JP2012048006A - フィルムミラーの製造方法及び太陽光反射用ミラー - Google Patents

フィルムミラーの製造方法及び太陽光反射用ミラー Download PDF

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Abstract

【課題】平滑で正反射率が高い反射層薄膜の、製造コストを抑え大面積化・大量生産することのできる太陽光反射ミラーの製造方法、及びそれを用いた、耐久性に優れ軽量な太陽光反射ミラーを提供する。
【解決手段】仮支持体上に湿式プロセスにて形成した反射層薄膜を基材へ貼合せた後、該仮支持体を該反射層薄膜から除去することによって、該基材上に反射層を形成することを特徴とするフィルムミラーの製造方法及び太陽光反射用ミラー。
【選択図】なし

Description

本発明は、フィルムミラーの製造方法及び太陽光反射用ミラーに関し、更に詳しくは、平滑な反射面を有する金属薄膜を用いたフィルムミラーを高い生産性で提供するフィルムミラーの製造方法及び該フィルムミラーを用いた太陽光反射用ミラーに関する。
近年、石油、天然ガス等の化石燃料エネルギーに代わる代替エネルギーとして、石炭エネルギー、バイオマスエネルギー、核エネルギー、並びに風力エネルギー及び太陽エネルギー等の自然エネルギーが検討されているが、化石燃料の代替エネルギーとして最も安定しており、かつ量の多い自然エネルギーは太陽エネルギーであると考えられる。
しかしながら、太陽エネルギーは非常に有力な代替エネルギーであるものの、これを活用する観点からは、(1)太陽エネルギーのエネルギー密度が低いこと、並びに(2)太陽エネルギーの貯蔵及び移送が困難であることが問題となると考えられる。
これに対して、太陽エネルギーのエネルギー密度が低いという問題は、巨大な反射装置で太陽エネルギーを集めることによって解決することが提案されている。集光型太陽熱発電(CSP;Concentrated Solar Power)と呼ばれる技術では、反射装置によって集めた太陽エネルギーによって加熱した熱媒体を用いて、蒸気を発生させてタービン、あるいはスターリング・エンジンと呼ばれる外燃機関などを作動させることで太陽エネルギーを電気エネルギーへと変換している(例えば、非特許文献1、2参照)ほか、集めた太陽光によって効率よく太陽光発電を行う技術も実績を重ねている(例えば、非特許文献3参照)。
反射装置は、太陽光による紫外線や熱、風雨、砂嵐などに晒されるため、従来、板状のガラス製ミラーが用いられてきた。板状のガラス製ミラーは紫外線や温度、湿度に対する耐久性が高い反面、輸送時や設置後の外圧による破損や、大きな質量を支える架台に高い強度が要求される結果、資材の量が増したり構造が複雑化したりして、プラントの建設費がかさむといった問題があった。
一方、液晶ディスプレイのバックライトユニットの反射シートとして実用化されている(例えば、特許文献1参照)。樹脂製反射シートを太陽光反射ミラーに適用すれば、板状ガラス製ミラーの欠点である外圧による破損や質量の大きさといった課題が解消できるものの、一般に反射層薄膜を形成するにはスパッタ法などの真空製膜法が用いられており生産性が高いとはいえず、また、できあがった樹脂製ミラーも屋外、特に太陽光の照射に長年さらされ続けると、徐々に反射率が低下するなどの課題が生じることが知られていた。後者の問題に対しては、紫外線に対する耐性を高めた樹脂製ミラーが提案されている(例えば、特許文献2参照)が、大型真空成膜装置を用いる必要があることに起因する前者の生産性の問題については、さらに経済的な方法として湿式成膜法への代替が検討されてきた。例えば無電解めっき法による製造(例えば、特許文献3参照)、金属超微粒子を塗工した後に焼結処理を行う製造方法(例えば、特許文献4、5)、金属コロイド粒子を塗工した後に融着処理を行う製造方法である(例えば、特許文献6参照)。また、銀塩を含む感光材料を露光し、現像処理によって形成した金属銀に物理現像またはめっき処理を施すことで導電性金属を担持させる技術(例えば、特許文献7参照)を応用し、全面露光によって支持体基板の全面に金属薄膜を形成することも可能である。さらに、最近では有機銀錯体を塗工した後に処理を施して有機物を脱離・除去することにより金属銀薄膜を形成させる方法も提案されている(例えば、特許文献8参照)。
しかしながら、これらの方法によって形成される金属薄膜は、反射装置の反射面としては充分に平滑でないことがある。期待される平滑性は用途によっても異なるが、ことに太陽光反射用部材として用いる場合、平滑性の不足は充分な正反射を得られないことにつながり、反射装置の性能を不充分なものとする。
本発明はこのような事情に鑑み、平滑な反射面を有する金属薄膜を高い生産性にて作製する製膜方法を提供することにより、生産性の高い太陽光反射鏡の製造方法と、それによって得られる高い正反射率を有する太陽光発電用樹脂製反射鏡を提供するものである。
特開2005−280131号公報 特表2009−520174号公報 特開平05−95127号公報 特開平09−246577号公報 特開2008−288568号公報 特開2000−239853号公報 特開2006−12935号公報 特表2009−535661号公報
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E9%99%BD%E7%86%B1%E7%99%BA%E9%9B%BB http://www.stirlingenergy.com/technology.htm http://www.daidometal.com/technology/solar.html
