以下、本発明の好ましい実施の形態を、いわゆるメダルゲーム装置においてスロットゲームおよびシューティングゲームを進行する場合を例として、添付図面を参照して具体的に説明する。
本実施形態に係るメダルゲーム装置は、プレイヤによって投入された遊戯媒体としてのメダルを消費してゲームを進行し、ゲームの進行内容に応じてプレイヤにメダルを付与するものである。また、このメダルゲーム装置では複数のプレイヤがゲームを行うことができる。本実施形態に係るスロットゲームは、ベットする数に応じて有効となるベットラインが決定され、当該ベットライン上に並ぶ複数の停止絵柄の組み合わせが所定の当たり役に一致した場合に対応する数のメダルが付与されるゲームであり、メダルをベットすることでメダルが消費される。また、本実施形態に係るシューティングゲームは、仮想ゲーム空間上でキャラクタを操作して(以下では、プレイヤが操作するキャラクタを、「プレイヤキャラクタ」とする。)、敵であるキャラクタ(以下では、「敵キャラクタ」とする。)に火の玉を命中させて倒すゲームである。当該ゲームでは、プレイヤキャラクタが火の玉を発射する毎にメダルが消費され、発射された火の玉が敵キャラクタに命中すると当該敵キャラクタに設定されているメダル数のメダルが付与される。
本実施形態における通常ゲームは、スロットゲームとスロットゲームで所定条件を満たした場合に進行される複数のミニゲームとからなる。プレイヤのいずれかがスロットゲームで所定の絵柄を揃えた場合、通常ゲームが中断されてルーレットゲームが開始される。このルーレットゲームが開始されるのは所定の絵柄を揃えたプレイヤに対してのみであり、その他のプレイヤに対しては、通常ゲームが中断されてシューティングゲームが開始される。なお、この場合、スロットゲームおよびミニゲームで構成される通常ゲームが本発明の「第1のゲーム」に該当し、「シューティングゲーム」が本発明の「第2のゲーム」に該当する。また、プレイヤがスロットゲームで所定の絵柄を揃えたことが本発明の「第1の所定条件」に該当する。このとき、通常ゲームに参加していなかったプレイヤは、シューティングゲームに参加することができない。この場合、通常ゲームに参加していることが本発明の「第2の所定条件」に該当する。
また、本実施形態では、通常ゲームに参加していたことによりシューティングゲームに参加できた場合でも、通常ゲームにおいて所定枚数(例えば50枚)未満しかメダルを消費していなかったプレイヤについては、シューティングゲームに出現する敵キャラクタに設定されるメダル数の抽選において、不利な抽選が行われる。この場合、通常ゲーム中に所定枚数以上のメダルが消費されたことが本発明の「第3の所定条件」に該当する。なお、シューティングゲームの詳細については後述する。
次に、本実施形態に係るメダルゲーム装置のハード構成について説明する。
図1〜3は、本実施形態に係るメダルゲーム装置Aのハード構成を説明するための図である。図1は、メダルゲーム装置Aの概観斜視図である。図2は、メダルゲーム装置Aの上面図であり、屋根部2および支柱2A(後述)の記載を省略したものである。図3は、メダルゲーム装置Aの内部構成を示すブロック図である。
図1および図2に示すように、メダルゲーム装置Aは、4人のプレイヤがメダルゲームを行うことができるアーケードゲーム装置である。メダルゲーム装置Aでは、スロットゲームが通常ゲームとして行われるが、所定条件を満たした場合などにシューティングゲームやルーレットゲームなどの他のゲームも行われる。メダルゲーム装置Aは、各プレイヤが投入した遊戯媒体としてのメダルを消費することによりゲームを進行し、ゲームの進行内容に応じてメダルを付与するように構成されている。例えば、通常ゲーム(スロットゲーム)の場合、各プレイヤがベットすることでメダルが消費されてスロットゲームが実行され、停止絵柄が役に該当した場合にメダルが付与される。
メダルゲーム装置Aは、筐体1、屋根部2、画像表示部3、複数の操作部4、複数のスピーカ5、電飾6(図3参照)、およびCPU10を含む各種のハードウェア(図3参照)を備える。なお、以下の説明においては、特に断らない限り1人のプレイヤがスロットゲームを行う場合の構成および動作について説明する。
図1に示すように、筐体1の上部には、画像表示部3が設けられている。筐体1の上部縁端には、複数の操作部4が設けられている。各操作部4に対応する筐体1の側面の各箇所には、メダル払出口1Aが設けられている。筐体1の内部には、各種のハードウェアを備えた制御基板が設けられている。筐体1の上方には、支柱2Aを介して屋根部2が設けられている。各操作部4に対応する屋根部2の下部の各箇所には、スピーカ5が設けられている。屋根部2の側面には、電飾6が設けられている(図1において図示略)。
画像表示部3は、たとえば比較的大きな液晶表示パネルからなり、筐体1の上方に水平に配置された画面30を有する。画面30は、複数の操作部4と対応するように4分割された領域ごとにスロットゲームのゲーム画像を表示する。すなわち、スロットゲームは、いわゆるビデオスロットとして実行される。なお、画像表示部3は、スロットゲームだけでなく、例えばシューティングゲームなどのゲーム画像も画面30に表示可能である。
図2に示すように、操作部4のそれぞれには、メダル投入口40、メダル投入センサ41(図2において図示略)、ベットボタン42、スタートボタン43、払い出しボタン44、および操作レバー45が設けられている。
メダル投入口40には、プレイヤによりメダルが投入される。投入されたメダルは、筐体1内部のメダル貯留部(図示しない)に蓄えられる。
メダル投入センサ41は、メダル投入口40からメダル貯留部までの経路上に配置されており、投入されたメダルを検知して、その旨の信号を後述するCPU10に出力する。なお、メダル投入口40に投入されたメダル数(以下、「メダル投入数」とする。)は、クレジット数(ゲームプレイの権利数)としてCPU10に処理される。クレジット数には、ゲーム結果に応じて付与されたメダルの数(以下、「メダル付与数」とする。)が加算される。
ベットボタン42は、スロットゲームに際してプレイヤが所望のメダルベット数を指示する際に用いられる。たとえば、ベットボタン42を1回、2回、あるいは3回押下して操作すると、それぞれのボタン操作回数に応じてメダルベット数が1、2、3となる。ベットボタン42は、プレイヤによる押下操作に基づいて操作信号を後述のCPU10に出力する。CPU10は入力される当該操作信号をカウントすることで、メダルベット数をカウントする。また、ベットボタン42は、シューティングゲームに際して、火の玉を発射するための発射ボタンとして用いられる。
