JP2012041553A - ゴルフボール用材料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)酸含有ポリマー組成物中の酸基の少なくとも一部を中和できる酸素含有無機金属化合物の微粒子金属酸化物、またはマスターバッチ、(B)ジエン系ポリマー、熱可塑性ポリマー、及び熱硬化性ポリマーよりなる群から選択された1種又は2種以上からなる樹脂組成物、及び(C)酸含量0.5〜30質量%を有するポリマーとからなり、(B)成分と(C)成分とを溶融混合し、溶融状態のポリマー組成物を調製した後、その溶融状態の樹脂組成物に(A)成分を配合し、ワンステップで上記ポリマー組成物中の酸中和反応を行うに際し、該中和反応を促進させるためにROH(Rは水素又はアルキル基)で示される液体を添加することを特徴とするゴルフボール材料の製造方法を提供する。
【選択図】なし
Description
請求項1:
(A)平均粒径が0.005〜0.1μmであり、その粒度分布が0.001〜1.0μmである炭酸リチウム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,炭酸マグネシウム,炭酸カルシウム,酸化マグネシウム,酸化亜鉛及び酸化カルシウムの群から選ばれる酸素含有無機金属化合物の微粒子(A1)と、
(B)ジエン系ポリマー,熱可塑性ポリマー及び熱硬化性ポリマーよりなる群から選択された1種又は2種以上からなるポリマーと、
(C)オレフィン−不飽和カルボン酸2元共重合体,オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元共重合体,不飽和カルボン酸無水物含有ポリマー,不飽和ジカルボン酸含有ポリマー及び不飽和ジカルボン酸ハーフエステル含有ポリマーよりなる群から選択された1種又は2種以上からなる酸含量0.5〜30質量%を有するポリマーを配合してなるゴルフボール材料の製造方法であって、上記(B)成分と上記(C)成分とを溶融混合し、溶融状態のポリマー組成物(B)成分及び(C)成分を調製した後、その溶融状態の樹脂組成物に上記(A)成分を配合し、ワンステップで上記ポリマー組成物(B)成分及び(C)成分中の酸中和反応を行うに際し、該中和反応を促進させるためにROH(Rは水素又はアルキル基)で示される液体を添加することを特徴とするゴルフボール用材料の製造方法。
請求項2:
(A)平均粒径が0.005〜50μmであり、その粒度分布が0.001〜300μmである炭酸リチウム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,炭酸マグネシウム,炭酸亜鉛,水酸化マグネシウム,酸化マグネシウム,水酸化カルシウム,酸化カルシウム及び酸化亜鉛の群から選ばれる酸素含有無機金属化合物を、その濃度が30〜80質量%となるようにMFR100g/10分以上のベースポリマー材料によりマスターバッチ化したもの(A2)と、
(B)ジエン系ポリマー,熱可塑性ポリマー及び熱硬化性ポリマーよりなる群から選択された1種又は2種以上からなるポリマーと、
(C)オレフィン−不飽和カルボン酸2元共重合体,オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元共重合体,不飽和カルボン酸無水物含有ポリマー,不飽和ジカルボン酸含有ポリマー及び不飽和ジカルボン酸ハーフエステル含有ポリマーよりなる群から選択された1種又は2種以上からなる酸含量0.5〜30質量%を有するポリマーを配合してなるゴルフボール材料の製造方法において、上記(B)成分と上記(C)成分とを溶融混合し、溶融状態のポリマー組成物(B)成分及び(C)成分を調製した後、その溶融状態の樹脂組成物に上記(A)成分を配合し、ワンステップで上記ポリマー組成物(B)成分及び(C)成分中の酸中和反応を行うに際し、該中和反応を促進させるためにROH(Rは水素又はアルキル基)で示される液体を添加することを特徴とするゴルフボール用材料の製造方法。
請求項3:
上記ベースポリマー材料が、エチレン系ワックス、エチレン系ポリマー及びこれらの混合物である請求項2記載のゴルフボール用材料の製造方法。
