JP2012047927A - 光走査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な構成により効果的にスペックルノイズを低減させることができる光走査装置を提供する。
【解決手段】偏光変調素子7は、走査投影装置11に入射される前のレーザ光線Lを入射し、該入射したレーザ光線Lを異なる2つの偏光方向に所定時間毎に切り換えて出射する。そして、角度変調素子9は、偏光変調素子7によって出射されたレーザ光線Lを入射し、該入射したレーザ光線Lの偏光方向に応じた出射角度にてレーザ光線Lを走査投影装置11に出射する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光走査装置に関する。
従来、コヒーレントの高いレーザ光をスクリーンに照射すると、スクリーン表面の微細な凹凸等の形状の影響により反射したレーザ光が干渉しあうことによってスペックルノイズと呼ばれる干渉パターンが発生し、画質が劣化することが知られている。
そして、このようなスペックルノイズを除去するため、例えば、強誘電体材料からなるシリンドリカルレンズに対して電圧を印加してレーザ光の屈折率を周期的に変動させることによって干渉パターンに周期性を持たせないようにし、その干渉パターンの変化を人の目が追従できない速度で行うことによってスペックルノイズを低減させるようにしたもの
がある(特許文献1)。
特開2008−294108号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、シリンドリカルレンズの形状の影響によって出射するレーザ光のビーム形状が偏平となるため、これを補正する必要があり、構成が複雑になるという問題がある。
本発明の課題は、簡素な構成により効果的にスペックルノイズを低減させることができる光走査装置を提供することである。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、画像信号に基づき順次変調されるレーザ光を走査投影装置により投影面上に走査して前記画像信号に基づく画像を表示する光走査装置において、
前記走査投影装置に入射される前のレーザ光を入射し、該入射したレーザ光を異なる2つの偏光方向に所定時間毎に切り換えて出射する偏光変調素子と、
前記偏光変調素子によって出射されたレーザ光を入射し、該入射したレーザ光の偏光方向に応じた出射角度にてレーザ光を前記走査投影装置に出射する角度変調素子と、を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光走査装置において、
前記角度変調素子は、屈折率異方性を有する液晶分子を備えた液晶素子であり、入射したレーザ光の偏光方向に応じて該レーザ光に対する屈折率を異ならせることにより、レーザ光の出射角度を変更することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の光走査装置において、
前記液晶素子における複数の液晶分子を一定方向に向けて配向させるとともに、液晶素子の出射側の面を、出射するレーザ光の進行方向に対して所定角度傾斜させたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の光走査装置において、
前記角度変調素子は、ポリマー分子を一定方向に延伸させて、入射したレーザ光の偏光方向に応じて該レーザ光に対する屈折率を異ならせるようにするとともに、出射側の面を、出射するレーザ光の進行方向に対して所定角度傾斜してなるポリマー成形体であることを特徴とする。
本発明によれば、簡素な構成により効果的にスペックルノイズを低減させることができる。