スタートボタン43は、プレイヤがスロットゲームの始動(複数のリールが回転するようなゲーム画像の表示開始)を指示するために用いられる。また、シューティングゲームに際しては、スタートボタン43も火の玉を発射するための発射ボタンとして用いられる。
払い出しボタン44は、プレイヤがメダルの払い出しを指示するために用いられる。プレイヤが払い出しボタン44を押下すると、上記クレジット数に相当する数のメダルが図示しないメダル搬送機構を介してメダル貯留部からメダル払出口1Aまで送られ、メダル払出口1Aから払い出される。以下では、払い出しボタン44の押下によって払い出されるメダル数を「メダル払出数」とする。
操作レバー45は、スロットゲームでは使用されないが、シューティングゲームに際して、プレイヤキャラクタを移動させるための操作レバーとして用いられる。
なお、4つの操作部4をそれぞれ個別に指す場合、操作部4a、操作部4b、操作部4c、操作部4dと記載し、各操作部4a,4b,4c,4dに対応する画面30の各領域を、それぞれ、画面30a、画面30b、画面30c、画面30dと記載する(図2参照)。また、操作部4aと画面30aとを擬似的に1つのゲーム装置と考える場合、これをサテライトaと記載する。同様に、操作部4bと画面30bとからなる擬似的なゲーム装置をサテライトbと記載し、操作部4cと画面30cとからなる擬似的なゲーム装置をサテライトcと記載し、操作部4dと画面30dとからなる擬似的なゲーム装置をサテライトdと記載する。
図3に示すように、メダルゲーム装置Aは、制御基板に設けられるハードウェアとして、CPU10、ROM11、RAM12、GPU13、VRAM14、ビデオインターフェース15、入力インターフェース16、および出力インターフェース17を備える。CPU10、ROM11、RAM12、GPU13、入力インターフェース16、および出力インターフェース17は、バス18を介して互いに接続されている。GPU13には、VRAM14およびビデオインターフェース15を介して、画像表示部3が接続されている。入力インターフェース16には、メダル投入センサ41、ベットボタン42、スタートボタン43、払い出しボタン44、および操作レバー45が接続されている。出力インターフェース17には、スピーカ5および電飾6が接続されている。
CPU10は、ROM11に記憶されたシステムプログラムおよびゲームプログラムを実行し、各種の入出力制御および演算処理を行う。たとえば、CPU10は、デジタルカウンタとして機能し、クレジット数、メダル投入数、メダル付与数、メダルベット数、およびメダル払出数について計数処理を行う。CPU10は、メダル投入数およびメダル付与数を加算値とする一方、メダルベット数を減算値としてクレジット数を算出する。CPU10は、スロットゲームやシューティングゲームのゲームプログラムを実行し、ゲーム画像を画像表示部3に表示させる旨の命令をGPU13に送る。CPU10は、スロットゲームの進行に伴い乱数ジェネレータとして機能し、所定の抽選処理を実行する。また、CPU10は、シューティングゲームに際して、敵キャラクタに設定するメダル数を決定するときの抽選処理を実行する。CPU10は、スロットゲームやシューティングゲームの進行状況に応じてスピーカ5や電飾6を動作させる。なお、シューティングゲームのゲーム画像や抽選処理については後述する。
ROM11は、読み出し専用の半導体メモリである。このROM11には、ハードウェアの基本的な動作を制御するためのシステムプログラムと、ゲームに関する各種の処理をCPU10に実行させるための命令や手順を記したゲームプログラムなどが記憶されている。また、ROM11には、スロットゲームやシューティングゲームのゲーム画像や、CPU10が所定の抽選処理を行う際に用いる抽選テーブルなどが記憶されている。
システムプログラムには、CPU10をデジタルカウンタとして機能させるためのプログラムが含まれる。ゲームプログラムには、スロットゲームやシューティングゲームの進行手順を記したプログラムが含まれるとともに、CPU10を乱数ジェネレータとして機能させるためのプログラムが含まれる。ゲーム画像には、スロットゲームやシューティングゲームを構成する複数の絵柄、キャラクタ画像、告知用の演出画像、背景画像などが含まれる。抽選テーブルは、複数の抽選処理に応じて複数用意されている。なお、ゲームプログラムならびにゲーム画像および抽選テーブルは、ハードディスク、光ディスクあるいはフラッシュメモリといった記録媒体に記録しておき、この記録媒体から読み取り装置を介してCPU10が適宜読み出すようにしてもよい。
RAM12は、読み書き可能な半導体メモリであり、CPU10によるプログラムのロードや画像データなどの一時的な記憶に用いられる。たとえばRAM12には、ROM11から読み出された画像データや抽選テーブルが記憶される。
GPU13は、ゲーム画像の表示処理に必要な高速演算処理を行う。たとえばGPU13は、20fpsのフレームレートでゲーム画像を生成し、1フレームずつ生成した画像データをVRAM14に転送する。
VRAM14は、映像表示専用の半導体メモリである。たとえばVRAM14は、GPU13によって生成されたゲーム画像を一時的に保持するフレームバッファとして機能する。このVRAM14からは、ビデオインターフェース15を介して画像表示部3に1フレームずつゲーム画像が送信される。
なお、本実施形態では1つの制御基板で4つのサテライトを制御する場合について説明しているが、サテライト毎に制御基板を設けるようにしてもよい。この場合、各制御基板は互いに通信接続されて同期がとられている。また、サテライト毎の制御基板と、すべてのサテライトを統括するための制御基板とを設ける様にしてもよい。
次に、メダルゲーム装置Aの動作について説明する。
図4は、メダルゲーム装置Aの例えばCPU10で実行される、ゲームの全体的な流れを制御するメイン処理を説明するためのフローチャートである。当該メイン処理は、メダルゲーム装置Aの電源が投入されたときに開始され、サテライト毎に実行される。以下では、サテライトa(操作部4aおよび画面30aからなるサテライト)に対して実行されるメイン処理について説明する。
