材上に転写される(ステップS7)。
その後、転写紙は定着部17に送られ、ここで転写部材上のトナー像が定着される(ステップS9)。そして、排紙部18から転写紙が排紙される(ステップS10)。
このプロセスを繰り返して行って、複数の原稿についてそれぞれ画像形成を行う。なお、表示部19には、各種情報として、例えば、転写部材のサイズ及び画像形成枚数が表示される。
図3は、図1で説明した露光制御装置の構成の一例を示す図である。
図3を参照して、ここでは、図23に示す露光制御装置と同一の構成要素については、同一の参照番号を付し、説明を省略するものとする。図示の光制御装置は、光走査装置10とCPU(制御手段)209とを有している。さらに、露光制御装置は、回転数設定部(設定手段)211を有しており、この回転数設定部211によって、後述するように、複数の動作モードから1つの動作モードが設定動作モードとして選択される。そして、この設定動作モードは、CPU209に与えられ、CPU209は、設定動作モードに応じてレーザ光源(光源)201を点灯制御するとともに、ポリゴンミラーモータ204を駆動制御する。なお、図3に示す例では、レーザ光源201は複数の発光点(レーザ素子:発光素子)を有している。
図4は、図3に示すレーザ光源201の発光点の構成の一例を示す図である。図4に示すように、この例では、レーザ光源201は、合計32個の発光点(レーザ素子)201aを有している。そして、これら発光点201aは一列に配列されている。各発光点201aから同時にレーザ光を出射させた場合、各発光点201aから出射され光ビームが感光ドラム上の異なる位置を走査するように、レーザ光源201は光走査装置に設置される。
回転数設定部211は、例えば、ユーザ(または、サービスマン)によって操作され、回転数設定部211によって、複数の動作モードのうち1つのモードが設定動作モードとして設定される。図示の例では、複数の動作モードとして第1〜第5の動作モードがあり、回転数設定部211は第1〜第5の動作モードのうち1つを設定動作モードとして設定する。
図5は、図1に示す表示部19に表示される動作モード選択画面を示す図である。画像形成装置において、表示部19には動作モード選択画面19aが表示され、ユーザはこの動作モード選択画面19aから、第1〜第5の動作モードを設定動作モードとして選択することになる。なお、図示の例では、第1〜第5の動作モードがそれぞれ第1〜第5のモード191〜195として表されている。第1〜第5の動作モードは、ポリゴンミラーの回転数(回転速度)と画像形成時に使用する発光点の数とがそれぞれ異なる組み合わせで予め設定されている動作モードである。ユーザは、画像形成装置が置かれた環境において最もポリゴンミラーの回転によって生じる騒音がより小さくなるモードを選択することができる。
図示の例では、ユーザが動作モード選択画面19a上で、第1〜第5のモード191〜195のいずれかをタッチすると、当該タッチされたモードに対応するポリゴンミラーの回転数が回転数設定部211に設定される。
図6は、図3に示す回転数設定部211で設定される動作モードの一例を説明するための図である。ここで、図6(a)は第1の動作モードを説明するための図であり、図6(b)は第2の動作モードを説明するための図である。また、図6(c)は第3の動作モードを説明するための図であり、図6(d)は第4の動作モードを説明するための図である。そして、図6(e)は第5の動作モードを説明するための図である。
図3及び図6を参照して、いま、回転数設定部211によって、第1の動作モードが設定動作モードとして選択・設定されると(図6(a))、CPU209は、レーザ光源201に備えられた32個の発光点201aの全てを点灯制御する。そして、CPU209は、ポリゴンミラーモータ204を、第1の回転数(例えば、20000rpm)で回転駆動する。
第2の動作モードが設定動作モードとして選択・設定されると(図6(b))、CPU209は、レーザ光源201に備えられた32個の発光点201aのうち、第1の所定の個数(例えば、30個)の発光点201aを点灯制御する。そして、CPU209は、ポリゴンミラーモータ204を、第2の回転数(例えば、21333rpm(=20000rpm×32/30))で回転駆動する。
第3の動作モードが設定動作モードとして選択されると(図6(c))、CPU209は、レーザ光源201に備えられた32個の発光点のうち、第2の所定の個数(例えば、28個)の発光点201aを点灯制御する。そして、CPU209は、ポリゴンミラーモータ204を、第3の回転数(例えば、22857rpm(=20000rpm×32/28))で回転駆動する。
