JP2012046561A - インクジェット記録方法、印刷物、成形印刷物の製造方法、及び、成形印刷物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アルミニウム金属顔料を含有するインク組成物Aをノズル径が30μm以上100μm以下のノズルで吐出して被記録媒体上に画像を形成する画像形成工程Aと、吐出されたインク組成物Aに活性放射線を照射して硬化させる硬化工程Aと、前記アルミニウム金属顔料以外の着色剤を含有するインク組成物Bをノズル径が10μm以上30μm未満のノズルで吐出して被記録媒体上に画像を形成する画像形成工程Bと、吐出されたインク組成物Bに活性放射線を照射して硬化させる硬化工程Bと、を含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
【選択図】なし
Description
金属顔料を含有するインク組成物として、特許文献1及び2に記載されたインク組成物が挙げられる。
<1>アルミニウム金属顔料を含有するインク組成物Aをノズル径が30μm以上100μm以下のノズルで吐出して被記録媒体上に画像を形成する画像形成工程Aと、吐出されたインク組成物Aに活性放射線を照射して硬化させる硬化工程Aと、前記アルミニウム金属顔料以外の顔料を含有するインク組成物Bをノズル径が10μm以上30μm未満のノズルで吐出して被記録媒体上に画像を形成する画像形成工程Bと、吐出されたインク組成物Bに活性放射線を照射して硬化させる硬化工程Bと、を含むことを特徴とするインクジェット記録方法、
<2>前記アルミニウム金属顔料の体積平均粒子径が0.2〜2.0μmである、<1>に記載のインクジェット記録方法、
<3>前記インク組成物A及び前記インク組成物Bが、重合性化合物、及び、光重合開始剤を含有する、<1>又は<2>に記載のインクジェット記録方法、
<4>前記インク組成物A及び前記インク組成物Bが、ラジカル重合性のインク組成物又はカチオン重合性のインク組成物である、<1>〜<3>いずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<5><1>〜<4>いずれか1つに記載のインクジェット記録方法により得られた印刷物、
<6>アルミニウム金属顔料を含有するインク組成物Aをノズル径が30μm以上100μm以下のノズルで吐出して被記録媒体上に画像を形成する画像形成工程Aと、吐出されたインク組成物Aに活性放射線を照射して硬化させる硬化工程Aと、前記アルミニウム金属顔料以外の顔料を含有するインク組成物Bをノズル径が10μm以上30μm未満のノズルで吐出して被記録媒体上に画像を形成する画像形成工程Bと、吐出されたインク組成物Bに活性放射線を照射して硬化させる硬化工程Bと、硬化した画像を有する前記被記録媒体を成形加工する成形加工工程と、を含むことを特徴とする成形印刷物の製造方法、
<7>前記アルミニウム金属顔料の体積平均粒子径が0.2〜2.0μmである、<6>に記載の成形印刷物の製造方法、
<8>前記インク組成物A及び前記インク組成物Bが、重合性化合物、及び、光重合開始剤を含有する、<6>又は<7>に記載の成形印刷物の製造方法、
<9>前記インク組成物A及び前記インク組成物Bが、ラジカル重合性のインク組成物又はカチオン重合性のインク組成物である、<6>〜<8>いずれか1つに記載の成形印刷物の製造方法、
<10><6>〜<9>いずれか1つに記載の成形印刷物の製造方法により得られた成形印刷物。
なお、明細書中、数値範囲を表す「X〜Y」の記載は、特に断りのない限り、「X以上Y以下」と同義である。また、「(メタ)アクリレート」等の記載は、「メタクリレート及び/又はアクリレート」等と同義である。また、単に「インク組成物」と記載した場合には、インク組成物Aとインク組成物Bとの両方を意味する。まず、本発明に用いられるインク組成物について説明する。
本発明に使用されるインク組成物は、活性放射線により硬化可能な油性のインク組成物である。「活性放射線」とは、その照射によりインク組成物中に開始種を発生させるエネルギーを付与できる放射線であり、α線、γ線、X線、紫外線、可視光線、電子線などを包含する。中でも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点から紫外線及び電子線が好ましく、紫外線がより好ましい。
インク組成物は、活性放射線により硬化するインク組成物であればよく、ラジカル重合性又はカチオン重合性であることが好ましい。まず、ラジカル重合性インク組成物について説明した後、カチオン重合性インク組成物について説明する。
ラジカル重合性のインク組成物は、アルミニウム金属顔料又はアルミニウム金属顔料以外の着色剤、ラジカル重合性化合物、及び、ラジカル重合開始剤を含有する。以下、各成分について説明する。
インク組成物Aは、アルミニウム金属顔料を含有する。
アルミニウム金属顔料として、公知のいずれのアルミニウム粉を適宜選択して使用することができる。アルミニウム粉は、いずれの製造方法により製造されたものでもよい。アルミニウム粉の製造方法としては、例えば、アルミニウム地金を展延しながら破砕加工する方法、アルミニウムを薄いフィルムに蒸着し、それを粉末にする方法、光輝性の良い箔を極めて精密に粉末にする方法等が例示できるが、本発明はこれに限定されるものではない。また、添加するアルミニウム粉は、ペースト状又は粉体のいずれの形状であってもよい。ペースト状のアルミニウム粉としては、炭化水素系溶媒(例えばエチルアセテート)に分散され、ペースト状となっているものが例示される。
ビーズ(分散メディア)としては、ガラスビーズ、ステンレスビーズ、アルミナビーズ、ジルコニアビーズ等が例示でき、これらの中でもビーズ(分散メディア)としてジルコニアビーズを使用することが好ましい。ジルコニアビーズは強度及び硬度に優れ、ビーズ(分散メディア)の切削粉の発生が少ないので好ましい。
酸性顔料親水基としてはカルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基が例示できる。
高分子としては、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリエステル又はこれらの変性物が例示できる。
このような分散剤は、上市されており、DISPERBYK−102、DISPERBYK−110、DISPERBYK−111、DISPERBYK−112、DISPERBYK−180(以上、ビックケミー社製)、Solsperse26000、Solsperse36000、Solsperse41000(以上、Lubrizol社製)が例示できる。また、分散剤は一種単独で使用することもできるし、二種以上を併用することもできる。
特に好ましい例としては、EO鎖を含む分散媒として、トリエチレングリコールジビニルエーテル(RAPI−CURE DVE−3、アイエスピー・ジャパン(株)製)、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート(EOEOEA)、及び、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(EOTMPTA)等が挙げられる。
PO鎖を含む分散媒として、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ポリプロピレングリコールジアクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート(NPGPODA)、ジプロピレングリコールジアクリレート(DPGDA)、トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、及び、アルコキシ化テトラヒドロフルフリルアクリレート(CD611、サートマー社製)等が挙げられる。
ベンゼン環を含む分散媒として、フェノキシエチルアクリレート(PEA)、フェノキシエチルオキシエチルアクリレート(EBECRYL110、ダイセル・サイテック(株)性)、及び、OXT−211(東亞合成(株)製)等が挙げられる。