メダルゲーム装置Aの電源が投入されると、デモ画像が表示され、メダル投入待ち状態となる(S1)。なお、他のサテライトに対してもメイン処理が開始されるので、画面30の各領域(画面30a,30b,30c,30d)にそれぞれデモ画像が表示される。次に、所定条件を満たすサテライトがあるか否かが判別される(S2)。本実施形態では、スロットゲームで所定の絵柄を揃えたことを所定条件としている。ステップS1においては通常ゲームが進行されていないので、サテライトaのプレイヤが所定条件を満たすことはないが、他のサテライトのプレイヤが所定条件を満たす場合はある。この場合、サテライトaではデモ画面の表示が中断されることになる。なお、所定条件はこれに限られず、ゲームの全体設計の中で適宜決定すればよい。例えば、スロットゲームで所定回数のハズレが出たときに開始されるミニゲームで所定のアイテムをすべて集めることや、通常ゲームの継続時間が所定の時間を経過したことを所定条件としてもよい。
ステップS2において所定条件を満たすサテライトがないと判別された場合(S2:NO)、クレジット数が1以上か否かが判別される(S3)。クレジット数はCPU10によって算出されている。クレジット数が1未満(すなわち、クレジット数がゼロ)と判別された場合(S3:NO)、ステップS1に戻ってデモ画像の表示が継続される。すなわち、メダルが投入されてクレジット数が1以上になるか(S3:YES)、いずれかのサテライトで所定条件が満たされる(S2:YES)まで、ステップS1〜S3が繰り返され、画面30aではデモ画像の表示が継続される。
ステップS3で、クレジット数が1以上と判別された場合(S3:YES)、通常ゲームの制御処理(以下では、「通常ゲーム処理」とする。)の開始が指示される(S4)。通常ゲームはスロットゲームおよびミニゲームからなり、通常ゲーム処理は別の処理ルーチンで並行して実行される。
図5は、通常ゲーム進行中の1場面の画面表示を示す図である。同図においては、すべてのサテライトa,b,c,dで通常ゲームが実行されている状態を示している。画面30a,30b,30c,30dには、それぞれ各操作部4a,4b,4c,4dを操作するプレイヤに対するスロットゲームの画像が表示されている。なお、操作部4c,4dは同図において画面30の上側に位置しているので、操作部4c,4dを操作するプレイヤに対する画像である画面30c,30dに表示される画像は、同図において上下さかさまの画像となっている。また、画面30の中央には、すべてのプレイヤが共通して使用するための画像が表示されている。
通常ゲーム処理には、通常ゲームとしてのスロットゲームの進行処理の他に、スロットゲームで揃った絵柄に応じて開始されるミニゲームなどの処理も含まれる。通常ゲーム処理は、図4のメイン処理を示すフローチャートのステップS4で通常ゲーム処理の開始が指示されたときに開始され、サテライト毎に実行される処理である。通常ゲーム処理では、スロットゲームおよびミニゲームなどの進行処理が行われる。また、通常ゲーム処理では、通常ゲーム進行中に消費されたメダルの累計数(以下、「通常ゲーム消費メダル累計数」とする。)Nがカウントされる。なお、通常ゲーム処理の詳細についての説明は省略する。
次に、サテライトの未使用状態(クレジット数がゼロの状態)が所定時間継続したか否かが判別される(S5)。CPU10は、クレジット数がゼロになってからの時間を計時している。この計時時間がサテライトの未使用状態の継続時間であり、当該計時時間が所定時間(例えば60秒)を超えたか否かが判別される。未使用状態が所定時間継続していないと判別された場合(S5:NO)、所定条件を満たすサテライトがあるか否かが判別される(S6)。当該所定条件は、ステップS2におけるものと同じである。所定条件を満たすサテライトがないと判別された場合(S6:NO)ステップS5に戻り、所定条件を満たすサテライトがあると判別された場合(S6:YES)ステップS7に進む。すなわち、いずれかのサテライトで所定条件が満たされるか(S6:YES)、サテライトの未使用状態が所定時間継続する(S5:YES)まで、ステップS5およびS6の判別が繰り返される。この間、通常ゲーム処理によって、通常ゲームおよびミニゲームなどが進行される。
ステップS7では、通常ゲームから特別ゲームへの切り替えが指示される(S7)。特別ゲームはルーレットゲームまたはシューティングゲームであり、ルーレットゲームの制御処理(以下では、「ルーレットゲーム処理」とする。)およびシューティングゲームの制御処理(以下では、「シューティングゲーム処理」とする。)は、それぞれ別の処理ルーチンで並行して実行される。なお、ルーレットゲーム処理およびシューティングゲーム処理を総称する場合は、特別ゲーム処理とする。すなわち、ステップS7で、通常ゲーム処理の停止が指示され、特別ゲーム処理の開始が指示される。
ステップS6において所定条件を満たしたサテライトでは、ルーレットゲーム処理が実行されてルーレットゲームが進行され、その他のサテライトでは、シューティングゲーム処理が実行されてシューティングゲームが進行される。ルーレットゲームはステップS6の所定条件を満たしたプレイヤに対する報奨としてのゲームであり、極めて大量のメダル付与があるスーパージャックポット(以下では、「SJP」とする)の当選が含まれている。なお、ルーレットゲーム処理の詳細についての説明は省略する。また、シューティングゲームは、ルーレットゲームが進行されるサテライト以外のサテライトでプレイするプレイヤのためのゲームである。なお、シューティングゲーム処理の詳細については後述する。
図6は、特別ゲーム進行中の1場面の画面表示を示す図である。同図に示す画面30aおよび画面30の中央には、操作部4aを操作するプレイヤに対する特別ゲームであるルーレットゲームの画像が表示されている。また、同図に示す画面30b,30dには、それぞれ各操作部4b,4dを操作するプレイヤに対するシューティングゲームの画像が表示されている。つまり、同図は、サテライトaのプレイヤが所定条件を満たした場合のものである。