第4の動作モードが設定動作モードとして選択されると(図6(d))、CPU209は、レーザ光源201に備えられた32個の発光点201aのうち第3の所定の個数(例えば、26個)の発光点201aを点灯制御する。そして、CPU209は、ポリゴンミラーモータ204を、第4の回転数(例えば、26374rpm(=20000rpm×32/26))で回転駆動する。
第5の動作モードが設定動作モードとして選択されると(図6(e))、CPU209は、レーザ光源201に備えられた32個の発光点201aのうち第4の所定の個数(例えば、24個)の発光点201aを点灯制御する。そして、CPU209は、ポリゴンミラーモータ204を、第5の回転数(例えば、32967rpm(=20000rpm×32/24))で回転駆動する。
上述のように、第1の動作モードを基準として、第2〜第5の動作モードでは、発光点201aうちの点灯すべき発光点201aの点灯数及びポリゴンミラーモータ204の回転数が規定されることになる。例えば、第1の動作モードにおける点灯数をL(Lは正の整数)、回転数をM(Nは正の整数)とする。この際、第2の動作モードの点灯数をN(Nは正の整数で、N<L)とした場合、第2の動作モードにおける回転数=M×L/Nとなる。
同様に、第3の動作モード、第4の動作モード、及び第5の動作モードにおける点灯数をそれぞれQ、R、及びSとする。ここでは、Q、R、及びSは正の整数で、かつL>N>Q>R>Sの関係がある。そして、第3の動作モードにおける回転数=M×L/Qとなる。また、第4のモードにおける回転数=M×L/Rとなり、第5の動作モードにおける回転数=M×L/Sとなる。
つまり、第1の動作モードを基準動作モードとして、第1の動作モードにおける点灯数を基準点灯数とし、第1の動作モードにおける回転数を基準回転数とする。この際、動作モードの残り、即ち、第2〜第5の動作モードにおける回転数は、基準回転数と基準点灯数とに応じて決定されることになる。そして、第1〜第5の動作モードの間において、発光点の点灯数とポリゴンミラーの回転数とは点灯数が減少すると回転数は増加する関係にある。
このように、第1〜第5の動作モードにおける点灯数と回転数とを規定すると、第1の動作モードを設定動作モードとした場合と同様の生産性(単位時間当りにプリント紙が出力される枚数)と解像度とを維持しつつ、画像形成ができることが確認できた。
図7は、図3に示すCPU209の設定動作モードに応じた動作を説明するためのフローチャートである。
図3及び図7を参照して、いま、画像形成が開始されると、CPU209は、回転数設定部211に設定されている設定動作モードを取得する(ステップS601)。ここでは、回転設定部211に、第1の動作モードが設定動作モードとして設定されていたとする。
続いて、CPU209は、設定動作モードに応じて、レーザ光源201及びポリゴンミラーモータ204を制御する(ステップS602)。
ここでは、設定動作モードは第1の動作モードであるので、CPU209は、レーザ光源201に備えられた32個の発光点201aの全てを点灯制御する。そして、CPU209は、ポリゴンミラーモータ204を20000rpmの回転数で駆動する。なお、この際、CPU209は、別に与えられる画像データに応じてレーザ光源201を駆動制御することになる。
続いて、CPU209は、全ての画像データについて画像形成を行ったか否かを判定する。つまり、CPU209は画像形成が終了したか否かについて判定する(ステップS603)。画像形成が終了していなければ(ステップS603において、NO)、CPU209はステップS602に戻って、設定動作モード(この場合は、第1の動作モード)に応じて、レーザ光源201及びポリゴンミラーモータ204を制御する。
一方、画像形成が終了したと判断すると(ステップS603において、YES)、CPU209は画像形成を終了する。
続いて、図1に示す画像形成装置の設置環境において、ポリゴンミラーモータ204から発する音が騒音と認識される場合について説明する。
ユーザのオフィス等に画像形成装置を設置した際、画像形成装置と壁との距離、又は壁や床の材質によっては、ポリゴンミラーモータ204から発せられる音、特に、特定の周波数の音が反響又は共鳴して、その音量が増加して騒音と認識される場合がある。
以下の説明では、画像形成装置の設置環境において、前述の第1の動作モードで光走査装置10が駆動されている場合に、ポリゴンミラーモータ204が発する約333kHz(=20000rpm/60)の周波数の音が騒音と認識されたとする。
図8は、図3に示すポリゴンミラーモータ204が第1の動作モードで駆動された際に生じる周波数と音量との関係を示す図である。
