JP2012040189A - 血糖値予測装置およびプログラム - Google Patents

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統丈 石井
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めぐみ 佐野
Atsushi Narusawa
敦 成澤
Shinichiro Watanabe
晋一郎 渡辺
Kiichi Hirano
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Abstract

【課題】ユーザーの過去の行動に応じて得られる情報に抜けがあっても、血糖値の予測精度の悪化を少なくすること。
【解決手段】本発明の血糖値予測装置は、ユーザーの運動に応じて変化する物理量を測定する測定手段と、運動の内容と当該内容の運動が行われる期間とが対応付けて記録されたスケジュール情報、および測定された物理量に応じた測定情報が時系列に記録された測定履歴情報を記憶する記憶手段と、測定履歴情報に記録された時系列の測定情報に基づいて、予測されるユーザーの血糖値の時間変化を算出する算出手段とを具備し、算出手段は、測定情報の記録が欠損している欠損期間があった場合に、スケジュール情報を参照し、欠損期間における運動の内容に基づいて過去の対象期間を特定し、対象期間における測定情報に基づいて、欠損期間における測定情報を決定して、血糖値の時間変化を算出する。
【選択図】図8

Description

本発明は、血糖値予測装置およびプログラムに関する。
血糖値の予測する技術としては、予め測定された血糖値の一連のデータをもとにして、数時間先の血糖値の予測を行うものがある(例えば、特許文献1)。また、事前に決定したパラメータを元にした計算により、血糖値の推移を予測する技術もある(例えば、特許文献2)。
特表2009−523230号公報 特表2004−526482号公報
ところで、過去のある時点において測定された血糖値を基準として、その後の血糖値の予測をする場合、血糖値が測定された後の行動内容を血糖値の予測に反映させることが望ましい。しかしながら、例えば、消費カロリーを算出するために必要な行動内容に応じた情報の記録が抜けていると、抜けた部分については、算出される血糖値変化へ反映されなくなるため、血糖値の予測精度が悪くなる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、ユーザーの過去の行動に応じて得られる情報に抜けがあっても、血糖値の予測精度の悪化を少なくすることにある。
上述の課題を解決するため、本発明は、ユーザーの運動に応じて変化する物理量を測定する測定手段と、運動の内容と当該内容の運動が行われる期間とが対応付けて記録されたスケジュール情報、および前記測定された物理量に応じた測定情報が時系列に記録された測定履歴情報を記憶する記憶手段と、前記測定履歴情報に記録された時系列の測定情報に基づいて、予測される前記ユーザーの血糖値の時間変化を算出する算出手段とを具備し、前記算出手段は、前記測定履歴情報において前記測定情報の記録が欠損している欠損期間があった場合に、前記スケジュール情報を参照し、当該欠損期間における運動の内容に基づいて過去の対象期間を特定し、前記測定履歴情報に記録された前記対象期間における測定情報に基づいて、前記欠損期間における測定情報を決定して、前記血糖値の時間変化を算出することを特徴とする血糖値予測装置を提供する。
この血糖値予測装置によれば、ユーザーの過去の行動に応じて得られる情報に抜けがあっても、血糖値の予測精度の悪化を少なくすることことができる。
別の好ましい態様において、前記測定履歴情報に記録される測定情報は、第1測定情報および第2測定情報を有し、前記算出手段は、前記測定履歴情報において前記第1測定情報の記録が欠損している欠損期間があった場合に、さらに、当該欠損期間における前記第2測定情報の時間変化と他の期間における前記第2測定情報の時間変化との関係に基づいて、前記対象期間を特定することを特徴とする。
この血糖値予測装置によれば、ユーザーの過去の行動に応じて得られる情報に抜けがあっても、血糖値の予測精度の悪化をより少なくすることができる。
別の好ましい態様において、前記スケジュール情報に記録される運動の内容に対応する期間における前記測定履歴情報に記録された測定情報の変化の特徴に基づいて、前記測定履歴情報に記録された測定情報に当該特徴に応じた変化が現れる推定期間を特定し、当該運動の内容が当該推定期間に行われたものと推定する推定手段をさらに具備することを特徴とする。
この血糖値予測装置によれば、血糖値の予測による測定情報の抜けを補う際に参照対象とするスケジュール情報の精度を向上させることができる。
別の好ましい態様において、前記スケジュール情報に記録された運動の内容と、当該運動の内容に対応する期間における前記測定履歴情報に記録された測定情報との関係に基づいて、当該期間に当該内容の運動が行われたか否かを判定する判定手段をさらに具備することを特徴とする。
この血糖値予測装置によれば、血糖値の予測による測定情報の抜けを補う際に参照対象とするスケジュール情報の精度を向上させることができる。
実施形態に係る血糖値予測装置の構成を示す図である。 実施形態に係る食事メニューDBの内容の一例を示す図である。 実施形態に係る運動種別情報の内容の一例を示す図である。 実施形態に係る食事入力情報の内容の一例を示す図である。 実施形態に係るスケジュール情報の内容の一例を示す図である。 実施形態に係る測定履歴情報の内容の一例を示す図である。 実施形態に係る血糖値予測機能の構成を示す図である。 実施形態に係る算出部における動作を示すフローチャートである。 実施形態に係る欠損期間の運動内容が存在する場合の例を説明する図である。 実施形態に係る欠損期間の運動内容が存在しない場合の例を説明する図である。 実施形態に係る第1予測曲線、第2予測曲線を示す図である。 実施形態に係る第1予測曲線の予測アルゴリズムの変化例を示す図である。 実施形態に係る第2予測曲線の予測アルゴリズムの変化例を示す図である。 変形例1に係るスケジュール推定機能の構成を示す図である。 変形例1に係るスケジュール推定が行われる場合の例を示す図である。 変形例2に係るスケジュール判定機能の構成を示す図である。 変形例2に係るスケジュール判定が行われる場合の例を示す図である。