本発明の実施の形態における光走査装置の構成図である。 偏光変調素子の動作を模式的に示す図である。 偏光変調素子の動作を模式的に示す図である。 角度変調素子の構成を模式的に示す図である。 液晶分子の構成を模式的に示す図である。 角度変調素子によるレーザ光線の出射角度の変化について説明する図である。 角度変調素子によるレーザ光線の出射角度の変化について説明する図である。 角度変調素子によるレーザ光線の出射角度の変化について説明する図である。 角度変調素子によるレーザ光線の出射角度の変化について説明する図である。 液晶層の出射面における傾斜角度及び投影距離とレーザ光の移動量との関係を表す図である。 液晶層の出射面における傾斜角度及び投影距離とレーザ光の移動量との関係を表す図である。 液晶層の出射面における傾斜角度及び投影距離とレーザ光の移動量との関係を表す図である。 液晶層の出射面における傾斜角度及び投影距離とレーザ光の移動量との関係を表す図である。 液晶層の出射面における傾斜角度及び投影距離とレーザ光の移動量との関係を表す図である。 液晶層の出射面における傾斜角度及び投影距離とレーザ光の移動量との関係を表す図である。 液晶層の出射面における傾斜角度及び投影距離とレーザ光の移動量との関係を表す図である。 投影距離とレーザ光の移動量との関係を表す図である。 スペックルノイズ低減の効果について説明する図である。 角度変調素子の他の形態について模式的に表す図である。 角度変調素子の他の形態について模式的に表す図である。 角度変調素子の他の形態について模式的に表す図である。 角度変調素子の他の形態について模式的に表す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、発明の範囲は図示例に限定されない。
本実施の形態の光走査装置Mは、図1に示すように、いわゆるレーザ走査型プロジェクタであって、例えば、コントローラ1と、レーザ装置2,3,4と、ダイクロイックミラー5,6と、偏光変調素子7と、角度変調素子9と、走査投影装置11とを備える。
レーザ装置2は赤色、レーザ装置3は緑色、レーザ装置4は青色のレーザ光線をそれぞれ出射する。
各色のレーザ装置2,3,4から出射したレーザ光線は、ダイクロイックミラー5,6を介して1本のレーザ光線Lとなる。この1本のレーザ光線Lは、その後、偏光変調素子7、角度変調素子9の順で透過し、走査投影装置11に入射する。そして、走査投影装置11は、入射したレーザ光線Lを反射するミラーを備え、レーザ光線LをスクリーンSに照射するとともに、ミラーを2軸方向に回動することにより、主走査方向及び副走査方向に操作して、画像を投影する。
コントローラ1は、光走査装置Mを構成する各部を制御して画像信号に基づいた投影面上での画像の表示を実現する。具体的には、コントローラ1は、画像信号に基づき、各色のレーザ装置2,3,4を制御して画素毎の各色の階調に応じて出射量を順次変調制御するとともに、このレーザ光制御にタイミングを合わせて走査投影装置11を制御し、スクリーンSに画像を表示する。また、コントローラ1は、後述するように、スペックルノイズの低減のために、偏光変調素子7及び角度変調素子9の制御を行う。
偏光変調素子7は、図2に示すように、透過するレーザ光線Lに最大位相差πを与える。偏光変調素子7としては、高速応答が可能な強誘電性液晶(FLC:Ferroelectric Liquid Crystal)等の液晶素子が適用される。
本実施の形態では、図2に示すように、液晶分子71の移動量(コーン角)θ1が45[deg]となる液晶を用い、液晶分子71の配向方向72と、入射レーザ光の偏光比の高い偏光方向73とのなす角θ2が22.5[deg]となるように液晶分子71を配置する。このとき、下記式(1)によって求められるリタデーション(R)がλ/2にできる限り近くなるように、偏光変調素子7における液晶材料及び液晶層厚(d)を選択するのが好ましい。なお、下記式(1)中、(Δn)は複屈折性を示す。
R=Δn・d・・・(1)
そして、偏光変調素子7は、コントローラ1の制御によって駆動電圧が印加され、駆動電圧が−Vから+Vに変化すると、図2Aに示される液晶分子71の配向がθ1だけ変化する。そして、入射レーザ光の偏光方向73に対して出射レーザ光の偏光方向74が、図2Bに示すように、90度変化する。偏光変調素子7は、以上の動作を所定のサイクル(例えば、120Hz)にて行う。これにより、偏光変調素子7は、出射レーザ光の偏光方向を90度異なる2つの方向に切り替える。