請求項4:
上記液体が水である請求項1、2又は3記載のゴルフボール用材料の製造方法。
請求項5:
上記液体の添加量が、樹脂押出量に対して0.1〜10質量%である請求項1〜4のいずれか1項記載のゴルフボール用材料の製造方法。
請求項6:
上記の(A1)及び/又は(A2)による酸含有ポリマー組成物の酸中和反応を、ワンステップで行う反応押出機として、ニーディングディスクゾーンを有するスクリューセグメント配置の二軸押出機を使用した請求項1〜5のいずれか1項記載のゴルフボール用材料の製造方法。
請求項7:
L/Dが20以上の二軸押出機を使用した請求項6記載のゴルフボール用材料の製造方法。
請求項8:
上記二軸押出機のスクリューセグメント配置について、ニーディングディスクゾーンのL/Dが全体L/Dの10〜90%である請求項6又は7記載のゴルフボール用材料の製造方法。
請求項9:
上記二軸押出機のニーディングディスクゾーンの構成ディスクが、RKD(Right−handed Kneading Disc)、LKD (Left−handed Kneading Disc)、リバース(Reverse Disc)、各種ニュートラル(Neutral Disc)からなる請求項6、7又は8記載のゴルフボール用材料の製造方法。
請求項10:
上記二軸押出機のスクリュー直径が15mmφ以上である請求項6〜9のいずれか1項に記載のゴルフボール用材料の製造方法。
請求項11:
上記二軸押出機が、ベントポート及びそれに連結した真空ラインを有する請求項6〜10のいずれか1項に記載のゴルフボール用材料の製造方法。
請求項12:
上記二軸押出機が、上記液体用の液体滴下又は液体圧注入付帯設備を有する請求項6〜11のいずれか1項に記載のゴルフボール用材料の製造方法。
請求項13:
上記二軸押出機の中和反応条件として、設定温度110℃〜260℃、押出量が二軸押出機スクリュー径(D)32mmφで、2kg/hr〜60kg/hrであると共に、スクリュー径比D1/D2(但し,D2よりもD1の方が径が大きい)をAとすると、A1.0〜A3.0の範囲内において二軸押出機のスケールアップ時の押出量がAに比例する請求項6〜12のいずれか1項に記載のゴルフボール用材料の製造方法。
本発明は、(A)金属イオン種の超微粒子と、(B)ジエン系ポリマー,熱可塑性ポリマー及び熱硬化性ポリマーよりなる群から選択された1種又は2種以上からなるポリマーと、(C)オレフィン−不飽和カルボン酸2元共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元共重合体,及び不飽和カルボン酸無水物,不飽和ジカルボン酸及び又は不飽和ジカルボン酸ハーフエステル含有ポリマーよりなる群から選択された1種又は2種以上からなる酸含有ポリマーとを配合してなることを特徴とする。
本発明の超微粒子(A1)は、その平均粒径が0.005〜0.1μm、その粒度分布が0.001から1.0μmであることが好ましい。この粒子を用いれば、通常の粒径が数十μmの粒子と比較して、その表面が活性であり、酸に対する反応性が高く、また分散性も良好であることから、本発明の中和反応には好適である。
(ii)スクリューセグメント配置に関して、ニーディングディスクゾーンのL/Dが全体L/Dの10〜90%、好ましくは20〜80%、更に好ましくは30から70%であること
なお、ニーディングディスクゾーンの構成ディスクは、RKD(Right−handed Kneading Disc),LKD (Left−handed Kneading Disc),リバース(Reverse Disc),各種ニュートラル(Neutral Disc)から構成される。
(iii)スクリューの直径が15mmφ以上であること
(iv)ベントポート及びこれに連結した真空ラインを有すること
(v)液体滴下又は液体圧注入付帯設備を有すること
また、混合方法としても特に制限されるものではないが、(A)成分をより良好に微分散させる観点から、予め(B)成分と(C)成分とを十分に溶融混合したポリマー組成物(B)成分及び(C)成分を得た後に、(A)成分、即ち(A1)成分及び/又は(A2)成分を配合し混練することが好適である。添加剤を配合する場合には、(A)成分を混練した後に添加剤を加えて混練することも可能である。
