JP2012047591A - 二重化電源装置の逆流防止用素子検査ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】直流電源装置の逆流防止用素子の検査を容易に行うこと。
【解決手段】容量素子CDと抵抗素子RDと整流素子Dとを並列接続した等価回路として表され、正弦波電圧に対する容量素子CDによる虚数分電流と抵抗素子RDによる実数分電流とが電流ベクトルの位相差をもって検出されるダイオード等の電流逆流防止用素子を複数並列接続した直流電源装置の逆流防止用素子オープンモード故障及びショートモード故障を検査するものであって、所定値の直流電圧と断続した正弦波交流電圧を重畳させた検査電流を電源装置17の正負端子に供給し、検査電流の抵抗素子による実数分電流を除去することにより、電源装置17の物理的インタフェースを変更することなく、並列接続された逆流防止用素子の故障を容易に検査することができる。
【選択図】図8
【解決手段】容量素子CDと抵抗素子RDと整流素子Dとを並列接続した等価回路として表され、正弦波電圧に対する容量素子CDによる虚数分電流と抵抗素子RDによる実数分電流とが電流ベクトルの位相差をもって検出されるダイオード等の電流逆流防止用素子を複数並列接続した直流電源装置の逆流防止用素子オープンモード故障及びショートモード故障を検査するものであって、所定値の直流電圧と断続した正弦波交流電圧を重畳させた検査電流を電源装置17の正負端子に供給し、検査電流の抵抗素子による実数分電流を除去することにより、電源装置17の物理的インタフェースを変更することなく、並列接続された逆流防止用素子の故障を容易に検査することができる。
【選択図】図8
Description
本発明は、二重化用直流電源装置の電流逆流防止用に並列接続された複数の逆流防止用素子、例えば、逆流防止用ダイオードの故障を検出することができる二重化電源装置の逆流防止用素子検査ユニットに関する。
直流電源装置は、例えば大型コンピュータシステムの磁気ディスク装置に使用される場合、出力電力が500W〜700Wであり、動作信頼性を高めるために複数台(通常は2台)が並列使用されている。この直流電源装置の出力回路に電圧降下の小さいショットキーバリアダイオードを複数個順方向に並列接続している、これを逆流防止用素子という。このダイオードの並列使用数は、出力電流と使用素子の電圧ドロップより最適数が決定されているが、一例として、60A定格品(30A/素子)のショットキーバリアダイオードを使用した上記700W(12V-65A)クラスの電源での並列数は8素子である。
このダイオードは、オープンモード故障とショートモード故障が発生する可能性があり、故障検出を行う手法として、1素子又は複数素子がショートモード故障の場合、ダイオードのA(アノード)−K(カソード)電極端子を直流電源装置の外部に取り出し、電流通流時の電圧ドロップを測定することによってこれを行う検査手法が知られている。
オープンモード故障の場合、多数素子故障の際にはショートモード故障と同様に電流通流時の電圧ドロップを測定することによりこれを検出する検査手法が知られているが、素子並列数が多くなるにつれて1素子当たりの分担電流の比率が低下するため、1素子がオープンモード故障の場合などでは電圧ドロップは誤差の範囲内となり実質的に良否の判断ができない。なお、同時に複数個オープン故障不良となることは極めて少ない。
オープンモード故障の場合、多数素子故障の際にはショートモード故障と同様に電流通流時の電圧ドロップを測定することによりこれを検出する検査手法が知られているが、素子並列数が多くなるにつれて1素子当たりの分担電流の比率が低下するため、1素子がオープンモード故障の場合などでは電圧ドロップは誤差の範囲内となり実質的に良否の判断ができない。なお、同時に複数個オープン故障不良となることは極めて少ない。