本発明の目的は、平滑で正反射率が高い反射層薄膜の、製造コストを抑え大面積化・大量生産することのできるフィルムミラーの製造方法、及びそれを用いた、耐久性に優れ軽量な太陽光反射ミラーを提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.仮支持体上に湿式プロセスにて形成した反射層薄膜を基材へ貼合せた後、該仮支持体を該反射層薄膜から除去することによって、該基材上に反射層を形成することを特徴とするフィルムミラーの製造方法。
2.前記仮支持体の除去が剥離によって行われることを特徴とする前記1記載のフィルムミラーの製造方法。
3.前記反射層の上に保護層が設置されていることを特徴とする前記1又は2記載のフィルムミラーの製造方法。
4.前記反射層薄膜が、前記仮支持体上に1つ以上の層を介して形成されていることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項記載のフィルムミラーの製造方法。
5.前記仮支持体上に形成されている1つ以上の層の少なくとも1層がガスバリア層であることを特徴とする前記4記載のフィルムミラーの製造方法。
6.前記反射層の最上層が、汚れの付着を防止する層であることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項記載のフィルムミラーの製造方法。
7.前記反射層薄膜が、銀薄膜であることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項記載のフィルムミラーの製造方法。
8.前記1〜7のいずれか1項記載のフィルムミラーの製造方法により製造されたことを特徴とする太陽光反射用ミラー。
9.前記太陽光反射用ミラーの基材が中空構造であることを特徴とする前記8記載の太陽光反射用ミラー。
本発明によれば、めっきやナノ粒子焼結などの湿式製膜が表面平滑性の問題から反射鏡としての利用に課題をもつのに対して、仮支持体の表面を利用することで平滑な反射面が得られ、耐久性に優れ軽量な太陽光反射ミラーを提供することができる。
以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔フィルムミラーの構成〕
本発明のフィルムミラーは、仮支持体上に湿式プロセスにて形成した反射層薄膜を基材へ貼合せた後、該仮支持体を該反射層薄膜から除去することによって、該基材上に反射層を形成することを特徴とする。
また構成層として、金属の腐食防止層、ガスバリア層や紫外性吸収剤含有層等の特別な機能層を設けることも好ましい態様である。
(仮支持体)
本発明の仮支持体は、表面が平滑な支持体なら何れも用いることができるが、仮支持体の除去は剥離除去が好ましいので、ガラス支持体や金属支持体より樹脂支持体の方が好ましい。本発明に係る樹脂支持体としては、従来公知の種々の樹脂フィルムを用いることができる。例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルム等を挙げることができる。中でも、ポリカーボネート系フィルム、ポリエステル系フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、及びセルロースエステル系フィルムが好ましい。
特にポリエステル系フィルム、セルロースエステル系フィルムを用いることが好ましく、溶融流延製膜で製造されたフィルムであっても、溶液流延製膜で製造されたフィルムであってもよい。
樹脂支持体の厚さは、樹脂の種類及び目的等に応じて適切な厚さにすることが好ましい。例えば、一般的には10〜300μmの範囲内である。好ましくは20〜200μm、さらに好ましくは30〜100μmである。
尚、本発明の仮支持体はそれ自体が剥離性を有するものもあるが、反射層薄膜側に剥離層を設けることも好ましい。
(剥離層)
本発明に係る剥離層は、仮支持体の材質、及び該剥離層の表面に形成される反射層薄膜あるいは別の機能性層の材質に応じて、慣用されている樹脂から適宜に選択することができる。例えばアクリル系樹脂、ゴム系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリウレタン系樹脂及びポリエステル系樹脂などを用いることができる。剥離層の厚さとしては0.1〜10μmが好ましい。
(反射層)
本発明の反射層は、太陽光を反射する機能を有する金属等からなる層である。反射層の表面反射率は好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。反射層は、アルミニウム、銀、クロム、銅、ニッケル、チタン、マグネシウム、ロジウム、白金及び金からなる元素群の中から選ばれるいずれかの元素を含む材料により形成されることが好ましい。
中でも、反射率、耐食性の観点からアルミニウムまたは銀を主成分としていることが好ましく、このような金属の薄膜を二層以上形成するようにしてもよい。本発明においては、特に銀を主成分とする薄膜とすることが好ましい。
また、反射層上にシリカ、チタニア等の金属酸化物からなる層をこの順に設けてさらに反射率を向上させてもよい。
本発明の反射層薄膜(例えば銀薄膜)は湿式成膜法により形成されることが好ましい。湿式成膜法とは、例えば前記した無電解めっき、金属微粒子を用いた方法、銀塩の感光・現像処理を用いる方法、有機銀錯体を用いる方法などである。
金属(例えば銀)反射層の厚さは、反射率等の観点から、10〜200nmが好ましく、より好ましくは30〜150nmである。
