JP2012047967A - 露光システム及びその制御方法 - Google Patents

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貴洋 西川
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Abstract

【課題】露光ラインが停止した際に、ガラス基板の熱変形の影響を排除して、精度よく露光転写することができる露光システム及びその制御方法を提供する。
【解決手段】露光システム10は、温度調整機構11、プリアライメント装置12、及び露光装置13を有して構成される露光ライン20と、第1ワークローダ14と、第2ワークローダ15と、露光ライン20の各部を制御する制御装置21と、を備える。制御装置21は、露光ライン20が停止したとき、第1及び第2ワークローダ14、15によって基板Wを温度調整機構11へ返送する。
【選択図】図1

Description

本発明は、露光システム及びその制御方法に関し、より詳細には、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の大型のフラットパネルディスプレイを露光転写する露光システム及びその制御方法に関する。
従来、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等は、ガラス基板の表面にフォトレジスト液を塗布し、マスクのパターンを露光転写して現像処理する所謂、フォトリソグラフィー技術によって製造されている。このような一連の各種処理は、それぞれの処理を行う複数の処理ユニットと、処理ユニット間でガラス基板の受け渡しを行う受渡し装置とにより行われている。このような露光システムにおいては、いずれかの処理ユニットに障害が発生すると、障害が取り除かれるまでの間、露光システムの製造ライン(以下、露光ラインとも称す)の作動を停止する。しかし、露光ラインの停止中にガラス基板の温度が変化する場合があり、熱膨張・収縮、一般的には熱膨張によってガラス基板の寸法が変動し、精度のよい露光が阻害される要因となる。
熱によるガラス基板の寸法変化を防止する装置としては、内部に冷却配管が設けられたコールドプレートに被冷却部品を近接配置して、この被冷却部品を均一に冷却するようにした水冷式非接触型コールドプレートが知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、搬送機械に設けたローラから気体または流体を噴出させながら搬送するようにした搬送装置が開示されている。この搬送装置は、ガラス基板に付着する異物を、噴出する気体または流体によって排除することを主な目的としているが、ローラから噴出する気体または液体の温度とガラス基板の温度とを同じ温度にすることができ、ガラス基板の熱膨張を防止することが可能となる(例えば、特許文献2参照。)。
特開2002−57092号公報 特開2002−321820号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている水冷式非接触型コールドプレートには、冷却配管が存在しているので、冷却配管によってワークローダの作動が妨げられる虞がある。また、コールドプレートが配置されていないガラス基板の表側は、温度が変化し易い外気に接しており、このため、ガラス基板の両面の温度差によってガラス基板に反りが生じ、露光精度に悪影響を及ぼす可能性がある。
また、特許文献2の搬送装置は、噴出する気体または液体によってガラス基板が傷付けられる場合があり、更に、噴出する気体または液体が接触しないガラス基板の表側は、外気に触れているので、外気の温度変化によってガラス基板の両面に温度差が生じ、温度差によるガラス基板の反りが露光精度を低下させる虞がある。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、露光ラインが停止してガラス基板の温度が変化しても、熱変形に影響されることなく、作動復帰後に精度よく露光転写することができる露光システム及びその制御方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 基板の温度を所定の温度に維持する温度調整機構、基板ステージと前記基板との相対位置を所定の位置精度に位置決めするプリアライメント装置、及び、前記基板にマスクのパターンを露光転写する露光装置、を有する露光ラインと、