<実施形態>
本実施形態に係る血糖値予測装置は、ユーザーの身体に装着可能に構成される。血糖値予測装置は、入力される各種情報、ユーザーから得られる脈拍などの生体情報、ユーザーの活動量などを用いて、ユーザーの血糖値を予測し、予測した血糖値の時間変化を表す予測曲線を出力する。ユーザーが入力する情報としては、例えば、ユーザーの行動内容(この例においては、運動の内容)、摂取カロリーを特定するための食事の内容などである。
以下、本実施形態に係る血糖値予測装置の詳細について説明する。
[血糖値予測装置10]
図1は、実施形態に係る血糖値予測装置10の構成を示す図である。血糖値予測装置10は、制御部110、操作部120、測定部130(活動量測定部131、脈拍測定部132)、記憶部140、表示部150、および通信部160を有する。これらの各構成はバスにより接続されている。
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)のメモリーを有する。制御部110は、RAMをワーキングエリアとしてROMに予め記憶されている制御プログラムを実行することにより、血糖値予測機能などを実現し、制御部110と接続されている各部を制御する。また、制御部110は、クロックのカウントなどにより、現在日時を計測する。
操作部120は、例えば、数字や文字等の入力キーを有する操作ボタン群を有し、ユーザーによって操作された入力キーに対応する操作信号を制御部110へ送出する。操作部120は、ユーザーの操作により、食事の内容、運動の内容、およびこれらの実施時刻(以下、日時という)、実施期間(開始日時、時間)、ユーザーが測定した血糖値などの各種情報の入力を受け付ける。なお、日時については、食事の内容、運動の内容が入力されたときの日時が自動的に入力されるようにし、将来の予定の入力、過去の実績の修正、追記などを行う場合に、ユーザーが日時の入力をするようにしてもよい。
測定部130は、活動量測定部131および脈拍測定部132を有し、ユーザーの運動に応じて変化する物理量を測定し、測定した結果に応じた測定情報を出力する測定手段である。この例においては、測定情報は、活動量測定部131および脈拍測定部132によって測定した結果である第1測定情報および第2測定情報を含む。
活動量測定部131は、ユーザーの運動に応じて変化する物理量を測定するためのセンサー、例えば、測定した加速度を示す出力信号を出力する加速度センサーなどを有する。活動量測定部131は、ユーザーの歩行や運動などの動作に応じたセンサーの出力信号が示す加速度から予め定義された演算式を用いて消費カロリーを算出する。このセンサーは、例えば、ユーザーの腰や腕などに取り付けられる。活動量測定部131は、ユーザーが一定期間(この例においては、4秒ごと)に消費した消費カロリーを算出し、算出した消費カロリーを消費カロリー情報として制御部110へ送出する。この例においては、消費カロリー情報は、上述の第1測定情報に対応する。
脈拍測定部132は、特定波長の光を照射する特定波長光照射部を有し、特定波長光照射部によってユーザーの血管に特定波長の光を照射し、血管で反射された特定波長の光の強度、または血管を透過した特定波長の光の強度を、フォトダイオードなどの受光素子によって検出する。特定波長光照射部は、例えば、ユーザーの腕、指などに取り付けられる。脈拍測定部132は、受光素子から出力される出力信号が示す特定波長の光の強度から予め定義された演算式を用いて脈拍を算出する。そして、脈拍測定部132は、活動量測定部131と同様に、一定期間(この例においては、4秒ごと)の脈派から1分間あたりの脈拍を算出して脈拍情報として制御部110へ送出する。この例においては、脈拍情報は、上述の第2測定情報に対応する。
なお、活動量測定部131、脈拍測定部132のいずれか一方または双方は、血糖値予測装置10とは別装置であってもよく、この場合には、有線、無線による通信により、消費カロリー情報、脈拍情報を血糖値予測装置10に送出する。
記憶部140は、不揮発性メモリーなどの記憶手段であり、ユーザー情報、食事メニューデータベース(以下、食事メニューDBという)、運動種別情報、食事入力情報、スケジュール情報、測定履歴情報、および血糖値情報などのテーブルを記憶している。以下、各情報について説明する。
ユーザー情報は、ユーザーの過去の血糖値に関する情報を示し、ユーザーが過去に糖尿病に関する教育入院を行ったときなどの、教育入院期間において測定された血糖値、行動履歴(食事の内容、運動の内容)、および測定履歴(消費カロリー、脈拍など)が時系列に記憶されている。この消費カロリー、脈拍は、それぞれ、活動量測定部131、脈拍測定部132に相当する構成により測定、算出されたものである。
図2は、実施形態に係る食事メニューDBの内容の一例を示す図である。食事メニューDBは、食事の内容と摂取カロリーとの関係が記録されたデータベースである。食事メニューDBに記録された関係は、図2に示すように、例えば、食事の内容が「食事A」に対応して摂取カロリーが「560kcal」となる関係である。
図3は、実施形態に係る運動種別情報の内容の一例を示す図である。運動種別情報は、運動の内容に対して、1時間当たりの消費カロリーが定められた情報である。例えば、運動の内容が「散歩」であるものについては、1時間につき「50kcal」の消費カロリーであることが定められている。
図4は、実施形態に係る食事入力情報の内容の一例を示す図である。食事入力情報は、日時および食事の内容の対応関係が記録された情報であり、予測される血糖値の時間変化の算出に用いる摂取カロリーを定めるための情報である。これらの各情報は、ユーザーの操作部120への操作により入力される情報である。
図5は、実施形態に係るスケジュール情報の内容の一例を示す図である。スケジュール情報は、開始日時、時間および運動の内容の対応関係が記録された情報である。これらの各情報は、ユーザーの操作部120への操作により入力される情報である。スケジュール情報には、過去に行われた運動の内容、これから行う予定の運動の内容がそれぞれ含まれている。
