JP2012041397A - 樹脂組成物および樹脂成形体 - Google Patents

樹脂組成物および樹脂成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】セルロース樹脂を含み、成形体にした場合に耐衝撃性に優れる樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ポリカーボネートと、セルロース樹脂と、樹脂の側鎖にオキサゾリン基を有するオキサゾリン化合物とを含む樹脂組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物および樹脂成形体に関する。
電気製品や電子・電気機器の部品には、ポリスチレン、ポリスチレン−ABS樹脂共重合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリアセタール等の高分子材料が、耐熱性、機械強度等、特に、電子・電気機器の部品の場合には、環境変動に対する機械強度の維持性等に優れることから用いられている。
また、近年、環境問題等の観点から、天然素材系の生分解性ポリマの一種であるセルロース樹脂を含む樹脂組成物およびその樹脂組成物を用いて得られる成形体が知られている。
例えば、特許文献1には、セルロースエステルと、非セルロースエステル系熱可塑性樹脂と、前記セルローエステルに対する可塑剤と、この可塑剤のブリードアウトを抑制又は防止するためのブリードアウト抑制剤と、エポキシ樹脂またはエポキシ変性ジエン系共重合体から選択される相溶化剤とで構成された、変形に対する安定性(または寸法安定性、特に、高温および高湿度下における変形安定性)に優れた成形品を得るのに有用な樹脂組成物が記載されている。
特許文献2には、(A)ポリ乳酸樹脂および(B)セルロースエステルから選ばれる一種以上の樹脂75〜10重量%、(C)芳香族ポリカーボネート樹脂25〜90重量%および(D)グリシジル化合物または酸無水物をグラフトまたは共重合した高分子化合物等の相溶化剤を(A)および(B)から選ばれる一種以上と(C)成分の合計量100重量部に対して1〜50重量部配合してなる、衝撃強度に優れ、真珠光沢のない白色性に優れた外観を持つ樹脂組成物が記載されている。
特開2007−161943号公報 特開2006−111858号公報
本発明の課題は、セルロース樹脂を含み、成形体にした場合に耐衝撃性に優れる樹脂組成物およびその樹脂組成物を用いて得られる樹脂成形体を提供することである。
請求項1に係る発明は、ポリカーボネートと、セルロース樹脂と、樹脂の側鎖にオキサゾリン基を有するオキサゾリン化合物とを含む樹脂組成物である。
請求項2に係る発明は、前記ポリカーボネートの含有量は、前記セルロース樹脂の含有量に対して50質量%以上200質量%以下の範囲である、請求項1に記載の樹脂組成物である。
請求項3に係る発明は、前記オキサゾリン化合物の含有量は、前記セルロース樹脂の含有量に対して1質量%以上10質量%以下の範囲である、請求項1または2に記載の樹脂組成物である。
請求項4に係る発明は、ポリカーボネートと、セルロース樹脂と、樹脂の側鎖にオキサゾリン基を有するオキサゾリン化合物とを含む樹脂組成物を用いて得られる樹脂成形体である。
請求項5に係る発明は、前記樹脂成形体において、前記ポリカーボネートの含有量は、前記セルロース樹脂の含有量に対して50質量%以上200質量%以下の範囲である、請求項4に記載の樹脂成形体である。
請求項6に係る発明は、前記樹脂成形体において、前記オキサゾリン化合物の含有量は、前記セルロース樹脂の含有量に対して1質量%以上10質量%以下の範囲である、請求項4または5に記載の樹脂成形体である。
本発明の請求項1によると、セルロース樹脂を含み本構成を有さない場合に比べて、成形体にした場合に耐衝撃性が向上する。
本発明の請求項2によると、ポリカーボネートの含有量が、セルロース樹脂の含有量に対して50質量%以上200質量%以下の範囲ではない場合に比べて、成形体にした場合に耐衝撃性が向上する。
本発明の請求項3によると、オキサゾリン化合物の含有量が、セルロース樹脂の含有量に対して1質量%以上10質量%以下の範囲ではない場合に比べて、成形体にした場合に耐衝撃性が向上する。
本発明の請求項4によると、本構成を有さない場合に比べて、耐衝撃性が向上する。
本発明の請求項5によると、ポリカーボネートの含有量が、セルロース樹脂の含有量に対して50質量%以上200質量%以下の範囲ではない場合に比べて、耐衝撃性が向上する。
