JP2012046317A - エレベータの管制運転操作装置及びその管制運転操作方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 保守員が1人であっても簡単に管制運転の点検を実施できるようにする。
【解決手段】 エレベータの乗りかご4内に設置された点検スイッチボックス23内に設けた複数の管制運転点検用スイッチ24と、エレベータ制御盤6の記憶装置7に格納された複数の管制運転ソフトウエアツール7bとを備え、前記乗りかご内にて管制運転点検用スイッチを操作し、前記管制運転ソフトウエアツールを起動させて管制運転の点検を行うようにするエレベータの管制運転操作装置である。
【選択図】図2
【解決手段】 エレベータの乗りかご4内に設置された点検スイッチボックス23内に設けた複数の管制運転点検用スイッチ24と、エレベータ制御盤6の記憶装置7に格納された複数の管制運転ソフトウエアツール7bとを備え、前記乗りかご内にて管制運転点検用スイッチを操作し、前記管制運転ソフトウエアツールを起動させて管制運転の点検を行うようにするエレベータの管制運転操作装置である。
【選択図】図2
Description
本発明の実施の形態は、エレベータの管制運転操作装置及びその管制運転操作方法に関する。
エレベータの管制運転は、火災や地震などの発生時、通常運転とは異なり、火災検知器や地震検知器から所定のレベルの検知信号を受けたとき、火災または地震に応じて次のような運転を行うものである。すなわち、火災時の管制運転は、避難階(例えば1階)まで運転して停止し、ドアを開けて利用者を降ろした後、ドアを閉じて運転休止する運転モードである。
また、地震発生時の管制運転は、最寄階まで運転して停止し、ドアを開けて利用者を降ろした後、ドアを閉じて運転休止する運転モードである。
ところで、以上のような管制運転は、火災や地震の発生時だけでなく、保守員が例えばエレベータの定期点検や必要に応じて適宜な時期に各種の管制運転が適正に行われているか点検する必要がある。
そこで、従来、乗りかごの上部や昇降路等に設置されるHMB(ホール・メンテナンス・ボックス:Hall Maintenance Box)裏面に管制運転を動作させるためのスイッチ類が取付けられ、また、CPUを備えたエレベータ制御盤の記憶装置に管制運転を実施するためのソフトウエアツールが記憶されているのが一般的である。
しかしながら、管制運転の点検時、保守員が乗りかごの上部に乗込んで管制運転点検用スイッチを投入して管制運転を行うので、保守員が乗りかご上部に乗込まなければならない。また、かご上部に乗った状態で管制運転による運転状態を確認する必要がある。
その結果、保守員が1人の場合、管制運転操作がやり難く、かご上部に乗り込んだ状態でエレベータを昇降させることから、安全性の面からも十分な配慮が必要となる。
さらに、HMB裏面に管制運転点検用スイッチ類を取付けた構成のものは、その昇降路等からHMBを取り外す必要があり、手間や時間がかかる問題がある。
そこで、本エレベータの管制運転操作装置及びその管制運転操作方法は、保守員が1人であっても簡単に所望とする管制運転の操作を実施できるようにすることにある。
上記課題を解決するために、発明の実施形態によれば、エレベータの乗りかご内に設置された点検スイッチボックス内に設けた複数の管制運転点検用スイッチと、エレベータ制御盤の記憶装置に格納された複数の管制運転ソフトウエアツールとを備え、管制運転点検時に前記乗りかご内にて前記点検スイッチボックス内の所望とする管制運転点検用スイッチを投入可能にし、当該管制運転点検用スイッチに対応する前記管制運転ソフトウエアツールを起動させて管制運転を可能とするエレベータの管制運転操作装置である。
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は実施形態に係る管制運転操作装置を適用したエレベータの全体構成図である。
このエレベータは、建物などに構築された昇降路1と、この昇降路1の上部に設置された巻上機2と、巻上機2のシーブに巻き掛けられたメインロープ3と、このメインロープ3の一端側に吊下された乗りかご4と、メインロープ3の他端側に吊下されたつり合いおもり5と、エレベータ制御盤6とを含む構成である。