図6は、実施形態に係る測定履歴情報の内容の一例を示す図である。測定履歴情報は、日時、消費カロリー(c1、c2、c3)、および脈拍(d1、d2、d3)の対応関係が記録された情報である。測定履歴情報における測定情報である消費カロリー、脈拍は、それぞれ活動量測定部131、脈拍測定部132から制御部110に送出された消費カロリー情報、脈拍情報に応じて記録されている。日時は、消費カロリー情報が示す消費カロリー、脈拍情報が示す脈拍が算出された日時を示している。測定履歴情報には、各日時に全て消費カロリー、脈拍が記録されているとは限らず、情報が欠損する期間が存在することもある。例えば、活動量測定部131、脈拍測定部132における故障、ユーザーによる電源の入れ忘れ、ユーザーへの装着ミス、など、活動量測定部131、脈拍測定部132からの情報の出力が停止した場合に、測定履歴情報に記録される情報が欠損する。
血糖値情報は、ユーザーの血糖値の測定結果とその測定を行ったときの日時とを対応付けた情報である。血糖値の測定結果および測定日時は、ユーザーが操作部120への操作により入力される。なお、日時は、血糖値の測定結果が入力された日時であってもよい。
図3に戻って説明を続ける。表示部150は、液晶ディスプレイなどの表示装置で構成され、制御部110の制御に基づいて、食事の内容や運動の内容の入力画面、血糖値の予測曲線などの各種画像を表示する。
通信部160は、サーバーなどとの通信を確立して、各種情報を遣り取りする。例えば、通信部160は、サーバーに対して、スケジュール情報、測定履歴情報、血糖値情報など血糖値予測装置10において記憶されている各種情報を送信して、サーバーに記憶させるようにしてもよい。なお、記憶部140に記憶されている情報の全部または一部は、血糖値予測装置10ではなくサーバーに記憶させておき、制御部110の制御に用いるときに、通信部160を介して取得されるようにしてもよい。また、制御部110において行われる処理の一部がサーバーで行われるようにしてもよい。
以上が、血糖値予測装置10の構成の説明である。
[血糖値予測機能]
続いて、血糖値予測装置10の制御部110が制御プログラムを実行することによって実現される血糖値予測機能について説明する。血糖値予測機能とは、記憶部140に記憶されている各情報を用いて、予測される血糖値の時間変化を算出する機能である。制御部110は、ユーザーの操作部120への操作により、予測される血糖値の算出の指示があった場合に、血糖値予測機能を実現する制御プログラムを実行する。なお、制御部110は、一定間隔、食事内容の入力がなされた場合など、予め決められたタイミングで、この制御プログラムを実行するようにしてもよい。
予測の範囲は過去、現在、未来に限らず特定の予測期間とすることができる。この例においては、血糖値情報にユーザーの血糖値が記録された時点をこの予測期間の始期とし、血糖値予測機能による算出が行われてから数時間後(例えば6時間後)を予測期間の終期とする。なお、以下に説明する血糖値予測機能における各構成の一部または全部については、ハードウエアによって実現してもよい。
図7は、実施形態に係る血糖値予測機能の構成を示す図である。血糖値予測機能は、制御部110によって構成される算出部111および解析部112により実現される。
算出部111は、記憶部140に記憶されている各情報を参照して、予測アルゴリズムにより予測期間における血糖値の時間変化を算出する算出手段である。このとき、算出部111は、この予測アルゴリズムを、解析部112から出力される解析結果に応じて変化させてから、血糖値の時間変化(以下、予測血糖値曲線という)を算出する。算出部111は、このようにして算出した予測血糖値曲線に応じた画像を表示部150に表示させる。
解析部112は、食事入力情報とスケジュール情報とに基づいて、ユーザー情報から一部の期間を特定し、特定した期間においてユーザー情報に記録されている血糖値(以下、過去血糖値という)を参照して、特定の食事の内容、運動の内容であるときの過去血糖値の変化傾向を解析する。そして、解析部112は、解析結果を算出部111に出力する。このとき、測定中の脈拍とユーザー情報における脈拍との関係を含めて、過去血糖値の変化傾向を解析してもよい。例えば、予測時点における脈拍と同じ脈拍であるときの過去血糖値が、優先的に変化傾向に反映されるようにすればよい。
解析部112は、例えば、食事入力情報における食事の内容が「食事A」であれば、ユーザー情報を参照して、「食事A」を食べたときの過去血糖値の変化傾向を解析し、「食事A」に対応付けて解析結果を出力する。この例においては、解析結果は「食事A」を食べたときの血糖値の変化を示す第1モデル曲線として出力される。また、解析部112は、スケジュール情報における運動の内容が「散歩」であれば、ユーザー情報を参照して「散歩」をしたときの過去血糖値の変化傾向を解析し、「散歩」に対応付けて解析結果を出力する。この例においては、解析結果は「散歩」を行ったときの血糖値の変化を示す第2モデル曲線として出力される。
続いて、図8から図13を用いて、算出部111の動作を説明する。
[算出部111の動作]
図8は、実施形態に係る算出部111における動作を示すフローチャートである。まず、算出部111は、血糖値予測機能が実行されると、記憶部140から各情報を取得する(ステップS110)。算出部111は、取得した測定履歴情報を参照して、測定履歴情報に測定情報(この例においては、消費カロリー)の欠損が有るか否かを判定する(ステップS120)。欠損が無い場合(ステップS120;NO)には、後述する血糖値算出処理(ステップS190)へ進む。
欠損がある場合(ステップS120;YES)には、算出部111は、測定履歴情報において消費カロリーが欠損している期間(以下、欠損期間という)を特定する(ステップS130)。続いて、算出部111は、スケジュール情報を参照して、欠損期間において運動内容が存在するか否かを判定する(ステップS140)。スケジュール情報に欠損期間に対応する運動内容が存在する場合の例について図9を用いて説明し、運動内容が存在しない場合の例について図10を用いて説明する。
図9は、実施形態に係る欠損期間の運動内容が存在する場合の例を説明する図である。図9においては、スケジュール情報が示す内容および測定履歴情報が示す内容を、同一時系列に沿って模式的に表したものである。図9に示す例においては、2010年6月20日19時10分から20時00分の期間には測定履歴情報に消費カロリーが記録されていないため、この期間が欠損期間となる。図9に示す例において、算出部111は、スケジュール情報を参照して、この欠損期間において、運動の内容「ジョギング」が存在すると判定する(ステップS140;YES)。この場合、算出部111は、欠損期間の運動の内容「ジョギング」を、スケジュール情報から検索する(ステップS150)。