ここでは、ユーザが騒音として認識する音量を「騒音閾値」(以下、単に閾値と呼ぶ)として定義する。図8に示す例では、ポリゴンミラーモータ204から発する約333kHzの周波数の音量は閾値を超えている。
第1の動作モード際に、ポリゴンミラーモータ204から発する約333kHz騒音を低減するため、ユーザは、例えば、設定動作モードを第1の動作モードから第2の動作モードへ変更したとする。
第2の動作モードが設定動作モードとして設定された際、画像形成が開始されると、図7に関連して説明したステップS602では、CPU209は、32個の発光点201aのうち30個の発光点201aを点灯制御する。そして、CPU209は、ポリゴンミラーモータ204を、21333rpmの回転数で駆動する。この場合、ポリゴンミラーモータ204から発する音の周波数は355Hz(=21333rpm/60)である。
図9は、図3に示すポリゴンミラーモータ204が第2の動作モードで駆動された際に生じる周波数と音量との関係を示す図である。
図9に示すように、第1の動作モードでは、周波数333kHzの音が閾値を超えて騒音として認識されたが(一点鎖線で示す)、第2の動作モードでは、周波数355kHzの音がポリゴンミラーモータ204から発生している(実線で示す)。
この場合、周波数333kHzの音は壁等に反響又は共鳴するものの、周波数を変えると、つまり、周波数355kHzの音は壁等に反響或いは共鳴する度合いが少なくなることがある。つまり、周波数355kHzの音の音量は閾値未満となって、騒音と認識されることが少なくなる。
このように、画像形成装置の設置環境において、特定の周波数の音が壁等と干渉して、騒音と認識された際、ユーザが設定動作モードを変更して、特定の周波数の音がポリゴンミラーモータ204から発しないようにする。これによって、特定周波数の音の発生を抑制して、ユーザが騒音と認識する音の発生を防止することができる。
上述の例では、回転数設定部211によって、第1〜第5の動作モードの1つが設定動作モードとして選択される例について説明したが、ポリゴンミラーモータ204の回転可能範囲内であれば、5つに動作モードに限られない。
例えば、ポリゴンミラーモータ204の回転可能範囲を10000rpm〜50000rpmとすると、選択可能な設定動作モードは、上述の第1〜5の動作モードの他に5つ存在する。
図10は、図3に示す回転数設定部211で選択可能な設定動作モードを示す図である。発光点201aの数Pが合計32個(32beam)である場合に、図10に示すように、No.1〜No.5はそれぞれ第1〜第5の動作モードに対応する。これら第1〜第5の動作モードの他に、No.6〜No.10で示す動作モードが存在する。これらNo.6〜No.10で示す動作モードにおいても、生産性と解像度とを低下させることなく、画像形成を行うことができる。
つまり、ポリゴンミラーモータ204の回転可能範囲を10000rpm〜50000rpmにおいて、点灯数P×回転数Vがほぼ所定の値となるように、動作モードを規定することができる。そして、このように規定された動作モードにおいては、画像形成装置の生産性と解像度が低下することがないことが確認できた。
ここで、上述の露光制御装置を、カラー画像を形成する画像形成装置(例えば、カラー複写機)に適用した場合について説明する。カラー画像形成装置においては、各色毎に光走査装置10が備えられることになる。
図11は、図3に示す光走査装置10を複数有するカラー画像形成装置の一例を破断して示す図である。
図11において、図1に示す画像形成装置と同一の構成要素については、同一の参照番号を付し説明を省略する。図示のカラー画像形成装置は、イエロー(Y)トナー、マゼンタ(M)トナー、シアン(C)トナー、及びブラックトナー(K)に対応して、4つの感光体ドラム11y、11m、11c、及び11kを有している。そして、感光体ドラム11y、11m、11c、及び11kに対応して4つの光走査装置10y、10m、10c、及び10kが備えられている(つまり、光走査装置は複数備えられている)。
また、感光体ドラム11y、11m、11c、及び11kに対応して4つの現像器13y、13m、13c、及び13kが備えられている。
なお、感光体ドラム11y、11m、11c、及び11kの周囲には帯電器及び一次転写器等の他の構成要素が配置されているが、図11においては省略されている。
感光体ドラム11y、11m、11c、及び11kに対面して、中間転写ベルト20が配置されている。そして、二次転写器16と中間転写ベルト20とによって二次転写位置が規定され、後述するように、中間転写ベルト20上のカラートナー像が二次転写位置で転写紙に転写される。
