JP2012043674A - 採光装置 - Google Patents

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【課題】太陽光の明るさを減衰させることなく、また、明るさのムラを生じさせずに取り込むことのできる採光装置、さらには、屋外と屋内との換気機能を備えた導光措置を提供する。
【解決手段】屋外の採光部2より取り込んだ太陽光20を、屋内天井面8に設けられた照射部3を介して屋内に導く採光装置1には、採光部2から照射部3に至る導光経路4内壁面には反射材5が設けられ、照射部3には、導光された光を屋内へ拡散する拡散部材6が設けられている。また、採光部2および拡散部材6が通風可能であり、屋外と屋内間で換気可能であるとよい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、屋外の採光部より取り込んだ光を、屋内天井面に設けられた照射部を介して屋内に導く採光装置に関する。
建物の屋外に設けられた採光部より太陽光を取り込み、屋内の天井面に設けられた照射部より取り込んだ太陽光を屋内に照射する採光装置は、従来より提案されている。また、屋外と屋内との換気機能を備えた採光装置も提案されている。
実開平6−58027号公報 特開平6−131904号公報
しかし、採光部より取り込んだ太陽光は、屋内天井部に設けられた照射部に至る導光経路内の壁面を反射しながら照射部へと導かれるが、導光経路内の壁面部はクロスで仕上げられることが多く、導光経路内壁面で反射する際に減衰してしまい、十分な太陽光を屋内に導くことは難しかった。
また、照射部から屋内に取り込まれる太陽光は、照射部の直下のみを照射し、照射部の周辺部との間で太陽光の照射量の違いによる屋内の明るさのムラが生じていた。特に、屋外の採光部と屋内の照射部が略垂直の導光経路で接続されている場合、太陽光が導光経路内の壁面を反射する過程で太陽光の反射方向が導光経路進行方向に収束されるため、屋内の明るさのムラの発生が顕著であった。
本発明は、以上のような問題点に鑑み、建物の屋外に設けられた採光部より太陽光を取り込み、屋内の天井面に設けられた照射部より取り込んだ太陽光を屋内に、明るさを減衰させることなく、また、明るさのムラを生じさせずに導くことのできる採光装置、さらには、屋外と屋内との換気機能を備えた採光装置を提供することを課題とする。
上記の課題は、屋外の採光部より取り込んだ太陽光を、屋内天井面に設けられた照射部を介して屋内に導く採光装置であって、該採光部から該照射部に至る導光経路内壁面には反射材が設けられ、該照射部には、導光された光を屋内へ拡散する拡散部材が設けられたことを特徴とする採光装置により解決される。
この採光装置では、採光部から照射部に至る導光経路内の壁面に反射材が設けられているので、採光部より取り込まれた太陽光が導光経路内で反射する過程で減衰されることなく、照射部まで導かれる。なお本明細書中において、太陽光が減衰されることがないとは、太陽光が壁面で反射される際に、太陽光の明るさが全く減衰されない場合だけでなく、太陽光の明るさの減衰率が低い場合も含む意味で用いている。
また、照射部には、導光された光を屋内へ拡散する拡散部材が設けられているので、採光部より取り込まれた太陽光が導光経路で壁面に反射されながら照射部側へと導かれる過程で光の照射方向が収束されてしまうのを、拡散部材を通じて光を拡散して屋内へと照射することができるので、屋内での明るさのムラを防止することができる。
上記の採光装置において、拡散部材が、天井面と略面一となるように照射部に取り付けられているとよい。
拡散部材が天井面と略面一となるように照射部に取り付けられているので、拡散部材により採光装置の導光経路を目隠しすることができるとともに、天井面の意匠をすっきりとしたものにすることができる。
上記の採光装置において、採光部及び拡散部材が通風可能であり、屋外と屋内間で換気可能であるとよい。
採光部及び拡散部材が通風可能であるので、導光経路を通じて屋外と屋内間で換気を行うことができ、太陽光を屋内へ取り込む採光装置でありながら、屋外と屋内の換気も行うことができる。
また、拡散部材が乳白色アクリル板であると、取り込んだ太陽光を効果的に拡散することができる。
本発明は以上のとおりであるから、建物の屋外に設けられた採光部より太陽光を取り込み、屋内の天井面に設けられた照射部より取り込んだ太陽光を屋内に、明るさを減衰させることなく、また、明るさのムラを生じさせずに導くことのできる採光装置、さらには、屋外と屋内との換気機能を備えた採光装置を提供することができる。
