<第1実施形態>
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに本発明を適用した場合の第1実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の斜視図、図2はスロットマシン10の筐体11の正面図、図3はスロットマシン10の前面扉12の背面図である。
図1に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、木製の板を複数組み合わせることにより、全体として前面を開放した箱状に形成されている。筐体11の前面側には、左側部を回動軸として開閉可能なように前面扉12が取り付けられている。
前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置によって開放不能な施錠状態とされる。また、前面扉12の右端側上部には解錠操作部たるキーシリンダ13が設けられている。キーシリンダ13は施錠装置と一体化されており、キーシリンダ13に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル14が設けられている。遊技パネル14には、縦長の3つの表示窓14L,14M,14Rが横並びとなるように形成されている。表示窓14L,14M,14Rは透明又は半透明な材質により構成されており、各表示窓14L,14M,14Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。
図2に示すように、筐体11は仕切り板15によりその内部が上下2分割されており、仕切り板15の上部には、リールユニット16が取り付けられている。リールユニット16は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール17L,中リール17M,右リール17Rを備えている。各リール17L,17M,17Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール17L,17M,17Rが各表示窓14L,14M,14Rと1対1で対応している。従って、各リール17L,17M,17Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓14L,14M,14Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール17L,17M,17Rが正回転すると、各表示窓14L,14M,14Rを通じてリール17L,17M,17Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
各リール17L,17M,17Rの各ベルト上には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には21個の図柄が描かれている。従って、所定の位置においてある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、リールユニット16に設けられた図示しないリールインデックスセンサの検知信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が表示窓14L,14M,14Rから視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の図柄を表示窓14L,14M,14Rから視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
各リール17L,17M,17Rに付された図柄のうち、表示窓14L,14M,14Rを介して全体を視認可能な図柄数は、主として表示窓14L,14M,14Rの上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施の形態では各リール3個ずつとされている。このため、各リール17L,17M,17Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が遊技者に視認可能な状態となる。
遊技パネル14には、各表示窓14L,14M,14Rを結ぶようにして、横方向へ平行に3本、斜め方向へたすき掛けに2本、計5本の組合せラインが付されている。勿論、最大組合せライン数を6以上としてもよく、5未満としてもよく、所定条件に応じて最大組合せライン数を変更するようにしてもよい。メダルや仮想メダルがベットされることに基づき有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合に入賞となり、予め定められたメダル数の払出処理や、特別遊技状態たるBBゲーム等のボーナスゲームへの移行処理などが実行される。
遊技パネル14の下方左側には、各リール17L,17M,17Rを一斉(同時である必要はない)に回転開始させるために操作されるスタートレバー21が設けられている。スタートレバー21はリール17L,17M,17Rを回転開始、すなわち可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。メダルや仮想メダルがベットされているときにこのスタートレバー21が操作されると、各リール17L,17M,17Rが一斉に回転を始める。
スタートレバー21の右側には、回転している各リール17L,17M,17Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ22,23,24が設けられている。各ストップスイッチ22,23,24は停止対象となるリール17L,17M,17Rに対応する表示窓14L,14M,14Rの直下にそれぞれ配置されている。すなわち、左ストップスイッチ22が操作された場合には左リール17Lの回転が停止し、中ストップスイッチ23が操作された場合には中リール17Mの回転が停止し、右ストップスイッチ24が操作された場合には右リール17Rの回転が停止する。ストップスイッチ22,23,24はリール17L,17M,17Rの回転に基づく可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
ちなみに、スタートレバー21の操作に基づき各リール17L,17M,17Rの回転が開始され、各ストップスイッチ22,23,24の操作に基づき全リール17L,17M,17Rの回転が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
表示窓14L,14M,14Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口25が設けられている。メダル投入口25から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ26によってホッパ用通路27か皿用通路28のいずれかへ導かれる(図2参照)。メダルの受け入れが不可な状態では、セレクタ26が皿用通路28側へ投入メダルを導く状態となり、この導かれたメダルは前面扉12の前面下部に設けられたメダル受け皿29に排出される。
一方、メダルの受け入れが可能な状態では、セレクタ26がホッパ用通路27側へ投入メダルを導く状態となり、この導かれたメダルは筐体11の内部に収納されたホッパ装置31へと導かれる。なお、ホッパ用通路27には図示しないメダル検知装置が設けられており、当該メダル検知装置により上記投入メダルが検知される。
ホッパ装置31は、メダルを貯留する貯留タンク32と、メダルを遊技者に払い出す払出装置33とより構成されている。払出装置33は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、皿用通路28の中央右部に設けられた開口34へメダルを排出し、皿用通路28を介してメダル受け皿29へメダルを払い出すようになっている。なお、ホッパ装置31の側方には、貯留タンク32内に所定量以上のメダルが貯留された場合に余剰となったメダルが排出される図示しない予備タンクが設けられている。
メダル投入口25の下方には、ボタン状の返却スイッチ35が設けられている。返却スイッチ35は、メダル投入口25に投入されたメダルがセレクタ26内に詰まった際に押されるスイッチであり、このスイッチが押されることによりセレクタ26が機械的に連動して動作され、当該セレクタ26内に詰まったメダルがメダル受け皿29に排出されるようになっている。
表示窓14L,14M,14Rの下方左側には、仮想遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するためのボタン状の第1クレジット投入スイッチ36が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ36の左方には当該スイッチ36よりも小さなボタン状のスイッチとして、第2クレジット投入スイッチ37及び第3クレジット投入スイッチ38が設けられている。第2クレジット投入スイッチ37はクレジットされた仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ38は仮想メダルを1枚投入するためのものである。
スタートレバー21の左側には、ボタン状の精算スイッチ39が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状態で精算スイッチ39が押下操作されることで、仮想メダルが現実のメダルとして排出される。
遊技パネル14の表示窓14L,14M,14Rの下方には、貯留記憶された仮想メダル数を表示するクレジット表示部41と、入賞時に獲得したメダルの枚数を表示する獲得枚数表示部42とがそれぞれ設けられている。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ部43と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ部44と、遊技者に各種情報を与える表示ユニット45とが設けられている。表示ユニット45は遊技者から見て若干見上げる位置に配置されており、具体的には、リールユニット16の上方に配置されている。
表示ユニット45は表示制御装置を備えており、当該表示制御装置の背面側には、図2に示すように、音声発光制御装置46が設けられている。音声発光制御装置46により、上部ランプ部43、スピーカ部44及び表示制御装置が制御され、表示制御装置により表示ユニット45に設けられた各種表示装置が制御され、これら上部ランプ部43、スピーカ部44及び各種表示装置において、遊技の進行に伴って各種演出が実行される。
図2に示すように、筐体11の内部においてホッパ装置31の左方には、電源ボックス47が設けられている。電源ボックス47は、電源スイッチ47a、リセットスイッチ47b、及び設定キー挿入孔47cなどを備えている。電源スイッチ47aは、主制御装置50を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ47bは、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。設定キー挿入孔47cは、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔47cへ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率を設定できるようになっている。また、リールユニット16の上方には、主制御装置50が筐体11の背板に取り付けられている。
<表示ユニット45について>
表示ユニット45について図4〜図7を用いて説明する。図4は表示ユニット45の正面図であり、図5は表示ユニット45の背面図であり、図6は表示ユニット45の斜視図であり、図7は表示ユニット45の分解斜視図である。
表示ユニット45は、その外殻を構成するハウジング部材61と、当該ハウジング部材61の背面側に設けられたメイン表示装置62と、当該メイン表示装置62に対して前面側に配置される可動式の可動表示装置63,64と、を備えている。ハウジング部材61は前面扉12に取り付けられている。ハウジング部材61は、全体として矩形枠状に形成されており、前後方向に開放されている。具体的には、ハウジング部材61は、図6等に示すように、上下方向に対向配置された上側板部71及び下側板部72と、これら板部71,72を連結するように設けられ、遊技機左右方向に対向配置された左側板部73及び右側板部74と、を備えている。メイン表示装置62及び各可動表示装置63,64は、図4に示すように、ハウジング部材61によって囲まれた領域を介して前方から視認可能となっている。この場合、メイン表示装置62は正面を向いて配置されている。
メイン表示装置62は透過型の液晶表示装置である。メイン表示装置62について図8及び図9を用いて詳細に説明する。図8は、メイン表示装置62において画像が表示される箇所の断面構造を説明するための模式図であり、図9(a)は液晶パネル81の正面図であり、図9(b)は液晶パネル81の画素構造を説明するための説明図であり、詳細には遊技機前方から見て奥側に配置されているガラス基板91のパターニング構造を示す模式図である。なお、説明の便宜上、図8では厚さ寸法を変更して示す。
メイン表示装置62は、光が透過することによって画像を表示する透過型の液晶パネル81と、当該液晶パネル81の後方に配置され、液晶パネル81に対して光を供給するバックライト基板82と、を備えている。液晶パネル81は、バックライト基板82から光が照射されることにより画像を表示するように構成されている。
上記画像の表示に係る各構成の詳細について説明する。
図8に示すように、液晶パネル81は、透明性を有する基板として一対のガラス基板91,92を備えている。両ガラス基板91,92は所定の間隔を隔てて対向配置されており、両ガラス基板91,92の間には両者に挟まれるようにして液晶層93が設けられている。液晶層93は、図示しないシール部材によって封入されている。液晶パネル81において正面視で液晶層93の存在する領域が表示領域94となっている(図9(a)参照)。表示領域94は、図9(a)に示すように、ガラス基板91(ガラス基板92)よりも小さい領域である。当該表示領域94がメイン表示装置62のメイン表示画面G1に相当する。なお、透明性を有する基板としてはガラス基板に限定されることなく、アクリル樹脂系等の有機高分子などでもよく、撓み変形可能なフレキシブル基板でもよい。
表示領域94には複数の画素がマトリックス状に形成されている。詳細には、ガラス基板91の表面には電極がマトリクス状に張り巡らされており、図9(a)に示すように、X方向(遊技機左右方向)に沿って形成され、Y方向(遊技機上下方向)に等間隔に配置された複数のゲートライン101が設けられているとともに、当該ゲートライン101に対して直交する方向に沿って形成されたソースライン102が設けられている。これらゲートライン101及びソースライン102によって1画素が区画形成されている。詳細には、1画素は、図9(b)に示すように、複数(具体的には3つ)のサブ画素から構成されており、ゲートライン101及びソースライン102によって区画形成される領域を3つで1画素となっている。各サブ画素の構造は後述するカラーフィルタの構造を除いて同一となっている。
なお、表示領域94に800×480の画素が形成されるようにソースライン102及びゲートライン101が形成されている。このため、液晶パネル81は800×480ピクセルの解像度を有している。
一対のガラス基板91,92の外側にはそれぞれ偏光板111,112が設けられているとともに、遊技機前方から見て手前側のガラス基板92と液晶層93との間には所定の範囲の波長の光を透過し、その他の波長の光を吸収するカラーフィルタ113が設けられている。画素毎に液晶層93に対して印加(付与)する電圧を制御することで、各画素内における光の透過率が調整(変更)されるとともに透過する光がカラーフィルタ113で着色され、表示領域94(表示画面)にカラー画像が表示される。
各構成について具体的に説明すると、液晶層93には、ネマティック型の液晶分子121が含まれているとともに、当該液晶分子121を配列させる一対の配向膜122,123が設けられている。両配向膜122,123はポリイミド系の樹脂で構成されており、液晶層93を挟むようにして対向対置されている。各配向膜122,123には液晶分子121が一列に並ぶような溝が形成されている。当該溝はその方向が互いに90度となるように形成されている。
かかる構成の配向膜122,123の間に液晶分子121が含まれている液晶材を封入すると、液晶分子121が各配向膜122,123の溝に沿って配列する。これにより、液晶分子121は、表示領域94に対して(両ガラス基板91,92の板面に沿った方向に対して)水平配向される。この場合、両配向膜122,123それぞれに形成されている溝の方向が直交しているため、液晶分子121は両配向膜122,123間で90度ねじれている。液晶層93に対して垂直方向に(ガラス基板91,92が向き合う方向に)電圧が印加された場合、液晶分子121は分極して垂直配向する。
なお、両配向膜122,123の間には、柱状をなした柱状スペーサ124が設けられている。柱状スペーサ124はソースライン102に重なるように所定の間隔を隔てて複数形成されている。柱状スペーサ124の高さ寸法は一定に設定されており、当該柱状スペーサ124を介して配向膜122,123が配置されている。これにより、液晶層93の厚さ寸法が柱状スペーサ124によって一定に設定されている。すなわち、柱状スペーサ124は、液晶層93の厚みを均一にするものである。
なお、柱状スペーサ124の形状は柱状に限られず、例えば球状、直方体状でもよい。また、樹脂膜でなく、他の材質を用いてもよい。要は液晶層93の厚みを均一にするものであればよい。
両偏光板111,112は、予め定められた一方向に振動する光のみを透過するし、それ以外の光を遮断するように構成されている。具体的には、両偏光板111,112は、高分子フィルム(ポリビニルアルコール)に対してヨウ素化合物(ヨウ素分子)が添加し、当該フィルムに対して一方向に引張力を付与することによって形成される。これにより、ヨウ素分子は引張方向に規則正しく配列される。この場合、各偏光板111,112に対して光が入り込むと、ヨウ素分子の長軸と平行な光が吸収される一方、ヨウ素分子の長軸に対して直交する方向の光がヨウ素分子を通過する。各偏光板111,112は互いの透過軸が直交するように一対のガラス基板91,92に対して貼り付けられている。
かかる構成によれば、液晶層93に対して電圧が印加されていない状況においては、液晶層93の液晶分子121は90度ねじれた状態で水平配向されているため、奥側から手前側に向けて進む光のうち奥側の偏光板111を通過した光は液晶層93を通過する際に90度回転する(旋光現象)。これにより、透過光が手前側の偏光板112の透過軸と一致するため、透過光は偏光板112を通過し、その画素において白表示が行なわれる(透過状態)。この場合、カラーフィルタ113によって特定の波長の光が吸収されると、吸収されなかった波長の光がその画素において視認される。これにより、当該画素において上記波長に対応した色表示(カラー表示)が行われることとなる。
一方、液晶層93に対して垂直方向に(両ガラス基板91,92が向き合う方向に)電圧が印加された場合、液晶層93の液晶分子121は電圧の印加方向に沿って垂直配向する。これにより、奥側から手前側に向けて進む光のうち偏光板111を透過した透過光はそのまま偏光板112に到達し、当該偏光板112にて吸収される。よって、画素には黒表示が行われる(遮蔽状態)。
以上のことから、液晶層93に対する電圧の印加に伴って、液晶分子121が水平配向から垂直配向に移り変わることで、白表示(明)→黒表示(暗)に切り換わる。換言すれば、透過率が高い状態から低い状態に変化する。
かかる方式は、液晶表示における他の方式と比較して、開口率(1画素において光が透過する面積と画素全体の面積との比率)を大きく確保し易いとともに安価である一方、視野角が狭い。しかしながら、一般的に遊技者はスロットマシン10の正面に座り、メイン表示画面G1を正面から見る。このため、メイン表示画面G1を斜めから見ることは稀であるため、遊技において視野角が狭いことによる不都合は生じにくい。したがって、かかる方式を用いることによって生じ得る不都合を回避しつつ、高輝度な光を確保することができる。
また、各偏光板111,112の信頼性を向上させるために各偏光板111,112に対してアセテート系樹脂からなる基板フィルムを貼り付けてもよい。この場合、基板フィルムの表面に凹凸が形成されないように平坦化処理を施しておくとよい。これにより、各偏光板111,112によって生じ得る画像の濃淡ムラを抑制することができる。さらに、基板フィルムは紫外線吸収性を有しているとよい。これにより、各偏光板111,112に含まれるヨウ素化合物の紫外線劣化を抑制し得る。
また、基板フィルムの他に、各偏光板111,112の表面凹凸及び基板フィルムの表面凹凸が形成されるのを抑制すべく、これらを覆う保護フィルムを設けてもよい。
なお、図面の関係上、カラーフィルタ113とガラス基板92とを離間して表示したが、実際にはガラス基板92における液晶層93側にカラーフィルタ113が蒸着されている。
次に、液晶層93に対して電圧を印加する構成について説明する。
液晶層93に対して電圧を印加する構成として、遊技機前方から見て手前側のガラス基板92には透明性の導電材料で形成された共通電極131が設けられている。共通電極131は酸化インジウムスズ(ITO)で構成されており、表示領域94の大きさと同一に形成されている。共通電極131はカラーフィルタ113を覆うように形成されている。
共通電極131に対応させて、遊技機前方から見て奥側のガラス基板91上には、図8及び図9に示すように、画素電極132が形成されている。画素電極132は、共通電極131と同様に透明性の導電性材料で構成されており、具体的には酸化インジウムスズ(ITO)で構成されている。画素電極132はサブ画素に対応した大きさに形成されており、具体的にはサブ画素よりも若干小さく矩形状に形成されている。なお、説明の便宜上、以降の説明において画素電極132が設けられている側のガラス基板91をアレイ基板91、カラーフィルタ113及び共通電極131が設けられている側のガラス基板92をCF基板92という。アレイ基板91は遊技機前方から見て奥側に配置されており、CF基板92は遊技機前方から見て手前側に配置されている。換言すれば、アレイ基板91はバックライト基板82側に配置されている。
画素電極132に対する電圧の制御を行うことで、当該画素電極132と共通電極131との間に配置されている液晶層93の配向制御を行うようになっている。上記画素電極132への電圧制御は、画素電極132の隅角部を切り取ることで形成された領域に設けられた薄膜トランジスタ133によって行われる(図9(b)参照)。
薄膜トランジスタ133がオン状態となることにより、画素電極132及び共通電極131間に所定の電圧が印加され、液晶分子121に対して各電極131,132が向き合う方向の電界が付与される。これにより、液晶分子121の配向が変化し、光の透過率が変化する。
特に、画素を通過する光の透過率(詳細には液晶分子121の配向角度)は、当該液晶分子121に対して印加される電界の強さに依存する。当該電界の強さは薄膜トランジスタ133のソース・ドレイン間を流れる電流の大きさに依存し、当該電流はゲート電圧及びソース・ドレイン間電圧に依存する。このため、薄膜トランジスタ133のゲート電圧及びソース・ドレイン間電圧を制御することによって、画素を通過する光の透過率を制御することができる。これにより、色の濃淡を表現することが可能となる。
この場合、チャネル層としてアモルファスシリコンよりもキャリア移動度が高いポリシリコン層を用いるとよい。これにより、薄膜トランジスタ133の応答性が向上し、遊技において高速の画面表示の切換を行う場合に、当該切換に容易に対応することが可能となる。したがって、遊技において表示画面を高速に切り換える表示演出を好適に実行することが可能となる。
さらに、アレイ基板91上にチャネル層として用いられるポリシリコン層を設けた後に絶縁膜及びゲート電極を設ける構成とするとよい。この場合、ポリシリコン層を形成した段階で不純物ドーピングを行うことが可能となる。これにより、ポリシリコン層のドーピング濃度を調整することにより、薄膜トランジスタ133の閾値電圧を制御することが可能となる。よって、薄膜トランジスタ133を画素のスイッチング素子として用いるだけでなく、CMOS回路として用いることも可能となる。したがって、後述する各種ドライバ回路をアレイ基板91に作成することが可能となる。
なお、チャネル層としてはポリシリコン層に限られず、アモルファスシリコン層でもよい。この場合、チャネル層を容易に形成することができる。
次に、表示領域94の周辺構成について説明すると、図9(a)に示すように、アレイ基板91の面積はCF基板92よりも大きく設定されている。このため、アレイ基板91において表示領域94の周囲にはスペースが形成されている。当該スペースには、ソースライン102を介して各画素に設けられた薄膜トランジスタ133のソース・ドレイン間に電圧を印加するソースドライバ回路141が設けられているとともに、ゲートライン101を介して各画素に設けられた薄膜トランジスタ133のゲートに対して電圧を印加するゲートドライバ回路142が設けられている。これらは、薄膜トランジスタを用いたCMOS回路から構成されており、アレイ基板91上に構築されている。各ドライバ回路141,142がアレイ基板91上に形成されているため、各ドライバ回路141,142と各ライン101,102とを接続するための配線等が必要ない。これにより、接続する構造に起因する故障の低減を図ることができるとともに、メイン表示装置62の小型化を図ることができる。
なお、ソースドライバ回路141及びゲートドライバ回路142の構成についてはこれに限られず、例えばパッケージ化されたチップを接続手段としてのフレキシブル配線を介して接続する構成としてもよいし、接続手段としての銀ペースト等を用いてチップをアレイ基板91に直接実装する構成としてもよい。
次に、カラーフィルタ113について説明する。カラーフィルタ113は各画素の大きさに対応した領域を区画形成するブラックマトリックス151(以降、単にBM151という)を備えている。BM151は光を吸収し遮光する遮光性材料からなり、画素電極132と重ならないように形成されている。具体的には、BM151はソースライン102及びゲートライン101と重なるように設けられており、マトリックス状に形成されている。
当該BM151によって1画素に対応した領域が形成されおり、当該領域には、特定範囲の波長の光のみを透過する一方、それ以外の波長の光を吸収するカラー領域が形成されている。具体的には、R(赤)に対応した波長(約600nm〜)の光を透過するR領域152と、G(緑)に対応した波長(約500nm〜約600nm)の光を透過するG領域153と、B(青)に対応した波長(約400nm〜約500nm)の光を透過するB領域154と、が形成されている。この場合、各領域152,153,154間の隙間を埋めるようにBM151が形成されているともいえる。
各領域152,153,154は画素電極132と略同一の大きさに形成されており、画素電極132、液晶層93及び共通電極131を介して透過した光は、上記各領域152,153,154を介して外部に視認される。この場合、各領域152,153,154に対応した波長の光のみがそれぞれ透過し、それらが混合することによってカラー表示が実現される。例えば、R領域152が形成されているサブ画素の透過率を、他のサブ画素の透過率よりも高く設定すると、その画素において赤系の色が表示される。
ここで、各領域152,153,154の透過率を最大にすると、3色が混合した白表示が行なわれる一方、各領域152,153,154の透過率を最小にすると黒表示が行なわれる。換言すれば、白表示とは、1画素内の各サブ画素において光の透過率が最大となる完全透過状態に設定された場合に表示されるものであり、黒表示とは、1画素内の各サブ画素において光の透過率が最小となる完全遮蔽状態に設定された場合に表示されるものであるとも言える。また、色表示は、1画素内の各サブ画素の透過率を調整することによって表示されるものであり、色表示が行なわれている状況における画素全体の透過率は白表示が行なわれる場合の画素と比較して低くなる。
BM151のパターン形状について詳細に説明すると、BM151は各領域152,153,154間の隙間を埋めるように形成されているため、画素間の隙間から漏れた光はBM151によって吸収される。これにより、光漏れによるコントラストの低下が抑制されている。
この場合、既に説明したとおり、液晶層93における柱状スペーサ124はソースライン102に沿って形成されているため、BM151は柱状スペーサ124上に形成されている。すなわち、ソースライン102上に柱状スペーサ124及びBM151が形成されている。これにより、これら柱状スペーサ124及びBM151が画素からの光を阻害しにくい。よって、画素の開口率を低下させること無く、これら柱状スペーサ124及びBM151を設けることによる効果を得ることができる。
また、BM151は、薄膜トランジスタ133を覆うようにソースライン102から一部はみ出して形成されている。これにより、前面側(偏光板112側)から薄膜トランジスタ133に対して入射する光がBM151によって吸収される。これにより、薄膜トランジスタ133に対して光が照射されることによって、薄膜トランジスタ133のリーク電流が大きくなり、コントラストが低下する不都合を抑制し得る。
次に、上記液晶パネル81に対して光を照射するバックライト基板82について図10を用いて説明する。図10(a)はバックライト基板82の正面図であり、図10(b)は発光ユニット161の断面構造を模式的に示す模式図である。
図10(a)に示すように、バックライト基板82には複数の発光ユニット161が設けられた発光領域162を備えている。発光領域162は表示領域94と同一の大きさに形成されており、これら発光領域162と表示領域94とが重なり合うように液晶パネル81とバックライト基板82との位置関係が設定されている。
発光ユニット161は発光領域162内において等間隔に配列されている。各発光ユニット161は、発光領域162とは異なる領域に設けられたLEDドライバ回路163に対して接続されている。LEDドライバ回路163は、各発光ユニット161に対して当該発光ユニット161が動作可能な駆動電圧を供給するように構成されており、発光ユニット161はLEDドライバ回路163から上記駆動電圧が印加された場合に白色光を発光するように構成されている。
発光ユニット161の詳細な構成について図10(b)を用いて説明する。なお、各発光ユニット161の構成は同一であるため、1の発光ユニット161のみについて説明する。また、配線については省略する。
図10(b)に示すように、発光ユニット161は、発光素子として光の直進性が蛍光灯等の他の照明器具のそれよりも高い青色LEDチップ164を備えている。青色LEDチップ164は、ベース基板としてのサファイア基板と、当該サファイア基板上に形成された発光層と、を備えている。発光層は、p−GaN層、InGaN層、n−GaN層の量子井戸構造を有しており、当該発光層に対して電圧が印加された場合には、上記量子井戸に閉じ込められていたキャリアの再結合が行われ、離散化されたバンドギャップに対応したエネルギーの光が放出される。これにより、発光層の界面から青色発光が行われる。
なお、発光層とサファイア基板との間に反射層を形成する構成としてもよい。これにより、発光層から発光される光のうちサファイア基板側に向けて照射される光が反射層に反射されるため、発光層側における光取り出し効率の向上を図ることができる。
ここで、反射層を設ける具体的な構成としては、サファイア基板に発光層を設け、当該発光層の上にAl,Ag等の反射層を設ける。そして、反射層の上に更にベース基板としてGa基板を貼り付け、サファイア基板を取り除く。これにより、Ga基板上に反射層と発光層とが形成されたLEDチップを得ることができる。この場合、光透過性を有するサファイア基板上に反射層を設ける困難性を回避することができるとともに、サファイア基板を流用することができる。
また、発光層の構造は上記構造に限られず、例えば単純なPN接合でもよい。要は、青色発光することができる構成であれば任意である。但し、量子井戸構造のように発光効率が高いものを用いる構成とするとよい。
発光ユニット161は、青色LEDチップ164を収容するLEDケース165を備えている。LEDケース165は透明性のシリコン樹脂で構成されており、全体として球形状をなしている。LEDケース165は青色LEDチップ164を収容可能な内部空間166を有しており、当該内部空間166内に青色LEDチップ164が収容されている。当該内部空間166は完全な閉空間となっている。
ここで、LEDケース165は球形状をなしているため、青色LEDチップ164からの光の取り出し効率が高められている。すなわち、仮にLEDケース165が青色LEDチップ164を覆うように平板状に形成されている場合、青色LEDチップ164から放射される光の角度によっては、LEDケース165の内壁面において全反射が発生し得る。これにより、青色LEDチップ164からの光の一部がLEDケース165から外へ導出されないおそれがある。
これに対して、本実施形態ではLEDケース165が球形状をなしているため、LEDケース165を通過する光の入射角を小さくすることができる。これにより、上記全反射の発生を抑制し得る。これにより、全反射によって失われる損失を小さくすることができるため、光取り出し効率の向上を図ることができる。
内部空間166内には、黄色の蛍光体167が封入されている。蛍光体167は、青色の光が照射されると、黄色を発光するように形成されている。これにより、発光ユニット161は、青色と黄色とが混合した色である白色を発光することとなる。
なお、かかる構成の場合、赤色の波長及び緑色の波長の光量は青色と比較して小さい。このため、カラーフィルタ113を介してメイン表示画面G1に画像を表示させる際に上記赤色、緑色を好適に表示させにくい。これに対して、青色が照射されることで赤色発光を行う赤色蛍光体168及び青色が照射されることで緑色発光を行う緑色蛍光体169が全体としての発光色が白色となる範囲内で内部空間166内に混入されている。これにより、白色発光内に赤色成分と緑色成分とが含まれることとなるため、メイン表示画面G1にこれらの色を好適に表示させることができる。よって、青色と黄色とを組み合わせることで白色発光を行う発光ユニット161において生じ得る不都合を回避することができる。
白色発光を行う構成については、これに限られず、例えばR,G,Bそれぞれに対応したLEDを設け、それらを同時に発光する構成としてもよいし、紫外光を発光するLEDを設け、内部空間166内に上記紫外光が照射されることによってR,G,Bの色を発光する蛍光体をそれぞれ封入する構成としてもよい。また、発光ユニット161の構成についてはこれに限られず、周知のLEDを用いてもよい。
上記のように構成されたメイン表示装置62はハウジング部材61に固定されている。当該固定について以下に説明する。表示ユニット45は、図7に示すように、上下方向に離間した位置に配置された一対の上フレーム181及び下フレーム182を備えている。各フレーム181,182は長尺状に形成されている。各フレーム181,182は、当該各フレーム181,182の長手方向が遊技機左右方向と一致するようにハウジング部材61に対して固定されている。具体的には、上フレーム181は上側板部71に対して固定されている。下フレーム182は下側板部72に対して固定されている。各フレーム181,182に対してメイン表示装置62が固定されていることにより、メイン表示装置62とハウジング部材61との固定が実現されている。
各フレーム181,182に対するメイン表示装置62の固定について説明すると、表示ユニット45は、メイン表示装置62の遊技機左右方向の両側に配置された一対の側板183,184を備えている。一対の側板183,184はそれぞれ、板面が前方から視認可能となる向きで各フレーム181,182に対して固定されている。
図5に示すように、メイン表示装置62の4隅には、当該メイン表示装置62を各側板183,184に取り付けるための取付部185が設けられている。取付部185はそれぞれ側方に突出している。取付部185は各側板183,184における背面側の板面に対して重なっている。その重なっている箇所はネジ固定されている。これにより、メイン表示装置62が上記側板183,184を介して各フレーム181,182に対して固定されている。この場合、メイン表示装置62は移動不可となっている。
各側板183,184は発光機能を備えている。具体的には、図7に示すように、各側板183,184における前方側の板面にはそれぞれ、面発光ライト191,192が設けられている。各面発光ライト191,192は、側板183,184の板面とほぼ同一の大きさに形成されている。各面発光ライト191,192は、LED等の複数の発光素子と、当該複数の発光素子の光を拡散板とを備えている。複数の発光素子が発光すると、その光が拡散板により拡散される。これにより、面発光が実現されている。当該各面発光ライト191,192の面発光を用いた演出を行うことにより、遊技への注目度を高めることができる。
