JP2012042708A - 制御装置および電子機器 - Google Patents

制御装置および電子機器 Download PDF

Info

Publication number
JP2012042708A
JP2012042708A JP2010183712A JP2010183712A JP2012042708A JP 2012042708 A JP2012042708 A JP 2012042708A JP 2010183712 A JP2010183712 A JP 2010183712A JP 2010183712 A JP2010183712 A JP 2010183712A JP 2012042708 A JP2012042708 A JP 2012042708A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dimming control
unit
signal
light
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2010183712A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Yoshimoto
洋志 吉元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2010183712A priority Critical patent/JP2012042708A/ja
Publication of JP2012042708A publication Critical patent/JP2012042708A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal Display Device Control (AREA)
  • Control Of Indicators Other Than Cathode Ray Tubes (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

【課題】光源の調光制御に伴う映像のちらつきを低減可能な表示装置の制御装置およびこれを備えた電子機器を提供すること。
【解決手段】電子機器としての投射型表示装置1000は、映像信号の解析を行う映像信号解析部211と、映像信号解析部211による解析結果に基づいて、光源としてのランプユニット1101の調光制御値を含む調光制御信号を生成する調光制御信号生成部212と、上記調光制御値と映像信号の補正量との関係が記憶された記憶部215と、映像信号の補正量に基づいた映像補正信号を生成する映像補正信号生成部214と、映像補正信号によって、映像信号を補正して光変調手段の液晶装置100に出力する映像信号補正部231と、映像信号補正部231により補正された映像信号の出力タイミングを調光制御信号の出力タイミングよりも遅らせる映像信号遅延部としての調光制御信号処理部213と、を有する制御装置200を備えている。
【選択図】図5