図9に示す例においては、算出部111は、検索した結果、「ジョギング」に対応した2010年6月19日10時00分から11時00分を対象期間として特定する(ステップS170)なお、他にも「ジョギング」に対応する期間が存在する場合には、算出部111は、複数の期間を対象期間として特定してもよい。複数の期間が対象期間の候補となる場合には、これらの対象期間における脈拍の変化と、欠損期間における脈拍の変化とを比較して、変化の態様が近いものを優先的に対象期間として特定してもよい。
算出部111は、特定した対象期間における消費カロリー(図9に示す測定情報群CB)を取得し、測定情報群CBに基づいて欠損期間における消費カロリーを決定する(ステップS180)。具体的には、算出部111は、測定情報群CBにおける4秒間当たりの消費カロリーの平均値を算出して、その平均値を欠損期間における4秒間あたりの消費カロリーとして決定する。なお、欠損期間における消費カロリーの決定方法は、この方法に限られるものではない。例えば、対象期間が欠損期間より長い場合には、算出部111は、測定情報群CBから欠損期間に対応する数の測定情報群を抜き出して、欠損期間における消費カロリーの測定情報群として決定してもよい。また、欠損期間と対象期間との長さが同じであるときには、算出部111は、対象期間における消費カロリーの測定情報群CBをそのまま欠損期間における測定情報群として決定してもよい。
さらに、対象期間が欠損期間より短い場合には、算出部111は、測定情報群CBを欠損期間の一部における測定情報群とし、測定情報群CBの一部または平均を残りの部分における測定情報群として決定してもよい。また、欠損期間の長さに合うように測定情報群CBを時系列方向に引き伸ばした測定情報群を欠損期間における測定情報群として決定してもよい。すなわち、算出部111は、測定情報群CBに基づいて欠損期間における消費カロリーを決定すれば、どのような方法により決定してもよい。算出部111は、このように決定した消費カロリーを、測定履歴情報の欠損期間における消費カロリーとして記録してもよい。
続いて、運動内容が存在しない場合の例について説明する。
図10は、実施形態に係る欠損期間の運動内容が存在しない場合の例を説明する図である。図10においては、図9同様に、スケジュール情報が示す内容および測定履歴情報が示す内容を、同一時系列に沿って模式的に表したものである。図10に示す例においては、2010年6月20日14時30分から16時00分の期間には測定履歴情報に消費カロリーが記録されていないため、この期間が欠損期間となる。図10に示す例において、算出部111は、スケジュール情報を参照して、この欠損期間において、運動の内容が存在しないと判定する(ステップS140;NO)。この場合、算出部111は、パターン検索を行う(ステップS160)。具体的には、算出部111は、欠損期間において他の測定情報である脈拍(図10に示す測定情報群DA)を取得し、他の期間のうち、脈拍の変化パターンが測定情報群DAにおける脈拍の変化パターンに近くなる期間を検索する。変化パターンが近いとは、比較対象となる変化パターン間の距離が予め決められた距離より小さいことをいう。
図10に示す例においては、算出部111は、検索した結果、2010年6月18日15時30分から17時00分の期間における測定情報群DBの脈拍の変化パターンが測定情報群DAの脈拍の変化パターンに近いものと判定し、その期間を対象期間として特定する(ステップS170)。なお、変化パターンが近い期間が複数ある場合には、算出部111は、複数の期間を対象期間として特定してもよい。
算出部111は、特定した対象期間における消費カロリー(図10に示す測定情報群CB)を取得し、測定情報群CBに基づいて欠損期間における消費カロリーを決定する(ステップS180)。具体的には、算出部111は、対象期間における消費カロリーの測定情報群CBをそのまま欠損期間における測定情報群として決定する。なお、算出部111は、測定情報群CBに基づいて欠損期間における消費カロリーを決定すれば、どのような方法により決定してもよく、例えば、測定情報群CBにおける4秒間当たりの消費カロリーの平均値を算出して、その平均値を欠損期間における4秒間あたりの消費カロリーとして決定してもよい。算出部111は、このように決定した消費カロリーを、測定履歴情報の欠損期間における消費カロリーとして記録してもよい。
算出部111は、このようにして決定した測定情報群の消費カロリーを、測定履歴情報における欠損期間の消費カロリーであるものとして、血糖値の時間変化の算出に用いる。
ここで、欠損期間に運動内容が存在する期間と存在しない期間とが含まれる場合には、算出部111は、それぞれの期間について、上述した処理を行うようにすればよい。
図8に戻って説明を続ける。算出部111は、欠損期間の測定情報群を決定すると、予測アルゴリズムにより予測期間における血糖値の時間変化を算出する(ステップS190)。以下、予測アルゴリズムによる血糖値の時間変化の算出、および解析結果に応じた予測アルゴリズムの変化について説明する。
算出部111は、解析部112における解析結果に応じて変化させた予測アルゴリズムを用いて、食事入力情報に記録されている食事の内容ごとの摂取カロリーに基づいて、各食事に対応して血糖値の変化を示す第1予測曲線を算出する。食事の内容に対応する摂取カロリーについては、食事メニューDBを参照して特定する。
また、算出部111は、測定履歴情報における各日時における各消費カロリーに基づいて、各日時に対応して第2予測曲線を算出する。測定履歴情報は、過去から現在までの各日時における消費カロリーが記録されている。そのため、未来の消費カロリーについては、算出部111は、スケジュール情報に記録された運動の内容ごとの消費カロリーに基づいて第2予測曲線を算出する。運動の内容に対応する消費カロリーについては、運動種別情報を参照して特定する。
算出部111は、血糖値の初期値として血糖値情報を用いる。そして、算出部111は、血糖値情報における血糖値および日時を初期値として、各日時に対応する第1予測曲線および第2予測曲線を時系列に沿って統合することによって予測血糖値曲線を算出する。