なお、図5に示すように、メイン表示装置62の背面側には、当該メイン表示装置62及び各可動表示装置63,64の表示制御を行う表示制御装置193が取り付けられている。
また、図6に示すように、ハウジング部材61の上側板部71の後方側の端部には、上フレーム181を上方から覆うカバー部194が設けられている。当該カバー部194により上フレーム181に対してチリや埃が溜まらないようになっている。
次に、各可動表示装置63,64について説明する。各可動表示装置63,64は、図4に示すように、メイン表示装置62における遊技機左右方向の両側であって各側板183,184の前面側に配置されている。なお、以降の説明において、前方から見てメイン表示装置62に対して右側に配置されている可動表示装置63を右側可動表示装置63といい、前方から見てメイン表示装置62に対して左側に配置されている可動表示装置64を左側可動表示装置64という。
各可動表示装置63,64の内部構成について説明する。図7等に示すように、各可動表示装置63,64はそれぞれ、枠体201,202と、当該枠体201,202に囲まれた液晶表示部203,204と、を備えている。各液晶表示部203,204が各可動表示装置63,64のサブ表示画面G2,G3に相当する。
液晶表示部203,204は、前面側及び背面側双方に画像を表示することが可能に構成されている。当該構成について図11を用いて詳細に説明する。図11は液晶表示部203の断面構造を模式的に示したものである。なお、液晶表示部203と液晶表示部204とは同一の構成であるため、液晶表示部204の構成については説明を省略する。
液晶表示部203は、液晶パネル210と、当該液晶パネル210に対して光を照射する一対のバックライト211,212と、を備えている。液晶パネル210は、一対のガラス基板221,222と、液晶層223と、偏光板224,225と、カラーフィルタ226と、配向膜227,228と、共通電極229と、画素電極230と、を備えている。各構成は、メイン表示装置62の液晶パネル81の対応するものと同一であるため、説明を省略する。
バックライト211,212は液晶パネル210を前後方向から挟むようにして配置されている。以降の説明において、右側可動表示装置63が側板183の前面側に配置されている状況において液晶パネル210に対して後方に配置されているバックライト211を第1バックライト211と言い、右側可動表示装置63が側板183の前面側に配置されている状況において液晶パネル210に対して前面側に配置されているバックライト212を第2バックライト212と言う。この場合、前方から見て、第2バックライト212、液晶パネル210、第1バックライト211の順に配置されている。
各バックライト211,212はそれぞれ面発光するよう構成されている。当該面発光に係る構成について以下に説明する。なお、両バックライト211,212は略同一の構成となっているため、基本的に第1バックライト211について説明する。
第1バックライト211はエッジライト方式のものであり、具体的には液晶パネル210に対して対向配置された第1導光板231(第2バックライト212にあっては第2導光板232)と、当該第1導光板231の側方に設けられた第1発光体233(第2バックライト212にあっては第2発光体234)と、を備えている。第1導光板231は透明性を有する樹脂で形成されており、液晶パネル210と略同一の大きさを有している。第1導光板231は、液晶パネル210に対して前後方向に対向配置されている。
第1発光体233は、一列に配列された複数のLEDを有し、全体として細長形状をなしている。第1発光体233は第1導光板231の一側面に沿って配置されている。これにより、第1発光体233が発光した場合には、当該光は第1導光板231の一側面に入射されることとなる。
なお、第1発光体233の構成についてはこれに限られず、例えば冷陰極蛍光ランプを用いる構成としてもよいし、1のLEDとライトガイドとを用いる構成としてもよい。要は、第1導光板231の側面に対して光を照射する線発光源となるものであればよい。
第1導光板231は、第1発光体233からの光を液晶パネル210側に向けて導出する。具体的には、第1導光板231において液晶パネル210側の第1導出面241(第2導光板232にあっては第2導出面242)は平坦に形成されており、液晶パネル210の表示面に対して平行となっている。これに対して、第1導光板231において液晶パネル210側とは反対側の表面には、第1反射プリズム243(第2導光板232にあっては第2反射プリズム244)が設けられている。第1反射プリズム243は全体としてノコギリ状に形成されている。詳細には、第1反射プリズム243は、液晶パネル210の表示面に対する傾斜角度が相対的に高低となる高傾斜面243aと低傾斜面243b(第2反射プリズム244にあっては高傾斜面244aと低傾斜面244b)とを有している。各傾斜面243a,243bは第1発光体233からの光の進行方向に向けて交互に形成されている。各傾斜面243a,243bは第1発光体233の長手方向に沿って形成されている。高傾斜面243aの傾斜角度は40〜50度に設定されており、低傾斜面243bの傾斜角度は1〜3度に設定されている。
かかる構成によれば、第1発光体233から第1導光板231に対して光が入射される場合、その光は第1導出面241、各傾斜面243a,243bのいずれかに当たる。この場合、光の入射角度の関係から、第1導出面241及び低傾斜面243bに対して当たった光は全反射する。このため、光は第1導光板231外には導出されず、第1導光板231内を進行する。換言すれば、低傾斜面243bの傾斜角度は、第1発光体233からの光を全反射するように設定されているものであるとも言える。
一方、高傾斜面243aに対して当たった光は、第1導出面241に対して直交する方向、すなわち液晶パネル210に向けて進行する。当該光は、第1導出面241に対して全反射されることなく直進する。これにより、液晶パネル210に対して直交する光が導出されることとなる。換言すれば、高傾斜面243aの傾斜角度は、第1発光体233からの直接光及び第1導出面241又は低傾斜面243bによって全反射された反射光が当たった場合に、当該光が液晶パネル210側に向けて進行するように設定されていると言える。
以上のことから、第1バックライト211による面発光が実現されている。
なお、第1導光板231を第1発光体233から離れるに従ってその厚さ寸法が小さくなるようにくさび形状にしてもよい。この場合、液晶パネル210に対して垂直に入射する光を多くすることが可能となる。
ここで、第1導光板231は第1発光体233が発光していない状況においては前後方向の光をそのまま透過するように形成されている。具体的には、既に説明した通り、第1導光板231は透明性の樹脂で形成されている。そして、第1導光板231を前後方向から見た場合において低傾斜面243bが占める面積は、高傾斜面243aが占める面積よりも大きくなるように設定されている。
かかる構成によれば、前後方向の光が照射された場合、当該光の進行方向に対して高傾斜面243aは傾いているため、光は高傾斜面243aにて屈折する。一方、低傾斜面243bは光の進行方向に対して略直交となるため、光は低傾斜面243bをほぼ直進する。この場合、低傾斜面243bが占める面積が大きいため、光は全体として第1導光板231を透過する(透過率約90%)。このため、第1発光体233が発光していない状況において第1導光板231は透明となっている。すなわち、第1バックライト211は、液晶パネル210に対して光を照射する発光状態と、光を透過する透過状態と、に切換可能に形成されていると言える。そして、第1バックライト211の状態の切換は、第1発光体233の発光の有無によって制御することができる。第2バックライト212についても同様である。
なお、第1導光板231は、透明性を高める観点から薄く形成されており、具体的には0.7mm以下の厚さで形成されている。
さらに、第1反射プリズム243のピッチ(ノコギリ1個分の長さ寸法)は、液晶パネル210との干渉でモアレ現象が生じにくいように設定されている。
次に、一対のバックライト211,212が設けられていることの作用について説明する。
第1バックライト211を発光状態とし、第2バックライト212を透過状態とすると、図11の矢印Aのように光が進行する。この場合、第2バックライト212側の第1サブ表示画面G2aに画像が表示される。一方、第1バックライト211を透過状態とし、第2バックライト212を発光状態とすると、図11の矢印Bのように光が進行し、第1サブ表示画面G2aとは反対側の第2サブ表示画面G2bに画像が表示される。つまり、液晶表示部203は、表裏一対のサブ表示画面G2a,G2bを有している。同様に、液晶表示部204も表裏一対のサブ表示画面G3a,G3bを有している。
この場合、各バックライト211,212の状態を交互に切り換えることにより、各サブ表示画面G2a,G2bにおいて交互に画像を表示させることができる。当該切換を高速で行うことにより、各サブ表示画面G2a,G2b双方に画像が表示されていると認識させることができる。
さらに、各バックライト211,212の状態の切換に同期して、画像の内容を切り換える(液晶パネル210における液晶配向を切り換える)ことにより、各サブ表示画面G2a,G2bに異なる内容の画像を表示させることが可能となる。すなわち、液晶パネル210を挟む一対のバックライト211,212を設け、当該各バックライト211,212の発光制御及び液晶パネル210の画像制御を行うことにより、各サブ表示画面G2a,G2bのいずれか一方又は各サブ表示画面G2a,G2bの双方に画像を表示することが可能となる。
ここで、各バックライト211,212を透過状態とすると、光は液晶表示部203を透過する。この場合、後方(又は前方)からの光を利用して画像を表示させることが可能となるとともに、当該液晶表示部203の後方が視認可能となる。
具体的には、液晶パネル210の各画素において、所定の色の光のみが透過するように液晶の配向制御を行うことにより、第1サブ表示画面G2a(又は第2サブ表示画面G2b)に所定のカラー画像を表示することが可能となる。一方、各画素において、後方からの光が全て透過するように液晶の配向制御を行うことにより、後方からの光が着色されることなく前方に向けて透過する。これにより、液晶表示部203の後方が視認可能となる。すなわち、液晶表示部203は、画素単位で画像を表示する画像表示状態と、後方からの光を着色することなく透過させることにより後方が視認可能となる透過状態(以下、各バックライト211,212の透過状態と区別するための後方視認状態という)と、に切換可能に形成されていると言える。当該切換は、各画素の液晶の配向制御によって制御することができる。なお、液晶表示部204についても同様である。
特に、液晶の配向制御は画素単位で行うことが可能となっているため、第1サブ表示画面G2a(第2サブ表示画面G2b)内において画像が表示される画像表示状態の領域及び後方視認状態の領域双方を混在させることが可能となっている。これにより、後方を視認可能とさせつつ、所定の画像を表示させることができる。
次に、各可動表示装置63,64の配線について説明する。図4及び図7に示すように、各可動表示装置63,64にはそれぞれフレキシブルケーブル251,252が接続されている。フレキシブルケーブル251,252はそれぞれ各枠体201,202から導出されている。当該各フレキシブルケーブル251,252に対応させて、下側板部72には、各フレキシブルケーブル251,252がそれぞれ通過可能なケーブル導出孔253,254が設けられている。フレキシブルケーブル251はケーブル導出孔253を介してハウジング部材61の外側に導出され、表示制御装置193に接続されている。これにより、フレキシブルケーブル251を介して右側可動表示装置63と表示制御装置193とが電気的に接続される。フレキシブルケーブル251は、表示制御装置193からの各信号を、右側可動表示装置63の液晶パネル210に設けられたソースドライバ、ゲートドライバ及び各バックライト211,212に対して伝送する。なお、上記フレキシブルケーブル251と同様に、フレキシブルケーブル252はケーブル導出孔254を介してハウジング部材61の外側に導出され、表示制御装置193に接続されている。
各可動表示装置63,64は、スライド移動可能な状態で各フレーム181,182に対して保持されている。当該保持に係る構成について説明する。両可動表示装置63,64の構成は左右対称である点を除いて同一である。このため、右側可動表示装置63の保持に係る構成について、図5及び図7に加えて図12及び図13を用いて説明し、左側可動表示装置64については説明を省略する。
図12は表示ユニット45の拡大斜視図であり、図13は右側可動表示装置63がスライド移動した場合の表示ユニット45の拡大正面図である。なお、説明の便宜上、図12においてハウジング部材61は一部を除いて破断して示し、図13においてハウジング部材61を2点鎖線で示す。
図12及び図13に示すように、右側可動表示装置63は、両フレーム181,182の間に配置されている。具体的には、右側可動表示装置63の枠体201は矩形に形成されている。枠体201の長手方向の寸法は、各フレーム181,182間の距離よりも若干小さく設定されている。右側可動表示装置63は、枠体201の長手方向が上下方向と一致するようにして、両フレーム181,182の間に配置されている。そして、右側可動表示装置63は、上記位置において各フレーム181,182の長手方向にスライド移動することが可能な状態で両フレーム181,182に保持されている。
具体的には、図7及び図12に示すように、上フレーム181は、下フレーム182側を向いた平面を有する上側ベース板部181aを備えている。下フレーム182は、上側ベース板部181aと対向する下側ベース板部182aを備えている。各ベース板部181a,182aにはそれぞれ、上下方向に貫通したスライド用スリット261,262が形成されている。両スライド用スリット261,262は同一の形状であり、上下方向に対向している。両スライド用スリット261,262は各フレーム181,182の長手方向に延びている。
スライド用スリット261,262に対応させて、枠体201の4隅には、それぞれ対応するフレームに向けて突出した保持部263〜266が設けられている。詳細には、図13に示すように、枠体201の上端部において左側可動表示装置64側とは反対側の部位には、上フレーム181に向けて突出した第1保持部263が設けられており、枠体201の下端部における第1保持部263の下方の部位には下フレーム182に向けて突出した第2保持部264が設けられている。そして、枠体201の上端部において左側可動表示装置64側の部位には、上フレーム181に向けて突出した第3保持部265が設けられており、枠体201の下端部における第3保持部265の下方の部位には下フレーム182に向けて突出した第4保持部266が設けられている。
各保持部263〜266は円筒状をなしており、その直径は各スライド用スリット261,262のスリット幅寸法よりも小さく設定されている。各保持部263〜266は、各スライド用スリット261,262を介して、対応するフレームにおける外側(右側可動表示装置63側とは反対側)に向けて突出している。具体的には、第1保持部263及び第3保持部265は、上側ベース板部181aに設けられたスライド用スリット261を介して上側ベース板部181aから上方に突出している。第2保持部264及び第4保持部266は、下側ベース板部182aに設けられたスライド用スリット262を介して下側ベース板部182aから下方に突出している。各保持部263〜266の先端部は、各スライド用スリット261,262のスリット幅よりも大きく拡径して形成されている。そして、当該先端部が対応するフレームに対して引っ掛かることにより、右側可動表示装置63が両フレーム181,182に対して保持されている。この場合、右側可動表示装置63は各スライド用スリット261,262の長手方向、すなわち遊技機左右方向にスライド移動することができる。右側可動表示装置63がスライド移動する方向をスライド移動方向と言う。
ここで、右側可動表示装置63のスライド移動中に右側可動表示装置63を上下方向又は前後方向に移動させようとしても、各保持部263〜266の先端部が各ベース板部181a,182aに対して引っ掛かり、当該移動が規制される。また、両保持部263,264を中心にして右側可動表示装置63を回動させようとすると、両保持部265,266がスライド用スリット261に対して当接し、上記回動が規制される。逆も同様である。
なお、各保持部263〜266において先端部と基端部とは別体であり、先端部は、各保持部263〜266の基端部が対応するスライド用スリット261,262に入り込んだ状態で取り付けられるようになっている。
次に、右側可動表示装置63のスライド移動をガイドする他の構成について説明する。図12等に示すように、下フレーム182は、下側ベース板部182aの他に、右側可動表示装置63のスライド移動を補助する補助板部182bを備えている。補助板部182bは、下側ベース板部182aの上方の位置に所定の間隔を隔てて配置されている。補助板部182bには、上下方向に連通する補助スリット271が設けられている。右側可動表示装置63の第2保持部264は補助スリット271に入り込むようにして配置されている。この場合、補助スリット271の周縁部と第2保持部264とが当接している。当該当接により、スライド移動方向以外の方向への右側可動表示装置63の移動が規制される。これにより、右側可動表示装置63のスライド移動をより好適に行うことができる。
次に、右側可動表示装置63をスライド移動させるための駆動構成について説明する。表示ユニット45は、右側可動表示装置63をスライド移動させるスライド用モータ281を備えている。スライド用モータ281は、図5に示すように、下フレーム182の背面側に固定されている。スライド用モータ281は音声発光制御装置46と電気的に接続されている。スライド用モータ281は、音声発光制御装置46から駆動信号(具体的にはパルス信号)が入力されることに基づいて、当該スライド用モータ281に設けられた出力軸を所定方向又はそれとは逆方向に回転させるものである。
出力軸は下フレーム182から前方に突出しており、当該出力軸には、図13に示すようにピニオン(歯車)282が固定されている。ピニオン282は出力軸の回転に伴って回転する。
ピニオン282の回転に伴って右側可動表示装置63がスライド移動するように構成されている。具体的には、ピニオン282に対応させて、枠体201の下端部にはピニオン282と噛み合うラック283が設けられている。ラック283には、ピニオン282に対応する複数の歯が枠体201の下端部に設けられた各保持部264,266間に亘って配列されている。これにより、ピニオン282が回転した場合には、右側可動表示装置63(枠体201)に対してスライド移動方向(遊技機左右方向)への力が付与され、右側可動表示装置63がスライド移動する。詳細には、例えば前方から見てピニオン282を右回転させると右側可動表示装置63は右に移動し、ピニオン282を左回転させると右側可動表示装置63は左に移動する。つまり、ピニオン282及びラック283はスライド用モータ281の動力を伝える動力伝達手段であると言える。
かかる構成によれば、右側可動表示装置63がスライド移動すると、ピニオン282と上記各保持部264,266とが当接する。具体的には、右側可動表示装置63が左に移動すると、図13に示すように、第2保持部264とピニオン282とが当接し、それ以上のスライド移動が規制される。当該規制された右側可動表示装置63の位置を第1位置とする。
一方、右側可動表示装置63が右に移動すると、図4及び図12に示すように、第4保持部266とピニオン282とが当接し、それ以上のスライド移動が規制される。当該規制された右側可動表示装置63の位置を第2位置とする。
つまり、右側可動表示装置63がスライド移動可能な距離は、各保持部264,266間の距離からピニオン282の直径を差し引いた距離である。各保持部264,266が枠体201の下端部における短手方向の両端部から突出させて形成されていることを鑑みれば、右側可動表示装置63のスライド移動可能距離は、枠体201(サブ表示画面G2)の短手方向(遊技機左右方向)の長さ寸法に対応しており、具体的には枠体201の短手方向の長さ寸法よりも若干小さく設定されているとも言える。
なお、各スライド用スリット261,262の長手方向の長さ寸法は、枠体201の短手方向の長さ寸法よりも大きく設定されており、具体的には枠体201の短手方向の長さ寸法の2倍よりも若干大きく設定されている。このため、右側可動表示装置63のスライド移動可能距離内において、枠体201と各スライド用スリット261,262の周縁部とが当接し、右側可動表示装置63のスライド移動が阻害されることはない。
次に、右側可動表示装置63とメイン表示装置62との位置関係について説明すると、右側可動表示装置63が第1位置に配置されている状況では、スロットマシン10を正面から見て右側可動表示装置63とメイン表示装置62とが重なり合っている。換言すれば、第1位置は、正面視で右側可動表示装置63とメイン表示装置62とが重なり合っている位置であるとも言える。
一方、右側可動表示装置63が第2位置に配置されている状況では、右側可動表示装置63は側板183の前面側に配置されている。この場合、右側可動表示装置63とメイン表示装置62とは正面から見てほとんど重なっておらず、両者が連続しているように見える。換言すれば、第2位置は、正面視でメイン表示装置62と右側可動表示装置63とが重ならない位置であると言える。
以上のことから、右側可動表示装置63は、正面から見てメイン表示装置62と重なる第1位置と、正面から見てメイン表示装置62と重ならない第2位置との間をスライド移動可能となっている。なお、以降の説明において、メイン表示装置62(メイン表示画面G1)と各可動表示装置63,64(各サブ表示画面G2,G3)とが重なっているか否かは、スロットマシン10の正面視で判断している。
スライド用モータ281はステッピングモータである。これにより、駆動信号、詳細にはパルス信号数に応じてピニオン282の回転量を制御することができる。このため、右側可動表示装置63のスライド量を制御することができる。つまり、スライド用モータ281に対する駆動信号を制御することによって、右側可動表示装置63のスライド移動方向の位置制御を行うことができる。
下フレーム182には、右側可動表示装置63が第1位置に配置されていることを検知する位置検知センサ291が設けられている。位置検知センサ291は発光部及び受光部を備えた光学式センサである。当該位置検知センサ291に対応させて、図5に示すように、右側可動表示装置63(枠体201)の背面側の部位には、後方に突出したセンサカット部292が設けられている。センサカット部292は、右側可動表示装置63が第1位置に配置されている状況において発光部と受光部との間に配置されるように位置関係が設定されている(図13参照)。これにより、センサカット部292が発光部と受光部との間を遮ることにより、右側可動表示装置63が第1位置に配置されていることを検知することができる。
右側可動表示装置63は、第1位置に配置されている状況において第1保持部263及び第2保持部264を中心として前方に回動可能に構成されている。右側可動表示装置63の回動に係る構成について図7、図12及び図13を用いて説明する。なお、以降の説明において、第1保持部263及び第2保持部264を単に軸部とも言う。
図7に示すように、ハウジング部材61には、右側可動表示装置63が回動可能となるように回動用スリット301,302が形成されている。回動用スリット301はハウジング部材61の上側板部71に形成されており、回動用スリット302はハウジング部材61の下側板部72に形成されている。各回動用スリット301,302は、軸部を中心として右側可動表示装置63が回動した場合における各保持部265,266の軌道に沿って円弧状に形成されている。各回動用スリット301,302のスリット幅は、各保持部265,266における基端部側の外径よりも若干大きく形成されている。
各回動用スリット301,302と各スライド用スリット261,262とは連通している。具体的には、図7及び図13に示すように、各フレーム181,182には、各スライド用スリット261,262を前方に向けて開放させる開口部303,304が設けられている。右側可動表示装置63が第1位置に配置されている状況において開口部303が第1保持部263の前面側に配置されるように当該開口部303の位置は設定されている。詳細には、開口部303はスライド用スリット261の中央寄りの端部に形成されている。開口部303を介してスライド用スリット261と回動用スリット301とが連通している。
同様に、右側可動表示装置63が第1位置に配置されている状況において開口部304が第2保持部264の前面側に配置されるように当該開口部304の位置は設定されている。詳細には、開口部304はスライド用スリット262の中央寄りの端部に形成されている。開口部304を介してスライド用スリット262と回動用スリット302とが連通している。
かかる構成によれば、右側可動表示装置63が第1位置から軸部を中心として前方に向けて回動する場合、各保持部265,266は、それぞれ対応する開口部303,304を介して回動用スリット301,302に移動し、当該回動用スリット301,302の周縁部と摺動しながら回動する。これにより、右側可動表示装置63が前方に向けて回動する場合に、各保持部265,266が邪魔にならない。換言すれば、右側可動表示装置63の回動が各保持部265,266により阻害されないようになっている。
特に、スライド用スリット261が形成されている上フレーム181の上側ベース板部181aとハウジング部材61の上側板部71とは同一平面上に形成されている。そして、スライド用スリット262が形成されている下フレーム182の下側ベース板部182aとハウジング部材61の下側板部72とは同一平面上に形成されている。これにより、両者の間に段差が生じないため、右側可動表示装置63の回動をスムーズに行うことができる。
なお、右側可動表示装置63が第1位置に配置されている状況において当該右側可動表示装置63の回動を阻害しないように、下フレーム182の補助板部182bは形成されている。具体的には、右側可動表示装置63が第1位置に配置されている状況において第4保持部266及びラック283の前方が開放されるように補助板部182bにおける前面側の部位の一部は切り取られている。これにより、右側可動表示装置63の回動が補助板部182bによって阻害される不都合を回避することができる。
ピニオン282及びラック283の噛み合わせは、右側可動表示装置63の回動を阻害しないように構成されている。当該構成について図14を用いて説明する。図14は、ピニオン282及びラック283の噛み合わせと右側可動表示装置63の回動との関係を説明するための説明図であって、図13のC−C線断面を模式的に示した模式図である。なお、説明の便宜上、ピニオン282側の歯を第1係合歯282aといい、ラック283側の歯を第2係合歯283aという。
図14に示すように、第1係合歯282aと第2係合歯283aとはそれぞれ、軸部の軸線方向から見て左右対称の台形柱状をなしている。第2係合歯283aは右側可動表示装置63の回動方向、詳細には前方に向けて末広がりとなるように形成されている。それに対応させて、第1係合歯282aは前方に向けて先細りとなるように形成されている。第1係合歯282aと第2係合歯283aとが噛み合った場合に、第1係合歯282aの側面と、第2係合歯283aの側面とが当接するようになっている。
かかる構成によれば、右側可動表示装置63が前方に向けて回動すると、図14の2点鎖線で示すように、第2係合歯283aは第1係合歯282aに対して引っ掛かることなく回動する。これにより、右側可動表示装置63が軸部を中心として回動する場合に、ラック283が邪魔にならない。よって、右側可動表示装置63が軸部を中心として回動することが可能となっている。
特に、第2係合歯283aが入り込むスペースは前方に向けて広がるように形成されているため、右側可動表示装置63が第1位置に戻る場合に、第2係合歯283aが入り込みやすい。さらに、右側可動表示装置63が第1位置に戻る場合にはピニオン282は自由に回転できるように設定することにより、第1係合歯282aと第2係合歯283aとの位置ずれが生じている場合であっても、各係合歯282a,283aとの当接によって両者が噛み合うようにピニオン282の位置が自ずと調整される。これにより、右側可動表示装置63はスライド移動可能な状態で第1位置に戻ることができる。
ここで、各係合歯282a,283aが台形柱状をなしていることによって、第1係合歯282a及び第2係合歯283aが噛み合う場合において両者が当接する当接面は、スライド移動方向(遊技機左右方向)に対して傾斜している。このため、ピニオン282を回転させた場合、ラック283に対してスライド移動方向の押圧力と、それと直交する方向(前方)の押圧力とが右側可動表示装置63に対して付与される。すなわち、スラストが発生する。この場合、方向に対する当接面の傾斜角度が大きければ大きいほど、前方への押圧力が大きくなり、右側可動表示装置63のスライド移動が円滑に行われないおそれがある。
これに対して、当接面の傾斜角度は、右側可動表示装置63が回動した場合に、各係合歯282a,283aが干渉しない範囲内で小さく設定されている。具体的には、当接面の傾斜角度は、軸部を中心として右側可動表示装置63が回動した場合に、複数の第2係合歯283aのうち軸部に一番近い第2係合歯283aにおける後方側であって軸部から離間した側の端部が引っ掛からない範囲内で小さく設定されている。これにより、各係合歯282a,283aの干渉による右側可動表示装置63の回動の阻害を抑制しつつ、右側可動表示装置63のスライド移動を円滑に行うことができる。
さらに、既に説明したとおり、第1位置及び第2位置間において(第1位置は除く)、右側可動表示装置63の回動は、各スライド用スリット261,262と各保持部263〜266との当接や、第2保持部264及びラック283と補助板部182bとの当接によって規制されている。これにより、当接面を傾斜させることによって生じ得る右側可動表示装置63の回動という不都合が抑制されている。
なお、右側可動表示装置63が回動した場合に枠体201における軸部側の端部と下フレーム182とが干渉しないように、下フレーム182には凹部311が設けられている。凹部311はスライド用スリット261の一部を後方に拡張することによって形成されている。当該凹部311によって枠体201と下側ベース板部182aとの間に枠体201が回動可能となる隙間が形成される。これにより、枠体201の端部が下フレーム182の背面側の部位に対して当接することなく、右側可動表示装置63が回動することができるようになっている。なお、上フレーム181についても同様である。
また、各係合歯282a,283aの形状は左右対称の台形柱状に形成されていたが、これに限られず、例えば、左右非対称の台形柱状に形成されていてもよく、三角柱状に形成されていてもよい。
さらに、ラック283に設けられている各第2係合歯283aは同一に形成されていたが、これに限られず、例えば右側可動表示装置63が回動する場合に第1係合歯282aと噛み合っている第2係合歯283aのみを台形柱状に形成し、その他の第2係合歯を直方体形状に形成してもよい。この場合、右側可動表示装置63のスライド移動におけるスラストを軽減することができる。但し、第1係合歯282aと第2係合歯283aとの噛み合いの観点(当接する面積の観点)に着目すれば、各第2係合歯283aを台形柱状に形成する構成とする方が好ましい。
フレキシブルケーブル251は、右側可動表示装置63のスライド移動に対応することができるように構成されている。ケーブル導出孔253はスライド移動方向を長手方向とする長尺状に形成されている。ケーブル導出孔253の長手方向の長さ寸法は、右側可動表示装置63のスライド移動可能距離とフレキシブルケーブル251の幅寸法とを合わせたものよりも大きく設定されている。
かかる構成によれば、右側可動表示装置63がスライド移動すると、当該スライド移動に従ってフレキシブルケーブル251がケーブル導出孔253内をスライド移動する。これにより、右側可動表示装置63のスライド移動がフレキシブルケーブル251によって阻害されにくい。よって、右側可動表示装置63の円滑なスライド移動が実現されている。なお、左側可動表示装置64のフレキシブルケーブル252及びケーブル導出孔254の関係についても同様である。
次に、右側可動表示装置63を回動させるための駆動構成について説明する。
表示ユニット45は、右側可動表示装置63に対して当該右側可動表示装置63が回動するための力を付与する回動用モータ321を備えている。回動用モータ321は、図6及び図13等に示すようにハウジング部材61のカバー部194の上面側に固定されている。回動用モータ321は音声発光制御装置46と電気的に接続されている。回動用モータ321は、音声発光制御装置46から駆動信号が入力されることに基づいて、当該回動用モータ321に設けられた出力軸を所定方向又はそれとは逆方向に回転させるものである。
出力軸はカバー部194の下方に突出しており、その先端には第1ギア322が設けられている(図12参照)。第1ギア322は、出力軸の回転に伴って回転する。第1ギア322の回転力は、カバー部194に対して回転可能に支持された第2ギア323に伝達される。
右側可動表示装置63が第1位置に配置されている状況において、第2ギア323と右側可動表示装置63とが係合し、当該係合を介して第2ギア323の回転力が右側可動表示装置63に対して伝達されるよう構成されている。上記係合及び伝達に係る構成について図12及び図13に加えて図15を用いて詳細に説明する。
図15は、第2ギア323と右側可動表示装置63との係合を説明するための説明図であり、図15(a)は右側可動表示装置63が第2位置に配置されている状況を示し、図15(b)は右側可動表示装置63が第1位置に配置されている状況を示す。なお、図15(b)は図13のD−D線断面を模式的に示した模式図である。
図12及び図15に示すように、第1保持部263の先端部には、第2ギア323と係合する係合部331が設けられている。係合部331は上方に向けて突出している。
係合部331に対応させて、第2ギア323の底面には、図15に示すように、係合部331を挟み込み可能な一対の受け部332,333が設けられている。一対の受け部332,333はそれぞれ矩形状に形成されており、上フレーム181側に向けて突出している。一対の受け部332,333は、第2ギア323の回転に伴って回転するように第2ギア323に対して一体形成されている。第2ギア323は、各受け部332,333の長手方向がスライド移動方向と同一となる位置を初期位置として配置されている。上記初期位置に対応する第2ギア323の角度が初期角度(特定角度)に相当する。
第2ギア323が初期位置に配置されている状況において、右側可動表示装置63が第2位置から第1位置に向けてスライド移動することにより、係合部331と一対の受け部332,333とが係合する。具体的には、係合部331は、右側可動表示装置63が第1位置に配置されている状況において、遊技機左右方向を長手方向とし前後方向を短手方向とした扁平形状(トラック形状)をなしている。係合部331の形状に対応させて、両受け部332,333間の距離は、係合部331における短手方向の長さ寸法と同一又はそれよりも若干大きく且つ係合部331における長手方向の長さ寸法よりも小さく設定されている。そして、第2ギア323が初期位置に配置されている状況において右側可動表示装置63が第2位置から第1位置へスライド移動すると、係合部331が各受け部332,333の間に配置されるように両者の相対位置関係が設定されている。
かかる構成によれば、第2ギア323が初期位置に配置されている状況において右側可動表示装置63が第1位置に向けてスライド移動すると、図15(b)に示すように、係合部331が一対の受け部332,333間に入り込む。この場合、係合部331は、一対の受け部332,333によって前後方向に挟まれる。すなわち、右側可動表示装置63が第2位置から第1位置へスライド移動すると、自ずと係合部331と一対の受け部332,333とが係合する。
かかる状況において、第2ギア323が上方から見て左方向に回転すると、係合部331と一対の受け部332,333との当接を介して係合部331に対して回転力が付与される。これにより、右側可動表示装置63が前方に向けて回動することとなる。
次に、右側可動表示装置63の回動の様子について説明する。第2ギア323を上方から見て左回転させると、右側可動表示装置63が回動し、各保持部265,266はそれぞれ各回動用スリット301,302に沿って移動する。この場合、右側可動表示装置63の回動中に右側可動表示装置63をスライド移動させようとしても、各保持部265,266と各回動用スリット301,302との当接や、係合部331と一対の受け部332,333との当接によって、上記スライド移動が規制される。すなわち、各保持部265,266と、回動用スリット301,302及び一対の受け部332,333との組み合わせは、右側可動表示装置63のスライド移動を規制しつつ、右側可動表示装置63の回動をガイドするガイド手段と言える。