図1は実施形態に係る管制運転操作装置を適用したエレベータの全体構成図である。
このエレベータは、建物などに構築された昇降路1と、この昇降路1の上部に設置された巻上機2と、巻上機2のシーブに巻き掛けられたメインロープ3と、このメインロープ3の一端側に吊下された乗りかご4と、メインロープ3の他端側に吊下されたつり合いおもり5と、エレベータ制御盤6とを含む構成である。
エレベータ制御盤6にはエレベータの運行制御に関する各種のデータを記憶する記憶装置7が設けられている。記憶装置7には、少なくともエレベータの通常運行時に用いる例えば速度指令(速度パターン),運転制御の演算に用いる各種の演算パラメータ7aの他、各種の管制運転のソフトウエアツール7bが記憶される。
8はかごドア、9は乗場ドア、10はおもり用緩衝器、11はかご用緩衝器、12はテールコードである。
この実施形態に係る管制運転操作装置は、1人でも簡単に操作できるように乗りかご4内部に管制運転点検用スイッチを設け、さらに、前述したようにエレベータ制御盤6に接続される記憶装置7に各種の管制運転用ソフトウエアツール7bが記憶され、所望とする管制運転用の管制運転点検用スイッチを投入し、管制運転用ソフトウエアツール7bを起動させて管制運転の点検を実施することにある。
図2は乗りかご4内部からかごドア8側を見たときの図である。
乗りかご4におけるかごドア8の一側部側の袖板21にかご操作盤22が設置され、当該かご操作盤22の下部などに鍵穴23a付き点検スイッチボックス23が設置されている。この点検スイッチボックス23内には例えば図3に示すように複数の管制運転点検用スイッチ24,…が取り付けられている。
乗りかご4におけるかごドア8の一側部側の袖板21にかご操作盤22が設置され、当該かご操作盤22の下部などに鍵穴23a付き点検スイッチボックス23が設置されている。この点検スイッチボックス23内には例えば図3に示すように複数の管制運転点検用スイッチ24,…が取り付けられている。
すなわち、点検スイッチボックス23内には、通常、保守点検時の運転切替スイッチ及び上昇/下降スイッチ、かご内の換気扇や照明装置をオン・オフするスイッチ等が取付けられているが、新たに管制運転点検用スイッチ24,…が取付けられる。
点検スイッチボックス23内に管制運転点検用スイッチ24,…に設けた理由は、保守点検時に点検スイッチボックス23の鍵穴23aに鍵を入れて開錠し、前述した運転切替スイッチ等を切替え操作するが、安全な乗りかご4内の同一場所で運転切替スイッチ等の切替え操作と同時並行的に管制運転点検用スイッチ24を操作することが可能であり、1人の保守員であっても操作し易く、作業の安全性も確保できる為である。
なお、管制運転点検用スイッチ24としては、図3に示すトグルスイッチが用いられるが、例えば押しボタンスイッチ、ロッカスイッチなどを用いても構わない。
同図において、25はかご床、26は側板、27は幕板、28はかご内照明装置用カバーである。
次に、実施形態に係る管制運転操作装置に実施するための作業手順について、図4及び図5を参照して説明する。
保守員がエレベータ設置現地に出向き、基準階などでホールボタンを操作し、管制運転の点検をすべき乗りかご4を基準階に呼ぶ(S1)。ここで、乗りかご4は、基準階に到着し、ホールドア9及びかごドア8が開く。
保守員は、ドア8,9が開くと乗りかご4内に入り、予め所持中の点検ボックス用鍵を鍵穴23aに挿入して開錠し、点検スイッチボックス23の蓋を開ける(S2)。
この状態において、かご操作盤22に配置される行先階呼び登録ボタン22aの中から所要とする階を示す行先階呼び登録ボタンを押し操作する(S3)。
エレベータ制御盤6は、行先階呼び登録ボタンの押し操作により発せられる行先階呼び信号を受け取って呼び登録すると、乗りかご4が通常運行時に用いられる速度指令(速度パターン)7aのもとに走行を開始するが(S4)、このとき例えば地震に関する管制運転点検用スイッチ24を投入し、地震による管制運転の要求信号を送出し(S5)、地震に関する管制運転ソフトウエアツール7bを起動させる。
ここで、地震に関する管制運転ソフトウエアツール7bは、乗りかご4を最寄階まで運転して停止し、ドアを開けて利用者を降ろした後、ドアを閉じて運転休止する運転モードである。