まず、解析結果に応じて変化させる前の予測アルゴリズムに基づいて算出される第1予測曲線、第2予測曲線について説明する。
図11は、実施形態に係る第1予測曲線(図11(a))、第2予測曲線(図11(b))を示す図である。まず、図11(a)を用いて、第1予測曲線について説明する。第1予測曲線は、遅延期間d1、上昇期間d2、平衡期間d3、および下降期間d4を有する。
遅延期間d1は、食事を開始した時点(食事入力情報における各日時に対応)から、食事開始時における基準値となる血糖値C0を超えるまでの期間を示している。遅延期間d1には、食事の開始時点から予め定められた時間(例えば、15分)が設定され、食事開始時の基準値となる血糖値C0を維持する。
上昇期間d2は、遅延期間d1の終期から始まり、血糖値が上昇を開始して血糖値が最大となる値(ピーク値)に到達するまでの期間を示している。ピーク値は、食事開始時の血糖値C0に血糖値の上昇値h11を合算した値である。この傾きS1はあらかじめ決められた傾きであるため、上昇値h11が大きいほど上昇期間d2は長くなる。
血糖値の上昇値h11は、例えば、h11=(摂取カロリー)×(インスリン分泌量)×(係数α)で求められる。この例においては、摂取カロリーとは、食事入力情報に示す食事の内容に対応する摂取カロリーである。また、インスリン分泌量と係数α(>0)は、ユーザーに応じて予め設定された固定値である。なお、インスリン分泌量及び係数は、予め設定された固定値だけなく、ユーザーの属性(年齢、性別、身長、体重)に応じて定められた値や可変値であってもよい。
平衡期間d3は、上昇期間d2の終期から血糖値のピーク値を維持する期間であり、この例においては、予め決められた固定値が設定されているが、食事入力情報における食事の内容(または摂取カロリー)、日時などを用いる演算式により算出されるようにしてもよい。
下降期間d4は、平衡期間d3の終期から血糖値が傾きS2で下降を開始して基準値に到達するまでの期間を示している。下降期間d4は、血糖値がピーク値から基準値(食事開始時の血糖値C0)に戻るまでの期間であり、傾きS2に応じて決まる。
傾きS2は、例えば、S2=(摂取カロリー)×(係数β)で求められる。この例においては、係数βは、ユーザーに応じて予め定められた固定値(<0)であるが、ユーザーの属性(年齢、性別、身長、体重)に応じて予め定められた値や可変値であってもよい。
算出部111は、このようにして、食事入力情報において規定されている食事ごとに各日時を始期とした第1予測曲線を算出する。
続いて、図11(b)を用いて第2予測曲線について説明する。第2予測曲線は、測定履歴情報に基づいて算出される場合と、スケジュール情報に基づいて算出される場合とでは算出方法が異なる。まず、スケジュール情報に基づいて算出される場合について説明する。この場合における第2予測曲線は、遅延期間e1および下降期間e2を有する。
遅延期間e1は、運動を開始した時点(スケジュール情報における各開始日時に対応)から血糖値が下降し始めるまでの期間を示し、運動開始時における基準値となる血糖値C0が維持される期間である。この例においては、遅延期間e1には、予め決められた期間(例えば、2分)が設定されている。
下降期間e2は、遅延期間e1の終期から、スケジュール情報の運動時間に応じた時間経過するまでの期間を示している。この間における傾きS3は、単位時間T0当たりの血糖値の低下量ΔCに応じたものとなる。この低下量ΔCは、例えば、ΔC=(消費カロリー)×(インスリン分泌量)×(係数γ)で求められる。この消費カロリーは、単位時間T0(例えば1秒間)当たりの消費カロリーである。この値は、スケジュール情報の運動の内容に対応した消費カロリーと運動時間とから算出される。インスリン分泌量はユーザーに応じて予め設定された固定値であり、係数γ(<0)は、血糖値に応じた可変値であってもよいし、ユーザーの属性に応じて定められた固定値であってもよい。
続いて、測定履歴情報に基づいて第2予測曲線が算出される場合について説明する。この場合の第2予測曲線は、測定履歴情報の各日時に対応して算出される。上述したように、測定履歴情報における欠損期間の消費カロリーについては、ステップS180において決定された測定情報群を用いる。
この場合における遅延期間e1は、上述した遅延期間e1と同様である。また、下降期間e2については、予め決められた期間(測定間隔である4秒間に応じた長さの期間)である点が上述の下降期間e2と異なっている。
続いて、解析結果に応じた予測アルゴリズムの変化について説明する。まず、第1予測曲線を算出する予測アルゴリズムについて説明する。
図12は、実施形態に係る第1予測曲線の予測アルゴリズムの変化例を示す図である。
図12(a)は、特定の日時における第1予測曲線である。図12(b)は、その特定の日時における食事の内容に対応する第1モデル曲線である。図12(c)は、第1予測曲線と第1モデル曲線とに基づいて変化させた予測アルゴリズムに基づいて算出した第1予測曲線である。
まず、算出部111は、第1予測曲線の上昇期間d2における血糖値の上昇量h11と、第1モデル曲線の血糖値の上昇量h21(C4−C1)とが比較される。算出部111は、上昇量の差分が閾値以上である場合には、第1予測曲線における上昇量h11がh21(C4−C1)となるように、予測アルゴリズムにおける係数αを調整する。
また、算出部111は、図12(b)の第1モデル曲線の血糖値がピークとなるt1以降において、血糖値がピーク値から閾値ΔCth下がったC3となるt2までの継続期間d31(t2−t1)と、第1予測曲線における平衡期間d3とを比較する。算出部111は、継続期間d31と平衡期間d3との差分が閾値以上である場合には、平衡期間d3として継続期間d31を設定する。
また、算出部111は、図12(a)の第1予測曲線の下降期間d4における血糖値の低下量(h12)と、図7(b)の第1モデル曲線の血糖値の低下量h22(C4−C2)とを比較する。算出部111は、低下量の差分が閾値以上である場合には、低下量h12を第1モデル曲線における低下量h22となるように、予測アルゴリズムにおける係数βを調整する。