なお、偏光変調素子7における液晶分子71の配向方向は、例えば、偏光変調素子7に設けられる配向膜に対してラビング処理を行うことにより設定することができる。
角度変調素子9は、偏光変調素子7から出射されたレーザ光線Lの偏光方向に応じて入射レーザ光の屈折率を変化させることが可能であり、これによりレーザ光線Lの出射角度の制御を行う光学変調素子である。角度変調素子9は、図3に示すように、ガラス基板91a,91bと、ITO(Indium Tin Oxide)膜92a,92bと、配向膜93a,93bとを備える一対の基板90a,90bの間に液晶層94を封止して構成されている。また、本実施の形態では、角度変調素子9は、液晶層94のレーザ光線Lが出射する側の面(出射面)をレーザ光線Lの進行方向に対して所定角度傾斜させることによって楔状に形成されている。
液晶層94は、例えば、ネマティック液晶を有しており、図4に示すような液晶分子94aを多数配列して備えている。なお、図4は、液晶層94を入射側から見た状態を表している。この液晶分子94aは、図4に示すように、水平方向にn1の屈折率を有するとともに、垂直方向にn2の屈折率を有しており、屈折率n1は、屈折率n2よりも大きい。すなわち、液晶分子94aは、屈折率異方性を有している。なお、屈折率n2が屈折率n1よりも大きくてもよい。
このように構成された角度変調素子9は、ITO膜92a,92bに駆動電圧が印加されると、基板90aに対して平行かつ水平に配向して静止している液晶分子94aが90度回動し、基板90aに対して垂直方向に向いて整列される。角度変調素子9は、以上の動作を所定のサイクル(例えば、60Hz)にて行う。すなわち、偏光変調素子7の動作との組み合わせにより、1サイクルにおいて120Hzのタイミングで4つの動作の切り替えが実現される。なお、角度変調素子9に対する駆動電圧を変化させず、液晶分子94aの向きを屈折率異方性が形成される態様にて固定するようにしてもよい。また、角度変調素子9における駆動電圧のON/OFF時の液晶分子の向きが、それぞれ本実施の形態のものとは逆となるような液晶分子を適用するようにしてもよい。すなわち、ITO膜92a,92bに駆動電圧が印加されると、基板90aに対して垂直方向に配向して静止している液晶分子が90度回動し、基板90aに対して平行かつ水平に向いて整列されるものであってもよい。また、角度変調素子9に適用する液晶素子を上述した強誘電性液晶素子としてもよい。また、角度変調素子9は、上述したスイッチング方式に限定されず、他の方式を採用してもよく、例えば、横電界スイッチング方式によるものを採用してもよい。この場合、電極構造による回折が生じないような構成及び処理を行う必要がある。また、本実施の形態では、ネマティック液晶を用いたが、複屈折性を有する材料であれば、他の液晶や水晶等、他の材料を適用することができる。
以上のように構成された角度変調素子9による入射レーザ光の偏光方向に対するレーザ光線Lの出射角度の変化について図5A〜図5Dを参照しながら説明する。
図5Aは、偏光方向が垂直であるレーザ光線Lが、駆動電圧が印加されていない状態である角度変調素子9に対して入射したときのレーザ光線Lの出射状態を表している。また、図5Bは、偏光方向が水平であるレーザ光線Lが、駆動電圧が印加されていない状態である角度変調素子9に対して入射したときのレーザ光線Lの出射状態を表している。また、図5Cは、偏光方向が垂直であるレーザ光線Lが、駆動電圧が印加された状態である角度変調素子9に対して入射したときのレーザ光線Lの出射状態を表している。また、図5Dは、偏光方向が水平であるレーザ光線Lが、駆動電圧が印加された状態である角度変調素子9に対して入射したときのレーザ光線Lの出射状態を表している。