その後、各保持部265,266が回動用スリット301,302における進行方向の先側の端部に到達すると、当該各保持部265,266と回動用スリット301の周縁部とが当接し、それ以上の回動が規制される。当該回動を規制された位置を第3位置と言う。
一方、第2ギア323を右回転させると、右側可動表示装置63は後方に向けて回動し、第1位置に戻る。この場合、ピニオン282が回転自在にしておくことで、第1係合歯282aと第2係合歯283aとが噛み合うようにピニオン282の回転位置が自ずと調整されるため、右側可動表示装置63は第1位置に配置されている状況においてスライド移動可能となっている。
回動用モータ321はステッピングモータである。これにより、駆動信号、詳細にはパルス信号数に応じて第2ギア323の回転量を制御することができる。このため、右側可動表示装置63の回動量、具体的には初期角度からの角度を制御することができる。つまり、回動用モータ321に対する駆動信号を制御することによって、右側可動表示装置63の回動方向の位置制御を行うことができる。
なお、第2ギア323が初期位置に配置されている状況において係合部331と一対の受け部332,333とが係合している場合、右側可動表示装置63が第1位置から第2位置へスライド移動することにより、自ずと係合部331と一対の受け部332,333との係合が解除される。これにより、第1位置から第2位置への右側可動表示装置63のスライド移動をスムーズに行うことができる。
また、第1位置及び第2位置間において第1位置以外の位置に右側可動表示装置63が配置されている状況においては、係合部331と一対の受け部332,333との係合は解除されている。これにより、上記係合に起因して右側可動表示装置63のスライド移動が阻害されるという事態が生じにくい。よって、右側可動表示装置63を回動させるための構成に起因して右側可動表示装置63のスライド移動が阻害されるという不都合を回避することができる。
第2ギア323が初期位置に配置されているか否かを検知する検知手段として回動検知センサ341が設けられている。回動検知センサ341は、発光部及び受光部を備えた光学式センサからなる。回動検知センサ341に対応させて、図12に示すように、第2ギア323には扇形のセンサカット部342が設けられている。センサカット部342は、第2ギア323の外周面から外側に向けて突出させて形成されており、その突出寸法は、センサカット部342が発光部と受光部との間に入り込み可能な寸法に設定されている。センサカット部342は、第2ギア323が初期位置に配置されている状況において発光部と受光部との間を遮らない位置であって、発光部及び受光部に対して回動方向の元側に配置されている。
かかる構成によれば、第2ギア323が初期位置に配置されている場合、センサカット部342は発光部と受光部との間を遮らないように配置されている一方、第2ギア323が回転している場合には、センサカット部342が発光部と受光部との間を遮る。これにより、第2ギア323が初期位置に配置されているか否かを判定することができる。
さらに、第2ギア323が第3位置に対応した回転位置に配置されている状況においてセンサカット部342が発光部と受光部との間を遮らないように、センサカット部342の円弧の長さ寸法(扇形のセンサカット部342の中心角)が設定されている。これにより、回動検知センサ341により右側可動表示装置63が第3位置に配置されていることを特定することが可能となっている。
なお、センサカット部342の構成についてはこれに限られず、例えば第2ギア323の全周に亘って形成し、第2ギア323が初期位置に配置されている状況においてセンサカット部における発光部及び受光部間を遮る部位のみを切り欠いてもよい。要は、第2ギア323が初期位置に配置されていることを特定することができれば任意である。
また、右側可動表示装置63が前方に回動するように第2ギア323を上方から見て左方向に回転させることにより、センサカット部342によって発光部と受光部とが遮られる回転角度を把握し、当該回転角度から予め定められた角度分だけ戻した位置を初期位置として設定する構成としてもよい。
フレキシブルケーブル251は、右側可動表示装置63の回動に対応することができるように構成されている。具体的には、図13に示すように、フレキシブルケーブル251は、枠体201において軸部寄り、詳細には第4保持部266よりも第2保持部264側から導出されている。かかる構成において、右側可動表示装置63が回動すると、フレキシブルケーブル251はそれに伴って捻られながら変位する。この場合、当該変位量は、フレキシブルケーブル251が回動先端側(第4保持部266側)から導出されている構成と比較して小さくなっている。これにより、右側可動表示装置63の回動がフレキシブルケーブル251によって阻害されにくくなっている。
また、フレキシブルケーブル251は枠体201の前方側から引き出されている。これにより、右側可動表示装置63が前方に向けて回動する場合に、フレキシブルケーブル251が後方に配置されているメイン表示装置62に引っ掛かりにくくなっている。
さらに、フレキシブルケーブル251は、右側可動表示装置63の液晶パネル210に対してコネクタを用いることなく直接半田付けされている(フレックスリジット構造)。これにより、コネクタを設ける必要がないため、右側可動表示装置63が回動した場合にコネクタが背面側に配置されている面発光ライト191等に当接し、上記回動が阻害されるといった不都合が生じにくい。
なお、フレキシブルケーブル251の構成については、これに限られず、コネクタを介して接続される構成としてもよい。この場合、コネクタが各可動表示装置63,64の回動の邪魔にならないようにコネクタを枠体内に埋め込むとよい。また、コネクタを前方に突出させて形成してもよい。この場合、各可動表示装置63,64が回動した場合にコネクタと側板183,184とが干渉しないようにコネクタの突出寸法及び両者の位置関係が設定されているとよい。
以上のことから、右側可動表示装置63は第1位置に配置されている状況において前方に向けてスムーズに回動することができる。
左側可動表示装置64は、右側可動表示装置63と同様に、スライド用スリット351,352(図7参照)、各保持部353〜356(図4及び図7参照)、スライド用モータ357(図5参照)、ピニオン358(図4参照)、ラック359(図4参照)、位置検知センサ360(図4及び図5参照)、センサカット部361(図5参照)、回動用スリット362,363(図6及び図7参照)、開口部364,365(図7参照)、回動用モータ366(図6等参照)、第1ギア367(図7参照)、第2ギア368(図7参照)、回動検知センサ369(図7参照)及びセンサカット部370(図7参照)を備えている。これらについては右側可動表示装置63の対応する構成と同様である。
次に、遊技者に対して視認される態様について図16を用いて説明する。図16(a)は各可動表示装置63,64が第1位置に配置されている場合の表示ユニット45の様子を示す説明図、図16(b)は各可動表示装置63,64が第2位置に配置されている場合の表示ユニット45の様子を示す説明図、図16(c)は各可動表示装置63,64が第3位置に配置されている場合の表示ユニット45の様子を示す説明図である。
両可動表示装置63,64が第1位置に配置されている場合、図16(a)に示すように、メイン表示画面G1は両サブ表示画面G2,G3によって前面側から覆われている。具体的には、サブ表示画面G2,G3の左右方向の長さ寸法は、メイン表示画面G1の左右方向の長さ寸法の半分よりも若干大きく設定されている。そして、各可動表示装置63,64のスライド移動可能距離は、サブ表示画面G2,G3の左右方向の長さ寸法よりも大きく設定されている。これにより、各可動表示装置63,64が第1位置に配置されている状況においてメイン表示画面G1全体がサブ表示画面G2,G3によって前面側から覆われている。換言すれば、第1位置はメイン表示画面G1が各可動表示装置63,64によって閉鎖された閉鎖位置とも言える。
各可動表示装置63,64が閉鎖位置に配置されている状況において、両液晶表示部203,204の両液晶パネル210の背面側に設けられている第1バックライト211を発光状態とし、前面側に設けられている第2バックライト212を透過状態とすると、両サブ表示画面G2,G3の各第1サブ表示画面G2a,G3aにて画像が表示される。一方、両バックライト211,212を透過状態に設定し、液晶表示部203,204において光の透過率を最大にすると、メイン表示画面G1が視認可能となる。
なお、光の透過率を最大にするとは、後方からの光を着色することなく光を透過させることである。この場合、後方からの光が白色光であれば白表示される。換言すれば、光の透過率を最大にするとは、液晶表示部203,204の画素において白表示を行うことに対応する。
また、サブ表示画面G2を示すとともに当該サブ表示画面G2の各サブ表示画面G2a,G2bを区別して示すため、以降の図面においてサブ表示画面G2の第1サブ表示画面G2aをG2(a)と、サブ表示画面G2の第2サブ表示画面G2bをG2(b)として示す。サブ表示画面G3についても同様である。
各可動表示装置63,64が第2位置に配置されている場合、図16(b)に示すように、前方から見てメイン表示装置62のメイン表示画面G1と各可動表示装置63,64の各サブ表示画面G2,G3とは互いに重なっておらず、メイン表示装置62は前方から視認可能となっている。このため、メイン表示画面G1を直接的に視認することができる。換言すれば、第2位置は、メイン表示画面G1が前方に開放されている開放位置とも言える。そして、各可動表示装置63,64は、前方から見てメイン表示画面G1と重なる(メイン表示画面G1を覆う)閉鎖位置からメイン表示画面G1と重ならない開放位置までスライド移動可能に形成されているとも言える。
各可動表示装置63,64が開放位置に配置されている場合、各サブ表示画面G2,G3の各第1サブ表示画面G2a,G3aが視認される。この場合、メイン表示画面G1と各第1サブ表示画面G2a,G3aとは連続するように配置されており、メイン表示画面G1と両第1サブ表示画面G2a,G3aとによって1の表示画面が形成されているように視認される。
特に、各サブ表示画面G2,G3(液晶表示部203,204)の上下方向の長さ寸法は、メイン表示画面G1の上下方向の長さ寸法と同一に設定されている。これにより、各表示画面G1,G2a,G3aよって1の表示画面が形成されているように見える。
なお、通常の遊技状態において各可動表示装置63,64は開放位置に配置されている。すなわち、各可動表示装置63,64の初期位置は開放位置に設定されている。
また、各可動表示装置63,64が開放位置に配置されている状況において当該可動表示装置63,64は各面発光ライト191,192の前面側に配置されている。これにより、各面発光ライト191,192が発光した場合には、当該光は液晶表示部203,204に対して照射されることとなる。よって、各面発光ライト191,192を各可動表示装置63,64のバックライトとして用いることができる。
各可動表示装置63,64が第3位置に配置されている場合、図16(c)に示すように、両サブ表示画面G2,G3はメイン表示画面G1に対して所定の角度(具体的には150度)で傾斜した状態で当該メイン表示画面G1の両側に配置されている。詳細には、メイン表示画面G1が正面を向いており、それに対して両サブ表示画面G2,G3は斜め前方に傾斜した状態で配置されている。この場合、各表示画面G1,G2,G3に跨って1の画像を表示させることにより、メイン表示装置62のメイン表示画面G1と協働して遠近感のある画像を表示することが可能となっている。
各可動表示装置63,64が第3位置に配置されている場合、メイン表示画面G1は開放されている。このため、第3位置は開放位置とも言える。なお、説明の便宜上、以降の説明において第2位置を第1開放位置、第3位置を第2開放位置という。
各可動表示装置63,64が第1開放位置に配置されている状況においては各サブ表示画面G2,G3の第1サブ表示画面G2a,G3aが遊技者に対して視認される一方、各可動表示装置63,64が第2開放位置に配置されている状況においては第2サブ表示画面G2b,G3bが遊技者に対して視認される。すなわち、両可動表示装置63,64が回動することにより、遊技者に対して視認される表示画面が第1サブ表示画面G2a,G3aから第2サブ表示画面G2b,G3bに切り換わる。
<スロットマシン10の基本的な電気的構成>
次に、本スロットマシン10の基本的な電気的構成について、図17のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置50は、遊技の主たる制御を司る主制御基板401を具備している。なお、主制御装置50において主制御基板401などを収容する基板ボックスに対して、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けておくようにしてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックスを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)の構成や、引き剥がしにして粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックスを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
主制御基板401には、MPU402が搭載されている。MPU402には、当該MPU402により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM403と、そのROM403内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM404と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
なお、ROM403として、制御プログラムや固定値データの読み出しに際してランダムアクセスが可能であって、記憶保持に外部からの電力供給が不要な記憶手段(すなわち、不揮発性記憶手段)が用いられている。具体的には、NOR型キャッシュメモリが用いられている。但し、これに限定されることはなく、ランダムアクセスが可能であれば、ROM403として用いるメモリの種類は任意である。また、制御及び演算部分と、ROM403と、RAM404とが1チップ化されている構成は必須ではなく、各機能がそれぞれ別チップとして搭載されている構成としてもよく、一部の機能が別チップとして搭載されている構成としてもよい。
MPU402には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU402の入力側には、電源ボックス47の内部に設けられた電源装置411の他に、所定の上限値の範囲内で乱数を生成し適宜更新する乱数カウンタ405などが接続されている。また、MPU402の入力側には、スタートレバー21の操作を検出するスタート検出センサ21a、各ストップスイッチ22,23,24の操作を個別に検出するストップ検出センサ22a,23a,24a、メダル投入口25から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ26a、各クレジット投入スイッチ36,37,38の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ36a,37a,38a、精算スイッチ39の操作を検出する精算検出センサ39a、ホッパ装置31から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ31a、リセットスイッチ47bの操作を検出するリセット検出センサ412、設定キー挿入孔47cに設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ413等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入力ポートを介してMPU402へ出力されるようになっている。
また、MPU402の入力側には、電源装置411に設けられた停電監視回路411bが接続されている。電源装置411には、主制御装置50を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部411aや、上述した停電監視回路411bなどが搭載されている。
停電監視回路411bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ47aによる電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路411bは、電源部411aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はMPU402に供給され、MPU402ではこの停電信号を認識することにより後述する停電時処理が実行される。
電源部411aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置50などの制御系における駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置50による停電時処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置50の出力側には、クレジット表示部41、獲得枚数表示部42、各リール17L,17M,17Rを回転させるための各ステッピングモータ414、セレクタ26に設けられたメダル通路切替ソレノイド26b、ホッパ装置31、音声発光制御装置46、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板415等が接続されている。音声発光制御装置46の詳細な説明については後述する。
<主制御装置50のMPU402にて実行される処理>
次に、主制御装置50のMPU402により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU402の処理としては大別して、電源投入後において立ち上げ用の処理の実行後に繰り返し実行される通常処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがある。
これら各処理のうちNMI割込み処理では、MPU402内に設けられた使用レジスタのデータをRAM404内に設けられたバックアップエリアに退避させるとともに、停電フラグをRAM404にセットする。その後、RAM404のバックアップエリアに退避させたデータを再びMPU402の使用レジスタに復帰させる。この復帰処理でNMI割込み処理が終了する。
次に、タイマ割込み処理について、図18のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているMPU402内の全レジスタの値をRAM404のバックアップエリアに退避させる。ステップS102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS103に進み、停電時処理を実行する。
停電時処理では、コマンド送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンド送信を終了させる。コマンドの送信が完了している場合には、MPU402のスタックポインタの値をRAM404内のバックアップエリアに保存する。その後、停止処理としてRAM判定値をクリアするとともに、出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。さらに、RAM判定値を算出し、バックアップエリアに保存するとともに、それ以後のRAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
ステップS102にて停電フラグがセットされていないと判定した場合には、ステップS104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS105では、MPU402自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS106では、各リール17L,17M,17Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータ414を駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS107では、各種センサの状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。
ステップS108では、各タイマの値の減算等を行うタイマ演算処理を行う。ステップS109では、メダルのベット数や、払い出し枚数をカウントした結果を外部集中端子板415へ出力するカウンタ処理を行う。ステップS110では、各種コマンドを音声発光制御装置46へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS111では、セグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを所定の表示部に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS113では、I/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS114では、先のステップS101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれMPU402内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、通常処理について、図19のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS201では、貯留記憶されている仮想メダル、又はベットされたメダルを実際のメダルとして排出するためのメダル精算処理を実行する。
続くステップS202では、デモ表示用処理を実行する。デモ表示用処理では、遊技回用の演出の終了後において新たな遊技回が開始されることなく予め定められたデモ開始用の開始待ち期間(例えば、0.1sec)が経過したか否かの判定処理を実行する。また、MPU402への電力供給が開始されてから又はスロットマシン10がリセットされてから、新たに遊技回が開始されることなく予め定められたデモ開始用の開始待ち期間(例えば、3sec)が経過したか否かの判定処理を実行する。そして、経過していると判定した場合には、デモ表示用のコマンドを音声発光制御装置46に送信する。
なお、デモ表示とは、予め定められた開始待ち期間が経過している場合に、各表示画面G1,G2,G3にて表示される開始待ち演出のことをいう。デモ画像としては、例えば、図柄が所定の動作を行っている画像が表示される、又はメーカ名、機種名若しくは所定のキャラクタによる動画が表示される。
続くステップS203では、メダルがベットされているか否かを判定する。すなわち、メダル投入口25よりメダルが投入されてベット設定がなされているか否か、又はクレジット投入スイッチ36〜38の操作により仮想メダルが投入されてベット設定がなされているか否かを判定する。
メダルがベットされているときには、続いてステップS204にて有効ライン設定処理を実行する。有効ライン設定処理では、現在のベット枚数を把握し、その把握したベット枚数に応じて有効ラインを設定する。ちなみに、ベット枚数が多いほど、後述する抽選処理にて当選となった役の入賞が成立し易くなる。
続くステップS205では、スタートレバー21が操作されたか否かを判定する。ステップS203,ステップS205が共にYESの場合には、ステップS206にてベット不許可処理を実行する。具体的には、クレジット投入検出センサ36a〜38aからのON信号を無効化する。また、メダル通路切替ソレノイド26bが非励磁とされ、仮にメダル投入口25からメダルが投入されたとしても皿用通路28を介して遊技者にかかるメダルが返却されるようになる。さらには、精算検出センサ39aからのON信号を無効化する。
その後、ステップS207にて抽選処理を実行する。抽選処理では、スロットマシン10の現在の設定状態及び現在のベット枚数に基づき、当否決定用の乱数テーブルを選択するとともに、その選択した乱数テーブルに、スタートレバー21が操作されたときに乱数カウンタ405よりラッチした乱数を照らして役の抽選を行う。そして、いずれかの役に当選したか否かを判定し、いずれかの役に当選した場合には、その役に応じた当選フラグをセットする。また、リール停止制御用のスベリテーブルを決定し、これをRAM404のスベリテーブル格納エリアに格納する。ここで、スベリテーブルとは、ストップスイッチ22〜24が押されたタイミングにおける所定の有効ライン上の図柄と、その有効ライン上に停止させるべき図柄とが異なる場合に、その停止させるべき図柄を所定の有効ライン上で止まるようにリールをどれだけ滑らせるかを定めたテーブルである。
また、抽選処理では、役の当選の有無及び当選役の種別に対応した演出継続時間テーブルをROM403から読み出し、その読み出した演出継続時間テーブルと、そのタイミングにおける演出用カウンタの数値情報とから今回の遊技回の演出継続時間を決定する。そして、演出継続時間の情報を含む変動用コマンドと、役の当選の有無及び当選役の種別の情報を含む種別コマンドとを音声発光制御装置46に送信する。当該コマンドの受信に対する音声発光制御装置46の処理については、後に説明する。
続くステップS208では、リール制御処理を実行する。リール制御処理では、前回のゲームにおいてリールの回転を開始した時点から所定時間(例えば4.1秒)が経過するまで今回のゲームにおいてリールの回転を開始せずに待機するためにウエイト処理を行う。ウエイト処理に続いてリール回転処理を行い、各リール17L,17M,17Rを回転させる。その後、左リール17Lが回転を開始してから所定時間が経過したか否かを判定し、経過していない場合には所定時間が経過するまで待機する。
所定時間が経過した場合には、ストップスイッチ22〜24のいずれかが押下操作されてリールの停止指令が発生したか否か、より具体的にはストップ検出センサ22a〜24aからのON信号を受信しているか否かを判定する。いずれかの停止指令が発生している場合には、リール停止処理を行う。このリール停止処理では、押下操作されたストップスイッチに対応するリールを停止させるが、役の抽選において役に当選し、当選フラグがセットされている場合にはRAM404に格納されたスベリテーブルを参照して、可能な限り当選した役が所定の有効ライン上に並ぶように制御する。そして、全ての停止指令が発生して全リール17L,17M,17Rの回転を停止させるまで上記停止用の制御を繰り返す。
また、リール制御処理では、停止指令が発生して対応するリール17L,17M,17Rの回転を停止させる場合、その停止対象のリールに対応した停止用コマンドを音声発光制御装置46に送信する。当該コマンドの受信に対する音声発光制御装置46の処理については、後に説明する。
なお、説明の便宜上、全リール17L,17M,17Rが回転している状況において最初の停止指令を第1停止指令、次の停止指令を第2停止指令、最後の停止指令を第3停止指令とも言い、各停止指令に基づく停止用コマンドを第1停止用コマンド、第2停止用コマンド、第3停止用コマンドとも言う。
続くステップS209では、メダル払出処理を実行する。メダル払出処理では、全リール17L,17M,17Rの停止後においていずれかの有効ライン上に当選役に対応した図柄の組み合わせが成立しているか否かを判定し、成立している場合には、それに対応した特典を遊技者に付与するための処理を実行する。例えば、メダルの払出に対応した当選役が成立している場合には、上限数を限度として仮想メダルを遊技者に付与するとともに、上限数に達している場合には対応する枚数のメダルを遊技者に払い出す。この際、クレジット表示部41や獲得枚数表示部42の表示制御を実行する。また、例えば、リプレイに対応した当選役が成立している場合には、同一枚数のベット設定を行う。
続くステップS210では、ボーナスゲーム処理を実行する。ボーナスゲーム処理では、ボーナス役に当選している状況においてその当選役に対応したボーナス図柄の組み合わせが有効ライン上に成立していることを条件として、遊技状態を遊技者に有利な特別遊技状態であるボーナスゲーム状態に移行させる。ボーナスゲーム状態では、予め定められた枚数のメダル又は仮想メダルの払い出しが実行されるまで、各遊技回においてメダル又は仮想メダルの獲得期待値が高い状態となる。
また、ボーナスゲーム処理では、ボーナスゲーム状態の開始に際して、オープニングコマンドを音声発光制御装置46に送信するとともに、ボーナスゲーム状態の終了に際して、エンディングコマンドを音声発光制御装置46に送信する。これらコマンドの受信に対する音声発光制御装置46の処理については、後に説明する。
その後、ステップS211にて、ベット許可処理を実行する。かかる処理では、クレジット投入検出センサ36a〜38a及び精算検出センサ39aからのON信号の無効化状態を解除する。また、メダル通路切替ソレノイド26bが励磁され、メダル投入口25からメダルが投入された際にホッパ用通路27へ導かれるようになる。
以上の処理を行った後、ステップS201に戻る。一方、ステップS203にてメダルがベットされていない、またはステップS205にてスタートレバー21が操作されていない場合には、ステップS201に戻る。
<演出に係る電気的構成>
次に、演出に係る電気的構成について、図20のブロック図を参照しながら説明する。図20は演出に係る電気的構成を示すブロック図である。
既に説明したとおり、本スロットマシン10には音声発光制御装置46が設けられている。音声発光制御装置46は、上部ランプ部43、スピーカ部44、面発光ライト191,192、各種モータ281,321,357,366及び表示制御装置193を制御するための制御装置である。
具体的には、図20に示すように、音声発光制御装置46には音声発光制御基板421が設けられており、当該音声発光制御基板421にはMPU422が搭載されている。MPU422は、当該MPU422により実行される各種のプログラムや固定値データを記憶したROM423と、そのROM423内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM424と、を備えている。MPU422は、主制御装置50から入力した各種コマンドに基づいて、MPU422と電気的に接続されている上部ランプ部43、面発光ライト191,192及びスピーカ部44を駆動制御するとともに、表示制御装置193を制御する。
さらに、MPU422は、上記各種コマンドに基づいて各可動表示装置63,64の移動態様を決定し、当該決定された移動態様及び当該MPU422に電気的に接続されている各種検知センサ291,341,360,369からの検知信号に基づいて各種モータ281,321,357,366の駆動制御を行う。
表示制御装置193には、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)が搭載されており、VDPは、上記決定された内容等に基づいて、メイン表示装置62及び各可動表示装置63,64の描画を行うための描画信号を作成し、当該描画信号を表示制御装置193に接続されているメイン表示装置62及び各可動表示装置63,64に対して出力する。メイン表示装置62は、上記描画信号が入力されることに基づいて、メイン表示画面G1に画像を表示させる。各可動表示装置63,64は、上記描画信号が入力されることに基づいて、各サブ表示画面G2,G3に画像を表示するとともに、各バックライト211,212の制御を行う。
次に、メイン表示装置62及び各可動表示装置63,64の電気的構成について図21を用いて説明する。図21は、メイン表示装置62及び各可動表示装置63,64の電気的構成を示すブロック図である。なお、各可動表示装置63,64の内部構成は同一であるため、右側可動表示装置63のみを詳細に示すとともに、左側可動表示装置64の説明を省略する。
図21に示すように、メイン表示装置62には画像信号処理回路431が設けられている。画像信号処理回路431は、表示制御装置193から描画信号が入力された場合に、液晶パネル81の各画素を制御するLCDデータ信号を出力する。
LCDデータ信号と液晶パネル81との関係について詳細に説明すると、メイン表示装置62には、LCDコントローラ432が設けられている。LCDコントローラ432は、画像信号処理回路431と接続されており、画像信号処理回路431から動作電力の供給を受けている。
メイン表示装置62にはタイミングコントローラ433及びDC−DCコンバータ434が設けられており、LCDコントローラ432は、上記タイミングコントローラ433を介して液晶パネル81のソースドライバ回路141及びゲートドライバ回路142に接続されているとともに、DC−DCコンバータ434を介して各ドライバ回路141,142に対して接続されている。LCDコントローラ432は、DC−DCコンバータ434に対して動作電力を供給するように構成されており、DC−DCコンバータ434は、上記動作電力が供給された場合に、各ドライバ回路141,142に対して当該ドライバ回路141,142が動作可能な電力を供給するように構成されている。
かかる状況(各ドライバ回路141,142が動作可能な状況)において、LCDコントローラ432は、画像信号処理回路431からLCDデータ信号が入力されることに基づいて、タイミングコントローラ433を介して各ドライバ回路141,142の駆動制御を行う。
具体的には、LCDコントローラ432は、LCDデータ信号が入力された場合にタイミングコントローラ433に対して上記入力されたLCDデータ信号に対応した信号を出力する。タイミングコントローラ433は、LCDコントローラ432から入力される信号に基づいて、各ドライバ回路141,142を制御する画素制御信号を生成し、当該画素制御信号を各ドライバ回路141,142に対して出力する。画素制御信号には、例えば各サブ画素に対応した画像表示データ、基準クロック信号及び書き込みのタイミングを調整するためのイネーブル信号等が含まれている。各ドライバ回路141,142は、画素制御信号が入力されることで、各サブ画素の薄膜トランジスタ133に対して上記画素制御信号に対応した電圧(階調化された電圧)を印加する。これにより、各サブ画素の薄膜トランジスタ133がオン状態となり、各画素の液晶分子121は、印加電圧に対応した角度に配向する。当該配向によって光の透過率が調整され、各画素において所定のカラー表示が行われ、表示領域94にカラー画像が表示されることとなる。
さらに、画像信号処理回路431は、表示制御装置193から描画信号が入力される場合にメイン表示装置62に設けられたバックライトコントローラ435に対して制御信号を出力することにより、バックライト基板82の発光を制御する。具体的には、バックライトコントローラ435は画像信号処理回路431と接続されているとともに、バックライト基板82のLEDドライバ回路163に接続されている。バックライトコントローラ435は、当該画像信号処理回路431から制御信号が入力されることに基づいて、各発光ユニット161が発光するようにLEDドライバ回路163に対して駆動信号を出力する。
次に、右側可動表示装置63について説明する。
右側可動表示装置63は、画像信号処理回路441、LCDコントローラ442、タイミングコントローラ443及びDC−DCコンバータ444を備えている。これらについては、メイン表示装置62の対応する構成と同一であるため、説明を省略する。
右側可動表示装置63は、バックライトコントローラ445を備えている。バックライトコントローラ445は画像信号処理回路441及びタイミングコントローラ443に接続されている。バックライトコントローラ445は、一対のバックライト211,212(詳細には第1発光体233及び第2発光体234)に接続されており、画像信号処理回路441からの信号及びタイミングコントローラ443の信号に応じて各バックライト211,212を個別に制御する。
具体的には、描画信号には、右側可動表示装置63のサブ表示画面G2のうち第1サブ表示画面G2a又は第2サブ表示画面G2bのどちらを表示制御対象とするかを特定するための特定情報が含まれている。画像信号処理回路441は、上記特定情報をバックライトコントローラ435に対して伝送する。バックライトコントローラ445は、特定情報に基づいて今回表示制御対象となっている表示画面を把握し、各バックライト211,212の状態を当該表示画面に対応したものにする。詳細には、第1サブ表示画面G2aが表示制御対象となる場合には、第1バックライト211を発光状態とし、第2バックライト212を透過状態とする。一方、第2サブ表示画面G2bが表示制御対象となる場合には、第1バックライト211を透過状態とし、第2バックライト212を発光状態とする。これにより、特定情報にて特定される表示画面に画像が表示される。
ここで、第1サブ表示画面G2a及び第2サブ表示画面G2bの双方に画像を視認させる場合、表示制御装置193は、第1画像の描画と第1画像とは内容が異なる第2画像の描画とが所定の周期(具体的には1/120sec)で交互に行われるように描画信号を出力するとともに、表示制御対象が上記所定の周期で交互に切り換わるように設定された特定情報を画像信号処理回路441に対して出力する。これにより、第1サブ表示画面G2a及び第2サブ表示画面G2bのうち一方の表示画面に第1画像が上記所定の周期の半分の周期(1/60sec)で表示され、他方の表示画面に第2画像が上記半分の周期で表示される。よって、全体として各サブ表示画面G2a,G2bそれぞれに、内容の異なる画像(第1画像、第2画像)が表示されていると認識させることができる。