(i)不飽和無水カルボン酸,不飽和ジカルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸でグラフト化したオレフィン系ポリマー、
(ii)不飽和無水カルボン酸,不飽和ジカルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸でグラフト化したオレフィン−不飽和カルボン酸ポリマー、
(iii)不飽和無水カルボン酸,不飽和ジカルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸でグラフト化したオレフィン−不飽和カルボン酸エステルポリマー、
(iv)不飽和無水カルボン酸,不飽和ジカルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸でグラフト化したオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルポリマー、
(v)オレフィン−不飽和無水カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルポリマー、
(vi)オレフィン−不飽和ジカルボン酸−不飽和カルボン酸エステルポリマー、
(vii)オレフィン−不飽和ジカルボン酸ハーフエステル−不飽和カルボン酸エステルポリマー、
a)カバー表面が均一性に優れている。
b)耐擦過傷性に優れている。
c)耐久性(打撃回数)に優れている。
d)高硬度である。
e)耐熱性に優れている。
f)部分的な分子間相互侵入網目構造を有する。
5リットル加圧ニーダー(ナニワ製造機械社製、設定温度100℃)を使用し、マスバッチ用ベースポリマーにA−C580/Nucrel 599の配合比30/70(質量比)を用い、酸化亜鉛ZnO−2(平均粒径0.6μm)を使用した。A−C580/Nucrel 599とZnO−2の配合比が50/50(質量比)で2.0kg仕込み、ローター回転数35rpm、混練温度が120℃〜130℃の範囲になるようにコントロールしながら、0.49MPaの加圧下、20分間混練した。その混練物を二軸一軸押出機40mmφ(ナニワ製造機械社製、温度設定180℃)でストランド化し、冷却水槽、エアーナイフ及びペレタイザーを通して、ペレット化した。得られたZnO−2含有量50質量%のZnO−2マスターバッチのMFRは2.1g/10min(190℃、2160g荷重)であった。得られたマスターバッチをZnO−2MBと略す。
トーメンプラスチック社製、ポリエチレンワックス、アクリル酸含有量9.6質量%、650cps 140℃。
Nucrel599
DuPont社製、エチレン−メタアクリル酸ポリマー、メタクリル酸含有量10質量%、MFR450g/10分。
表1に記載した配合割合で、ゴルフボール材料を調製した。BR01とEMAA−1を所定の割合、2.5kg仕込み、設定温度80℃とした。これ以外は、実験例1と同じ5リットル加圧ニーダーの操作を繰り返した。その混練物を取り出し、設定温度130℃以外は、実験例1と同じ二軸一軸押出機の操作を繰り返した。設定温度を160℃とした二軸押出機に、得られたBR01/EMAA−1混練物のペレットとZnO−1とを表1記載の所定割合で別々に、二軸押出機ホッパーへフィードした。そして、スクリュー回転数70回転/分、押出量16kg/hrの条件下、二軸押出機の途中から液体圧注入ポンプによる水を樹脂押出量に対して2質量%になるように圧入しながら、真空ベントによる揮発分留去の条件下、溶融混練した。次いで、二軸押出機ダイから押出されるストランドを冷却用水槽に通し、エアーナイフで水切り後、ペレタイザーでペレット化し、均一な混合組成物を得た。この得られた均一で透明な混合組成物のペレットを使用し、ホットプレス成形機にて、縦・横150mmの3mm厚みシートを作成し、目視にて、ZnO−1の未反応物及び未分散塊状物がないことを確認した。得られたゴルフボール用材料の諸特性を評価した。結果を表1に記載した。
