JP2012044063A - 半導体モジュール、通信モジュール、及び実装部品 - Google Patents

半導体モジュール、通信モジュール、及び実装部品 Download PDF

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Abstract

【課題】GNDパターンの共振による受動素子の動作への悪影響を低減できる半導体モジュール及び該半導体モジュールに使用可能な実装部品の提供。
【解決手段】半導体回路基板1がフリップチップ接合された半導体装置2を実装基板3に接合した半導体モジュール10であり、半導体装置1は、基板5の一面5a上に、第一導体層6、第一誘電体層7、信号配線パターンをなす第二導体層8、第二誘電体層9、が順に積層されてなり、第一バンプ12を介して、第二導体層8と半導体回路基板1とが電気的に接続されており、半導体装置2は、第一誘電体層7又は第二誘電体層9上にパッド部13を複数備え、個々のパッド部13と第一導体層6とが第一導電部14によって電気的に接続され、個々のパッド部13に配した第二バンプ15を介して、実装基板3の一面3aに設けられた第三導体層4と第一導体層6とが電気的に接続された半導体モジュール10。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体モジュール、アンテナを装着した通信モジュール、及び該半導体モジュールの実装部品に関する。より詳しくは、フリップチップ接合した半導体装置を実装した半導体モジュール、該半導体モジュールを搭載し、アンテナを装着した通信モジュール、及び受動素子内蔵基板を有する半導体装置を該半導体モジュールに実装するための実装部品に関する。
半導体回路の集積密度の増加に伴い、半導体パッケージにおいては、多ピン化及び狭ピッチ化が求められている。これに伴い、BGA(Ball Grid Array)やCSP(Chip Size Package)等のような小型のパッケージが実用化されている。
また、扱われる信号周波数についても、携帯電話、無線LAN、ITS(Intelligent Transport Systems)等で主流の数GHzから、固定無線中継局、衛星通信等に使用される準ミリ波帯や、自動車衝突防止レーダー、非圧縮動画伝送等に使用されるミリ波帯へと、高周波化が進んでいる。
従来、準ミリ波帯やミリ波帯に使用されるICは専らGaAs等の化合物半導体を用いたMMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuits)であった。MMICは、GaAs基板に能動素子及び受動素子を一体化して形成したものであり、配線には金が用いられている。
しかしながら、MMICでは、高価な化合物半導体回路基板上のほとんどの面積を電力分配回路や合成回路、給電回路などの受動素子(受動回路素子)が占めており、コストが高く、民生市場に進出が難しいという問題を有している。
近年においては、CMOS技術を用いたミリ波帯ICの検討が盛んに行われており、実用化が近づいている(例えば、非特許文献1及び2参照)。CMOS技術は、上述したMMICとは異なり、誘電体(SiO)が薄く、微細加工(最小L/S 0.25μm/0.25μm)が可能であることから、受動素子のサイズも小さくすることができるという利点がある。
また、半導体の実装方法としては、デジタルIC等に多用されるワイヤボンド接続と比較して接続部を短縮できる、フリップチップ実装がある(例えば、特許文献1参照)。この実装方法は、接続に起因する寄生インダクタンス成分による設計の破綻や反射損失の増加を防ぐことができるため、高周波領域において非常に有望な半導体実装技術といえる。
特開2008−141215号公報
Huei wang, "Development of Silicon-based Millimeter-wave Ics at National Taiwan University(MWE2008ダイジェスト) Yoichi Kawano, Toshihide Suzuki, Masaru Sato, Tatusya Hirose, Kazuhiyo Joshin, "A 77GHz Transceiver in 90nm CMOS"
図12に、フリップチップ実装の例として、基板102に半導体回路基板(CMOS−IC)101がフリップチップ実装された半導体装置100を示す。Siやガラスからなる基板102には、GND層(グラウンド層)103、第一誘電体層104、配線層105、第二誘電体層106が順に積層されている。第二誘電体層106は、配線層105の一部が露呈する開口部を備え、該配線層105の露呈部に配した金属薄膜107及びバンプ108を介して、半導体回路基板101と配線層105とが電気的に接続されている。また、配線層105と電気的に接続されたバラン109及びカプラ110が配されている。