図12は、図11に示すカラー画像形成装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図11及び図12を参照して、原稿給紙装置1に原稿又は原稿束を載置すると、原稿束から原稿が1枚ずつ順次原稿台ガラス面2上に搬送される(ステップS11)。原稿が原稿台ガラス面2上に搬送されると、スキャナーユニット4のランプ3が点灯して、スキャナーユニット4が移動しつつ原稿に光を照射する(ステップS12)。
原稿からの反射光はミラー5、6、及び7を介してレンズ8で集光されて、イメージセンサー部9で結像する。イメージセンサー部9は入射した光に応じた電気信号を出力する。そして、この電気信号は画像データに変換される。この画像データは一旦画像メモリ(図示せず)に記録される(ステップS13)。その後、画像データは、露光制御装置に与えられる(ステップS14)。
図11で示すカラー画像形成装置においては、露光制御装置が各色に備えられた光走査装置10y、10m、10c、及び10kを有していることになる。この場合、図3においては、1つの光走査装置10のみが示されている。
CPU209は画像データに応じて光走査装置10y、10m、10c、及び10kを制御して、それぞれ感光体ドラム11y、11m、11c、及び11kを露光・走査する。この場合、光走査装置10y、10m、10c、及び10kの各々は、レーザ素子を発光させて、このレーザ光をポリゴンミラーで偏向して、露光・走査を行う(ステップS15)。これによって、感光体ドラム11y、11m、11c、及び11k上に静電潜像が形成される(ステップS16)。
その後、現像器13y、13m、13c、及び13kが、それぞれ感光体ドラム11y、11m、11c、及び11k上の静電潜像を現像して、Yトナー像、Mトナー像、Cトナー像、及びKトナー像とする(ステップS17)。これらYトナー像、Mトナー像、Cトナー像、及びKトナー像は一次転写位置において、順次中間転写ベルト20上に一次転写像として転写される(一次転写:ステップS18)。これによって、Yトナー像、Mトナー像、Cトナー像、及びKトナー像が順次重ね合わせられて、中間転写ベルト20上にカラートナー像が形成される。
中間転写ベルト20の回転に同期して、転写部材積載部14又は15から転写部材が搬送され、二次転写器16において、中間転写ベルト20上のカラートナー像が転写紙に二次転写像として転写される(二次転写)。
その後、転写紙は隊着部17に送られて、ここで、転写紙上の二次転写像が定着される(ステップS19)。そして、排紙部18によって転写紙は排紙トレイ(図示せず)に排紙される(ステップS20)。上述のプロセスが繰り返されて、複数枚の画像形成が行われることになる。
図11に示すカラー画像形成装置において、光走査装置10y、10m、10c、及び10kの各々は、前述のように、図3に示す構成を備えている。そして、ここでも、レーザ光源201は、32個の発光点201aを備えているものとする。
また、光走査装置10y、10m、10c、及び10kの各々は、1個のポリゴンミラーモータ204が備えられているので、カラー画像形成装置は、合計4個のポリゴンミラーモータ204を備えていることになる。
この結果、図11に示すカラー画像形成装置においては、画像形成の際、合計4つのポリゴンミラーモータ204が同時に駆動されることになる。4つのポリゴンミラーモータ204が同時に駆動されると、1つのポリゴンミラー204が駆動される場合に比べて、その合計音量は大きくなる。
図13は、図11に示すカラー画像形成装置において、回転数を同一とした際にポリゴンミラー204から発する音量と周波数との関係を示す図である。
図13に示すように、1つのポリゴンミラー204を駆動した際には、特定の周波数(ここでは、333kHz)の音が騒音と認識されない場合であっても、4つのポリゴンミラーモータ204を全て同一の特定周波数(ここでは、333kHz)で駆動すると、騒音と認識されることがある。つまり、4つのポリゴンミラー204から発する音の合計音量が閾値を超えて、騒音と認識されてしまう。
このため、図示のカラー画像形成装置では、複数の動作モードを備えて、これら動作モードから選択・設定された設定動作モードで光走査装置10y、10m、10c、及び10kが動作する。なお、以下の説明では、複数の動作モードとして、第1〜第3のカラー動作モードが規定され、第1〜第3のカラー動作モードから設定動作モードを選択・設定するものとする。
図14は、図11に示す表示部19に表示された動作モード選択画面19bを示す図である。カラー画像形成装置において、表示部19には動作モード選択画面19bが表示され、ユーザはこの動作モード選択画面19bから、第1〜第3のカラー動作モードを設定動作モードとして選択することになる。なお、図示の例では、第1〜第3のカラー動作モードがそれぞれ第1〜第3のカラーモード196〜198として表されている。