インク組成物Bは、アルミニウム金属顔料以外の着色剤(以下、単に「着色剤」ともいう。)を含有する。本発明において、インク組成物Aとインク組成物Bとを併用することで、金属光沢画像に様々なカラーバリエーションを持たせることができる。
着色剤としては、特に制限はないが、耐候性に優れ、色再現性に富んだ顔料及び油溶性染料が好ましく、溶解性染料等の公知の着色剤から任意に選択して使用できる。
本発明に使用できる顔料としては、特に限定されるわけではないが、例えばカラーインデックスに記載される下記の番号の有機又は無機顔料が使用できる。赤又はマゼンタ顔料としては、Pigment Red 3,5,19,22,31,38,42,43,48:1,48:2,48:3,48:4,48:5,49:1,53:1,57:1,57:2,58:4,63:1,81,81:1,81:2,81:3,81:4,88,104,108,112,122,123,144,146,149,166,168,169,170,177,178,179,184,185,208,216,226,257、Pigment Violet 3,19,23,29,30,37,50,88、Pigment Orange 13,16,20,36、青又はシアン顔料としては、Pigment Blue 1,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,17−1,22,27,28,29,36,60、緑顔料としては、Pigment Green 7,26,36,50、黄顔料としては、Pigment Yellow 1,3,12,13,14,17,34,35,37,55,74,81,83,93,94,95,97,108,109,110,120,137,138,139,153,154,155,157,166,167,168,180,185,193、黒顔料としては、Pigment Black 7,28,26などが目的に応じて使用できる。
酸化チタンは、特に限定されず、白色顔料として使用されている公知の酸化チタンから適宜選択して使用することができる。ルチル型二酸化チタン及びアナターゼ型二酸化チタンのいずれも使用することができるが、触媒活性能が低く、経時安定性に優れる点から、ルチル型二酸化チタンが好ましく使用される。
酸化チタンは上市されており、例えば、Tipaque CR60−2、Tipaque A−220(いずれも、石原産業(株)製)や、KRONOS1001、1014、1071、1074、1075、1077、1078、1080、1171、2044、2047、2056、2063、2080、2081、2084、2087、2160、2190、2211、2220、2222、2225、2230、2233、2257、2300、2310、2450、2500、3000、3025(いずれも、KRONOS社製)等が例示できる。
また、酸化チタンは、必要に応じて表面処理を行ってもよい。具体的には、例えば、シリカ、アルミナ、亜鉛、ジルコニア、有機物処理が行われ、処理方法によって耐候性や親油水性が異なる。本発明においてはアルミナ、亜鉛、ジルコニア、塩基性有機物処理されたものが好ましい。
分散染料の好ましい具体例としては、C.I.ディスパースイエロー 5,42,54,64,79,82,83,93,99,100,119,122,124,126,160,184:1,186,198,199,201,204,224及び237;C.I.ディスパーズオレンジ 13,29,31:1,33,49,54,55,66,73,118,119及び163;C.I.ディスパーズレッド 54,60,72,73,86,88,91,92,93,111,126,127,134,135,143,145,152,153,154,159,164,167:1,177,181,204,206,207,221,239,240,258,277,278,283,311,323,343,348,356及び362;C.I.ディスパーズバイオレット 33;C.I.ディスパーズブルー 56,60,73,87,113,128,143,148,154,158,165,165:1,165:2,176,183,185,197,198,201,214,224,225,257,266,267,287,354,358,365及び368;並びにC.I.ディスパーズグリーン 6:1及び9;等が挙げられる。
本発明において、溶剤が硬化画像に残留する場合の耐溶剤性の劣化、及び、残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound:揮発性有機化合物)の問題を避けるためにも、着色剤は、重合性化合物のような分散媒体に予め添加して、配合することが好ましい。なお、分散適性の観点のみを考慮した場合、着色剤の添加に使用する重合性化合物は、最も粘度の低いモノマーを選択することが好ましい。着色剤はインク組成物Bの使用目的に応じて、1種又は2種以上を適宜選択して用いればよい。
インク組成物B中における着色剤の含有量は、色、及び使用目的により適宜選択されるが、インク組成物B全体の重量に対し、0.01〜30重量%であることが好ましい。
本発明のインク組成物は、分散剤を含有してもよい。特に着色剤として顔料を使用する場合において、顔料をインク組成物中に安定に分散させるため、分散剤を含有することが好ましい。分散剤としては、高分子分散剤が好ましい。
インク組成物B中における分散剤の含有量は、使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の重量に対し、0.05〜15重量%であることが好ましい。
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態を持つものが含まれる。このようなラジカル重合性化合物は1種のみ用いてもよく、また目的とする特性を向上するために任意の比率で2種以上を併用してもよい。また、単官能化合物と多官能化合物を使用することがより好ましい。
単官能モノマーとしては、ラジカル重合性のエチレン性不飽和基を分子内に1つ有する化合物が好ましく、(メタ)アクリレート基、(メタ)アクリルアミド基、ビニルオキシ基及びN−ビニル基よりなる群から選択されるエチレン性不飽和基を1つ有する単官能モノマーがより好ましい。単官能モノマーを含有することで、硬化性、及び、柔軟性に優れた画像が得られる。単官能モノマーとしては、式(b−1)で表される化合物、式(b−2)で表される化合物、及び、芳香族単官能モノマー等が好ましく挙げられる。
本発明のインク組成物は、好ましくは式(b−1)で表される化合物を含有する。式(b−1)で表される化合物を含有することにより、硬化性、及び、膜硬度が高い画像が得られるインク組成物が得られる。
Xは、単結合、アルキレン基、オキシアルキレン基若しくは前記オキシアルキレン基を2以上組み合わせた基、エステル結合、又は、これらを2以上組み合わせた基を表す。
前記アルキレン基は、炭素数1〜10のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜8のアルキレン基がより好ましい。
オキシアルキレン基若しくは前記オキシアルキレン基を2以上組み合わせた基は、式(b−1)における(メタ)アクリロイルオキシ基の酸素原子にアルキレン基側が結合する基である。オキシアルキレン基に含まれるアルキレン基としては、直鎖又は分岐を有する炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、炭素数2又は3の直鎖又は分岐を有するアルキレン基がより好ましく、イソプロピレン基が更に好ましい。オキシアルキレン基を2個以上組み合わせる場合には、10個以下が好ましく、5個以下がより好ましい。
X中に、エステル結合(−COO−又は−OCO−)を含む場合には、Xは、前記アルキレン基とエステル結合とを組み合わせた基であることが好ましい。すなわち、R2及びR3が結合する炭素原子に酸素原子が結合するオキシカルボニルアルキレン基であることが好ましい。