前記温度調整機構で所定の温度に維持された前記基板を前記プリアライメント装置に搬送する第1ワークローダと、
前記プリアライメント装置でプリアライメントされた前記基板を前記露光装置に搬送する第2ワークローダと、
前記温度調整機構、前記プリアライメント装置、前記露光装置、前記第1及び第2ワークローダを制御する制御装置と、
を備える露光システムであって、
前記制御装置は、前記露光ラインが停止したとき、前記第1及び第2ワークローダの少なくとも一方によって、前記基板を前記温度調整機構に返送するように制御することを特徴とする露光システム。
(2) 前記温度調整機構は、前記基板の寸法を測定するセンサを備え、
前記制御装置は、前記温度調整機構に返送された前記基板の寸法が所定の寸法に戻ったとき、前記露光ラインの運転の再開に応じて前記基板を搬送するように制御することを特徴とする(1)に記載の露光システム。
(3) 前記露光システムは、前記第1及び第2のワークローダによって前記基板を搬送可能な、同一構成要素からなる一対の前記露光ラインを備え、
前記制御装置は、前記一方の露光ラインが停止したとき、前記第1及び第2ワークローダの少なくとも一方によって、前記一方の露光ライン上の基板を前記他方の露光ラインの前記温度調整機構に返送するように制御することを特徴とする(1)又は(2)に記載の露光システム。
(4) 基板の温度を所定の温度に維持する温度調整機構、基板ステージと前記基板との相対位置を所定の位置精度に位置決めするプリアライメント装置、及び、前記基板にマスクのパターンを露光転写する露光装置、を有する露光ラインと、前記温度調整機構で所定の温度に維持された前記基板を前記プリアライメント装置に搬送する第1ワークローダと、前記プリアライメント装置でプリアライメントされた前記基板を前記露光装置に搬送する第2ワークローダと、を備える露光システムの制御方法であって、
前記露光ラインが停止したとき、前記第1及び第2ワークローダの少なくとも一方によって、前記基板を前記温度調整機構に返送することを特徴とする露光システムの制御方法。
本発明の露光システム及びその制御方法によれば、温度調整機構と、プリアライメント装置と、露光装置と、温度調整機構で所定の温度に維持された基板をプリアライメント装置に搬送する第1ワークローダと、プリアライメント装置でプリアライメントされた基板を露光装置に搬送する第2ワークローダと、制御装置と、を備える。制御装置は、露光ラインが停止したとき、第1及び第2ワークローダの少なくとも一方によって、基板を温度調整機構に返送するように制御するので、露光ラインが停止してガラス基板の温度が変化しても、熱変形に影響されることなく、作動復帰後に精度よく露光転写することができる。
本発明に係る第1実施形態の露光システムの概略構成図である。 本発明に係る第2実施形態の露光システムの概略構成図である。
以下、本発明に係る露光システムの各実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態である露光システムの概略構成図である。図1に示すように、本実施形態の露光システム10は、露光ライン20と、第1ワークローダ14と、第2ワークローダ15と、露光ライン20の各装置及び第1、第2ワークローダ14、15の各部を制御する制御装置21と、を備えている。露光ライン20は、温度調整機構11、プリアライメント装置12、及び露光装置13から構成される。
温度調整機構11は、内部が所定の温度、例えば23℃に維持される恒温室(図示せず)を有し、ガラス基板W(以下、単に基板Wと称する)を恒温室に搬入・収容することで、基板Wの温度を、恒温室内の温度と同じ温度、即ち23℃に管理する。また、温度調整機構11は、内部に基板Wの寸法(例えば、厚さ)を計測可能なセンサ17を備え、初期状態(例えば23℃における寸法)からの基板Wの伸縮量を測定し、基板Wが露光処理可能な状態となっているか確認する。
なお、センサ17による計測項目は、基板寸法に限定されず、基板Wが初期状態に戻ったこと、換言すれば、基板Wの温度が所定の温度に戻ったことが確認可能な項目であればよく、センサとしては、渦電流式、光学式、超音波式、接触式などの変位センサ、例えば、ギャップセンサ、ポジションメータなどとすることができる。