また、前述の検査においては、ダイオードのA(アノード)電極端子を直流電源装置の外部に引出すため、検査作業時や実使用時において他の端子と誤って接触するなどの作業不具合や、取扱い不具合により他の障害を発生させるというおそれがある。また、前記誤接触対策として高抵抗を引出しラインに挿入することも考えられるが、抵抗分による影響によって真の値が測定できなくなるという問題も発生するため、二重化直流電源装置の検査においては、筐体外部にアノード(A)電極端子を引出すことは行われていないのが実情である。このアノード(A)電極端子が筐体外部に引出されていないため、該当部分の機能検査は、半完成品の状態、つまり、ボードレベル又は筐体に組み込まれていてもカバーを開けた状態での検査とならざるを得ない。つまり完成品での検査では無いということになる。よって、この検査後の作業(ボード組込作業やカバー取り付け作業)で不良要因が混入する可能性がある。
もし、完成品の検査工程でダイオードのショートモード故障が発見されないまま、磁気ディスク装置に実装された場合、複数搭載電源の活電状態での1台入れ替え作業時に、電流の回りこみにより2系共に電源異常となり、システム断障害となることがあった。
また、オープンモード故障の場合は、直接的な不良モードとして現れないため、オープンモード故障の状態で長期間使用され続けることとなり、素子当たりの負担電流の増加と電圧ドロップの増加による発熱の増加により信頼性の低下や効率が低下した状態で使用され続けられるという問題もある。
前記ダイオードの故障検出手法の技術が記載された文献としては、下記の特許文献が挙げられるが、これら特許文献に記載の技術は、ダイオードのA(アノード)−K(カソード)間の電圧ドロップを測定するものであって、並列接続された複数のダイオードのオープンモード故障を判断する手法については記載されていない。
前記したダイオードの故障検出手法技術は、二重化用直流電源装置の機能検査を行う場合、逆流防止用ダイオードのアノード(A)側を誤操作/誤作業による2次障害防止の観点から出力用としても検査用としても外部端子として引出し使用できないため、一般的な自動電源検査機では故障を検出することが困難であるという課題があった。このため、逆流防止用ダイオードにオープンモード故障あるいはショートモード故障があっても、自動機能検査上では、何ら問題なしとして検査工程を通過する可能性があるという課題もあった。
本発明の目的は、前述の従来技術による課題を解決することであり、直流電源装置の物理的インタフェースを変更することなく、並列接続された逆流防止用素子の故障を容易に検査することができる二重化電源装置の逆流防止用素子検査ユニットを提供することである。
前記目的を達成するために請求項1記載の本発明は、容量素子と抵抗素子と整流素子とを並列接続した等価回路として表される電流逆流防止用素子を複数並列接続した直流電源装置の逆流防止用素子のオープンモード故障及びショートモード故障を検査する逆流防止用素子検査ユニットであって、所定値の直流電圧と断続した正弦波交流電圧を重畳させた検査電圧を前記電源装置の正負出力端子に印加し、この検査電圧の印可に伴う前記検査電流の前記抵抗素子による実数分電流を低減もしくは除去することにより、前記容量素子による虚数分電流のみを得ることを第1の特徴とする。
請求項2記載の発明は、前記第1の特徴の逆流防止用素子検査ユニットにおいて、前記直流電源装置の前記検査電流による正電圧を増幅する電圧増幅部を有し、前記直流電源装置に印加する正弦波交流電圧の正電圧を前記電圧増幅部の正端子に帰還し、前記印加する正弦波交流電圧と同一位相分の電流分の検出感度を低下させることにより、前記検査電流の前記抵抗素子による実数分電流を低減もしくは除去するように構成したことを第2の特徴とする。
請求項3記載の発明は、前記第1の特徴の逆流防止用素子検査ユニットにおいて、前記直流電源装置の前記検査電流による正電圧を増幅する電圧増幅部を有し、前記直流電源装置に印加する正弦波交流電圧の正電圧を前記電圧増幅部の正端子にディジタル的パルス動作「0」又は「1」で帰還し、前記印加する正弦波交流電圧と同一位相分の電流分の検出感度を低下させることにより、前記検査電流の前記抵抗素子による実数分電流を除去するように構成したことを第3の特徴とする。