Description

本発明は、照明用の光源を有する表示装置を制御する制御装置およびこれを備えた電子機器に関する。
上記制御装置として、例えば表示素子としての液晶パネルに対して光源からの光を入射させることで画像を表示する液晶表示装置を制御するものがある。
このような液晶表示装置においては、調光手段を用いて光源の輝度を制御するという技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、調光手段として開口を有する遮光板が例示されている。遮光板を移動または回転させることで遮光板を通過する光量を調整している。
また、例えば映像信号に応じて調光手段を制御し、映像信号に適した輝度を実現するように構成される投射型液晶表示装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。該投射型液晶表示装置では、映像信号の1画面当たりの平均輝度、最大輝度、最小輝度などを検出する輝度検出回路と、調光手段として光源輝度変調回路とを有し、光源輝度変調回路は、輝度検出回路により検出された輝度情報に応じて光源の電源電圧を上げたり下げたりして光源の輝度を制御している。
また、このような調光制御において、映画やテレビなどのように画面の明るさがさまざまに変化する場合、明るさの変化に調光状態が追従しないと、映像がちらついて見えるなどの不具合を生ずることがある。これに対して、画像信号を再生する際に、調光制御信号を基に、再生する画像信号と同期して調光素子の光量を制御する映像表示方法あるいは映像表示装置が知られている(特許文献3)。
さらに特許文献3には、調光制御信号がホワイトバランス情報を含み、ホワイトバランス情報から撮影時の光源色を示す撮影時光源色情報を得た後、当該撮影時光源色情報を打ち消して、基準の色情報を示す基準点色情報に補正する補正光源情報を算出し、当該補正光源情報を基に、再生する画像信号と同期して調光素子の光量を制御することが開示されている。
特開2003−186111号公報 特開平5−66501号公報 特開2005−117616号公報
しかしながら、上記従来の調光制御において、特許文献2のように光源の電源電圧を直接的に制御して輝度を調整する場合は、特許文献1のように調光手段として機械的な遮光板を用いる場合に比べて、特許文献3のように画像信号と同期して調光素子の光量(輝度)を制御したとしても、輝度の変化に伴う光の色調変化が遅れて発生し、光の色調変化の遅れが映像の色ずれやちらつきとして見えてしまうという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例の制御装置は、光変調手段に対して入力される映像信号と、光源から前記光変調手段に入射される光の輝度とを制御する制御装置であって、前記映像信号の解析を行う映像信号解析部と、前記映像信号解析部による解析結果に基づいて、前記光源の輝度を制御するための調光制御値を含む調光制御信号を生成する調光制御信号生成部と、前記調光制御値と前記映像信号の補正量との関係が記憶された記憶部と、前記映像信号の補正量に基づいた映像補正信号を生成する映像補正信号生成部と、前記映像補正信号によって、前記映像信号を補正する映像信号補正部と、前記映像信号補正部から出力される補正された前記映像信号の出力タイミングを前記調光制御信号の出力タイミングよりも遅らせる映像信号遅延部と、を備えたことを特徴とする。
本適用例の制御装置によれば、例えばR(赤)、G(緑)、B(青)の3原色に対応した映像信号が入力された光変調手段に光源から光を入射させることにより表示を行う表示装置が制御される。光変調手段としては、透過型あるいは反射型の液晶装置やDMD(デジタル・ミラー・デバイス)などが挙げられる。
本適用例の制御装置の動作時には、先ず光変調手段に入力される映像信号が、映像信号解析部によって解析される。映像信号解析部は、具体的には、映像信号によって表示される映像の明るさなどを解析することで、後述する調光制御信号を生成するための情報や、映像信号に対する補正処理を行うための情報を得る。
続いて、調光制御信号生成部において、光源の輝度(言い換えれば、光源から光変調手段に入射される光量)を制御するための調光制御信号が生成される。調光制御信号は、光源を制御するための調光制御値(例えば、光源に与えられる電力値を制御する値)が含まれる信号である。調光制御信号生成部は、映像信号解析部における解析の結果に基づいて、調光制御信号を生成する。これにより、映像信号に応じた調光制御信号が生成される。
具体的には、映像信号が比較的明るい映像を表示させるようなものであった場合、比較的高い調光制御値(即ち、光源を明るくするような調光制御値)を含む調光制御信号が生成され、映像信号が比較的暗い映像を表示させるようなものであった場合、比較的低い調光制御値(即ち、光源を暗くするような調光制御値)を含む調光制御信号が生成される。このような、映像信号と調光制御値との関係は、実験的、理論的或いは経験的に予め求められている。
調光制御信号が生成されると、調光制御部によって、調光制御信号の調光制御値に応じた光源の輝度制御が行われる。これにより、映像の明るさに応じた光が光変調手段に入射するため、高いコントラストを実現することが可能となる。
他方で、映像補正信号生成部では、映像信号を補正するための映像補正信号が生成される。尚、ここでの「補正」は、光源の輝度を変化させることに起因する光の色調の変化に対応するための補正であり、例えば光のスペクトルが変化することによるホワイトバランスの変化(色ずれ)を小さくする効果を有する。映像補正信号は、調光制御信号に基づいて生成される。即ち、光源の明るさに応じた映像補正信号が生成される。このような、光源の明るさと映像補正信号との関係は、実験的、理論的或いは経験的に予め求められている。
記憶部には、調光制御値と映像信号の補正量との関係が記憶されている。具体的には、例えば調光制御信号に含まれる調光制御値と、該調光制御値に対応する映像信号の補正量の値との対応関係を示すテーブルなどが、記憶部の一例であるメモリーなどに予め記憶されている。映像信号の補正量は、調光制御信号に含まれる調光制御値による制御が行われた場合に、より高品質な映像を表示可能とするための補正量(即ち、入力された映像信号を、制御された輝度に適した映像信号とするための補正量)として、対応付けられている。
映像補正信号生成部においては、記憶部に記憶された映像信号の補正量の値から、生成された調光制御信号の調光制御値に対応する値を選択することで、映像補正信号が生成される。このため、映像補正信号生成部は、例えば調光制御信号に含まれる調光制御値などを用いた複雑な計算などを行わずとも、容易且つ的確に映像補正信号を生成できる。従って、装置構成や装置制御をより簡単なものとすることが可能である。
映像補正信号が生成されると、映像信号補正部によって、映像補正信号に応じた映像信号の補正が行われる。これにより、光の色調が変化することによる悪影響(例えばホワイトバランスの変化)を、殆ど或いは全く無くすことが可能となる。尚、映像信号の補正は、例えばR,G,Bの光の3原色に対応した映像信号の相対的な割合を変化させることで行われる。
補正された映像信号は、映像信号遅延部によって調光制御信号の出力タイミングよりも遅れて光変調手段に出力される。したがって、調光制御信号の調光制御値に基づいて調光制御部が光源の輝度を制御したときに実際に光源から発せられた光の色調変化が遅れて生じても、光の色調変化に対応させて補正された映像信号を光変調手段に入力させることが可能となる。よって、補正された映像信号による適正なタイミングの映像表示が行われる。補正された映像信号は、上述したように光の色調が変化することによる悪影響が低減されているため、高品質な映像を表示させることが可能となる。
以上説明したように、本適用例の制御装置によれば、光源の輝度を変化させることに起因する光の色調変化の遅れに対応させて、補正された映像信号が光変調手段に入力されるので、色ずれやちらつきなどが低減された高品質な映像を表示させることが可能である。
[適用例2]上記適用例の制御装置において、前記映像信号遅延部は、前記調光制御信号生成部と前記映像補正信号生成部との間にあって、時間軸上で段階的に前記調光制御値を変化させた映像補正用制御信号を前記映像補正信号生成部に送出することを特徴とする。
この構成によれば、光源の輝度を変化させることに起因する光の色調変化が段階的に生じた場合にも、これに対応させて調光制御値を変化させた映像補正用制御信号を映像補正信号生成部に送出できる。つまり、上記光の色調変化により適合させた状態で補正された映像信号を光変調手段に入力させて、高品質な映像を表示させることができる。
[適用例3]上記適用例の制御装置において、前記映像信号遅延部は、目標の調光制御値と時間軸上における直前の調光制御値との差分を演算する第1演算部と、前記差分に0以上1以下の間の係数を乗じて得られた演算値に前記直前の調光制御値を加えて時間軸上の現在の調光制御値を算出する第2演算部と、前記現在の調光制御値が記憶される記憶部と、を備え、前記第1演算部は、前記現在の調光制御値が前記目標の調光制御値となるまで時間軸上において演算を繰り返すことを特徴とする。
この構成によれば、0以上1以下の間の係数を光源から発せられる光の色調における時間的な変化に対応させて設定すれば、段階的な光の色調変化に対応させた適正なタイミングで補正された映像信号を送出することができる。