ZnO−1の代わりに、実験例1で調製したZnO−2MBを使用する以外は、表1に示した配合割合で、実施例1の操作を繰り返し、均一で透明なBR01/EMAA−1/ZnO−2MBの混合組成物を得た。この得られた均一で透明な混合組成物のペレットを使用し、ホットプレス成形機にて、縦・横150mmの3mm厚みシートを作成し、目視にて、ZnO−2の未反応物及び未分散塊状物がないことを確認した。得られたゴルフボール用材料の諸特性を評価した。結果を表1に記載した。
ZnO−2マスターバッチの代わりに、ZnO−2を使用する以外は、表1に示した配合割合で、実施例1と同じ操作を繰り返した。得られたBR01/EMAA−1/ZnO−2の混合組成物のペレットを使用し、ホットプレス成形機にて、縦・横150mmの3mm厚みシートを作成し、目視にて、多数の未反応物ZnO−2(白斑点)の存在を確認した。得られたゴルフボール用材料の諸特性を評価し、結果を表1に記載した。
BR01
ポリブタジエンBR01、JSR社製、シス−1,4−結合含有量96%、ニッケル系重合触媒。
BR02
100質量部のBR01に対し無水マレイン酸2質量部を混合し、この混合物100質量部に対し1質量部のジクミルパーオキサイドを加え約80℃で10分間混合した生成物。
ZnO−1
堺化学工業製、 酸化亜鉛NANOFINE−50、平均粒径20nm、粒度分布1〜100nm。粒径0.05μm以下の成分割合約60%。
ZnO−2
堺化学工業製、酸化亜鉛1種、平均粒径0.8μm、粒度分布0.07〜3.00μm。
POM
アミラスS761、東レ社製、ポリアセタールコポリマー、MFR9.6g/10min、融点166℃、Rockwell硬度(Rスケール)115。
EMAA−1
Nucrel 2050H、三井・デュポンポリケミカル社製、エチレン−メタクリル酸共重合体、MFR500g/10min。
EMAA−2
Nucrel 1560、三井・デュポンポリケミカル社製、エチレン−メタクリル酸共重合体、MFR60g/10min。
S8940
DuPont社製、エチレン−メタクリル酸共重合体ナトリウムアイオノマー、MFR3.0g/10min。
JIS−K7210に準拠し、試験温度190℃、試験荷重21.18N(2.16kgf)条件下での測定値。
ショアD硬度
ASTM D−2240に準じて測定したショアD硬度。
反発弾性
トリプソン式反発弾性装置を用い、JIS−K6255、ISO4662に準じた測定値。
破断伸び(%),引っ張り強度(MPa)
JIS−K7161に準じて測定した。
BR01の代わりにBR02を使用し、二軸押出機の設定温度を160℃から180℃に変更する以外は、表2に示す配合で、実施例1と同じ操作を繰り返し、均一なBR02/EMAA−1/ZnO−1混合組成物を得た。得られた均一で透明な混合組成物のペレットを使用し、ホットプレス成形機にて、縦・横150mmの3mm厚みシートを作成し、目視にて、ZnO−1の未反応物及び未分散塊状物がないことを確認した。得られたゴルフボール用材料の諸特性を評価した。結果を表2に記載した。
表2で示した配合割合で、POMとEMAA−1をドライブレンドし、実施例1で使用した二軸押出機(設定温度180℃)のホッパーへフィードし、スクリュー回転数80回転/分、押出量20kg/hr、真空ベントによる揮発分留去の条件下、溶融混練し、二軸押出機ダイから押出されるストランドを冷却用水槽に通し、エアーナイフで水切り後、ペレタイザーでペレット化し、均一なPOM/EMAA−1の混練物を得た。BR01/EMAA−1混練物の代わりに得られたPOM/EMAA−1を、ZnO−1の代わりにZnO−2MBを使用し、表2に示した配合割合でドライブレンドし、設定温度を160℃から190℃に変更し、実施例1と同じ二軸押出機の操作を繰り返し、均一なPOM/EMAA−1/ZnO−2MB混合組成物を得た。得られた均一で透明な混合組成物のペレットを使用し、ホットプレス成形機にて、縦・横150mmの3mm厚みシートを作成し、目視にて、ZnO−2の未反応物及び未分散塊状物がないことを確認した。得られたゴルフボール用材料の諸特性を評価した。結果を表2に記載した。