ところで、図12に示すような半導体モジュールにおいて、バラン109及びカプラ110等の受動素子の配線長は波長の1/4の長さを基本として構成されるので、GND層103のGNDパターンのサイズが波長程度の大きさになる。このため、GNDパターンにおける種々の共振が誘起されて、前記受動素子の動作に悪影響を与えることがある。
前記共振が誘起される例を、単純化したマイクロストリップラインにおけるシミュレーション結果を用いて説明する。
図13に示すマイクロストリップライン200は、2.7mm×1.3mmのGND面201上に、20μm厚のポリイミドからなる誘電体層202および全長1.2mm(線路幅45μm)の信号配線203が順に積層された構成を有する。
図14は、マイクロストリップライン200におけるGND面201の機能が安定である場合の信号配線203の良好なシミュレーション特性(S21 vs Frequency)である。
一方、図15は、該GND面201の機能が不安定な場合の信号配線203の異常なシミュレーション特性(S21 vs Frequency)である。28GHz付近にS21の大きな落ち込みが見られ、伝送線路の特性として極めて異常な状態である。
GND面201の機能が不安定になるのは、図16及び17に示すような共振が誘起されるためである。該共振は、高周波の波長がGND面201のサイズ程度であると誘起されて、信号配線203の特性に悪影響を及ぼす。
図16及び17は、ポリイミド樹脂からなる基板(20μm厚)上に設けられた3mm角のGNDパターンの共振モードを、電界ベクトルで描画した図である。この結果は、3次元電磁界シミュレーターHFSSの固有値解析によって得た。
図16は、38GHzで誘起される共振モードであり、GNDパターンの対角線に波が1波長乗っていると解される。図17は、42GHzで誘起される共振モードであり、GNDパターンの一辺に波が半波長乗っていると解される。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、GNDパターンの共振による受動素子の動作への悪影響を低減できる半導体モジュール及び該半導体モジュールに使用可能な実装部品の提供を課題とする。
本発明の請求項1に記載の半導体モジュールは、半導体回路基板がフリップチップ接合された半導体装置を、実装基板に接合した半導体モジュールであって、前記半導体装置は、基板の一面上に、第一導体層、第一誘電体層、信号配線パターンをなす第二導体層、第二誘電体層、が順に積層されてなり、前記第二誘電体層は、前記第二導体層の一部が露呈する開口部を備え、前記第二導体層の露呈部に配した金属薄膜及び第一バンプを介して、前記第二導体層と前記半導体回路基板とが電気的に接続されており、前記半導体装置は、前記第一誘電体層又は前記第二誘電体層上にパッド部を複数備え、個々のパッド部と前記第一導体層とが第一導電部によって電気的に接続され、前記個々のパッド部に配した第二バンプを介して、前記実装基板の一面に設けられた第三導体層と前記第一導体層とが電気的に接続されたことを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の半導体モジュールは、請求項1において、前記実装基板の一面は、前記半導体回路基板と対向する位置に凹部を有することを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の半導体モジュールは、請求項1又は2において、前記実装基板の他面に配された第四導体層と前記第三導体層とが第二導電部を介して電気的に接続されていることを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の半導体モジュールは、請求項1〜3のいずれか一項において、前記パッド部及び第二バンプが、前記信号配線パターンで囲まれたエリアに配されたことを特徴とする。
本発明の請求項5に記載の半導体モジュールは、請求項1〜4のいずれか一項において、前記パッド部に対して、前記第一導電部が複数配置されていることを特徴とする。
本発明の請求項6に記載の半導体モジュールは、請求項1〜5のいずれか一項において、前記第一導体層と第一誘電体層との間に、1乃至複数の第三誘電体層を積層したことを特徴とする。
本発明の請求項7に記載の通信モジュールは、請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体モジュールを搭載したことを特徴とする。