(保護層)
本発明のフィルムミラーは、金属薄膜である反射層の片側あるいは両側に、隣接あるいは別の機能性層を介して、金属薄膜あるいはフィルムミラーの劣化防止のための保護層を適宜設置することが好ましい。保護層の種類としては金属薄膜の腐食を防止する層や外気、とくに水蒸気の浸透を防ぎフィルムミラーの劣化を阻止するガスバリア層、フィルムミラー表面に汚れが付着するのを防止することで、該フィルムミラーの反射機能の劣化を防止する層などが挙げられるが、フィルムミラーの構成や含まれる機能性層または成分に応じて適宜選択もしくは追加することが可能である。
(汚れの付着を防止する層)
本発明のフィルムミラーに汚れが付着すると、反射率が低下するだけでなく、場合によっては汚れが吸収した熱が、フィルムミラーそのものの劣化原因ともなる。とくに本発明のフィルムミラーを太陽熱発電に供する場合、該フィルムミラーを含む発電設備は、年間を通じて日射量が多く、平坦で遮るもののない、広くひらけた土地に配置される。そのような土地の多くは砂漠地帯であるので、フィルムミラーはつねに砂塵による汚れにさらされる。このような事情に鑑み、フィルムミラー表面には汚れの付着を防止する層を設置することが好ましい。該汚れの付着を防止する層にはフッ素を含有する化合物の層や、光触媒(例えば、酸化チタン)を含有する層など、慣用されている各種の材料を用いることができるが、フィルムミラーとしての用途を考慮して可視光の波長範囲が実質的に透明で、かつ太陽熱発電用途を考慮して赤外線領域の吸収が少ないものが好ましい好ましくはフッ素を含有する化合物の層である。
(腐食防止剤)
本発明のフィルムミラーは金属薄膜を反射層として用いるので、腐食防止剤を用いることが好ましい。腐食防止剤には、大別して、金属(例えば銀)に対する吸着性基を有する腐食防止剤と酸化防止剤がある。
ここで、「腐食」とは、金属(例えば銀)がそれをとり囲む環境物質によって、化学的または電気化学的に浸食されるか若しくは材質的に劣化する現象をいう(JIS Z0103−2004参照)。
〈金属(例えば銀)に対する吸着性基を有する腐食防止剤〉
金属(例えば銀)に対する吸着性基を有する腐食防止剤としては、アミン類及びその誘導体、ピロール環を有する化合物、トリアゾール環を有する化合物、ピラゾール環を有する化合物、チアゾール環を有する化合物、イミダゾール環を有する化合物、インダゾール環を有する化合物、銅キレート化合物類、チオ尿素類、メルカプト基を有する化合物、ナフタレン系の少なくとも一種またはこれらの混合物から選ばれることが望ましい。
〈酸化防止剤〉
本発明のフィルムミラーに用いられる反射層の腐食防止剤としては、酸化防止剤を用いることもできる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、チオール系酸化防止剤及びホスファイト系酸化防止剤を使用することが好ましい。
(ガスバリア層)
本発明に係るガスバリア層は、湿度の変動、特に高湿度による基材及び当該基材で保護される各種機能素子等の劣化を防止するためのものであるが、特別の機能・用途を持たせたものであってもよく、上記特徴を維持する限りにおいて、種々の態様のガスバリア層を設けることができる。本発明においては、前記反射層よりも光源側にガスバリア層を設けることが好ましい。
ガスバリア層の防湿性としては、40℃、90%RHにおける水蒸気透過度が、100g/m・day/μm以下、好ましくは50g/m・day/μm以下、さらに好ましくは20g/m・day/μm以下となるように当該ガスバリア層の防湿性を調整することが好ましい。また。酸素透過度としては、測定温度23℃、湿度90%RHの条件下で、0.6cm/m/day/atm(1atmは、1.01325×10Paである)以下であることが好ましい。
本発明に係るガスバリア層に関しては、その形成方法において特に制約は無いが、無機酸化物膜のセラミック前駆体を塗布した後に、塗布膜を加熱及び/または紫外線照射により、無機酸化物膜を形成する方法が好ましく用いられる。
〈セラミック前駆体〉
本発明に係るガスバリア層は、加熱により無機酸化物膜を形成するセラミック前駆体を塗布した後に、一般的な加熱方法が適用して形成することできるが、局所的加熱により形成することが好ましい。当該セラミック前駆体は、ゾル状の有機金属化合物またはポリシラザンが好ましい。
〈有機金属化合物〉
本発明に係る有機金属化合物は、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、リチウム(Li)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、亜鉛(Zn)、バリウム(Ba)、インジウム(In)、スズ(Sn)、ランタン(La)、イットリウム(Y)、及びニオブ(Nb)のうちの少なくとも一つの元素を含有することが好ましい。特に、当該有機金属化合物が、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、リチウム(Li)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、及びバリウム(Ba)のうちの少なくとも一つの元素を含有することが好ましい。さらに、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、及びリチウム(Li)のうちの少なくとも一つの元素を含有することが好ましい。
有機金属化合物としては、加水分解が可能なものであればよく、特に限定されるものではないが、好ましい有機金属化合物としては、金属アルコキシドが挙げられる。