算出部111は、このようにして、食事の内容ごとに、算出される第1予測曲線が第1モデル曲線に近くなるように予測アルゴリズムの変化させて、第1予測曲線を算出する。続いて、第2予測曲線を算出する予測アルゴリズムについて説明する。
図13は、実施形態に係る第2予測曲線の予測アルゴリズムの変化例を示す図である。
図13(a)は、特定の開始日時における運動の内容に応じた第2予測曲線である。図13(b)は、その運動の内容に対応する第2モデル曲線である。図13(c)は、第2予測曲線と第2モデル曲線とに基づいて変化させた予測アルゴリズムに基づいて算出した第2予測曲線である。
算出部111は、第2予測曲線の下降期間e2における血糖値の低下量ΔCと、第2モデル曲線の血糖値の低下量ΔC1とを比較する。第2モデル曲線の低下量ΔC1は、時間t1からt2の間に運動開始時の血糖値からh31だけ血糖値が低下したときの単位時間T0当たりの低下量である。算出部111は、単位時間T0当たりの低下量の差分が閾値以上である場合には、第2予測曲線におけるΔCがΔC1として傾きS31となるように、予測アルゴリズムにおける係数γを調整する。
算出部111は、このようにして、運動の内容ごとに、算出される第2予測曲線が第2モデル曲線に近くなるように予測アルゴリズムを変化させて、第2予測曲線を算出する。
なお、スケジュール情報を参照して過去の運動の内容が記録されている部分については、測定履歴情報に基づいて第2予測曲線を算出する場合においても上記の予測アルゴリズムの変形が適用できる。すなわち、過去の運動の内容を実施していた期間における測定履歴情報については、その運動の内容をしていたときの過去血糖値に応じた第2モデル曲線に応じて変形した予測アルゴリズム(係数γを変形)を用いればよい。
このように本発明の実施形態に係る血糖値予測装置10は、予測される血糖値の時間変化の算出に用いる情報に測定履歴情報を含んでいる。この測定履歴情報に記録されている測定情報に欠損がある期間が存在したとしても、血糖値予測装置10は、欠損期間における状況と同じような状況にあった期間を特定し、その期間における測定情報に基づいて、欠損期間における測定情報として補完する。そのため、血糖値予測装置10は、測定履歴情報に欠損期間が無いものとして血糖値の時間変化の算出を行うため予測制度を向上させることができる。
<変形例>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は以下のように、さまざまな態様で実施可能である。
[変形例1]
上述した実施形態において、血糖値予測装置10は、さらに、スケジュール情報にユーザーによる運動内容に関する情報の入力漏れがあったかどうかを、測定履歴情報に基づいて推定するスケジュール推定機能を実現するようにしてもよい。そして、入力漏れの情報があったと推定された場合には、その情報がスケジュール情報に記録されるようにしてもよい。以下、制御部110が制御プログラムを実行することによって実現されるスケジュール推定機能の構成を説明する。制御部110は、ユーザーの操作部120への操作により、スケジュール推定を開始する指示があった場合に、スケジュール推定機能を実現する制御プログラムを実行する。なお、制御部110は、一定間隔、予測される血糖値の算出の指示があったときなど、予め決められたタイミングで、この制御プログラムを実行するようにしてもよい。
図14は、変形例1に係るスケジュール推定機能の構成を示す図である。スケジュール推定機能は、制御部110によって構成される推定部113により実現される。推定部113は、スケジュール情報に記録された運動の内容ごとに、その運動の内容に対応する期間における測定情報(消費カロリー、脈拍)の変化の特徴を特定する。複数の期間がある場合には、例えば、各期間における測定情報の変化を平均化して特徴を特定する。推定部113は、測定履歴情報に記録された測定情報に、検出した特徴に近い特徴を示す変化が現れる期間(以下、推定期間という)を特定する。特徴が近いとは、それぞれの測定情報間の距離が予め決められた距離より近いことをいう。なお、推定部113は、スケジュール情報を参照して、同じ運動の内容が行われている期間の特徴(例えば、毎日決まった時刻に開始されている、毎週決まった日時に開始されているなど)に応じて、推定期間を特定するときの条件を変化させてもよい。例えば、毎日決まった時刻に開始されている場合に、推定期間の開始時刻がその決まった時刻と同じ場合には、特徴が近いと判定される測定情報間の距離が大きくなるように変化させてもよい。また、運動の内容と測定情報の変化の特徴との関係は予め記憶部140に記憶されておくようにしてもよい。
推定部113は、特定した推定期間がある場合には、その推定期間において、その特徴に対応する運動の内容が行われたものと推定する。この例においては、推定部113は、推定された運動の内容と推定期間とを示す情報を表示部150に表示させ、ユーザーによる操作部120を介した指示に応じて、スケジュール情報における推定期間に、推定された運動の内容を記録する。以下、具体例を用いて説明する。
図15は、変形例1に係るスケジュール推定が行われる場合の例を示す図である。図15に示すスケジュール情報と測定履歴情報とが存在する場合において、推定部113は、2010年6月21日18時00分から19時00分に行われた運動の内容「ジョギング」に対応して、消費カロリー(測定情報群CC)および脈拍(測定情報群DC)の変化の特徴を特定する。推定部113は、測定情報群CCおよび測定情報群DCの変化の特徴に近い特徴を示す変化が現れる測定情報群CDおよび測定情報群DDが存在する期間(2010年6月22日10時00分から11時00分)を推定期間として特定する。
推定部113は、運動の内容「ジョギング」が推定期間「2010年6月22日10時00分から11時00分」に行われていたことを推定し、表示部150に推定した内容を表示させる。ユーザーによって操作部120を介してスケジュール情報への記録指示があると、推定部113は、スケジュール情報への記録を行う。
このように推定部113による推定が行われることにより、血糖値予測装置10は、ユーザーによる事前のスケジュール情報への入力忘れがあっても、スケジュール情報への追記を行うことができる。このように正確に運動の内容がスケジュール情報に記録されることにより、欠損期間において運動の内容が規定されている場合において、対象期間を特定する精度を向上させることもできる。