請求項4記載の発明は、基準となる矩形波パルス電圧を発生するパルス発生部と、前記矩形波パルス電圧が「HIGH」の期間のみ正弦波電圧を出力する正弦波発生部と、前記正弦波発生部から出力された正弦波電圧を増幅する電流増幅部と、前記電流増幅部から出力された正弦波電圧の直流成分をカットする直流カット部と、前記直流カット部から出力された正弦波電圧を基に直流バイアス電圧を通常交流電圧の半値に設定する直流バイアス部と、前記直流バイアス部から出力された正弦波電圧を増幅しこの増幅した正弦波電圧を直流電源装置の正負出力端子に検査電圧として印加する第2の電流増幅部と、前記直流電源装置の負端子と第2電流増幅部の負端子間に流れる電流を検出する電流検出部と、前記電流検出部により検出した電流の発生電圧を増幅する電圧増幅部と、前記電圧増幅部の正端子と前記第2電流増幅部の正端子間を接続し、前記電流検出部により検出した抵抗分の電流に対し、同一位相の電圧を所定の帰還係数をもって帰還させることにより検査電圧と同一位相の電流分の増幅率を低下させる帰還部と、前記電圧増幅部の出力電圧を電圧レベルでスライスして出力するレベル弁別部と、このレベル弁別部の出力に応じた検出容量値等を表示する表示部とを備え、前記帰還部が、前記電流検出部により検出した抵抗分の電流に対して同一位相の電圧を所定の帰還係数をもって帰還させることにより位相電流分の増幅率を低下させ、前記検査電流の前記抵抗素子による実数分電流を除去することにより、前記容量素子による虚数分電流のみを得ることを第4の特徴とする。
本発明による直流電源装置の逆流防止用素子検査ユニットは、容量素子と抵抗素子と整流素子とを並列接続した等価回路として表され、正弦波電圧に対する前記容量素子による虚数分電流と前記抵抗素子による実数分電流とが電流ベクトルの位相差をもって検出されることを利用して、ダイオード等の電流逆流防止用素子を複数並列接続した直流電源装置の逆流防止用素子のオープンモード故障及びショートモード故障を検出するものであって、所定値の直流電圧と断続した正弦波交流電圧を重畳させた検査電圧を被試験電源装置の正負端子に印加し検査電流の前記抵抗素子による実数分電流を低減もしくは除去することにより、直流電源装置の物理的インタフェースを変更することなく、並列接続された逆流防止用素子の故障を容易に検査することができる。
以下、本発明の一実施形態による二重化電源装置の逆流防止用素子検査ユニットを説明するが、まず、ダイオードを逆流防止素子として用いた直流電源装置の特性を
図1から図4を参照して説明する。
まず、逆流防止用素子として良く使用されるショットキーバリアダイオードは、電流を一方向のみに流す整流機能を有し、PN接合ダイオードと比べて、接合容量が大きい(DC2.5Vの逆電圧印加状態で、約2000pF)特徴と、逆漏れ電流が大きい(DC2.5Vの逆電圧印加状態で、約1mAの漏れ電流)特徴と、電圧ドロップが小さい(順方向電流1Aで約0.2V)特徴と、スイッチング速度が速い特徴がある。上記の数値は、30A/素子−15V定格のショットキーバリアダイオードの例である。
図1から図4を参照して説明する。
まず、逆流防止用素子として良く使用されるショットキーバリアダイオードは、電流を一方向のみに流す整流機能を有し、PN接合ダイオードと比べて、接合容量が大きい(DC2.5Vの逆電圧印加状態で、約2000pF)特徴と、逆漏れ電流が大きい(DC2.5Vの逆電圧印加状態で、約1mAの漏れ電流)特徴と、電圧ドロップが小さい(順方向電流1Aで約0.2V)特徴と、スイッチング速度が速い特徴がある。上記の数値は、30A/素子−15V定格のショットキーバリアダイオードの例である。
本実施形態の対象となる逆流防止ダイオード付の二重化電源装置の実態回路図を図1に示す。本電源装置を出力端子側より電源側を見た場合の等価回路は、図2に示す如く、ショットキーバリアダイオードの等価回路(理想ダイオードD、抵抗RDと容量CDが並列接続された回路)と、出力端子の等価回路(濾波用コンデンサCFとブリーダ抵抗RFが並列接続)が直列に接続されたもので表すことができる。前記濾波コンデンサCFの容量は、直列に接続されたショットキーバリアダイオードの全接合容量(CD×N)に比して通常106倍も桁違いに大きい値である。よって、出力端子側よりみた二重化電源装置の等価容量Coは、ほぼショットキーバリアダイオードの全接合容量に等しく、かつ、この容量は、1素子当たりの容量の並列使用数倍となる。