前記金属アルコキシドは、下記一般式(I)で表される。
一般式(I):MR (ORn−m
前記一般式(I)において、Mは、酸化数nの金属を表す。R及びRは、各々独立に、アルキル基を表す。mは、0〜(n−1)の整数を表す。R及びRは、同一でもよく、異なっていてもよい。R及びRとしては、炭素原子4個以下のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基CH(以下、Meで表す。)、エチル基C(以下、Etで表す)、プロピル基C(以下、Prで表す。)、イソプロピル基i−C(以下、i−Prで表す。)、ブチル基C(以下、Buで表す)、イソブチル基i−C(以下、i−Buで表す)等の低級アルキル基がより好ましい。
前記一般式(I)で表される金属アルコキシドとしては、例えば、リチウムエトキシドLiOEt、ニオブエトキシドNb(OEt)、マグネシウムイソプロポキシドMg(OPr−i)、アルミニウムイソプロポキシドAl(OPr−i)、亜鉛プロポキシドZn(OPr)、テトラエトキシシランSi(OEt)、チタンイソプロポキシドTi(OPr−i)、バリウムエトキシドBa(OEt)、バリウムイソプロポキシドBa(OPr−i)、トリエトキシボランB(OEt)、ジルコニウムプロポキシドZn(OPr)、ランタンプロポキシドLa(OPr)、イットリウムプロポキシドY(OPr)、鉛イソプロポキシドPb(OPr−i)等が好適に挙げられる。これらの金属アルコキシドは何れも市販品があり、容易に入手することができる。また、金属アルコキシドは、部分的に加水分解して得られる低縮合物も市販されており、これを原料として使用することも可能である。
〈無機酸化物〉
本発明に係る無機酸化物は、上記有機金属化合物を原料とするゾルから局所的加熱により形成されたものであることを特徴とする。したがって、有機金属化合物に含有されているケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、亜鉛(Zn)、バリウム(Ba)、インジウム(In)、スズ(Sn)、ニオブ(Nb)等の元素の酸化物であることを特徴とする。
例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等である。これらのうち、好ましくは、酸化ケイ素である。
本発明において、有機金属化合物から無機酸化物を形成する方法としては、いわゆるゾル−ゲル法及びポリシラザンを塗布する方法を用いることが好ましい。
〈ゾル−ゲル法〉
ここで、「ゾル−ゲル法」とは、有機金属化合物を加水分解すること等により、水酸化物のゾルを得て、脱水処理してゲルとし、さらにこのゲルを加熱処理することで、ある一定の形状(フィルム状、粒子状、繊維状等)の金属酸化物ガラスを調製する方法をいう。異なる複数のゾル溶液を混合する方法、他の金属イオンを添加する方法等により、多成分系の金属酸化物ガラスを得ることも可能である。
具体的には、下記工程を有するゾル−ゲル法で、無機酸化物を製造することが好ましい。
すなわち、少なくとも水及び有機溶媒を含有する反応液中で、ホウ素イオン存在下にてハロゲンイオンを触媒として、pHを4.5〜5.0に調整しながら、有機金属化合物を加水分解及び脱水縮合して反応生成物を得る工程、及び該反応生成物を200℃以下の温度で加熱してガラス化する工程、を有するゾル−ゲル法により製造されてなることが、高温熱処理による微細孔の発生や膜の劣化等が発生しないという観点から、特に好ましい。
前記ゾル−ゲル法において、原料として用いられる有機金属化合物としては、加水分解が可能なものであればよく、特に限定されるものではないが、好ましい有機金属化合物としては、前記金属アルコキシドが挙げられる。
上記ゾル−ゲル法において、前記有機金属化合物は、そのまま反応に用いてもよいが、反応の制御を容易にするため溶媒で希釈して用いることが好ましい。希釈用溶媒は、前記有機金属化合物を溶解することができ、かつ水と均一に混合することができるものであればよい。そのような希釈用溶媒としては、脂肪族の低級アルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、及びそれらの混合物が好適に挙げられる。また、ブタノールとセロソルブとブチルセロソルブの混合溶媒、あるいはキシロールとセロソルブアセテートとメチルイソブチルケトンとシクロヘキサンの混合溶媒等を使用することもできる。
前記有機金属化合物において、金属がCa、Mg、Al等である場合には、反応液中の水と反応して水酸化物を生成したり、炭酸イオンCO 2−が存在すると炭酸塩を生成して沈殿を生ずるため、反応液に隠蔽剤としてトリエタノールアミンのアルコール溶液を添加することが好ましい。溶媒に混合溶解するときの前記有機金属化合物の濃度としては、70質量%以下が好ましく、5〜70質量%の範囲に希釈して使用することがより好ましい。
前記ゾル−ゲル法において用いられる反応液は、少なくとも水及び有機溶媒を含有する。前記有機溶媒としては、水及び酸、アルカリと均一な溶液をつくるものであればよく、通常、前記有機金属化合物の希釈に用いる脂肪族の低級アルコール類と同様のものが好適に挙げられる。前記脂肪族の低級アルコール類の中でも、メタノール、エタノールより、炭素数の多いプロパノール、イソプロパノール、ブタノール、及びイソブタノールが好ましい。これは、生成する金属酸化物ガラスの膜の成長が安定であるためである。前記反応液において、水の割合としては、水の濃度として0.2〜50mol/Lの範囲が好ましい。