EMAA−1の代わりにEMAA−2を、ZnO−2MBの代わりにZnO−1を使用し、表2に示した配合割合で、実施例4と同じ操作を繰り返し、均一なPOM/EMAA−2/ZnO−1混合組成物を得た。得られた均一で透明な混合組成物のペレットを使用し、ホットプレス成形機にて、縦・横150mmの3mm厚みシートを作成し、目視にて、ZnO−2の未反応物及び未分散塊状物がないことを確認した。得られたゴルフボール用材料の諸特性を評価した。結果を表2に記載した。
実施例5で得られたPOM/EMAA−2/ZnO−1混合組成物とS8940を、表2に示した配合割合でドライブレンドし、実施例1で使用した二軸押出機(設定温度190℃)のホッパーへフィードし、スクリュー回転数80回転/分、押出量20kg/hr、真空ベントによる揮発分留去の条件下、溶融混練した。そして、二軸押出機ダイから押出されるストランドを冷却用水槽に通し、エアーナイフで水切り後、ペレタイザーでペレット化し、POM/EMAA−2/ZnO−1/S8940の均一な混合組成物を得た。得られたゴルフボール用材料の諸特性を評価した。結果を表2に記載した。
実施例3の二軸押出機の押出条件(設定温度180℃、水圧注入)で、EMAA−1とZnO−1とを中和反応した均一なEMAA−1/ZnO−1を得た。これにBR02を、表2で示した配合割合でドライブレンドし、実施例4におけるPOM/EMAA−1の二軸押出機条件の(設定温度180℃)で、溶融混練し、ペレット化し、EMAA−1/ZnO−1/BR02の不均一な混合組成物を得た。得られたゴルフボール用材料の諸特性を評価した。結果を表2に記載した。
実施例3の二軸押出機の押出条件(設定温度180℃、水注入)で、EMAA−1とZnO−2MBとを中和反応した均一なEMAA−1/ZnO−2MBを得た。これに、表2で示した配合割合でPOMをドライブレンドし、実施例6で使用した二軸押出機(設定温度190℃)の押出条件で、溶融混練し、ペレット化後、EMAA−1/ZnO−2MB/POMの白濁不均一な混合組成物を得た。得られたゴルフボール用材料の諸特性を評価した。結果を表2に記載した。
実施例3の二軸押出機の押出条件(設定温度180℃、水注入)で、EMAA−2とZnO−1とを中和反応した均一なEMAA−2/ZnO−1を得た。これに、表2で示した配合割合でPOMをドライブレンドし、実施例6で使用した二軸押出機(設定温度190℃)の押出条件で、溶融混練し、ペレット化後、EMAA−2/ZnO−1/POMの白濁不均一な混合組成物を得た。得られたゴルフボール用材料の諸特性を評価した。結果を表2に記載した。
比較例4で得られたEMAA−2/ZnO−1/POMの白濁不均一な混合組成物に、S8940を、表2で示した配合割合で、ドライブレンドし、実施例6で使用した二軸押出機(設定温度190℃)の押出条件で、溶融混練した。ペレット化後、EMAA−2/ZnO−1/POM/S8940の白濁不均一な混合組成物を得た。得られたゴルフボール用材料の諸特性を評価した。結果を表2に記載した。
参考として、実施例におけるBR02やPOMを配合せず、EMAA−1とZnO−1を、表2で示した配合割合で、二軸押出機の設定温度を160℃から180℃に変更する以外は、実施例1の押出条件で、均一で透明なEMAA−1/ZnO−1の混合組成物を得た。これに、S8940を、表2で示した配合割合でドライブレンドし、実施例6で使用した二軸押出機(設定温度190℃)の押出条件で、溶融混練した。ペレット化後、EMAA−1/ZnO−1の均一で透明な混合組成物を得た。得られたゴルフボール用材料の諸特性を評価した。
次に、実施例3、実施例5及び実施例6で得られた材料をツーピースゴルフボールのカバー材に使用し、コアにBR架橋体(外径38.9mmφ、質量36.0g、圧縮歪3.35mm)を用い、射出成形機(設定温度ホッパー:160℃、C1〜ヘッド:180〜200℃)を使用し、射出圧力5.9MPa、保持圧力4.9MPa、射出・保持時間8秒、冷却時間25秒の条件下、射出成形を行い、ツーピースゴルフボール(直径42.7mmφ、質量45.5g)を作製した。これらのゴルフボール評価を行い、その結果を表3に記載した。