駆動電圧が印加されていない状態である角度変調素子9に対して偏光方向が垂直であるレーザ光線Lが入射すると、レーザ光線Lは、液晶層94内においては垂直方向の屈折率n2の影響を受ける。その結果、図5Aに示すように、液晶層94の出射面が角度θ傾斜しているため、出射レーザ光が液晶層94の境界にて所定角度偏向し、レーザ光線Lの軌跡は軌跡AとなってスクリーンSに照射される。一方、駆動電圧が印加されていない状態である角度変調素子9に対して偏光方向が水平であるレーザ光線Lが入射すると、レーザ光線Lは、液晶層94内においては水平方向の屈折率n1の影響を受ける。その結果、出射レーザ光は、その偏向角度が軌跡Aよりも大きくなり、図5Bに示すように、その軌跡が軌跡BとなってスクリーンSに照射される。ここで、軌跡Bの軌跡Aに対する移動量あるいは軌跡Aによるレーザ光及び軌跡Bによるレーザ光によって形成される合成ビーム径は、スクリーンSへの投影時において、レーザ光の軌跡Aにおけるレーザ光線Lのビーム径に対して1.5倍以下となるように設定されるのが好適である。なお、軌跡Bの軌跡Aに対する移動量及び合成ビーム径は、液晶層94の出射面における傾斜角度と、角度変調素子9から投影位置までの投影距離と、液晶層94における屈折率異方性とに依存する。
また、駆動電圧が印加された状態である角度変調素子9に対して偏光方向が垂直であるレーザ光線Lが入射すると、レーザ光線Lは、液晶層94内においては屈折率n2の影響を受ける。その結果、図5Cに示すように、レーザ光線Lの軌跡は軌跡AとなってスクリーンSに照射される。また、駆動電圧が印加された状態である角度変調素子9に対して偏光方向が水平であるレーザ光線Lが入射した場合も、レーザ光線Lは、液晶層94内においては屈折率n2の影響を受ける。その結果、図5Dに示すように、レーザ光線Lの軌跡は軌跡AとなってスクリーンSに照射される。すなわち、角度変調素子9に対して駆動電圧が印加された場合には、レーザ光線Lは、偏光方向に拘わらず略同じ位置に照射されるようになる。
ここで、液晶層の出射面における傾斜角度、投影距離及び液晶層における屈折率に基づいて、投影時における軌跡B(水平偏光入射時の軌跡)の軌跡A(垂直偏光入射時の軌跡)に対するレーザ光の移動量(スポット移動量)をシミュレートすると、図6〜図12に示すようになる。ここでは、例えば、駆動電圧が印加されていない状態である液晶層における水平方向の屈折率n1が「1.65」、垂直方向の屈折率n2が「1.5」である液晶素子を採用する。また、図中、水平偏光入射の項目における各数値は、出力レーザ光が液晶層において偏向しない場合におけるレーザ光の投影位置と、偏光方向が水平であるレーザ光が屈折率n1の影響を受けて液晶層によって偏向され、投影されたときにおける投影位置とのずれ量を示している。また、図中、垂直偏光入射の項目における各数値は、出力レーザ光が液晶層において偏向しない場合におけるレーザ光の投影位置と、偏光方向が垂直であるレーザ光が屈折率n2の影響を受けて液晶層によって偏向され、投影されたときにおける投影位置とのずれ量を示している。
なお、液晶層の出射面における傾斜角度が「0.01[deg]」、「0.1[deg]」及び「0.2[deg]」である場合の投影距離とレーザ光の移動量との関係についてプロットすると図13に示すようになる。
図6〜図13に示される関係に基づき、例えば、投影サイズや解像度等の各要素を考慮し、光走査装置の性能に応じて適宜選択された投影距離から、適切なレーザ光の移動量となるような傾斜角度である液晶層を選択することにより、スペックルノイズを効果的に低減できるとともに、最適な画像を表示することができる。
以上のように、本実施の形態では、上述した偏光変調素子7によるレーザ光線Lの偏光方向の切替動作、及び、角度変調素子9による切替動作により、スクリーンSに照射されるレーザ光線Lの軌跡が1サイクルにおいて所定時間だけ切り替わる。すなわち、スクリーンSに照射されるレーザ光の位置が1サイクルにおいて所定時間だけ切り替わる。一般に、人の目が感知できるレーザ光の位置の切替間隔は30ms以上といわれている。そのため、本実施の形態では、上述した動作の切り替えを120Hzに設定することで、人の目に対し、2つの軌跡によってそれぞれ照射されたレーザ光が互いに馴染んで見えるようになる。そして、本実施の形態では、スクリーンSに対する入射角が軌跡毎に変更され、スペックルが変化するのでスペックルノイズが低減されるようになる。また、レーザ光線Lの偏光方向を変更させるので、スペックルが更に変化し、スペックルノイズをより効果的に低減させることができる。また、本実施の形態では、レーザ光の偏光方向を切り替え、これに応じてレーザ光の軌跡を変更することができるので、簡素な構成により効果的にスペックルノイズの低減を図ることができるようになる。