前記ゾル−ゲル法においては、前記反応液中において、ホウ素イオンの存在下にて、ハロゲンイオンを触媒として、有機金属化合物を加水分解する。前記ホウ素イオンB3+を与える化合物としては、トリアルコキシボランB(OR)が好適に挙げられる。その中でも、トリエトキシボランB(OEt)がより好ましい。また、前記反応液中のB3+イオン濃度としては、1.0〜10.0mol/Lの範囲が好ましい。
前記ハロゲンイオンとしては、フッ素イオン及び/または塩素イオンが好適に挙げられる。即ち、フッ素イオン単独、塩素イオン単独でもよく、これらの混合物でもよい。用いる化合物としては、上記反応液中でフッ素イオン及び/または塩素イオンを生ずるものであればよく、例えば、フッ素イオン源として、フッ化水素アンモニウムNHHF・HF、フッ化ナトリウムNaF等が好適に挙げられ、塩素イオン源として、塩化アンモニウムNHCl等が好適に挙げられる。
前記反応液中の前記ハロゲンイオンの濃度としては、製造しようとする無機マトリックスを有する無機組成物からなるフィルムの膜厚や、その他の条件によって異なるが、一般的には、触媒を含む前記反応液の合計質量に対して、0.001〜2mol/kg、特に0.002〜0.3mol/kgの範囲が好ましい。ハロゲンイオンの濃度が0.001mol/kgより低いと、有機金属化合物の加水分解が十分に進行し難くなり、膜の形成が困難となる。またハロゲンイオンの濃度が2mol/kgを超えると、生成する無機マトリックス(金属酸化物ガラス)が不均一になり易いため、いずれも好ましくない。
なお、反応時に使用したホウ素に関しては、得られる無機マトリックスの設計組成中にB成分として含有させる場合は、その含有量に応じた有機ホウ素化合物の計算量を添加したまま生成物とすればよく、またホウ素を除去したいときは、成膜後、溶媒としてのメタノールの存在下、またはメタノールに浸漬して加熱すればホウ素はホウ素メチルエステルとして蒸発させて除去することができる。
前記有機金属化合物を、加水分解及び脱水縮合して反応生成物を得る工程においては、通常所定量の前記有機金属化合物を所定量の水及び有機溶媒を含有する混合溶媒に混合溶解した主剤溶液、ならびに所定量の前記ハロゲンイオンを含有する所定量の反応液を、所定の比で混合し十分に攪拌して均一な反応溶液とした後、酸またはアルカリで反応溶液のpHを希望の値に調整し、数時間熟成することにより進行させて反応生成物を得る。前記ホウ素化合物は、主剤溶液または反応液に予め所定量を混合溶解しておく。また、アルコキシボランを用いる場合は、他の有機金属化合物と共に主剤溶液に溶解するのが有利である。
前記反応溶液のpHは、目的によって選択され、無機マトリックス(金属酸化物ガラス)を有する無機組成物からなる膜(フィルム)の形成を目的とするときは、例えば、塩酸等の酸を用いてpHを4.5〜5の範囲に調整して熟成するのが好ましい。この場合は、例えば、指示薬としてメチルレッドとブロモクレゾールグリーンとを混合したもの等を用いると便利である。
なお、前記ゾル−ゲル法においては、同一成分の同一濃度の主剤溶液、及び反応液(B3+及びハロゲンイオンを含む。)を所定のpHに調整しながら、逐次同一割合で追加添加することにより簡単に継続して、反応生成物を製造することもできる。なお、前記反応溶液の濃度は±50質量%の範囲で、水(酸またはアルカリを含む。)の濃度は、±30質量%の範囲で、及びハロゲンイオンの濃度は±30質量%の範囲で変化させることができる。
次に、前工程で得られた反応生成物(熟成後の反応溶液)を、200℃以下の温度に加熱して乾燥しガラス化させる。加熱にあたって、特に50〜70℃の温度区間を注意して徐々に昇温して、予備乾燥(溶媒揮散)工程を経た後さらに昇温することが好ましい。この乾燥は、膜形成の場合、無孔化膜とするために重要である。予備乾燥工程後、加熱し乾燥する温度としては、70〜150℃が好ましく、80〜130℃がより好ましい。
〈ポリシラザンを塗布する方法〉
本発明に係るガスバリア層は、加熱により無機酸化物膜を形成するセラミック前駆体を塗布した後に、塗布膜の局所的加熱により形成された無機酸化物を含有することも好ましい。
セラミック前駆体が、ポリシラザンを含有する場合は、下記式(I)で表されるポリシラザン及び有機溶剤中に必要に応じて触媒を含む溶液で樹脂基材を被覆し、そして、この溶剤を蒸発させて除去し、それによって樹脂基材上に0.05〜3.0μmの層厚を有するポリシラザン層を残し、そして、水蒸気を含む雰囲気中で酸素、活性酸素、場合によっては、及び窒素の存在下に、上記のポリシラザン層を、局所的加熱することによって、当該樹脂基材上にガラス様の透明な被膜を形成する方法を採用することが好ましい。
式(I): −(SiR−NR
式中、R、R、及びRは、同一かまたは異なり、互いに独立して、水素あるいは置換されたアルキル基、アリール基、ビニル基または(トリアルコキシシリル)アルキル基、好ましくは水素、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、フェニル、ビニルまたは3−(トリエトキシシリル)プロピル、3−(トリメトキシシリルプロピル)からなる群から選択される基を表し、この際、nは整数であり、そしてnは、当該ポリシラザンが150〜150,000g/モルの数平均分子量を有するように定められる。
触媒としては、好ましくは、塩基性触媒、特にN,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、3−モルホリノプロピルアミンまたはN−複素環式化合物が使用される。触媒濃度は、ポリシラザンを基準にして通常0.1〜10モル%、好ましくは0.5〜7モル%の範囲である。