この場合(各サブ表示画面G2a,G2bに画像を交互に表示する場合)、タイミングコントローラ443は、各サブ画素の設定が開始されたタイミング(画像制御信号の出力が開始されたタイミング)から各サブ画素の設定が完了するタイミング(1表示画面分の画像制御信号の出力が完了したタイミング)までの期間に亘って消灯信号を出力する。そして、タイミングコントローラ443は、上記設定が完了するタイミングにて切換信号をバックライトコントローラ445に対して出力する。
バックライトコントローラ445は、タイミングコントローラ443から消灯信号が入力されることに基づいて、各バックライト211,212を透過状態とする。一方、バックライトコントローラ445は、切換信号が入力されることに基づいて、特定情報に対応した各バックライト211,212の発光制御、すなわち一方のバックライトが発光状態となり、他方のバックライトが透過状態となるように制御する。これにより、サブ画素の設定が完了した後に、各バックライト211,212が表示制御対象となっている表示画面に対応した状態に設定される。よって、第1画像と第2画像とが混在した画像が遊技者に対して視認されにくいため、第1サブ表示画面G2a及び第2サブ表示画面G2bにおいて一方の表示画面の画像が他方の表示画面に映り込んで見える不都合を回避することができる。よって、表示制御対象を交互に切り換えることによって生じ得る上記不都合を回避することができる。
特に、各サブ表示画面G2a,G2bに交互に画像を表示させる場合には、一対のバックライト211,212の発光強度を一方の表示画面に画像を表示させる場合の発光強度よりも高めるとよい。これにより、第1画像と第2画像とが混在している期間において両バックライト211,212を消灯することによって生じ得る明るさの低下を抑制することができる。
ちなみに、第1サブ表示画面G2a及び第2サブ表示画面G2bのいずれか一方のみに画像を表示する場合には、上記半分の周期(1/60sec)で画像の更新を行うようにする。つまり、フレームレートを下げる。これにより、画像の更新に係る時間が長くなるため、処理落ち等の不都合が生じにくい。
なお、第1サブ表示画面G2a及び第2サブ表示画面G2bのいずれか一方のみに画像を表示する場合のフレームレートについては、これに限られない。例えば、上記所定の周期(1/120sec)で画像の更新を行うようにしてもよい。この場合、滑らかな動きを好適に表現することができる。また、動きが激しい(画像の変化量が大きい)ムービー等の高精細な描画が求められる場合にのみフレームレートを上げる構成としてもよい。
また、バックライトコントローラ445としては、これに限られず、例えばタイミングコントローラ443からの切換信号に関わらず予め定められたタイミングで各バックライト211,212を制御する構成としてもよい。要は、バックライトコントローラ445は、表示制御対象が切り換わることに応じて、両バックライト211,212の状態を切り換えるように構成されていればよい。さらに言えば、表示制御装置193は、各サブ表示画面G2a,G2bに異なる画像(第1画像及び第2画像)を視認させる場合には、所定の周期で表示制御対象を切り換えるとともに、当該切り換えに基づいて画像の内容及び両バックライト211,212の状態が切り換わるように右側可動表示装置63を制御するものであればよい。
また、各サブ画素の設定中は両バックライト211,212を消灯する構成としたが、これに限られず、各サブ画素の設定中において、各バックライト211,212を表示制御対象に応じた状態に設定する構成としてもよい。
<演出に係る処理について>
次に、演出に係る処理について説明する。
先ず、音声発光制御装置46のMPU422にて実行される演出制御処理について図22のフローチャートを用いて説明する。演出制御処理は所定の周期(具体的には2msec周期)で繰り返し起動される。演出制御処理では、主制御装置50が送信した各種コマンドに対応した処理を実行するとともに、各種演出に対応させて各種モータ281,321,357,366及びスピーカ部44を駆動制御する。
先ず、ステップS301にて、変動用コマンド及び種別コマンドを受信したか否かを判定する。変動用コマンド及び種別コマンドを受信している場合には、ステップS302にて変動用コマンド対応処理を実行する。
変動用コマンド対応処理について図23(a)のフローチャートを用いて説明する。
図23(a)に示すように、先ずステップS401では、変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、役の当選の有無、役に当選している場合には当選役の種別、及び演出継続時間を把握する。
その後、ステップS402にて演出抽選処理を実行する。具体的には、音声発光制御装置46のRAM424には演出抽選カウンタエリア424aが設けられており、当該演出抽選カウンタエリア424aには所定の周期で更新する演出抽選カウンタが格納されている。ステップS402では、現状の演出抽選カウンタの値を取得し、当該カウンタの値が予め定められた当選値に対応しているか否かを判定する。
ここで、当選値は、役の当選の有無及び当選役の種別に応じて異なるように設定されている。詳細には、役に当選していない場合よりも役に当選している場合の方が演出に当選し易いように当選値が設定されている。そして、遊技者に対して付与される特典(メダル枚数)が多い役の種別の方が、特典が少ない役よりも演出に当選し易いように設定されている。
なお、上記構成に限られず、例えば役の当選の有無等に関わらず一律に当選値が設定されている構成としてもよい。
続くステップS403では、上記ステップS402の演出抽選処理にて演出に当選したか否かを判定する。演出に当選していない場合には、そのまま本対応処理を終了する一方、演出に当選している場合にはステップS404に進み、当選した演出の種類を把握する。
ここで、本スロットマシン10には複数種類の演出が設定されており、当該複数種類の演出の中から1種類の演出を抽選する。詳細には、ROM423には演出種別用テーブル記憶エリア423aが設けられており、当該演出種別用テーブル記憶エリア423aには、各演出の当選確率が異なる演出種別用テーブルD1が記憶されている。
演出種別用テーブルD1について図23(b)を用いて説明する。図23(b)は演出種別用テーブルD1を説明するための説明図である。
図23(b)に示すように、演出種別用テーブルD1は、RAM424に設けられた演出種別カウンタエリア424bに記憶されている演出種別カウンタと演出の種類とが対応付けられているテーブルである。演出種別カウンタは、0〜59の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。ステップS404では、現状の演出種別カウンタの値を取得し、演出種別用テーブルD1を参照することで、当該取得された値がどの種類の演出に対応しているものかを把握する。本スロットマシン10においては、複数種類の演出として、扉開放演出と、魚群開放演出と、2重表示演出と、スライドリーチ演出と、ワイド表示演出と、両面表示演出と、が設定されている。
なお、各演出の当選確率は一律(1/6)となっているが、これに限られず、演出種類毎に当選確率を異ならせてもよい。さらに、ステップS401にて把握された役の当選の有無、当選役の種別及び演出継続時間に基づいて、各演出の当選確率を異ならせる構成としてもよい。各演出の当選確率を異ならせる構成としては、例えば複数の演出種別用テーブルを設け、当該テーブル毎に各演出の当選確率を異ならせる。そして、ステップS401にて把握された役の当選の有無、当選役の種別及び演出継続時間に基づいて、複数の演出種別用テーブルのうち1の演出種別用テーブルを選択する構成が考えられる。
また、当選している役の種類に応じて行われる演出の種類が異なるように設定してもよい。これにより、演出態様に基づいて、今回の遊技回においてどの役に当選したかを予測することができる。
ステップS404にて演出の種類を把握した後は、ステップS405にて把握された種類の演出パターンを決定する。具体的には、各演出にはそれぞれ、複数の演出パターンが設定されている。例えば扉開放演出にあっては、各可動表示装置63,64がスライド移動するスライド移動パターンと、各可動表示装置63,64が回動する回動パターンとの2つの演出パターンが設定されている。また、例えばスライドリーチ演出にあっては、シングルリーチ、ダブルリーチ、トリプルリーチ及び確定リーチの4つの演出パターンが設定されている。ステップS405では、ステップS401にて把握された把握結果に基づいて、複数の演出パターンのうち1の演出パターンを選択し、当該演出パターンに対応したデータテーブルを取得する。
ここで、データテーブルとは、受信したコマンドに対応した演出を実行させるために上方が設定された情報群である。当該データテーブルには、演出の開始タイミングや更新タイミングといった各種タイミングを特定するための情報が設定されている。データテーブルを参照することにより、演出の開始タイミング等の各種タイミングを把握することができる。
続くステップS406では、ステップS405にて把握された演出の種類に対応する演出フラグをセットする。具体的には、RAM424に設けられている各種フラグ格納エリア424cには、各種演出に対応した演出フラグ格納エリア(扉開放演出フラグ格納エリア、魚群開放演出フラグ格納エリア、2重表示演出フラグ格納エリア、スライドリーチ演出フラグ格納エリア、ワイド表示演出フラグ格納エリア、両面表示演出フラグ格納エリア)が設けられており、ステップS406では選択された演出に対応した格納エリアに「1」の情報を設定する。これにより、音声発光制御装置46のMPU422において今回行う演出を特定することができる。
さらに、今回把握された演出に対応する演出コマンドを表示制御装置193に対して出力し、本変動用コマンド対応処理を終了する。表示制御装置193は、上記演出コマンドを受信することに基づいて、当該演出コマンドに対応した処理を実行することにより、各表示画面G1,G2,G3に今回把握された演出に対応した画像を表示する。
この場合、演出コマンドには、ステップS405にて決定された演出パターン及び当該演出パターンに対応したデータテーブルに含まれる各種タイミングを特定するための特定情報が含まれている。これにより、表示制御装置193において今回の演出の種類、その演出パターン及び当該演出パターンに設定されている各種タイミングを把握することができるようになっている。
演出制御処理(図22)の説明に戻り、変動用コマンド及び種別コマンドを受信していない場合には、ステップS303にてオープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。オープニングコマンドを受信している場合には、ステップS304にてオープニング演出実行処理を実行する。
一方、オープニングコマンドを受信していない場合には、ステップS305にてエンディングコマンドを受信しているか否かを判定する。エンディングコマンドを受信している場合には、ステップS306にてエンディング演出実行処理を実行する。
その後、ステップS307にて表示モードの切換抽選に処理を実行する。表示モードとは、遊技回が開始されるまでの間に表示される待機画像や遊技回が実行されている状況で表示される遊技回画像の種類を所定の種類に定める状態であり、複数種類の表示モードが設定されている。具体的には、第1表示モードと第2表示モードとが設定されている。第1表示モードと第2表示モードとでは、背景画像の表示態様及び背景画像の前面側に表示されるキャラクタ画像の表示態様が相互に異なっている。なお、第1表示モードが通常の表示モードとして設定されている。
表示モードの切換抽選処理では、RAM424に設けられた表示モード切換抽選カウンタエリア424dに記憶されている表示モード切換抽選カウンタを取得し、当該カウンタの値が予め定められた当選値に対応しているかを判定する。表示モード切換抽選カウンタは、演出抽選カウンタと同様に、所定の周期で更新されるループカウンタである。
その後、ステップS307の抽選処理の実行後は、ステップS308にて上記抽選処理の結果が当選か否かを判定する。当選である場合には、ステップS309に進み、表示モード切換フラグをセットするとともに、表示モード切換コマンドを表示制御装置193に対して送信する。
エンディングコマンドを受信していない場合(ステップS305:NO)、ステップS310に進み、その他のコマンド対応処理を実行する。その他のコマンド対応処理には、停止用コマンドに対応した処理、及びスタート指令に基づく対応処理等が含まれる。
ステップS302、ステップS304、ステップS309若しくはステップS310の処理の実行後、又はステップS308を否定判定した場合には、ステップS311に進み、各種演出フラグ又は切換フラグがセットされているか否かを判定する。各種演出フラグは、既に説明した通り、変動用コマンド対応処理(図23(a))のステップS406にてセットされるものであり、当該演出フラグに対応する演出が終了したタイミングで消去されるように設定されている。切換フラグは、既に説明した通り、ステップS309にてセットされるものであり、表示モードの切換が完了したタイミングにて消去されるように設定されている。
各種演出フラグ又は切換フラグがセットされていない場合には、そのまま演出制御処理を終了する一方、各種演出フラグ又は切換フラグがセットされている場合には、ステップS312にて演出対応処理を実行し、本演出制御処理を終了する。演出対応処理では、セットされているフラグに対応した演出を行うための具体的な処理を実行する。この場合、セットされている演出フラグに応じて実行される処理構成が異なっている。当該演出対応処理については、各種演出の説明に合わせて説明する。
<扉開放演出を行うための構成>
次に、複数種類の演出を個別に説明する。先ず、扉開放演出を行うための構成について説明する。
扉開放演出とは、各可動表示装置63,64が閉鎖位置に配置されている状況においてサブ表示画面G2,G3(詳細には両サブ表示画面G2,G3の両第1サブ表示画面G2a,G3a)に扉が表示され、両可動表示装置63,64がスライド移動又は回動することにより上記扉がスライド移動又は回動して開放されるように見える演出である。
扉開放演出には、扉(各可動表示装置63,64)がスライド移動するスライド移動パターンと、扉が回動する回動パターンと、が設定されており、変動用コマンド対応処理(図23(a))のステップS405にていずれか一方の演出パターンに決定する。
ここで、ボーナス役に当選している場合には回動パターンがスライド移動パターンよりも優先的に選択されるように設定されている。詳細には、ボーナス役に当選している場合には回動パターンが選択され、その他の役に当選している場合又は役に当選していない場合にはスライド移動パターンが選択される。
扉開放演出を行うための扉開放演出用処理について図24のフローチャートを用いて説明する。扉開放演出用処理は、演出制御処理(図22)のステップS312の演出対応処理において、扉開放演出に対応した扉開放演出フラグがセットされている場合に起動される。
先ず、ステップS501では演出開始タイミングであるか否かを判定する。当該判定は、ステップS405にて取得したデータテーブルに基づいて行われる。演出開始タイミングであると判定する場合には、ステップS502に進み、各可動表示装置63,64が閉鎖位置に配置されるように移動態様を決定する。
ここで、音声発光制御装置46のMPU422は、定期的に実行する演出制御処理とは別に、各種モータ281,321,357,366の駆動制御を行うための専用の駆動制御処理を実行するためのプログラム及びメモリを備えている。駆動制御処理は、上記演出制御処理において各可動表示装置63,64の移動態様が決定されたことに基づいて、演出制御処理とは別に実行される。
ステップS502にて決定された移動態様に基づく駆動制御処理ついて詳細に説明する。各可動表示装置63,64の駆動制御処理は同一であるため、右側可動表示装置63のみを説明し、左側可動表示装置64の説明は省略する。なお、以降の駆動制御処理の説明においても同様である。
先ず、回動検知センサ341の検知結果に基づいて、第2ギア323が初期位置に配置されているか否かを判定する。この場合、第2ギア323が初期位置に配置されていない場合には、回動用モータ321に対して駆動信号を出力することにより、第2ギア323が初期位置に配置されるよう第2ギア323の位置の微調整を行う。
そして、第2ギア323が初期位置に配置されていることを確認した後に、右側可動表示装置63が閉鎖位置に向けてスライド移動するようにスライド用モータ281を駆動制御する。これにより、右側可動表示装置63が閉鎖位置に向けてスライド移動し、一対の受け部332,333の間に係合部331が自ずと入り込む。
その後、位置検知センサ291の検知結果に基づいて、右側可動表示装置63が閉鎖位置に配置されたか否かを判定する。右側可動表示装置63が閉鎖位置に配置されていない場合には、右側可動表示装置63のスライド移動を継続する一方、右側可動表示装置63が閉鎖位置に配置されたと判定した場合には、スライド用モータ281の駆動を停止させる。これにより、右側可動表示装置63が閉鎖位置に配置される。
扉開放演出処理の説明に戻り、ステップS502の処理の実行後は、ステップS503にて、その他の開始用処理を実行し、扉開放演出用処理を終了する。なお、その他の開始用処理には、スピーカ部44にて扉開放演出が開始されたことを報知する処理が含まれる。
演出開始タイミングでない場合には(ステップS501:NO)、ステップS504にて各可動表示装置63,64の開放タイミングであるか否かを判定する。開放タイミングでない場合は、そのまま本扉開放演出用処理を終了する一方、開放タイミングである場合は、ステップS505に進む。
なお、演出開始タイミングから開放タイミングまでの時間(期間)は、両可動表示装置63,64が第1開放位置から閉鎖位置までスライド移動するのに要する時間よりも長く設定されている。また、スライド移動パターン及び回動パターンに関わらず、開放タイミングは同一に設定されている。
ステップS505では、今回の演出パターンが回動パターンか否かを判定する。回動パターンではない場合には、今回の演出パターンがスライド移動パターンであることを意味する。この場合、ステップS506に進み、各可動表示装置63,64が第1開放位置に向けてスライド移動するように移動態様を決定する。
ステップS506にて決定された移動態様に基づく駆動制御処理ついて詳細に説明すると、先ず、位置検知センサ291の検知結果に基づいて、右側可動表示装置63が閉鎖位置に配置されていることを確認し、閉鎖位置に配置されていない場合には微調整を行う。そして、回動検知センサ341の検知結果に基づいて、第2ギア323が初期位置に配置されているか否かを判定する。この場合、第2ギア323が初期位置に配置されていない場合には、各回動用モータ321を駆動制御することにより第2ギア323が初期位置に配置されるように第2ギア323の位置の微調整を行う。
そして、第2ギア323が初期位置に配置されていることを確認した後に、右側可動表示装置63が第1開放位置に向けてスライド移動するようにスライド用モータ281を駆動制御する。これにより、右側可動表示装置63が第1開放位置に向けてスライド移動する。当該スライド移動に伴って係合部331と一対の受け部332,333との係合が自ずと解除される。
その後、第4保持部266がピニオン282に当接し、ピニオン282の回転が停止したことに基づいて、スライド用モータ281の駆動を停止する。これにより、右側可動表示装置63が第1開放位置に配置される。
続く、ステップS507では、各面発光ライト191,192を発光させ、ステップS508にて音声制御を含むその他の外れ用処理を実行し、本扉開放演出用処理を終了する。
一方、回動パターンである場合にはステップS509に進み、各可動表示装置63,64が第2開放位置に配置されるように各可動表示装置63,64の移動態様を決定する。
ステップS509にて決定された移動態様に基づく駆動制御処理ついて詳細に説明すると、先ず、位置検知センサ291の検知結果に基づいて、右側可動表示装置63が閉鎖位置に配置されているか否かを判定する。右側可動表示装置63が閉鎖位置に配置されていない場合には、スライド用モータ281の駆動制御を行うことにより、右側可動表示装置63が閉鎖位置に配置されるように右側可動表示装置63の微調整を行う。
そして、右側可動表示装置63が閉鎖位置に配置されていることを確認した後に、右側可動表示装置63が前方に向けて回動するように回動用モータ321を駆動制御する。すなわち、右側可動表示装置63が閉鎖位置に配置されていることが位置検知センサ291によって特定されることに基づいて、回動用モータ321の駆動制御を行うように構成されている。これにより、右側可動表示装置63が閉鎖位置以外の位置に配置されている状況において回動用モータ321の駆動制御が行われることを抑制することができる。
そして、右側可動表示装置63が第2開放位置に配置されていることが回動検知センサ341によって特定されたことに基づいて、回動用モータ321の駆動制御を停止する。これにより、右側可動表示装置63は第2開放位置にて配置される。
その後、ステップS510にて各面発光ライト191,192を発光させ、続くステップS511にて音声制御を含むその他の当選用処理を実行し、本扉開放演出用処理を終了する。
次に、表示制御装置193にて行われる扉開放演出用表示制御処理について図25のフローチャートを用いて説明する。表示制御装置193は、音声発光制御装置46から各種コマンドを受信した場合に、当該受信したコマンドに対応した画像を各表示画面G1,G2,G3に表示させるための割り込み処理を定期的に実行している。扉開放演出用表示制御処理は、音声発光制御装置46の変動用コマンド対応処理(図23(a))のステップS406において扉開放演出コマンドが送信された場合に、扉開放演出が終了するまで割り込み処理にて繰り返し実行される。
先ず、ステップS601にて、演出開始タイミングであるか否かを判定する。当該判定は、扉開放演出コマンドに含まれる特定情報に基づいて行われる。演出開始タイミングである場合には、ステップS602に進み、今回の演出パターンを把握する。具体的には、回動パターンかスライド移動パターンかを把握する。
その後、ステップS603では、両サブ表示画面G2,G3の両第1サブ表示画面G2a,G3aに扉画像が表示されるように各可動表示装置63,64の表示制御を行う。具体的には、液晶パネル210の各画素において扉画像に対応した色表示が行われるように当該各画素の液晶配向制御を行うとともに、一対のバックライト211,212のうち、各可動表示装置63,64が閉鎖位置(第1位置)に配置されている状況において液晶パネル210の背面側にある第1バックライト211を発光状態とし、前面側にある第2バックライト212を透過状態とする。
続くステップS604では、メイン表示画面G1が白表示されるようにメイン表示装置62の表示制御を行う。その後、本表示制御処理を終了する。
一方、演出開始タイミングではない場合、ステップS605にて開放タイミングであるか否かを判定する。開放タイミングである場合にはステップS606にて今回の演出パターンが回動パターンであるか否かを判定する。
回動パターンでない場合、ボーナス抽選に外れたことを意味する。この場合、ステップS607にて両サブ表示画面G2,G3の各第1サブ表示画面G2a,G3aに扉画像が表示されるように各可動表示装置63,64の表示制御を行う。そして、ステップS608にてメイン表示画面G1に外れ画像が表示されるようにメイン表示装置62の表示制御を行う。
一方、回動パターンであると判定した場合、ボーナス役に当選したことを意味する。この場合、ステップS609にて両サブ表示画面G2,G3の各第1サブ表示画面G2a,G3aに扉画像が表示されるように各可動表示装置63,64の表示制御を行う。そして、ステップS610にてメイン表示画面G1に当選画像が表示されるようにメイン表示装置62の表示制御を行う。
開放タイミングでない場合、ステップS611に進み、表示画面切換タイミングであるか否かを判定する。
ここで、各可動表示装置63,64が回動する場合、当該回動に伴って、遊技者に視認される表示画面が第1サブ表示画面G2a,G3aから第2サブ表示画面G2b,G3bに切り換わる。このため、当該切り換わりに対応させて表示制御対象を切り換えるとともに、画像の内容を切り換える処理を実行する。詳細には、表示制御対象は、各可動表示装置63,64が予め定められた特定角度、具体的には閉鎖位置から90度回動したことに基づいて切り換わるように設定されている。
上記表示画面切換タイミングを特定する構成について詳細に説明すると、MPU422は、各可動表示装置63,64が回動する場合、駆動制御処理において第2ギア323の初期位置に対応した角度を基準角度として把握し、駆動信号(パルス信号数)及び上記基準角度に基づいて各可動表示装置63,64の回動位置を把握することができるように構成されている。詳細には、パルス信号数をカウントすることにより、初期位置からの角度を把握することができる。そして、MPU422は、各可動表示装置63,64が90度回動した位置に配置されたことに基づいて、表示画面切換タイミングであることを特定するための情報を表示制御装置193に対して出力する。これにより、表示制御装置193において、表示画面切換タイミングであることを特定することができるようになっている。
なお、上記構成に限られず、例えば各可動表示装置63,64が特定角度回動した位置に配置されていることを検知する検知センサを設ける構成としてもよい。要は、各可動表示装置63,64が予め定められた特定切換角度だけ回動したことを特定することができれば、その具体的な構成は任意である。
表示画面切換タイミング(各可動表示装置63,64が90度回動したタイミング)である場合、ステップS612にて各サブ表示画面G2,G3において表示制御対象を第1サブ表示画面G2a,G3aから第2サブ表示画面G2b,G3bに切り換える。詳細には、表示制御対象を第2サブ表示画面G2b,G3bとする特定情報が含まれた描画信号を各可動表示装置63,64に対して出力する。これにより、一対のバックライト211,212のうち、各可動表示装置63,64が第2開放位置に配置されている状況において液晶パネル210に対して背面側に配置される第2バックライト212が発光状態となり、前面側の第1バックライト211が透過状態となる。
続くステップS613では、各サブ表示画面G2,G3、詳細には各第2サブ表示画面G2b,G3bに扉の裏側画像が表示されるように各可動表示装置63,64の表示制御を行う。これにより、各可動表示装置63,64の回動態様が扉の観音開きのように見える。
その後、ステップS614にてメイン表示画面G1に当選画像が表示されるようにメイン表示装置62の表示制御を行い、本表示制御処理を終了する。
上記各処理が実行された場合の演出態様について図26を用いて説明する。図26は扉開放演出の演出態様を説明するための説明図であって、図26(a)は扉開放演出の演出開始タイミングにおける演出態様を説明するための説明図、図26(b)はスライド移動パターンにおいて開放タイミング後の演出態様を説明するための説明図、図26(c)は回動パターンにおいて表示画面切換タイミング後の演出態様を説明するための説明図である。
扉開放演出の開始タイミングにおいては、図26(a)に示すように、スライド移動パターン及び回動パターンに関わらず、両可動表示装置63,64が閉鎖位置に配置されている。この場合、両サブ表示画面G2,G3の各第1サブ表示画面G2a,G3aには左右対称の扉画像P1,P2が表示されており、メイン表示画面G1には白が表示されている。
ここで、メイン表示画面G1は両サブ表示画面G2,G3の背面側に配置されているため、メイン表示画面G1の白表示の光は各サブ表示画面G2,G3に対して照射される。この場合、メイン表示画面G1からの光が両サブ表示画面G2,G3におけるバックライトとして機能する。これにより、各サブ表示画面G2,G3に表示される画像の画質の向上が図られている。
特に、液晶表示部203(液晶表示部204)は透明性を高める観点から、一対のバックライト211,212の外側に反射板等を設けていない。このため、各サブ表示画面G2,G3に表示される画像の画質(コントラスト)が低下するという不都合が生じる。
これに対して、本実施形態によれば、メイン表示画面G1と各サブ表示画面G2,G3とが重なっている場合には、メイン表示画面G1において白表示を行うことにより、光源を確保することができる。これにより、上記不都合を抑制することができる。
そして、演出パターンがスライド移動パターンである場合には、図26(b)に示すように、各可動表示装置63,64は第1開放位置に配置される。この場合、両サブ表示画面G2,G3の各第1サブ表示画面G2a,G3aには扉画像P1,P2が表示されるとともに、メイン表示画面G1には外れ画像として手を振っている女の子の第1キャラクタ画像P3が表示される。
この場合、各可動表示装置63,64の背面側に位置する各面発光ライト191,192が発光しているため、当該各面発光ライト191,192の光が各可動表示装置63,64のバックライトとして機能する。これにより、各サブ表示画面G2,G3の画像のコントラストの向上を図ることができる。
一方、演出パターンが回動パターンである場合には、図26(c)に示すように、各可動表示装置63,64は第2開放位置に配置されている。この場合、両サブ表示画面G2,G3のうち各第2サブ表示画面G2b,G3bには扉の裏側画像P4,P5が表示されている。そして、メイン表示画面G1には、当選画像として片手を突き上げている女の子の第2キャラクタ画像P6が表示されている。この場合、各可動表示装置63,64の背面側に位置する各面発光ライト191,192が発光しているため、各サブ表示画面G2,G3の明るさの向上が図られている。
ここで、扉開放演出において、当該演出の開始タイミングから開放タイミングまでの演出態様は、各演出パターンに関わらず同一となっている。これにより、開放タイミングよりも前のタイミングにて、今回の演出パターンがどちらの演出パターンであるかを特定することが困難になっている。よって、上記開放タイミングよりも前のタイミングにて演出パターンが特定され、各可動表示装置63,64の移動態様への注目度が低下する不都合を抑制することができる。
また、各可動表示装置63,64が閉鎖位置に配置されている状況においてメイン表示画面G1は両サブ表示画面G2,G3によって覆われており、サブ表示画面G2,G3全体に扉画像P1,P2が表示されている。これにより、メイン表示画面G1が視認できない。よって、メイン表示画面G1に当選画像が表示されていることを期待しながら遊技を行うことが考えられる。したがって、メイン表示画面G1への注目度の向上をも図ることができる。
なお、上記構成においては、ボーナス役に当選している場合には回動パターンが選択され、それ以外の場合にはスライド移動パターンが設定されていたが、これに限られず、逆にしてもよい。
また、抽選によって演出パターンを決定する構成とするとよい。この場合、ボーナス役に当選している場合には上記抽選において一方のパターンに当選する確率が他方のパターンに当選する確率よりも高く設定されているとよい。
さらに、メイン表示画面G1と各サブ表示画面G2,G3とが重なっている状況においてメイン表示画面G1を白表示する構成としたが、これに限られず、例えば何も表示しないようにしてもよい。これにより、メイン表示画面G1の表示に係る処理負荷及び消費電力の削減を図ることができる。
また、各可動表示装置63,64が第1開放位置又は第2開放位置に配置されている状況において各面発光ライト191,192を発光させたが、これに限られず、発光させなくてもよい。但し、各サブ表示画面G2,G3の明るさの向上を図ることに鑑みれば各面発光ライト191,192を発光させるとよい。
また、例えば開放タイミングを、第3停止コマンドを受信したタイミングに設定する構成としてもよい。この場合、遊技者の操作と扉開放演出との関連付けを好適に行うことができる。さらに、全リール17L,17M,17Rの回転中の所定のタイミングを開放タイミングとして設定してもよい。要は、開放タイミングは任意である。
さらに、ボーナス役以外の役に当選している状況においてスライド移動パターンの扉開放演出が行われる場合には、外れ画像として当選役を報知又は示唆する画像(図柄)を表示する構成としてもよい。これにより、当選役を報知又は示唆することができる。
また、表示画面切換タイミングとして、各可動表示装置63,64が90度回動したタイミングを設定したが、これに限られず、例えば各可動表示装置63,64が60度回動したタイミングとしてもよく、任意である。但し、90度周辺で遊技者に視認される表示画面が切り換わることを鑑みれば、表示画面切換タイミングを、各可動表示装置63,64が90度回動したタイミングとして設定するとよい。
<魚群開放演出を行うための構成>
次に、魚群開放演出を行うための構成について説明する。
魚群開放演出とは、各可動表示装置63,64が閉鎖位置に配置されている状況において各サブ表示画面G2,G3に扉が表示され、メイン表示画面G1に魚群が表示される。そして、メイン表示画面G1に表示される魚群に押されることよって扉が徐々に破壊され、開放されるように見える演出である。
魚群開放演出の演出パターンには、ボーナス役に当選している場合に選択される当選演出パターンとそれ以外の場合に選択される外れ演出パターンとが設定されている。当該演出パターンは、変動用コマンド対応処理(図23(a))のステップS405にて決定される。
魚群開放演出を行うための魚群開放演出用処理について図27のフローチャートを用いて説明する。魚群開放演出用処理は、演出制御処理(図22)のステップS312の演出対応処理において、魚群開放演出に対応した魚群開放演出フラグがセットされている場合に起動される。
先ず、ステップS701では演出開始タイミングであるか否かを判定する。ここで、魚群開放演出において、演出開始タイミングは、スタートレバー21が操作されたタイミング(変動用コマンドを受信したタイミング)に設定されている。
演出開始タイミングであると判定する場合には、ステップS702に進み、各可動表示装置63,64が閉鎖位置に配置されるように移動態様を決定する。当該移動態様に基づく駆動制御処理の詳細については扉開放演出用処理(図24)のステップS502にて説明した通りであるため、説明を省略する。
その後、ステップS703にて、その他の開始用処理を実行し、扉開放演出用処理を終了する。なお、その他の開始用処理には、スピーカ部44にて扉開放演出が開始されたことを報知する処理が含まれる。
演出開始タイミングでない場合には(ステップS701:NO)、ステップS704にて各可動表示装置63,64の第1更新タイミングであるか否かを判定する。当該第1更新タイミングは、第1停止用コマンドを受信したタイミングに設定されている。第1更新タイミングである場合は、ステップS705にて各可動表示装置63,64の位置を更新する。具体的には、各可動表示装置63,64が、閉鎖位置と第2開放位置との間であって閉鎖位置寄りの第1途中位置、具体的には閉鎖位置から30度回動した位置に配置されるように移動態様を決定する。駆動制御処理では、当該移動態様に対応させて各回動用モータ321,366の駆動制御を行う。具体的には、第2ギア323が初期位置にあり且つ各可動表示装置63,64が閉鎖位置にあることを確認した後、各可動表示装置63,64が30度回動するように各回動用モータ321,366に対する駆動信号(パルス信号数)を設定する。
一方、第1更新タイミングでない場合(ステップS704:NO)、ステップS706に進み、第2更新タイミングであるか否かを判定する。第2更新タイミングは、第2停止用コマンドを受信したタイミングに設定されている。第2更新タイミングである場合には、ステップS707にて各可動表示装置63,64の位置を更新する。具体的には、各可動表示装置63,64が、閉鎖位置と第2開放位置との間であって第1途中位置よりも第2開放位置寄りの第2途中位置、具体的には閉鎖位置から60度回動した位置に配置されるように移動態様を決定する。そして、本魚群開放演出用処理を終了する。
なお、第2途中位置は各可動表示装置63,64が90度回動した位置に対して閉鎖位置寄りの位置である。このため、各可動表示装置63,64が第2途中位置されている状況において両第1サブ表示画面G2a,G3aの方が第2サブ表示画面G2b,G3bと比較して遊技者に視認され易い。
第2更新タイミングでない場合には、ステップS708に進み、演出終了タイミングであるか否かを判定する。演出終了タイミングは、第3停止用コマンドを受信したタイミングに設定されている。演出終了タイミングではない場合にはそのまま本処理を終了する一方、演出終了タイミングである場合には、ステップS709に進み、今回の魚群開放演出の演出パターンが当選演出パターンであるか否かを判定する。
当選演出パターンである場合には、ステップS710に進み、各可動表示装置63,64が第2開放位置に配置されるよう移動態様を決定する。その後、ステップS711にて各側板183,184の各面発光ライト191,192を発光させ、ステップS712にてその他の当選用処理を実行し、本魚群開放演出用処理を終了する。