次に、特別ゲーム処理が終了したか否かが判別される(S8)。特別ゲーム処理が終了していないと判別された場合(S8:NO)ステップS8に戻り、ステップS8の判別が繰り返される。この間、特別ゲーム処理によって、特別ゲームが進行される。一方、特別ゲーム処理が終了したと判別された場合に(S8:YES)ステップS4に進む。すなわち、特別ゲーム処理が終了したときに通常ゲーム処理が開始される(S4)。ルーレットゲーム処理はルーレットゲームが終了することで終了され、シューティングゲーム処理もルーレットゲームが終了することで終了される。すなわち、ルーレットゲームが終了することで、すべてのサテライトでの特別ゲーム処理が一斉に終了し、通常ゲームが開始される。以下、ステップS4〜S8が繰り返され、通常ゲーム処理と特別ゲーム処理とが繰り返される。メイン処理は、メダルゲーム装置Aの電源が切断されたときに終了される。
通常ゲーム処理が実行されているとき、ステップS5において、未使用状態が所定時間継続したと判別された場合(S5:YES)、通常ゲーム処理が終了されて(S9)、ステップS1に戻る。すなわち、クレジット数がゼロの状態が所定時間継続した場合、当該サテライトは使用されていないものとみなされて、デモ画像が表示されるメダル投入待ち状態になる。この場合、通常ゲーム消費メダル累計数Nはゼロに初期化される。
デモ画像が表示されているとき(すなわち、通常ゲームも特別ゲームも進行されていないとき)、ステップS2において、自分がプレイするサテライト以外の他のサテライトにおいて所定条件が満たされたと判別された場合(S2:YES)、特別ゲーム待機画像が表示される(S10)。特別ゲーム待機画像は、特別ゲームの進行画像のうちプレイヤキャラクタおよび敵キャラクタが表示されない画像であり、画面の中央に「しばらく、お待ちください。」と表示されている(図6の画面30c参照)。特別ゲーム待機画像が表示されているサテライトでは、メダルの投入も消費も受け付けないようにされている。したがって、当該サテライトにおいて特別ゲームに参加することはできない。
次に、特別ゲームが終了したか否かが判別される(S11)。特別ゲームが終了したか否かは、いずれかのサテライトで進行されているルーレットゲームが終了したか否かで判別される。特別ゲームが終了していないと判別された場合(S11:NO)ステップS10に戻る。一方、特別ゲームが終了したと判別された場合(S11:YES)ステップS1に進む。すなわち、いずれかのサテライトで特別ゲームが進行されている間ステップS10およびS11が繰り返されて、特別ゲーム待機画像の表示が継続される。特別ゲームが終了したときには、デモ画像の表示に戻ってメダル投入待ち状態となる(S1)。
次に、シューティングゲーム処理の詳細について、図7〜12を参照して説明する。
図7は、シューティングゲーム処理によって進行されるシューティングゲームの1場面の画面表示を示す図であり、図6における画面30bを拡大したものである(なお、画面30の中央に表示されていたルーレットの画像を省略している。)。
当該シューティングゲームは、仮想ゲーム空間上に登場するプレイヤキャラクタを操作して、仮想ゲーム空間上に発生する敵キャラクタに火の玉を命中させて倒すゲームである。同図において、画面中央にリフトに乗ったプレイヤキャラクタPCが表示されている。リフトの上下動およびプレイヤキャラクタPCの向きは、操作部4の操作レバー45で操作される。すなわち、プレイヤは、操作レバー45を下方向(プレイヤから見て手前方向)に傾けることでリフトを下方に移動させることができ、上方向(プレイヤから離れる方向)に傾けることでリフトを上方に移動させることができる。また、プレイヤは、操作レバー45を左に傾けることでプレイヤキャラクタPCの向きを左に向けることができ、右に傾けることでプレイヤキャラクタPCの向きを右に向けることができる。また、プレイヤは、ベットボタン42またはスタートボタン43を押下することで火の玉を発射することができる。
同図において、敵キャラクタECaと2体の敵キャラクタECbとが表示されている。プレイヤは、操作レバー45を操作してプレイヤキャラクタPCの位置および向きを変え、ベットボタン42またはスタートボタン43を押下することで火の玉を発射して、当該火の玉を命中させることで敵キャラクタECa,ECbを倒すことができる。火の玉を発射する毎(すなわち、ベットボタン42またはスタートボタン43を押下する毎)に、1枚のメダルが消費される。また、火の玉を敵キャラクタECa,ECbに命中させると、当該敵キャラクタECa,ECbに設定されているメダル数のメダルが付与される。各敵キャラクタECa,ECbに設定されるメダル数は、敵キャラクタECa,ECbの発生時に抽選によって決定される。なお、同図における4つの破線の楕円は、敵キャラクタが出現する場所を示すものであり、実際の画面表示では表示されないものである。
図8は、メダルゲーム装置Aの例えばCPU10で実行される、シューティングゲーム処理を説明するためのフローチャートである。当該シューティングゲーム処理は、図4のメイン処理を示すフローチャートのステップS7で通常ゲーム処理を停止した後に開始され、所定条件を満たしたサテライト以外のサテライト毎に実行される。以下では、サテライトb(操作部4bおよび画面30bからなるサテライト)に対して実行されるシューティングゲーム処理について説明する。
まず、敵キャラクタ発生処理の開始が指示される(S21)。敵キャラクタ発生処理は、別の処理ルーチンで並行して実行される処理であり、仮想ゲーム空間上に敵キャラクタを発生させる処理を行うものである。敵キャラクタ発生処理の詳細は後述する。
次に、プレイヤキャラクタPCの移動操作が行われたか否かが判別される(S22)。当該判別は、操作レバー45の操作による操作信号が入力されたか否かにより行われる。移動操作が行われたと判別された場合(S22:YES)、プレイヤキャラクタ移動処理が行われて(S23)、ステップS24に進む。プレイヤキャラクタ移動処理は、入力された操作信号に基づいて、プレイヤキャラクタPCの向きを変化させたり、プレイヤキャラクタPCおよびリフトを上下動させる処理である。移動操作が行われていないと判別された場合(S22:NO)、S24に進む。
ステップS24では、火の玉の発射操作が行われたか否かが判別される(S24)。当該判別は、ベットボタン42またはスタートボタン43の押下操作による操作信号が入力されたか否かにより行われる。発射操作が行われたと判別された場合(S24:YES)、発射処理が行われて(S25)、ステップS26に進む。発射処理は、プレイヤキャラクタPCが火の玉を発射する演出を行う処理である。当該発射処理では、例えば、プレイヤキャラクタPCの手から火の玉が発生する演出が行われ、後述する火の玉移動処理によって当該火の玉が飛んでいく演出が行われる。なお、火の玉発射の演出はこれに限られない。また、発射処理において、消費されたメダルの数(メダル消費数)1がクレジット数から減算され、消費メダル累計数が1増加される。消費メダル累計数は、シューティングゲームが進行されているすべてのサテライトにおける、シューティングゲーム進行中に消費されたメダルの累計数である。発射操作が行われていないと判別された場合(S24:NO)、ステップS26に進む。