この関係を等価式で表した場合、ダイオード検査の逆バイアス電圧として必要な検査電圧の直流分電圧をVD、検査電圧の交流分電圧をVA(「VD−VA≧0」の条件を満たすものとする。)、ダイオードの並列数をN、ダイオードの1素子当たりの接合容量をCD、濾波用コンデンサ容量をCF、ダイオードの1素子当たりの漏れ抵抗をRD、ブリーダ抵抗値をRF、合成インピーダンスをZとして表した場合、「Co≒N×CD、Ro=RD/N」、正弦波電圧の角周波数をωとすると
Z≒(a+b)-jω(c+d) ----式1
と表すことができる。
ここで、aからdは次の通りである。
a=RF/(1+ω2・CF2・RF2),
b=Ro/(1+ω2・CD2・RD2)
c=CF・RF2/(1+ω2・CF2・RF2)
d=Co・Ro2/(1+ω2・CD2・RD2)
Z≒(a+b)-jω(c+d) ----式1
と表すことができる。
ここで、aからdは次の通りである。
a=RF/(1+ω2・CF2・RF2),
b=Ro/(1+ω2・CD2・RD2)
c=CF・RF2/(1+ω2・CF2・RF2)
d=Co・Ro2/(1+ω2・CD2・RD2)
次に、ダイオードが1素子ショートモード故障(短絡故障)の場合の出力端子からみた等価回路は、図3に示す如く、ダイオードが短絡しているため、等価容量は濾波コンデンサCFの容量となる。このため容易に正常品と判別することができる。この関係を等価式で表した場合、式1より
Z≒RF−jωCF ----式2
として表すことができる。
Z≒RF−jωCF ----式2
として表すことができる。
更に、ダイオードがオープンモード故障(断線故障)の場合の出力端子からみた等価回路を、図4に示す如く、等価容量Coがショットキーバリアダイオードの接合容量/素子(使用素子数−1)倍の容量となり、式1よりインピーダンスはCoの関数であるので等価容量Coを測定すればオープンモード故障の素子数を容易に判別できることになる。
この関係を等価式で表した場合、「Co≒(N−1)×CD」のため、これを式1に代入すれば「Z≒(a+b‘)−jω(c+d’)」となり、電流iは、V/Zとして表すことができる。b‘およびd‘はショットキーバリアダイオードの並列数の関数なので検査時の被検査電源に流入する電流は、図8に示す如く、
容量成分による電流ii=VA・K1/(Co・RD2)
と抵抗成分による電流ir=VA・K1/RDの合成成分となる。
ここで K1=1+(ω・CD・RD)2であり、測定角周波数(ω)を適正に選択すれば、前記抵抗成分による影響を極力排除でき、また電流irを除去すれば、ショットキーバリアダイオードの接合容量の変化を測定することが可能となることが明白である。
容量成分による電流ii=VA・K1/(Co・RD2)
と抵抗成分による電流ir=VA・K1/RDの合成成分となる。
ここで K1=1+(ω・CD・RD)2であり、測定角周波数(ω)を適正に選択すれば、前記抵抗成分による影響を極力排除でき、また電流irを除去すれば、ショットキーバリアダイオードの接合容量の変化を測定することが可能となることが明白である。
[本実施形態による検査電流及び検査周波数]
次に、図2及び図5を参照してショットキーバリアダイオードに流入する本実施形態による検査電流と検査周波数を説明する。今、接合容量の下限値を100pF、印加電圧Vac=2.5V、検出電流Iac=5mAとすると、I=ωCVの関係より、F=3.18MHzとMHzレベルの正弦波発生器が必要となることが判る。この周波数の正弦波電圧は、公知なクラップ回路、コルピッツ回路等により必要な周波数の検査電圧を得ることができるが、LC共振回路と励起回路との組合せによって構成することでも良い。本発明による検査手法では連続した正弦波電圧を発生させる必要はなく、部分的時間の正弦波電圧により検査することにより、目的とする容量を測定できる。これは検査時における消費電力低減、被検査直流電源へのストレス低減等を行うことができる有用な技術である。