図(イ)は本発明の第1の実施形態である採光装置を示す断面側面図、図(ロ)は同採光装置の太陽光の取り込み状況を示す断面側面図である。 図(イ)は本発明の第2の実施形態である採光装置を示す断面側面図、図(ロ)は拡散部材を示す断面側面図、図(ハ)は拡散部材を示す平面図である。 図(イ)は拡散部材における太陽光の屈折状況を示す断面側面図、図(ロ)は採光装置の太陽光の取り込み及び空気の換気状況を示す断面側面図、図(ハ)は同拡大断面側面図である。 図(イ)は本発明の第3の実施形態である採光装置を示す断面側面図、図(ロ)は拡散部材を示す断面側面図、図(ハ)は拡散部材を示す斜視図である。 図(イ)は採光装置の太陽光の取り込み及び空気の換気状況を示す断面側面図、図(ロ)は、枠体における太陽光の反射状況を示す図(イ)の一部拡大断面側面図である。
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1(イ)に示す本発明の第1の実施形態である採光装置1において、2は採光部、3は照射部、4は導光経路、5は反射材、6は拡散部材である。
採光装置1は、例えば、住宅の屋根面7と居室や廊下の天井面8との間に設けられ、屋根面7に設けられた採光部2から太陽光を取り込み、天井面8に設けられた照射部3から太陽光を屋内へ導くものである。
図1において、9は屋根材、10は屋根下地材、11は屋根下地材を支える垂木であり、12は採光部を支持する枠体、13は枠体12と屋根面7間を止水するための防水シートである。
導光経路4を構成する壁面15は下地材14に固定され、屋内の天井面8は、天井面下地材16に固定された天井面材17により構成される。
本実施例では、屋根面7は棟部から軒先にかけて下方に傾斜するように勾配を付けて形成され、採光部2も屋根面7に併せて勾配を付けて屋根面7に設けられている。天井面8は高さ方向に水平となるように形成され、照射部3も天井面8に併せて高さ方向に水平となるようにして天井面8に設けられている。図1(イ)に示すように、採光部2と照射部3とを接続する導光経路4は、棟側壁面15aと軒側壁面15bとが非並行状態となるように形成されている。
導光経路4を構成する壁面15には採光部2から取り込まれた太陽光を反射させて照射部3へと導光するための反射材5が貼付されている。ここでは、反射効率を高めるため、例えば、反射率90%以上の白色高拡散反射フィルムなどが用いられる。
照射部3には、照射部3の開口寸法と略等しい平面形状の平板からなる拡散部材6としての拡散板が、天井面8を略面一となるように見切り材18を介して天井面8に固定されている。拡散板は、太陽光の透過及び拡散を十分に行うために、例えば、透過率90%程度の乳白色アクリル板が用いられる。
図1(ロ)に示すように、採光装置1は、採光部2から照射部3に至る導光経路4内の壁面15に反射材5が設けられているので、採光部2より取り込まれた太陽光20が導光経路4内で反射する過程で減衰されることなく、照射部3まで導かれる。
また、照射部3には、導光された光を屋内へ拡散する拡散部材6としての拡散板が設けられており、導光された光は拡散板への入射時及び拡散板からの出射時に拡散板により屈折するため、採光部2より取り込まれた太陽光20が導光経路4の壁面15で反射されながら照射部3側へと導かれる過程で光の照射方向が収束されてしまうのを、拡散板を通じて光を拡散して屋内へと照射することができるので、屋内での明るさのムラを防止することができる。
さらに、拡散部材6としての拡散板が天井面8と略面一となるように照射部3に取り付けられているので、拡散板により採光装置1の導光経路4を目隠しすることができるとともに、天井面8の意匠をすっきりとしたものにすることができる。
図2(イ)に示す本発明の第2の実施形態である採光装置25において、26は拡散部材である。なお、第1の実施形態と共通する要素は同じ符号を付している。
図2(ロ)、(ハ)に示すように、拡散部材26は、複数の断面円形の円柱形拡散棒27‥が長さ方向を水平にして、それぞれが間隔をあけて平行に配設されている。28は複数の円柱形拡散棒27‥をそれぞれ固定し、天井面8の照射部3に取り付けるための枠体である。それぞれの円柱形拡散棒27‥の断面形状は同一である必要はないが、ここでは同一断面形状の円柱形拡散棒を採用している。また、円柱形拡散棒27‥どうしの間隔も同一である必要はないが、ここでは全ての間隔を同一とし、その間隔は円柱形拡散棒27‥の円形断面と略同一の寸法としている。円柱形拡散棒27は、太陽光の透過及び拡散を十分に行うために、例えば、透過率90%程度の乳白色円柱形アクリル棒が用いられる。
図3(イ)に示すように、採光部2から取り込まれ導光経路4を経由して導かれた太陽光20は、円柱形拡散棒27への入射時及び円柱形拡散棒27からの出射時に円柱形拡散棒27により屈折するため、太陽光20は円柱形拡散棒27‥により構成される拡散部材26により拡散して屋内に照射されるため、屋内での明るさのムラを防止することができる。