前記アルキル基としては、直鎖又は分岐を有する炭素数1〜10のアルキル基が好ましい。前記アルコキシ基としては、直鎖又は分岐を有する炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基がより好ましい。前記アミノ基には、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基が含まれ、当該アルキル基は、直鎖又は分岐を有する炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。アミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基が好ましい。アミノアルキル基に含まれるアミノ基は、前記アミノ基と同様である。すなわち、アミノアルキル基には、モノアルキルアミノアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基が含まれる。アミノアルキル基のアミノ基を除いたアルキル基の部分は、炭素数1〜3のアルキルが好ましい。アミノアルキル基としては、ジメチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基、ジイソプロピルアミノメチル基が好ましい。
本発明のインク組成物は、好ましくは式(b−2)で表される化合物を含有する。
本発明のインク組成物は、単官能モノマーとして好ましくは芳香族単官能モノマーを含有する。芳香族単官能モノマーとしては、分子内に1つのラジカル重合性のエチレン性不飽和基と少なくとも1つの芳香族基を有するモノマーが好ましく、分子内に1つの(メタ)アクリロイルオキシ基又は(メタ)アクリルアミド基と、少なくとも1つの芳香族炭化水素基を有するモノマーがより好ましい。芳香族単官能モノマーの具体例としては、特開2009−096985号公報の段落0048〜0063に記載された、芳香族単官能ラジカル重合性モノマーが好ましく挙げられる。中でも、芳香族単官能ラジカル重合性モノマーとしては、式(b−3)で表される化合物が好ましい。
X1は二価の連結基を表し、エーテル基(−O−)、エステル基(−C(O)O−若しくは−OC(O)−)、アミド基(−C(O)NR’−)、カルボニル基(−C(O)−)、イミノ基(−NR’−)、置換基を有していてもよい炭素数1〜15のアルキレン基、又は、これらを2以上組み合わせた二価の基であることが好ましい。なお、R’は水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状若しくは環状アルキル基、又は、炭素数6〜20のアリール基を表す。
式(b−3)中、X1のビニル基と結合する端部は、X1のカルボニル炭素とエチレン性不飽和基とが結合するエステル基又はアミド基であることが好ましく、より好ましくはエステル結合である。特に、H2C=C(R1)−C(O)O−の構造を有するものであることが好ましい。その場合、X1の他の部分は、単結合であっても、前記の基から任意に選択したものであってもよい。
R1及びX1を含む部分(H2C=C(R1)−X1−)は、芳香族炭化水素基Ar上の任意の位置で結合することができる。
また、アルミニウム金属顔料、又は、着色剤との親和性を向上させるという観点から、X1の芳香族炭化水素基Arと結合する端部は、酸素原子であることが好ましく、エーテル性酸素原子であることがより好ましく、X1は、*−C(O)O(LO)q−又は*−C(O)NH(LO)q−であることが好ましい。ここで、*は、式(b−3)のX1とエチレン性不飽和基との結合位置を示し、qは0〜10の整数であり、Lは炭素数2〜4のアルキレン基を表す。これらの中でも、X1は*−C(O)O(LO)q−であることが好ましく、qは0〜4の整数であることが好ましく、0〜2の整数であることがより好ましく、1又は2であることが更に好ましい。(LO)qは、エチレンオキシド鎖又はプロピレンオキシド鎖であることが好ましい。
uは、0〜5の整数を表し、0であることが好ましい。
インク組成物は、上記式(b−1)で表される化合物、式(b−2)で表される化合物、芳香族単官能モノマー以外のその他の単官能モノマーを含有していてもよい。その他の単官能モノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステル化合物が好ましい。(メタ)アクリル酸エステル化合物には、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態を持つものが含まれる。その他の(メタ)アクリル酸エステル化合物は、1種のみ用いてもよく、また、目的とする特性を向上するために任意の比率で2種以上を併用してもよい。
また、ラジカル重合性化合物としては、例えば、特開平7−159983号、特公平7−31399号、特開平8−224982号、特開平10−863号、特開平9−134011号、特表2004−514014号等の各公報に記載されている光重合性組成物に用いられる光硬化型の重合性化合物が知られており、これらに記載の(メタ)アクリル酸エステルも本発明のインク組成物に適用することができる。
多官能モノマーとしては、ラジカル重合性のエチレン性不飽和基を2つ以上有する多官能モノマーが好ましく、(メタ)アクリレート基、(メタ)アクリルアミド基、ビニルオキシ基及びN−ビニル基よりなる群から選択されるエチレン性不飽和基を2つ以上有する多官能モノマーがより好ましく、少なくとも2つの(メタ)アクリレート基を有する多官能モノマーが更に好ましい。
多官能モノマーが有する官能基数は、2〜6個が好ましく、2〜4個がより好ましく、2個が更に好ましい。
ビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、ヒドロキシエチルモノビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシノニルモノビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
本発明のインク組成物は、好ましくは光ラジカル重合開始剤(以下、「重合開始剤」ともいう。)を含有する。重合開始剤は、前記活性放射線等の外部エネルギーを吸収して重合開始種を生成する化合物である。本発明に用いることができる重合開始剤としては、芳香族ケトン類、アシルホスフィン化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、及び、炭素ハロゲン結合を有する化合物等が挙げられる。これらの重合開始剤の具体例としては、特開2008−208190号公報、特開2009−096985号公報に記載の重合開始剤が挙げられる。重合開始剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
中でも重合開始剤としては、アシルホスフィン化合物、芳香族ケトン類が好ましい。芳香族ケトン類としては、チオキサントン化合物が好ましい。アシルホスフィン化合物とチオキサントン化合物との併用が特に好ましい。
アシルホスフィン化合物としては、特開2009−096985号公報の段落0080〜0098に記載のアシルホスフィンオキサイド化合物が好ましく挙げられ、中でも、化合物の構造中に式(c−1)又は式(c−2)で表される構造を有するものが好ましい。
チオキサントン化合物は、式(c−5)で表される化合物であることが好ましい。
(式(c−5)中、R1〜R8はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基(一置換及び二置換の場合を含む。)、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、カルボキシ基又はスルホ基を表す。)