図示の例では、ユーザが動作モード選択画面19a上で、第1〜第3のカラーモード196〜198のいずれかをタッチすると、当該タッチされたモードが設定動作モードとして回転数設定部211に設定される。
図15は、図11に示すカラー画像形成装置において、第1のカラー動作モードを設定動作モードとした際の光走査装置10y、10m、10c、及び10kの動作の一例を説明するための図である。そして、図15(a)は、イエロートナーに係る光走査装置10yの動作を説明するための図、図15(b)は、マゼンタトナーに係る光走査装置10mの動作を説明するための図である。また、図15(c)は、シアントナーに係る光走査装置10cの動作を説明するための図、図15(d)は、ブラックトナーに係る光走査装置10kの動作を説明するための図である。
図3、図11、及び図15を参照して、いま、設定動作モードとして、第1のカラー動作モードが選択されたとする。光走査装置10y、10m、10c、及び10kにおいて、回転数設定部211には、第1のカラー動作モードが設定される。第1のカラー動作モードが設定されると、光走査装置10yでは、CPU209は32個の発光点201aを点灯制御する。そして、CPU209はポリゴンミラーモータ204を、20000rpmの回転数で駆動する。
同様に、第1のカラー動作モードが設定されると、光走査装置10m、10c、及び10kの各々では、CPU209は32個の発光点201aを点灯制御する。そして、CPU209はポリゴンミラーモータ204を、20000rpmの回転数で駆動する。
図16は、図11に示すカラー画像形成装置において、第2のカラー動作モードを設定動作モードとした際の光走査装置10y、10m、10c、及び10kの動作の一例を説明するための図である。そして、図16(a)は、イエロートナーに係る光走査装置10yの動作を説明するための図、図16(b)は、マゼンタトナーに係る光走査装置10mの動作を説明するための図である。また、図16(c)は、シアントナーに係る光走査装置10cの動作を説明するための図、図16(d)は、ブラックトナーに係る光走査装置10kの動作を説明するための図である。
図3、図11、及び図16を参照して、設定動作モードとして、第2のカラー動作モードが選択されたとする。光走査装置10y、10m、10c、及び10kにおいて、回転数設定部211には、第2のカラー動作モードを設定する。第2のカラー動作モードが設定されると、光走査装置10yでは、CPU209は32個の発光点201aの全てを点灯制御する。そして、CPU209はポリゴンミラーモータ204を、20000rpmの回転数で駆動する。
第2のカラー動作モードが設定されると、光走査装置10mでは、CPU209は32個の発光点201aのうち30個の発光点201aを点灯制御する。そして、CPU209はポリゴンミラーモータ204を、21334rpmの回転数で駆動する。
第2のカラー動作モードが設定されると、光走査装置10cでは、CPU209は32個の発光点201aのうち28個の発光点201aを点灯制御する。そして、CPU209はポリゴンミラーモータ204を、22858rpmの回転数で駆動する。
第2のカラー動作モードが設定されると、光走査装置10kでは、CPU209は32個の発光点201aのうち26個の発光点201aを点灯制御する。そして、CPU209はポリゴンミラーモータ204を、24616rpmの回転数で駆動する。
図17は、図11に示すカラー画像形成装置において、第3のカラー動作モードを設定動作モードとした際の光走査装置10y、10m、10c、及び10kの動作の一例を説明するための図である。そして、図17(a)は、イエロートナーに係る光走査装置10yの動作を説明するための図、図17(b)は、マゼンタトナーに係る光走査装置10mの動作を説明するための図である。また、図17(c)は、シアントナーに係る光走査装置10cの動作を説明するための図、図17(d)は、ブラックトナーに係る光走査装置10kの動作を説明するための図である。
図3、図11、及び図17を参照して、設定動作モードとして、第3のカラー動作モードが選択されたとする。光走査装置10y、10m、10c、及び10kにおいて、回転数設定部211には、第3のカラー動作モードが設定される。第3のカラー動作モードが設定されると、光走査装置10yでは、CPU209は32個の発光点201aのうち30個の発光点201aを点灯制御する。そして、CPU209はポリゴンミラーモータ204を、21334rpmの回転数で駆動する。