[適用例4]上記適用例の制御装置において、前記映像信号遅延部は、前記調光制御信号生成部から出力された前記調光制御信号を記憶する少なくとも1つの記憶部と、前記調光制御信号における少なくとも2つ以上の前記調光制御値を統計処理する統計処理部と、を備えていることを特徴とする。
この構成によれば、統計処理部によって少なくとも2つ以上の調光制御値を統計処理することにより、統計処理された映像補正用制御信号を映像補正信号生成部に送出するまでに時間を要する。したがって、結果的に補正された映像信号の出力タイミングを調光制御信号の出力タイミングに比べて、少なくとも統計処理を行った時間分遅らせることができる。
[適用例5]上記適用例の制御装置において、前記統計処理部は、複数の前記記憶部の中から所定の数の前記記憶部を選択し、選択された前記記憶部に記憶された前記調光制御信号の前記調光制御値を統計処理することが好ましい。
光源の輝度を変化させることによる光の色調変化は、光源の種類などによってもその変化の遅れ方が異なることがある。この構成によれば、光源ごとの光の色調変化の遅れに対応させて複数の記憶部のうちから所定の数を選択すればよい。したがって、光源の種類などに対した柔軟な調光制御を実現できる。
[適用例6]上記適用例の制御装置において、前記統計処理部は、複数の前記調光制御信号における前記調光制御値の平均値を算出することを特徴とする。
この構成によれば、調光制御信号生成部により生成された調光制御信号における調光制御値がねらいに対してばらついていたとしても、平均値を用いることにより適正化を図ることができる。
[適用例7]上記適用例の制御装置において、前記統計処理部は、複数の前記調光制御信号における前記調光制御値の中央値を算出するとしてもよい。
この構成によれば、調光制御信号生成部により生成された調光制御信号における調光制御値がねらいに対してばらついていたとしても、中央値を用いることにより適正化を図ることができる。
[適用例8]上記適用例の制御装置において、前記統計処理部は、複数の前記調光制御信号における前記調光制御値の最大値と最小値とを除いた平均値または中央値を算出することが好ましい。
この構成によれば、調光制御信号生成部により生成された調光制御信号における調光制御値が異常値を含む場合でも、異常値が含まれる最大値と最小値とを除くので、調光制御値の適正な平均値または中央値を提供できる。すなわち、映像補正信号生成部により適正な状態に補正された映像信号を生成可能となる。
[適用例9]上記適用例の制御装置において、前記記憶部は、前記映像信号における1フレームごとの前記調光制御値を記憶することを特徴とする。
この構成によれば、補正された映像信号が1フレームごとに適正なタイミングで出力される。
[適用例10]本適用例の電子機器は、光変調手段と、前記光変調手段に光を入射させる光源と、上記適用例の制御装置と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、映像を色ずれやちらつきなどが少ない高品位な状態で表示可能な電子機器を提供できる。
[適用例11]上記適用例の電子機器において、前記光源は、少なくとも赤色、緑色、青色の3色の色光を分離して発光させ、前記光変調手段は、前記色光を変調することを特徴とする。
この構成によれば、フルカラーの映像を色ずれやちらつきなどが少ない高品位な状態で表示可能な電子機器を提供できる。
[適用例12]上記適用例の電子機器において、前記光源は、少なくとも赤色、緑色、青色の3色の色光を分離して発光させ、前記光変調手段は、前記色光ごとに対応して設けられているとしてもよい。
この構成によれば、異なる発光色の光ごとの輝度変化に対応させて、補正された映像信号をそれぞれの光変調手段に入力可能となり、より優れた表示品位を実現できる。
電子機器としての投射型表示装置の構成を示す概略図。 (a)は光変調手段としての液晶装置の構成を示す概略正面図、(b)は(a)のF−F’線で切った概略断面図。 液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図。 光源の調光制御と光の色調変化との関係を示すグラフ。 実施例1の制御装置を含む投射型表示装置の電気的な構成を示すブロック図。 調光制御とホワイトバランスとの関係を示すCIExy色度図。 調光制御値と映像信号の補正量との関係を示す表。 調光制御値のばらつきを示すグラフ。 実施例1の制御装置における調光制御信号処理部の電気的な構成を示すブロック図。 制御装置の制御動作を示すフローチャート。 実施例2の制御装置における調光制御信号処理部の電気的な構成を示すブロック図。 実施例2の調光制御値の算出方法の一例を示すグラフ。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
本実施形態は、電子機器として投射型表示装置を例に挙げ、この投射型表示装置に用いられた光変調手段と、光源と、これらを制御する制御装置について説明する。
<電子機器>
図1は電子機器としての投射型表示装置の構成を示す概略図、図2(a)は光変調手段としての液晶装置の構成を示す概略正面図、同図(b)は同図(a)のF−F’線で切った概略断面図、図3は液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図である。
図1に示すように、本実施形態の電子機器としての投射型表示装置1000は、システム光軸Lに沿って配置された偏光照明装置1100と、光分離素子としての2つのダイクロイックミラー1104,1105と、3つの反射ミラー1106,1107,1108と、5つのリレーレンズ1201,1202,1203,1204,1205と、3つの光変調手段としての透過型の液晶ライトバルブ1210,1220,1230と、光合成素子としてのクロスダイクロイックプリズム1206と、投射レンズ1207とを備えている。
偏光照明装置1100は、超高圧水銀灯やハロゲンランプなどの白色光源からなる光源としてのランプユニット1101と、インテグレーターレンズ1102と、偏光変換素子1103とから概略構成されている。
ダイクロイックミラー1104は、偏光照明装置1100から射出された偏光光束のうち、赤色光(R)を反射させ、緑色光(G)と青色光(B)とを透過させる。もう1つのダイクロイックミラー1105は、ダイクロイックミラー1104を透過した緑色光(G)を反射させ、青色光(B)を透過させる。
ダイクロイックミラー1104で反射した赤色光(R)は、反射ミラー1106で反射した後にリレーレンズ1205を経由して液晶ライトバルブ1210に入射する。
ダイクロイックミラー1105で反射した緑色光(G)は、リレーレンズ1204を経由して液晶ライトバルブ1220に入射する。
ダイクロイックミラー1105を透過した青色光(B)は、3つのリレーレンズ1201,1202,1203と2つの反射ミラー1107,1108とからなる導光系を経由して液晶ライトバルブ1230に入射する。
液晶ライトバルブ1210,1220,1230は、クロスダイクロイックプリズム1206の色光ごとの入射面に対してそれぞれ対向配置されている。液晶ライトバルブ1210,1220,1230に入射した色光は、映像情報(映像信号)に基づいて変調されクロスダイクロイックプリズム1206に向けて射出される。このプリズムは、4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が合成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ1207によってスクリーン1300上に投射され、画像が拡大されて表示される。
液晶ライトバルブ1210は、後述する透過型の液晶装置100(図2参照)が適用されたものであって、液晶装置100は、色光の入射側と射出側とにおいてクロスニコルに配置された一対の偏光素子の間に隙間を置いて配置されている。他の液晶ライトバルブ1220,1230も同様である。
図2(a)および(b)に示すように、液晶装置100は、一対の基板としての素子基板10および対向基板20と、これら一対の基板によって挟持された電気光学素子としての液晶層50とを有する。
素子基板10は、例えば透明な石英基板あるいは不透明なシリコン基板を用いることができる。サイズは対向基板20よりも大きく、対向基板20の1辺部側に突出した端子部10aを有する。
対向基板20は、透明な例えば石英基板を用いることができる。両基板は、シール40を介して接合され、その隙間に正または負の誘電異方性を有する液晶が封入されて液晶層50を構成している。具体的には、一対の基板のいずれか一方に額縁状にシール40を配置した後に、シール40が配置された方の基板を下方にして両基板を減圧雰囲気下に対向配置する。そして、シール40の内側に所定量の液晶を滴下した後に、両基板を重ね合わせて接合するODF(One Drop Fill)方式によって液晶が封入されている。なお、液晶を封入する方法はODFに限るものではなく、シール40に注入口を設けて液晶を注入した後に、該注入口を封止する方式であってもかまわない。