次に、図2及び図5を参照してショットキーバリアダイオードに流入する本実施形態による検査電流と検査周波数を説明する。今、接合容量の下限値を100pF、印加電圧Vac=2.5V、検出電流Iac=5mAとすると、I=ωCVの関係より、F=3.18MHzとMHzレベルの正弦波発生器が必要となることが判る。この周波数の正弦波電圧は、公知なクラップ回路、コルピッツ回路等により必要な周波数の検査電圧を得ることができるが、LC共振回路と励起回路との組合せによって構成することでも良い。本発明による検査手法では連続した正弦波電圧を発生させる必要はなく、部分的時間の正弦波電圧により検査することにより、目的とする容量を測定できる。これは検査時における消費電力低減、被検査直流電源へのストレス低減等を行うことができる有用な技術である。
[擬似抵抗及びブリーダ抵抗電流の排除]
次に、漏れ電流分による擬似抵抗及びブリーダ抵抗電流の排除について説明するため、ショットキーバリアダイオードの漏れ電流、つまり並列に接続されている擬似的な抵抗分RD及び直流電源のブリーダ抵抗RFによる検出電流の影響を説明する。本実施形態によるインピーダンスZは、前記式1にて示されるように、VA/(a+b)の実数分とVA/(c+d)による虚数分の合計電流である。今、電流iのピーク値で電流値の判定を行おうとする場合、(a+b)値が低いと抵抗側の影響が大きくなり、実質的な容量分での電流を測定できなくなる。
次に、漏れ電流分による擬似抵抗及びブリーダ抵抗電流の排除について説明するため、ショットキーバリアダイオードの漏れ電流、つまり並列に接続されている擬似的な抵抗分RD及び直流電源のブリーダ抵抗RFによる検出電流の影響を説明する。本実施形態によるインピーダンスZは、前記式1にて示されるように、VA/(a+b)の実数分とVA/(c+d)による虚数分の合計電流である。今、電流iのピーク値で電流値の判定を行おうとする場合、(a+b)値が低いと抵抗側の影響が大きくなり、実質的な容量分での電流を測定できなくなる。
このため本実施形態においては、図7に示すように、正弦波電圧に対する抵抗分と容量分との電流ベクトルの位相差を利用し、抵抗分の電流を検出時マスクすることによって、容量分による電流値のみを容易に得ることができる。具体的には、電圧発生器の電圧を検出回路に負帰還させ、抵抗分による電流による検出電圧の電圧閾値を上昇させること、つまり抵抗分による電流の電圧増幅部の増幅率を低下させることによって、容量分による電流値のみを検出することができる。この容量分による電流値のみの検出は、電圧発生器のプラス(+)パート期間だけ、検出をマスクすることによって電圧と同位相期間は電圧増幅部の出力電圧を発生させないよう構成することでも可能である。
このように本実施形態による二重化直流電源装置の逆流防止用素子検査ユニットは、図5のB部を拡大した図6に示す如く、1周期で正弦波電圧の発生期間(デューティ)を約10%〜約20%に設定した正弦波発生器を使用することによって前記検査電流及び検査電圧を得、この1周期で正弦波電圧の発生期間(デューティ)を約10%〜約20%に設定した正弦波発生器を用いると共に、電圧発生器の電圧を検出回路に負帰還させ、抵抗分による電流による電圧閾値を上昇させること(抵抗分による電流の電圧増幅部の増幅率を低下させること)によって、並列接続されたショットキーダイオード容量分での電流値のみを検出することができる。
このように構成された二重化直流電源装置の逆流防止用素子検査ユニットは、図9に示す如く、検査対象である電源装置17の各種検査を行う自動電源検査機12に接続され、電源装置17の出力端子に接続された状態で、電源装置17に内蔵された逆流防止用に並列接続された複数のショットキーバリアダイオードの良否を検査することが可能となる。
[具体的回路構成]