[変形例2]
上述した実施形態において、血糖値予測装置10は、スケジュール情報において記録されている運動の内容に対応する特定の期間において、その内容の運動が行われているか否かを、測定履歴情報に基づいて判定するスケジュール判定機能を実現するようにしてもよい。そして、スケジュール情報において記録されている運動の内容に対応する特定の期間において、その内容の運動が行われていないと判定された場合には、その運動の内容と期間との対応関係を、スケジュール情報から削除するようにしてもよい。この特定の期間とは、判定の対象とする運動の内容に対応した期間(以下、判定期間という)であり、この特定の期間は、判定の対象とする運動の内容に対応する複数の期間のうち、直近の期間が指定される。なお、判定期間は、操作部120の操作を介してユーザーによって指定されてもよいし、ランダムに指定されてもよい。
以下、制御部110が制御プログラムを実行することによって実現されるスケジュール判定機能の構成を説明する。制御部110は、ユーザーの操作部120への操作により、スケジュール判定を開始する指示があった場合に、スケジュール判定機能を実現する制御プログラムを実行する。なお、制御部110は、一定間隔、予測される血糖値の算出の指示があったときなど、予め決められたタイミングで、この制御プログラムを実行するようにしてもよい。
図16は、変形例2に係るスケジュール判定機能の構成を示す図である。スケジュール判定機能は、制御部110によって構成される判定部114により実現される。判定部114は、スケジュール情報に記録された運動の内容ごとに、その運動の内容に対応する期間のうち判定期間以外における測定情報(消費カロリー、脈拍)の変化の特徴(以下、基準特徴という)を特定する。複数の期間がある場合には、例えば、各期間における測定情報の変化を平均化して特徴を特定する。また、判定部114は、判定期間における測定情報の変化の特徴(以下、判定特徴という)を特定する。
判定部114は、基準特徴と判定特徴とを比較して、これらの特徴が近い関係である場合には、判定期間において対象となる内容の運動が行われたと判定し、それ以外の場合には、その運動が行われていないと判定する。基準特徴と判定特徴とが近いとは、基準特徴が示す変化をする測定情報と判定特徴が示す変化をする測定情報との距離が予め決められた距離より近いことをいう。
なお、運動の内容と基準特徴との関係は予め記憶部140に記憶されておくようにしてもよい。
判定部114は、判定期間において対象となる内容の運動が行われていないと判定すると、その判定結果を示す情報を表示部150に表示させ、ユーザーによる操作部120を介した指示に応じて、スケジュール情報における判定期間に、記録されている運動の内容を削除する。以下、具体例を用いて説明する。
図17は、変形例2に係るスケジュール推定が行われる場合の例を示す図である。図17に示すスケジュール情報と測定履歴情報とが存在し、判定期間は、2010年6月23日18時00分から19時00分であるものとする。判定部114は、2010年6月21日18時00分から19時00分に行われた運動の内容「ジョギング」に対応して、消費カロリー(測定情報群CE)および脈拍(測定情報群DE)の変化の特徴(基準特徴)、および判定期間における測定情報群CFおよび測定情報群DFの変化の特徴(判定特徴)を特定する。そして、判定部114は、基準特徴と判定特徴とが近くない場合には、表示部150にその旨を表示させる。ユーザーによって操作部120を介してスケジュール情報からの削除指示があると、判定部114は、スケジュール情報からの判定期間における運動の内容の削除を行う。
このように、スケジュール情報に記録された内容に従って運動がされていない場合に、その内容が削除され、正確に運動の内容がスケジュール情報に記録されることにより、欠損期間において運動の内容が規定されている場合において、対象期間を特定する精度を向上させることもできる。
[変形例3]
上述した実施形態において、測定部130における活動量測定部131または脈拍測定部132が消費カロリー情報または脈拍情報の出力を停止していた場合、制御部110は、表示部150などにその旨を表示するなどして、ユーザーに報知するようにしてもよい。なお、出力を停止していた場合に限らず、出力される情報が予め決められた範囲外の値を示す場合には、測定ミス、ユーザーの装着忘れなどが生じているものとしてユーザーに報知するようにしてもよい。予め決められた範囲とは、例えば、脈拍であれば、1分当たり40から160などとすればよい。また、制御部110は、情報の出力が停止している活動量測定部131または脈拍測定部132を再起動するなど、通常の状態へ復帰させるための処理を行ってもよい。
[変形例4]
上述した実施形態において、活動量測定部131が出力する情報は、消費カロリー情報に代えて、または消費カロリー情報とともに、他の情報が含まれていてもよい。他の情報としては、歩数、推測される行動(歩行、走行などの運動強度など)のほか、センサーの出力信号が示す値などであってもよい。また、デッドレコニングの技術により、ユーザーの移動速度などの情報であってもよい。すなわち、出力される情報は、消費カロリーの算出に用いることができる測定情報であればよい。なお、これらの情報は、制御部110において、さらに別の情報へ変換されてもよい。
また、測定部130は、活動量測定部131とは異なるセンサーにより測定を行う構成を有していてもよい。例えば、角速度センサー、気圧センサー、GPS(Global Positioning System)技術などを用いた位置センサーなどがある。これらの各センサーからの出力信号に応じて、ユーザーの位置、移動速度、高度などを測定してもよい。これにより、測定部130は、さらに、推測される行動として登り、下り、乗り物に乗車中などの情報を出力してもよい。
[変形例5]
上述した実施形態においては、算出部111は、欠損期間における運動の内容をスケジュール情報から検索して同じ運動の内容に対応する期間を特定していたが、同じ運動の内容に限らず、関連する運動の内容については、検索結果として得られるようにしてもよい。この場合には、記憶部140に関連する運動内容の関係を定めた対応情報を記憶するようにしておき、算出部111は、対応情報を参照して、検索を行うようにすればよい。
[変形例6]
