JP2012041023A - 車両用ドア - Google Patents

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征夫 西川
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Abstract

【課題】インナパネルとアウタパネルとを異なる金属で構成する場合に、電食、錆及び熱変形の発生を抑制する。
【解決手段】車両用ドア1は、金属製のインナパネル10と、インナパネル10とは異なる金属からなるアウタパネル20と、インナパネル10及びアウタパネル20の下部を覆う樹脂製のプロテクタ25をと備えている。プロテクタ25には、インナパネル10の下部及びアウタパネル20の下部の間に差し込まれて両パネル10,20の下部の接触を防止するスペーサ部25bが設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両に取り付けられるドアの構造に関するものである。
一般に、車両用ドアは、車室側のインナパネルと車外側のアウタパネルとを組み合わせて構成されている。インナパネルとアウタパネルとの周縁部同士は接合されている。
近年、車両用ドアの軽量化を図る目的で、インナパネルを鋼板とし、アウタパネルをアルミニウム合金製の板材とする等、インナパネルとアウタパネルとを異なる金属で構成する場合がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−35178号公報
しかしながら、特許文献1のようにインナパネルとアウタパネルとを異なる金属で構成した場合には、電食の防止が問題となる。特に、ドアの下部には雨水や洗車時の水が残りやすく、電食が起こりやすい状況となる。
また、ドアの下部には、車両走行中にタイヤが跳ね上げた砂や小石が当たることがあり、これによってインナパネルやアウタパネルの塗装がわずかに剥がれることがある。塗装が剥がれてしまうと、そこに電食や錆が発生しやすくなる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、インナパネルとアウタパネルとを異なる金属で構成する場合に、電食及び錆の発生を抑制することにある。
上記目的を達成するために、本発明では、インナパネル及びアウタパネルの下部を覆う樹脂製のプロテクタにスペーサ部を設けて両パネルの下部が接触しないようにした。
第1の発明は、金属製のインナパネルと、上記インナパネルとは異なる金属からなるアウタパネルとを備えた車両用ドアにおいて、上記インナパネル及び上記アウタパネルの下部を覆う樹脂製のプロテクタを備え、上記プロテクタには、上記インナパネルの下部及び上記アウタパネルの下部の間に差し込まれて両パネルの下部の接触を防止するスペーサ部が設けられていることを特徴とするものである。
この構成によれば、インナパネル及びアウタパネルの下部がプロテクタで覆われるので、車両走行時に跳ね上げられた砂や小石がインナパネルやアウタパネルに当たりにくくなり、これらパネルの塗装の剥がれが抑制される。
また、プロテクタが樹脂製であり、スペーサ部が両パネルの下部の間に差し込まれて両パネルの接触が防止されているので、電食が起こりにくくなる。
第2の発明は、第1の発明において、インナパネル及びアウタパネルは、車両のサイドシルの側面を覆うように下方へ延び、プロテクタには、上記インナパネルの下部から上記サイドシルの下側へ向けて延びる延出部が設けられていることを特徴とするものである。
この構成によれば、サイドシルの側面がドアにより覆われることになり、しかも、プロテクタの延出部によってサイドシルの下面がドア側から覆われることになるので、サイドシルに雨水や埃等の汚れが付着しにくくなる。これにより、乗員が車両に乗降する際に衣服等がサイドシルに触れた場合に、衣服等の汚れが防止される。