本発明の請求項6によると、オキサゾリン化合物の含有量が、セルロース樹脂の含有量に対して1質量%以上10質量%以下の範囲ではない場合に比べて、耐衝撃性が向上する。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
[樹脂組成物]
本発明の実施形態に係る樹脂組成物は、ポリカーボネートと、セルロース樹脂と、樹脂の側鎖にオキサゾリン基を有するオキサゾリン化合物(以下、単に「オキサゾリン化合物」と呼ぶ場合がある。)とを含む。ポリカーボネートおよびセルロース樹脂に加えて、相溶化剤としてオキサゾリン化合物を含むことにより、オキサゾリン化合物のオキサゾリン環が開環してセルロース樹脂のヒドロキシル基と反応し、その反応体のオキサゾリン化合物に由来する樹脂部分とポリカーボネートとが相溶して、樹脂組成物全体の相溶性が向上すると考えられる。そのため、本実施形態に係る樹脂組成物を用いて得られる樹脂成形体の耐衝撃性が向上する。また、樹脂成形体の乱反射が少なくなり、真珠状の光沢等が少なくなる。さらには樹脂組成物の流動性が向上する。特に、相溶化剤としてエポキシ樹脂を用いた場合に比べて、樹脂成形体の耐衝撃性が向上する。
<ポリカーボネート>
ポリカーボネートは、1つまたは複数のモノマの重縮合で得られ、少なくとも一つのカーボネート基を有するポリマであればよく、特に限定されない。例えば、ビスフェノールA型ポリカーボネート、ビスフェノールS型ポリカーボネート、ビフェニル型ポリカーボネート等の芳香族ポリカーボネートが挙げられる。
ポリカーボネートは、合成したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、帝人化成社製の「L−1250Y」、出光興産社製の「A2200」等が挙げられる。また、ポリカーボネートは、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
ポリカーボネートの分子量は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、ポリカーボネートの重量平均分子量は、5,000以上30,000以下の範囲であることが好ましく、10,000以上25,000以下の範囲であることがより好ましい。ポリカーボネートの重量平均分子量が5,000未満の場合、流動性過剰により加工性が低下する場合があり、ポリカーボネートの重量平均分子量が30,000を超える場合には流動性不足により加工性が低下する場合がある。
ポリカーボネートのガラス転移温度は、特に限定されるものではないが、100℃以上200℃以下の範囲であることが好ましく、120℃以上180℃以下の範囲であることがより好ましい。ポリカーボネートのガラス転移温度が100℃未満の場合、耐熱性が不足する場合があり、ポリカーボネートのガラス転移温度が200℃を超える場合には加工性が不足する場合がある。
<セルロース樹脂>
本実施形態において、セルロース樹脂とは、セルロースを原料として生物的あるいは化学的に官能基を導入して得られるセルロース骨格を有する化合物であり、原料綿は、綿花リンタ、木材パルプ(広葉樹パルプ、針葉樹パルプ)などの天然セルロースはもとより、微結晶セルロースなど木材パルプを酸加水分解して得られる重合度の低い(重合度100以上300以下)セルロースを使用してもよく、場合により混合して使用してもよい。これらの原料セルロースについての詳細な記載は、例えば「プラスチック材料講座(17)繊維素系樹脂」(丸澤、宇田著、日刊工業新聞社、1970年発行)や、発明協会公開技報2001−1745(7頁〜8頁)および「セルロースの事典(523頁)」(セルロース学会編、朝倉書店、2000年発行)に記載のセルロースを用いればよく、特に限定されるものではない。水酸基の部分はエステル化されていてもよく、エステル化により導入されるアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、ビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基、tert−ブチル基、2−メチルブチル基、イソバレル基、2−エチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2−メチルバレル基、3−メチルバレル基、4−メチルバレル基、2−プロピルペンチル基、2−メチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルー2−ペンチル基、2,2−ジメチルペンチル基、2−オクチイル基などが挙げられ、これらの基はさらに置換されてもよい。