本発明の請求項8に記載の実装部品は、第三導体層が設けられた実装基板の一面に実装される実装部品であって、前記実装部品は、基板の一面上に、第一導体層、第一誘電体層、信号配線パターンをなす第二導体層、第二誘電体層が、順に積層されてなり、前記第二誘電体層は、前記第二導体層の一部が露呈する開口部を備え、前記第二導体層の露呈部には、前記第二導体層と前記半導体回路基板とを電気的に接続することが可能な金属薄膜及び第一バンプが設けられており、前記実装部品は、前記第一誘電体層又は前記第二誘電体層上にパッド部を複数備え、個々のパッド部と前記第一導体層とが第一導電部によって電気的に接続され、前記個々のパッド部には、前記第三導体層と電気的に接続することが可能な第二バンプが設けられていることを特徴とする。
本発明の請求項9に記載の実装部品は、請求項8において、前記パッド部及び第二バンプが、前記信号配線パターンで囲まれたエリアに配されたことを特徴とする。
本発明の請求項10に記載の実装部品は、請求項8又は9において、前記パッド部に対して、前記第一導電部が複数配置されていることを特徴とする。
本発明の請求項11に記載の実装部品は、請求項8〜10のいずれか一項において、前記第一導体層と前記第一誘電体層との間に、1乃至複数の第三誘電体層を積層したことを特徴とする。
本発明の半導体モジュールによれば、半導体装置を構成する第一導体層のGNDパターンに、共振が誘起されたとしても、該第一導体層と半導体モジュールの実装基板に設けられた第三導体層とが電気的に接続されていることにより、該共振が速やかに解消されるので、実質的に該共振が誘起されることを抑制することができる。この結果、半導体装置の信号配線パターンをなす第二導体層に電気的に接続された受動素子等の動作に対して、前記共振が悪影響を及ぼすことを防ぐことができる。
本発明の通信モジュールによれば、半導体装置を構成する第一導体層のGNDパターンに、共振が誘起されたとしても、該第一導体層と半導体モジュールの実装基板に設けられた第三導体層とが電気的に接続されていることにより、該共振が速やかに解消されるので、実質的に該共振が誘起されることを抑制することができる。この結果、半導体装置の信号配線パターンをなす第二導体層に電気的に接続されたアンテナ等の動作に対して、前記共振が悪影響を及ぼすことを防ぐことができる。
また、本発明の実装部品によれば、実装部品を構成する第一導体層のGNDパターンに、共振が誘起されたとしても、該第一導体層と実装基板に設けられた第三導体層とが電気的に接続されていることにより、該共振が速やかに解消されるので、実質的に該共振が誘起されることを抑制することができる。この結果、実装部品の信号配線パターンをなす第二導体層に電気的に接続された受動素子等の動作に対して、前記共振が悪影響を及ぼすことを防ぐことができる。
本発明にかかる半導体モジュールの第一実施形態の上面図(a)及び断面図(b)である。 本発明にかかる半導体モジュールにおける第一導体層と第二バンプとを電気的に接続する導電部の構成の一例を示す断面図である。 本発明にかかる半導体モジュールにおける第一導体層と第二バンプとを電気的に接続する導電部の構成の別の一例を示す断面図である。 本発明にかかる半導体モジュールの第二バンプを搭載するパッド部に対して、複数の導電部を設けた例を示す上面図である。 本発明にかかる半導体モジュールの一例の上面図である。 本発明にかかる半導体モジュールの一例の上面図である。 本発明にかかる半導体モジュールの第二実施形態の上面図(a)及び断面図(b)である。 本発明にかかる半導体モジュールの第三実施形態の上面図(a)及び断面図(b)である。 本発明にかかる通信モジュールの第一実施形態の上面図(a)及び断面図(b)である。 本発明にかかる通信モジュールの第二実施形態の上面図(a)及び断面図(b)である。 本発明にかかる実装部品の第一実施形態の断面図である。 半導体装置における半導体回路基板のフリップチップ実装の一例を示す斜視図(a)と、斜視図のD−D線に対応する断面図(b)である。 シミュレーションに使用したマイクロストリップラインの断面図である。 信号配線の良好なシミュレーション特性(S21 vs Frequency)を示すグラフである。 信号配線の異常なシミュレーション特性(S21 vs Frequency)を示すグラフである。 GNDパターン上に誘起される共振モードの一例を電界ベクトルで描画した図である。 GNDパターン上に誘起される共振モードの別の一例を電界ベクトルで描画した図である。
<半導体モジュールの第一実施形態>
以下、好適な実施の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