プリアライメント装置12は、基板Wを露光装置13に搬送する前に、露光装置13の基板ステージ16と基板Wとの位置を粗く位置合わせする。
露光装置13は、プリアライメント装置12でプリアライメントされた基板Wを基板ステージ16に載置した状態で、マスクMを介して露光光を照射して、マスクMに形成されたパターンを基板Wに露光転写する。
第1ワークローダ14は、例えば、基板Wを搬送する搬送車や、多関節ロボットなどで構成され、温度調整機構11で所定の温度、即ち、所定の寸法に管理された基板Wを順次、温度調整機構11からプリアライメント装置12に供給する。
また、第2ワークローダ15は、プリアライメント装置12で基板Wが所定の位置精度にプリアライメントされた基板ステージ16を、プリアライメント装置12から受け取り、露光装置13に搬送して受け渡す。
なお、第2ワークローダ15は、温度調整機構11にもアクセス可能である。また、第1、第2ワークローダ14、15は、温度調整機構11、プリアライメント装置12、及び露光装置13のいずれにもアクセス可能な位置に配置することにより、1台のワークローダで共用するようにしてもよい。
制御装置21は、所謂、パーソナルコンピュータで構成されており、いずれも不図示のCPUを制御主体として、メモリ、入力部、出力部などを備える。制御装置21は、温度調整機構11、プリアライメント装置12、露光装置13、及び第1、第2ワークローダ14、15の各作動部を制御する。
露光システム10が正常に作動しているとき、制御装置21は、第1、第2ワークローダ14、15を制御して基板Wを温度調整機構11からプリアライメント装置12へ、またプリアライメント装置12から露光装置13へと順次、搬送する。また、制御装置21は、温度調整機構11、プリアライメント装置12、及び露光装置13の各作動部を制御して、温度調整機構11での温度管理、プリアライメント装置12でのプリアライメント、露光装置13での露光処理を行う。
そして、露光システム10に異常が生じると、制御装置21は、露光システム10が発する異常信号ESを受信して、露光ライン20を停止させると共に、基板Wを温度調整機構11に搬送するように指令する返送信号BSを第1、第2ワークローダ14、15に対して送出する。第1、第2ワークローダ14、15は、制御装置21からの返送信号BSに従って、基板Wを温度調整機構11に搬送する。
露光ライン20が停止すると、周辺部の熱により基板Wの温度が上昇し、熱膨張して基板Wの寸法が変化するため、アライメント精度が低下して精度のよい露光が困難となる場合がある。しかし、基板Wは、露光ライン20の停止時に、第1、第2ワークローダ14、15によって速やかに温度調整機構11に搬送されて所定の温度まで冷却されるので、熱による寸法変化が修正される。
露光システム10の異常が解除されると、温度調整機構11のセンサ17が、基板Wの寸法を計測して、熱による寸法変化が修正されて基板Wの寸法が所定の寸法に戻ったこと、換言すれば、基板Wの温度が所定の温度に戻ったことを確認した後、温度調整機構11、プリアライメント装置12、及び露光装置13に運転再開指令を送信する。そして、露光ライン20の運転の再開に応じて、第1、第2ワークローダ14、15が基板Wを搬送して、一連の露光作用を続行する。
上記したように、本実施形態の露光システム10によれば、温度調整機構11と、プリアライメント装置12と、露光装置13と、温度調整機構11で所定の温度に維持された基板Wをプリアライメント装置12に搬送する第1ワークローダ14と、プリアライメント装置12でプリアライメントされた基板Wを露光装置13に搬送する第2ワークローダ15と、制御装置21と、を備える。
制御装置21は、露光ライン20が停止したとき、第1及び第2ワークローダ14、15に対して返送信号BSを送出して、第1及び第2ワークローダ14、15の少なくとも一方によって、基板Wを温度調整機構11に返送するように制御する。そして、温度調整機構11に返送された基板Wの温度が所定の温度に戻ったとき、即ち、センサ17によって計測される基板Wの寸法が所定の寸法に戻ったとき、露光ライン20の運転の再開に応じて、第1及び第2ワークローダ14、15が基板Wを搬送する。これにより、露光ライン20が停止して基板Wの温度が変化しても、熱変形に影響されることなく、作動復帰後に精度よく露光転写することができる。
(第2実施形態)