R1〜R8は、それぞれ隣接する2つが互いに連結して環を形成していてもよい。これらが環を形成する場合の環構造としては、5又は6員環の脂肪族環、芳香族環などが挙げられ、炭素原子以外の元素を含む複素環であってもよく、また、形成された環同士が更に組み合わさって2核環、例えば、縮合環を形成していてもよい。これらの環構造は置換基を更に有していてもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、カルボキシ基及びスルホ基が挙げられる。形成された環構造が複素環である場合のヘテロ原子の例としては、N、O、及びSを挙げることができる。
本発明に用いることができるインク組成物には、長時間安定した吐出性を付与するため、界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。
本発明のインク組成物には、その他の成分として、特開2009−096985号公報に記載の増感剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、導電性塩類、溶剤、高分子化合物、塩基性化合物等を添加してもよい。
本発明において、インク組成物は、カチオン重合性インク組成物であってもよい。以下、カチオン重合性インク組成物について説明する。
前記ラジカル重合性インク組成物に用いられるアルミニウム金属顔料を、カチオン重合性インク組成物においても好ましく用いることができ、好ましい範囲もラジカル重合性インク組成物の場合と同様である。
カチオン重合性インク組成物は、カチオン重合性化合物を含有する。本発明に用いることができるカチオン重合性化合物としては、オキシラン環(「エポキシ環」ともいう。)を有する化合物(「オキシラン化合物」又は「エポキシ化合物」ともいう。)、オキセタン環を有する化合物(「オキセタン化合物」ともいう。)、ビニルエーテル化合物等の公知のカチオン重合化合物を特に制限はなく用いることができる。
カチオン重合性化合物としては、後述する光カチオン重合開始剤から発生するカチオン重合開始種により重合反応を開始し、硬化する化合物であれば特に制限はなく、光カチオン重合性モノマーとして知られる各種公知のカチオン重合性のモノマーを使用することができる。カチオン重合性モノマーとしては、例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892号、同2001−40068号、同2001−55507号、同2001−310938号、同2001−310937号、同2001−220526号などの各公報に記載されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。また、カチオン重合性化合物としては、例えば、カチオン重合系の光硬化性樹脂が知られており、最近では400nm以上の可視光波長域に増感された光カチオン重合系の光硬化性樹脂も、例えば特開平6−43633号、特開平8−324137号の各公報等に公開されている。
カチオン重合性化合物に含まれる単官能モノマーとして、オキセタン化合物又はエポキシ化合物を含有することが好ましく、オキセタン化合物のみであることがより好ましい。
カチオン重合性化合物に含まれる多官能モノマーとして、オキセタン化合物又はエポキシ化合物を含有することが好ましく、オキセタン化合物のみであることがより好ましい。
脂肪族エポキシドとしては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル又は1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテルに代表されるポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
単官能エポキシ化合物の例としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルシクロヘキセンオキサイド等が挙げられる。
本発明に用いることができるオキセタン環を有する化合物としては、その構造内にオキセタン環を1〜4個有する化合物が好ましい。このような化合物を使用することで、インク組成物の粘度をハンドリング性の良好な範囲に維持することが容易となり、また、硬化後のインク組成物の被記録媒体との高い密着性を得ることができる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、フルオロアルキル基としては、これらアルキル基の水素のいずれかがフッ素原子で置換されたものが好ましく挙げられる。
Ra2は、水素原子、炭素数1〜6個のアルキル基、炭素数2〜6個のアルケニル基、芳香環を有する基、炭素数2〜6個のアルキルカルボニル基、炭素数2〜6個のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜6個のN−アルキルカルバモイル基を表す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、アルケニル基としては、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等が挙げられ、芳香環を有する基としては、フェニル基、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基、フェノキシエチル基等が挙げられる。アルキルカルボニル基としては、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基等が、アルキコキシカルボニル基としては、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等が、N−アルキルカルバモイル基としては、エチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基、ペンチルカルバモイル基等が挙げられる。また、Ra2は置換基を有していてもよく、置換基としては、1〜6のアルキル基、フッ素原子が挙げられる。
Ra5は、酸素原子、硫黄原子、メチレン基、NH、SO、SO2、C(CF3)2、又は、C(CH3)2を表す。
Ra6は、炭素数1〜4個のアルキル基、又は、アリール基を表し、nは0〜2,000の整数である。Ra7は炭素数1〜4個のアルキル基、アリール基、又は、下記構造を有する1価の基を表す。下記式中、Ra8は炭素数1〜4個のアルキル基、又はアリール基であり、mは0〜100の整数である。
特開2004−91556号公報に記載されたオキセタン化合物も本発明に使用することができる。特開2004−91556号公報の段落0022〜0058に詳細に記載されている。
本発明に好ましく用いられるカチオン重合性化合物の例を以下に列記する。
単官能ビニルエーテルとしては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロロエチルビニルエーテル、クロロブチルビニルエーテル、クロロエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル等が挙げられる。
ビニルエーテル化合物としては、ジ又はトリビニルエーテル化合物が、硬化性、被記録媒体との密着性、形成された画像の表面硬度などの観点から好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。
また、柔軟性・金属光沢性の観点から、カチオン重合性化合物中、単官能モノマーの割合は、0.1〜85重量%が好ましく、5〜83重量%がより好ましく、10〜80重量%が更に好ましい。
カチオン重合性インク組成物は、光カチオン重合開始剤を含有することが好ましい。本発明における光カチオン重合開始剤は、好ましくは光酸発生剤である。光酸発生剤として、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。本発明に好適なカチオン重合開始剤の例を以下に挙げる。