なお、本実施形態では、火の玉1発を発射する毎に1枚のメダルが消費されるようにしているが、これに限られない。例えば、火の玉1発を発射する毎に2枚のメダルが消費されるようにしてもよいし、1枚のメダルを消費して2発の火の玉を発射するようにしてもよい。
ステップS26では、敵キャラクタ移動処理が行われる(S26)。敵キャラクタ移動処理は、敵キャラクタ発生処理によって発生した敵キャラクタを、それぞれ所定のアルゴリズムに応じて移動させる処理である。次に、火の玉移動処理が行われる(S27)。火の玉移動処理は、発射処理によって発生した火の玉をその進行方向に移動させる処理である。
次に、火の玉が敵キャラクタに命中したか否かが判別される(S28)。当該判別は、例えば火の玉の座標範囲と敵キャラクタの座標範囲とを比較して、重なる部分があるか否かで判別される。なお、命中したか否かの判別は、他の手法を用いて判別してもよい。命中したと判別された場合(S28:YES)、命中処理が行われて(S29)、ステップS22に戻る。命中処理は、火の玉が敵キャラクタに命中する演出を行う処理である。当該命中処理では、例えば、火の玉が命中した敵キャラクタが設定されているメダル数のメダルに変化し、当該メダルをプレイヤキャラクタPCが手に入れる演出が行われる。なお、命中時の演出はこれに限られない。また、命中処理において、火の玉が命中した敵キャラクタに設定されているメダル数が付与されて、クレジット数および付与メダル累計数に加算される。付与メダル累計数は、シューティングゲームが進行されているすべてのサテライトにおける、シューティングゲーム進行中に付与されたメダルの累計数である。命中しなかったと判別された場合(S28:NO)、ステップS22に戻る。
以下、ステップS22〜S29が繰り返される。シューティングゲーム処理は、ルーレットゲーム処理が終了したときに終了される。このとき、消費メダル累計数および付与メダル累計数はリセットされて、いずれもゼロに戻される。すなわち、消費メダル累計数および付与メダル累計数は、シューティングゲーム毎に独立してカウントされる。したがって、ペイアウト数POは、シューティングゲーム毎に独立したもの(前回のシューティングゲーム時のペイアウト数POは反映されない)となる。なお、消費メダル累計数および付与メダル累計数をリセットせずに蓄積するようにしてもよい。この場合、算出されるペイアウト数POは、以前のシューティングゲームでのメダルの消費および付与を反映させたものとなる。しかし、本発明の作用効果をより効果的に発揮するためには、現在進行中のシューティングゲームでのメダルの消費および付与のみを反映させるように、シューティングゲームを終了する毎に(または、シューティングゲームを開始する毎に)消費メダル累計数および付与メダル累計数をリセットするのが望ましい。
図9は、メダルゲーム装置Aの例えばCPU10で実行される、敵キャラクタ発生処理を説明するためのフローチャートである。当該敵キャラクタ発生処理は、図8のシューティングゲーム処理を示すフローチャートのステップS21で開始が指示され、シューティングゲーム処理が実行されているサテライト毎に実行される。以下では、サテライトb(操作部4bおよび画面30bからなるサテライト)に対して実行される敵キャラクタ発生処理について説明する。
まず、敵発生パターンが抽選によって決定される(S31)。敵発生パターンは、発生させる敵キャラクタの種類と発生させるタイミングを設定したものであり、複数のパターンが設定されている。いずれの敵発生パターンが選択されるかは抽選によって決定される。
図10は、敵発生パターンの一例を説明するためのタイムテーブルである。
同図においては、30秒間の3種類の敵キャラクタの発生パターンを示しており、横軸に0〜30秒までの時刻が示され、各敵キャラクタの欄の黒丸が発生するタイミングの時刻の場所に示されている。例えば、パターン1では、1,11,21秒のタイミングで敵キャラクタECaを発生させ、4,6,8,14,16,18,24,26秒のタイミングで敵キャラクタECbを発生させ、28秒のタイミングで敵キャラクタECcを発生させることを示している。また、パターン2では、1,11,21秒のタイミングで敵キャラクタECaを発生させ、4,6,14,16,24,26秒のタイミングで敵キャラクタECdを発生させ、8,18,28秒のタイミングで敵キャラクタECeを発生させることを示している。なお、同図においては敵キャラクタの発生タイミングが直感的に理解できるようにタイムテーブルで示しているが、実際には、敵キャラクタ毎の発生タイミングの時刻を記録したテーブルが記録されている。なお、同図に示す敵発生パターンは単なる一例であって、敵発生パターンは30秒間の発生タイミングを示すものに限定されない。また、敵発生パターンは3種類の敵キャラクタの発生パターンを示すものに限定されるものではなく、パターン毎に敵キャラクタの種類数が異なっていてもよい。
次に、敵発生パターン決定からの経過時間と決定された敵発生パターンにおける敵キャラクタの発生タイミングとが比較され、敵キャラクタの発生タイミングになったか否かが判別される(S32)。発生タイミングでない場合(S32:NO)ステップS32に戻り、発生タイミングになった場合(S32:YES)ステップS33に進む。すなわち、発生タイミングが来るまで、ステップS32の判別が繰り返される。例えば、S31で敵発生パターンが図10のパターン1に決定した場合、決定から1秒までの間ステップS32が繰り返され、1秒になったタイミングでステップS33に進む。
ステップS33では、敵キャラクタの出現位置が抽選によって決定される(S33)。敵キャラクタの出現位置は、図7の4つの破線の楕円に示す位置のいずれかに決定される。なお、敵キャラクタの出現位置の候補は、これに限られない。
次に、発生させる敵キャラクタに設定するメダル数が抽選によって決定される(S34)。当該メダル数を決定する処理(以下では、「設定メダル数抽選処理」とする。)については後述する。