図2は本発明の第2実施形態である露光システムの概略構成図である。図2に示すように、本実施形態の露光システム10Aは、同一構成要素からなる一対の露光ライン20A、20Bが、並列配置されている。それぞれの露光ライン20A、20Bの構成は、第1実施形態で説明済みの露光ライン20と同様の構成を有している。但し、制御装置21、及び第1、第2ワークローダ14、15は、露光ライン20Aと露光ライン20Bとの間に配置され、露光ライン20Aと露光ライン20Bとで共用される点で、第1実施形態の露光システム10と異なる。
制御装置21は、一方の露光ライン20A又は20Bが停止したとき、第1及び第2ワークローダ14、15の少なくとも一方によって、停止した一方の露光ライン20A又は20B上の基板Wを、他方の露光ライン20B又は20Aの温度調整機構11に返送するように制御する。その他の構成及び作用は、第1実施形態と同様であるので、同一部分には同一符号又は相当符号を付して説明を省略する。
本実施形態の露光システム10Aによれば、同一構成要素からなる一対の露光ライン20A、20Bが、並列配置されているので、一方の露光ライン20A又は20Bに異常が生じて停止しても、他方の露光ライン20B又は20Aで露光処理を続行しながら停止原因を排除することができ、露光システム10A全体を停止させる必要がなく、作業効率が大幅に向上する。
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
10、10A 露光システム
11 温度調整機構
12 プリアライメント装置
13 露光装置
14 第1ワークローダ
15 第2ワークローダ
16 基板ステージ
17 センサ
20、20A、20B 露光ライン
21 制御装置
M マスク
W ガラス基板(基板)

Claims (4)

  1. 基板の温度を所定の温度に維持する温度調整機構、基板ステージと前記基板との相対位置を所定の位置精度に位置決めするプリアライメント装置、及び、前記基板にマスクのパターンを露光転写する露光装置、を有する露光ラインと、
    前記温度調整機構で所定の温度に維持された前記基板を前記プリアライメント装置に搬送する第1ワークローダと、
    前記プリアライメント装置でプリアライメントされた前記基板を前記露光装置に搬送する第2ワークローダと、
    前記温度調整機構、前記プリアライメント装置、前記露光装置、前記第1及び第2ワークローダを制御する制御装置と、
    を備える露光システムであって、
    前記制御装置は、前記露光ラインが停止したとき、前記第1及び第2ワークローダの少なくとも一方によって、前記基板を前記温度調整機構に返送するように制御することを特徴とする露光システム。
  2. 前記温度調整機構は、前記基板の寸法を測定するセンサを備え、
    前記制御装置は、前記温度調整機構に返送された前記基板の寸法が所定の寸法に戻ったとき、前記露光ラインの運転の再開に応じて前記基板を搬送するように制御することを特徴とする請求項1に記載の露光システム。
  3. 前記露光システムは、前記第1及び第2のワークローダによって前記基板を搬送可能な、同一構成要素からなる一対の前記露光ラインを備え、
    前記制御装置は、前記一方の露光ラインが停止したとき、前記第1及び第2ワークローダの少なくとも一方によって、前記一方の露光ライン上の基板を前記他方の露光ラインの前記温度調整機構に返送するように制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の露光システム。
  4. 基板の温度を所定の温度に維持する温度調整機構、基板ステージと前記基板との相対位置を所定の位置精度に位置決めするプリアライメント装置、及び、前記基板にマスクのパターンを露光転写する露光装置、を有する露光ラインと、前記温度調整機構で所定の温度に維持された前記基板を前記プリアライメント装置に搬送する第1ワークローダと、前記プリアライメント装置でプリアライメントされた前記基板を前記露光装置に搬送する第2ワークローダと、を備える露光システムの制御方法であって、
    前記露光ラインが停止したとき、前記第1及び第2ワークローダの少なくとも一方によって、前記基板を前記温度調整機構に返送することを特徴とする露光システムの制御方法。
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