一方、当選演出パターンではない場合(ステップS709:NO)、外れ演出パターンであることを意味する。この場合、ステップS713に進み、各可動表示装置63,64が第2途中位置から閉鎖位置に戻るように移動態様を決定する。
ここで、上記移動態様(各可動表示装置63,64が回動した位置から閉鎖位置に戻る移動態様)の決定に基づく右側可動表示装置63の駆動制御処理について説明すると、先ずピニオン282が自由に回転できるように各スライド用モータ281を制御する。そして、かかる状態にて、右側可動表示装置63が後方に向けて回動するように回動用モータ321に対して駆動信号を出力する。当該回動は、(A)位置検知センサ291によって右側可動表示装置63が閉鎖位置に配置されていることが検知され、且つ(B)回動検知センサ341によって第2ギア323が初期位置に配置されていることが検知されるまで行い、上記(A)、(B)の条件が成立した場合には、回動用モータ321の駆動を停止させる。これにより、右側可動表示装置63が閉鎖位置に配置される。
この場合、右側可動表示装置63が閉鎖位置に向けて回動することに伴って、ピニオン282とラック283とが自ずと噛み合う。これにより、スライド用モータ281の駆動制御を行うことにより、右側可動表示装置63をスライド移動させることができる。
さらに、回動を停止する条件には、第2ギア323が初期位置に配置されることを回動検知センサ341によって検知されることが含まれているため、右側可動表示装置63が閉鎖位置に配置されている状況において第2ギア323は初期位置に配置されている。これにより、閉鎖位置から第1開放位置への右側可動表示装置63のスライド移動が係合部331と一対の受け部332,333との係合によって阻害されにくい。そして、上記スライド移動によって、上記係合は自ずと解除される。
なお、第2途中位置から閉鎖位置に戻る場合について説明したが、これに限られず、右側可動表示装置63が所定の回動位置から閉鎖位置に戻る場合についても同様の駆動制御を行う。また、左側可動表示装置64についても同様である。
その後、ステップS714にてその他の外れ用処理を実行し、本魚群開放演出用処理を終了する。
次に、表示制御装置193にて行われる魚群開放演出用表示制御処理について図28のフローチャートを用いて説明する。魚群開放演出用表示制御処理は、音声発光制御装置46の変動用コマンド対応処理(図23(a))のステップS405において魚群開放演出コマンドが送信された場合に、魚群開放演出が終了するまで表示制御装置193の割り込み処理にて繰り返し実行される。
先ず、ステップS801にて、演出開始タイミングであるか否かを判定する。詳細には、音声発光制御装置46は、演出開始タイミングである場合にはそのことを特定するための情報を表示制御装置193に対して出力するように構成されており、当該判定は、上記情報の有無に基づいて行われる。なお、後述する各更新タイミング及び演出終了タイミングについても同様である。
演出開始タイミングである場合には、ステップS802にて今回の魚群開放演出の演出パターンを把握する。そして、ステップS803にて、各表示画面G1,G2,G3において魚群開放演出の開始画像を表示させる。具体的には、各サブ表示画面G2,G3の各第1サブ表示画面G2a,G3aに左右対称の扉画像を表示させる。この場合、両可動表示装置63,64において一対のバックライト211,212のうち液晶パネル210に対して背面側の第1バックライト211を発光状態とし、前面側の第2バックライト212を透過状態とする。そして、メイン表示画面G1が白表示となるように表示制御を行い、本表示制御処理を終了する。
演出開始タイミングでない場合には、ステップS804に進み、第1更新タイミングであるか否かを判定する。
第1更新タイミングである場合には、ステップS805にて各表示画面G1,G2,G3の画像を更新する。具体的には、各サブ表示画面G2,G3の第1サブ表示画面G2a,G3aにおいて扉に亀裂が描かれた第1亀裂扉画像が表示され、メイン表示画面G1において前方に向かう魚群が表示されるように、各表示装置62,63,64の表示制御を行う。そして、本表示制御処理を終了する。
第1更新タイミングでない場合には、ステップS806に進み、第2更新タイミングであるか否かを判定する。第2更新タイミングである場合には、ステップS807にて各表示画面G1,G2,G3の画像を更新する。具体的には、各サブ表示画面G2,G3の第1サブ表示画面G2a,G3aにおいて第1亀裂扉画像よりも亀裂が大きく形成された第2亀裂扉画像が表示され、メイン表示画面G1において前方に向かう魚群が表示されるように、各表示装置62,63,64の表示制御を行う。そして、本表示制御処理を終了する。
第2更新タイミングでない場合には、ステップS808に進み、演出終了タイミングであるか否かを判定する。演出終了タイミングでない場合には、そのまま本表示制御処理を終了する一方、演出終了タイミングである場合には、ステップS809に進み、当選演出パターンであるか否かを判定する。
当選演出パターンである場合には、ステップS810にて表示制御対象を第1サブ表示画面G2a,G3aから第2サブ表示画面G2b,G3bに切り換える。そして、ステップS811にて各表示画面G1,G2,G3に当選画像を表示させる。具体的には、各表示画面G1,G2,G3に前方に向かってくる魚群画像を表示する。
一方、当選演出パターンでない場合には、ステップS812に進み、各表示画面G1,G2,G3に外れ画像を表示して、本表示制御処理を終了する。具体的には、ステップS803における開始画像を表示させる。
上記各処理が実行された場合の演出態様について図29を用いて説明する。図29は魚群開放演出の演出態様を説明するための説明図であって、図29(a)は魚群開放演出の演出開始タイミングにおける演出態様を説明するための説明図、図29(b)は第1更新タイミングにおける演出態様を説明するための説明図、図29(c)は当選演出パターンにおいて演出終了タイミングにおける演出態様を説明するための説明図である。
魚群開放演出の開始タイミングにおいては、図29(a)に示すように、両可動表示装置63,64が閉鎖位置に配置されている。そして、両サブ表示画面G2,G3の第1サブ表示画面G2a,G3a全体に左右対称の扉画像P11,P12が表示されている。この場合、メイン表示画面G1はサブ表示画面G2,G3の扉画像P11,P12によって隠れている。なお、メイン表示画面G1には白が表示されている。
そして、第1更新タイミングである場合には、図29(b)に示すように、各可動表示装置63,64は第1途中位置に配置される。この場合、各サブ表示画面G2,G3には扉に亀裂が入った第1亀裂扉画像P13,P14が表示されるとともに、メイン表示画面G1には前方に向かう魚群画像P15が表示される。この場合、魚群画像P15は、第1亀裂扉画像P13,P14によって前面側から覆われているため、実際には各第1亀裂扉画像P13,P14の間から魚群画像P15が視認される。これにより、魚群によって扉が壊されているように見える。
特に、第2更新タイミングとなると、各可動表示装置63,64がより第2開放位置に近づくとともに、扉の亀裂が大きくなる。これにより、扉が魚群によって破壊を伴いながら開放されていくように見える。
その後、図29(c)に示すように、各可動表示装置63,64が第2開放位置に配置される。この場合、各表示画面G1,G2,G3に魚群画像P16,P17,P18が表示される。当該魚群画像P16,P17,P18はそれぞれ、複数の魚が前方に向けて進行する画像であり、これら魚群画像P16,P17,P18は連続する1の画像となるよう設定されている。これにより、魚群によって扉が開放され、当該魚群が前方に飛び出してくるように視認される。
以上のように、各可動表示装置63,64の回動に伴って各サブ表示画面G2,G3の画像を順次更新していくことにより、各可動表示装置63,64の回動と各サブ表示画面G2,G3の表示態様とを関連付けることができる。これにより、各可動表示装置63,64の回動に係る演出に対する注目度の向上を図ることができる。
特に、各可動表示装置63,64の位置及び各サブ表示画面G2,G3の画像の更新タイミングとして、ストップスイッチ22,23,24の操作タイミング(各停止用コマンドの受信タイミング)を設定した。これにより、遊技者が自ら各可動表示装置63,64を操作しているように誤認させることができる。よって、遊技者の注意をより惹きつけることができる。
なお、各可動表示装置63,64が第2途中位置から第2開放位置に回動する場合に、表示制御対象を切り換える構成としたが、これに限られず、各可動表示装置63,64が90度回動したタイミングで表示制御対象を切り換える構成としてもよい。
また、各表示画面G1,G2,G3に表示される画像の具体的内容は任意である。但し、メイン表示画面G1の画像と各サブ表示画面G2,G3の画像との間に関連性があるとよい。
また、更新タイミングとして2つのタイミングが設定されていたが、これに限られず、3回以上設定されていてもよい。また、1回でもよい。各可動表示装置63,64の回動に伴う画像の更新回数は任意である。
さらに、各種タイミングを遊技者の各種操作タイミングとして設定したが、これに限られず、例えば遊技者の各種操作に関わらずデータテーブルに予め定められている構成としてもよい。
また、各可動表示装置63,64を第2開放位置に配置し、当該第2開放位置から閉鎖位置まで回動するのに伴って各表示画面G1,G2,G3の画像を順次更新する構成としてもよい。
<2重表示演出を行うための構成>
2重表示演出を行うための構成について説明する。
2重表示演出とは、メイン表示画面G1と各サブ表示画面G2,G3とが重なり合っている状況において、両者の画像を同時に視認させる演出である。これにより、メイン表示画面G1の画像と各サブ表示画面G2,G3の画像とで遠近感が生じる。
2重表示演出の演出パターンには、魚群を背景としてキャラクタ画像と所定の数字を意味する図柄画像が表示されるとともに、当該図柄画像がスクロール移動する演出パターンが含まれている。当該演出パターンが選択された場合の2重表示演出を行うための処理について図30を用いて説明する。
先ず、2重表示演出用処理について図30(a)のフローチャートを用いて説明する。2重表示演出用処理は、演出制御処理(図22)のステップS312の演出対応処理において、2重表示演出に対応した2重表示演出フラグがセットされている場合に起動される。
先ず、ステップS901にて演出開始タイミングであるか否かを判定する。当該判定は、変動用コマンド対応処理(図23(a))のステップS405にて取得したデータテーブルに基づいて行われている。演出開始タイミングであると判定する場合には、ステップS902に進み、各可動表示装置63,64が閉鎖位置に配置されるように移動態様を決定する。その後、ステップS903にてその他の開始用処理を実行し、本演出用処理を終了する。
一方、演出開始タイミングでない場合には、ステップS904に進み、演出終了タイミングであるか否かを判定する。演出終了タイミングでない場合にはそのまま本演出用処理を終了する一方、演出終了タイミングである場合には、ステップS905にて各可動表示装置63,64が第1位開放位置に配置されるように移動態様を決定する。その後、ステップS906にてその他の終了処理を実行し、本演出用処理を終了する。
次に、表示制御装置193にて行われる2重表示演出用表示制御処理、当該表示制御処理によって表示される画像及び2重表示演出の演出態様について図30(b)のフローチャート及び図31を用いて説明する。図31(a)は各サブ表示画面G2,G3に表示される画像を説明するための説明図、図31(b)はメイン表示画面G1に表示される画像を説明するための説明図、図31(c)は2重表示演出の演出態様を説明するための説明図である。
2重表示演出用表示制御処理は、音声発光制御装置46の変動用コマンド対応処理(図23(a))のステップS406において2重表示演出コマンドが送信された場合に、2重表示演出が終了するまで表示制御装置193の割り込み処理にて実行される。
先ず、ステップS1001では演出開始タイミングであるか否かを判定する。演出開始タイミングである場合には、ステップS1002にて今回の2重表示演出の演出パターンを把握する。そして、ステップS1003にて各表示画面G1,G2,G3に2重表示演出の開始画像が表示されるように各表示装置62,63,64の表示制御を行い、本表示制御処理を終了する。
開始画像について具体的には、図31(a)に示すように、右側可動表示装置63のサブ表示画面G2(詳細には第1サブ表示画面G2a)においてキャラクタ画像P21が表示され、左側可動表示装置64のサブ表示画面G3(詳細には第1サブ表示画面G3a)において図柄画像P22が表示される。この場合、両可動表示装置63,64における一対のバックライト211,212双方は透過状態となっており、各サブ表示画面G2,G3においてキャラクタ画像P21及び図柄画像P22が表示されている領域以外の領域は後方視認状態となっている。これにより、キャラクタ画像P21及び図柄画像P22が表示されている領域以外の領域にはメイン表示画面G1の内容が表示される。
また、図31(b)に示すように、開始画像としてメイン表示画面G1において青色を基調とした最背面画像の手前側に魚群が表示された背景画像P23が上記メイン表示画面G1全体に表示される。そして、各サブ表示画面G2,G3に表示されている各画像P21,P22に対応させて、メイン表示画面G1には、白表示となっている第1白表示領域PA21及び第2白表示領域PA22が形成されている。具体的には、第1白表示領域PA21は、キャラクタ画像P21の外縁と同一に形成されており、キャラクタ画像P21の背面側に設けられている。正面から見てキャラクタ画像P21と第1白表示領域PA21とは重なっている。
第2白表示領域PA22は、図柄画像P22の外縁と同一に形成されており、図柄画像P22の背面側に設けられている。正面から見て図柄画像P22と第2白表示領域PA22とは重なっている。
2重表示演出用表示制御処理(図30(b))の説明に戻り、演出開始タイミングでない場合には、ステップS1004に進み、更新タイミングであるか否かを判定する。更新タイミングである場合には、ステップS1005にて各表示画面G1,G2,G3の画像の更新を行い、本表示制御処理を終了する。具体的には、サブ表示画面G3の図柄画像P22を左にスクロールさせるとともに、メイン表示画面G1において図柄画像P22に対応する第2白表示領域PA22を左にスクロールさせる。これにより、図柄画像P22と第2白表示領域PA22とが重なり合った状態を維持しながら図柄画像P22が左にスクロールする。
更新タイミングでない場合には、ステップS1006に進み、演出終了タイミングであるか否かを判定する。演出終了タイミングでない場合には、そのまま表示制御処理を終了する一方、演出終了タイミングである場合には、ステップS1007にて各表示画面G1,G2,G3に演出の終了に係る終了画像が表示されるように各表示装置62,63,64の表示制御を行い、本表示制御処理を終了する。
かかる処理が行われた場合、図31(c)に示すように、メイン表示画面G1の画像とサブ表示画面G2,G3の画像とが重なり合って1の画像として遊技者に視認される。詳細には、メイン表示画面G1に表示されている画像を背景として各サブ表示画面G2,G3の画像が表示されているように見える。これにより、遠近感が生じ、1の表示画面では実現できない斬新な表示態様となる。
この場合、キャラクタ画像P21及び図柄画像P22の背面側には第1白表示領域PA21及び第2白表示領域PA22が設けられているため、当該白表示領域PA21,PA22の光が各画像P21,P22を表示させるためのバックライトとして機能する。これにより、各画像P21,P22が明るく表示される。
さらに、図柄画像P22のスクロールに合わせて第2白表示領域PA22もスクロールするため、明るく表示された状態を維持しながら図柄画像P22をスクロールさせることができる。
また、メイン表示画面G1に表示される画像と両サブ表示画面G2,G3に表示される画像の組み合わせを変更することにより、異なる表示態様の画像を表示させることができる。これにより、画像表示に係る画像データの容量の削減を図りつつ、表示態様の多様化を図ることができる。
なお、図柄画像P22のスクロール方向は左方向に限られず、任意である。また、スクロールに限られず、例えば別の図柄画像に移り変わる構成としてもよい。この場合、当該別の図柄画像に移り変わるのに同期させて、別の図柄画像の外縁に合わせて白表示領域を変化させるとよい。これにより、図柄画像の移り変わりを明るく表示させた状態で行うことができる。
<スライドリーチ演出を行うための構成>
スライドリーチ演出を行うための構成について説明する。
先ず、スライドリーチ演出について図32を用いて説明する。図32は、スライドリーチ演出を説明するための説明図である。
スライドリーチ演出とは、メイン表示画面G1及び各サブ表示画面G2,G3を用いてリーチ図柄の組み合わせを表示させることによりリーチラインを形成し、その状態で図柄の変動表示を行う演出である。リーチ図柄の組み合わせとは、ボーナス当選を意味する当選図柄の組み合わせが成立する可能性がある図柄の組み合わせである。詳細には、当選図柄の組み合わせが表示されるとは、予め定められた有効ライン上に同種の図柄が3つ並んで表示されることであり、リーチ図柄の組み合わせが表示されるとは、上記有効ライン上に同種の図柄が2つ並んで表示されることである。
スライドリーチ演出の演出パターンには、シングルリーチ、ダブルリーチ、トリプルリーチ、確定リーチの4種類のパターンが設定されている。各パターンの選択について説明すると、ボーナス当選している場合には、変動用コマンド対応処理(図23(a))のステップS405において確定リーチを行うか否かの抽選を行い、抽選に当選した場合には確定リーチを選択する。上記抽選に当選しなかった場合には、その他のリーチ群の中から1のリーチを選択する。この場合、トリプルリーチの方が優先的に選択されるようになっている。詳細には、トリプルリーチの方が優先的に選択されるように設定された抽選テーブルが設けられており、当該抽選テーブルを参照することで抽選を行う。
一方、ボーナス当選していない場合には、確定リーチ以外の3つのリーチの中から1のリーチが選択される。この場合、シングルリーチが優先的に選択されるようになっている。詳細には、シングルリーチが優先的に選択されるように設定された抽選テーブルが設けられており、当該抽選テーブルを参照することにより抽選を行う。
各リーチについて個別に説明する。先ず、シングルリーチについて説明すると、メイン表示画面G1において3×3の計9個の図柄表示領域PZ1〜PZ9が形成される。そして、図柄表示領域PZ1〜PZ9のうち対角領域である左上領域PZ1及び右下領域PZ9に、リーチ図柄の組み合わせとして、「1」の数字が付された図柄画像P31,P32が表示される。これにより、右下がりラインL1が形成される。そして、右下がりラインL1上の中央領域PZ5において図柄の変動表示が行われる。
ダブルリーチでは、シングルリーチが行われている状況においてサブ表示画面G3(詳細には第1サブ表示画面G3a)に図柄画像P33が表示された左側可動表示装置64が右方向にスライド移動し、当該図柄画像P33が左領域PZ4の前方に配置される。これにより、前方から見て左ラインL2が形成され、左ラインL2上の左下領域PZ7において図柄の変動表示が行われる。上記サブ表示画面G3の図柄画像P33が左領域PZ4の前方に配置される左側可動表示装置64の位置を第1更新位置という。
トリプルリーチでは、ダブルリーチが行われている状況においてサブ表示画面G2(詳細には第1サブ表示画面G2a)に図柄画像P34が表示された右側可動表示装置63が左方向にスライド移動し、当該図柄画像P34が右領域PZ6の前方に配置される。これにより、前方から見て右ラインL3が形成され、当該右ラインL3上の右上領域PZ3において図柄の変動表示が行われる。上記サブ表示画面G2の図柄画像P34が右領域PZ6の前方に配置される右側可動表示装置63の位置を第2更新位置という。
確定リーチでは、左側可動表示装置64のサブ表示画面G3の図柄画像P33が中央領域PZ5の前方に配置されるように左側可動表示装置64をスライド移動させる。これにより、前方から見て右下がりラインL1上に当選図柄の組み合わせが表示される。図柄画像P33が中央領域PZ5の前方に配置される左側可動表示装置64の位置を当選位置という。
ちなみに、サブ表示画面G3の図柄画像P33を中央領域PZ5の前方に配置することが可能となるように図柄表示領域PZ1〜PZ9の大きさが設定されている。具体的には、左側可動表示装置64のスライド移動可能距離が1の図柄表示領域の左右方向の長さ寸法の2倍以上となるように1の図柄表示領域の長さ寸法が設定されている。これにより、左側可動表示装置64のスライド移動によって、サブ表示画面G3の図柄画像P33を左領域PZ4の前方又は中央領域PZ5の前方に配置させることが可能となっている。
スライドリーチ演出の具体的な処理構成について説明する。
先ず、スライドリーチ演出用処理について図33のフローチャートを用いて説明する。スライドリーチ演出用処理は、演出制御処理(図22)のステップS312の演出対応処理において、スライドリーチ演出に対応したスライドリーチ演出フラグがセットされている場合に起動される。なお、以降の説明において、演出開始タイミング等の各種タイミングの判定処理が設定されているが、これらの判定処理は魚群開放演出用処理のそれと同様であるため、説明を省略する。
先ず、ステップS1101にて、演出開始タイミングであるか否かを判定する。演出開始タイミングである場合には、ステップS1102にてスライドリーチ演出を行うことをスピーカ部44にて報知するための開始用処理を実行し、本演出用処理を終了する。
演出開始タイミングでない場合には、ステップS1103に進み、第1更新タイミングであるか否かを判定する。第1更新タイミングである場合には、ステップS1104に進み、今回選択された演出パターンが確定リーチか否かを判定する。
確定リーチである場合には、ステップS1105にて左側可動表示装置64が当選位置に配置されるように移動態様を決定する。そして、ステップS1106にてその他の当選用処理を実行し、本演出用処理を終了する。
一方、確定リーチでない場合には、ステップS1107に進み、シングルリーチであるか否かを判定する。シングルリーチである場合にはそのまま本演出用処理を終了する。一方、シングルリーチでないと判定する場合、今回の演出パターンがダブルリーチ以上であることを意味する。この場合、ステップS1108にて左側可動表示装置64の位置を更新する。具体的には、左側可動表示装置64が第1更新位置に配置されるように移動態様を決定する。そして、本演出用処理を終了する。
第1更新タイミングでない場合(ステップS1103:NO)、ステップS1109に進み、第2更新タイミングであるか否かを判定する。第2更新タイミングである場合には、ステップS1110に進み、今回の演出パターンがトリプルリーチであるか否かを判定する。トリプルリーチでない場合には、そのまま本演出用処理を終了する一方、トリプルリーチである場合にはステップS1111にて右側可動表示装置63の位置を更新する。具体的には、右側可動表示装置63が第2更新位置に配置されるように移動態様を決定する。そして、本演出用処理を終了する。
第2更新タイミングでない場合には、ステップS1112にて演出終了タイミングであるか否かを判定する。演出終了タイミングでない場合には、そのまま本演出用処理を終了する一方、演出終了タイミングである場合には、ステップS1113にてボーナス当選しているか否かを判定する。ボーナス当選している場合には、各可動表示装置63,64を移動させることなく、ステップS1114にてその他の当選用処理を実行し、本演出用処理を終了する。
ボーナス当選でない場合には、ステップS1115にて各可動表示装置63,64が第1開放位置に配置されるように移動態様を決定し、ステップS1116にてその他の外れ用処理を実行して、本演出用処理を終了する。
次に、表示制御装置193にて実行されるスライドリーチ演出用表示制御処理について図34のフローチャートを用いて説明する。
スライドリーチ演出用表示制御処理は、音声発光制御装置46の変動用コマンド対応処理(図23(a))のステップS406においてスライドリーチ演出コマンドが送信された場合に、スライドリーチ演出が終了するまで割り込み処理にて繰り返し実行される。
先ず、ステップS1201にて演出開始タイミングであるか否かを判定する。演出開始タイミングである場合には、ステップS1202に進み、今回のリーチパターンを把握する。
その後、ステップS1203ではシングルリーチ表示を行う。具体的には、メイン表示画面G1の図柄表示領域PZ1〜PZ9のうち左上領域PZ1及び右下領域PZ9に図柄画像P31,P32が表示され、図柄表示領域PZ1〜PZ9以外の領域に「シングルリーチ」と表示されるようにメイン表示装置62の表示制御を行う。そして、サブ表示画面G3において左領域PZ4に対して側方の箇所に図柄画像P33が表示され、サブ表示画面G2において右領域PZ6に対して側方の箇所に図柄画像P34が表示されるように、各可動表示装置63,64の表示制御を行う。この場合、各サブ表示画面G2,G3において図柄画像P33,P34以外の領域は後方視認状態に設定されている。具体的には、両バックライト211,212が透過状態となっており、後方視認状態における光の透過率は最大となっている。
続くステップS1204では、中央領域PZ5において図柄の変動表示が開始されるようにメイン表示装置62の表示制御を行う。そして、本表示制御処理を終了する。
一方ステップS1201にて、演出開始タイミングでないと判定する場合には、ステップS1205に進み、第1更新タイミングであるか否かを判定する。第1更新タイミングである場合には、ステップS1206にて今回の演出パターンが確定リーチであるか否かを判定する。確定リーチである場合には、ステップS1207に進み、当選画像が表示されるように表示制御を行う。具体的には、各サブ表示画面G2,G3の表示態様を維持し、「シングルリーチ」を「ボーナス確定」に変更する。そして、本表示制御処理を終了する。
確定リーチでない場合には、ステップS1208に進み、シングルリーチであるか否かを判定する。シングルリーチである場合にはそのまま表示制御処理を終了する一方、シングルリーチでない場合には、ステップS1209にてダブルリーチ表示を行う。具体的には、各サブ表示画面G2,G3の表示態様を維持し、「シングルリーチ」を「ダブルリーチ」に変更する。その後、ステップS1210では、左下領域PZ7において図柄の変動表示が開始されるようにメイン表示装置62の表示制御を行い、本表示制御処理を終了する。
第1更新タイミングでない場合(ステップS1205:NO)、ステップS1211にて第2更新タイミングであるか否かを判定する。第2更新タイミングである場合には、ステップS1212にて今回の演出パターンがトリプルリーチであるか否かを判定する。トリプルリーチでない場合にはそのまま表示制御処理を終了する一方、トリプルリーチである場合には、ステップS1213に進み、トリプルリーチ表示を行う。具体的には、各サブ表示画面G2,G3の表示態様を維持し、「ダブルリーチ」を「トリプルリーチ」に変更する。
その後、ステップS1214にて、右上領域PZ3において図柄の変動表示が開始されるようにメイン表示装置62の表示制御を行い、本表示制御処理を終了する。
第2更新タイミングでない場合、ステップS1215に進み、演出終了タイミングであるか否かを判定する。演出終了タイミングでない場合にはそのまま表示制御処理を終了する一方、演出終了タイミングである場合には、ステップS1216に進み、ボーナス当選しているか否かを判定する。
ボーナス当選している場合には、ステップS1217にて当選画像が表示されるように表示制御を行い、本表示制御処理を終了する。具体的には、変動表示が行われている領域のうちいずれかの領域にリーチ図柄と同一種類の図柄画像を停止表示させるとともに、「ボーナス確定」と表示させる。
ボーナス当選していない場合には、ステップS1218にて、中央領域PZ5に外れ画像としてリーチ図柄とは異なる種類の図柄画像を表示させて、本表示制御処理を終了する。
以上の処理が実行された場合の演出態様について図35及び図36を用いて説明する。図35(a)は演出開始タイミングにおけるスライドリーチ演出の演出態様を説明するための説明図、図35(b)はダブルリーチ表示の演出態様を説明するための説明図、図36(a)はトリプルリーチの演出態様を説明するための説明図、図36(b)は確定リーチの演出態様を説明するための説明図である。
スライドリーチ演出が開始された場合、図35(a)に示すように、各表示画面G1,G2,G3に図柄画像P31〜P34が表示される。この場合、メイン表示画面G1には2つの図柄画像P31,P32が表示され、これらによって右下がりラインL1が形成される。そして、中央領域PZ5において図柄の変動表示が行われる。また、メイン表示画面G1には「シングルリーチ」と表示される。
その後、ダブルリーチ以上の演出パターンが選択されている場合には、図35(b)に示すように、第1更新タイミングとなることに基づいて、左側可動表示装置64が第1更新位置に配置される。これにより、サブ表示画面G3の図柄画像P33が左領域PZ4の前方に配置され、左ラインL2が形成される。そして、左下領域PZ7において図柄の変動表示が行われる。また、メイン表示画面G1には「ダブルリーチ」と表示される。
その後、トリプルリーチの演出パターンが選択されている場合には、図36(a)に示すように、第2更新タイミングとなることに基づいて、右側可動表示装置63が第2更新位置に配置される。これにより、サブ表示画面G2の図柄画像P34が右領域PZ6の前方に配置され、右ラインL3が形成される。そして、右上領域PZ3において図柄の変動表示が行われる。また、メイン表示画面G1には「トリプルリーチ」と表示される。
その後、演出終了タイミングとなると、当選画像又は外れ画像が表示される。具体的には、ボーナスに当選している場合には、当選画像として変動表示が行われている図柄表示領域のうち1の図柄表示領域にリーチ図柄と同一種類の図柄画像が表示される。一方、ボーナス当選していない場合には、中央領域PZ5にリーチ図柄とは異なる種類の図柄画像が表示される。
また、確定リーチが選択されている場合には、図36(b)に示すように、第1更新タイミングとなることに基づいて、左側可動表示装置64が当選位置に配置される。これにより、サブ表示画面G3の図柄画像P33が中央領域PZ5の前方に配置され、当選図柄の組み合わせが表示されることとなる。また、メイン表示画面G1には「ボーナス確定」と表示される。
以上のことから、各可動表示装置63,64の位置に応じて形成されるリーチラインの数が異なっている。これにより、各可動表示装置63,64の移動態様への注目度を高めることができる。
特に、リーチラインの数を各可動表示装置63,64の位置によって制御する構成としたため、各表示画面G1,G2,G3の表示制御により制御する構成と比較して、表示制御に係る処理負荷を軽減することができる。
また、可動表示装置63,64が移動するまでのリーチ表示の態様は、各リーチ表示において同一になっている。これにより、シングルリーチ→ダブルリーチ→トリプルリーチと昇格していく期待感を持たせることができ、当該スライドリーチ演出への注目度を高めることができる。
なお、2つの各可動表示装置63,64双方を用いてスライドリーチ演出を行う構成としたが、これに限られず、例えば1の可動表示装置のスライド移動によってスライドリーチ演出を行う構成としてもよい。この場合、1の可動表示装置のスライド移動可能距離が図柄表示領域PZ1〜PZ9の3図柄分の長さ寸法よりも大きくなるように各図柄表示領域PZ1〜PZ9の大きさを設定する必要がある。このため、1つ当たりの図柄の大きさが小さくなり、視認性及びインパクトが低下する。この点を鑑みれば、2つの各可動表示装置63,64で行う構成のほうが好ましい。
また、中央領域PZ5に図柄画像を表示させる場合には、各可動表示装置63,64を閉鎖位置に配置させ、両サブ表示画面G2,G3に跨るようにして図柄画像を表示する構成としてもよい。
<ワイド演出を行うための構成>
次に、ワイド演出を行うための構成について図37を用いて説明する。図37は、ワイド演出の演出態様を説明するための説明図である。
ワイド演出とは、各可動表示装置63,64が第1開放位置に配置されている状況において各表示画面G1,G2,G3に跨るようにして1の画像が表示される演出である。
具体的には、図37に示すように、各表示画面G1,G2,G3に跨るようにして「4」の数字が付された図柄画像P41が表示される。当該図柄画像P41の大きさは、1の表示画面に表示される場合と比較して大きい。これにより、遊技者に対してインパクトを与えることができる。
ここで、両可動表示装置63,64は、両面表示を実現するために一対のバックライト211,212を備えている。このため、1のバックライト基板82のみを備えているメイン表示画面G1と比較して、一方のバックライトを光が透過する分だけ、各サブ表示画面G2,G3に表示される画像の輝度は若干低下する。
これに対して、ワイド演出を行う場合には、MPU422は、各サブ表示画面G2,G3の背面側に設けられている各面発光ライト191,192を発光させるように構成されている。具体的には、ワイド演出を行う場合、演出制御処理(図22)における演出対応処理においてワイド演出用処理を実行する。当該ワイド演出用処理では、演出開始タイミングか否かを判定し、演出開始タイミングであると判定する場合には、各面発光ライト191,192を発光させる。これにより、メイン表示画面G1とサブ表示画面G2,G3との輝度の差を小さくすることができ、全体として1つの画像として認識させることができる。よって、両面表示の可動表示装置63,64と片面表示のメイン表示装置62とを用いて1の画像を表示させる場合に生じ得る不都合を回避することができる。
なお、全表示画面G1,G2,G3に跨るように図柄画像P41を表示させる構成としたが、これに限られず、例えば3つの表示画面G1,G2,G3のうち2つの表示画面に跨るように表示させる構成としてもよい。
また、表示させる画像としては図柄画像P41に限られず、キャラクタ画像としてもよい。さらに、ムービーを流す構成としてもよい。
<両面表示演出を行うための構成>
次に、両面表示演出を行うための構成について説明する。
両面表示演出とは、サブ表示画面G3における第1サブ表示画面G3a及び第2サブ表示画面G3bそれぞれに異なる画像が表示された状態で左側可動表示装置64のみが回動する表示演出である。なお、両面表示演出では、右側可動表示装置63は用いないため、以降の説明においては、基本的にメイン表示画面G1及び左側可動表示装置64のサブ表示画面G3についてのみ説明する。
両面表示演出の演出パターンとしては、ボーナス当選の場合に選択される当選演出パターンと、それ以外の場合に選択される外れ演出パターンとが設定されている。
両面表示演出を行うための両面表示演出用処理について図38(a)のフローチャートを用いて説明する。両面表示演出用処理は、演出制御処理(図22)のステップS312の演出対応処理において、両面表示演出に対応した両面表示演出フラグがセットされている場合に起動される。
先ずステップS1301では、演出開始タイミングであるか否かを判定する。演出開始タイミングである場合には、ステップS1302に進み、左側可動表示装置64が閉鎖位置に配置されるように移動態様を決定する。なお、右側可動表示装置63は第1開放位置に配された状態を維持する。
その後、ステップS1303にてその他の開始用処理を実行し、本演出用処理を終了する。
一方、ステップS1301にて演出開始タイミングでない場合には、ステップS1304に進み、回動タイミングであるか否かを判定する。回動タイミングでない場合には、そのまま本演出用処理を終了する一方、回動タイミングである場合にはステップS1305にて左側可動表示装置64が第2開放位置まで回動するように移動態様を決定する。
その後、ステップS1306にてその他の処理を実行し、本演出用処理を終了する。なお、その他の処理は、当選演出パターンと外れ演出パターンとで異なっている。
次に、両面表示演出を行うために表示制御装置193にて実行される両面表示演出用表示制御処理について図38(b)のフローチャートを用いて説明する。両面表示演出用表示制御処理は、両面表示演出コマンドを受信した場合に、両面表示演出が終了するまで、表示制御装置193の割り込み処理にて繰り返し実行される。
先ず、ステップS1401にて演出開始タイミングであるか否かを判定する。演出開始タイミングである場合には、ステップS1402に進み、今回の演出パターンを把握するとともに、サブ表示画面G3の第1サブ表示画面G3aに予告画像を表示する。
その後、ステップS1403では、メイン表示画面G1に開始画像の表示を行わせ、本表示制御処理を終了する。なお、開始画像は、左側可動表示装置64に注目させる旨の報知画像である。
一方、演出開始タイミングでない場合には、ステップS1404に進み、回動タイミングであるか否かを判定する。回動タイミングでない場合にはそのまま本表示制御処理を終了する一方、回動タイミングである場合にはステップS1405に進み、今回の演出パターンが当選演出パターンであるか否かを判定する。