次に、敵キャラクタの出現処理が行われる(S35)。当該処理は、ステップS32で発生タイミングとなった敵キャラクタを、ステップS33で決定された出現位置に出現させる処理である。出現後の敵キャラクタには、敵キャラクタ移動処理に基づく移動処理が行われる。なお、敵キャラクタの出現場所は図7に示す破線の楕円の位置にある柱の裏側なので、出現したときには画面に表示されず、敵キャラクタ移動処理によって柱の裏側から出てきたときに画面に表示される(図7左上の敵キャラクタECb参照)。
次に、敵発生パターンの再生処理が終了したか否かが判別される(S36)。具体的には、ステップS31で敵発生パターンが決定されてから30秒経過したか否かが判別される。なお、これは敵発生パターンが30秒間の発生タイミングを設定しているからであって、敵発生パターンの設定時間がこれと異なる場合、判別のための経過時間は当然異なってくる。敵発生パターンの再生処理が終了していない場合(S36:NO)、ステップS32に戻って、次の敵キャラクタの発生タイミングを待つ。一方、敵発生パターンの再生処理が終了した場合(S36:YES)、ステップS31に戻って、次の敵発生パターンが決定される。敵キャラクタ発生処理は、シューティングゲーム処理が終了するまで継続される。
図11は、メダルゲーム装置Aの例えばCPU10で実行される、設定メダル数抽選処理を説明するためのフローチャートである。設定メダル数抽選処理は、図9に示す敵キャラクタ発生処理においてフローチャートのステップS34において実行される処理であり、敵キャラクタを発生させる毎に実行される。
まず、通常ゲーム消費メダル累計数(通常ゲーム進行中に消費されたメダルの累計数)Nが50以上か否かが判別される(S41)。通常ゲーム消費メダル累計数Nが50以上の場合(S41:YES)、付与メダル累計数から消費メダル累計数を減算したペイアウト数POが算出される(S42)。ペイアウト数POは、いわゆるペイアウト率と同様に、消費メダル累計数に対する付与メダル累計数の多寡を示すための指標である。図8に示すシューティングゲーム処理では、消費メダル累計数および付与メダル累計数がカウントされている。例えば、サテライトaでルーレットゲームが進行されている場合、サテライトb,c,dのうちシューティングゲームが進行されているサテライトにおけるシューティングゲーム進行中のメダル消費数の累計値およびメダル付与数の累計値が、それぞれ、消費メダル累計数および付与メダル累計数としてカウントされている。ペイアウト数POは、付与メダル累計数から消費メダル累計数を減算することで算出される。なお、ペイアウト数POを常に算出しておき、ステップS31では算出されているペイアウト数POを参照するようにしてもよい。
次に、ペイアウト数POが100より大きいか否かが判別される(S43)。ペイアウト数POが100より大きい場合(S43:YES)、すなわち、100<POの場合、発生させる敵キャラクタの確率テーブルの内の低テーブル(図12参照)を用いた抽選が行われて設定されるメダル数が決定され(S44)、設定メダル数抽選処理が終了される。
図12は、確率テーブルの一例を説明するための図である。
確率テーブルは、敵キャラクタ毎に設定されている。また、各確率テーブルには低テーブル、中テーブル、高テーブルが設定されており、各テーブルには抽選におけるメダル数毎の当選確率が設定されている。例えば、同図(a)に示す敵キャラクタECaの確率テーブルにおいて、低テーブルでは、はずれ(メダル獲得枚数0枚。以下同じ。)の確率が45%、メダル1枚の確率が30%、メダル2枚の確率が20%、メダル3枚の確率が5%と設定されている。同様に、中テーブルでは、はずれの確率が25%、メダル1枚の確率が30%、メダル2枚の確率が25%、メダル3枚の確率が20%と設定されており、高テーブルでは、はずれの確率が15%、メダル1枚の確率が20%、メダル2枚の確率が35%、メダル3枚の確率が30%と設定されている。
低テーブルは、中テーブルと比べると、メダル2枚およびメダル3枚の当選確率が低く、はずれの当選確率が高い。すなわち、プレイヤにとって不利な確率テーブルである。一方、高テーブルは、中テーブルと比べると、メダル2枚およびメダル3枚の当選確率が高く、はずれおよびメダル1枚の当選確率が低い。すなわち、プレイヤにとって有利な確率テーブルである。なお、同図に示すのは確率テーブルの一例であって、各テーブルに設定される確率はゲームの全体設計の中で適宜決定すればよい。また、同図(a)は設定されるメダル数が1〜3枚の場合の例であるが、敵キャラクタ毎に設定されるメダル数の範囲を変化させるようにしてもよい。例えば、同図(b)に示す敵キャラクタECbの確率テーブルは、設定されるメダル数が1〜5枚の場合の例である。
ステップS43において、ペイアウト数POが100以下の場合(S43:NO)、ペイアウト数POが0より大きいか否かが判別される(S45)。ペイアウト数POが0より大きい場合(S45:YES)、すなわち、0<PO≦100の場合、発生させる敵キャラクタの確率テーブルの内の中テーブルを用いた抽選が行われて設定されるメダル数が決定され(S46)、設定メダル数抽選処理が終了される。一方、ペイアウト数POが0以下の場合(S45:NO)、すなわち、PO≦0の場合、発生させる敵キャラクタの確率テーブルの内の高テーブルを用いた抽選が行われて設定されるメダル数が決定され(S47)、設定メダル数抽選処理が終了される。
つまり、本実施形態では、敵キャラクタに設定するメダル数の抽選が、そのときのペイアウト数POに応じた確率テーブルを用いて行われる。ペイアウト数POが目標とする範囲(0<PO≦100)より大きい場合(100<PO)、プレイヤにとって不利な低テーブルを用いて抽選が行われる。低テーブルを用いた場合、中テーブルを用いた場合と比べて、敵キャラクタに多いメダル数が設定される確率が減少し、少ないメダル数が設定される確率が増加する。したがって、命中時のメダル付与数が少なくなってペイアウト数POが小さくなるように調整される。一方、ペイアウト数POが目標とする範囲(0<PO≦100)より小さい場合(PO≦0)、プレイヤにとって有利な高テーブルを用いて抽選が行われる。高テーブルを用いた場合、中テーブルを用いた場合と比べて、敵キャラクタに多いメダル数が設定される確率が増加し、少ないメダル数が設定される確率が減少する。したがって、命中時のメダル付与数が多くなってペイアウト数POが大きくなるように調整される。なお、本実施形態ではペイアウト数POの目標範囲を0<PO≦100としているが、これに限られない。ペイアウト数POの目標範囲は、ゲームの内容により適宜設定すればよいし、メダルゲーム装置毎に異なるように設定してもよい。