また、サイドシルの側面を覆うガーニッシュを省略することが可能になるので、部品点数が減少するとともに、サイドシルガーニッシュが省略された分、サイドシルが車幅方向に薄くなったのと等しくなり、乗員の乗降性が向上する。
第3の発明は、第2の発明において、プロテクタの延出部は、車体側部材に設けられたシール部材に接するように構成されていることを特徴とするものである。
この構成によれば、プロテクタの延出部と車体側部材との間がシールされる。これにより、ロードノイズが車室に侵入するのが抑制される。
第4の発明は、第1から3のいずれか1つの発明において、インナパネルの下部とアウタパネルの下部とは、プロテクタを介して結合されることを特徴とするものである。
この構成によれば、インナパネルとアウタパネルとを塗装する際にプロテクタを外しておくことで、塗装時にはインナパネルとアウタパネルとの下部がフリーな状態となる。これにより、塗料乾燥時の熱によってインナパネルとアウタパネルとの熱変形量が異なっていても、両パネルに熱応力が発生しにくくなり、変形が抑制される。
第5の発明は、第1から4のいずれか1つの発明において、プロテクタのスペーサ部におけるインナパネルとアウタパネルとの間への差し込み方向の少なくとも先端部分は、その先端に近づくほど薄肉となるように形成されていることを特徴とするものである。
この構成によれば、プロテクタのスペーサ部をインナパネルとアウタパネルとの間へ差し込む際に差し込みやすくなる。
第6の発明は、第1から5のいずれか1つの発明において、インナパネルの下部とアウタパネルの下部との少なくとも一方には、プロテクタのスペーサ部を上記インナパネルと上記アウタパネルとの間に案内する案内面が形成されていることを特徴とするものである。
この構成によれば、第5の発明と同様に、プロテクタのスペーサ部をインナパネルとアウタパネルとの間へ差し込む際に差し込みやすくなる。
第1の発明によれば、樹脂製のプロテクタでインナパネル及びアウタパネルの下部を覆って塗装の剥がれを抑制し、このプロテクタにスペーサ部を設けて両パネルの接触を防止したことで、電食及び錆の発生を抑制できる。
第2の発明によれば、インナパネル及びアウタパネルがサイドシルの側面を覆うように下方へ延びており、プロテクタにサイドシルの下側へ向けて延びる延出部を設けたので、サイドシルの汚れを防止できる。これにより、乗員の衣服等の汚れを防止できる。
また、サイドシルを覆うガーニッシュを省略できるので、部品点数を削減して車両の低コスト化を図ることができるとともに、乗員の乗降性を向上できる。
さらに、車両の側面視でドアとサイドシルとの間の隙が無くなるので、製造上、所定の隙となるように管理する作業が不要になるとともに、車両をすっきりとした印象にすることができる。
第3の発明によれば、プロテクタの延出部を車体側部材に設けられたシール部材に接するようにしたので、ロードノイズの侵入を抑制して車室内の静粛性を高めることができる。また、ドアの開閉時や、走行時に振動等によってプロテクタが車体側部材に擦れるのを防止できるので、車体側部材の塗装の剥がれや摩耗等を防止できる。
第4の発明によれば、インナパネルの下部とアウタパネルの下部とを塗装時にフリーな状態にしておくことができる。これにより、塗料乾燥時に両パネルの変形を抑制でき、見栄えの良好なドアを得ることができる。
第5、6の発明によれば、スペーサ部をインナパネルとアウタパネルとの間へ差し込む作業を容易に行うことができる。
本発明の実施形態にかかる車両用ドアの側面図である。 図1のII−II線断面図である。 プロテクタの取付前におけるドア本体の下部の断面図である。 図1のIV−IV線断面図である。 図1のV−V線断面図である。 変形例1にかかる図2相当図である。 変形例2にかかる図2相当図である。 変形例3にかかる図2相当図である。 (a)は変形例4にかかるプロテクタの断面図であり、(b)は変形例5にかかるプロテクタの断面図である。
図1は、本発明の実施形態1にかかる車両用ドア1の側面図である。この車両用ドア1は、乗用自動車の左側前部に取り付けられる前ドアである。