上記の実施例7、実施例8及び実施例9に相当する比較として、比較例2、比較例4及び比較例5の材料をツーピースゴルフボールのカバー材に使用し、実施例8〜10と同じ射出成形条件下、ツーピースゴルフボールを作製した。これらのゴルフボール評価を行い、その結果を表3に併記した。
ゴルフボールを硬板の上に置き、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)に負荷したときのゴルフボールのたわみ量(mm)。
表面硬度 *2
ASTM D−2240に準じて測定したショアD硬度。
初速 *3
初速は、R&Aの承認する装置であるUSGAのドラム回転式の初速計と同方式の初速測定器を用いて測定した。ボールは23±1℃の温度で3時間以上温調し、室温23±2℃の部屋でテストされた。250ポンド(113.4kg)のヘッド(ストライキングマスク)を使って打撃速度143.8ft/s(43.83m/s)にてボールを打撃した。1ダースのボールを各々4回打撃して6.28ft(1.91m)の間を通過する時間を計測し、初速を計算した。約15分間でこのサイクルを行った。
反発係数(C.O.R) *4
空気砲弾によりボールをスチール板に向けて43m/sで発射させたとき、その跳ね返り速度を計測する。反発係数(C.O.R)は、ボール初速と跳ね返り速度との比率である。
耐久性 *5
米国AUTOMATED DESIGN CORPORATION製のADC BALL COR DURABILITY TESTERによりゴルフボールの耐久性(Durability)を評価した。この試験機は、ゴルフボールを空気圧で発射させた後、平行に設置した2枚の金属板に連続的に衝突させる機能を有する。ボールが割れるまでに要した発射回数の平均値を耐久性とした。この場合、平均値とは、同種のボールを7個用意し、それぞれのボールを発射させて7個のボールがそれぞれ割れるまでに要した発射回数を平均化した値である。
試験機のタイプは横型CORであり、金属板への入射速度は43m/sであった。
耐擦過傷性 *6
ボールを23℃に保温し、ピツチングウェッジをスイングロボットマシンに取り付け、ヘッドスピード33m/sにて打撃し、打撃傷を目視で判断した。下記の基準で評価した。
良好: 傷がない、もしくは使用上、全く気にならない程度の傷。
悪い: 表面が毛羽立つ、ディンプルが欠ける、などの傷
耐摩耗性 *7
内容量5リットルの筒状物に15個のゴルフボールと1.7リットルの砂を入れて、50rpm,2時間ミキシングした。その後にボールを取り出し、摩耗による表面の傷つきの度合い、光沢減少の度合いを目視により評価した。
良好: 傷が少ない又は使用上全く気にならない程度の傷、光沢低下なし
悪い: 傷が目立つ、やや光沢低下
Claims (13)
- (A)平均粒径が0.005〜0.1μmであり、その粒度分布が0.001〜1.0μmである炭酸リチウム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,炭酸マグネシウム,炭酸カルシウム,酸化マグネシウム,酸化亜鉛及び酸化カルシウムの群から選ばれる酸素含有無機金属化合物の微粒子(A1)と、
(B)ジエン系ポリマー,熱可塑性ポリマー及び熱硬化性ポリマーよりなる群から選択された1種又は2種以上からなるポリマーと、
(C)オレフィン−不飽和カルボン酸2元共重合体,オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元共重合体,不飽和カルボン酸無水物含有ポリマー,不飽和ジカルボン酸含有ポリマー及び不飽和ジカルボン酸ハーフエステル含有ポリマーよりなる群から選択された1種又は2種以上からなる酸含量0.5〜30質量%を有するポリマーを配合してなるゴルフボール材料の製造方法であって、上記(B)成分と上記(C)成分とを溶融混合し、溶融状態のポリマー組成物(B)成分及び(C)成分を調製した後、その溶融状態の樹脂組成物に上記(A)成分を配合し、ワンステップで上記ポリマー組成物(B)成分及び(C)成分中の酸中和反応を行うに際し、該中和反応を促進させるためにROH(Rは水素又はアルキル基)で示される液体を添加することを特徴とするゴルフボール用材料の製造方法。 - (A)平均粒径が0.005〜50μmであり、その粒度分布が0.001〜300μmである炭酸リチウム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,炭酸マグネシウム,炭酸亜鉛,水酸化マグネシウム,酸化マグネシウム,水酸化カルシウム,酸化カルシウム及び酸化亜鉛の群から選ばれる酸素含有無機金属化合物を、その濃度が30〜80質量%となるようにMFR100g/10分以上のベースポリマー材料によりマスターバッチ化したもの(A2)と、
(B)ジエン系ポリマー,熱可塑性ポリマー及び熱硬化性ポリマーよりなる群から選択された1種又は2種以上からなるポリマーと、
(C)オレフィン−不飽和カルボン酸2元共重合体,オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元共重合体,不飽和カルボン酸無水物含有ポリマー,不飽和ジカルボン酸含有ポリマー及び不飽和ジカルボン酸ハーフエステル含有ポリマーよりなる群から選択された1種又は2種以上からなる酸含量0.5〜30質量%を有するポリマーを配合してなるゴルフボール材料の製造方法において、上記(B)成分と上記(C)成分とを溶融混合し、溶融状態のポリマー組成物(B)成分及び(C)成分を調製した後、その溶融状態の樹脂組成物に上記(A)成分を配合し、ワンステップで上記ポリマー組成物(B)成分及び(C)成分中の酸中和反応を行うに際し、該中和反応を促進させるためにROH(Rは水素又はアルキル基)で示される液体を添加することを特徴とするゴルフボール用材料の製造方法。 - 上記ベースポリマー材料が、エチレン系ワックス、エチレン系ポリマー及びこれらの混合物である請求項2記載のゴルフボール用材料の製造方法。
- 上記液体が水である請求項1、2又は3記載のゴルフボール用材料の製造方法。
- 上記液体の添加量が、樹脂押出量に対して0.1〜10質量%である請求項1〜4のいずれか1項記載のゴルフボール用材料の製造方法。
- 上記の(A1)及び/又は(A2)による酸含有ポリマー組成物の酸中和反応を、ワンステップで行う反応押出機として、ニーディングディスクゾーンを有するスクリューセグメント配置の二軸押出機を使用した請求項1〜5のいずれか1項記載のゴルフボール用材料の製造方法。
- L/Dが20以上の二軸押出機を使用した請求項6記載のゴルフボール用材料の製造方法。
- 上記二軸押出機のスクリューセグメント配置について、ニーディングディスクゾーンのL/Dが全体L/Dの10〜90%である請求項6又は7記載のゴルフボール用材料の製造方法。
- 上記二軸押出機のニーディングディスクゾーンの構成ディスクが、RKD(Right−handed Kneading Disc)、LKD (Left−handed Kneading Disc)、リバース(Reverse Disc)、各種ニュートラル(Neutral Disc)からなる請求項6、7又は8記載のゴルフボール用材料の製造方法。
- 上記二軸押出機のスクリュー直径が15mmφ以上である請求項6〜9のいずれか1項に記載のゴルフボール用材料の製造方法。
- 上記二軸押出機が、ベントポート及びそれに連結した真空ラインを有する請求項6〜10のいずれか1項に記載のゴルフボール用材料の製造方法。
- 上記二軸押出機が、上記液体用の液体滴下又は液体圧注入付帯設備を有する請求項6〜11のいずれか1項に記載のゴルフボール用材料の製造方法。
- 上記二軸押出機の中和反応条件として、設定温度110℃〜260℃、押出量が二軸押出機スクリュー径(D)32mmφで、2kg/hr〜60kg/hrであると共に、スクリュー径比D1/D2(但し,D2よりもD1の方が径が大きい)をAとすると、A1.0〜A3.0の範囲内において二軸押出機のスケールアップ時の押出量がAに比例する請求項6〜12のいずれか1項に記載のゴルフボール用材料の製造方法。
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