図1は、本発明にかかる半導体モジュールの第一実施形態である半導体モジュール10A(10)の上面図(a)および該上面図(a)のA−A線における断面図(b)である。なお、上面図(a)において、実装基板3は2点鎖線で描いてある。つまり、存在する実装基板3を、透明なものとして描いてある。
半導体モジュール10Aは、半導体回路基板1がフリップチップ接合された半導体装置2を、実装基板3に接合した半導体モジュールであって、半導体装置2は、Siからなる基板5の一面5a上に、第一導体層6、第一誘電体層7、信号配線パターンをなす第二導体層8、第二誘電体層9、が順に積層されてなる(図1(b))。
第二誘電体層9は、第二導体層8の一部が露呈する開口部Sを備え、第二導体層8の露呈部に配した金属薄膜11及び第一バンプ12を介して、第二導体層8と半導体回路基板1とが電気的に接続されており、半導体装置2は、第一誘電体層7上にパッド部13を複数備え、個々のパッド部13と第一導体層6とが第一導電部14によって電気的に接続され、個々のパッド部13に配した第二バンプ15を介して、樹脂からなる実装基板3の一面3aに設けられた第三導体層4と第一導体層6とが電気的に接続されている。
基板5は、表面に窒化膜や酸化膜(不図示)を有するシリコンが入手が容易である観点から好ましいがこれに限ることはなく、例えば、ガラス(SiO)から構成されていてもよい。
基板5の厚さは特に制限されず、100μm〜500μmが好適である。
第一導体層6は、本実施形態においてはGND層(グランド層)であり、CuやAl等からなることが好ましい。第一導体層6の厚みは、表皮深さの2倍程度以上が好ましい。
ここで、表皮深さは、透磁率μ、導電率σの導体においては、周波数fHzのときに、1/√(πfμσ)で定義される。よって、60GHzにおいて、Cuの表皮深さは約0.27μmとなる。以上より、第一導体層6の厚みは1μm以上であることが好ましい。
また、表面の凹凸を光沢めっき法や化学機械研磨等で平坦にすることが好ましい。
第二導体層8、第三導体層4、及び後述する第四導体層31も、第一導体層6と同様にCuやAl等から構成されることが好ましい。厚みに関しては、やはり1μm以上であることが好ましい。
第一誘電体層7、及び第二誘電体層9は、例えば感光性樹脂をスピンコート法によって、塗布、硬化して形成することができる。誘電体としては、フッ素樹脂やポリイミド系樹脂、ポリイミド、BCB(ベンゾシクロブテン)、スピンオンポリマー等を採用することができる。誘電体層の厚みとしては、10μm〜40μmが好適である。
第一バンプ12は、金スタッドバンプや、めっきにより形成した柱状の銅バンプの先端に柱状の金バンプやはんだバンプを成長させたもの、又はめっきにより柱状に金バンプを成長させたものが好ましい。
第二バンプ15、後述する第三バンプ17及び第四バンプ19は、通常のはんだバンプが適用できる。
金属薄膜11の材料としては、Ni、Au等が挙げられる。第一バンプ12が金からなるバンプである場合、該バンプと第二導体層8とを強固に接合する観点から、金属薄膜11はNi/Auであることが好ましい。
金属薄膜11は、スパッタ法、蒸着法等の公知の成膜方法で形成できる。金属薄膜11の厚さは特に制限されず、通常10nm〜500nmの範囲でよい。
第一導電部14としては、パッド部13と第一導体層6とを電気的に接続しうるものであれば特に制限されない。例えば、図1(b)に示すように、第一誘電体層7を貫通するビア(貫通配線)が挙げられる。
図1(b)のように、第二バンプ15が配されるパッド部13が、第一誘電体層7上に備えられている場合には、パッド部13直上の第二誘電体層9は除かれて、該パッド部13の少なくとも一部が露呈する。露呈されたパッド部13上に第二バンプ15が配される。
一方、図2のように、パッド部13は第二誘電体層9上に備えられていてもよい。この場合にも、該パッド部13と第一導体層6とが第一導電部14によって電気的に接続され、該パッド部13に配した第二バンプ15を介して、実装基板3の一面3aに設けられた第三導体層4と第一導体層6とが電気的に接続される。
また、図2に示すように、第二誘電体層9上のパッド部13以外の領域に、別の誘電体層Mが設けられても良い。
パッド部13が第二誘電体層9上に備えられ、第一導電部14としてビアが用いられる場合には、該第一導電部14であるビアは、第一誘電体層7及び第二誘電体層9を貫通して、該パッド部13と第一導体層6とが電気的に接続するように設けられる。
例えば、図2に示すように、第一誘電体層7を貫通する第一ビア14a、第一誘電体層7上に配された中間配線14b、および第二誘電体層9を貫通する第二ビア14cが電気的に接続されてなる第一導電部14の構成が挙げられる。