当選演出パターンである場合には、ステップS1406に進み、サブ表示画面G3にて当選に対応した両面表示が行われるように左側可動表示装置64の表示制御を行う。具体的には、第1サブ表示画面G3aには予告画像を表示させ、第2サブ表示画面G3bには当選画像を表示させる。
その後、ステップS1407にてメイン表示画面G1の画像を更新して、本表示制御処理を終了する。
当選演出パターンでない場合には、外れ演出パターンであることを意味する。この場合、ステップS1408に進み、サブ表示画面G3にて外れに対応した両面表示が行われるように左側可動表示装置64の表示制御を行う。具体的には、第1サブ表示画面G3aには予告画像を表示させ、第2サブ表示画面G3bには外れ画像を表示させる。
その後、ステップS1409にてメイン表示画面G1の画像を更新して、本表示制御処理を終了する。
上記各処理が行われた場合の演出態様について図39を用いて説明する。図39は両面表示演出の演出態様を説明するための説明図であって、図39(a)は両面表示演出において演出開始タイミングから回動タイミングまでの演出態様を説明するための説明図、図39(b−1)は左側可動表示装置64の回動途中の様子を説明するための説明図、図39(b−2)は矢印X1の方向から左側可動表示装置64を見た場合の表示態様を説明するための説明図、図39(b−3)は矢印X2の方向から左側可動表示装置64を見た場合の表示態様を説明するための説明図、図39(c)は左側可動表示装置64の回動が完了した場合の演出態様を示す説明図である。なお、説明の便宜上、当選演出パターンについて説明する。
両面表示演出が開始されると、図39(a)に示すように、サブ表示画面G3の第1サブ表示画面G3aには、予告画像として手を振っている女の子が描かれた予告用キャラクタ画像P51が表示される。この場合、左側可動表示装置64が閉鎖位置に配置されているため、第2サブ表示画面G3bは視認不可となっている。
なお、メイン表示画面G1には、左側可動表示装置64への注目度を高めるべく、「左に注目」と表示される。
その後、左側可動表示装置64が回動すると、図39(b−1)に示すように、遊技者が見る角度が変更され、第1サブ表示画面G3a及び第2サブ表示画面G3b双方を視認することが可能となる。この場合、第1サブ表示画面G3aには、図39(b−2)に示すように、予告用キャラクタ画像P51が表示される。一方、第2サブ表示画面G3bには、図39(b−3)に示すように、当選画像として片手を上げた女の子が描かれた当選用キャラクタ画像P52と、「ボーナス確定」の文字が表示される。これにより、遊技者は第2サブ表示画面G3bを早く見たいため、矢印X2の方向から左側可動表示装置64を覗き込もうとすることが考えられる。よって、漫然と両面表示演出を見せるのではなく、積極的に両面表示演出を見せるようにすることができ、当該演出への注目度が高められている。
また、各サブ表示画面G3a,G3b双方に画像が表示されているため、前方から視認される表示画面が第1サブ表示画面G3aから第2サブ表示画面G3bに切り換わる際に一瞬画像が消えたように見えることを抑制することができる。
ここで、両面表示を行う場合に、第1サブ表示画面G3aに当選用キャラクタ画像P52が映り込んだり、予告用キャラクタ画像P51と当選用キャラクタ画像P52とが混在したりすると、閉鎖位置において第2サブ表示画面G3bの表示態様を把握することができ、左側可動表示装置64の回動への注目度が低下するおそれがある。
これに対して、本実施形態によれば、第1サブ表示画面G3aを視認させる場合には、第1バックライト211を点灯させ且つ第2バックライト212を消灯させ、第2サブ表示画面G3bを視認させる場合には、第2バックライト212を点灯させ且つ第1バックライト211を消灯させる構成とした。これにより、上記不都合を回避することができる。
特に、画像の切換中、詳細には第1サブ表示画面G3aの画像に係る画素と第2サブ表示画面G3bの画像に係る画素とが混在している場合には、両バックライト211,212は消灯するように構成されているため、各サブ表示画面G2a,G3aの画像の混在が視認されにくい。これにより、上記不都合をより好適に回避することができる。
なお、第1サブ表示画面G3a及び第2サブ表示画面G3bの双方が視認可能な状況においては、左側可動表示装置64の回動速度が通常の回動速度よりも遅く設定されている構成としてもよい。これにより、覗き込むための時間が確保される。
また、第1サブ表示画面G3a及び第2サブ表示画面G3bの双方が視認可能な状況において左側可動表示装置64の回動を一旦停止させる構成としてもよい。
さらに、閉鎖位置から予め定められた第1特定回動位置(例えば閉鎖位置に対して80度回動した位置)までは、第1サブ表示画面G3aのみに画像を表示させ、その後第1特定回動位置から当該第1特定回動位置よりも第2開放位置寄りの第2特定回動位置(例えば閉鎖位置に対して100度回動した位置)までは第1サブ表示画面G3a及び第2サブ表示画面G3bの双方に画像を表示させ、第2特定回動位置から第2開放位置までは第2サブ表示画面G3bのみに画像を表示させるように、左側可動表示装置64の回動位置に応じて表示制御対象の切換を行う構成としてもよい。これにより、前方から視認される表示画面が第1サブ表示画面G3aから第2サブ表示画面G3bに切り換わる際に一瞬画像が消えたように見えることを抑制することができる。
また、今回は左側可動表示装置64が回動する演出パターンを示したが、これに限られず、右側可動表示装置63が回動する演出パターンとしてもよく、両可動表示装置63,64が回動する演出パターンとしてもよい。
また、今回は左側可動表示装置64が回動している状況において右側可動表示装置63は移動しない構成としたが、これに限られず、例えば左側可動表示装置64が回動している状況において右側可動表示装置63がスライド移動する構成としてもよい。つまり、右側可動表示装置63と左側可動表示装置64とが左右対称に移動する構成に限られず、非対称に移動する構成としてもよい。
また、第2サブ表示画面G3bに予告用キャラクタ画像P51を表示させ且つ第1サブ表示画面G3aに当選用キャラクタ画像P52を表示させ、その状態で左側可動表示装置64を第2開放位置から閉鎖位置に向けて回動させる構成としてもよい。この場合であっても、一旦予告用キャラクタ画像P51が表示され、その後当選用キャラクタ画像P52が表示されるようになる。
<表示モードの切換を行うための構成>
次に、表示モードの切換を行うための構成について説明する。
表示モードとは、既に説明した通り、遊技回が開始されるまでの間に表示される待機画像や遊技回が実行されている状況で表示される遊技回画像の種類を所定の種類に定める状態であり、複数種類の表示モードが設定されている。具体的には、第1表示モードと第2表示モードとが設定されている。
第1表示モードと第2表示モードとでは、背景画像の表示態様が相互に異なっている。具体的には、第1表示モードと第2表示モードとで、最背面画像の種類が異なっているとともに、最背面画像の手前に表示されるキャラクタの数及び種類が異なっている。
表示モードの切換は、ボーナスゲームの終了時において所定の確率で行われる。具体的には、既に説明した通り、演出制御処理(図22)においてステップS307にて抽選処理を行い、当該抽選処理にて当選した場合に、表示モードが切り換えられるようになっている。
表示モードの切換に係る具体的な処理構成について図40を用いて説明する。
先ず、表示モード切換処理について図40(a)のフローチャートを用いて説明する。表示モード切換処理は、演出制御処理(図22)のステップS312の演出対応処理において、切換フラグがセットされている場合に起動される。
先ず、ステップS1501にて切換開始タイミングであるか否かを判定する。切換開始タイミングである場合には、ステップS1502に進み、各可動表示装置63,64が閉鎖位置に配置されるように移動態様を決定し、本切換処理を終了する。
切換開始タイミングでない場合には、ステップS1503に進み、切換完了タイミングであるか否かを判定する。切換完了タイミングでない場合には、そのまま本切換処理を終了する一方、切換完了タイミングである場合には、ステップS1504にて各可動表示装置63,64が第1開放位置に配置されるように移動態様を決定し、本切換処理を終了する。
次に、表示制御装置193にて実行される表示モード切換用表示制御処理について図40(b)のフローチャートを用いて説明する。表示モード切換用表示制御処理は、表示モード切換コマンドを受信した場合に、表示モードの切換が完了するまで割り込み処理にて繰り返し実行される。
先ずステップS1601にて切換開始タイミングであるか否かを判定する。切換開始タイミングである場合には、ステップS1602に進み、各サブ表示画面G2,G3全体に切換用画像を表示させる。この場合、第1サブ表示画面G2a,G3aに画像が表示されるように、各可動表示装置63,64が閉鎖位置に配置されている状況において液晶パネル210の背面側に位置する第1バックライト211を発光状態とし、液晶パネル210に対して前面側に位置する第2バックライト212を透過状態とする。そして、本表示制御処理を終了する。
一方、切換開始タイミングでない場合には、ステップS1603に進み、各可動表示装置63,64が閉鎖位置に配置されているか否かを判定する。各可動表示装置63,64が閉鎖位置に配置されていない場合には、そのまま本表示制御処理を終了する一方、各可動表示装置63,64が閉鎖位置に配置されている場合にはステップS1604に進み、メイン表示画面G1の表示モードを切り換える。そして、ステップS1605にて各サブ表示画面G2,G3に切換用画像を表示させ、本表示制御処理を終了する。
上記各処理が行われた場合の演出態様について説明する。表示モードを切り換える場合、先ず、各可動表示装置63,64が閉鎖位置に配置される。この場合、各サブ表示画面G2,G3の第1サブ表示画面G2a,G3a全体に切換用画像が表示されているため、メイン表示画面G1は視認不可又は困難となっている。かかる状況において表示モードが切り換わり、当該切り換わり後に再び各可動表示装置63,64が第1開放位置に配置される。
かかる構成によれば、表示モードの切り換わる場合に、各可動表示装置63,64が移動(スライド移動)するため、上記表示モードが切り換わることを認識することができる。この場合、メイン表示画面G1が各サブ表示画面G2,G3によって視認できない状況において表示モードの切換が行われるため、表示モードの切換の際の不自然さを目立ちにくくすることができる。
なお、表示モードの切換における各可動表示装置63,64の移動態様は、第1開放位置から閉鎖位置へのスライド移動に限られず、例えば第2開放位置から閉鎖位置への回動としてもよい。要は、各可動表示装置63,64を閉鎖位置に配置し、そのタイミングで表示モードの切換を実行すればよい。
また、各可動表示装置63,64の移動中に表示モードの切換を実行する構成としてもよい。この場合、各可動表示装置63,64の移動に遊技者の注意が惹きつけられるため、表示モードの切換の際の不自然さが目立ちにくくなっている。
以上、詳述した本実施形態によれば以下の優れた効果を奏する。
前方から見て各可動表示装置63,64がメイン表示装置62に対して重なる閉鎖位置から重ならない第1開放位置まで各可動表示装置63,64をスライド移動させる構成を設けるとともに、閉鎖位置から第2開放位置まで各可動表示装置63,64を回動させる構成を設けた。これにより、各可動表示装置63,64が閉鎖位置に配置されている態様及び各可動表示装置63,64が各開放位置に配置されている態様に対して遊技者の注意を惹きつけることができるとともに、各可動表示装置63,64が上記各位置に配置されるまでの移動態様に対して遊技者の注意を惹きつけることができる。よって、遊技への注目度を高めることができる。
特に、各可動表示装置63,64が閉鎖位置に配置されている状況においてメイン表示画面G1は、各サブ表示画面G2,G3により前方から覆われている。これにより、各サブ表示画面G2,G3によってメイン表示画面G1を隠すことができる。よって、メイン表示画面G1の表示態様がどうなっているかを予測しながら遊技を行うことができる。
右側可動表示装置63が閉鎖位置に配置されているか否かを検知する位置検知センサ291を設けるとともに、第2ギア323が初期位置に配置されているか否かを検知する回動検知センサ341を設けた。そして、右側可動表示装置63が閉鎖位置に配置されており且つ第2ギア323が初期位置に配置されていることが確認された場合に、右側可動表示装置63を回動させる構成とした。これにより、右側可動表示装置63の円滑な回動を実現することができる。左側可動表示装置64についても同様である。
また、第2ギア323が初期位置(初期角度)に配置されているか否かを判定し、各第2ギア323が初期位置に配置されている場合に、右側可動表示装置63を第1開放位置から閉鎖位置にスライド移動させる構成とした。これにより、係合部331と一対の受け部332,333とが好適に係合するようになっている。
各可動表示装置63,64のスライド移動をガイドするスライド用スリット261,262,351,352を設け、各可動表示装置63,64の回動をガイドする回動用スリット301,302,362,363を設けた。この場合、スライド移動及び回動のうち一方の移動が行われている場合には他方の移動を規制するよう各スリットを形成した。これにより、他方の移動により一方の移動が阻害されることを抑制することができる。よって、各可動表示装置63,64を円滑に移動させることが可能となる。
また、各回動用スリット301,302,362,363及びそれらに対応する各スライド用スリット261,262,351,352を連通させるための開口部303,304,364,365を設けた。これにより、各可動表示装置63,64におけるスライド移動から回動への移行を好適に行うことができる。
さらに、第1保持部263の先端部に係合部331を設け、第2ギア323に係合部331と係合する一対の受け部332,333を設けた。そして、右側可動表示装置63が第1位置へスライド移動すると、自ずと係合部331と一対の受け部332,333とが係合するよう両者の相対位置関係を設定した。これにより、右側可動表示装置63のスライド移動から回動への移行をより好適に行うことができる。
各可動表示装置63,64をスライド移動させるための力を付与する各スライド用モータ281,357と、各可動表示装置63,64を回動させるための力を付与する各回動用モータ321,366と、を設け、これらモータ281,321,357,366をステッピングモータとした。これにより、各種モータ281,321,357,366に対して出力する駆動信号(パルス信号数)を制御することにより、各可動表示装置63,64の位置を制御することができる。よって、各可動表示装置63,64を所望の場所に配置したり、各可動表示装置63,64の位置に応じて画像を更新したりすることができ、演出態様の多様化を図ることができる。
また、各種モータ281,321,357,366は各可動表示装置63,64の移動に伴って移動しないように表示ユニット45に固定した。これにより、各種モータ281,321,357,366の重さの分だけ移動に要する力が小さくなる。よって、比較的小型のモータを用いることができ、省スペース化を図ることができる。
可動表示装置63,64の液晶表示部203,204は、一対のバックライト211,212双方を透過状態とすることにより、画素単位で後方からの光を用いて画像に対応した色表示を行う画像表示状態と後方視認状態とに、切換可能に形成されている。これにより、各サブ表示画面G2,G3において画像を表示させつつ、背面側の様子を表示させることができ、斬新な表示演出を行うことができる。
さらに、液晶表示部203,204はそれぞれ、第1サブ表示画面G2a,G3a及び第2サブ表示画面G2b,G3b双方に画像を視認させることが可能に形成されている。これにより、遊技者は、いずれか一方の表示画面又は双方の表示画面を見ようとして可動表示装置63,64を通常とは異なる角度から覗き込むことが考えられる。よって、遊技への注目度が高められる。
また、各可動表示装置63,64が回動すること応じて表示制御対象を切り換えることによって、遊技者に対していずれか一方の表示画面の画像を好適に視認させることができる。
遊技者から見て若干見上げる位置、具体的にはリールユニット16の上方に表示ユニット45を設けた。さらに、表示ユニット45の後方側、具体的にはハウジング部材61の背面側にメイン表示装置62及び両可動表示装置63,64を設けた。これにより、遊技者からは両可動表示装置63,64の下端部周辺は見えづらいため、両可動表示装置63,64の下端部に設けられているフレキシブルケーブル251,252、ピニオン282,358、ラック283,359等の構成が目立ちにくくなっている。よって、上記各構成が視認される不都合を回避することができる。
<第2実施形態>
本実施形態の表示ユニット500は、右側可動表示装置63に代えて伸縮部材501を備えており、当該伸縮部材501を用いて各種演出を行う。伸縮部材501について図41を用いて説明する。図41は表示ユニット500の拡大正面図である。図41については、一部を破断して示すとともに、その破断した領域Eを拡大した部分拡大図を合わせて示す。なお、本実施形態においては、表示ユニット500は左側可動表示装置64に代えて伸縮部材を備えているが、当該伸縮部材は、左右対称である点を除いて伸縮部材501と同一の構成となっているため、伸縮部材501についてのみ説明をする。また、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付すとともに、その説明を省略する。
伸縮部材501は、上下方向を長手方向とする矩形枠状をなしている。伸縮部材501は短手方向に伸縮可能に形成されている。具体的には、伸縮部材501は、短手方向の一方に開放された外枠502と、当該外枠502の開放端側に配置され、外枠502に対して摺動しながら入り込み可能な内枠503と、を備えている。外枠502は上フレーム部502a及び下フレーム部502bを備えている。各フレーム部502a,502bはそれぞれ、図41の部分拡大図に示すように、内部が空洞に形成されており、その内枠503側の端部には内枠503側に向けて開放された挿入口502c,502dが形成されている。
挿入口502c、502dに対応させて、内枠503は上フレーム部503a及び下フレーム部503bを備えており、各挿入口502c、502d対して、対応する内枠503のフレーム部が入り込むことにより両者が連結されている。
かかる構成によれば、内枠503を外枠502に入り込ませることにより、伸縮部材501が縮んだ状態となる。一方、内枠503を外枠502から引き出すことにより、伸縮部材501が伸びた状態となる。
なお、伸縮部材501には、第1実施形態の右側可動表示装置63の液晶表示部203が設けられていない。このため、フレキシブルケーブル251も設けられていない。
上記伸縮部材501の4隅にはそれぞれ対応するフレームに向けて突出した保持部511〜514が設けられている。当該各保持部511〜514が、本実施形態のハウジング部材521に固定された上フレーム522又は下フレーム523に対して保持されることにより、伸縮部材501が第1開放位置から閉鎖位置までスライド移動可能であって閉鎖位置から第2開放位置まで回動可能な状態で保持されている。
上記保持に係る構成について詳細に説明する。ここで、上フレーム522側と下フレーム523側とで保持に係る構成は同一であるため、上フレーム522側のみ説明し、下フレーム523側については説明を省略する。
上フレーム522側の保持に係る構成について図41に加えて図42を用いて詳細に説明する。図42は、伸縮部材501を保持するための構成を説明するための説明図であって、図42(a)は伸縮部材501が第1開放位置に配置されている状況を示し、図42(b)は伸縮部材501が閉鎖位置に配置されている状況を示す。なお、図42(a)は、図41におけるF−F線断面を模式的に示したものである。
上フレーム522には、伸縮部材501をスライド移動可能な状態で保持するスライド用スリット531が設けられている。図41及び図42に示すように、伸縮部材501において上端部に設けられている第1保持部511及び第3保持部513はスライド用スリット531を介して上方に突出しており、その先端部がスライド用スリット531の周縁部に引っ掛かっている。これにより、第1保持部511及び第3保持部513が保持されている。そして、伸縮部材501は、メイン表示装置62側とは反対側に配置された第1保持部511がスライド用スリット531の一端部と当接する位置である第1開放位置と、メイン表示装置62側に配置された第3保持部513がスライド用スリット531の他端部と当接する位置である閉鎖位置との間をスライド移動することができる。第1開放位置は、正面から見て伸縮部材501とメイン表示装置62とが重ならない位置であり、閉鎖位置は、正面から見て伸縮部材501とメイン表示装置62とが重なっている位置であり、詳細には伸縮部材501がメイン表示画面G1の半分の領域を前面側から覆う位置である。
なお、伸縮部材501が閉鎖位置に配置されている状況において第1保持部511が第2ギア323に設けられた一対の受け部332,333と係合するようになっている。
伸縮部材501は、閉鎖位置に配置されている状況において伸びた状態となり、第1開放位置に配置されている状況において縮んだ状態となるよう構成されている。具体的には、図41に示すように、伸縮部材501においてメイン表示装置62側の下端部に設けられている第4保持部514の先端部にはラック541が設けられている。ラック541はスライド移動方向に延びている。ラック541は、スライド移動可能な状態で第4保持部514に固定されている。これにより、ラック541は、伸縮部材501のスライド移動に伴って移動する。
ラック541に対応させて、下フレーム182にはピニオン542が設けられている。ピニオン542はラック541に対して下方の位置に回転可能な状態で配置されており、ラック541と噛み合っている。ピニオン542は、スライド用モータ281の出力軸と接続されており、当該スライド用モータ281の回転に伴って回転する。
かかる構成によれば、スライド用モータ281が正面から見て左回転した場合、内枠503が外枠502から引き出され、伸縮部材501は伸びた状態となる。その後、伸縮部材501は左方向にスライド移動する。これにより、伸縮部材501は伸びた状態で閉鎖位置に配置される。
一方、スライド用モータ281が正面から見て右回転した場合、内枠503が外枠502内に入り込み、伸縮部材501が縮んだ状態となる。その後、伸縮部材501は右方向にスライド移動する。これにより、伸縮部材501は縮んだ状態で第1開放位置に配置される。この場合、ハウジング部材521及び上フレーム522の遊技機左右方向の長さ寸法が、第1実施形態における長さ寸法(図42(a),(b)の2点鎖線参照)よりも小さくなっている。これにより、表示ユニット500の小型化が図られている。
伸縮部材501は、第1実施形態と同様に、閉鎖位置から第2開放位置に回動可能に構成されている。この場合、伸縮部材501は、第2開放位置に配置されている状況において縮んだ状態となるよう構成されている。具体的には、図42に示すように、ハウジング部材521の上側板部551には回動用スリット552が設けられている。回動用スリット552のスリット幅はスライド用スリット531のスリット幅と同一に設定されている。回動用スリット552の一端部はスライド用スリット531の他端部と連通している。これにより、伸縮部材501が閉鎖位置に配置されている状況においてスライド用スリット531の他端部に配置されている第3保持部513が前方に向けて回動可能となっている。よって、伸縮部材501が回動可能となっている。
ここで、伸縮部材501は第2開放位置に配置されている状況において縮んだ状態となっている。具体的には、回動用スリット552は、第1実施形態と異なり、第1保持部511(軸部)を中心として同心円状に形成されておらず、徐々に軸部との距離が短くなるように湾曲している。回動用スリット552においてスライド用スリット531と連通している側の端部と第1保持部511との距離は、伸びた状態の伸縮部材501の長さ寸法と同一に設定されている一方、反対側の端部と第1保持部511との距離は、縮んだ状態の伸縮部材501における長さ寸法と同一に設定されている。
かかる構成によれば、伸縮部材501が閉鎖位置から前方に向けて回動すると、伸縮部材501は回動用スリット552の周縁部と摺動しながら徐々に縮む。そして、伸縮部材501は縮んだ状態で第2開放位置に配置される。これにより、ハウジング部材521の前方への張り出しを抑制することができるため、表示ユニット500の小型化を図ることができる。
一方、伸縮部材501が第2開放位置から後方に向けて回動すると、伸縮部材501は回動用スリット552の周縁部と摺動しながら徐々に伸びる。そして、伸縮部材501は伸びた状態で閉鎖位置に配置される。これにより、伸縮部材501がメイン表示装置62を覆う領域を大きくすることができ、伸縮部材501によってメイン表示装置62を好適に覆うことができる。
以上詳述した本実施形態によれば、伸縮部材501を伸びた状態で閉鎖位置に配置する一方、縮んだ状態で各開放位置に配置させるようにしたため、ハウジング部材521の左右方向の張り出し及び前方への張り出しを抑制することができる。これにより、ハウジング部材521の小型化を図ることができ、表示ユニット500の小型化を図ることができる。
また、閉鎖位置から第2開放位置に向かうに従って、回動用スリット552と軸部との距離を徐々に小さく設定した。これにより、当該伸縮部材501は、閉鎖位置から第2開放位置に向かうに従って、回動用スリット552の周縁部との当接によって自ずと縮む。よって、縮ませるための構成が必要ないため、構成の簡素化を図ることができる。
なお、伸縮部材501の構成としては、これに限られず、例えば表示ユニット500の上部側から吊るしたカーテンのような構成、アコーディオンカーテンのような構成、スライド式折りたたみ扉のような構成、ロールスクリーンのような構成等を用いてもよい。要は、閉鎖位置に配置されている状況において幅寸法が大きくなり、開放位置に配置されている状況において幅寸法が小さくなるように構成されていれば、その具体的な構成は任意である。
<その他の実施形態>
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組み合わせて適用してもよい。
(1)上記第1実施形態では、各可動表示装置63,64が第1位置に配置されている状況においては、メイン表示画面G1全体が各サブ表示画面G2,G3によって前面側から覆われる構成としたが、これに限られず、メイン表示画面G1の一部が覆われている構成としてもよい。
具体的には、各可動表示装置63,64が第1位置に配置されている状況において両者の間に隙間が形成され、当該隙間からメイン表示装置62が視認される構成としてもよい。また、各可動表示装置63,64の長さ寸法をメイン表示装置62の対応する長さ寸法よりも小さく設定してもよい。特に、各可動表示装置63,64の左右方向の長さ寸法を小さくすることにより、各可動表示装置63,64がスライド移動又は回動するためのストローク量を小さくすることができ、省スペース化を図ることができる。
(2)上記第1実施形態では、各可動表示装置63,64は、左右方向にスライド移動するように構成されていたが、これに限られず、上下方向にスライド移動する構成としてもよく、前後方向にスライド移動する構成としてもよい。
また、各可動表示装置63,64は、前方に向けて回動するように構成されていたが、これに限られず、後方に向けて回動する構成としてもよく、メイン表示画面G1に対して直交する軸部を設け、当該軸部を中心に回動する構成としてもよい。なお、第2実施形態の伸縮部材501についても同様である。
(3)上記第1実施形態では、各可動表示装置63,64がスライド移動可能且つ回動可能となる特定位置として、第1位置が設定されていたが、これに限られず、例えば特定位置として第2位置又は第3位置を設定する構成としてもよく、第1位置及び第2位置の途中位置又は第1位置及び第3位置間の途中位置を設定する構成としてもよい。要は、各可動表示装置63,64がスライド移動する軌道と回動する軌道とが、少なくとも1箇所で交差するように構成し、その交差する箇所を特定位置として設定すればよい。なお、この場合、特定位置に合わせて各可動表示装置63,64を回動させるための駆動機構(回動用モータ321,366及び各ギア322,323,367,368)を設置する。
また、特定位置として複数の位置を設定する構成としてもよい。特定位置が複数ある場合、各特定位置に1対1で対応させて上記駆動機構を複数設けたり、各可動表示装置63,64と駆動機構とを一体化させ、上記のスライド移動に合わせて上記駆動機構をスライド移動させたりする構成とするとよい。第2実施形態の伸縮部材501についても同様である。
(4)上記第1実施形態では、各可動表示装置63,64が第1開放位置に配置されている状況において一対のバックライト211,212のうち液晶パネル210に対して背面側に配置されている第1バックライト211を発光状態とし、前面側に配置されている第2バックライト212を透過状態とする一方、各可動表示装置63,64が第2開放位置に配置されている状況において一対のバックライト211,212のうち液晶パネル210に対して背面側に配置されている第2バックライト212を発光状態とし、前面側に配置されている第1バックライト211を透過状態とするようにしたが、これに限られず、例えば、各可動表示装置63,64が各開放位置に配置されている状況において一対のバックライト211,212双方を透過状態と設定してもよい。この場合であっても、各面発光ライト191,192を発光させることにより、当該発光を用いて各可動表示装置63,64に画像を表示させることができる。但し、光を確保することに着目すれば、一方のバックライトを発光状態とする方がよい。
また、一対のバックライト211,212を設けなくてもよい。この場合、各可動表示装置63,64が閉鎖位置に配置されている状況においてはメイン表示画面G1の光がバックライトとして機能し、各可動表示装置63,64が各開放位置に配置されている状況においては各面発光ライト191,192がバックライトとして機能する。但し、独立して各可動表示装置63,64に画像を表示させることができる点に鑑みれば、一対のバックライト211,212を備えている構成の方が好ましい。
(5)上記第1実施形態では、表示ユニット45は2つの各可動表示装置63,64を備えていたが、これに限られず、3つ以上でもよく、または1つでもよい。なお、第2実施形態の伸縮部材501についても同様である。
(6)上記第1実施形態では、各可動表示装置63,64の形状は同一であったが、これに限られず、相違する構成であってもよい。なお、第2実施形態の伸縮部材501についても同様である。
(7)上記第1実施形態では、右側可動表示装置63は、1の液晶パネル210にて第1サブ表示画面G2a及び第2サブ表示画面G2b双方の画像を表示させる構成としたが、これに限られず、各表示画面G2a,G2bに1対1で対応させて2つの液晶パネルを備える構成としてもよい。左側可動表示装置64についても同様である。
(8)上記第1実施形態では、メイン表示装置62及び各可動表示装置63,64は液晶表示装置であったが、これに限られず、例えばプラズマディスプレイ、有機EL、無機EL、電界放出型ディスプレイ、表面伝導型電子放出素子ディスプレイ等であってもよい。
また、伸縮性を有するフレキシブルディスプレイを用いてもよい。この場合、第2実施形態に示した構成を適用することによって、画像を表示させつつ、省スペース化を図ることができる。
(9)上記第1実施形態では、各可動表示装置63,64は両面表示が可能な液晶表示部203,204を備えていたが、これに限られず、例えば片面表示の液晶表示部を備えている構成としてもよい。
(10)上記第1実施形態では、右側可動表示装置63を第1位置から第2位置にスライド移動させることに伴って、係合部331と一対の受け部332,333との係合が解除されるように構成されていたが、これに限られず、係合が解除されない構成としてもよい。この場合、上記係合がスライド移動をガイドするガイド手段として機能する。なお、第2実施形態の伸縮部材501についても同様である。
(11)上記各実施形態では、メイン表示装置62はドットマトリックスタイプの液晶ディスプレイであったが、これに限られず、例えば7セグメント表示装置であってもよい。また、メイン表示装置62に代えてリール等の他の演出役物を設けてもよい。この場合、各可動表示装置63,64又は伸縮部材501を移動させることにより、演出役物を直接視認させたり、画像を介して視認させたり、隠したりすることができる。
(12)上記第1実施形態では、第2位置と第3位置とは異なっていたが、同一に設定してもよい。すなわち、各可動表示装置63,64を180度回動可能に形成してもよい。詳細には、例えば右側可動表示装置63側について説明すると、各回動用スリット301,302を半円状に形成し、当該各回動用スリット301,302の両端が各スライド用スリット261,262と連通するように形成してもよい。これにより、より自由度の高い表示演出を行うことができる。この場合、各フレキシブルケーブル251,252と各側板183,184とが干渉しないように両者の相対位置関係を設定する。左側可動表示装置64側についても同様である。
(13)上記第1実施形態では、各可動表示装置63,64(伸縮部材501)をスライド移動させるための構成として、ラック283,359,541及びピニオン282,358,542を用いたが、これに限られず、例えばラック283,359,541に代えて、ゴム等の摩擦力が発生しやすいレールを設け、ピニオン282,358,542に代えて、同じく摩擦力が発生しやすい球状のボールを設ける構成としてもよい。この場合、ボールとレールとが当接するように両者の相対位置関係を設定する。
かかる構成によれば、スライド用モータ281,357が回転することにより、ボールが回転する。この場合、摩擦を介してボールの回転力がレールに付与される。これにより、レールに対してスライド移動方向の力が付与され、各可動表示装置63,64がスライド移動する。
一方、上記摩擦に抗する回転力を付与することにより、各可動表示装置63,64は回動する。これにより、各可動表示装置63,64が回動する場合に、上記ボールとレールとが邪魔になりにくい。
但し、各可動表示装置63,64の位置制御を好適に行うことができる点を鑑みれば、ラック283,359,541及びピニオン282,358,542を用いる構成の方が好ましい。なお、第2実施形態における伸縮部材501についても同様である。
(14)上記各実施形態において、メイン表示装置62においてバックライト基板82と液晶パネル81との間に拡散板を設けてもよい。これにより、輝度ムラを抑制することができる。
(15)上記各実施形態では、発光ユニット161は青色LEDチップ164を備えている構成としたが、これに限られず、例えば冷陰極管等を用いてもよい。但し、青色LEDチップ164等のLED素子を用いた発光素子の方が、光の直進性の点で優れているため、よりインパクトのある光を視認させやすい。
(16)液晶表示形式については、上記各実施形態の他に、いわゆるVA型でもよく、さらにVA型において所定の単位領域毎に配向が異なる分割配向を用いたMVA型(ASV型)でもよい、さらに、いわゆるIPS型でもよい。要は、液晶分子の配向が電圧印加によって変化し、当該変化によって画素を通過する光の透過率が変化するように構成されていればよい。
(17)上記各実施形態では、扉開放演出等では、演出開始タイミング等は予め定められたタイミングに設定されている一方、魚群開放演出等では、演出開始タイミング、各更新タイミング等は遊技者の各種操作タイミングと同期するように設定されていたが、これに限られず、例えば扉開放演出等における各種タイミングを遊技者の各種操作タイミングに同期させてもよく、魚群開放演出等における各種タイミングを予め定めて実行する構成としてもよい。つまり、各種演出のうち1の演出に係る構成を別の演出に適用してもよく、組み合わせて適用してもよい。
(18)上記第1実施形態では、各可動表示装置63,64の液晶表示部203,204において、各導光板231,232の表面に反射プリズム243,244を設けたが、これに限られず、例えば導光板231,232の表面に凹凸を設ける構成としてもよく、反射ドットパターンを設ける構成としてもよい。要は、発光体233,234からの光を液晶パネル210に向けて導出させるとともに、自身に対して直交する方向から照射される光を透過させることができれば、その具体的な構成は任意である。
(19)上記第1実施形態では、各可動表示装置63,64は個別に移動可能に形成されていたが、これに限られず、例えば両者が連動する構成としてもよい。この場合、各種モータ等の部品点数の削減を図ることができる。但し、表示態様の多様性に着目すれば、個別に移動可能に形成されている構成のほうが好ましい。なお、第2実施形態の伸縮部材501についても同様である。
(20)上記第1実施形態では、音声発光制御装置46が各種モータ281,321,357,366の駆動制御を行い、表示制御装置193が各表示装置62,63,64の表示制御を行う構成としたが、これに限られず、例えば表示制御装置193が、各種モータ281,321,357,366及び各表示装置62,63,64の制御を行う構成としてもよい。
また、音声発光制御装置46と表示制御装置193とを合わせて1の制御装置とし、当該1の制御装置にて各種機器の制御を行う構成としてもよい。