ステップS41において、通常ゲーム消費メダル累計数Nが50未満の場合(S41:NO)、ペイアウト数POを算出することなく、発生させる敵キャラクタの確率テーブルの内の低テーブル(図12参照)を用いた抽選が行われて設定されるメダル数が決定され(S44)、設定メダル数抽選処理が終了される。すなわち、通常ゲーム消費メダル累計数Nが50未満の場合、通常ゲームにおいてあまりゲームに参加していないと判断できるので、プレイヤにとって不利なテーブルである低テーブルを用いて抽選が行われる。なお、本実施形態では、通常ゲームにおいてあまりゲームに参加していないと判断するための通常ゲーム消費メダル累計数Nの基準値を50としているが、これに限られない。当該基準値は、ゲームの内容により適宜設定すればよいし、メダルゲーム装置毎に異なるように設定してもよい。
本実施形態によると、通常ゲーム中に未使用状態(クレジット数がゼロの状態)が所定時間継続したサテライトは、デモ画像表示状態になる。この状態でデモ画像が表示されているサテライト以外のいずれかのサテライトにて所定条件が満たされて特別ゲームが開始された場合、デモ画像が表示されているサテライトではシューティングゲームに参加することができない。つまり、デモ画像が表示されていないこと(すなわち、当該サテライトのプレイヤが通常ゲームに参加していること)を条件として、当該条件を満たさないプレイヤはシューティングゲームに参加することができない。したがって、通常ゲームに参加していない(通常ゲームの開始当初のみ参加していたような場合を含む)プレイヤがシューティングゲームに参加することを防ぐことができる。これにより、通常ゲームに参加せずシューティングゲームにのみ参加するハイエナ行為、および、通常ゲームに少しだけ参加してシューティングゲームに参加するハイエナ行為を排除することができる。
また、本実施形態によると、いずれかのプレイヤによって所定条件が満たされたときにデモ画像表示状態になっておらず、シューティングゲームが開始されたサテライトであっても、通常ゲーム消費メダル累計数Nが50未満の場合には、低テーブルを用いた抽選が行われて敵キャラクタに設定されるメダル数が決定される。低テーブルを用いた抽選は、中テーブルや高テーブルを用いた抽選と比べて、プレイヤにとって不利な抽選になる。したがって、他のプレイヤ(通常ゲーム消費メダル累計数Nが50以上のプレイヤ)に不公平感を抱かせることを十分に防ぐことができる。
例えば、図12(a)の確率テーブルの場合、低テーブルを用いた抽選で決定されるメダル数の平均値は0.85枚(=1枚×30%+2枚×20%+3枚×5%)になる。同様に、中テーブルの場合の平均値は1.4枚(=1枚×30%+2枚×25%+3枚×20%)になり、高テーブルの場合の平均値は1.8枚(=1枚×20%+2枚×35%+3枚×30%)になる。プレイヤが敵キャラクタに火の玉を命中できる確率を70%と想定すると、プレイヤが1枚のメダルの消費で付与されるメダル数の平均値は、低テーブルが使用される場合0.595枚(=0.85枚×70%)、中テーブルが使用される場合0.98枚(=1.4枚×70%)、高テーブルが使用される場合1.26枚(=1.8枚×70%)となる。つまり、シューティングゲームの抽選において常に低テーブルが用いられると、1枚のメダル消費に対して平均約0.6枚のメダルしか付与されないことになる。
なお、上記実施形態では、デモ画像が表示されていないこと(すなわち、当該サテライトのプレイヤが通常ゲームに参加していること)を、シューティングゲームに参加する条件としているが、これに限られない。例えば、通常ゲームの中断前の所定時間内にメダルの消費が行われたことを条件としてもよいし、通常ゲーム中にメダルの投入または消費が行われたことを条件としてもよい。また、通常ゲーム消費メダル累計数Nが例えば10枚以上であることを、シューティングゲームに参加する条件としてもよい。
上記実施形態では、シューティングゲームにおいて、通常ゲーム消費メダル累計数Nが所定枚数未満であるときに低テーブルを用いる場合について説明したが、これに限られない。例えば、通常ゲーム消費メダル累計数Nが50未満であるときに低テーブルを用い、通常ゲーム消費メダル累計数Nが50以上100未満であるときに中テーブルを用いるようにしてもよい。また、抽選後にメダル数を調整するようにしてもよい。例えば、通常ゲーム消費メダル累計数Nが所定枚数未満である場合に、抽選で決定されたメダル数(以下、「当選メダル数」とする。)から1減らしたメダル数を設定するようにしてもよい。
上記実施形態では、通常ゲーム消費メダル累計数Nを所定枚数(50枚)と比較する場合について説明したが、これに限られない。プレイヤが通常ゲームに参加してからシューティングゲームが開始されるまでの時間が短かった場合、通常ゲーム消費メダル累計数Nをより少ない所定枚数と比較するようにしてもよい。例えば、通常ゲームが開始されてからシューティングゲームが開始されるまでの時間Tに対する、プレイヤが通常ゲームに参加してからシューティングゲームが開始されるまでの時間tの割合に応じて、通常ゲーム消費メダル累計数Nと比較するための所定枚数を変化させるようにしてもよい。この場合、例えば時間Tが10分で時間tが2分であれば、通常ゲーム消費メダル累計数Nと比較するための所定枚数が10枚(=50枚×2分/10分)になる。このようにすることで、ハイエナ行為を行う意志のないプレイヤが、参加してたまたますぐにシューティングゲームが開始された場合に、不利に扱われてしまうことを抑制することができる。また、通常ゲーム消費メダル累計数Nと比較するための所定枚数を、通常ゲームが開始されてからシューティングゲームが開始されるまでの時間Tに応じて変化させるようにしてもよい。このようにすると、時間Tが短かった場合に通常ゲーム消費メダル累計数Nと比較するための所定枚数が少なくなるので、ハイエナ行為を行う意志がないプレイヤが不利に扱われてしまうことを抑制することができる。また、時間Tが長かった場合に通常ゲーム消費メダル累計数Nと比較するための所定枚数が多くなるので、ハイエナ行為を行う意志があるプレイヤをより適切に不利な扱いとすることができる。