さらに、図3に示すように、パッド部13は第二誘電体層9の凹部に備えられていてもよい。この場合にも、パッド部13は第二誘電体層9の上(表面上)に備えられていると解される。該パッド部13と第一導体層6とが第一導電部14によって電気的に接続され、該パッド部13に配した第二バンプ15を介して、実装基板3の一面3aに設けられた第三導体層4と第一導体層6とが電気的に接続される。
例えば、図3に示すように、第一誘電体層7を貫通する第一ビア14a、および第二誘電体層9内部に配された第二ビア14cが電気的に接続されてなる第一導電部14の構成が挙げられる。
パッド部13に電気的に接続する第一導電部14の個数は、1個に制限されず、複数個設けてもよい。例えば図4に示すように、1個のパッド部13に対して8個の第一導電部14(ビア)を設けた構成が挙げられる。個々の第一導電部14は、それぞれ第一導体層6に電気的に接続されている。このように、1個のパッド部13に対して、複数の第一導電部14を配することによって、パッド部13に配された第二バンプ15の電気的接続をより強固にできるので好ましい。
第一導体層6は、基板5の一面5aの全面に配されたGND面(GND層)である。第二導体層8は信号配線パターンを形成し、第一導体層6および第二導体層8がマイクロストリップラインを構成する。
第二導体層8は信号配線パターンを形成する。該信号配線パターンは、伝送線路の他に、カプラ、バラン、フィルター等の受動素子を構成する。また、第二導体層8は、高周波を伝送する信号線路以外に、デジタル信号や電源信号を伝送する配線を構成してもよい。
図1(a)では、第二導体層8からなる信号配線パターンの一部として、カプラ16が設けられている。カプラ16の端部にはパッド部(不図示)が設けられ、該パッド部上に第三バンプ17が配されている。第三バンプ17は、第二バンプ15と同様に、第二誘電体層9が除かれた位置に配されており、実装基板3との電気的接続を介する。
また、第二導体層8からなる信号配線パターンの一部として、デジタル信号や電源信号を伝送する配線18が複数設けられている。配線18の端部にはパッド部(不図示)が設けられ、該パッド部上に第四バンプ19が配されている。第四バンプ19は、第二バンプ15と同様に、第二誘電体層9が除かれた位置に配されており、実装基板3との電気的接続を介する。
第二バンプ15を介して第一導体層6とGNDパターンを形成する第三導体層4とが電気的に接続されることにより、第一導体層6からなるGND面に誘起される共振を抑制(解消)することができる。この結果、該共振が、半導体装置2に設けられた受動素子等の動作に悪影響を及ぼすことを防止できる。
前記共振は、高周波の波長がGND面のサイズと同程である場合に誘起される。半導体モジュール10の用途に応じて所望の波長の高周波が使用されるため、波長が異なると、誘起される共振モードの姿態も異なる。したがって、本発明の半導体モジュールが広い周波数帯域に対応するためには、後述するように、第二バンプ15を複数配することが好ましい。
また、半導体装置2で使用する予定の周波数において、共振が誘起されることが予めシミュレーション等で予測される場合には、第一導体層6と第一誘電体層7との間に、1層または2層以上の第三誘電体層を追加して積層することもできる。第三誘電体層を設けることにより、共振を誘起する周波数を若干高周波数側にシフトさせることができる。これにより、使用する予定の周波数によって誘起されうる共振を、半導体モジュールの設計段階で予め減じることができるので好ましい。追加して積層した第三誘電体層上には、中間配線等を構成する導体層を配してもよい。
第二バンプ15が半導体装置2における基板5の一面5a側に配される個数は、半導体回路基板1を実装基板3に安定に接合する観点および前記共振を十分に抑制する観点から、2個以上であることが好ましく、多い個数であるほどより好ましい。個数の上限は、第二バンプ15を配しうるスペースの大きさによる。
第二バンプ15が半導体装置2における基板5の一面5a側に配される位置(配置)は、基板5の上面側から見て、CMOS−IC等の半導体回路基板1が接合された位置および受動素子が設けられた位置を避ける位置であれば特に制限されない。ただし、前記共振を十分に抑制する観点から、複数の第二バンプ15が互いになるべく離れて、且つ、均等に配置される位置が好ましい。
前記共振は、通常、前記GND面の全面において、高周波の波長に依存する固有の周期で誘起される。このため、該GND面の一極に集中して第二バンプ15を配するよりは、該GND面の全面に均等配置する方が該共振を抑制する効果が高い。
第二バンプ15の配置の他の具体例を、図5及び6に示す。