[実施例1]
以上のように構成された光走査装置Mを実施例1として、以下の条件により、スクリーンSに表示された画像をCCD(Charge Coupled Device)撮像素子を用いて画素毎に輝度を測定し、測定した画素の輝度を輝度毎に集計した。
レーザ出力条件:λ=532nm、出力パワー=5mW
表示画像:水平走査1ラインのみによるベタ画像
測定時間:1/30s
スポット移動量:約0.5mm
投影距離:800mm
スクリーンサイズ:横200mm×縦150mm程度
[比較例1]
また、偏光変調素子7及び角度変調素子9を備えない光走査装置を比較例1として、上記条件により、スクリーンSに表示された画像を同様にして画素毎に輝度を測定し、測定した画素の輝度を輝度毎に集計した。なお、比較例1では、上記条件におけるスポット移動量は発生しない。
[比較例2]
また、偏光変調素子7を備え、角度変調素子9を備えない光走査装置を比較例2として、上記条件により、スクリーンSに表示された画像を同様にして画素毎に輝度を測定し、測定した画素の輝度を輝度毎に集計した。なお、比較例2では、上記条件におけるスポット移動量は発生しない。
これらの集計結果から得られた画素の輝度の分布を図14に示す。なお、図中、実施例1の集計結果をAに示し、比較例1の集計結果をBに示し、比較例2の集計結果をCに示す。また、図14に示される分布図において、x軸は、CCD撮像素子を用いて測定された画素の輝度を表し、y軸は、測定した画素数を常用対数にて表している。
[結果]
図14に示すように、実施例1では、各比較例と比べ、高輝度(特に、200以上の輝度)である画素が少なかった。なお、実施例1における画素の平均輝度値は68.6で、標準偏差は25.2であり、コントラストは0.37であった。すなわち、輝度ムラが少なく、また、輝度の変化が滑らかな画像となることがわかった。
これに対し、比較例1では、高輝度である画素が実施例1と比較すると非常に多く、特に、最大輝度である255を示す画素が多いのが目立った。なお、比較例1における平均輝度値は67.6で、標準偏差は40.5であり、コントラストは0.60であった。すなわち、スペックルの影響を大きく受け、輝度ムラが大きくなり、高輝度の画素が目立つような画像となることがわかった。
また、比較例2では、200以上の高輝度である画素は比較例1に比べて低減されているものの、150以上の輝度においては、実施例1に比べると多かった。なお、比較例2における平均輝度値は66.4で、標準偏差は31.5であり、コントラストは0.47であった。すなわち、比較例1に比べると、スペックルの影響は低減されているが、その効果は実施例1よりも劣るものであることがわかった。
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、偏光変調素子7は、走査投影装置11に入射される前のレーザ光線Lを入射し、該入射したレーザ光線Lを異なる2つの偏光方向に所定時間毎に切り換えて出射する。そして、角度変調素子9は、偏光変調素子7によって出射されたレーザ光線Lを入射し、該入射したレーザ光線Lの偏光方向に応じた出射角度にてレーザ光線Lを走査投影装置11に出射する。その結果、スクリーンへの入射角及びレーザ光の偏光方向の相異により、スペックルノイズを効果的に低減させることができるようになる。また、レーザ光を散乱させずにスペックルノイズの低減を可能としたので、簡素な構成によってスペックルノイズを低減させることができる。また、散乱素子や光学レンズ等を用いないで実現可能であるので、レーザ光の光損失が少なく、画質の劣化が抑制される。また、機械的に装置を可動させるような構成ではないため、耐衝撃性の向上を図ることができる。