車両用ドア1の構造を説明する前に、この車両の下部構造について図2に基づいて説明する。
車両の下部には、フロアパネルFPの左右両縁部において車両前後方向に延びるサイドシルSがそれぞれ設けられている(図2には左側のもののみ示す)。サイドシルSは、フロアパネルFP側に配置されるサイドシルインナパネルSiと、車外側に配置されるサイドシルアウタパネルSoと、サイドシルインナパネルSi及びサイドシルアウタパネルSoの間に配置されるサイドシルレインフォースメントSrとを備え、閉断面構造となっている。サイドシルインナパネルSi、サイドシルアウタパネルSo及びサイドシルレインフォースメントSrは、サイドシルSの上部及び下部において互いに接合されている。上部の接合箇所には、シール部材A1が設けられている。シール部材A1は、ゴム製で中空状に形成されている。
また、フロアパネルFPの下方には、フロアパネルFPの下面を覆うアンダーカバーYが設けられている。
図2における符号Bは、フロアカーペットであり、また、符号Cはサイドシルトリムであり、また、符号Dは、サイドシルプレートである。
尚、この実施形態の説明では、車両前側を単に「前」といい、車両後側を単に「後」というものとする。
上記車両用ドア1は、図1に示すように、ドア本体2と、サッシュ3とを備えている。図2に示すように、ドア本体2は、車室側に配置されるインナパネル10と、車外側に配置されるアウタパネル20と、下部に配置されるプロテクタ25とを備えている。
図1に示すように、サッシュ3の下端部はドア本体2に固定されている。サッシュ3は、ドア本体2のインナパネル10の上縁部とアウタパネル20の上縁部との間を昇降するウインドガラスG(図1にのみ示す)を保持するように構成されている。
図2に示すように、ドア本体2のインナパネル10とアウタパネル20との間には、空間が設けられており、この空間がドア袋部Rとされている。ドア袋部Rには、ウインドガラスGの他、ウインドガラスGの昇降装置(図示せず)等が収容されるようになっている。
インナパネル10は、鋼板をプレス成形してなるものであり、上下方向に延びている。インナパネル10は、サイドシルSの上端部よりも下方へ延びており、サイドシルSの側面はインナパネル10により覆われている。インナパネル10のサイドシルSよりも上側部分の車幅方向の位置は、サイドシルSの外側面よりも車室内側に位置しており、サイドシルSの車幅方向中間部に対応する位置となっている。
インナパネル10の下縁部の高さは、サイドシルSの下端部の高さと略同じか、サイドシルSの下端部の高さよりも若干高く設定されている。
インナパネル10の下部には、車室内側へ折り曲げられたフランジ部10aが形成されている。フランジ部10aは略水平に延びている。インナパネル10のフランジ部10aよりも上側は上下方向に略鉛直に延びる鉛直板部10bとされている。
図3に示すように、インナパネル10におけるフランジ部10aが形成された部位のアウタパネル20側の面は湾曲面(案内面)10c(図3にのみ示す)とされている。湾曲面10cは、下側に行くほどアウタパネル20から離れるように形成されている。インナパネル10の鉛直板部10bには、貫通孔10dが設けられている。
図2に示すように、インナパネル10におけるサイドシルSの上部近傍に対応する部分には、シール部材A2が設けられている。このシール部材A2は、ドア1が閉状態にあるときにサイドシルSの上部に接してインナパネル10とサイドシルSとの間をシールするためのものである。
また、インナパネル10の車室側の面は、トリム30(図2に下部のみ示す)で覆われている。このトリム30の下部には、ドア1が閉状態にあるときにシール部材A1が接してトリム30とサイドシルSとの間がシールされるようになっている。
アウタパネル20は、アルミニウム合金製の板材をプレス成形してなる。アウタパネル20は、サイドシルSの外側面を覆うように、側面視で該サイドシルSの下部と重なるまで下方へ延びている。具体的には、アウタパネル20の下縁部の高さは、サイドシルSの下縁部の高さと略同じか、サイドシルSの下端部よりも若干高く設定されている。これにより、側面視でサイドシルSの上端部から下端部までがアウタパネル20により覆われた状態となり、サイドシルSの全体が見えなくなる。