図5は、半導体モジュール10B(10)の上面図である。半導体モジュール10Aと同じ構成には同じ符号を付してある。
半導体モジュール10Bでは、第一誘電体層7において、信号配線パターンであるカプラ16で囲まれたエリア21にパッド部(不図示)が設けられ、該パッド部上に第二バンプ15が配されている。
前記信号配線パターンで囲まれたエリアは、カプラ16に囲まれたエリア(領域)21に限られない。別の信号配線パターンで囲まれたエリアの例として、図6に示す半導体モジュール10Cのエリア23が挙げられる。
図6は、半導体モジュール10C(10)の上面図である。半導体モジュール10Aと同じ構成には同じ符号を付してある。
半導体モジュール10Cでは、カプラ16の代わりにバラン22が配されている。また、第一誘電体層7において、バラン22で囲まれたエリア23にパッド部(不図示)が設けられ、該パッド部上に第二バンプ15が配されている。
図5及び6に示したように、受動素子等の信号配線パターンで囲まれたエリア21,23にパッド部13及び第二バンプ15を配置することによって、基板5の一面5a側に多数の第二バンプ15を配置することができ、前記共振をより十分に抑制することができる。
実装基板3は、樹脂からなるものが好ましい。該樹脂としては、例えばテフロン(登録商標)等のフッ素樹脂、ポリイミド系樹脂、FR4等のガラスエポキシ樹脂などを用いることができる。実装基板3の厚さは特に制限されないが、50μm〜200μmが好適である。
実装基板3の一面3aに配された第三導体層4は、CuやAl等から構成されることが好ましく、その厚みは1μm以上であることが好ましい。
第三導体層4は、グランドとして機能するGNDパターンである。第二バンプ15を介して半導体装置2のGND面である第一導体層6と電気的に接続される。
第二バンプ15の大きさは、フリップチップ接合する半導体回路基板1の厚さに応じて適宜調整される。半導体回路基板1は、予めバックグラインドによって厚みを減じておくことが好ましい。
<半導体モジュールの第二実施形態>
図7は、本発明にかかる半導体モジュールの第二実施形態である半導体モジュール20A(20)の上面図(a)および該上面図(a)のA−A線における断面図(b)である。図1に示した半導体モジュール10Aと同様の構成には、同じ符号を付してある。なお、上面図(a)において、実装基板3は2点鎖線で描いてある。つまり、存在する実装基板3を、透明なものとして描いてある。
半導体モジュール20Aが半導体モジュール10Aと異なる点は、実装基板3の一面3aが、半導体回路基板1と対向する位置に凹部Tを有する点である。
実装基板3に設けられた凹部Tの内部には、半導体回路基板1の少なくとも一部を収めることができる。このため、半導体回路基板1が厚い場合であっても、基板5と実装基板3との間に該半導体回路基板1を収めることができる。
凹部Tの深さとしては、実装基板3の厚みにもよるが、0.2mm〜0.4mmが好ましい。
<半導体モジュールの第三実施形態>
図8は、本発明にかかる半導体モジュールの第三実施形態である半導体モジュール30A(30)の上面図(a)および該上面図(a)のA−A線における断面図(b)である。図7に示した半導体モジュール20Aと同様の構成には、同じ符号を付してある。なお、上面図(a)において、実装基板3は2点鎖線で描いてある。つまり、存在する実装基板3を、透明なものとして描いてある。
半導体モジュール30Aが半導体モジュール20Aと異なる点は、実装基板3の他面3bに第四導体層31が配され、さらに第四導体層31と第三導体層4とが第二導電部32を介して電気的に接続されている点である。
第二導電部32としては、第四導体層31と第三導体層4とを電気的に接続しうるものであれば特に制限されない。例えば図8に示すように、実装基板3を貫通するビア(貫通配線)が挙げられる。
実装基板3の一面3a及び他面3bにそれぞれ第三導体層4及び第四導体層31を配することにより、半導体モジュールの最下面となる他面3bをGND層とすることができる。この場合、半導体モジュールを筐体に実装する際の利便性に優れるので好ましい。
<通信モジュールの第一実施形態>
本発明の通信モジュール60は、前述の半導体モジュールを構成の一部として含むものである。
図9に、通信モジュール60の第一実施形態として通信モジュール60A(60)の上面図(a)及び断面図(b)を示す。該断面図(b)は、上面図(a)におけるC−C線に沿う断面である。前述の半導体モジュール10と同様の構成には、同じ符号を付した。
実装基板3の一面3a及び他面3bには、それぞれ第三導体層4及び第四導体層31が配されている。第三導体層4と第四導体層31とは、第二導電部32を介して電気的に接続されて、GND層となっている。この実装基板3の構成は、前述の半導体モジュール10の第三実施形態と同様である。