また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基である。また、分岐構造を含む脂肪族アシル基、具体例としては、2−メチルブタノイル基、イソバレリル基、2−エチルブタノイル基、t−ブチルアセチル基、2−メチルバレリル基、3−メチルバレリル基、4−メチルバレリル基、2−プロピルペンタノイル基、2−メチルヘキサノイル基、2−エチルヘキサノイル基、イソステアロイル基、チグリノイル基、3,3−ジメチルアクリル基、2−メチル−2−ペンテノイル基、シトロネリル基などが挙げられる。これらの中でも好ましくはt−ブチルアセチル基、2−メチルバレリル基、3−メチルバレリル基、4−メチルバレリル基、2−プロピルペンタノイル基、2−メチルヘキサノイル基、2−エチルブタノイル基、2−エチルヘキサノイル基、イソステアロイル基、チグリノイル基、3,3−ジメチルアクリル基、2−メチル−2−ペンテノイル基、シトロネリル基などが挙げられる。より好ましくは、t−ブチルアセチル基、2−メチルバレリル基、3−メチルバレリル基、4−メチルバレリル基、2−プロピルペンタノイル基、2−メチルヘキサノイル基、2−エチルブタノイル基、2−エチルヘキサノイル基、イソステアロイル基、シトロネリル基である。
セルロース樹脂は、合成したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、イーストマン製の「CAP482」、「CA−398」等が挙げられる。また、セルロース樹脂は、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
セルロース樹脂の分子量は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、セルロース樹脂の重量平均分子量は、10,000以上100,000以下の範囲であることが好ましく、15,000以上80,000以下の範囲であることがより好ましい。セルロース樹脂の重量平均分子量が10,000未満の場合、流動性過剰により加工性が低下する場合があり、セルロース樹脂の重量平均分子量が100,000を超える場合には流動性不足により加工性が低下する場合がある。
セルロース樹脂は熱可塑性であることが好ましい。セルロース樹脂のガラス転移温度は、特に限定されるものではないが、80℃以上200℃以下の範囲であることが好ましく、100℃以上180℃以下の範囲であることがより好ましい。セルロース樹脂のガラス転移温度が80℃未満の場合、耐熱性に劣る場合があり、セルロース樹脂のガラス転移温度が200℃を超える場合には加工性が低下する場合がある。
<オキサゾリン化合物>
オキサゾリン化合物としては、樹脂の側鎖にオキサゾリン基を有する高分子オキサゾリン化合物であればよく、特に制限はない。樹脂としては、例えば、メタクリル酸メチル樹脂等のアクリル系樹脂、スチレン樹脂等が挙げられ、相溶性等の点からアクリル系樹脂が好ましい。また、アクリルやスチレン等のコポリマにオキサゾリンが結合していてもよい。オキサゾリン基は、樹脂の主鎖に直接結合していてもよく、カルボン酸基等を介して結合していてもよい。
オキサゾリン化合物は、合成したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。オキサゾリン化合物は、例えば、アミド結合形成反応等の方法で合成すればよい。市販品としては、例えば、メタクリル酸メチル樹脂の側鎖にオキサゾリン基を有する日本触媒社製の「エポクロス」、ヘンケル社製の「2−ウンデシル−オキサゾリン」等が挙げられる。また、オキサゾリン化合物は、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
オキサゾリン化合物の分子量は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、オキサゾリン化合物の重量平均分子量は、100以上100,000以下の範囲であることが好ましく、1,000以上50,000以下の範囲であることがより好ましい。オキサゾリン化合物の重量平均分子量が100未満の場合、低融点により、押出機中で昇華する場合があり、オキサゾリン化合物の重量平均分子量が100,000を超える場合には高融点により加工性が低下する場合がある。