次に、本実施形態による二重化直流電源装置の逆流防止用素子検査ユニットの具体的構成を図8を参照して説明する。本実施形態による逆流防止用素子検査ユニットは、図8に示す如く、基準となる矩形波パルス電圧(VP)を発生するパルス発生部2と、前記矩形波パルス電圧VPが「HIGH」の期間のみ正弦波電圧を出力する正弦波発生部3と、出力された正弦波電圧を電流増幅する第1の電流増幅部4と、出力された正弦波電圧の直流成分をカットする直流カット部5と、この直流成分をカットした正弦波電圧を基に直流バイアス電圧を通常交流電圧の1/2に設定する直流バイアス部6と、前記直流バイアス部6から出力された正弦波電圧を電流増幅し、この増幅した正弦波電圧(図6の「直流分+交流分」)を(+)プローブ14及び(−)プローブ15を経由して被測定電源装置17へ検査電圧VSとして(+)及び(−)端子に印加する第2の電流増幅部7と、前記被測定電源装置17の(−)端子と第2の電流増幅部7の出力端子間に挿入され、通流する電流を検出するための低抵抗素子である電流検出部11と、この電流検出部11によりの発生電圧VCを増幅する電圧増幅部8と、この電圧増幅部8の(+)入力端子と前記電流増幅部7の(+)端子間を前記電流検出部11により検出した抵抗分の電流に対し、同一位相の電圧を帰還係数αをもって帰還させる帰還部13を接続する。これにより抵抗分の電流位相分の増幅率を低下させる動作を行う。前記電圧増幅部8の出力電圧を電圧レベルでスライスし、自動電源検査機12他に出力するレベル弁別部9と、このレベル弁別部9の出力に応じた検出容量値等を表示する表示部10とによって、一点鎖線で囲ったブロックで示す逆流防止用素子検査ユニット1を構成する。
次に、本実施形態による二重化直流電源装置の逆流防止用素子検査ユニットの具体的構成を図8を参照して説明する。本実施形態による逆流防止用素子検査ユニットは、図8に示す如く、基準となる矩形波パルス電圧(VP)を発生するパルス発生部2と、前記矩形波パルス電圧VPが「HIGH」の期間のみ正弦波電圧を出力する正弦波発生部3と、出力された正弦波電圧を電流増幅する第1の電流増幅部4と、出力された正弦波電圧の直流成分をカットする直流カット部5と、この直流成分をカットした正弦波電圧を基に直流バイアス電圧を通常交流電圧の1/2に設定する直流バイアス部6と、前記直流バイアス部6から出力された正弦波電圧を電流増幅し、この増幅した正弦波電圧(図6の「直流分+交流分」)を(+)プローブ14及び(−)プローブ15を経由して被測定電源装置17へ検査電圧VSとして(+)及び(−)端子に印加する第2の電流増幅部7と、前記被測定電源装置17の(−)端子と第2の電流増幅部7の出力端子間に挿入され、通流する電流を検出するための低抵抗素子である電流検出部11と、この電流検出部11によりの発生電圧VCを増幅する電圧増幅部8と、この電圧増幅部8の(+)入力端子と前記電流増幅部7の(+)端子間を前記電流検出部11により検出した抵抗分の電流に対し、同一位相の電圧を帰還係数αをもって帰還させる帰還部13を接続する。これにより抵抗分の電流位相分の増幅率を低下させる動作を行う。前記電圧増幅部8の出力電圧を電圧レベルでスライスし、自動電源検査機12他に出力するレベル弁別部9と、このレベル弁別部9の出力に応じた検出容量値等を表示する表示部10とによって、一点鎖線で囲ったブロックで示す逆流防止用素子検査ユニット1を構成する。
なお、前記パルス発生部2のオン期間は、正弦波発生部3で生成される正弦波電圧の数サイクル期間としており、例えば、正弦波発生部の発生周波数を3MHzとした場合、1uSオン、9uSオフとするパルス電圧とすることにより、発生パルスをデューティ10%の間欠発振とするように構成する。前記電圧増幅部8で検出する電圧は、ピーク値(印加電圧が正弦波電圧なので電流波形も正弦波であり、「ピーク値=実効値」でもあることによる。)であるので簡単な構成で検出することができ、前記帰還部13の動作を、「0」又は「1」のディジタル的パルス動作とし、電圧と同一位相帰還でマスクする構成とすれば完全に増幅率をゼロとすることもできる。
[動作]