第3のカラー動作モードが設定されると、光走査装置10mでは、CPU209は32個の発光点201aのうち28個の発光点201bを点灯制御する。そして、CPU209はポリゴンミラーモータ204を、22858rpmの回転数で駆動する。
第3のカラー動作モードが設定されると、光走査装置10cでは、CPU209は32個の発光点201aのうち26個の発光点201aを点灯制御する。そして、CPU209はポリゴンミラーモータ204を、24616rpmの回転数で駆動する。
第3のカラー動作モードが設定されると、光走査装置10kでは、CPU209は32個の発光点201aのうち24個の発光点201aを点灯制御する。そして、CPU209はポリゴンミラーモータ204を、26667rpmの回転数で駆動する。
いま、第1のカラー動作モードにおいて画像形成が行われていたとすると、第1のカラー動作モードでは、光走査装置10y、10m、10c、及び10kにおいて、ポリゴンミラーモータ204は、20000rpmの回転数で駆動される。つまり、4つのポリゴンミラーモータ204からは周波数333kHzの音が発せられる。この結果、図13に関連して説明したように、合計の音量が閾値を超えて騒音と認識されることになる。
このような場合に、例えば、第1のカラー動作モードから第2のカラー動作モードに変更したとする。第2のカラー動作モードにおいては、光走査装置10yではポリゴンミラーモータ204の回転数は20000rpmである。また、光走査装置10mではポリゴンミラーモータ204の回転数は21334rpmである。そして、光走査装置10cではポリゴンミラーモータ204の回転数は22858rpmであり、光走査装置10kではポリゴンミラーモータ204の回転数は24616rpmである。
この結果、光走査装置10y、10m、10c、及び10kにおいて、ポリゴンミラーモータ204から発する音の周波数は互いに異なることになる。
図18は、図11に示すカラー画像形成装置において、複数のポリゴンミラーモータ204の回転数を互いに異ならせた際の音量と周波数との関係を示す図である。
図18に示すように、4つのポリゴンミラー204から発する音の周波数は、それぞれ333kHz、356kHz、381kHz、及び410kHzであり、互いに異なっている。周波数が全て同一である場合には、各ポリゴンミラーモータ204から発する音が合計されて、その合計音量は高くなる(図18に破線で示す)。
一方、周波数が互いに異なると、各ポリゴンミラーモータ204から発する音が合計されることがなく、音量のピークが低下する。そして、音量のピークが閾値未満となって、騒音とは認識されなくなる。
ところで、図11に示すカラー画像形成装置において、第2又は第3のカラー動作モードを設定動作モードとして画像形成を行ったとする。この場合、予め規定された期間で各ポリゴンミラーモータ204の総回転数を調べると、総回転数に差が生じる。
例えば、第2のカラー動作モードを設定動作モードとして、画像形成を10時間行ったとする。この場合、光走査装置10yにおいて、ポリゴンミラーモータ204の総回転数は1200万回転(20000rpm×60分×10時間)となる。同様に、光走査装置10mにおいて、ポリゴンミラーモータ204の総回転数は約1280万回転となる。また、光走査装置10cにおいて、ポリゴンミラーモータ204の総回転数は約1371万回転となり、光走査装置10kにおいて、ポリゴンミラーモータ204の総回転数は約1477万回転となる。
光走査装置10yと光走査装置10kを比べると、リゴンミラーモータ204の総回転数に約277万回転の差が生じることとなる。
ポリゴンミラーモータ204の寿命回転数を考慮すると、光走査装置10kに備えられたポリゴンミラーモータ204は、光走査装置10yに備えられたポリゴンミラーモータ204より早く寿命回転数に到達してしまうこととなる。この結果は、カラー画像形成装置全体の寿命に影響を及ぼす恐れがある。
図19は図11に示すカラー画像形成装置で用いられる光走査装置10y、10m、10c、及び10kの他の例を説明するための図である。
図19において、図3に示す露光制御装置と同様の構成要素については同一の参照番号を付し、説明を省略する。なお、図19では光走査装置に符号10が付されている。図示の露光制御装置は、カウンタ部(カウント手段)212を有しており、このカウンタ部212によって、後述するように、カラー画像形成装置における画像形成時間がカウントされる。そして、CPU209は、カウンタ部212のカウント時間に応じて、後述するように、ポリゴンミラーモータ204の回転数を変更する。