額縁状に配置されたシール40の内側には、複数の画素Pがマトリックス状に配置された画素領域Eが設けられている。また、画素領域Eとシール40との間には、素子基板10の端子部10aに沿って信号線駆動回路としてのデータ線駆動回路101が設けられている。該端子部10aと直交し互いに対向する他の2辺部に沿って同じく信号線駆動回路としての走査線駆動回路102が設けられている。該端子部10aと対向する他の1辺部に沿って検査回路103が設けられている。これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路102、検査回路103を周辺回路と呼ぶ。
周辺回路のうちデータ線駆動回路101と走査線駆動回路102とにそれぞれ電気的に接続された配線105aが端子部10aに配列した複数の外部接続用端子104にそれぞれ接続している。また、2つの走査線駆動回路102を繋ぐ複数の配線105bが該端子部10aと対向する他の1辺部に沿って検査回路103との間に設けられている。
図2(b)に示すように、素子基板10の液晶層50側の表面には、画素Pごとに設けられた画素電極15と、画素電極15の電気的な制御に係るスイッチング素子としての薄膜トランジスター(Thin Film transistor;TFT)30と、TFT30に繋がる信号線類と、画素電極15を覆う配向膜18とが形成されている。
対向基板20の液晶層50側の表面には、額縁状の見切り部21と、見切り部21を覆う平坦化層22と、平坦化層22を覆うように成膜された共通電極23と、共通電極23を覆う配向膜24とが形成されている。
見切り部21は、遮光性を有する例えば、NiやCrなどの金属材料またはその酸化物などの金属化合物や、遮光性の顔料などを含有した樹脂材料を用いて形成されている。
また、素子基板10に設けられる少なくとも上記周辺回路と平面的に重なるように額縁状に形成されている。これにより、周辺回路へ侵入する光を遮断して、周辺回路における光誤動作を防いでいる。さらには、不必要な光が画素領域Eに入射することを防いでいる。
平坦化層22は、透明な例えばシリコン酸化膜などの無機材料やアクリル系樹脂など有機材料を用いて形成されている。
共通電極23は、透明であって、例えばITO(Indium Tin Oxide)などの導電性材料を用いて蒸着法やスパッタ法により成膜されている。
配向膜18,24は、例えばポリイミドなどの有機樹脂材料や酸化シリコンなどの無機材料からなる。液晶層50における液晶分子は、例えばノーマリーブラックの光学設計条件に基づいて配向膜18,24の表面において所定の方位角とプレチルト角とが与えられ、配向膜面において配向している。
対向基板20に設けられた共通電極23は、図2(a)に示すように対向基板20の四隅に設けられた上下導通部106により素子基板10側の配線105cに電気的に接続している。配線105cの一方の端は、端子部10aに向けて延設され、外部接続用端子104に接続している。
上記配線105a,105b,105cは、例えばAl(アルミニウム)やその合金などの低抵抗金属材料からなるものであり、これに接続された外部接続用端子104は、該低抵抗金属材料からなる基部にさらに低抵抗なAu(金)などのメッキが施されたものである。外部接続用端子104だけが端子部10aに露出するように、これに繋がる上記配線105a,105b,105cは保護膜(図示省略)で覆われている。
図3に示すように、液晶装置100は、少なくとも画素領域Eにおいて互いに絶縁されて直交する信号線としての複数の走査線3aおよび複数のデータ線6aと、走査線3aに対して一定の間隔を置いて平行するように配置された容量線3bとを有する。
走査線3aとデータ線6aならびに容量線3bと、これらの信号線類により区分された領域に、画素電極15と、TFT30と、保持容量16とが設けられ、これらが画素Pの画素回路を構成している。
走査線3aはTFT30のゲートに電気的に接続され、データ線6aはTFT30のソースに電気的に接続されている。画素電極15はTFT30のドレインに電気的に接続されている。
データ線6aはデータ線駆動回路101(図2参照)に接続されており、データ線駆動回路101から供給される画像信号D1,D2,…,Dnを画素Pに供給する。走査線3aは走査線駆動回路102(図2参照)に接続されており、走査線駆動回路102から供給される走査信号SC1,SC2,…,SCmを各画素Pに供給する。データ線駆動回路101からデータ線6aに供給される画像信号D1〜Dnは、この順に線順次で供給してもよく、互いに隣接する複数のデータ線6a同士に対してグループごとに供給してもよい。走査線駆動回路102は、走査線3aに対して、走査信号SC1〜SCmを所定のタイミングでパルス的に線順次で供給する。
液晶装置100は、スイッチング素子であるTFT30が走査信号SC1〜SCmの入力により一定期間だけオン状態とされることで、データ線6aから供給される画像信号D1〜Dnが所定のタイミングで画素電極15に書き込まれる構成となっている。そして、画素電極15を介して液晶層50に書き込まれた所定レベルの画像信号D1〜Dnは、画素電極15と液晶層50を介して対向配置された共通電極23との間で一定期間保持される。
保持された画像信号D1〜Dnがリークするのを防止するため、画素電極15と共通電極23との間に形成される液晶容量と並列に保持容量16が接続されている。保持容量16は、TFT30のドレインと容量線3bとの間に設けられている。
なお、図2(a)に示した検査回路103には、データ線6aが接続されており、液晶装置100の製造過程において、上記画像信号を検出することで液晶装置100の動作欠陥などを確認できる構成となっているが、図3の等価回路では省略している。また、検査回路103は、上記画像信号をサンプリングしてデータ線6aに供給するサンプリング回路、データ線6aに所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して供給するプリチャージ回路を含むものとしてもよい。
前述したように、光変調手段(液晶ライトバルブ)に用いられる液晶装置100は、投射型表示装置1000において、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色光ごとに設けられている。すなわち、個々の液晶装置100に与えられる上記画像信号および上記走査信号は、映像情報におけるR,G,Bの色光ごとの映像信号に基づいて生成されたものである。
図4は光源の調光制御と光の色調変化との関係を示すグラフである。
本実施形態における投射型表示装置1000においては、上記色光ごとの映像信号を解析して、光源としてのランプユニット1101の輝度を上げたり下げたりする調光制御が行われている。具体的には、ランプユニット1101に供給される電力(W)を上げたり下げたりすることで輝度(明るさ)を制御している。
図4に示すように、例えばランプユニット1101において所定の輝度(1.0)が得られる電力(W)を100%として、電力(W)を上げ下げして輝度を変化させると、得られる光の色調(例えば光のスペクトル分布)も変化することが知られている。また、光の色調変化は、輝度の変化に同期しておらず、遅れて発生することが確認された。
このような時間軸上の光の色調変化における遅れ(図4では例えばΔtとして示した)は、本実施形態のように光源であるランプユニット1101に与える電力(W)を制御して、直接的に輝度を制御する場合に顕著である。例えば、特許文献1(特開2003−186111号公報)に示されたように、光源には一定の電力を供給して一定の輝度で発光させ、遮光板などの機械的な調光手段によって射出された発光の光量を制御する方法などに比べて顕著であり、光の色調変化の輝度変化に対する時間的な遅れΔtが映像の「色ずれ」や「ちらつき」となって認識されるおそれがある。
発明者は、上記光の色調変化に対応した映像信号の補正を行うと共に、上記映像の「色ずれ」や「ちらつき」を改善すべく、光源と光変調手段とを制御する制御装置を開発した。以降、実施例を挙げて説明する。
(実施例1)
図5は実施例1の制御装置を含む投射型表示装置の電気的な構成を示すブロック図、図6は調光制御とホワイトバランスとの関係を示すCIExy色度図、図7は調光制御値と映像信号の補正量との関係を示す表、図8は調光制御値のばらつきを示すグラフである。
図5に示すように、実施例1の投射型表示装置1000は、光変調手段(液晶ライトバルブ)に用いられる液晶装置100と、液晶装置100に光(色光)を照射する光源としてのランプユニット1101と、液晶装置100およびランプユニット1101を制御する制御装置200と、を備えている。
制御装置200は、映像信号解析回路210と、ランプ駆動回路220と、ビデオ処理回路230とを有している。
映像信号解析回路210は、映像信号解析部211と、調光制御信号生成部212と、映像信号遅延部としての調光制御信号処理部213と、映像補正信号生成部214と、記憶部215とを備えている。
映像信号解析部211は、映像信号解析回路210に入力された映像信号を解析して、例えば映像信号によって表示される映像の明るさなどの情報を得る。
調光制御信号生成部212は、映像信号解析部211の解析結果に基づいて、調光制御信号を生成する。具体的には、映像信号によって表示される映像の明るさに応じた調光制御値(すなわち、光源に供給される電力(W)を制御するための値)を含んだ信号を生成する。生成された調光制御信号は、ランプ駆動回路220における調光制御部221に送出されると同時に、調光制御信号処理部213にも送出される。