尚、アウタパネル20の下縁部の高さは、サイドシルSの下端部の高さよりも数mm〜10mm程度高く設定してもよく、この程度の高さの差であれば、側面から見たときにサイドシルSが殆ど見えない。
このようにアウタパネル20の下端部の高さを設定しているため、アウタパネル20がサイドシルガーニッシュの機能も有することになる。従って、この車両ではサイドシルガーニッシュを省略している。
アウタパネル20の下部には、車室内側へ向けて略水平に延びる水平板部20aが形成されている。水平板部20aの高さはインナパネル10のフランジ部10aと略同じに設定されている。
アウタパネル20の水平板部20aの車室内縁部には、上方へ延びる縦板部20bが形成されている。縦板部20bとインナパネル10の鉛直板部10bとは略平行に延びている。図3に示すように、縦板部20bと鉛直板部10bとは、車室内外方向に間隔をあけて配置されている。アウタパネル20における縦板部20bが形成された部位のインナパネル10側の面は湾曲面(案内面)20c(図3にのみ示す)とされている。湾曲面20cは、下側に行くほどインナパネル10から離れるように形成されている。
尚、アウタパネル20の湾曲面20cとインナパネル10の湾曲面10cとの一方を省略してもよい。
また、アウタパネル20の縦板部20bには、インナパネル10の貫通孔10dと一致する貫通孔20dが形成されている。
プロテクタ25は、インナパネル10及びアウタパネル20の下部を覆って保護するためのものであり、ドア本体2の前後両端部に亘って延びている。
プロテクタ25は、樹脂材を成形してなるものであり、樹脂材に混合された色素によって着色されている。これにより、プロテクタ25に小石や砂が当たって傷等が付いたとしても、プロテクタ25の色が変わることはない。プロテクタ25の色は、例えば黒色が好ましいが、これに限られるものではなく、例えば車両のボディ色に着色してもよい。
プロテクタ25は、インナパネル10のフランジ部10aの下面及びアウタパネル20の水平板部20aの下面に沿って延びる本体部25aと、インナパネル10の鉛直板部10bとアウタパネル20の縦板部20bとの間に差し込まれるスペーサ部25bと、サイドシルSの下側へ向けて延出する延出部25cとを備えている。これら本体部25a、スペーサ部25b及び延出部25cは一体成形されている。
本体部25aは、インナパネル10のフランジ部10aの下面及びアウタパネル20の水平板部20aの下面に小石や砂等が当たらないようにするためのものである。この本体部25aにより、インナパネル10及びアウタパネル20の下部の塗装を保護することが可能になる。
スペーサ部25bは、インナパネル10の下部とアウタパネル20の下部とが接触しないように所定の間隔を作るためのものであり、インナパネル10の鉛直板部10bとアウタパネル20の縦板部20bとに沿って略鉛直に延びる板状に形成されている。スペーサ部25bは、その上部からインナパネル10とアウタパネル20との間に差し込まれるようになっている。スペーサ部25bの上側(差し込み方向先端側)には、上端に近づくほど薄肉となるように形成された先鋭部25dが設けられている。
スペーサ部25bの上下方向中間部には、インナパネル10の貫通孔10dと一致する取付孔25eが厚み方向に貫通形成されている。
図2に示すように、延出部25cは、インナパネル10のフランジ部10aよりも車室側へ延びている。延出部25cの車室内縁部は、サイドシルSの直下方に位置しており、延出部25cによってサイドシルSの下面が覆われている。