また、図3(ロ)、(ハ)に示すように、拡散部材26は、複数の円柱形拡散棒27‥が間隔をあけて配設されているので、その円柱形拡散棒27‥どうしの隙間より通風が可能となるため、拡散部材26を通して空気28の通風を行うことができ、採光部2を開閉可能なものとすることで、採光部2と照射部3との間で導光経路4を介して、屋外と屋内の換気をすることができ、採光装置25は、太陽光20を外部から取り込むだけでなく、換気も行うことができる。図中、28は空気の流れを示す。
図4(イ)に示す本発明の第3の実施形態である採光装置35において、36は拡散部材である。なお、第1の実施形態と共通する要素は同じ符号を付している。
図4(ロ)、(ハ)に示すように、拡散部材36は、照射部3の開口寸法より少し小さい平面形状の平板の拡散板37とその周囲を囲む枠体38により形成され、枠体38を含む拡散部材36の平面形状が、照射部3の開口寸法より少し大きくなるようになされている。枠体38の上面は、外側に向けて下向きに傾斜している傾斜面39を有し、傾斜面39は太陽光を高効率に反射することができるようになされている。そのため、例えば、傾斜面39が高効率反射板で形成されていてもよいし、傾斜面39の下地材に高効率反射フィルムが貼付されていてもよい。図4(イ)に示すように、拡散部材36は照射部3の下面に、拡散部材36と天井面8の間に隙間を形成させるように取り付けられている。取り付けは、例えば、天井面8から垂下したワイヤー40‥で拡散部材36の枠体38を吊持されるとよい。拡散板37は、太陽光の透過及び拡散を十分に行うために、例えば、透過率90%程度の乳白色アクリル板が用いられる。
図5(イ)に示すように、採光部2から取り込まれ導光経路4を経由して導かれた太陽光20は、拡散部材36により拡散して屋内に照射することができるため、屋内での明るさのムラを防止することができる。
また、図5(イ)に示すように、採光装置35では、照射部3の下面に、拡散部材36と天井面8の間に隙間を形成させるように取り付けられているので、拡散部材36と天井面8の間に隙間を介して通風を行うことができ、採光部2を開閉可能なものとすることで、採光部2と照射部3との間で導光経路4を介して、屋外と屋内の換気をすることができ、採光装置35は、太陽光20を外部から取り込むだけでなく、換気も行うことができる。図中、28は空気の流れを示す。
さらに、図5(ロ)に示すように、採光部2から取り込まれ導光経路4を経由して導かれた太陽光20の一部は、拡散部材36の枠体38の傾斜面39により反射され照射部3周囲の天井面8を照射するため、太陽光20を天井面8に対しても反射させることができ、太陽光20を間接光として、やわらかい印象で屋内へと取り込むことができる。また、枠体38の傾斜が外側に向けて下向きに傾斜しているため、屋内側から拡散部材36を見たときに、枠体38の傾斜により拡散部材36の厚み感を抑えることができ、見た目にすっきりとした採光装置とすることができる。
以上に、本発明の実施形態を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、屋根面の採光部直下に照射部がある場合について示したが、照射部は採光部の直下に限定されることはなく、水平方向に異なる位置にあってもよく、採光部から照射部への導光経路も直線である必要はなく、L型やU型など途中で屈曲していてもよい。また、採光部の取付け位置についても傾斜している屋根面に限定されず、陸屋根に設けられてもよいし、建物垂直方向の壁面に設けられてもよい。
また、拡散部材としての拡散板の形状に限定はなく、中央部と端部で断面厚さの異なる異型断面の拡散板であってもよいし、拡散板表面部に凹凸が形成されていてもよく、要は入射した太陽光が屈折により拡散して出射されるものであればよい。
1,25,35・・・採光装置
2・・・採光部
3・・・照射部
4・・・導光経路
5・・・反射板
6・・・拡散板(拡散部材)
7・・・屋根面
8・・・天井面

Claims (4)

  1. 屋外の採光部より取り込んだ太陽光を、屋内天井面に設けられた照射部を介して屋内に導く採光装置であって、
    該採光部から該照射部に至る導光経路内壁面には反射材が設けられ、
    該照射部には、導光された光を屋内へ拡散する拡散部材が設けられたことを特徴とする採光装置。
  2. 前記拡散部材が、天井面と略面一となるように照射部に取り付けられている請求項1に記載の採光装置。
  3. 前記採光部及び拡散部材が通風可能であり、屋外と屋内間で換気可能な請求項1乃至2に記載の採光装置。
  4. 前記拡散部材が乳白色アクリル板である請求項1乃至3に記載の採光装置。
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