調光制御信号処理部213は、調光制御信号生成部212と映像補正信号生成部214との間にあって、調光制御信号生成部212が生成した調光制御信号に対して、所定の処理を施した調光制御信号を映像補正信号生成部214に送出する。
映像補正信号生成部214は、調光制御信号処理部213により処理された調光制御信号に含まれる調光制御値に基づいて、映像信号を補正するための映像補正信号を生成する。生成された映像補正信号は、ビデオ処理回路230における映像信号補正部231に送出される。映像補正信号の詳細については後述する。
記憶部215は、例えばRAMである。調光制御信号における調光制御値と映像信号の補正量との関係を示すテーブルが記憶されている。テーブルの詳細については後述する。
ランプ駆動回路220は、例えば一または複数の集積回路を含んでなる回路であり、調光制御部221を備えている。調光制御部221は、映像信号解析回路210から送出される調光制御信号における調光制御値に応じてランプユニット1101に供給される電力(W)を制御することができる。
ビデオ処理回路230は、例えば一または複数の集積回路を含んでなる回路であり、映像信号補正部231を備えている。映像信号補正部231は、映像信号解析回路210から送出される映像補正信号に基づいて映像信号を補正することができる。具体的な補正方法については後述する。なお、ビデオ処理回路230は、映像信号補正部231の他にも映像信号に対して各種処理(例えば、γ補正処理など)を行う複数の回路を含むものである。
上記制御装置200によれば、調光制御信号処理部213で調光制御信号に所定の処理を施してから映像補正信号生成部214に送出するので、調光制御信号がランプ駆動回路220に出力されるタイミングに対して、ビデオ処理回路230の映像信号補正部231が補正された映像信号を液晶装置100に出力するタイミングを実質的に遅らせることができる。つまり、調光制御信号に基づくランプユニット1101の輝度の変化よりも遅れて発生する光の色調変化のタイミングに合わせて補正された映像信号を液晶装置100に送出可能とした。詳しくは、後述する調光制御方法において説明する。
図6に示すように、CIExy色度図上において、ランプユニット1101に供給する電力(W)を例えば輝度が最大となる所定の値に対して例えば100%から20%程度まで変化させると、映像信号を補正しない状態では、投射型表示装置1000における白を表示させたときの色座標(x,y)は、ほぼ直線的に変化した。具体的には、供給される電力(W)が上記所定の値に対して100%のときには、色座標(x,y)が(0.325,0.400)となり目視ではほぼ白く見えた。これに対して供給される電力(W)が所定の値の20%となると白を表示させたときの色座標(x,y)が(0.378,0.520)となってやや緑がかって見えた。
本実施形態では、このようなランプユニット1101の輝度の変化に伴う白表示時の色調変化(ホワイトバランス)を補正すべく、調光制御信号における調光制御値と、色光ごとに設けられた各液晶装置100における映像信号の補正量との関係を導いて、記憶部215に予め記憶させた。
具体的には、記憶部215には、図7に示すようなテーブル(表)が記憶されている。ここでの調光制御値は、前述したようにランプユニット1101に供給される電力(W)を、所定の値に対する百分率の値としている。そしてテーブルには、調光制御値に対応する値として、R(赤)、G(緑)、B(青)の3つの映像信号をそれぞれ補正するための補正係数が記憶されている。RGBにそれぞれ対応する補正係数は、例えば以下に示す手法で導出することができる。
先ず、光源の出力を制御した際のW(白)、及びRGBの色特性X、Y、Zを測定する。ここで、WとRGBとの間には、以下の数式(1)の関係が成り立つ。
W=R+G+B ・・・(1)
そしてWの色特性XW、YW、ZWと、Rの色特性XR、YR、ZRと、Gの色特性XG、YG、ZGと、Bの色特性XB、YB、ZBとの関係は、係数a及びbを用いて、以下の数式(2)から(4)で表すことができる。
XW=aXR+XG+bXB ・・・(2)
YW=aYR+YG+bYB ・・・(3)
ZW=aZR+ZG+bZB ・・・(4)
ここで、以下の数式(5)及び(6)で表される係数x及びyを考える。
x=X/(X+Y+Z) ・・・(5)
y=Y/(X+Y+Z) ・・・(6)
そして、この係数x及びyの値が初期値から変わらないような係数a及びbを計算する。このときのaがR用補正係数、1がG用補正係数、bがB用補正係数となる。尚、aまたはbの値が“1”を超える場合は、大きい方の値で他の2つの係数を割ったものが補正係数となる。例えば、a>b且つa>1の場合、R用補正係数はa/a=1、G用補正係数は1/a、B用補正係数はb/aとなる。
このように、ある1つの映像信号に対する係数が“1”となるようにすれば、補正に係る処理を比較的簡単なものとすることができる。例えば、図7に示すテーブルでは、B用補正係数が基準として“1”になるように設定されているため、実質的には、R及びGの2つの映像信号を補正すれば済む。
またテーブルには、調光制御値がとり得る値すべてについて、補正係数が記憶されていなくともよい。仮に、記憶部215に記憶されていないような調光制御値が決定された場合であっても、例えば直線近似などを用いて値を補間することで、適切な補正係数を導き出すことができる。
映像信号解析部211は、例えば1フレームごとの映像信号を解析して映像の明るさを示す情報を収集する。調光制御信号生成部212は、映像信号の1フレームにおける明るさの情報に対応した調光制御信号を生成する。したがって、図8に示すように、時間経過に伴い、映像信号の1フレームに対応した調光制御値が得られる。このような調光制御値の時間軸における変化は、映像信号における明るさの変化に基づいているが、例えばランプユニット1101として超高圧水銀灯を用いた場合には、ランプ駆動回路220における電力制御の電圧値は高電圧(数百V)となり、ランプ駆動回路220からのノイズによって異常値を示すことがあった。図8における調光制御値のMax値またはMin値は、このようなノイズに起因する異常値を含む場合もある。
図9は実施例1の制御装置における調光制御信号処理部の電気的な構成を示すブロック図である。
本実施形態における制御装置200の調光制御信号処理部213は、上述した調光制御値のばらつきを考慮して構成されている。
具体的には、図9に示すように、調光制御信号処理部213は、4つの記憶部M1,M2,M3,M4と、統計処理部213aとを備えている。
4つの記憶部M1,M2,M3,M4はそれぞれ統計処理部213aに接続されている。調光制御信号生成部212から送出された調光制御信号は、まず記憶部M1に所定の期間記憶される。所定の期間とは例えば前述した映像信号の1フレームに相当する期間である。そして、所定の期間が過ぎて次の調光制御信号が記憶部M1に入力されると、先に記憶された調光制御信号は記憶部M1から記憶部M2へと送出され記憶される。このようにして、逐次調光制御信号が記憶部M1,M2,M3,M4に記憶されてゆく構成となっている。
統計処理部213aは、記憶部M1,M2,M3,M4に記憶された複数の調光制御信号のうちの少なくとも2つ以上の調光制御信号における調光制御値を読み込んで、統計的な処理を施した後に映像補正用制御信号として映像補正信号生成部214へ送出することができる。したがって、統計処理部213aにおいて統計的な処理を施すに必要な時間だけ、映像補正信号の生成を遅らせることができる。具体的な統計処理については、後述する調光制御方法において説明する。
<調光制御方法>
図10は、制御装置の制御動作を示すフローチャートである。図10に示すように、本実施形態における制御装置200の制御動作すなわち調光制御方法は、映像信号解析工程(ステップS1)と、調光制御信号生成工程(ステップS2)と、調光制御工程(ステップS3)と、統計処理工程(ステップS4)と、映像補正信号生成工程(ステップS5)と、映像補正工程(ステップS6)とを備えている。ステップS2において調光制御信号が生成されると、ステップS3とステップS4〜ステップS6とは並行して処理が進行する。
ステップS1では、前述したように、制御装置200の映像信号解析回路210における映像信号解析部211は、入力された映像信号を1フレームごとに解析して、1フレームごとの映像の明るさの情報を得る。そして、ステップS2へ進む。
ステップS2では、調光制御信号生成部212は、映像信号解析部211によって得られた1フレームごとの映像の明るさの情報に基づいた調光制御値の情報を含む調光制御信号を生成する。そして、ステップS3およびステップS4へ進む。
ステップS3では、ランプ駆動回路220における調光制御部221は、調光制御信号の調光制御値に応じてランプユニット1101に供給する電力(W)を制御する。
一方、ステップS4では、調光制御信号処理部213における統計処理部213aは、4つの記憶部M1,M2,M3,M4に記憶された調光制御信号の調光制御値を統計的に処理する。統計処理の仕方には、いくつかの方法が挙げられる。