好ましい態様の一つでは、R、R及びRの全てが水素原子であるパーヒドロポリシラザンを含む溶液が使用される。
さらに別の好ましい態様の一つでは、本発明によるコーティングは、次式(III)の少なくとも一種のポリシラザンを含む。
式(III):−(SiR−NR−(SiR−NR
式中、R、R、R、R、R及びRは、互いに独立して、水素あるいは置換されたアルキル基、アリール基、ビニル基または(トリアルコキシシリル)アルキル基を表し、この際、n及びpは整数であり、そしてnは、当該ポリシラザンが150〜150,000g/モルの数平均分子量を有するように定められる。
特に好ましいものは、R、R及びRが水素を表し、そしてR、R及びRがメチルを表す化合物、R、R及びRが水素を表し、そしてR、Rがメチルを表し、そしてRがビニルを表す化合物、R、R、R及びRが水素を表し、そしてR及びRがメチルを表す化合物である。
また、次式(IV)の少なくとも一種のポリシラザンを含む溶液も同様に好ましい。
式(IV):−(SiR−NR−(SiR−NR−(SiR−NR
式中、R、R、R、R、R、R、R、R及びRは、互いに独立して、水素あるいは置換されたアルキル基、アリール基、ビニル基または(トリアルコキシシリル)アルキル基を表し、この際、n、p及びqは整数であり、そしてnは、当該ポリシラザンが150〜150,000g/モルの数平均分子量を有するように定められる。
特に好ましいものは、R、R及びRが水素を表し、そしてR、R、R及びRがメチルを表し、Rが(トリエトキシシリル)プロピルを表し、そしてRがアルキルまたは水素を表す化合物である。
溶剤中のポリシラザンの割合は、一般的には、ポリシラザン1〜80質量%、好ましくは5〜50質量%、特に好ましくは10〜40質量%である。
溶剤としては、特に、水及び反応性基(例えばヒドロキシル基またはアミン基)を含まずそしてポリシラザンに対して不活性の有機系で好ましくは非プロトン性の溶剤が好適である。これは、例えば、脂肪族または芳香族炭化水素、ハロゲン炭化水素、エステル、例えば酢酸エチルまたは酢酸ブチル、ケトン、例えばアセトンまたはメチルエチルケトン、エーテル、例えばテトラヒドロフランまたはジブチルエーテル、並びにモノ−及びポリアルキレングリコールジアルキルエーテル(ジグライム類)またはこれらの溶剤からなる混合物である。
上記ポリシラザン溶液の追加の成分は、塗料の製造に慣用されているもののようなさらに別のバインダーであることができる。これは、例えば、セルロースエーテル及びセルロースエステル、例えばエチルセルロース、ニトロセルロース、セルロースアセテートまたはセルロースアセトブチレート、天然樹脂、例えばゴムもしくはロジン樹脂、または合成樹脂、例えば重合樹脂もしくは縮合樹脂、例えばアミノプラスト、特に尿素樹脂及びメラミンホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステルもしくは変性ポリエステル、エポキシド、ポリイソシアネートもしくはブロック化ポリイソシアネート、またはポリシロキサンである。
ポリシラザン調合物のさらに別の成分は、例えば、調合物の粘度、下地の濡れ、成膜性、潤滑作用または排気性に影響を与える添加剤、あるいは無機ナノ粒子、例えばSiO、TiO、ZnO、ZrOまたはAlであることができる。
本発明の方法を用いることによって、亀裂及び孔が無いためにガスに対する高いバリア作用に優れる緻密なガラス様の層を製造することができる。
形成される被膜の厚さは、100nm〜2μmの範囲内にすることが好ましい。
(紫外線吸収剤)
本発明においては、太陽光や紫外線による劣化防止の目的で、紫外線吸収剤を添加することができる。紫外線吸収剤を樹脂に混合した紫外線吸収層を設置することもできるが、本発明のフィルムミラーの構成層のうちいずれか一層に、紫外線吸収剤を含有することが好ましい。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル系、トリアジン系等が挙げられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシ−ベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシ−ベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノン等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2′−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
サリチル酸フェニル系紫外線吸収剤としては、フェニルサルチレート、2−4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。ヒンダードアミン系紫外線吸収剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート等が挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、上記以外に紫外線の保有するエネルギーを、分子内で振動エネルギーに変換し、その振動エネルギーを、熱エネルギー等として放出する機能を有する化合物が含まれる。さらに、酸化防止剤あるいは着色剤等との併用で効果を発現するもの、あるいはクエンチャーと呼ばれる、光エネルギー変換剤的に作用する光安定剤等も併用することができる。