実装基板3の一面3aには、前記第三導体層4とは分離して配された、アンテナ給電回路61、高周波信号を伝送する配線からなるアンテナ62が備えられている。該アンテナ給電回路61は、半導体モジュール10Aの、半田からなる第三バンプ17を介して、該半導体モジュール10Aの第二導体層8に電気的に接続している。
この構成を有する通信モジュール60Aでは、アンテナ62に対向する位置のGND層である第四導体層31が、パッチアンテナのGND層として機能する。また、実装基板3は、該パッチアンテナの誘電体層として機能する。よって、半導体モジュール10Aの高周波信号は、半田からなる第三バンプ17を通じて実装基板3へと誘導され、最終的にアンテナ62から放射される。
<通信モジュールの第二実施形態>
図10に、通信モジュール60の第二実施形態として通信モジュール60B(60)の上面図(a)及び断面図(b)を示す。該断面図(b)は、上面図(a)におけるC−C線に沿う断面である。前述の半導体モジュール10、及び通信モジュール60Aと同様の構成には、同じ符号を付した。
前述の第一実施形態の通信モジュール60Aと異なる点は、第三バンプ17が金からなる比較的小型のバンプである点、及び実装基板3の一面3aが、半導体回路基板1と対向する位置に凹部Tを有する点である。
この凹部Tの構成は、前述の半導体モジュール10の第二実施形態と同様である。半導体回路基板1と実装基板3の一面3aの距離が近づき過ぎるのを避けるために、凹部Tが設けられている。
また、第三バンプ17が、金スタッドバンプ等を用いて小型化されたことによって、第三バンプ17とアンテナ給電回路61との接続部における伝送特性が向上しうる。
この構成を有する通信モジュール60Bでは、アンテナ62に対向する位置のGND層である第四導体層31が、パッチアンテナのGND層として機能する。また、実装基板3は、該パッチアンテナの誘電体層として機能する。よって、半導体モジュール10Aの高周波信号は、金スタッドバンプ等の金からなる小型の第三バンプ17を通じて実装基板3へと誘導され、最終的にアンテナ62から放射される。
<実装部品>
本発明の実装部品50は、前述の半導体モジュール10を構成する部品として使用可能なものである。このとき、半導体モジュール10を構成する半導体回路基板1は、必須の構成ではなく、あっても良いし、なくても良い。
図11に、実装部品50の好ましい実施形態例として実装部品50A(50)の断面図を示す。該断面図は、図1(a)の半導体モジュール10の上面図におけるA−A線に対応する断面である。前述の半導体モジュール10Aと同様の構成には、同じ符号を付した。
実装部品50Aは、第三導体層4が設けられた実装基板3の一面3aに実装される実装部品であって、前記実装部品は、基板5の一面5a上に、第一導体層6、第一誘電体層7、信号配線パターンをなす第二導体層8、第二誘電体層9が、順に積層されてなる。
第二誘電体層9は、第二導体層8の一部が露呈する開口部S1及び開口部S2を備え、第二導体層8の露呈部には、第二導体層8と半導体回路基板1とを電気的に接続することが可能な金属薄膜11及び第一バンプ12が設けられている。
第一バンプ12に半導体回路基板1をフリップチップ実装する場合は、第二誘電体層9の、開口部S1と開口部S2との間に配されている領域を適宜除去するか、或いは初めから該領域に第二誘電体層9を形成しなければよい。これにより、図1(b)に示す開口部Sが形成され、この開口部Sに半導体回路基板1を実装できる。
また、実装部品50Aは、第一誘電体層7又は第二誘電体層9上にパッド部13を複数備え、個々のパッド部13と第一導体層6とが第一導電部14によって電気的に接続されている。さらに、個々のパッド部13には、実装基板3の一面3aに配された第三導体層4と電気的に接続することが可能な第二バンプ15が設けられている。
実装部品50Aの各構成の説明は、前述の半導体モジュール10の各構成の説明と同様である。
図5及び6に示したように、パッド部13及び第二バンプ15は、受動素子等の信号配線パターンで囲まれたエリアにも配されることが好ましい。
また、図4に示したように、パッド部13に対して、第一導電部14が複数配置されていることが好ましい。
さらに、第一導体層6と第一誘電体層7との間に、1乃至複数の第三誘電体層を積層されることが好ましい。
これらの好ましい構成による効果の説明は、本発明の半導体モジュールにおける対応する構成による効果の説明と同様である。
本発明の半導体モジュール、アンテナを装着した通信モジュール及び半導体装置実装用部品は、高周波のマイクロストリップラインを備える半導体装置に広く利用することができる。