例えば、4つの記憶部M1,M2,M3,M4に記憶された調光制御信号の調光制御値のうち少なくとも2つ以上の調光制御値を用いて平均値を算出する方法。あるいは、3つ以上の調光制御値を用いて中央値を算出する方法がある。平均値の算出は調光制御値が一定の範囲で均等にばらついている場合に有効であり、中央値の算出は調光制御値が一定の範囲内で偏ってばらついている場合に有効である。これにより、適正な調光制御値を算出することができる。
また、前述したように調光制御値は、ランプ駆動回路220におけるノイズなどの影響を受けて異常値を示すことがあるので、例えば、4つの記憶部M1,M2,M3,M4に記憶された調光制御信号の調光制御値のうち最大値と最小値とを除いた残り2つの調光制御値の平均値を算出するとしてもよい。このようにすれば、異常値の影響を排除してより適正な調光制御値を算出することができる。
このような調光制御値の統計処理の方法は、投射型表示装置1000の電気的な構成、とりわけ光源がどのような仕様であるかを考慮して行うことが望ましい。すなわち、光源に供給される電力(W)を制御して直接的に輝度を制御する場合、輝度の変化に伴う光の色調変化の遅れΔtは光源の仕様によっても異なることが考えられる。
したがって、調光制御信号処理部213において、記憶部は、4つに限定されることはなく、光の色調変化の遅れΔtを考慮した数の記憶部を設けておくことがよい。あるいは、複数の記憶部を設けておき、光の色調変化の遅れΔtによって選択される記憶部の数を異ならせてもよい。このようにすれば、光源の仕様の変化にも柔軟に対応可能な制御装置200を構成することができる。
なお、複数の記憶部を設ける場合、調光制御値のデジタル処理を考慮すると、記憶部の数は偶数であることが望ましい。そして、ステップS5へ進む。
ステップS5では、映像補正信号生成部214は、統計処理部213aによって算出された調光制御値を含む映像補正用制御信号に基づいた映像補正信号を生成する。そして、ステップS6へ進む。
ステップS6では、ビデオ処理回路230の映像信号補正部231は、ステップS5で生成された映像補正信号と、映像信号解析回路210の記憶部215に記憶された調光制御値と映像信号の補正量との関係を示したテーブル(図7参照)とを参照して、適正化された調光制御値に対応するR用補正係数、G用補正係数を求めて、RおよびGに対応する映像信号を補正して、それぞれの色光に対応する液晶装置100に出力する。
このような実施例1の制御装置200による調光制御方法によれば、調光制御信号の出力タイミングに対して、補正された映像信号の出力タイミングを実質的に遅らせることができる。これにより、光源であるランプユニット1101の調光制御に伴う光の色調変化の遅れに対応させて、適正に補正された映像信号が出力され、色ずれやちらつきなどが目立たない優れた表示品位を実現できる。
また、実施例1の調光制御信号処理部213の構成によれば、調光制御値がばらついていても適正な調光制御値に基づく映像信号の補正が可能となる。さらには、ランプ駆動回路220のノイズなどにより調光制御信号に異常な調光制御値が含まれていたとしても、これを排除して適性な調光制御値に基づく映像信号の補正を実現できる。
(実施例2)
図11は、実施例2の制御装置における調光制御信号処理部の電気的な構成を示すブロック図、図12は実施例2の調光制御値の算出方法の一例を示すグラフである。
図5に示した制御装置200の映像信号解析回路210における調光制御信号処理部213の構成は、実施例1に示したものに限定されず、以降説明する実施例2の構成としてもよい。
図11に示すように、実施例2の調光制御信号処理部250は、目標の調光制御値と時間軸上における直前の調光制御値との差分を演算する第1演算部251と、当該差分に0以上1以下の間の係数を乗ずる第2演算部252と、第2演算部252により得られた演算値に直前の調光制御値を加えて時間軸上の現在の調光制御値を算出する第3演算部253と、現在の調光制御値が記憶される記憶部254と、を備えている。第1演算部251は、現在の調光制御値が目標の調光制御値となるまで時間軸上において演算を繰り返して行う。上記0以上1以下の係数は、例えば記憶部255に予め記憶されており、第2演算部252は記憶部255に記憶された係数を参照して演算を繰り返して行う。
調光制御信号処理部250は、例えば図12に示すように、時間軸上において、時間t0の段階で調光制御信号生成部212が映像信号解析部211によって得られた映像の明るさの情報に基づいて、目標となる調光制御値(目標値)を含む調光制御信号を生成する。
第1演算部251は、目標の調光制御値と直前の調光制御値との差分を演算して求める。求められた差分に対して第2演算部252は0以上1以下の係数を乗ずる。当該係数を乗じて得られた差分(演算値)に対して第3演算部253は直前の調光制御値を加える。これにより時間t1において目標値よりも小さい現在の調光制御値(図12に示した現在値)が求められる。このようにして求められた現在値が目標値となるまで演算を繰り返す(この場合、時間t1〜時間t5まで)。記憶部254には演算の都度、求められた現在値すなわち映像補正用の制御値が記憶される。映像補正信号生成部214は、記憶部254に記憶された現在の映像補正用の制御値(現在値)を参照して、映像補正信号を生成する。
したがって、例えば図12のように映像補正用の制御値(現在値)が時間の経過に伴って2次曲線上を推移するように上記係数を設定しておけば、時間軸上において目標値まで段階的に変化させた上記制御値(現在値)を算出して映像補正信号生成部214に送り込むことができる。
つまり、光源であるランプユニット1101の調光制御に伴う光の色調変化が例えば2次曲線上を経由するように変化する場合には、その変化に対応させて補正された映像信号を液晶装置100に出力することができる。よって、目標の調光制御値を含む調光制御信号の出力タイミングに対して、補正された映像信号の出力タイミングを段階的に遅らせて送出することができる。
上記0以上1以下の係数の設定は、図12に示したように上記制御値(現在値)が2次曲線上を段階的に変化するものに限定されず、例えば、目標値まで直線的に変化するように設定してもよい。このような係数の設定は、光源としてのランプユニット1101における上記光の色調変化が実際にどのように現れるかによって、色ずれやちらつきが目立ち難くなる値を演算の単位時間(時間t0〜時間t1に要する単位時間)ごとに予め求めておく。
実施例2の調光制御信号処理部250を備えた制御装置200によれば、段階的に変化する光の色調変化に対応させて、適正な値に補正された映像信号を液晶装置100に送出することができる。したがって、投射型表示装置1000において調光制御に伴う色ずれやちらつきが低減され、優れた表示品位の映像表示が可能となる。
なお、調光制御信号を用いた映像信号処理を説明する関係で、第1演算部251、第2演算部252、第3演算部253をそれぞれ独立させた構成としたが、これに限定されず、第2演算部252は第3演算部253の演算機能を含むものとしてもよい。あるいは、すべての演算機能を1つの演算部にまとめて行わせることも可能である。
上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例1)上記実施形態において、投射型表示装置1000における光変調手段(液晶ライトバルブ)に用いられる液晶装置100は、透過型に限定されない。反射型の液晶装置(例えばLCOS;Liquid crystal on silicon)としてもよい。
また、光変調手段は液晶装置100を用いたものに限定されず、DMD(Digital Micromirror Device)を用いた場合にも、制御装置200による調光制御を適用できる。
さらには、光変調手段は、色光ごとに設けることに限定されず、1つの光変調手段に対して異なるタイミングで少なくとも赤(R)、緑(G)、青(B)の色光が入射するように構成してもよい。
(変形例2)上記実施形態において、映像信号補正部231から出力される補正された映像信号の出力タイミングを調光制御信号の出力タイミングよりも遅らせる映像信号遅延部は、実施例1の調光制御信号処理部213や実施例2の調光制御信号処理部250に限定されない。映像信号補正部231から出力され補正された映像信号を液晶装置100の直前で遅延させて出力する構成も採用できる。
(変形例3)上記実施形態の制御装置200の構成は、これに限定されない。例えば、ランプ駆動回路220やビデオ処理回路230を除いた構成としてもよく、ランプ駆動回路220は光源側に、ビデオ処理回路230は光変調手段側に含める構成としてもよい。
(変形例4)上記実施形態の制御装置200を備える電子機器は、投射型表示装置1000に限定されず、例えばCFLやLEDを光源として用いた直視型の表示装置を備えた電子機器においても適用することができる。適用可能な電子機器としては、パーソナルコンピューター、液晶テレビ、カーナビゲーション装置、ワークステーション、POS端末などを挙げることができる。
100…液晶装置、200…制御装置、211…映像信号解析部、212…調光制御信号生成部、213…映像信号遅延部としての調光制御信号処理部、213a…統計処理部、214…映像補正信号生成部、215…記憶部、251…第1演算部、252…第2演算部、254…記憶部、1000…電子機器としての投射型表示装置、1101…光源としてのランプユニット、1210,1220,1230…光変調手段としての液晶ライトバルブ、M1,M2,M3,M4…記憶部。