このように構成された逆流防止用素子検査ユニット1は、パルス発生部2が矩形波パルス電圧(VP)を正弦波発生部3に印加することによって、正弦波発生部3が印加された矩形波パルス電圧VPが「HIGH」の期間のみ正弦波電圧を出力し、この正弦波発生部3が出力した正弦波電圧を電流増幅部4が増幅し、この増幅した正弦波電圧の直流成分を直流カット部5がカットして出力し、第2の電流増幅部7が前記直流成分がカットされた正弦波電圧VSを増幅して出力する。
このように構成された逆流防止用素子検査ユニット1は、パルス発生部2が矩形波パルス電圧(VP)を正弦波発生部3に印加することによって、正弦波発生部3が印加された矩形波パルス電圧VPが「HIGH」の期間のみ正弦波電圧を出力し、この正弦波発生部3が出力した正弦波電圧を電流増幅部4が増幅し、この増幅した正弦波電圧の直流成分を直流カット部5がカットして出力し、第2の電流増幅部7が前記直流成分がカットされた正弦波電圧VSを増幅して出力する。
次に、逆流防止用素子検査ユニット1は、前記電流増幅部7から出力した図6に示す電圧(直流分+交流分)を(+)プローブ14と(−)プローブ15を経由して電源装置17のそれぞれ検査電圧VSとして+,−端子に印加すると、電源装置17の並列された複数のショットキーダイオードの状態(オープンモード故障とショートモード故障)によって、前記電流検出部11に流れる電流値に含まれる抵抗分の電流を正弦波電圧に対する抵抗分と容量分での電流ベクトルの位相差を利用して抵抗分の電流を検出時にマスクし複数のショットキーダイオードの容量分による電流値のみを容易に検出することができる。すなわち、検査時の被検査電源に流入する電流が、容量成分による電流ii(=VA/(c+d))と抵抗成分による電流ir(=VA/(a+b)の合成成分として検出されるため、前記抵抗成分による電流irを除去することによって、ショットキーバリアダイオードの接合容量の変化を測定することができる。
自動電源検査機12には、多種の直流電源装置毎の基礎データ(ダイオードの並列使用数、接合容量値)が入力及び蓄積されているため、レベル弁別部9からの信号と突合せ処理を行うことにより、ショートモード故障のみでなく、オープン故障の判定も行うことができる。この検査時間は、検査周波数より数10uS程度で終了するため従来の検査時間が大きく増加することも無い。
なお、前述の実施形態においては、被検査対象素子としてショットキーバリアダイオードを例に挙げたが、本発明の対象とする被検査対象素子はショットキーバリアダイオードに限られるものではなく、例えば、漏れ電流が小さいMOS−FET(電界効果トランジスタ)を逆流防止用素子として使用した二重化直流電源装置に対してもショットキーバリアダイオードの接合容量に対応する出力容量Cossが同等レベルのため、前述した逆流防止用素子検査ユニットによる検査を行うことができる。
なおVBB16は、検査ユニット動作用バイアス電圧である。
なおVBB16は、検査ユニット動作用バイアス電圧である。
1 逆流防止用素子検査ユニット、2 パルス発生部、3 正弦波発生部、
4 電流増幅部、5 直流カット部、6 直流バイアス部、7 電流増幅部、
8 電圧増幅部、9 レベル弁別部、10 表示部、11 電流検出部、
12 自動電源検査機、13 帰還部、14 (+)プローブ、
15 (−)プローブ、16 バイアス電圧 17 被測定電源装置
4 電流増幅部、5 直流カット部、6 直流バイアス部、7 電流増幅部、
8 電圧増幅部、9 レベル弁別部、10 表示部、11 電流検出部、
12 自動電源検査機、13 帰還部、14 (+)プローブ、
15 (−)プローブ、16 バイアス電圧 17 被測定電源装置
Claims (4)
- 容量素子と抵抗素子と整流素子とを並列接続した等価回路として表される電流逆流防止用素子を複数並列接続した直流電源装置の逆流防止用素子のオープンモード故障及びショートモード故障を検査する逆流防止用素子検査ユニットであって、所定値の直流電圧と断続した正弦波交流電圧を重畳させた検査電圧を前記電源装置の正負出力端子に印加し、この検査電圧の印可に伴う前記検査電流の前記抵抗素子による実数分電流を低減もしくは除去することにより、前記容量素子による虚数分電流のみを得る逆流防止用素子検査ユニット。