(21)上記第1実施形態では、各可動表示装置63,64を駆動させる場合には、演出制御処理とは別に専用の駆動制御処理を実行する構成としたが、これに限られず、例えば演出制御処理に駆動制御処理を割り込ませて実行する構成としてもよい。但し、各可動表示装置63,64の駆動制御には秒単位の時間を要するため、演出制御処理の1周期が極端に長くなり、上記演出制御処理を好適に行うことができなくなるおそれがある。この点に鑑みれば、演出制御処理と駆動制御処理とを独立して(平行して)実行する構成の方が優れている。なお、第2実施形態の伸縮部材501についても同様である。
(22)上記第1実施形態では、両可動表示装置63,64の初期位置は第1開放位置に設定されていたが、これに限られず、例えば閉鎖位置としてもよく、第2開放位置としてもよい。また、両者の初期位置が異なる構成としてもよい。要は、両可動表示装置63,64の初期位置は任意である。なお、第2実施形態の伸縮部材501についても同様である。
(23)上記各実施形態では、エンディングコマンドを受信した場合に、表示モードの切換を行うか否かの抽選処理を実行する構成としたが、これに限られず、例えばスロットマシン10に演出用操作装置を設け、当該演出用操作装置の操作に基づいて表示モードの切換を行う構成としてもよい。
(24)上記各実施形態において、ボーナスゲームとして、次回以降の所定ゲーム(本実施形態では30ゲーム)にわたってリプレイ確率がアップするリプレイタイムゲーム(以下RTゲームという)を新たに設けてもよい。RTゲームとは、例えば通常時におけるリプレイの当選確率が約7.3分の1であるのに対して、約1.3分の1にアップするゲームとする。そして、RTゲームに移行することに基づいて、表示モードを切り換える構成としてもよい。この場合、表示モードが切り換わるとともに、各可動表示装置63,64が移動するため、遊技者に対してRTゲームに当選したことを好適に報知することができる。
(25)上記第1実施形態では、右側可動表示装置63においてフレキシブルケーブル251は枠体201の前面側から導出される構成としたが、これに限られず、側方、背面側又は底面側から導出される構成としてもよく、これらの各方向から分散させて導出させる構成としてもよい。また、第2保持部264側に限られず、第1保持部263側から導出させる構成としてもよい。要は、枠体201において軸部寄り(回動基端側)から導出されていればよい。左側可動表示装置64のフレキシブルケーブル252においても同様である。
なお、フレキシブルケーブル251を側方又は背面側から導出させる場合には、各可動表示装置63,64が回動した場合にフレキシブルケーブル251と側板183とが干渉しないように両者の相対位置を設定するとよい。また、フレキシブルケーブル251を底面側から導出させる場合には、ラック283及びピニオン282と干渉しないようにするとよい。
(26)上記第1実施形態において、第2保持部264を内部が空洞の円筒状に形成し、当該第2保持部264の内部にフレキシブルケーブル251を通す構成としてもよい。この場合、フレキシブルケーブル251が第2保持部264によってカバーされ、フレキシブルケーブル251が遊技者に対して視認されない。これにより、フレキシブルケーブル251が遊技者に視認される不都合を回避することができる。
(27)上記第1実施形態において、各可動表示装置63,64に代えて、ビームスプリッタ機能を有するミラー部材(ハーフミラー)を設ける構成としてもよい。この場合、メイン表示装置62を3方向から見た場合にそれぞれ異なる画像が表示されるトリプルビューのディスプレイにする。これにより、各ミラー部材が第2開放位置に配置された場合に、各ミラー部材及びメイン表示画面に異なる画像を表示させることができる。
(28)上記第1実施形態において、枠体201,202を透明性の樹脂で形成する構成としてもよい。これにより、各可動表示装置63,64が閉鎖位置に配置されている状況において両サブ表示画面G2,G3が一体となるように視認される。
(29)上記第1実施形態では、各可動表示装置63,64が各開放位置に配置されている状況において、前方から見て各サブ表示画面G2,G3とメイン表示画面G1とは重ならないが、これに限られず、前方から見て一部重なるように設定されていてもよい。要は、各開放位置は、閉鎖位置と比較して、各サブ表示画面G2,G3(各可動表示装置63,64)とメイン表示画面G1(メイン表示装置62)とが重なる領域が小さく設定されていればよい。すなわち、各可動表示装置63,64は、前方から見てメイン表示装置62に対して重なる領域が相対的に大小となる第1特定位置(第1位置)と第2特定位置(第2位置又は第3位置)との間を移動可能に形成されていればよい。
(30)上記第1実施形態によれば、各可動表示装置63,64が閉鎖位置に配置されており且つ第2ギア323,368が初期位置に配置されていることが確認された場合に、各可動表示装置63,64を前方にむけて回動させる構成としたが、これに限られず、いずれか一方が確認された場合に回動を行う構成としてもよい。但し、各可動表示装置63,64の円滑な回動を確保する観点に着目すれば、双方の条件が成立した場合に回動を行う構成とした方がよい。
(31)上記各実施形態では、遊技回が行われる場合に各種演出を行う構成としたが、これに限られず、例えばボーナスゲームが開始される場合、又はボーナスゲームが終了する場合に、上記各種演出を実行する構成としてもよい。具体的には、例えばオープニングコマンドを受信した場合に、ステップS401〜ステップS406の処理を実行する構成としてもよい。この場合、上記各種演出を通じてボーナスゲームに移行することを認識することができる。
(32)上記第1実施形態によれば、各サブ表示画面G2a,G2bは表裏一対となっていたが、これに限られず、一方のサブ表示画面に対して他方のサブ表示画面が所定の角度で傾斜している構成としてもよい。この場合、各サブ表示画面に対応させて液晶パネルを複数設ける構成とするとよい。
また、各可動表示装置63,64が備えている画面数は2画面であったが、これに限られず、例えば1画面としてもよく、また3画面以上備えている構成としてもよい。
(33)上記各実施形態とは異なるタイプの遊技機、具体的には遊技媒体として遊技球を用いる弾球式の遊技機いわゆるパチンコ機等に適応してもよい。例えば遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤を備え、当該遊技領域に設けられた特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
この場合、遊技領域に表示ユニット45,500を設け、メイン表示画面G1及び/又はサブ表示画面G2,G3において図柄の変動表示を行う構成とするとよい。具体的には、予め定められた抽選契機として例えば遊技領域に設けられた始動口に遊技球が入球したことに基づいて、図柄の変動表示を行うとともに、今回の遊技結果が当選結果であるか否かを抽選する構成とする。そして、抽選結果に応じた変動表示時間が経過したタイミングで、上記抽選結果に対応した停止結果を表示させる。さらに、上記抽選結果が予め定められた特定抽選結果である場合には遊技状態を遊技者にとって有利な有利状態に移行させる構成とする。有利状態としては、例えば遊技領域に設けられ、入球した場合に遊技者に対して特典が付与される可変入球装置が、遊技球が入球し易い状態となる構成が考えられる。
この場合、図柄の変動表示が行われている場合に、上記第1実施形態にて説明した各種演出を実行する構成としてもよく、有利状態中に上記各種演出を実行する構成としてもよい。
さらに、パチンコ機に遊技者が操作可能な操作装置を設け、魚群開放演出やスライドリーチ演出等においては、当該操作装置が操作されることに基づいて各可動表示装置63,64の位置及び各表示画面G2,G3の画像の更新を行う構成としてもよい。
また、操作装置を操作することにより表示モードの切換が行われる構成としてもよい。
弾球式でない遊技機、例えば、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記各実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴A1.遊技に関する演出を行う場合に用いられる演出手段(メイン表示装置62)と、
当該演出手段の前面側に配置され、移動可能に設けられた可動手段(第1実施形態における各可動表示装置63,64、第2実施形態における伸縮部材501)と、
遊技機正面視で前記可動手段が前記演出手段に対して重なる第1スライド位置(閉鎖位置)と、遊技機正面視で前記可動手段が前記演出手段に対して重ならない又は前記第1スライド位置よりも前記可動手段が前記演出手段に対して重なる領域が小さい第2スライド位置(第1開放位置)との間で前記可動手段をスライド移動させるスライド移動手段(スライド用モータ281,357、ピニオン282,358及びラック283,359)と、
遊技機正面視で前記可動手段が前記演出手段に対して重なる第1回動位置(閉鎖位置)と、遊技機正面視で前記可動手段が前記演出手段に対して重ならない又は前記第1回動位置よりも前記可動手段が前記演出手段に対して重なる領域が小さい第2回動位置(第2開放位置)との間で前記可動手段を回動させる回動手段(回動用モータ321,366、各ギア322,323,367,368、係合部331、及び一対の受け部332,333)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、可動手段が第1スライド位置又は第1回動位置にある場合においては可動手段と演出手段とが遊技機正面視で重なる。これにより、可動手段で演出手段を隠したり、可動手段を介して演出手段を視認させたりすることができる。一方、可動手段が第2スライド位置又は第2回動位置にある場合においては可動手段と演出手段とが遊技機正面視で重ならない又は重なる領域が小さくなる。これにより、演出手段を直接視認させることができる。よって、演出態様の多様化を図ったり、演出手段の視認性・予測性の高低という抑揚を図ったりすることができる。したがって、演出手段と可動手段との有機的結合性を高めることができ、遊技への注目度を高めることができる。
かかる構成において、可動手段は、第1スライド位置と第2スライド位置との間をスライド移動することができ、且つ第1回動位置と第2回動位置との間を回動することができる。これにより、可動手段が演出手段に対して重なる位置と演出手段に対して重ならない位置又は重なる領域が小さい位置との間を移動する場合に、どちらの態様で移動するかを注目しながら遊技を行うことができる。よって、可動手段が配置される位置と、可動手段の移動態様との双方に対して遊技者の注意を惹きつけることができ、遊技への注目度の更なる向上を図ることができる。
特徴A2.前記可動手段は複数設けられており、
前記スライド移動手段は、前記複数の可動手段を個別にスライド移動させるものであり、
前記回動手段は、前記複数の可動手段を個別に回動させるものであることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、可動手段が複数設けられていることに対応させて、スライド移動手段及び回動手段は各可動手段を個別に移動させることが可能となっている。これにより、可動手段の移動態様の自由度が高められている。よって、可動手段による移動態様の多様化を図ることができ、遊技への注目度の更なる向上を図ることができる。
特徴A3.前記可動手段は前記演出手段を前面側から覆うことが可能な大きさに形成されており、
前記第1スライド位置又は前記第1回動位置は、前記可動手段が前記演出手段を前面側から覆う位置であることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、可動手段により演出手段を前面側から覆うことにより、演出手段の態様を把握させにくくすることができる。これにより、可動手段が移動した場合に視認される演出手段がどのようになっているかを期待しながら遊技を行うことができる。
なお、特徴A2との関係によれば、「前記複数の可動手段は、協働して前記演出手段を前面側から覆うことが可能に形成されており、前記第1スライド位置又は前記第1回動位置は、前記複数の可動手段によって前記演出手段が覆われている位置である」とよい。
特徴A4.前記可動手段が前記第1回動位置及び前記第2回動位置間を回動する経路には、前記第1スライド位置及び前記第2スライド位置間の予め定められた特定位置が含まれており、
前記回動手段は、前記可動手段が前記特定位置に配置されている場合に当該可動手段を回動させるものであることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A4によれば、特定位置を基点として可動手段をスライド移動又は回動させることが可能となっているため、遊技者は特定位置に配置されている状況においてどちらの移動が行われるかを予測しながら遊技を行うことができる。これにより、遊技者の注意を可動手段の移動態様に惹きつけることができる。
特徴A5.前記回動手段は、
前記可動手段に設けられた第1係合部(係合部331)と、
前記可動手段が前記特定位置に配置されている状況において前記第1係合部に対して係合する第2係合部(一対の受け部332,333)と、
を備え、
前記第1係合部と前記第2係合部とが係合している状態において当該第2係合部を回動させることによって、前記第1係合部と前記第2係合部との係合箇所を中心として前記可動手段を回動させるものであり、
前記可動手段における前記特定位置からのスライド移動に伴って、前記第1係合部と前記第2係合部との係合が解除されるように構成されていることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
特徴A5によれば、可動手段が特定位置に配置されている状況において第1係合部と第2係合部とが係合している。かかる状況において第2係合部を回動させると、係合箇所を中心として可動手段が回動する。これにより、特に複雑な制御を行うことなく可動手段のスライド移動と回動とを好適に両立させることができる。
さらに、特定位置を基点として可動手段がスライド移動することに伴って、第1係合部と第2係合部との係合が解除される。これにより、仮に可動手段がスライド移動している状況において回動手段の誤動作等により第2係合部が回動した場合であっても可動手段は回動しない。よって、回動手段の誤動作に起因する可動手段の誤動作を抑制することができる。
また、仮に第1スライド位置及び第2スライド位置間の可動手段のスライド移動において第1係合部と第2係合部との係合が維持される構成とすると、当該係合に基づく摩擦によって可動手段のスライド移動に支障が生じ得る。これに対して、本特徴によれば、可動手段のスライド移動中において上記摩擦が生じないようにすることができるため、可動手段をスムーズにスライド移動させることができる。
特徴A6.前記第2係合部は、前記可動手段のスライド移動方向に対して予め定められた特定角度(初期角度)で配置されている場合に前記第1係合部と係合可能となるように形成されており、
前記第2係合部が前記特定角度で配置されている状況において前記可動手段が前記特定位置に向けてスライド移動する場合に、前記第1係合部及び前記第2係合部が係合するように前記第1係合部と前記第2係合部との相対位置関係が設定されていることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
特徴A6によれば、第2係合部が特定角度で配置されている状況において可動手段が特定位置に向けてスライド移動することに伴って、自ずと第1係合部と第2係合部とが係合する。これにより、可動手段の移動態様をスライド移動から回動にスムーズに切り換えることができる。
特徴A7.前記第2係合部が前記特定角度で配置されているか否かを把握する把握手段(回動検知センサ341,369)を備え、
前記回動手段は、前記可動手段が前記特定位置に向けてスライド移動する場合には、前記把握手段による把握結果に基づいて前記スライド移動方向に対する前記第2係合部の角度を前記特定角度に設定するものであることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
第2係合部が回動する構成である場合、意図しない第2係合部の回動によって第2係合部の回動位置の位置ずれが生じると、第1係合部と第2係合部とが係合しなくなり、可動手段を回動させることができなくなる。特に、特徴A5に示したように、特定位置からのスライド移動によって第1係合部と第2係合部との係合が一旦解除される構成にあっては、上記不都合が生じ易い。
これに対して、本特徴によれば、可動手段が特定位置に向けてスライド移動する場合には、第2係合部が特定角度で配置されるように設定される。これにより、上記不都合を回避することができる。
特徴A8.前記可動手段の回動を規制した状態で、前記可動手段が前記第1スライド位置及び前記第2スライド位置間をスライド移動するのをガイドするスライド移動ガイド手段(右側可動表示装置63における各保持部263〜266と各スリット261,262との組み合わせ、左側可動表示装置64における各保持部353〜356と各スライド用スリット351,352との組み合わせ)と、
前記可動手段のスライド移動を規制した状態で、前記可動手段が前記第1回動位置及び前記第2回動位置間を回動するのをガイドする回動ガイド手段(右側可動表示装置63における各保持部263〜266と各スリット301,302との組み合わせ、左側可動表示装置64における各保持部353〜356と各回動用スリット362,363との組み合わせ)と、
を備え、
前記各ガイド手段は、前記可動手段が前記特定位置に配置されている状況において前記各規制した状態を解除するものであることを特徴とする特徴A4乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A8によれば、スライド移動及び回動のうち一方の移動が行われている場合には他方の移動が規制されるため、他方の移動によって一方の移動が阻害されることが生じにくい。よって、可動手段をスムーズに移動させることができる。
また、可動手段が特定位置に配置されている場合には、可動手段のスライド移動及び回動の双方が可能となっている。これにより、特徴A4の効果は確保されている。
特徴A9.前記可動手段を保持する保持部(ハウジング部材61の各板部71,72及び各ベース板部181a,182a)を備え、
前記回動手段は、
前記可動手段に設けられた第1係合部(係合部331)と、
前記可動手段が前記特定位置に配置されている状況において前記第1係合部に対して係合する第2係合部(一対の受け部332,333)と、
を備え、
前記第1係合部と前記第2係合部とが係合している状態において当該第2係合部を回動させることによって、前記第1係合部と前記第2係合部との係合箇所を中心として前記可動手段を回動させるものであり、
前記可動手段は、前記第1係合部に対して前記可動手段の回動軸の軸線方向と直交する方向に離れた位置に設けられた被案内部(右側可動表示装置63における第3保持部265及び第4保持部266、左側可動表示装置64における第3保持部355及び第4保持部356)を備え、
前記保持部には、
前記可動手段のスライド移動方向に延び、前記第1係合部及び前記被案内部が挿通されるスライド側開口部(スライド用スリット261,262,351,352)と、
前記可動手段の回動方向に延び、前記第1係合部及び前記被案内部が挿通される回動側開口部(回動用スリット301,302,362,363)と、
が形成されており、
前記スライド移動ガイド手段は、前記第1係合部及び前記被案内部と前記スライド側開口部の周縁部との当接により、前記回動を規制した状態で前記スライド移動を許容するものであり、
前記回動ガイド手段は、前記被案内部と前記回動側開口部の周縁部との当接により、前記スライド移動を規制した状態で前記回動を許容するものであり、
前記スライド側開口部と前記回動側開口部とは、前記可動手段が前記特定位置に配置されている状況における前記被案内部の配置箇所を介して連通していることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
特徴A9によれば、可動手段が特定位置に配置されている状況において第1係合部と第2係合部とが係合している。かかる状況において第2係合部を回動させると、係合箇所を中心として可動手段が回動する。これにより、複雑な制御を行うことなく可動手段のスライド移動と回動とを好適に両立させることができる。
かかる構成において、可動手段を保持する保持部にはスライド側開口部及び回動側開口部が設けられており、これら開口部の周縁部と第1係合部及び被案内部との当接により、一方の移動が行われている場合には他方の移動が規制される。この場合、第1係合部が各ガイド手段の一部として用いられている。これにより、構成の簡素化を図ることができる。
ここで、仮に開口部の周縁部と第1係合部及び被案内部との当接により可動手段を回動させつつスライド移動しようとすると、上記当接により発生する摩擦力が大きくなり易く、第1係合部及び被案内部が開口部の周縁部に対して引っ掛かり易い。このため、可動手段の移動に支障が生じ易い。
これに対して、本特徴によれば、一方の移動が行われている場合には他方の移動が規制されるよう各開口部を形成した。これにより、可動手段を円滑に移動させることができる。
さらに、可動手段が特定位置に配置されている状況における被案内部の配置箇所を介してスライド側開口部と回動側開口部とが連通しているため、可動手段が特定位置に配置されている状況において被案内部は回動することが可能となっている。これにより、特徴A4の効果は確保されている。
特徴A10.前記可動手段が前記特定位置に配置されているか否かを検知する位置検知手段(位置検知センサ291,360)を備え、
前記回動手段は、前記位置検知手段により前記可動手段が前記特定位置に配置されている場合に、前記可動手段を回動させるものであることを特徴とする特徴A4乃至A9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A10によれば、特定位置に配置されていない状況において可動手段は回動しないようになっている。これにより、可動手段が想定外の位置にて回動してしまう不都合を回避することができる。
さらに、特徴A9との関係によれば、回動手段によって可動手段が回動すると、被案内部と各開口部の周縁部とが当接し、当該当接によって摩擦力が生じる。このため、可動手段のスライド移動に支障が生じ得る。
これに対して、本特徴によれば、可動手段が特定位置に配置されていない状況において可動手段を回動させないようにすることができ、被案内部と各開口部の周縁部との当接に係る摩擦力を小さくすることができる。これにより、可動手段のスライド移動をより円滑に行うことができる。
特徴A11.予め定められた契機に基づいて、遊技者に対して特典を付与するか否かの判定を行う付与判定手段(主制御装置50においてステップS207の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段の判定結果が特典を付与する付与対応結果である場合には、遊技者に対して特典を付与し得る特典付与手段(主制御装置50においてステップS209及びステップS210の処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段の判定結果に対応した移動態様で前記可動手段が移動するように前記スライド移動手段及び前記回動手段の少なくとも一方を制御する移動制御手段(音声発光制御装置46において演出制御処理及び駆動制御処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A11によれば、付与判定手段の判定結果に対応した移動態様で可動手段が移動する。これにより、付与判定手段による判定結果と可動手段の移動態様とを関連付けることが可能となる。よって、例えば特典の付与の期待度が比較的高い場合に可動手段を移動させることにより、可動手段の移動に期待を持たせることができる。
特徴A12.遊技状態として、第1遊技状態と、当該第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態(ボーナスゲーム状態)とが設定されており、
前記特典付与手段は、前記付与判定手段の判定結果が前記付与対応結果である場合には、前記遊技状態を前記第1遊技状態から前記第2遊技状態に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置50においてステップS210の処理を実行する機能)を備え、
前記移動制御手段は、前記付与判定手段の判定結果が前記付与対応結果である場合に前記可動手段が所定の移動態様で移動するように前記スライド移動手段及び前記回動手段の少なくとも一方を制御するものであることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
特徴A12によれば、遊技状態が移行する場合に可動手段が所定の移動態様で移動する。これにより、遊技者は、可動手段が所定の移動態様で移動することを期待しながら遊技を行うことが想定される。よって、可動手段及び当該可動手段の移動態様への注目度を高めることができる。
また、可動手段を移動させることにより、遊技状態が移行したことを遊技者に明確に把握させることができる。
特徴A13.前記移動制御手段は、前記付与判定手段の判定結果が前記付与対応結果である場合には、前記スライド移動及び前記回動のうち一方の移動(回動)が他方の移動(スライド移動)よりも高い頻度で行われるように前記スライド移動手段及び前記回動手段の少なくとも一方を制御するものであることを特徴とする特徴A11又は特徴A12に記載の遊技機。
特徴A13によれば、遊技者に対して特典が付与される付与対応結果である場合には、スライド移動及び回動のうち一方の移動が高い頻度で行われる。これにより、上記一方の移動が行われた場合には付与対応結果であることが期待される。よって、遊技者は上記一方の移動が行われることを期待しながら可動手段に注目することとなり、可動手段の移動態様への注目度の更なる向上を図ることができる。
特徴A14.前記第1回動位置は、前記第1スライド位置と同一に設定されており、
前記移動制御手段は、
前記可動手段が前記第2スライド位置から前記第1スライド位置にスライド移動し、その後前記第1スライド位置から前記第2スライド位置に向けてスライド移動するように前記スライド移動手段を制御する第1移動制御手段(音声発光制御装置46及び表示制御装置193において扉開放演出におけるスライド移動パターンを実行する機能)と、
前記可動手段が前記第2スライド位置から前記第1スライド位置にスライド移動し、その後前記第1スライド位置から前記第2回動位置に向けて回動するように前記スライド移動手段及び前記回動手段を制御する第2移動制御手段(音声発光制御装置46及び表示制御装置193において扉開放演出における回動パターンを実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A11乃至A13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A14によれば、一旦可動手段が第2スライド位置から第1スライド位置に配置される。その後、可動手段がスライド移動又は回動する。この場合、可動手段が第1スライド位置に配置されるまでの可動手段の態様は同一となっているため、可動手段が第1スライド位置に配置されるまでのタイミングまでに、どちらの態様で移動するか特定することが困難になっている。これにより、その後の展開がどうなるかを期待しながら遊技を行わせることができる。
特徴A15.前記演出手段は、表示画面(メイン表示画面G1)を有し当該表示画面に絵柄が変動表示される絵柄表示手段(メイン表示装置62)であり、
前記可動手段の移動態様に応じて前記表示画面の表示制御を行う表示制御手段(表示制御装置193)を備えていることを特徴とする特徴A11乃至A14のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A15によれば、可動手段の移動と表示画面に表示される内容とを関連付けることができ、ダイナミックな演出を行うことができる。
特徴A16.前記表示画面における表示態様として、表示態様が相違する複数種類の表示モード(第1表示モード、第2表示モード)が設定されており、
前記表示制御手段は、予め定められた契機に基づいて、前記表示モードを切り換える表示モード切換手段(表示制御装置193において表示モード切換用表示制御処理を実行する機能)を備え、
前記移動制御手段は、前記表示モードが切り換わることに応じて、前記可動手段が所定の移動態様で移動するように前記スライド移動手段及び前記回動手段の少なくとも一方を制御するものであることを特徴とする特徴A15に記載の遊技機。
特徴A16によれば、表示態様が相違する表示モードが複数種類設定されているため、表示態様の多様化を図ることができる。しかしながら、仮に表示モードの切換が突然発生すると、何が起きたか理解できず、結果として遊技への意欲の低下を招くおそれがある。
これに対して、本特徴によれば、表示モードが切り換わることに応じて可動手段が所定の移動態様で移動する。これにより、表示モードが切り換わることを遊技者に対して報知することができる。
また、表示モードが切り換わることに基づいて可動手段が移動するため、一旦可動手段の移動態様に遊技者の注意が惹きつけられる。この場合、可動手段の移動態様に惹きつけられている間に表示モードを切り換えることにより、表示モードの切換の際に生じ得る違和感を抑制することができる。
さらに、例えば複数種類の表示モードのうち遊技者にとって有利な表示モードと、不利な表示モードとが設定されている場合には、遊技者は、有利な表示モードになることを期待しながら、可動手段の移動に注目することとなる。これにより、可動手段の移動態様に注目させることができる。
特徴A17.周方向に周回するとともに、当該周方向に複数種の絵柄が付された複数の周回体(各リール17L,17M,17R)と、
前記各周回体について各絵柄のうち一部の絵柄を視認可能とする表示部(各表示窓14L,14M,14R)と、
前記各周回体の周回を開始させるべく操作される始動操作手段(スタートレバー21)と、
前記付与判定手段として、前記始動操作手段の操作に基づいて役の抽選を行う抽選手段(主制御装置50においてステップS207の処理を実行する機能)と、
前記周回体毎に設けられ、当該各周回体を周回させる周回体駆動手段(ステッピングモータ414)と、
前記始動操作手段の操作に基づいて前記各周回体の周回を開始させるよう前記各周回体駆動手段を駆動制御する開始駆動制御手段(主制御装置50においてステップS208の処理を実行する機能)と、
前記各周回体の周回を個別に停止させるべく操作される複数の停止操作手段(主制御装置50においてステップS208の処理を実行する機能)と、
前記役の抽選結果及び前記各停止操作手段の操作に基づいて、該各停止操作手段の操作タイミングから予め定めた規定期間に、操作された停止操作手段と対応する周回体の周回を停止させるよう前記各周回体駆動手段を駆動制御する停止駆動制御手段(主制御装置50においてステップS207の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特典付与手段は、前記役の抽選結果が当選であって、前記表示部から視認できる有効位置に当選役と対応する組合せ態様が停止した場合に遊技者に特典を付与するものであり、
前記移動制御手段は、前記始動操作手段及び前記各停止操作手段の操作に応じて、前記可動手段が移動するように前記スライド移動手段及び前記回動手段の少なくとも一方を制御するものであることを特徴とする特徴A11乃至A16のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A17によれば、始動操作手段及び停止操作手段の操作に応じて、可動手段が移動するようになっている。これにより、遊技者が行う操作と可動手段の移動とが連動し、遊技者自身が可動手段を移動させているように誤認させることができる。よって、始動操作手段及び停止操作手段の操作を通じて遊技への注目度の更なる向上を図ることができる。
特徴A18.前記演出手段及び前記可動手段が取り付けられる演出ユニット(第1実施形態における表示ユニット45、第2実施形態における表示ユニット500)を備え、
前記スライド移動手段及び前記回動手段は、前記可動手段を移動させることが可能な状態で前記演出ユニットに固定されていることを特徴とする特徴A1乃至A17のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A18によれば、可動手段のスライド移動又は回動に伴ってスライド移動手段及び回動手段がスライド移動又は回動しないようになっている。これにより、両者が連動する構成と比較して、可動手段を移動させるために必要な力が小さくて済む。よって、スライド移動手段及び回動手段として小型のモータ等を用いることができる。そして、各移動手段が移動するのに必要なスペースを確保する必要がない。よって、省スペース化を図ることができる。
特徴A19.前記可動手段には、画像が表示される画像表示部(液晶表示部203,204)が設けられていることを特徴とする特徴A1乃至A18のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A19によれば、可動手段に画像表示部が設けられているため、画像表示部にて画像を表示させつつ、可動手段を移動させることができる。これにより、画像表示部に表示される画像の表示態様と、可動手段の移動態様とに遊技者の注意を惹きつけることができ、これらを通じて遊技への注目度を高めることができる。
特徴A20.前記可動手段は伸縮可能に形成されており、
前記可動手段は、前記第1スライド位置又は前記第1回動位置にある場合において伸びた状態となる一方、前記第2スライド位置又は前記第2回動位置にある場合において縮んだ状態となることを特徴とする特徴A1乃至A19のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A20によれば、可動手段が第1スライド位置又は第1回動位置にある場合には、可動手段は伸びた状態となるため、演出手段と可動手段とが重なる領域を大きくすることができる。一方、可動手段が第2スライド位置又は第2回動位置にある場合には、可動手段は縮んだ状態となる。これにより、可動手段が第2スライド位置又は第2回動位置に配置されるために必要なスペースを小さくすることができる。
また、本特徴の具体的な構成としては、例えば「前記可動手段を前記伸びた状態から前記縮んだ状態に移行させつつ前記第1スライド位置から前記第2スライド位置への前記スライド移動をガイドし、さらに前記可動手段を前記縮んだ状態から前記伸びた状態に移行させつつ前記第2スライド位置から前記第1スライド位置への前記スライド移動をガイドする第1ガイド手段と、前記可動手段を前記伸びた状態から前記縮んだ状態に移行させつつ前記第1回動位置から前記第2回動位置への前記回動をガイドし、さらに前記可動手段を前記縮んだ状態から前記伸びた状態に移行させつつ前記第2回動位置から前記第1回動位置への前記回動をガイドする第2ガイド手段と、を備えている」ことが考えられる。
なお、上記各特徴A1〜A20のいずれか1の構成に対して、下記特徴B1〜B17、下記特徴C1〜C13のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
<特徴B群>
特徴B1.遊技の演出に用いられる演出手段(メイン表示装置62)と、
前記演出手段の前面側に設けられ、画像が表示される表示画面(サブ表示画面G2,G3)を有する表示手段(各可動表示装置63,64)と、
前記表示画面の表示制御を行う表示制御手段(表示制御装置193)と、
を備え、
遊技機正面視で前記表示画面が前記演出手段に対して重なる第1位置(閉鎖位置)と、遊技機正面視で前記表示画面が前記演出手段に対して重ならない又は前記第1位置よりも前記表示画面が前記演出手段に対して重なる領域が小さい第2位置(第2開放位置)との間で前記表示手段を移動させる移動手段(各種モータ281,321,357,366等)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、表示画面を有する表示手段が第1位置にある場合においては表示画面と演出手段とが遊技機正面視で重なる。これにより、表示画面で演出手段を隠したり、表示画面を介して演出手段を視認させたりすることができる。一方、表示手段が第2位置にある場合においては表示画面と演出手段とが遊技機正面視で重ならない又は重なる領域が小さくなる。これにより、演出手段の視認性を向上させることができる。さらに、表示手段が第2位置に配置されている状況において表示画面に画像を表示させることにより、演出手段と協働した1の演出を行うことができる。よって、演出態様の多様化を図ったり、演出手段の視認性・予測性の高低という抑揚を図ったりすることができる。したがって、演出手段と表示手段との有機的結合性を高めることができ、遊技への注目度を高めることができる。
特徴B2.前記表示画面は複数の単位領域(画素)から構成されており、
当該各単位領域は、画像に対応した表示が行われる画像表示状態と、背面からの光を透過する透過状態と、に切換可能に形成されており、