上記実施形態では、シューティングゲームにおいて、通常ゲーム消費メダル累計数Nが所定枚数以上であるときにペイアウト数POを調整するために3つのテーブルを切り替える場合について説明したが、これに限られない。ペイアウト数にかかわらず、通常ゲーム消費メダル累計数Nが所定枚数以上であるプレイヤに対しては例えば高テーブルを使用し、通常ゲーム消費メダル累計数Nが所定枚数未満であるプレイヤに対しては例えば低テーブルを使用するようにしてもよい。
上記実施形態では、シューティングゲームにおいて、敵キャラクタに設定されるメダル数を敵キャラクタの発生時の抽選で決定しているが、これに限られない。プレイヤキャラクタPCが発射した火の玉が敵キャラクタに命中したときに、付与するメダル数を抽選で決定するようにしてもよい。
上記実施形態では、あるサテライトのプレイヤがルーレットゲームを行っている間に進行される特別ゲームがシューティングゲームの場合について説明したが、特別ゲームはシューティングゲームに限定されず、他の種類のゲームであってもよい。例えば、アクションゲームや格闘ゲームでメダルの消費と付与がされるようにしたゲームや、ルーレットゲーム、スロットゲームなどとしてもよい。また、特別ゲームは、メダルの消費と付与がされない、プレイヤが楽しむためだけのゲームとしてもよい。この場合でも、本発明は、通常ゲームに参加せずに特別ゲームのみに参加するハイエナ行為を防止するために有用である。また、通常ゲームもスロットゲームに限定されず、ルーレットゲームや本実施形態のシューティングゲームのようなメダルの消費と付与がされるゲームであればよい。
上記実施形態では、1つの画像表示部を分割して各プレイヤに対する画像を表示するようにしていたが、これに限られず、プレイヤ毎の画像表示部を設けるようにしてもよい。また、各サテライトをそれぞれ異なるゲーム装置としてもよい。
上記実施形態では、通常ゲームおよび特別ゲームが、画像表示部に表示される画像を用いたゲームである場合について説明したが、これに限られない。通常ゲームおよび特別ゲームの少なくとも一方が、アナログの抽選機やスロットマシン、ルーレットなどを用いるゲームであっても構わない。
上記実施形態では、ある条件(通常ゲームに参加していること)を満たしたプレイヤのみが特別ゲームに参加することができ、当該条件を満たした場合でも別の条件(通常ゲームで所定枚数以上のメダルを消費したこと)を満たしていないプレイヤは当該別の条件を満たしているプレイヤより不利に扱われる場合について説明したが、これに限られない。例えば、特別ゲームに参加するための上記ある条件の判断のみを行って、上記別の条件の判断は行わないようにしてもよい。これを実現するためには、図11に示すフローチャートにおいて、ステップS41の判断を行なわずにステップS42に進むようにすればよい。また、上記ある条件を特別ゲームに参加するための条件ではなく、不利に扱われるか否かの判断のための条件としてもよい。すなわち、特別ゲームにおいて、通常ゲームに参加しなかったプレイヤを通常ゲームに参加していたプレイヤより不利に扱うようにしてもよい。これを実現するためには、図4に示すフローチャートにおいて、ステップS5がYESの場合にフラグを立てるだけ(ステップS9に進まない)にして、図11に示すフローチャートにおいて、ステップS41で当該フラグが立っているか否かを判断して、フラグが立っている場合ステップS44に進み、フラグが立っていない場合ステップS42に進むようにすればよい。また、上記ある条件の判断を行なわずに、上記別の条件の判断のみを行うようにしてもよい。これを実現するためには、図4に示すフローチャートにおいて、ステップS5の判断を行なわずにステップS6に進むようにすればよい。また、例えば、通常ゲームで消費したメダルの枚数が第1の所定枚数以上であるプレイヤのみが特別ゲームに参加することができ、通常ゲームで消費したメダルの枚数が第1の所定枚数以上で第2の所定枚数(>第1の所定枚数)未満であるプレイヤが第2の所定枚数以上のプレイヤより不利に扱われるようにしてもよい。
上記実施形態では、本発明をいわゆるメダルゲーム装置に適用した場合について説明しているが、これに限られない。本発明は、メダルなどの消費や付与がされないアーケードゲーム装置や家庭用ゲーム装置、携帯型ゲーム装置などにも適用することができる。また、ゲームの種類も限定されない。例えば、複数人が通信で行うハンティングアクションゲームにおいて、途中のクエストから参加しようとするプレイヤを排除するために本発明を適用してもよい。この場合、はじめに3人のプレイヤがクエストQ1(例えば、モンスターAを討伐するクエスト)に参加していて、クエストQ1の終了直前に4人目のプレイヤが途中参加してきた場合、クエストQ1の終了を条件とする次のクエストQ2(例えば、モンスターBを討伐するためクエスト)には、4人目のプレイヤは参加できないようにすることができる。また、4人目のプレイヤがクエストQ1の終了に大きく貢献した場合(例えば、一撃でモンスターAに大きなダメージを与えたなど)にのみ、クエストQ2に参加できるようにすることもできる。
本発明に係るゲーム装置、当該ゲーム装置を実現するためのゲームプログラムは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るゲーム装置、当該ゲーム装置を実現するためのゲームプログラムの具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
また、本発明は、少なくとも1人のプレイヤによって行われる第1のゲームと、上記第1のゲームとは異なる第2のゲームとを実行するゲーム装置であって、上記第1のゲームに参加している少なくとも1人のプレイヤが第1の所定条件を満たした場合に第1のゲームから第2のゲームに移行させるゲーム制御手段と、上記第1のゲーム中に第2の所定条件が満たされたか否かを判別する判別手段と、を備え、上記ゲーム制御手段は、上記判別手段による判別結果に基づいて上記第2のゲームを制御する、ことを特徴とするゲーム装置と考えることもできる。この場合において、上記第2の所定条件を満たしているプレイヤを上記第2のゲームに参加させ、上記第2の所定条件を満たしていないプレイヤは上記第2のゲームに参加させないようにすることができる。さらにまた、上記第2の所定条件を満たしたプレイヤに対し、上記第2の所定条件を満たしていないプレイヤよりも有利な条件で上記第2のゲームをプレイさせることもできる。