従って、保守員としては、かご操作盤22に設置される表示部22bから、管制運転点検用スイッチ24の投入前に表示されていたかご現在位置(階を含む)と管制運転点検用スイッチ24の投入後に表示される停止階とに基づき、最寄階で運転停止したか否かを点検する。
また、保守員は、乗りかご4が最寄階で運転停止して自動的にドア8,9が開いた後、利用者がホールに降りるに相当する時間を見計らってドア8,9が自動的に閉じて運転休止となるか否かを点検する。
一方、エレベータ制御盤6は、図5に示す一連の処理を実行する。すなわち、エレベータ制御盤6は、管制運転要求信号を受信したか否かを判断し(S11)、受信したと判断したときに管制運転要求内容に従い、記憶装置7から地震に関するソフトウエアツール7bを読み出して起動する(S12)。
エレベータ制御盤6は、乗りかご4の現在位置と、予め定める走行方向や回生運転方向、最寄階とする階数とに基づき、最寄階を決定・登録し、走行する(S13)。
エレベータ制御盤6は、乗りかご4の走行後、登録された最寄階に到着したか否かを判断し(S14)、未だ到着していない場合にはステップS13に戻って走行を続ける。
乗りかご4が最寄階に到着したと判断したとき、乗りかご上部に設置されるドア駆動装置(図示せず)にドア開指令信号を送出する(S15)。
ドア駆動装置は、ドア開指令信号を受信すると、かごドア8の開放に連動して乗場ドア9も同時並行的に開くが、このときエレベータ制御盤6は、両ドア8,9が完全に開状態になったか否かを判断する(S16)。
エレベータ制御盤6は、両ドア8,9が完全開となったことを判断すると、例えばかご内照明灯を消灯し、かつ戸開きボタンを点灯する(S17)。そして、エレベータ利用者がかご4から降りるに相当する所定の時間を経過したか否かを判断し(S18)、所定時間を経過したと判断したとき、ドア駆動装置にドア閉指令信号を送出し(S19)、両ドア8,9を閉じる。両ドア8,9が閉じた後、運転休止に入る(S20)。
従って、以上のような実施形態によれば、保守員が乗りかご4上部に乗り込むことなく、乗りかご4内の点検スイッチボックス23を開錠し、管制運転点検用スイッチ24を投入し、管制運転を実施できる。その結果、保守員が一人であっても簡単に管制運転による点検を実施することができる。
また、保守員は、乗りかご4に乗った状態で管制運転を行うことが可能となり、管制運転による点検作業の安全性を確保することができる。
なお、上記実施形態は、それぞれ一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…昇降路、4…乗りかご、6…エレベータ制御盤、7…記憶装置、7b…管制運転ソフトウエアツール、22…かご操作盤、22a…行先階呼び登録ボタン、22b…表示部、23…点検スイッチボックス、24…管制運転点検用スイッチ。
Claims (2)
- エレベータの乗りかご内に設置された点検スイッチボックス内に設けた複数の管制運転点検用スイッチと、
エレベータ制御盤の記憶装置に格納された複数の管制運転ソフトウエアツールと
を備え、前記乗りかご内にて管制運転点検用スイッチを操作し、前記管制運転ソフトウエアツールを起動させて管制運転の点検を可能とすることを特徴とするエレベータの管制運転操作装置。 - ホールボタンの操作指示を受けて、エレベータ制御盤が乗りかごを呼びホールに向けて走行させるステップと、
前記呼びホールに到着後、前記乗りかご内に設置された点検スイッチボックスが開錠されるステップと、
前記乗りかご内のかご操作盤に配置される行先階呼び登録ボタンの操作指示を受け、前記エレベータ制御盤が当該乗りかごを行先階に向けて走行させるステップと、
前記乗りかごの走行開始時に、点検スイッチボックス内に設置される管制運転点検用スイッチの投入操作に伴って管制運転要求信号を送出するステップと、
エレベータ制御盤が前記管制運転要求信号を受信したとき、記憶装置に記憶された管制運転ソフトウエアツールを起動し、管制運転を実行させるステップと
を有することを特徴とするエレベータの管制運転操作方法。
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