紫外線吸収剤の使用量は、0.1〜20質量%、好ましくは1〜15質量%、さらに好ましくは3〜10質量%である。20質量%よりも多いと密着性が悪くなり、0.1質量%より少ないと耐候性改良効果が小さい。
(基材との貼合)
本発明のフィルムミラーの製造の際、仮支持体上に形成した反射層薄膜は、基材に貼合されるが、その際、該反射層薄膜の表面もしくは該基材及び該基材に機能性層があらかじめ設置された積層体の最表面に接着層を設けることが好ましい。該基材としては、仮支持体として前記した樹脂材料と同様のものから選択可能であるほか、金属板を用いることもできるし、仮支持体を樹脂製の基材に貼合し、仮支持体を除去した後にさらに金属板に貼合することもできる。該金属板としては熱伝導率の高いものが好ましく、例えば鋼板、銅板、アルミニウム板、アルミニウムめっき鋼板、アルミニウム系合金めっき鋼板、銅めっき鋼板、錫めっき鋼板、クロムめっき鋼板、ステンレス鋼板等を挙げることができ、特にめっき鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム鋼板等、耐食性の高いものが好適である。
〈接着層〉
仮支持体上に形成した金属薄膜を含む積層体と、基材とを接着するための接着層としては、特に制限されず、例えばドライラミネート剤、ウエットラミネート剤、粘着剤、ヒートシール剤、ホットメルト剤等のいずれもが用いられる。
例えばポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ブタジエンゴム系粘着剤、ニトリルゴム等が用いられる。
ラミネート方法は特に制限されず、例えばロール式で連続的に行うのが経済性及び生産性の点から好ましい。
接着層の厚さは、接着効果、乾燥速度等の観点から、通常1〜50μm程度の範囲であることが好ましい。
貼合せは、10〜30kg/mで行い、密着後、仮支持体を剥離除去する。
また、貼合の際には、本発明のフィルムミラーと貼り合わせる前に凹部や凸部を設けてから貼り合せてもよく、貼り合せた後で凹部や凸部を有するように成形してもよく、貼り合わせと凹部や凸部を有するように成形することを同時にしてもよいものである。
(太陽光反射用ミラー)
本発明のフィルムミラーは、太陽光を集光する目的において、好ましく使用できる。フィルムミラー単体で太陽光集光ミラーとして用いることもできるが、より好ましくは、基材を挟んで反射層を有する側と反対側の基材面に塗設された粘着層を介して、他基材上に、特に金属基材上に、フィルムミラーを貼り付けて太陽光反射用ミラーとして用いることである。
太陽熱発電用反射装置として用いる場合、反射装置の形状を樋状(半円筒状)として、半円の中心部分に内部に流体を有する筒状部材を設け、筒状部材に太陽光を集光させることで内部の流体を加熱し、その熱エネルギーを変換して発電する形態が一形態として挙げられる。また、平板状の反射装置を複数個所に設置し、それぞれの反射装置で反射された太陽光を一枚の反射鏡(中央反射鏡)に集光させて、反射鏡により反射して得られた熱エネルギーを発電部で変換することで発電する形態も一形態として挙げられる。特に後者の形態においては、用いられる反射装置に高い正反射率が求められる為、本発明のフィルムミラーが特に好適に用いられる。
また、フィルムミラーの基材あるいはフィルムミラーをさらに貼り合わせる他基材が中空構造となっていることは、フィルムミラーの重さを軽減する観点から望ましい。太陽熱発電における太陽光反射用ミラーは、日中に太陽の位置が推移するのに応じてその角度を変えて太陽を追尾し、反射面に受ける光量を最大化することが望ましいが、その際にミラーの質量が大きいと追尾に要するエネルギーが大きくなり、追尾による太陽光反射効率の向上に基づく発電量の増加を相殺してしまうからである。また、重いミラーはそれを支える構造体をより頑丈なものとする必要があるため、構造の複雑化や資材量の増加、組み立て工期の長期化を招き、太陽熱発電施設の設置コストを増大させる点でも好ましくない。この分野において専ら用いられているガラスに比べて軽量なフィルムミラーの特性を活かすうえでも、基材または他基材は軽量化されることが望ましい。
以下実施例により本発明を説明するが本発明はこれにより限定されるものではない。
比較例1
100mモル濃度の硝酸銀水溶液10mlをビーカーに取り、アセトン90mlで希釈した後、高分子分散剤(商品名「ソルスパース28000」、ゼネカ社製)1gを溶解させた。高分子分散剤を完全に溶解させた後、ジメチルアミノエタノール5mlを加えて銀コロイド溶液を得た。
得られた銀コロイド溶液を減圧下に加熱し、アセトンを除去した。これにより銀コロイドが析出し、沈澱した。上澄みの水層をデカンテーションで除去し、さらにイオン交換水で沈澱物を洗浄した後、完全に乾燥させて銀の固体ゾルを得た。
調製した銀の固体ゾルに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加し、25質量%のコロイド溶液を調製した。得られたコロイド溶液を、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに厚さ10μmのシリコーン樹脂層を塗布により設置したものの上にスピンコーターで塗布し、オーブンにて160℃で10分間乾燥して溶媒を除去した後、オーブンにて250℃で1時間焼成した。これにより銀からなる金属薄膜を形成し、反射層薄膜1を作製した。
比較例2