Claims (12)

  1. 光変調手段に対して入力される映像信号と、光源から前記光変調手段に入射される光の輝度とを制御する制御装置であって、
    前記映像信号の解析を行う映像信号解析部と、
    前記映像信号解析部による解析結果に基づいて、前記光源の輝度を制御するための調光制御値を含む調光制御信号を生成する調光制御信号生成部と、
    前記調光制御値と前記映像信号の補正量との関係が記憶された記憶部と、
    前記映像信号の補正量に基づいた映像補正信号を生成する映像補正信号生成部と、
    前記映像補正信号によって、前記映像信号を補正する映像信号補正部と、
    前記映像信号補正部から出力される補正された前記映像信号の出力タイミングを前記調光制御信号の出力タイミングよりも遅らせる映像信号遅延部と、を備えたことを特徴とする制御装置。
  2. 前記映像信号遅延部は、前記調光制御信号生成部と前記映像補正信号生成部との間にあって、時間軸上で段階的に前記調光制御値を変化させた映像補正用制御信号を前記映像補正信号生成部に送出することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記映像信号遅延部は、目標の調光制御値と時間軸上における直前の調光制御値との差分を演算する第1演算部と、
    前記差分に0以上1以下の間の係数を乗じて得られた演算値に前記直前の調光制御値を加えて時間軸上の現在の調光制御値を算出する第2演算部と、
    前記現在の調光制御値が記憶される記憶部と、を備え、
    前記第1演算部は、前記現在の調光制御値が前記目標の調光制御値となるまで時間軸上において演算を繰り返すことを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
  4. 前記映像信号遅延部は、前記調光制御信号生成部から出力された前記調光制御信号を記憶する少なくとも1つの記憶部と、
    前記調光制御信号における少なくとも2つ以上の前記調光制御値を統計処理する統計処理部と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  5. 前記統計処理部は、複数の前記記憶部の中から所定の数の前記記憶部を選択し、選択された前記記憶部に記憶された前記調光制御信号の前記調光制御値を統計処理することを特徴とする請求項4に記載の制御装置。
  6. 前記統計処理部は、複数の前記調光制御信号における前記調光制御値の平均値を算出することを特徴とする請求項4または5に記載の制御装置。
  7. 前記統計処理部は、複数の前記調光制御信号における前記調光制御値の中央値を算出することを特徴とする請求項4または5に記載の制御装置。
  8. 前記統計処理部は、複数の前記調光制御信号における前記調光制御値の最大値と最小値とを除いた平均値または中央値を算出することを特徴とする請求項6または7に記載の制御装置。
  9. 前記記憶部は、前記映像信号における1フレームごとの前記調光制御値を記憶することを特徴とする請求項4乃至7のいずれか一項に記載の制御装置。
  10. 光変調手段と、
    前記光変調手段に光を入射させる光源と、
    請求項1乃至9のいずれか一項に記載の制御装置と、
    を備えたことを特徴とする電子機器。
  11. 前記光源は、少なくとも赤色、緑色、青色の3色の色光を分離して発光させ、
    前記光変調手段は、前記色光を変調することを特徴とする請求項10に記載の電子機器。
  12. 前記光源は、少なくとも赤色、緑色、青色の3色の色光を分離して発光させ、
    前記光変調手段は、前記色光ごとに対応して設けられていることを特徴とする請求項10に記載の電子機器。
JP2010183712A 2010-08-19 2010-08-19 制御装置および電子機器 Withdrawn JP2012042708A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010183712A JP2012042708A (ja) 2010-08-19 2010-08-19 制御装置および電子機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010183712A JP2012042708A (ja) 2010-08-19 2010-08-19 制御装置および電子機器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012042708A true JP2012042708A (ja) 2012-03-01