また、本発明の実施の形態によれば、角度変調素子9は、屈折率異方性を有する液晶分子94aを備えた液晶素子であり、入射したレーザ光線Lの偏光方向に応じてレーザ光線Lに対する屈折率を異ならせることにより、レーザ光線Lの出射角度を変更する。その結果、製造コストを低減させて、より簡素な構成によってスペックルノイズの低減が可能となる。
また、本発明の実施の形態によれば、液晶素子における複数の液晶分子94aを一定方向に向けて配向させるとともに、液晶素子の出射側の面を、出射するレーザ光線Lの進行方向に対して所定角度傾斜させたので、より簡素な構成によってスペックルノイズの低減が可能となる。
なお、本実施の形態において、角度変調素子9に対する駆動電圧値を調整することによって屈折率異方性を調整し、スクリーンへの投影時における、水平偏光入射時の軌跡の垂直偏光入射時の軌跡に対するレーザ光の移動量を調整できるようにしてもよい。これにより、スクリーンまでの投影距離が変更された場合に、レーザ光の移動量を適切に調整することが可能となる。
また、角度変調素子として、例えば、図15に示されるような角度変調素子9Aを適用してもよい。角度変調素子9Aは、垂直方向に延伸された延伸ポリマー分子95Aaが多数配列されたポリマー成形体95Aによって構成されている。この延伸ポリマー分子95Aaも、垂直方向と水平方向とで異なる屈折率(屈折率異方性)を有している。そして、ポリマー成形体95Aは、レーザ光線Lが出射する側の面(出射面)をレーザ光線Lの進行方向に対して所定角度傾斜させることによって楔状に形成されている。そのため、角度変調素子9Aは、レーザ光線Lの偏光方向に応じて、出射レーザ光の出射角度を変更することが可能となっている。なお、ポリマー分子の延伸方向を水平方向としてもよい。このような構成としても本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、角度変調素子の形状について、出射面を所定角度傾斜させた楔形状としたが、素子自体を傾斜させた形状とせず、例えば、素子に対する駆動電圧の印加により、素子内部において屈折率分布が現れるように構成したものを適用することも可能であり、例えば、図16に示されるような角度変調素子9Bを適用することが可能である。
すなわち、角度変調素子9Bは、1対の基板90Ba,90Bbの間に液晶層94Bを封止して構成されている。そして、基板90Ba,90Bbには、それぞれ、ガラス基板91Ba,91Bbと、ITO膜92Ba,92Bbと、配向膜93Ba,93Bbが備えており、基板90Baには、さらに、ITO膜92Baを被覆する保護膜95Baが備えられている。
ITO膜92Baは、複数に分割されて所定間隔毎にガラス基板91Baの内側に並べて配置されており、それぞれ、異なる駆動電圧を印加することができる。なお、ITO膜92Baの配置間隔は、レーザ光線の回折が生じない間隔とする。そして、ITO膜92Baに対して駆動電圧を0にし、ITO膜92Baに対して駆動電圧V1を印加し、ITO膜92Baに対して駆動電圧V2を印加し、ITO膜92Baに対して駆動電圧V3を印加し、ITO膜92Baに対して駆動電圧V4を印加する。ここで、駆動電圧V1〜V4の各電圧の大きさは、以下のような関係となっている。
V1<V2<V3<V4