X-は、非求核性アニオンを表し、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン、BF4 -、PF6 -、SbF6 -や以下に示す基などが好ましく挙げられる。また、炭素原子を有する有機アニオンであることが好ましい。
Rc3、Rc4、Rc5は、各々独立に、有機基を表す。Rc3、Rc4、Rc5の有機基として、好ましくはRc1における好ましい有機基と同じものを挙げることができ、最も好ましくは炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基である。Rc3とRc4が結合して環を形成していてもよい。Rc3とRc4が結合して形成される基としてはアルキレン基、アリーレン基が挙げられ、好ましくは炭素数2〜4のパーフルオロアルキレン基である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物は、R201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の一部がアリール基で、残りがアルキル基、シクロアルキル基でもよい。
アリールスルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物、ジアリールシクロアルキルスルホニウム化合物、アリールジシクロアルキルスルホニウム化合物等を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているアルキル基としては、炭素数1〜15の直鎖又は分岐状アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているシクロアルキル基としては、炭素数3〜15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
化合物(b1−2)は、式(b1)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を含有しない有機基を表す場合の化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
R201〜R203としての芳香環を含有しない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
R201〜R203は、各々独立に、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリル基、ビニル基であり、より好ましくは直鎖、分岐、環状2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、特に好ましくは直鎖、分岐2−オキソアルキル基である。
R201〜R203としてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができ、環状2−オキソアルキル基がより好ましい。
R201〜R203の直鎖、分岐、環状2−オキソアルキル基としては、好ましくは、上記のアルキル基、シクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
R201〜R203としてのアルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基)を挙げることができる。
R201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
R6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Rx及びRyは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基、又はビニル基を表す。
R1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及びRxとRyは、それぞれ結合して環構造を形成してもよい。
Zc-は、非求核性アニオンを表し、式(b1)におけるX-の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
R1c〜R7cのシクロアルキル基として、好ましくは、炭素数3〜8個のシクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)を挙げることができる。
R1c〜R5cとしてのアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、炭素数3〜8の環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
Rx及びRyは、2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基であることが好ましい。
2−オキソアルキル基は、R1c〜R5cとしてのアルキル基、シクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基については、R1c〜R5cとしてのアルコキシ基と同様のものを挙げることができる。
R204〜R207としてのアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)を挙げることができる。R204〜R207としてのシクロアルキル基として、好ましくは炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)が挙げられる。
R204〜R207が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
また、R204とR205、R206とR207が結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R204とR205、R206とR207が結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
なお、式(b2)又は(b3)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、式(b2)で表される化合物のR204又はR205が、式(b2)で表される他の化合物におけるR204又はR205と直接、又は、連結基を介して結合した構造を有する化合物であってもよい。
R206、R207及びR208は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はシアノ基を表す。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
Ar3及びAr4、R206〜R208並びにAは置換基を有していてもよく、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
なお、式(b4)〜(b6)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、式(b6)で表される化合物のR206〜R208のうち少なくとも1つが、式(b6)で表される他の化合物におけるR206〜R208の少なくとも1つと直接、又は、連結基を介して結合した構造を有する化合物であってもよい。
本発明に用いることのできる光酸発生剤の好ましい化合物例としては、特開2010−100833号公報に記載の〔(b−1)〜(b−96)〕が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
特開2002−122994号公報の段落0037〜0063に例示されるオニウム塩化合物、スルホネート系化合物も本発明に好適に使用し得る。
インク組成物中の光酸発生剤の含有量は、インク組成物の0.1〜20重量%が好ましく、0.5〜10重量%がより好ましい。上記範囲であると、インク組成物を十分硬化させることができ、また、硬化度の均一性に優れる。