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、厚さ10μmのシリコーン樹脂層を塗布により設置したものの上にスピンコーターで、特開2003−77350号公報記載の方法で硫化パラジウムゾルを含む物理現像核層を塗布した。この層の上に、塩化銀90%と臭化銀10%からなる平均粒径0.3μmのハロゲン化銀乳剤とゼラチンの混合物(ハロゲン化銀の硝酸銀換算銀量とゼラチンの質量比が1.5)を塗布して乾燥させた。
このフィルムを昼光色蛍光灯下にて1時間曝露し、その後、下記組成を有する25℃に調整したアルカリ液へ40秒間浸漬した後にこれを水洗し、反射層薄膜2を得た。
<アルカリ液>
水酸化ナトリウム 20g
ハイドロキノン 20g
1−フェニル−3−ピラゾリドン 2g
亜硫酸ナトリウム 30g
モノメチルエタノールアミン 10g
全量を水で1000mlに調整する。pH13に調整。
実施例1
昭和高分子製アクリル樹脂接着剤を厚さ10μmに塗布した、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートに、前記比較例1において作製した反射層薄膜1の金属薄膜面を、15kg/mの圧力をかけて接着した。この後、反射層薄膜1のポリエチレンテレフタレートフィルムをシリコーン樹脂ごと剥離して、反射層薄膜1におけるポリエチレンテレフタレート仮支持体に近い側の金属薄膜面を露出させた。
実施例2
昭和高分子製アクリル樹脂接着剤を厚さ10μmに塗布した、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートに、前記比較例2において作製した反射層薄膜2の金属薄膜面を、10kg/mの圧力をかけて接着した。この後、反射層薄膜2のポリエチレンテレフタレートフィルムをシリコーン樹脂ごと剥離して、反射層薄膜2におけるポリエチレンテレフタレート仮支持体に近い側の金属薄膜面を露出させた。
実施例3
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートに、厚さ10μmのシリコーン樹脂層を設置し、この上にUV硬化型のハードコート液であるオプスター(JSR社製)をアプリケータにより塗布して、波長350nmのUV光を30秒照射することにより、厚さ10μmのハードコート層を形成した。この上に、真空蒸着法によってアルミナ層10nmを設置し、さらに紫外線吸収剤を含有するアクリル樹脂フィルム(KORAD CLRAR05005,ポリマー・エクスクルーディドプロダクト社製)を積層して、厚さ50μmの紫外線吸収層とした。これを仮支持体として、前記比較例2に記載の方法により反射層薄膜を形成し、これを前記実施例2と同様に、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに貼合し、仮支持体をシリコーン樹脂ごと剥離した。これによって最表面よりハードコート、アルミナ層、紫外線吸収層、銀反射層、接着剤層、ポリエチレンテレフタレートフィルムの順に積層されたフィルムミラーが得られた。
(反射機能評価)
正反射率測定は島津製作所社製の分光光度計UV265に、積分球反射付属装置を取り付けたものに改造し、反射面の法線に対して、入射光の入射角を5°となるように調整して正反射率を測定した。評価は、350nmから700nmまでの平均反射率として測定した。
◎:正反射率の平均値が、85%以上である
○:正反射率の平均値が、80%以上85%未満である
△:正反射率の平均値が、75%以上、80%未満である
×:正反射率の平均値が、75%未満である
Figure 2012048006
比較例の正反射率が低くなっているのは、銀反射面が平滑性を欠いていることを示している。銀反射層薄膜を形成する面の平滑性を継承した、仮支持体に近い側の面を露出させて反射面とする本発明の方法は、平滑性に優れたフィルムミラーを、真空プロセスを排して高い生産性にて提供することができる。

Claims (9)

  1. 仮支持体上に湿式プロセスにて形成した反射層薄膜を基材へ貼合せた後、該仮支持体を該反射層薄膜から除去することによって、該基材上に反射層を形成することを特徴とするフィルムミラーの製造方法。
  2. 前記仮支持体の除去が剥離によって行われることを特徴とする請求項1記載のフィルムミラーの製造方法。
  3. 前記反射層の上に保護層が設置されていることを特徴とする請求項1又は2記載のフィルムミラーの製造方法。
  4. 前記反射層薄膜が、前記仮支持体上に1つ以上の層を介して形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のフィルムミラーの製造方法。
  5. 前記仮支持体上に形成されている1つ以上の層の少なくとも1層がガスバリア層であることを特徴とする請求項4記載のフィルムミラーの製造方法。
  6. 前記反射層の最上層が、汚れの付着を防止する層であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のフィルムミラーの製造方法。
  7. 前記反射層薄膜が、銀薄膜であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のフィルムミラーの製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項記載のフィルムミラーの製造方法により製造されたことを特徴とする太陽光反射用ミラー。
  9. 前記太陽光反射用ミラーの基材が中空構造であることを特徴とする請求項8記載の太陽光反射用ミラー。
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