オキサゾリン化合物のオキサゾリン基の数は、特に限定されるものではないが、1以上10,000以下の範囲であることが好ましく、10以上1,000以下の範囲であることがより好ましい。オキサゾリン化合物のオキサゾリン基の数が1未満の場合、相溶性が低下する場合があり、オキサゾリン化合物のオキサゾリン基の数が10,000を超える場合には加工性が低下する場合がある。
相溶化剤として、オキサゾリン化合物以外のものを併用してもよい。例えば、エポキシ系相溶化剤、酸無水物相溶化剤等が挙げられる。
本実施形態において、ポリカーボネートの含有量は、特に限定されるものではないが、セルロース樹脂の含有量に対して50質量%以上200質量%以下の範囲であることが好ましい。ポリカーボネートの含有量がセルロース樹脂の含有量に対して50質量%未満あるいは200質量%を超えると、耐衝撃性が低下する場合がある。
また、オキサゾリン化合物の含有量は、特に限定されるものではないが、セルロース樹脂の含有量に対して1質量%以上10質量%以下の範囲であることが好ましく、2質量%以上8質量%以下の範囲であることがより好ましい。オキサゾリン化合物の含有量がセルロース樹脂の含有量に対して1質量%未満であると、樹脂組成物の相溶性が低下する場合があり、10質量%を超えると、樹脂組成物の流動性が低下する場合がある。
樹脂組成物中のポリカーボネート、セルロース樹脂およびオキサゾリン化合物の含有量は、以下の方法で測定する。ポリカーボネートは、組成物をトルエン等にて抽出して、重量を測定する。セルロースは、その溶媒の残留分をテトラヒドロフラン(THF)等にて抽出して、重量を測定する。オキサゾリン化合物は、それらの溶媒を用いて、カルボン酸等の反応基を持つ化合物を用いて滴定する。このようにして測定した樹脂成形体中のポリカーボネート、セルロース樹脂およびオキサゾリン化合物の含有量から、樹脂組成物中のポリカーボネート、セルロース樹脂およびオキサゾリン化合物の含有量が推定される。
樹脂組成物中のポリカーボネート、セルロース樹脂およびオキサゾリン化合物の重量平均分子量は、ゲルパーミッションプロマトグラフィ装置(島津製作所製、Prominence GPC型)を用いて測定する。
樹脂組成物中のポリカーボネートおよびセルロース樹脂のガラス転移温度は、熱分析装置(エスアイアイナノテクノロジ製、DSC6000型)を用いて、JIS K 7121の方法により測定する。
樹脂組成物中のオキサゾリン化合物のオキサゾリン基の数は、トルエン等の溶剤に溶解させて、一定量のカルボン酸と反応させ、JIS K 2501に基づく全酸化量測定にて、カルボン酸量を逆算することにより測定する。
<難燃剤>
本実施形態に係る樹脂組成物は、難燃剤を含んでもよい。難燃剤を含むことにより、成形体にした場合に難燃性が向上する。難燃剤としては、一般にポリマの難燃剤として用いられるものを用いればよく、特に制限はない。例えば、特に制限されないが、ホウ酸系難燃助剤、アンモン系難燃助剤、その他の無機系難燃助剤、チッ素系難燃助剤、その他の有機系難燃助剤およびコロイド系難燃助剤からなる群から少なくとも1種であることが好ましい。ホウ酸系難燃助剤としては、例えば、ホウ酸亜鉛水和物、メタホウ酸バリウム、ほう砂などのホウ酸を含有する化合物が挙げられる。アンモン系難燃助剤としては、例えば、硫酸アンモニウム等のアンモニア化合物が挙げられる。その他無機系難燃助剤としては、例えば、フェロセンなどの酸化鉄系燃焼触媒、酸化チタンなどのチタンを含有する化合物、スルファミン酸グアニジンなどのグアニジン系化合物、さらに、ジルコニウム系化合物、モリブデン系化合物、錫系化合物、炭酸カリウムなどの炭酸塩化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの水酸和金属およびその変性物が挙げられる。チッ素系難燃助剤としては、例えば、トリアジン環を有するシアヌレート化合物が挙げられる。その他の有機系難燃剤としては、例えば、無水クロレンド酸、無水フタル酸、ビスフェノールAを含有する化合物、グリシジルエーテルなどのグリシジル化合物、ジエチレングリコール、ペンタエリスリトールなどの多価アルコール、変性カルバミド、シリコーンオイル、オルガノシロキサン等のシリコーン化合物が挙げられる。コロイド系難燃助剤としては、例えば、従来から使用されている難燃性を持つ水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの水和金属化合物、アルミン酸化カルシウム、2水和石膏、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ砂、カオリンクレーなどの水和物、硝酸ナトリウムなどの硝酸化合物、モリブデン化合物、ジルコニウム化合物、アンチモン化合物、ドーソナイト、プロゴパイトなどの難燃性化合物のコロイドが挙げられる。有機系難燃剤の具体例としては、リン酸塩化合物、リン酸エステル化合物等が挙げられる。