図20は、図19に示すCPU209の動作を説明するためのフローチャートである。
図11、図19、図20を参照して、いま、図11に示すカラー画像形成装置において、画像形成を行うとする。この際、ユーザが表示部19に表示された動作モード選択画面19b(図14参照)において、第2のカラーモード197を選択したとする。これによって、回転設定部211には、第2のカラー動作モードが設定されることになる。
画像形成が開始されると、CPU209は、回転設定部211に設定されている動作モードを取得する(ステップS601)。つまり、CPU209は、回転設定部211から第2のカラー動作モードを取得する。
光走査装置10y、10m、10c、及び10kの各々について、CPU209は第2のカラー動作モードに応じてレーザ光源201及びポリゴンミラーモータ204を制御する(ステップS602)。
つまり、光走査装置10yにおいては、32個の発光点201aの全てが点灯制御され、ポリゴンミラーモータ204が20000rpmの回転数で駆動される。光走査装置10mにおいては、32個の発光点201aのうち30個の発光点201aが点灯制御され、ポリゴンミラーモータ204が21334rpmの回転数で駆動される。
光走査装置10cにおいては、32個の発光点201aのうち28個の発光点201aが点灯制御され、ポリゴンミラーモータ204が22858rpmの回転数で駆動される。光走査装置10kにおいては、32個の発光点201aのうち26個の発光点201aが点灯制御され、ポリゴンミラーモータ204が24616rpmの回転数で駆動される。
CPU209は、画像データの全てについて画像形成が終了したか否かを判定する(ステップS603)。画像形成が終了していないと(ステップS603において、NO)、CPU209はステップS602に戻って、第2のカラー動作モードに応じて、前述のように、光走査装置10y、10m、10c、及び10kを制御する。
一方、画像形成が終了すると(ステップS603において、NO)、CPU209はカウンタ部212から画像形成に要した時間(画像形成時間)を読み出す(ステップS604)。そして、CPU209は、画像形成を行う毎に画像形成時間を加算して合計画像形成時間を求める。なお、ここでは、第1〜第3のカラー動作モード毎に、CPU209は画像形成時間を加算して、合計画像形成時間を求めて、内蔵するメモリ(図示せず)に記録する。
図示の例では、第2のカラー動作モードで画像形成が行われているのであるから、CPU209は第2のカラー動作モードに関して合計画像形成時間を求めていることになる。
続いて、CPU209は、合計画像形成時間が、T時間(Tは正の整数)以上であるか否かについて判定する(ステップS605)。なお、ここでは、T=100とする。
合計画像形成時間が、T=100時間以上であると(ステップS605において、YES)、各CPU209は、発光点201aの点灯数及びポリゴンミラーモータ204の設定回転数を変更する(ステップS606)。
図示の例においては、光走査装置10y、10m、10c、及び10kの間において、発光点201aの点灯数及びポリゴンミラーモータ204の駆動回転数がローテーションされる。
図21は、図20で説明した発光点201aの点灯数及びポリゴンミラーモータ204の駆動回転数の変更の一例を説明するための図である。そして、図21(a)は変更前の発光点201aの点灯数及びポリゴンミラーモータ204の駆動回転数を示す図、図21(b)は変更後の発光点201aの点灯数及びポリゴンミラーモータ204の駆動回転数を示す図である。
図21を参照すると、光走査装置10y、10m、10c、及び10kにおいて、CPU209は、図21(a)に示す変更前の点灯数P及び駆動回転数Vを、図21(b)に示す変更後の点灯数P及び駆動回転数Vに変更する。ここでは、光走査装置10yにおいては、点灯数P及び駆動回転数Vが光走査装置10kの点灯数P及び駆動回転数Vに変更される。また、光走査装置10mにおいては、点灯数P及び駆動回転数Vが光走査装置10cの点灯数P及び駆動回転数Vに変更される。
同様に、光走査装置10cにおいては、点灯数P及び駆動回転数Vが光走査装置10mの点灯数P及び駆動回転数Vに変更される。また、光走査装置10kにおいては、点灯数P及び駆動回転数Vが光走査装置10yの点灯数P及び駆動回転数Vに変更される。
このように、4つの光走査装置10y、10m、10c、及び10kを備えている場合には、最高の点灯数P及び駆動回転数Vと最低の点灯数P及び駆動回転数Vとが入れ替えられることになる。そして、残りの点灯数P及び駆動回転数V同士が入れ替えられることになる。