上述した実施形態においては、運動種別情報は、予め記憶部140に記憶されていたが、制御部110により内容が更新されてもよい。この場合には、制御部110は、スケジュール情報に記録されている特定の運動の内容に対応した期間について、測定履歴情報における消費カロリーを1時間分積算して、その特定の運動の内容に対応する消費カロリーとして運動種別情報の内容を更新すればよい。
このようにすると、未来の期間における血糖値の時間変化の算出における予測精度を向上させることができる。
[変形例7]
上述した実施形態においては、測定する生体情報として脈拍測定部132により測定される脈拍としたが、例えば、脈波、脈波R−R間隔心拍、体温、心電図、血圧、睡眠時間、生体インピーダンスなどを測定するようにしてもよい。
[変形例8]
上述した実施形態においては、血糖値予測機能において、予め定義された血糖値の予測アルゴリズムを用いて血糖値の予測曲線を生成する例を示したが、非線形回帰分析や時系列解析など、さまざまな解析手法を採用することができる。算出部111は、採用した解析手法により推定されたモデルに、記憶部140に記憶されている各種情報を適用して、血糖値の予測曲線を生成すればよい。
[変形例9]
上述した実施形態においては、ユーザー情報がユーザーの過去の教育入院期間において測定された血糖値と行動履歴が記録されている例であったが、ユーザーの血糖値に関する時系列データであればこれ以外のデータであってもよい。例えば、自宅で測定されたユーザーの血糖値と行動履歴の時系列データでもよいし、ユーザーと同様の特性(病状や体質等)を有する他の糖尿病患者の血糖値と行動履歴の時系列データであってもよい。
[変形例10]
上述した実施形態においては、活動量測定部131によってユーザーの消費カロリーを逐次測定する例を示したが、脈拍測定部132において、加速度センサーを利用し、ユーザーが動いた際の加速度値から消費カロリーに変換する予め定義された演算式を用いて、ユーザーの動きに対する消費カロリーを算出する簡易活動量計を組み込むようにしてもよい。この場合においては、活動量測定部131の代わりに簡易活動量計を用いるようにしてもよい。この構成は、活動量測定部131からの消費カロリー情報の出力が停止したときに適用するようにしてもよい。
[変形例11]
上述した実施形態における制御プログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリーなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供されてもよい。また、この制御プログラムは、インターネットのようなネットワーク経由でダウンロードされることにより提供されてもよい。
10…血糖値予測装置、110…制御部、111…算出部、112…解析部、113…推定部、114…判定部、120…操作部、130…測定部、131…活動量測定部、132…脈拍測定部、140…記憶部、150…表示部、160…通信部

Claims (5)

  1. ユーザーの運動に応じて変化する物理量を測定する測定手段と、
    運動の内容と当該内容の運動が行われる期間とが対応付けて記録されたスケジュール情報、および前記測定された物理量に応じた測定情報が時系列に記録された測定履歴情報を記憶する記憶手段と、
    前記測定履歴情報に記録された時系列の測定情報に基づいて、予測される前記ユーザーの血糖値の時間変化を算出する算出手段と
    を具備し、
    前記算出手段は、
    前記測定履歴情報において前記測定情報の記録が欠損している欠損期間があった場合に、前記スケジュール情報を参照し、当該欠損期間における運動の内容に基づいて過去の対象期間を特定し、
    前記測定履歴情報に記録された前記対象期間における測定情報に基づいて、前記欠損期間における測定情報を決定して、前記血糖値の時間変化を算出する
    ことを特徴とする血糖値予測装置。
  2. 前記測定履歴情報に記録される測定情報は、第1測定情報および第2測定情報を有し、
    前記算出手段は、前記測定履歴情報において前記第1測定情報の記録が欠損している欠損期間があった場合に、さらに、当該欠損期間における前記第2測定情報の時間変化と他の期間における前記第2測定情報の時間変化との関係に基づいて、前記対象期間を特定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の血糖値予測装置。
  3. 前記スケジュール情報に記録される運動の内容に対応する期間における前記測定履歴情報に記録された測定情報の変化の特徴に基づいて、前記測定履歴情報に記録された測定情報に当該特徴に応じた変化が現れる推定期間を特定し、当該運動の内容が当該推定期間に行われたものと推定する推定手段をさらに具備する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の血糖値予測装置。
  4. 前記スケジュール情報に記録された運動の内容と、当該運動の内容に対応する期間における前記測定履歴情報に記録された測定情報との関係に基づいて、当該期間に当該内容の運動が行われたか否かを判定する判定手段をさらに具備する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の血糖値予測装置。
  5. コンピュータを、
    ユーザーの運動に応じて変化する物理量を測定する測定手段と、
    運動の内容と当該内容の運動が行われる期間とが対応付けて記録されたスケジュール情報、および前記測定された物理量に応じた測定情報が時系列に記録された測定履歴情報を記憶する記憶手段と、
    前記測定履歴情報に記録された時系列の測定情報に基づいて、予測される前記ユーザーの血糖値の時間変化を算出する算出手段であって、前記測定履歴情報において前記測定情報の記録が欠損している欠損期間があった場合に、前記スケジュール情報を参照し、当該欠損期間における運動の内容に基づいて過去の対象期間を特定し、前記測定履歴情報に記録された前記対象期間における測定情報に基づいて、前記欠損期間における測定情報を決定して、前記血糖値の時間変化を算出する算出手段
    として機能させるプログラム。
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