- 前記直流電源装置の前記検査電流の電圧を増幅する電圧増幅部を有し、前記直流電源装置に印加する正弦波交流電圧の正電圧を前記電圧増幅部の正端子に帰還し、前記印加する正弦波交流電圧と同一位相分の電流分の検出感度を低下させることにより、前記検査電流の前記抵抗素子による実数分電流を低減もしくは除去するように構成した請求項1記載の逆流防止用素子検査ユニット。
- 前記直流電源装置の前記検査電流の電圧を増幅する電圧増幅部を有し、前記直流電源装置に印加する正弦波交流電圧の正電圧を前記電圧増幅部の正端子にディジタル的パルス動作「0」又は「1」で帰還し、前記印加する正弦波交流電圧と同一位相分の電流分の検出感度を低下させることにより、前記検査電流の前記抵抗素子による実数分電流を除去するように構成した請求項1記載の逆流防止用素子検査ユニット。
- 基準となる矩形波パルス電圧を発生するパルス発生部と、前記矩形波パルス電圧が「HIGH」の期間のみ正弦波電圧を出力する正弦波発生部と、前記正弦波発生部から出力された正弦波電圧を増幅する電流増幅部と、前記電流増幅部から出力された正弦波電圧の直流成分をカットする直流カット部と、前記直流カット部から出力された正弦波電圧を基に直流バイアス電圧を通常交流電圧の半値に設定する直流バイアス部と、前記直流バイアス部から出力された正弦波電圧を増幅しこの増幅した正弦波電圧を直流電源装置の正負出力端子に検査電圧として印加する第2の電流増幅部と、前記直流電源装置の負端子と第2電流増幅部の負端子間に流れる電流を検出する電流検出部と、前記電流検出部により検出した電流の発生電圧を増幅する電圧増幅部と、前記電圧増幅部の正端子と前記第2電流増幅部の正端子間を接続し、前記電流検出部により検出した抵抗分の電流に対し、同一位相の電圧を所定の帰還係数をもって帰還させることにより検査電圧と同一位相の電流分の増幅率を低下させる帰還部と、前記電圧増幅部の出力電圧を電圧レベルでスライスして出力するレベル弁別部と、このレベル弁別部の出力に応じた検出容量値等を表示する表示部とを備え、前記帰還部が、前記電流検出部により検出した抵抗分の電流に対して同一位相の電圧を所定の帰還係数をもって帰還させることにより位相電流分の増幅率を低下させ、前記検査電流の前記抵抗素子による実数分電流を除去することにより、前記容量素子による虚数分電流のみを得る逆流防止用素子検査ユニット。
Priority Applications (1)
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JP2010189878A JP2012047591A (ja) | 2010-08-26 | 2010-08-26 | 二重化電源装置の逆流防止用素子検査ユニット |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2010189878A Withdrawn JP2012047591A (ja) | 2010-08-26 | 2010-08-26 | 二重化電源装置の逆流防止用素子検査ユニット |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107976616A (zh) * | 2017-08-25 | 2018-05-01 | 深圳奥特迅电力设备股份有限公司 | 一种智能充电模块输出二极管故障检测方法及装置 |
WO2020116236A1 (ja) * | 2018-12-06 | 2020-06-11 | 日本電産リード株式会社 | 検査装置、検査方法、及び検査装置用プログラム |
-
2010
- 2010-08-26 JP JP2010189878A patent/JP2012047591A/ja not_active Withdrawn
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A711 | Notification of change in applicant |
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