プロテクタ25は、ファスナFによりインナパネル10及びアウタパネル20に取り付けられる。ファスナFは、ドア本体2の車室側からインナパネル10の貫通孔10d、プロテクタ25の取付孔25e及びアウタパネル20の貫通孔20dに差し込まれる。インナパネル10の下部及びアウタパネル20の下部は、プロテクタ25を介して結合される。尚、図示しないが、複数のファスナFが前後に間隔をあけて設けられており、インナパネル10の下部とアウタパネル20の下部とは複数箇所が結合される。
また、インナパネル10及びアウタパネル20の前縁部同士は、図4に示すようにヘミング加工により接合され、また、後縁部同士も図5に示すようにヘミング加工により接合される。
次に、上記のように構成されたドア1の製造方法について説明する。まず、インナパネル10とアウタパネル20との前縁部同士及び後縁部同士をヘミング加工により接合する。このとき、プロテクタ25は取り付けない。よって、図3に示すように、インナパネル10の下部とアウタパネル20の下部とはフリーな状態(結合されていない状態)となり、インナパネル10の下部とアウタパネル20の下部との間には、所定の隙間が形成される。
その後、インナパネル10及びアウタパネル20を塗装する。上記したようにインナパネル10の下部とアウタパネル20の下部との間に所定の隙間が形成されているので、塗料が両パネル10,20の下部の全体に付着する。これにより、インナパネル10及びアウタパネル20の塗料による防錆効果及び防食効果が十分に得られる。
塗料乾燥時には、インナパネル10及びアウタパネル20が例えば100℃以上の高温に加熱され、その後、常温まで冷却されて塗装工程が終了する。この塗料乾燥時には、インナパネル10とアウタパネル20との線膨張係数が異なるため、変形量に差が出るが、この実施形態では、インナパネル10及びアウタパネル20の下部をフリーな状態としているので、インナパネル10及びアウタパネル20に熱応力が発生しにくく、両パネル10,20の変形が抑制される。
しかる後、プロテクタ25をインナパネル10及びアウタパネル20に取り付ける。プロテクタ25のスペーサ部25bを、その上端部からインナパネル10の鉛直板部10bとアウタパネル20の縦板部20bとの間に差し込む。そして、プロテクタ25の取付孔25eと、インナパネル10の貫通孔10d及びアウタパネル20の貫通孔20dとを一致させる。
スペーサ部25bをインナパネル10の鉛直板部10bとアウタパネル20の縦板部20bとの間に差し込む際には、スペーサ部25bの上端部に先鋭部25dが設けられているので、差し込み作業が容易に行える。さらに、インナパネル10の下部に湾曲面10cを形成し、アウタパネル20にも湾曲面20cを形成しているので、スペーサ部25bが湾曲面10c及び湾曲面20cによりインナパネル10とアウタパネル20との間にスムーズに導かれることになり、このことによっても差し込み作業が容易に行える。
スペーサ部25bを差し込んだ後、ファスナFをドア本体2の車室側からインナパネル10の貫通孔10d、プロテクタ25の取付孔25e及びアウタパネル20の貫通孔20dに差し込む。これにより、プロテクタ25が取り付けられるとともに、インナパネル10の下部とアウタパネル20の下部とがプロテクタ25を介して結合される。
次に、ドア1の使用時について説明する。インナパネル10とアウタパネル20との間に樹脂製のスペーサ部25bが介在しているので、インナパネル10とアウタパネル20とが接触せず、電食が起こりにくくなる。
また、車両の走行時にタイヤが跳ね上げた小石や砂はプロテクタ25に当たることになり、インナパネル10の下部やアウタパネル20の下部には当たらない。よって、インナパネル10及びアウタパネル20の塗装の剥がれが防止され、特にインナパネル10の錆の発生が抑制される。プロテクタ25は、樹脂材に色素が混合されて着色されているので、小石等が当たって傷等が付いても色が変わることはなく、見栄えの悪化はない。
また、サイドシルSの側面がインナパネル10及びアウタパネル20により覆われており、しかも、プロテクタ25の延出部25cがサイドシルSの下面まで延びているので、サイドシルSの側面に汚れが付着しにくい。よって、乗員が乗降する際に衣服等がサイドシルSに触れた場合に、衣服等が汚れるのを防止できる。