Family

ID=45899104

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010183712A Withdrawn JP2012042708A (ja) 2010-08-19 2010-08-19 制御装置および電子機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012042708A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014062961A (ja) * 2012-09-20 2014-04-10 Casio Comput Co Ltd 表示装置、投影装置、表示方法及びプログラム

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002031846A (ja) * 2000-05-08 2002-01-31 Canon Inc 表示装置および映像信号処理装置
JP2003162002A (ja) * 2001-11-26 2003-06-06 Seiko Epson Corp 投射型表示装置及び表示装置とその駆動方法
JP2005079994A (ja) * 2003-09-01 2005-03-24 Seiko Epson Corp 映像表示方法および映像表示装置
JP2005203942A (ja) * 2004-01-14 2005-07-28 Sanyo Electric Co Ltd 投射型映像表示装置
JP2006047464A (ja) * 2004-08-02 2006-02-16 Olympus Corp 画像投影装置
JP2008102287A (ja) * 2006-10-18 2008-05-01 Toshiba Corp 光源制御装置および光源制御方法
JP2010066405A (ja) * 2008-09-09 2010-03-25 Sony Corp 情報処理装置、およびプログラム

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002031846A (ja) * 2000-05-08 2002-01-31 Canon Inc 表示装置および映像信号処理装置
JP2003162002A (ja) * 2001-11-26 2003-06-06 Seiko Epson Corp 投射型表示装置及び表示装置とその駆動方法
JP2005079994A (ja) * 2003-09-01 2005-03-24 Seiko Epson Corp 映像表示方法および映像表示装置
JP2005203942A (ja) * 2004-01-14 2005-07-28 Sanyo Electric Co Ltd 投射型映像表示装置
JP2006047464A (ja) * 2004-08-02 2006-02-16 Olympus Corp 画像投影装置
JP2008102287A (ja) * 2006-10-18 2008-05-01 Toshiba Corp 光源制御装置および光源制御方法
JP2010066405A (ja) * 2008-09-09 2010-03-25 Sony Corp 情報処理装置、およびプログラム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014062961A (ja) * 2012-09-20 2014-04-10 Casio Comput Co Ltd 表示装置、投影装置、表示方法及びプログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI393945B (zh) 視頻信號處理電路,顯示設備,液晶顯示設備,投影式顯示設備,及視頻信號處理方法
US8493302B2 (en) Liquid crystal display device with correction voltage different from video signal applied to data line in display period
US8866914B2 (en) Pattern position detection method, pattern position detection system, and image quality adjustment technique using the method and system
US8242991B2 (en) Liquid crystal display apparatus
JP4799629B2 (ja) 投写型映像表示装置
JP2005258404A (ja) 液晶表示装置
JP5790256B2 (ja) 電気光学装置、電気光学装置の駆動方法、電子機器、プロジェクター
TWI399579B (zh) 顯示裝置及其驅動方法
US8179348B2 (en) Driving method, driving circuit, electro-optical device, and electronic apparatus
JP2015126334A (ja) 画像表示装置、および画像表示装置の制御方法
TWI427609B (zh) 影像補償裝置及其方法與所應用之場色序法液晶顯示器
US20100060794A1 (en) Image processor, image display device, image processing method, and image display method
US8562148B2 (en) Control device and electronic device
US10955696B2 (en) Electro-optical device, and projection-type display apparatus
US10444574B2 (en) Liquid crystal display and electronic equipment
JP2012042708A (ja) 制御装置および電子機器
US8654047B2 (en) Electro-optic device
JP6597749B2 (ja) 液晶装置の駆動方法、液晶装置、電子機器
TWI377554B (en) Liquid crystal display with led backlight unit and light correcting unit
US11837120B2 (en) Display device and method of controlling display device
US11947201B2 (en) Liquid crystal device, display device, optical modulation module, and control method of liquid crystal device
JP2010055111A (ja) 電気光学装置及び画像処理装置、並びに電子機器
TWI541789B (zh) 壓縮反應時間之畫面控制訊號產生方法
US20170054955A1 (en) Liquid crystal device and projector
JP2009109706A (ja) 電気光学装置及び電子機器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130809

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140319

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140401

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140528

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140715

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20140902