前記表示制御手段は、遊技機正面視で前記表示画面の少なくとも一部が前記演出手段に対して重なっている状況において当該重なっている領域のうち所定の領域(キャラクタ画像P21及び図柄画像P22等が表示される領域)に含まれる前記単位領域を前記画像表示状態にしつつ、その他の領域に含まれる前記単位領域を前記透過状態にするように前記各単位領域を個別に制御するものであることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、遊技機正面視で表示画面の少なくとも一部と演出手段とが重なっている場合には、当該重なっている領域のうち所定の領域に画像を表示させつつ、その他の領域において演出手段を視認させることができる。これにより、斬新な演出を行うことができ、遊技の注目度の更なる向上を図ることができる。
特徴B3.前記表示手段は、前記表示画面として第1表示画面(サブ表示画面G2,G3)を有する透過型の液晶表示手段(各可動表示装置63,64)であり、
前記演出手段は、画像が表示される第2表示画面(メイン表示画面G1)を有する画像表示手段(メイン表示装置62)であり、
前記表示制御手段は、
前記第1表示画面の表示制御を行う第1表示制御手段(表示制御装置193において各可動表示装置63,64の表示制御を行う機能)と、
前記第2表示画面の表示制御を行う第2表示制御手段(表示制御装置193においてメイン表示装置62の表示制御を行う機能)と、
を備え、
前記第1位置は、遊技機正面視で前記第1表示画面の少なくとも一部が前記第2表示画面に対して重なる位置であり、
前記第2位置は、前記第1表示画面が前記第2表示画面に対して重ならない位置、又は前記第1位置と比較して前記第1表示画面と前記第2表示画面とが重なる領域が小さい位置であることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、液晶表示手段が第1位置にある場合において第1表示画面及び第2表示画面双方に画像を表示することにより、両者の画像を重ねて視認させることができる。これにより、遠近感が生じ、臨場感ある表示演出を行うことができる。
一方、液晶表示手段が第2位置にある場合においては、画像が表示される表示領域が拡張される。これにより、ダイナミックな演出を行うことができる。
さらに、各表示手段において表示させる画像の組み合わせを変更することにより、2つの表示手段によって表示される画像の表示態様のバリエーションを増やすことができる。これにより、表示態様の多様化を図りつつ、画像データの容量の削減することができる。
特徴B4.前記第1表示画面は複数の単位領域(画素)から構成されており、
当該各単位領域は、画像表示に対応した色表示が行われる画像表示状態と、背面からの光を透過する透過状態と、に切換可能に形成されており、
前記第1表示制御手段は、前記第1表示画面の少なくとも一部が前記第2表示画面に対して重なる位置に配置されている状況において前記各表示画面における重なる領域のうち所定の領域(キャラクタ画像P21及び図柄画像P22等が表示される領域)に含まれる前記単位領域を前記画像表示状態にしつつ、その他の領域に含まれる前記単位領域を前記透過状態にするように前記各単位領域を個別に制御するものであり、
前記第2表示制御手段は、前記第2表示画面において前記所定の領域に対応した領域(第1白表示領域PA21及び第2白表示領域PA22)が白表示となるように前記画像表示手段を表示制御するものであることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、液晶表示手段における所定の領域に画像が表示されている状況において画像表示手段の所定の領域に対応した領域は白表示となっている。これにより、画像表示手段の白表示に対応した光が液晶表示手段のバックライトとして機能し、液晶表示手段にて表示される画像を鮮明に表示させることができる。よって、液晶表示手段の画像を好適に表示させることができる。
「前記所定の領域に対応した領域」とは、例えば「前記所定の領域に対して後方の領域」である。
特徴B5.前記第2表示制御手段は、前記液晶表示手段が移動することにより前記所定の領域が移動する場合には、当該移動に対応させて前記白表示の領域を移動させるものであることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
特徴B5によれば、液晶表示手段の移動に対応させて白表示の領域が移動するため、液晶表示手段において鮮明な画像を表示した状態で液晶表示手段を移動させることができる。これにより、液晶表示手段の画像が見にくくなることなく、液晶表示手段を移動させることができる。よって、液晶表示手段が移動することに起因する液晶表示手段の画像の見にくさを抑制することができる。
特徴B6.前記各表示手段を用いた表示演出として、前記第1表示制御手段を制御することにより前記第1表示画面に第1個別画像(図柄画像P33及び図柄画像P34)が表示させるとともに、前記第2表示制御手段を制御することにより前記第2表示画面に第2個別画像(図柄画像P31,P32)を表示させ、さらに予め定められた更新タイミングとなることに基づいて前記移動手段を制御することにより前記各個別画像の相対位置関係を変更する特定表示演出(スライドリーチ演出)を実行する特定表示演出実行手段(音声発光制御装置46においてスライドリーチ演出用処理を実行する機能及び表示制御装置193においてスライドリーチ演出用表示制御処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B3乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B6によれば、第1個別画像と第2個別画像との相対位置関係の変更が表示制御ではなく、液晶表示手段の移動によって実現されている。これにより、単に表示制御によって上記相対位置関係を変更する構成と比較して、斬新な印象を与えることができる。
さらに、液晶表示手段の移動によって上記相対位置関係を変更する構成となっているため、上記変更に係る表示制御を行う必要がない。これにより、表示制御に係る処理負荷の軽減を図ることができる。よって、各表示画面の表示制御を行うことによって生じ得る処理負荷の増大化を軽減することができる。
特徴B7.予め定められた契機に基づいて、遊技者に対して特典を付与するか否かの判定を行う付与判定手段(主制御装置50においてステップS207の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段の判定結果が特典を付与する付与対応結果である場合には、遊技者に対して特典を付与し得る特典付与手段(主制御装置50においてステップS209及びステップS210の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記変更後の前記各個別画像の相対位置関係は、前記付与判定手段の判定結果に応じて異なっていることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
特徴B7によれば、付与判定手段の判定結果に応じて第1個別画像と第2個別画像との相対位置関係が異なる。これにより、第1個別画像と第2個別画像との相対位置関係に基づき、今回の判定結果を予測することができる。よって、表示手段の移動態様に遊技者の注意を惹きつけることができ、特定表示演出への注目度を高めることができる。
特徴B8.前記特定表示演出において当該特定表示演出の開始タイミングから前記更新タイミングまでの演出態様は、前記変更後の前記各個別画像の相対位置関係に関わらず共通していることを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
特徴B8によれば、相対位置関係が変更されるまでに、どのような相対位置関係となるかを予測することが困難となっている。これにより、表示手段が移動する前段階で付与判定の判定結果が予測され、表示手段の移動態様への注目度が低下する不都合を回避することができる。
特徴B9.前記特定表示演出実行手段は、前記更新タイミングとなることに基づき前記各個別画像の相対位置関係を変更した後は、当該変更後の前記各個別画像の相対位置関係に応じた画像を前記各表示画面に対して表示するものであることを特徴とする特徴B7又は特徴B8に記載の遊技機。
特徴B9によれば、第1個別画像と第2個別画像との相対位置関係が変更された場合、その後の各表示画面に表示される画像が上記相対位置関係に応じて異なっている。これにより、当該相対位置関係が変更された後の各表示画面の表示態様と上記相対位置関係とを密接に関連付けることができ、これらを一連の演出として認識させることができる。
特徴B10.前記第1表示制御手段は、前記液晶表示手段が前記第1位置に配置されている場合に、前記第1表示画面における前記第2表示画面と重なる領域に対して第1個別画像(扉画像P11,P12等)を表示させるものであり、
前記第2表示制御手段は、前記液晶表示手段が前記第1位置に配置されている場合に前記第2表示画面における前記第1個別画像と重なる領域に対して当該第1個別画像とは異なる第2個別画像(魚群画像P15)を表示させるものであり、
前記液晶表示手段が前記第1位置から前記第2位置に向けて段階的に移動するように前記移動手段を制御する移動制御手段(音声発光制御装置46において演出制御処理及び駆動制御処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B3乃至B9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B10によれば、液晶表示手段が第1位置に配置されている場合には第1個別画像と第2個別画像とが重なり合っているため、遊技者は第1個別画像を優先的に視認する。かかる状況において、液晶表示手段が第1位置から第2位置に段階的に移動することにより、第2個別画像が徐々に視認される。これにより、第2個別画像の内容を期待しながら、液晶表示手段の移動態様を注目することとなる。よって、液晶表示手段及び各表示画面を用いた演出への注目度の更なる向上を図ることができる。
特徴B11.前記移動手段は、前記表示手段を前方に向けて回動させることにより、前記表示手段を前記第1位置から前記第2位置に移動させる回動手段(回動用モータ321,366及び各ギア322,323,367,368)を備え、
前記表示手段には、信号又は電力を伝送する配線(フレキシブルケーブル251,252)が設けられており、
当該配線は、前記表示手段において回動先端部よりも回動基端部寄りであって当該表示手段の前面側の部位から引き出されていることを特徴とする特徴B1乃至B10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B11によれば、配線が表示手段の回動基端部寄りの部位から引き出されているため、表示手段が回動した場合における配線の移動量が少なくなっている。これにより、表示手段の円滑な回動を実現することができる。
さらに、配線は表示手段の前面側から引き出されている。これにより、表示手段が前方に向けて回動する場合に、配線が表示手段の背面側に配置されている演出手段に対して引っ掛かりにくい。よって、表示手段の前方への回動が配線により阻害されにくい。したがって、表示手段の背面側に演出手段を近づけて配置した場合であっても表示手段の前方への回動をスムーズに行うことができる。
特徴B12.周方向に周回するとともに、当該周方向に複数種の絵柄が付された複数の周回体(各リール17L,17M,17R)と、
前記各周回体について各絵柄のうち一部の絵柄を視認可能とする表示部(各表示窓14L,14M,14R)と、
前記各周回体の周回を開始させるべく操作される始動操作手段(スタートレバー21)と、
前記始動操作手段の操作に基づいて役の抽選を行う抽選手段(主制御装置50においてステップS207の処理を実行する機能)と、
前記周回体毎に設けられ、当該各周回体を周回させる周回体駆動手段(ステッピングモータ414)と、
前記始動操作手段の操作に基づいて前記各周回体の周回を開始させるよう前記各周回体駆動手段を駆動制御する開始駆動制御手段(主制御装置50においてステップS208の処理を実行する機能)と、
前記各周回体の周回を個別に停止させるべく操作される複数の停止操作手段(主制御装置50においてステップS208の処理を実行する機能)と、
前記役の抽選結果及び前記各停止操作手段の操作に基づいて、該各停止操作手段の操作タイミングから予め定めた規定期間に、操作された停止操作手段と対応する周回体の周回を停止させるよう前記各周回体駆動手段を駆動制御する停止駆動制御手段(主制御装置50においてステップS207の処理を実行する機能)と、
前記役の抽選結果が当選であって、前記表示部から視認できる有効位置に当選役と対応する組合せ態様が停止した場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置50においてステップS209及びステップS210の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記表示手段は、前記各周回体の上方に配置されており、
前記配線は、前記表示手段における下端部側から引き出されていることを特徴とする特徴B11に記載の遊技機。
特徴B12によれば、当選役と対応する組み合わせ態様を停止させるべく、各停止操作手段を操作することにより各周回体を停止させる。これにより、遊技への積極的参加を促すことができる。
この場合、一般的に遊技者が周回体の停止結果を視認し易いように、遊技者の正面に周回体及び表示部を配置することが考えられる。すると、遊技者が周回体の上方に配置されている表示手段を見ようとすると、自ずと若干見上げることが想定される。
かかる構成において、配線は表示手段における下端部側から引き出されているため、遊技者から見て、配線が視認されにくい。これにより、配線を表示手段の前面側に設けることによって生じ得る不都合、すなわち配線が遊技者に視認されてしまうことを回避することができる。
特徴B13.前記移動手段は、前記第1位置及び前記第2位置間で前記表示手段を回動させる回動手段(回動用モータ321,366、各ギア322,323,367,368)を備え、
前記表示手段は、前記表示画面として表裏一対の表示画面(各サブ表示画面G2a,G2b等)を有し、
前記第1位置は、遊技機正面視で一方の表示画面が表側となり且つ他方の表示画面が裏側となる位置であり、
前記第2位置は、遊技機正面視で前記他方の表示画面が表側となり且つ前記一方の表示画面が裏側となる位置であり、
前記表示制御手段は、
前記表示手段が前記第1位置から前記第2位置に回動する場合には前記一方の表示画面から前記他方の表示画面に表示制御対象を切り換える一方、前記表示手段が前記第2位置から前記第1位置に回動する場合には前記他方の表示画面から前記一方の表示画面に表示制御対象を切り換える表示制御対象切換手段(表示制御装置193においてステップS611及びステップS612の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B13によれば、遊技者に視認される方の表示画面に画像が表示される。これにより、いずれか一方の表示画面を用いて画像を遊技者に視認させつつ、表示手段を回動させる演出を行うことができ、当該演出を通じて遊技への注目度を高めることができる。
特徴B14.前記移動手段は、前記第1位置及び前記第2位置間で前記表示手段を回動させる回動手段(回動用モータ321,366、各ギア322,323,367,368)を備え、
前記表示手段は、前記表示画面として第1表示画面(サブ表示画面G2,G3)を有する第1表示手段(各可動表示装置63,64)であり、
前記演出手段は、第2表示画面(メイン表示画面G1)を有する第2表示手段(メイン表示装置62)であり、
前記第1表示画面は、前記第1表示手段が前記第2位置にある場合において前記第2表示画面に対して傾斜していることを特徴とする特徴B1乃至B13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B14によれば、第1表示手段が第2位置にある場合において各表示画面に跨って1の画像を表示させることにより、立体感のある画像を表示させることができ、当該画像の表示を通じて遊技への注目度の更なる向上を図ることができる。
特徴B15.前記第2表示画面は遊技機の正面を向いて配置されており、
前記第1表示画面は、前記第1表示手段が前記第2位置にある場合において前記第2表示画面に対して斜め前方に傾斜して配置されていることを特徴とする特徴B14に記載の遊技機。
特徴B15によれば、第1表示手段が第2位置にある場合において各表示画面に跨って1の画像を表示させることにより、遠近感のある画像を表示させることができ、当該画像の表示を通じて遊技への注目度を高めることができる。
特徴B16.前記表示手段は透過型の液晶表示手段(各可動表示装置63,64)であり、
前記液晶表示手段が前記第2位置にある場合における当該液晶表示手段の背面側には、前方に向けて発光可能な発光手段(面発光ライト191,192)が設けられており、
前記液晶表示手段が前記第2位置にある場合において前記表示画面に画像が表示される場合には、前記発光手段を発光させる発光制御手段(音声発光制御装置46においてステップS507,ステップS510の処理等を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B15のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B16によれば、液晶表示手段が第1位置にある場合には発光手段を用いた発光演出を行うことができ、液晶表示手段が第2位置にある場合には発光手段の光を液晶表示手段のバックライトとして用いることができる。
特徴B17.前記表示手段は、透過型の液晶パネル(液晶パネル210)、及び当該液晶パネルに対して背面側に設けられ、当該液晶パネルに対して光を照射する照射状態と光を透過する透過状態とに切換可能な光源手段(各バックライト211,212)を有する透過型の液晶表示手段(各可動表示装置63,64)であり、
前記液晶表示手段が前記第1位置に配置されている場合には前記光源手段を前記透過状態に設定する一方、前記液晶表示手段が前記第2位置に配置されている場合には前記光源手段を前記照射状態に設定する光源制御手段(表示制御装置193において各バックライト211,212を制御する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B16のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B17によれば、液晶表示手段が第1位置にある場合には光源手段を透過状態とすることにより、表示画面を介して演出手段を視認させることができる。
一方、液晶表示手段が第2位置にある場合には光源手段を照射状態とすることで、当該光源手段の光を用いて表示画面に画像を表示させることができる。
なお、光源手段としては例えば、「液晶パネルを覆うように設けられた導光板と、当該導光板に対して側方に設けられた発光体と、を備え、前記導光板は、透明性の材料で形成されており、前記導光板の表面には、視認不可又は困難に形成された凹凸部が設けられており、前記凹凸部は、前記液晶パネルに対して傾斜する面であってその角度が相違する第1傾斜面及び第2傾斜面を有し、当該第1傾斜面は、前記発光体から照射された光を全反射させるように形成されており、前記第2傾斜面は、前記発光体から照射された光を前記液晶パネルに向けて反射させるように形成されている」構成が考えられる。
なお、上記各特徴B1〜B17のいずれか1の構成に対して、上記特徴A1〜A20、下記特徴C1〜C13のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
<特徴C群>
特徴C1.第1表示画面(第1サブ表示画面G2a,G3a)と当該第1表示画面の向きとは異なる向きに形成された第2表示画面(第2サブ表示画面G2b,G3b)とを有する表示手段(各可動表示装置63,64)と、
前記各表示画面の向きを変更する変更手段(回動用モータ321,366等)と、
前記各表示画面を個別に表示制御することが可能であって、前記変更手段による前記各表示画面の向きに応じて前記各表示画面の表示制御を行う表示制御手段(表示制御装置193)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、2つの表示画面を有した表示手段が設けられており、当該2つの表示画面は互いに面の向きが異なっている。そして、各表示画面の向きが変更された場合、その向きに応じて各表示画面の表示制御を行うことにより、各表示画面の向きと各表示画面に表示される内容とが関連付けられた表示演出を行うことができ、当該表示演出を通じて遊技への注目度を高めることができる。
特徴C2.前記変更手段は、前記表示手段を回動させる回動手段(回動用モータ321,366、各ギア322,323,367,368、係合部331、及び一対の受け部332,333)を備え、当該回動手段が前記表示手段を回動させることにより前記各表示画面の向きを変更するものであり、
前記表示制御手段は、前記回動手段により前記表示手段が回動することに応じて、前記各表示画面の表示制御を行うものであることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、表示手段を回動させることによって、異なる表示画面を遊技者に視認させることができる。この場合、表示手段の回動に応じて各表示画面の表示制御を行うことにより、表示手段の回動態様と表示画面の表示内容とを連動させることができる。よって、表示手段の回動態様及び表示態様双方に対して注目させることができ、遊技への注目度の向上を図ることができる。
特徴C3.前記各表示画面は表裏一対に配置されており、
前記回動手段は、遊技機正面視で前記第1表示画面が表側となり且つ前記第2表示画面が裏側となる第1回動位置(閉鎖位置)と、遊技正面視で前記第1表示画面が裏側となり且つ前記第2表示画面が表側となる第2回動位置(第2開放位置)との間で前記表示手段を回動させるものであり、
前記表示制御手段は、
前記表示手段が前記第1回動位置から前記第2回動位置に回動する場合には前記第1表示画面から前記第2表示画面に表示制御対象を切り換える一方、前記表示手段が前記第2回動位置から前記第1回動位置に回動する場合には前記第2表示画面から前記第1表示画面に表示制御対象を切り換える表示制御対象切換手段(表示制御装置193においてステップS611及びステップS612の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、第1回動位置及び第2回動位置のうち一方から他方に回動する場合に、遊技機正面視で遊技者から視認される表示画面が表示制御対象となるよう当該表示制御対象の切換を行うことにより、いずれか一方の表示画面を用いて画像を遊技者に視認させることができる。
また、表示制御対象となっている表示画面の画像のみを表示すればよいため、他方の画像表示に係る処理を省略することができる。これにより、表示制御に係る処理負荷の軽減を図ることができる。
特徴C4.前記表示手段の回動位置を把握する位置把握手段(回動用モータ321,366及び音声発光制御装置46において回動用モータ321,366への駆動信号を把握する機能)を備え、
前記表示制御対象切換手段は、前記位置把握手段により前記表示手段が前記第1回動位置及び前記第2回動位置間における予め定められた特定回動位置(閉鎖位置から90度回動した位置)に配置されたことが把握されたことに基づいて、前記表示制御対象を切り換えるものであることを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
特徴C4によれば、位置把握手段により表示手段が特定回動位置に配置されたことが把握されたことに基づいて、表示対象が切り換わる。これにより、遊技者から視認される表示画面が切り換わる位置を特定回動位置として設定するにより、表示制御対象の切換を好適に行うことができる。
特徴C5.前記表示制御手段は、前記表示手段が前記第1回動位置及び前記第2回動位置間における予め定められた特定回動範囲内に配置されている場合、各表示画面に画像を表示させるものであることを特徴とする特徴C3又は特徴C4に記載の遊技機。
特徴C5によれば、表示手段が特定回動範囲内に配置されている場合には各表示画面に画像を表示させることにより、表示手段が第1回動位置から第2回動位置に回動する場合に一瞬画像が消えてしまったように見えることを抑制することができる。これにより、表示制御対象の切換をスムーズに行うことができる。
特徴C6.予め定められた契機に基づいて、遊技者に対して特典を付与するか否かの判定を行う付与判定手段(主制御装置50においてステップS207の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段の判定結果が特典を付与する付与対応結果である場合には、遊技者に対して特典を付与し得る特典付与手段(主制御装置50においてステップS209及びステップS210の処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定手段の判定結果に対応した遊技結果を報知して当該遊技回用動作を終了させることを遊技回の1回として、前記付与判定手段の判定結果に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように所定の報知手段(各リール17L,17M,17R)を制御する遊技回制御手段(主制御装置50においてステップS207及びステップS208の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記回動手段は、前記遊技回用動作が行われる場合に、前記第1回動位置及び前記第2回動位置のうち一方の回動位置から他方の回動位置に前記表示手段を回動させるものであり、
前記表示制御手段は、
前記表示手段が前記一方の回動位置にある場合には、予め定められた共通画像(予告用キャラクタ画像P51)を前記各表示画面のうち遊技機正面視で表側に配置されている表示画面に表示させ、
前記表示手段が前記他方の回動位置にある場合には、前記遊技回用動作が行われる契機となった前記付与判定の判定結果に対応した結果報知画像(当選用キャラクタ画像P52等)を前記各表示画面のうち遊技機正面視で表側に配置されている表示画面に表示させるものであることを特徴とする特徴C3乃至C5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C6によれば、遊技回用動作が行われる場合、一方の表示画面に共通画像を表示し、その後表示手段を回動させて、他方の表示画面に結果報知画像を表示する表示演出を行うことができる。当該結果報知画像は、遊技回用動作の契機となった付与判定の判定結果に対応している。これにより、遊技者は、結果報知画像が有利な付与判定結果に対応したものであることを期待しながら、上記表示演出を注目することとなる。よって、上記表示演出を通じて遊技への注目度の更なる向上を図ることができる。
特に、結果報知画像が表示されるまでは、付与判定の判定結果に関わらず同一の共通画像が表示される。これにより、表示手段が一方の回動位置から他方の回動位置に回動する前のタイミングにて今回の判定結果を把握されることによって生じ得る表示手段の回動への注目度の低下を抑制することができる。
特徴C7.前記表示手段の背面側に設けられ、遊技における演出に用いられる演出手段(メイン表示装置62)を備え、
前記第1回動位置は、前記各表示画面のうち少なくとも一部が前記演出手段に対して重なる位置であり、
前記第2回動位置は、前記各表示画面が前記演出手段に対して重ならない位置、又は前記第1回動位置よりも前記各表示画面と前記演出手段とが重なる領域が小さい位置であり、
前記表示手段は、所定の単位領域(画素)毎に、光を透過する透過状態と画像を表示する画像表示状態とに切換可能に形成されており、
前記表示制御手段は、前記表示手段が前記第1回動位置に配置されている状況において前記演出手段に対して重なっている領域のうち所定の領域に含まれる前記単位領域を前記画像表示状態としつつ、その他の領域に含まれる前記単位領域を前記透過状態とするよう各単位領域を個別に制御するものであることを特徴とする特徴C3乃至C6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C7によれば、表示手段が第1回動位置にある場合においては表示手段と演出手段とが遊技機正面視で重なっている。この場合、当該重なっている領域のうち所定の領域には画像が表示される。この場合、重なっている領域のうちその他の領域は透過状態となっているため、後方が視認可能となる。これにより、その他の領域には演出手段が視認されることとなる。よって、画像表示と演出手段とが重なり合った表示演出を実行することができ、当該表示演出を通じて遊技への注目度を高めることができる。
一方、表示手段が第2回動位置にある場合においては表示手段と演出手段とが遊技機正面視で重ならない又は重なっている領域が小さくなる。これにより、演出手段を直接視認させることができる。よって、演出態様の多様化を図ったり、演出手段の視認性・予測性の高低という抑揚を図ったりすることができる。したがって、演出手段と表示手段との有機的結合性を高めることができ、遊技への注目度を高めることができる。
特徴C8.前記回動手段は、前記表示手段を前方に向けて回動させることにより、前記表示手段を前記第1回動位置から前記第2回動位置に移動させるものであり、
前記表示手段には、信号又は電力を伝送する配線(フレキシブルケーブル251,252)が設けられており、
当該配線は、前記表示手段において回動先端部よりも回動基端部寄りであって当該表示手段の前面側の部位から引き出されていることを特徴とする特徴C7に記載の遊技機。
特徴C8によれば、配線が表示手段の回動基端部寄りの部位から引き出されているため、表示手段が回動した場合における配線の移動量が少なくなっている。これにより、表示手段の円滑な回動を実現することができる。
さらに、配線は表示手段の前面側から引き出されている。これにより、表示手段が前方に向けて回動する場合に、配線が表示手段の背面側に配置されている演出手段に対して引っ掛かりにくい。よって、表示手段の前方への回動が配線により阻害されにくい。したがって、表示手段の背面側に演出手段を近づけて配置した場合であっても表示手段の前方への回動をスムーズに行うことができる。
特徴C9.周方向に周回するとともに、当該周方向に複数種の絵柄が付された複数の周回体(各リール17L,17M,17R)と、
前記各周回体について各絵柄のうち一部の絵柄を視認可能とする表示部(各表示窓14L,14M,14R)と、
前記各周回体の周回を開始させるべく操作される始動操作手段(スタートレバー21)と、
前記始動操作手段の操作に基づいて役の抽選を行う抽選手段(主制御装置50においてステップS207の処理を実行する機能)と、
前記周回体毎に設けられ、当該各周回体を周回させる周回体駆動手段(ステッピングモータ414)と、
前記始動操作手段の操作に基づいて前記各周回体の周回を開始させるよう前記各周回体駆動手段を駆動制御する開始駆動制御手段(主制御装置50においてステップS208の処理を実行する機能)と、
前記各周回体の周回を個別に停止させるべく操作される複数の停止操作手段(主制御装置50においてステップS208の処理を実行する機能)と、
前記役の抽選結果及び前記各停止操作手段の操作に基づいて、該各停止操作手段の操作タイミングから予め定めた規定期間に、操作された停止操作手段と対応する周回体の周回を停止させるよう前記各周回体駆動手段を駆動制御する停止駆動制御手段(主制御装置50においてステップS207の処理を実行する機能)と、
前記役の抽選結果が当選であって、前記表示部から視認できる有効位置に当選役と対応する組合せ態様が停止した場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置50においてステップS209及びステップS210の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記表示手段は、前記各周回体の上方に配置されており、
前記配線は、前記表示手段における下端部側から引き出されていることを特徴とする特徴C8に記載の遊技機。
特徴C9によれば、当選役と対応する組み合わせ態様を停止させるべく、各停止操作手段を操作することにより各周回体を停止させる。これにより、遊技への積極的参加を促すことができる。
この場合、一般的に遊技者が周回体の停止結果を視認し易いように、遊技者の正面に周回体及び表示部を配置することが考えられる。すると、遊技者が周回体の上方に配置されている表示手段を見ようとすると、自ずと若干見上げることが想定される。
かかる構成において、配線は表示手段における下端部側から引き出されているため、遊技者から見て、配線が視認されにくい。これにより、配線を表示手段の前面側に設けることによって生じ得る不都合、すなわち配線が遊技者に視認されてしまうことを回避することができる。
特徴C10.前記演出手段は、画像が表示される演出表示画面(メイン表示画面G1)を備え、
前記第2表示画面は、前記表示手段が前記第2回動位置に配置されている場合において前記演出表示画面に対して傾斜していることを特徴とする特徴C7乃至C9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C10によれば、表示手段が第2回動位置に配置されている場合において第2表示画面及び演出表示画面に跨って1の画像を表示させることにより、立体感のある画像を表示させることができ、当該画像の表示を通じて遊技への注目度の更なる向上を図ることができる。
特徴C11.前記演出表示画面は遊技機の正面を向いて配置されており、
前記第2表示画面は、前記表示手段が前記第2回動位置に配置されている場合において前記演出表示画面に対して斜め前方に傾斜して配置されていることを特徴とする特徴C10に記載の遊技機。
特徴C11によれば、表示手段が第2回動位置に配置されている場合において第2表示画面及び演出表示画面に跨って1の画像を表示させることにより、遠近感のある画像を表示させることができ、当該画像の表示を通じて遊技への注目度を高めることができる。
特徴C12.前記変更手段は、前記表示手段を回動させる回動手段(回動用モータ321,366、各ギア322,323,367,368、係合部331、及び一対の受け部332,333)を備え、当該回動手段が前記表示手段を回動させることにより前記各表示画面の向きを変更するものであり、
前記表示手段をスライド移動させるスライド移動手段(スライド用モータ281,357、ピニオン282,358及びラック283,359)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C12によれば、表示手段を回動させることによって、異なる表示画面を遊技者に視認させることができる。
また、表示手段の移動態様としてスライド移動と回動とが設定されている。これにより、表示手段が移動する場合にどちらの態様で移動するのかを注目しながら遊技を行うことができる。よって、表示画面の向きを変更するための回動手段とスライド移動手段とを組み合わせることにより、表示手段を移動させる演出を好適に行うことができ、当該演出を通じて遊技への注目度の更なる向上を図ることができる。
特徴C13.前記表示手段は、前記第1表示画面と前記第2表示画面とが表裏一対に形成された透過型の液晶パネル(液晶パネル210)と、当該液晶パネルを挟むように設けられ、前記液晶パネルに対して光を照射可能な一対の光源手段(一対のバックライト211,212)と、を有する透過型の液晶表示手段であり、
前記一対の光源手段は、前記液晶パネルに対して光を照射する照射状態(発光状態)と、入射された光を透過させる透過状態と、に切換可能に形成されており、
前記一対の光源手段の状態を個別に切り換える光源制御手段(表示制御装置193)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C13によれば、第1表示画面と第2表示画面とが表裏一対に形成されている。かかる構成において、一方の表示画面側に配置されている光源手段を透過状態とし、他方の表示画面側に配置されている光源手段を照射状態とすることにより、一方の表示画面に画像を表示させることができる。そして、光源手段の状態を逆にすることで、他方の表示画面を表示させることができる。これにより、光源手段の状態の切り換えに応じて画像表示にかかる対象が切り換えることができる。よって、1の液晶パネルを用いて2の表示画面に画像を表示させることが可能となっている。
さらに、一対の光源手段双方を透過状態とすることにより、液晶表示手段を介して背面側の様子を視認可能となる。これにより、各表示画面に画像を表示させるだけでなく、背面側の様子を透けて見せることができ、斬新な表示演出を行うことができる。
なお、特徴C2との関係によれば、「前記光源制御手段は、前記表示手段の状態に応じて前記一対の光源手段を制御するものである」とよい。これにより、表示手段が回動することによって遊技者に視認される表示画面が切り換わる場合には、それに対応させて一対の光源手段の状態を切り換えることにより、遊技者に視認される表示画面に画像を表示させることができる。
なお、上記各特徴C1〜C13のいずれか1の構成に対して、上記特徴A1〜A20、上記特徴B1〜B17のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。