難燃剤としては、合成したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、芳香族縮合リン酸エステルである大八化学工業株式会社製の「CR−741」、「PX−200」等が挙げられる。また、難燃剤は、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
難燃剤の含有量は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物の固形分全量を基準として、5質量%以上100質量%以下であることが好ましく、10質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。他の難燃剤の含有量が5質量%未満であると、成形体にした場合に十分な難燃性が得られない場合があり、100質量%を超えると、機械的特性が低下する場合がある。
<その他成分>
本実施形態に係る樹脂組成物は、必要に応じて、酸化防止剤、強化剤、耐候剤、強化剤、加水分解防止剤等の添加剤、触媒等のその他の成分をさらに含有してもよい。これらのその他の成分の含有量は、樹脂組成物の固形分全量を基準として、それぞれ50質量%以下であることが好ましい。
<樹脂組成物の製造方法>
本実施形態に係る樹脂組成物は、例えば、ポリカーボネートと、セルロース樹脂と、樹脂の側鎖にオキサゾリン基を有するオキサゾリン化合物と、必要に応じて、難燃剤や、その他の成分とを、混練して作製すればよい。
混練は、例えば、2軸混練装置(東芝機械製、TEM58SS)、簡易ニーダ(東洋精機製、ラボプラストミル)等の公知の混練装置を用いて行えばよい。ここで、混練の温度条件(シリンダ温度条件)としては、例えば、170℃以上250℃以下の範囲が好ましく、180℃以上240℃以下の範囲がより好ましい。これにより、耐衝撃性および引張弾性率に優れた成形体が得られ易くなる。
[樹脂成形体]
本実施形態に係る樹脂成形体は、例えば、上述した本実施形態に係る樹脂組成物を成形することにより得られる。例えば、射出成形、押し出し成形、ブロー成形、熱プレス成形等の成形方法により成形して、本実施形態に係る樹脂成形体が得られる。コスト等の理由から、本実施形態に係る樹脂組成物を射出成形して得られたものであることが好ましい。
射出成形は、例えば、日精樹脂工業製「NEX150」、日精樹脂工業製「NEX70000」、東芝機械製「SE50D」等の市販の装置を用いて行えばよい。この際、シリンダ温度としては、樹脂の分解抑制等の観点から、170℃以上250℃以下の範囲とすることが好ましく、180℃以上240℃以下の範囲とすることがより好ましい。また、金型温度としては、生産性等の観点から、30℃以上100℃以下の範囲とすることが好ましく、30℃以上60℃以下の範囲とすることがより好ましい。
<電子・電気機器の部品>
本実施形態に係る樹脂成形体は、機械的強度(耐衝撃性等)に優れたものになり得るため、電子・電気機器、家電製品、容器、自動車内装材などの用途に好適に用いられる。より具体的には、家電製品や電子・電気機器などの筐体、各種部品など、ラッピングフィルム、CD−ROMやDVDなどの収納ケース、食器類、食品トレイ、飲料ボトル、薬品ラップ材などであり、中でも、電子・電気機器の部品に好適である。電子・電気機器の部品は、複雑な形状を有しているものが多く、また重量物であるので、重量物とならない場合に比べて高い耐衝撃性が要求されるが、本実施形態に係る樹脂成形体によれば、このような要求特性が十分満足される。本実施形態に係る樹脂成形体は、特に、画像形成装置や複写機等の筐体に適している。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1から実施例15>
表1の実施例1から実施例15に示す組成を、2軸混練装置(東芝機械製、TEM58SS)にて、シリンダ温度230℃で混練し、樹脂組成物ペレットを得た。得られたペレットを射出成形機(日精樹脂工業製、NEX150)にて、シリンダ温度220℃、金型温度50℃で、ISO多目的ダンベル試験片(ISO527引張試験、ISO178曲げ試験に対応)(試験部厚さ4mm、幅10mm)と、UL−94におけるVテスト用UL試験片(厚さ:1.6mm)を成形した。