1…半導体回路基板、2…半導体装置、3…実装基板、3a…実装基板の一面、3b…実装基板の他面、4…第三導体層、5…基板、5a…基板の一面、6…第一導体層、7…第一誘電体層、8…第二導体層、9…第二誘電体層、10,10A,10B,10C…半導体モジュール、、S…開口部、T…凹部、11…金属薄膜、12…第一バンプ、13…パッド部、14…第一導電部、15…第二バンプ、16…カプラ、17…第三バンプ、18…配線、19…第四バンプ、20,20A…半導体モジュール、21…信号配線パターンで囲まれたエリア、22…バラン、23…信号配線パターンで囲まれたエリア、50,50A…実装部品、60,60A,60B…通信モジュール、61…アンテナ給電回路、62…アンテナ、100…半導体装置、101…半導体回路基板、102…基板、103…GND層、104…第一誘電体層、105…配線層、106…第二誘電体層、107…金属薄膜、108…バンプ、109…バラン、110…カプラ。

Claims (11)

  1. 半導体回路基板がフリップチップ接合された半導体装置を、実装基板に接合した半導体モジュールであって、
    前記半導体装置は、基板の一面上に、第一導体層、第一誘電体層、信号配線パターンをなす第二導体層、第二誘電体層、が順に積層されてなり、
    前記第二誘電体層は、前記第二導体層の一部が露呈する開口部を備え、
    前記第二導体層の露呈部に配した金属薄膜及び第一バンプを介して、前記第二導体層と前記半導体回路基板とが電気的に接続されており、
    前記半導体装置は、前記第一誘電体層又は前記第二誘電体層上にパッド部を複数備え、個々のパッド部と前記第一導体層とが第一導電部によって電気的に接続され、前記個々のパッド部に配した第二バンプを介して、前記実装基板の一面に設けられた第三導体層と前記第一導体層とが電気的に接続されたことを特徴とする半導体モジュール。
  2. 前記実装基板の一面は、前記半導体回路基板と対向する位置に凹部を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体モジュール。
  3. 前記実装基板の他面に配された第四導体層と前記第三導体層とが第二導電部を介して電気的に接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体モジュール。
  4. 前記パッド部及び第二バンプが、前記信号配線パターンで囲まれたエリアに配されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体モジュール。
  5. 前記パッド部に対して、前記第一導電部が複数配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体モジュール。
  6. 前記第一導体層と第一誘電体層との間に、1乃至複数の第三誘電体層を積層したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体モジュール。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体モジュールを搭載したことを特徴とする通信モジュール。
  8. 第三導体層が設けられた実装基板の一面に実装される実装部品であって、
    前記実装部品は、基板の一面上に、第一導体層、第一誘電体層、信号配線パターンをなす第二導体層、第二誘電体層が、順に積層されてなり、
    前記第二誘電体層は、前記第二導体層の一部が露呈する開口部を備え、前記第二導体層の露呈部には、前記第二導体層と前記半導体回路基板とを電気的に接続することが可能な金属薄膜及び第一バンプが設けられており、
    前記実装部品は、前記第一誘電体層又は前記第二誘電体層上にパッド部を複数備え、個々のパッド部と前記第一導体層とが第一導電部によって電気的に接続され、
    前記個々のパッド部には、前記第三導体層と電気的に接続することが可能な第二バンプが設けられていることを特徴とする実装部品。
  9. 前記パッド部及び第二バンプが、前記信号配線パターンで囲まれたエリアに配されたことを特徴とする請求項8に記載の実装部品。
  10. 前記パッド部に対して、前記第一導電部が複数配置されていることを特徴とする請求項8又は9に記載の実装部品。
  11. 前記第一導体層と前記第一誘電体層との間に、1乃至複数の第三誘電体層を積層したことを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の実装部品。
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