また、本発明において、インク組成物に後述する増感剤を用いる場合、重合開始剤の総使用量は、増感剤に対して、重合開始剤:増感剤の重量比で、200:1〜1:200であることが好ましく、50:1〜1:50であることがより好ましく、20:1〜1:5であることが更に好ましい。
増感剤は、特定の活性エネルギー線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感剤は、光酸発生剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用が生じる。これにより光酸発生剤は化学変化を起こして分解し、酸又はカチオンを生成する。
好ましい増感剤の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nmから450nm域に吸収波長を有するものを挙げることができる。
多核芳香族類(例えば、アントラセン、9,10−ジアルコキシアントラセン、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、チオキサントン類(例えば、イソプロピルチオキサントン)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)。
本発明において、インク組成物は、強増感剤(「共増感剤」、又は、「強色増感剤」という場合もある。)を含有することも好ましい。本発明において強増感剤は、増感剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、又は、酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
この様な強増感剤の例としては、アミン類、例えばM.R.Sanderら著,Journal of Polymer Society,第10巻,3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられる。
具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
具体的には、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等が挙げられる。
インク組成物中における強増感剤の含有量は、使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の重量に対し、0.05〜4重量%であることが好ましい。
本発明においては、吐出性を考慮し、インク組成物の25℃における粘度が40mPa・s以下であることが好ましい。より好ましくは5〜40mPa・s、更に好ましくは7〜30mPa・sである。また、吐出温度(好ましくは25〜80℃、より好ましくは25〜50℃)における粘度が、3〜15mPa・sであることが好ましく、3〜13mPa・sであることがより好ましい。インク組成物は、粘度が上記範囲になるように適宜組成比を調整することが好ましい。室温での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体を用いた場合でも、被記録媒体中へのインク組成物の浸透を回避し、未硬化モノマーの低減が可能となる。更にインク組成物の液滴着弾時のインク滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善される。
インクセットは、アルミニウム金属顔料を含有するインク組成物Aを少なくとも1つと、アルミニウム金属顔料以外の着色剤を含有するインク組成物Bを少なくとも1つとを含むことが好ましい。
本発明においては、インク組成物Aの他にシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、ホワイト、ライトマゼンタ、及び、ライトシアンよりなる群から選択される色のインク組成物Bを少なくとも1つ含むことが好ましく、少なくともシアン、マゼンタ、イエローを含むインクセットがより好ましく、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、ホワイトを含むインクセットが更に好ましい。また、該インクセットは、本発明のインクジェット記録方法に好適に用いることができる。
本発明のインクジェット記録方法は、アルミニウム金属顔料を含有するインク組成物Aをノズル径が30μm以上100μm以下のノズルで吐出して被記録媒体上に画像を形成する画像形成工程Aと、吐出されたインク組成物Aに活性放射線を照射して硬化させる硬化工程Aと、前記アルミニウム金属顔料以外の着色剤を含有するインク組成物Bをノズル径が10μm以上30μm未満のノズルで吐出して被記録媒体上に画像を形成する画像形成工程Bと、吐出されたインク組成物Bに活性放射線を照射して硬化させる硬化工程Bと、を含むことを特徴とする。
本発明においては、画像形成工程A、硬化工程A、画像形成工程B、硬化工程Bの順に工程を設けてもよく、画像形成工程A、画像形成工程Bの後に、硬化工程Aと硬化工程Bとをまとめて1つの工程で行ってもよい。
また、本発明の印刷物は、本発明のインクジェット記録方法により得られたことを特徴とする。以下、各工程について説明する。
本発明のインクジェット記録方法は、アルミニウム金属顔料を含有するインク組成物Aをノズル径が30μm以上100μm以下のノズルで吐出して被記録媒体上に画像を形成する画像形成工程Aを含む。
本発明において、被記録媒体としては、特に限定されず、公知の被記録媒体を使用することができ、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、ポリ塩化ビニル、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされ又は蒸着された紙又はプラスチックフィルム等が挙げられる。
本発明で用いることのできるインクジェット記録装置としては、例えば、インク供給系、温度センサー、活性放射線源を含む装置が挙げられる。
インク供給系は、例えば、インク組成物Aを含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク組成物A供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、好ましくは1〜100pL、より好ましくは3〜42pL、更に好ましくは8〜30pLのマルチサイズドットを、好ましくは320×320〜4,000×4,000dpi、より好ましくは400×400〜1,600×1,600dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
また、画像形成工程Aにおいて、本発明のインク組成物Aを吐出するためのノズルの開口部(吐出口)の直径は、30〜100μmである。ノズルの開口部の直径が30μm未満であると、金属光沢性が低下する。また、ノズルの開口部の直径が100μmを超えると、吐出安定性が低下する。ノズルの開口部の直径は、31〜95μmが好ましく、32〜90μmがより好ましい。上記の数値の範囲内であると、吐出性に優れ、金属光沢に優れた画像が得られる。
ノズルの開口部の形状は、円形の他、楕円形、多角形など制限されない。円形以外の開口部の場合、ノズルの開口部の直径は、ノズルの開口部の面積に相当する円の直径を意味する。
次に、硬化工程Aについて説明する。
本発明のインクジェット記録方法は、吐出されたインク組成物Aに活性放射線を照射して硬化させる硬化工程Aを含む。
被記録媒体上に吐出されたインク組成物Aは、活性放射線を照射することによって硬化する。これは、本発明のインク組成物Aに含まれる重合開始剤が活性放射線の照射により分解して、酸やカチオンなどの重合開始種を発生し、その開始種の機能に重合性化合物の重合反応が、生起、促進されるためである。このとき、インク組成物Aにおいて重合開始剤と共に増感剤が存在すると、系中の増感剤が活性放射線を吸収して励起状態となり、重合開始剤と接触することによって重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させることができる。