このようにして、点灯数P及び駆動回転数Vを変更した後、CPU201は画像形成を終了する。なお、N=100時間未満であると(ステップS605において、NO)、CPU209は発光点201aの点灯数及びポリゴンミラーモータ204の駆動回転数を変更することなく、画像形成を終了する。
以上のように、カウンタ部211によってカラー動作モード毎に画像形成時間をカウントして、そのカウント結果に応じて光走査装置10y、10m、10c、及び10kの点灯数及び駆動回転数を変更するようにしている。その結果、各ポリゴンミラーモータ204が寿命回転数に到達するまでの時間を略等しくすることが可能となる。これによって、画像形成装置全体の寿命に影響を及ぼすことなく、しかも騒音の低減が可能となる。
なお、画像形成時間と画像形成枚数とは略比例関係となるため、カウンタ部211によって画像形成枚数をカウントするようにしてもよい。そして、合計枚数が所定の枚数に達すると、発光点201aの点灯数及びポリゴンミラーモータ204駆動回転数を変更することにしてもよい。
このように、画像形成枚数をカウントするカウンタ部211を用いるようすれば、このようなカウンタ部は、一般に画像形成装置に備えられているから、既存のカウンタ部を使用することができ、新たにカウンタ部211を設ける必要はない。
さらに、カウンタ部211は、ポリゴンミラーモータ204の回転回数をカウントするようにしてもよい。このようなカウンタ部211を用いれば、画像形成(プリント)以外の動作(例えば、画像濃度調整及び画像位置調整)によるポリゴンミラーモータ204の駆動を考慮することができる。その結果、各ポリゴンミラーモータ204が寿命回転数に到達するまでの時間を正確に把握することが可能となる。
また、上述の例では、各ポリゴンミラーモータ204の回転数の変更を、画像形成が行われた際に行うようにしたが、画像形成装置の電源が投入された際に行うようにしてもよい。
加えて、各ポリゴンミラーモータ204の回転数の変更を、画像形成装置の調整モード(画像濃度調整又は画像位置調整を行うモード)の際に行うようにしてもよい。そして、各ポリゴンミラーモータ204の回転数の変更を、画像形成装置がスリープ状態から復帰した際に行うようにしてもよい。
図22は、図11に示すカラー画像形成装置で用いられる光走査装置の他の例を説明するための図である。
図22において、図19に示す露光制御装置と同一の構成要素については同一の参照番号を付し、説明を省略する。図示の露光制御装置は、新たに音量測定部(音量測定手段)213を有している。この音量測定部213は、図11に示すカラー画像形成装置から発せられる音の音量(音量レベル)を測定する。そして、この測定音量はCPU201に与えられる。
CPU201は、測定音量に応じて、光走査装置10y、10m、10c、及び10kについてその発光点201aの点灯数及びポリゴンミラーモータ204の駆動回転数を変更する。例えば、CPU201は、音量測定部213で測定された音量が最も小さくなるように、光走査装置10y、10m、10c、及び10kについてその発光点201aの点灯数及びポリゴンミラーモータ204の駆動回転数を変更する。
ここでは、CPU201には予め規定された音量レベル閾値が設定されている。CPU201は、音量測定部213で測定された音量レベルが音量レベル閾値未満となるとように設定動作モードで設定された点灯数及び回転数を光走査装置毎に変更することになる。
このように、測定音量に応じて、光走査装置10y、10m、10c、及び10kについて、発光点201aの点灯数及びポリゴンミラーモータ204の駆動回転数を変更するようにすれば、ユーザの操作に関係なく騒音の低減を行うことができる。
以上のように、本発明の実施の形態によれば、ポリゴンミラーモータの回転数に起因する騒音を低減するとともに、解像度及び生産性に影響を及ぼすことを低減することができる。
以上、本発明について実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
例えば、上記の実施の形態の機能を露光制御方法として、この露光制御方法を、CPU209を構成するコンピュータに実行させるようにしてもよい。
さらに、上述の実施の形態の機能を有するプログラムを露光制御プログラムとして、この露光制御プログラムを、CPU209を構成するコンピュータに実行させるようにしてもよい。
また、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種のコンピュータに読み取り可能な記録媒体を介してシステム或いは装置に供給する。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理ようにしてもよい。