以上のようにして角度変調素子9Bに対して駆動電圧を印加すると、ITO膜92Ba〜92Baのそれぞれに印加される駆動電圧が相違することから、図16に示すように、液晶層94Bにおける各液晶分子は、駆動電圧に応じて異なる方向に向くようになる。その結果、液晶層94Bにおける水平方向の屈折率が右側から左側にかけて漸次大きくなる屈折率分布が現れるようになる。そして、この状態において、偏光方向が水平であるレーザ光線Lが角度変調素子9Bに対して入射されると、この屈折率分布の影響により、液晶層94Bにおいて、領域によって速度が異なるようにレーザ光線Lの速度が変化する。すなわち、レーザ光線Lの速度が右側から左側にかけて漸次遅くなるように変化する。すると、レーザ光線Lは、領域によるレーザ光線Lの速度の相違により、液晶層94Bからの出射時において所定角度偏向するようになる。一方、偏光方向が垂直であるレーザ光線Lが角度変調素子9Bに対して入射された場合には、液晶層94Bにおける屈折率分布の影響が偏光方向が水平であるレーザ光線に対するものよりも小さいので、レーザ光線Lの液晶層94Bからの出射時における偏向角度は、偏光方向が水平であるレーザ光線の液晶層94Bからの出射時における偏向角度よりも小さくなる。このように、角度変調素子9Bは、レーザ光線Lの偏光方向に応じて、出射レーザ光の出射角度を変更することが可能となっているので、このような構成としても本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、図16に示されるような角度変調素子9Bの他、図17に示されるような角度変調素子9Cを適用することも可能である。
すなわち、角度変調素子9Cは、1対の基板90Ca,90Cbの間に液晶層94Cを封止して構成されている。そして、基板90Ca,90Cbには、それぞれ、ガラス基板91Ca,91Cbと、ITO膜92Ca,92Cbと、配向膜93Ca,93Cbが備えている。
ITO膜92Caは、所定の抵抗を有しており、この抵抗によってITO膜92Caにおいて電圧勾配が発生するように構成されている。すなわち、ITO膜92Caの右側に対して駆動電圧が印加されると、ITO膜92Caの右側から左側にかけて電圧が漸次小さくなる。すると、図17に示すように、液晶層94Cにおける各液晶分子は、液晶分子に対応する位置におけるITO膜92Ca上の駆動電圧に応じて異なる方向に向くようになる。
このようにして、液晶層94Cにおける各液晶分子の向きを調整することによっても、角度変調素子9Bと同様の作用・効果を得ることができる。
なお、本発明は、上記した実施の形態のものに限るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
M 光走査装置
7 偏光変調素子
9 角度変調素子
11 走査投影装置
94a 液晶分子
95A ポリマー成形体
95Aa 延伸ポリマー分子

Claims (4)

  1. 画像信号に基づき順次変調されるレーザ光を走査投影装置により投影面上に走査して前記画像信号に基づく画像を表示する光走査装置において、
    前記走査投影装置に入射される前のレーザ光を入射し、該入射したレーザ光を異なる2つの偏光方向に所定時間毎に切り換えて出射する偏光変調素子と、
    前記偏光変調素子によって出射されたレーザ光を入射し、該入射したレーザ光の偏光方向に応じた出射角度にてレーザ光を前記走査投影装置に出射する角度変調素子と、を備えたことを特徴とする光走査装置。
  2. 前記角度変調素子は、屈折率異方性を有する液晶分子を備えた液晶素子であり、入射したレーザ光の偏光方向に応じて該レーザ光に対する屈折率を異ならせることにより、レーザ光の出射角度を変更することを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  3. 前記液晶素子における複数の液晶分子を一定方向に向けて配向させるとともに、液晶素子の出射側の面を、出射するレーザ光の進行方向に対して所定角度傾斜させたことを特徴とする請求項2に記載の光走査装置。
  4. 前記角度変調素子は、ポリマー分子を一定方向に延伸させて、入射したレーザ光の偏光方向に応じて該レーザ光に対する屈折率を異ならせるようにするとともに、出射側の面を、出射するレーザ光の進行方向に対して所定角度傾斜してなるポリマー成形体であることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
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