また、発光ダイオード(LED)及びレーザーダイオード(LD)を活性放射線源として用いることが可能である。特に、紫外線源を要する場合、紫外LED及び紫外LDを使用することができる。例えば、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。更に一層短い波長が必要とされる場合、LEDとして、米国特許番号第6,084,250号明細書に開示されている、300nmと370nmとの間に中心付けされた活性放射線を放出し得るLEDが例示できる。また、他の紫外LEDも、入手可能であり、異なる紫外線帯域の放射を照射することができる。本発明で好ましい活性放射線源はUV−LEDであり、特に好ましくは350〜420nmにピーク波長を有するUV−LEDである。
また、本発明のインクジェット記録方法においては、インク組成物Aを吐出した後0.01〜10秒の間に、2,000mW/cm2以下の露光面照度で活性放射線を照射し、前記インク組成物Aを硬化させることが好ましい。
活性放射線の照射条件並びに基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、インク組成物Aの吐出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニットと光源を走査することによって行われる。活性放射線の照射は、インク組成物Aの着弾後、一定時間(好ましくは0.01〜0.5秒、より好ましくは0.01〜0.3秒、更に好ましくは0.01〜0.15秒)をおいて行われることになる。このようにインク組成物Aの着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、被記録媒体に着弾したインク組成物Aが硬化前に滲むことを防止することが可能となる。また、多孔質な被記録媒体に対しても光源の届かない深部までインク組成物Aが浸透する前に露光することができるため、未反応モノマーの残留を抑えることができるので好ましい。
さらに、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させてもよい。国際公開第99/54415号パンフレットでは、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されており、このような硬化方法もまた、本発明のインクジェット記録方法に適用することができる。
本発明のインクジェット記録方法は、アルミニウム金属顔料以外の着色剤を含有するインク組成物Bをノズル径が10μm以上30μm未満のノズルで吐出して被記録媒体上に画像を形成する画像形成工程Bを含む。以下、画像形成工程Aとの相違点についてのみ説明し、それ以外は画像形成工程Aと同様である。
ノズルの開口部の形状は、円形の他、楕円形、多角形など制限されない。円形以外の開口部の場合、ノズルの開口部の直径は、ノズルの開口部の面積に相当する円の直径を意味する。
本発明のインクジェット記録方法は、吐出されたインク組成物Bに活性放射線を照射して硬化させる硬化工程Bを含む。硬化工程Bの条件については、硬化工程Aと同様である。
カラー画像を得るためには、明度の低い色から順に重ねていくことが好ましい。明度の低いインク組成物から順に重ねることにより、下部のインク組成物まで照射線が到達しやすくなり、良好な硬化感度、残留モノマーの低減、密着性の向上が期待できる。また、照射は、全色を吐出してまとめて露光することが可能だが、1色毎に露光するほうが、硬化促進の観点で好ましい。
本発明の成形印刷物の製造方法は、アルミニウム金属顔料を含有するインク組成物Aをノズル径が30μm以上100μm以下のノズルで吐出して被記録媒体上に画像を形成する画像形成工程Aと、吐出されたインク組成物Aに活性放射線を照射して硬化させる硬化工程Aと、前記アルミニウム金属顔料以外の着色剤を含有するインク組成物Bをノズル径が10μm以上30μm未満のノズルで吐出して被記録媒体上に画像を形成する画像形成工程Bと、吐出されたインク組成物Bに活性放射線を照射して硬化させる硬化工程Bと、硬化した画像を有する前記被記録媒体を成形加工する成形加工工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明の成形印刷物は、前記成形印刷物の製造方法により得られたことを特徴とする。
本発明の成形印刷物の製造方法における、画像形成工程A、硬化工程A、画像形成工程B、及び、硬化工程Bについては、本発明のインクジェット記録方法における、画像形成工程A、硬化工程A、画像形成工程B、及び、硬化工程Bと同様であるが、本発明の成形印刷物の製造方法に好適に用いられる被記録媒体について説明する。
上記アクリル系樹脂は、例えば、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、エチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体等の樹脂を単体又は2種以上の混合物で用いることができる。
中でも、加飾印刷が容易なことや仕上がり成形物の諸耐性が優れている点でポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート樹脂やポリカーボネート樹脂に他樹脂をブレンドした樹脂のシートが好ましく用いられ、ポリカーボネート樹脂又ポリカーボネート樹脂に他樹脂をブレンドした樹脂のシートが好ましい。また、被記録媒体は、1種又は2種以上の樹脂シートを積層した積層体であってもよい。
画像は、透明シートの裏面側(真空成形において金型に接する側)に施されるのが一般的であるが、その反対面にも画像が形成されてもよい。また場合によっては、前記反対面にのみ画像を形成することもでき、この場合には基材となる熱可塑性樹脂シートは透明である必要はない。
本発明の成形印刷物の製造方法は、硬化した画像を有する前記被記録媒体を成形加工する成形加工工程を含む。
成形加工には、エンボス加工、真空成形、圧空成形又は真空圧空成形を用いることができる。印刷物を成形加工する装置としては、公知の装置を使用することができ、前記インクジェット記録装置と一体の装置であっても、別の装置であってもよい。
アルミニウム金属顔料(ROTOVARIO 500 022、アルミフレーク顔料ペースト、エカルト社製) 50部(固形分)
NPGPODA(プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート) 40部
ソルスパース36000(Lubrizol社製) 10部
以下の成分を撹拌し、金属顔料ミルベースAl1を得た。なお、顔料ミルベースの調製は分散機モーターミルM(50アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで9時間分散することにより行った。
アルミニウム金属顔料(ROTOVARIO 500 022、アルミフレーク顔料ペースト、エカルト社製) 50部(固形分)
NPGPODA 40部
ソルスパース36000(Lubrizol社製) 10部
以下の成分を撹拌し、アルミニウム金属顔料ミルベースAl2を得た。なお、顔料ミルベースの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで48時間分散することにより行った。
シアン顔料:IRGALITTE BLUE GLVO 30部
PEA(フェノキシエチルアクリレート) 50部
SOLSPERSE 5000(Lubrizol社製) 10部
SOLSPERSE 32000(Lubrizol社製) 10部
以下の成分を撹拌し、シアンミルベースを得た。なお、顔料ミルベースの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで8時間分散することにより行った。