<比較例1から比較例12>
表2の比較例1から比較例12に示す組成を、実施例と同様に樹脂組成物ペレットを得て、射出成形を実施し、試験片を得た。
また、表1,2に示す各成分について、表3に商品名、メーカ名等を示す。
<測定・評価>
得られた試験片を用いて、下記各測定・評価を行った。表1,2に結果を示す。
(燃焼試験)
UL−94におけるVテスト用UL試験片(厚さ1.6mm)を用い、ガスバーナーの炎を当てた試験片の燃焼の程度により、その等級を調べた。なお、燃焼試験の結果は、V−0、V−1、V−2、HBの順で高いレベルである。
(シャルピー衝撃強度試験)
ISO多目的ダンベル試験片をノッチ加工したものを用い、JIS K7111に準拠して、デジタル衝撃試験機(東洋精機製、DG−5)により、持ち上げ角度150度、使用ハンマ2.0J、測定数n=10の条件で、MD方向にシャルピー衝撃強度を測定した。シャルピー衝撃強度は、数値が大きい程、耐衝撃性に優れていることを示す(単位:J/cm)。評価基準を以下に示す。
◎:10J/cm以上、またはNB(No Break:破壊なし)
○:5J/cm以上
△:3.5J/cm以上
×:3.5J/cm未満
(流動性の試験方法)
JIS K7210に規定される流動性(メルトマスフローレート)を測定した(単位:g/10min)。評価基準を以下に示す。
◎:10g/10min以上
○:5g/10min以上10g/10min未満
×:5g/10min未満
Figure 2012041397
Figure 2012041397
Figure 2012041397
表1,2より、ポリカーボネートおよびセルロース樹脂に加えて、相溶化剤として樹脂の側鎖にオキサゾリン基を有するオキサゾリン化合物を用いることにより、実施例は比較例に比べて、耐衝撃性が向上した。特に、相溶化剤としてエポキシ樹脂を用いた比較例8〜11に比べて、耐衝撃性が向上した。また、樹脂組成物の流動性も向上した。さらに、難燃剤を併用することにより、所定基準並の難燃性が得られた。実施例10は、ポリカーボネートの含有量がセルロース樹脂の含有量に対して50質量%未満であるため実施例1に比べて耐衝撃性が低下していた。また、実施例11は、ポリカーボネートの含有量がセルロース樹脂の含有量に対して200質量%を超えるため実施例4に比べて耐衝撃性が低下していた。実施例12は、オキサゾリン化合物の含有量がセルロース樹脂の含有量に対して1質量%未満であるため実施例1に比べて耐衝撃性が低下していた。また、実施例13は、オキサゾリン化合物の含有量がセルロース樹脂の含有量に対して10質量%を超えているため、実施例2に比べて耐衝撃性が低下していた。以上の結果から、本実施形態に係る樹脂組成物は、成形体にした場合に耐衝撃性に優れ、特に画像形成装置の筐体の製造に好適である。また、本実施形態に係る樹脂成形体は、耐衝撃性に優れ、特に画像形成装置の筐体に好適である。

Claims (6)

  1. ポリカーボネートと、セルロース樹脂と、樹脂の側鎖にオキサゾリン基を有するオキサゾリン化合物とを含むことを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記ポリカーボネートの含有量は、前記セルロース樹脂の含有量に対して50質量%以上200質量%以下の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記オキサゾリン化合物の含有量は、前記セルロース樹脂の含有量に対して1質量%以上10質量%以下の範囲であることを特徴とする、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. ポリカーボネートと、セルロース樹脂と、樹脂の側鎖にオキサゾリン基を有するオキサゾリン化合物とを含む樹脂組成物を用いて得られることを特徴とする樹脂成形体。
  5. 前記樹脂成形体において、前記ポリカーボネートの含有量は、前記セルロース樹脂の含有量に対して50質量%以上200質量%以下の範囲であることを特徴とする、請求項4に記載の樹脂成形体。
  6. 前記樹脂成形体において、前記オキサゾリン化合物の含有量は、前記セルロース樹脂の含有量に対して1質量%以上10質量%以下の範囲であることを特徴とする、請求項4または5に記載の樹脂成形体。
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