また、サイドシルガーニッシュを省略した分、サイドシルSが車幅方向に薄くなったのと等しくなり、乗員の乗降性が向上する。
また、プロテクタ25は略水平な本体部25a及び延出部25cと、略鉛直なスペーサ部25bとで断面が略T字状となっているので、高い剛性を持っている。このプロテクタ25をインナパネル10及びアウタパネル20に取り付けることで、ドア本体2の剛性が全体として向上する。
以上説明したように、この実施形態にかかる車両用ドア1によれば、樹脂製のプロテクタ25でインナパネル10及びアウタパネル20の下部を覆って塗装の剥がれを抑制し、このプロテクタ25にスペーサ部25bを設けて両パネル10,20の接触を防止したことで、電食及び錆の発生を抑制できる。
また、インナパネル10及びアウタパネル20がサイドシルSの側面を覆うように下方へ延びており、プロテクタ25にサイドシルSの下側へ向けて延びる延出部25cを設けたので、サイドシルSの汚れを防止できる。これにより、乗員の衣服等の汚れを防止できる。
また、サイドシルSを覆うガーニッシュを省略できるので、部品点数を削減して車両の低コスト化を図ることができるとともに、乗員の乗降性を向上できる。
さらに、サイドシルSをアウタパネル20で覆ったことで車両の側面視でドア1とサイドシルSとの間の隙が無くなる。これにより、製造上、ドア1とサイドシルSとの間が所定の隙となるように管理する作業が不要になるとともに、車両をすっきりとした印象にすることができる。
また、インナパネル10の下部とアウタパネル20の下部とを、プロテクタ25を介して結合したので、塗装時にインナパネル10の下部とアウタパネル20の下部とをフリーな状態にしておくことができる。これにより、塗料乾燥時に両パネル10,20の変形を抑制でき、見栄えの良好なドア1を得ることができる。
また、プロテクタ25のスペーサ部25bは、インナパネル10とアウタパネル20との間への差し込み方向先端に近づくほど薄肉となるように形成したので、スペーサ部25bを差し込む作業を容易に行うことができる。また、インナパネル10の下部に湾曲面10cを形成し、アウタパネル20の下部に湾曲面20cを形成したことによっても、スペーサ部25bを差し込む作業を容易に行うことができる。
尚、図6に示す変形例1のように、サイドシルSの下側の接合部分にシール部材A3を設け、ドア1が閉状態のときにプロテクタ25の延出部25cの車室内縁部をシール部材A3に接するようにしてもよい。これにより、プロテクタ25とサイドシルSの下部との間をシールすることができるので、雨水や埃がサイドシルSの側面に付着しにくくなって乗員の衣服等の汚れを未然に防止できるとともに、ロードノイズが車室に侵入しにくくなって車室内の静粛性を高めることができる。また、ドア1の開閉時や、走行時の振動等によってプロテクタ25がサイドシルS(車体側部材)に擦れるのを防止できるので、サイドシルSの塗装の剥がれや摩耗等を防止できる。
また、図7に示す変形例2のように、プロテクタ25の延出部25cに傾斜部25fを設けてもよい。傾斜部25fは車室内側へ行くほど上に位置するように傾斜している。この傾斜部25fの形成により、延出部25cの先端部がサイドシルSに近づき、サイドシルSと延出部25cとの隙間を狭くすることができる。その結果、サイドシルSの側面がより一層汚れにくくなる。
また、図8に示す変形例3のように、インナパネル10の下部に車室内側へ向けて延びる水平板部10gを設ける一方、アウタパネル20の下部に水平板部10gと略平行に延びる水平板部20gを設けて、これら水平板部10g,20gにプロテクタ25を取り付けてもよい。