・シアン顔料;IRGALITE BLUE GLVO(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・マゼンタ顔料;CINQUASIA MAGENTA RT−355D(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・イエロー顔料;NOVOPERM YELLOW H2G(クラリアント社製)
・ブラック顔料;SPECIAL BLACK 250(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・ホワイト顔料;アルミナ処理酸化チタン
(分散媒)
・PEA;フェノキシエチルアクリレート(東京化成工業(株)製)
(分散剤)
・SOLSPERSE2000(Lubrizol社製)
・SOLSPERSE32000(Lubrizol社製)
・SOLSPERSE5000(Lubrizol社製)
・SOLSPERSE36000(Lubrizol社製)
表2に記載の素材を混合、撹拌することで、No.1〜No.7のインク組成物を得た。なお、表中の数値は各成分の配合量(重量部)を表す。
・PEA;フェノキシエチルアクリレート(東京化成工業(株)製)
・NVC;N−ビニルカプロラクタム(東京化成工業(株)製)
(多官能モノマー)
・NPGPODA;プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート(アルドリッチ社製)
(開始剤)
・Irg819;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(IRGACURE 819、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・ITX;2−イソプロピルチオキサントンと4−イソプロピルチオキサントンとの混合物(FIRSTCURE ITX、ALBEMARLE社製)
<インクジェット画像記録>
次に、ピエゾ型インクジェットノズルを有する市販のインクジェット記録装置を用いて、被記録媒体への記録を行った。インク供給系は、元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドから成り、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までを断熱及び加温を行った。温度センサーは、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近にそれぞれ設け、ノズル部分が常に40℃±2℃となるよう、温度制御を行った。
ピエゾ型のインクジェットヘッドとして、以下の2種類のヘッドを用いた。
アルミニウム金属顔料を含むインク組成物No.1に対しては、10〜30plのマルチサイズドットを1,200×1,200dpiの解像度で射出できるよう、ノズルサイズが30μmのヘッド1−1を使用した。
その他の有彩色顔料を含むインク組成物No.3〜7に対しては、1〜10plのマルチサイズドットを4,800×4,800dpiの解像度で射出できるよう、ノズルサイズが25μmのヘッド2−2を使用した。
<膜硬度(鉛筆硬度)>
アルミニウム金属顔料を含有するインク組成物(No.1)に対して過剰な露光量(30,000mJ/cm2)で、前記インクジェット記録方法に従い、透明基材(ポリカーボネート)に対し平均膜厚が12μmのベタ画像の描画を行い、その画像を25℃でJIS K5600−5−4に沿って鉛筆硬度測定を行った。結果を表3に示した。
○: H以上
△: F
×: HB以下
○又は△であれば実用上問題ない。
各インク組成物に対して過剰な露光量(15,000mJ/cm2)で、前記インクジェット記録方法に従い、透明基材(ポリカーボネート)に対し平均膜厚が12μmのベタ画像の描画を行い、得られた画像を目視によって評価した。評価基準は下記の通りである。結果を表3に示した。
○: 画像の鉛直方向の真上から観察してメタリック調と判断可能
△: 画像を鉛直方向の真上から観察して水平から30度傾けた時点でメタリック調と判断可能
×: ほぼ灰色
○又は△であれば実用上問題ない。
表3に記載のインクジェットヘッドを用いて、表3に記載の各インク組成物を45℃にて60分間連続吐出して、下記の基準で評価した。結果を表1に示す。結果を表3に示した。
○:正常に打滴されていた。インクジェット吐出性は極めて良い。
△:ミストの発生が少し見られた。インクジェット吐出性は実用上問題ないレベル。
×:全く吐出しなくなった。インクジェット吐出性は悪い。
○又は△であれば実用上問題ない。
インク組成物及びヘッドを表3に記載のものに変更した以外は、実施例1と同様にして画像を作成し、評価した。評価結果を表3に示した。
真空成形装置フォーミング300X(成光産業(株)製)を用い真空成形を行った。上記インクジェット記録方法にて、被記録媒体をパンライトシートPC−1151(帝人化成(株)製)とする以外は、実施例1と同様の条件にて、印刷物を作成した。
支持体の温度が90℃になるようにヒーターの温度を設定し、真空テーブルの中心に図1に示す木製型を設置し真空成形を行った。成形された印刷物にひび割れが生じていないか、目視で観察を行った。また、真空成形加工後に表面の傷つきの有無を目視で観察した。ひび割れが全く見られなかった。
Claims (10)
- アルミニウム金属顔料を含有するインク組成物Aをノズル径が30μm以上100μm以下のノズルで吐出して被記録媒体上に画像を形成する画像形成工程Aと、
吐出されたインク組成物Aに活性放射線を照射して硬化させる硬化工程Aと、
前記アルミニウム金属顔料以外の着色剤を含有するインク組成物Bをノズル径が10μm以上30μm未満のノズルで吐出して被記録媒体上に画像を形成する画像形成工程Bと、
吐出されたインク組成物Bに活性放射線を照射して硬化させる硬化工程Bと、を含むことを特徴とする
インクジェット記録方法。 - 前記アルミニウム金属顔料の体積平均粒子径が0.2〜2.0μmである、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
- 前記インク組成物A及び前記インク組成物Bが、重合性化合物、及び、光重合開始剤を含有する、請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
- 前記インク組成物A及び前記インク組成物Bが、ラジカル重合性のインク組成物又はカチオン重合性のインク組成物である、請求項1〜3いずれか1つに記載のインクジェット記録方法。
- 請求項1〜4いずれか1つに記載のインクジェット記録方法により得られた印刷物。
- アルミニウム金属顔料を含有するインク組成物Aをノズル径が30μm以上100μm以下のノズルで吐出して被記録媒体上に画像を形成する画像形成工程Aと、
吐出されたインク組成物Aに活性放射線を照射して硬化させる硬化工程Aと、
前記アルミニウム金属顔料以外の着色剤を含有するインク組成物Bをノズル径が10μm以上30μm未満のノズルで吐出して被記録媒体上に画像を形成する画像形成工程Bと、
吐出されたインク組成物Bに活性放射線を照射して硬化させる硬化工程Bと、
硬化した画像を有する前記被記録媒体を成形加工する成形加工工程と、を含むことを特徴とする
成形印刷物の製造方法。 - 前記アルミニウム金属顔料の体積平均粒子径が0.2〜2.0μmである、請求項6に記載の成形印刷物の製造方法。
- 前記インク組成物A及び前記インク組成物Bが、重合性化合物、及び、光重合開始剤を含有する、請求項6又は7に記載の成形印刷物の製造方法。
- 前記インク組成物A及び前記インク組成物Bが、ラジカル重合性のインク組成物又はカチオン重合性のインク組成物である、請求項6〜8いずれか1つに記載の成形印刷物の製造方法。
- 請求項6〜9いずれか1つに記載の成形印刷物の製造方法により得られた成形印刷物。
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