すなわち、この変形例3では、インナパネル10の水平板部10gに貫通孔10hが形成され、また、アウタパネル20の水平板部20gに貫通孔10hと一致する貫通孔20hが形成されている。プロテクタ25には本体部25aから上方へ延びる取付板部25hが設けられている。取付板部25hの上下方向中央部近傍には、車外へ延びるスペーサ部25iが設けられている。スペーサ部25iには、貫通孔10hと一致する取付孔25jが形成されている。この変形例3のプロテクタ25も、上記した実施形態のものと同様にファスナFによって取り付けられる。
また、図9(a)に示す変形例4のように、プロテクタ25のスペーサ部25bの先端部に、上方へ湾曲する湾曲面25kを形成してもよい。この湾曲面25kの形成により、スペーサ部25bは差し込み方向先端に近づくほど薄肉となるので、差し込み作業が容易に行えるようになる。
また、プロテクタ25のスペーサ部25bの形状としては、図9(b)に示す変形例5のように、スペーサ部25bの先端部分に先鋭部25dを設け、先鋭部25dよりも下側部分(基端側部分)の両側面を、先鋭部25dの両側面よりも緩く傾斜させてもよい。図示しないが、この変形例5において、先鋭部25dの代わりに、変形例4の湾曲面25kを設けてもよい。
また、上記実施形態では、インナパネル10を鋼板とし、アウタパネル20をアルミニウム合金製としたが、両パネル10,20の材料は上記に限られるものではなく、種々の材料で構成することが可能である。この場合、アウタパネル20は軽合金製が好ましい。
また、プロテクタ25の取付にあたっては、ファスナF以外にも、例えば、リベット、ボルト、タッピングスクリュー等を用いてもよく、締結部材を用いる結合構造であれば特に限定されない。
また、プロテクタ25の材料としては、各種樹脂材を用いることができ、成形方法も射出成形等、様々な方法を用いることができる。
以上説明したように、本発明にかかる車両用ドアは、例えば、自動車の側部に配設する場合に適用できる。
1 車両用ドア
10 インナパネル
10c 湾曲面(案内面)
20 アウタパネル
20c 湾曲面(案内面)
25 プロテクタ
25a 本体部
25b スペーサ部
25c 延出部
A1〜A3 シール部材
F ファスナ
S サイドシル(車体側部材)

Claims (6)

  1. 金属製のインナパネルと、
    上記インナパネルとは異なる金属からなるアウタパネルとを備えた車両用ドアにおいて、
    上記インナパネル及び上記アウタパネルの下部を覆う樹脂製のプロテクタを備え、
    上記プロテクタには、上記インナパネルの下部及び上記アウタパネルの下部の間に差し込まれて両パネルの下部の接触を防止するスペーサ部が設けられていることを特徴とする車両用ドア。
  2. 請求項1に記載の車両用ドアにおいて、
    インナパネル及びアウタパネルは、車両のサイドシルの側面を覆うように下方へ延び、
    プロテクタには、上記インナパネルの下部から上記サイドシルの下側へ向けて延びる延出部が設けられていることを特徴とする車両用ドア。
  3. 請求項2に記載の車両用ドアにおいて、
    プロテクタの延出部は、車体側部材に設けられたシール部材に接するように構成されていることを特徴とする車両用ドア。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載の車両用ドアにおいて、
    インナパネルの下部とアウタパネルの下部とは、プロテクタを介して結合されることを特徴とする車両用ドア。
  5. 請求項1から4のいずれか1つに記載の車両用ドアにおいて、
    プロテクタのスペーサ部におけるインナパネルとアウタパネルとの間への差し込み方向の少なくとも先端部分は、その先端に近づくほど薄肉となるように形成されていることを特徴とする車両用ドア。
  6. 請求項1から5のいずれか1つに記載の車両用ドアにおいて、
    インナパネルの下部とアウタパネルの下部との少なくとも一方には、プロテクタのスペーサ部を上記インナパネルと上記アウタパネルとの間に案内する案内面が形成されていることを特徴とする車両用ドア。
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