JP2012040079A - 座椅子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】人が着座する座部A及び座部Aと接続されて傾動自在な背凭れ部Bとを有する座椅子において、背凭れ部Bの下部の座部A側に形成した開口部Eと、背凭れ部Bの面に臀部の尾骨が当たり、また、背凭れ部Bに胸椎の上部を凭れ掛けた状態下で、背凭れ部Bの面と腰椎との間の間隙が生じる。その間隙に背凭れ部Bの開口部Eの上側を軸に取付けられた補助クッション部Cの飛び出しによって、当該間隔をなくすようにしたものである。背凭れ部Bの面と腰椎との間の間隙を補助クッション部Cでなくすことにより、背凭れ部Bを傾動して着座している人体の腰に対して、腰椎の位置が自然の状態に保持したまま、使用することができる。
【選択図】図1
Description
しかし、特許文献1においては、人が座椅子に着座したとき、背凭れに臀部が当たり、着座位置が決まる。そして、状態を後ろに傾けて背中、即ち、胸椎の位置を定める。このとき、補助具は単なるクッション材として機能しているにすぎない。
特許文献1では、例えば、着座の際には、補助具の上に着座し、また、凭れる場合には、臀部と背凭れとの間に補助具が介在する。したがって、着座の際、臀部の下に補助具を敷いた場合、凭れかせの際の臀部の後ろに補助具を挟んだ場合には、何れも人体の基準となる安定位置を不安定にするものであるから、見掛け上は安定したクッション性のよい座椅子のイメージを持つものの、当該座椅子を使用してみるとクッション性による不安定さにより落ち着きが悪いことが分かる。
ここで、人が着座する座部とは、座椅子の座面となり、その背凭れ部が垂直の時、全体で体重を支える部分を構成するものである。
また、前記座部と接続されて傾動自在な背凭れ部とは、人体の上半身を凭れ掛けさせる部分で、その受けた力は、前記背凭れ部から前記座部に伝えられる。
そして、上記背凭れの下部の座部側に形成した開口部とは、前記背凭れ部の前記座部側の一辺を開放したUの字状としてもよいし、背凭れ部の4辺を残したまま、ロ字状に刳り貫き形成してもよい。
更に、上記背凭れ部の面に臀部の尾骨及び胸椎の上部を凭れ掛けた状態下とは、前記背凭れ部の面に尾骨及び胸椎を凭れ掛けたときであればよく、継続的に、その状態が維持されるか否かはここで問題とするものではない。前記背凭れ部の面と人体の臀部の尾骨及び上部の一部の胸椎との位置関係を特定するものである。
また、上記補助クッション部は、前記背凭れ部の面と腰椎との間の間隙を、前記背凭れ部の前記開口部の上側を軸として回動自在としたから、前記背凭れ部の面と前記腰椎との間の当該間隔をなくすように回動自在な前記補助クッション部が取付けられたものである。したがって、使用していないときには、前記補助クッション部の全体が前記開口部に収容されてもよいし、一部が前記背凭れ部から突出してもよいし、逆に、前記背凭れ部の背面側に突出していてもよい。
ここでは、前記背凭れ部の最上部側に設けた頭部を凭れ掛ける頭部受け部は、クッション材でもよいし、傾動式の前記背凭れ部からの突出距離を変化させるものであってもよい。或いは頭部受け部が傾動しない固定されたものであってもよい。
ここでは、前記背凭れ部の最上部側の頭部受け部は、傾動式の前記背凭れ部からの突出距離を変化させるものであるから、上半身の傾動状態によって頭部受け部の傾動角度を調節できる。このとき、前記頭部受け部の傾動角度と前記補助クッション部の傾動角度とをリンクさせてもよい。
ここで、空気の流れを良くするとは、開口部と補助クッション部の大きさが開口部が大きく(広く)、補助クッション部との間に間隙が形成されるものであるから、前記補助クッション部自体が湿気を閉じ込めない構造とするものであればよい。勿論、前記補助クッション部自体に通気性を持たせてもよい。
したがって、着座者の腰椎の負担を前記補助クッション部で軽減し、前記背凭れ部の面の角度が変化しても、補助クッション部の回動によって常に腰椎の必要な支えになるから、腰椎の負担が少なくなり、長時間の着座であっても腰に対する負担が軽減される。特に、補助クッション部は上側を支点として回動するものであり、特に、背骨は腰椎から胸椎に至る曲線は、下部ほど背凭れ部との間隔が広くなるから、前記補助クッション部の回動によって、その背骨の曲線の面に沿って合致した支えとすることができる。
また、このとき、前記背凭れ部の開口部から腰椎側に補助クッション部が移動するから、人体の背中側、特に、腰椎側に空気の通路が形成され、前記背凭れ部と背中との接触面側が湿気で蒸れることがなくなる。
なお、座フレーム10は、必要な緩衝材18及び強靭な布地等の被覆材15と共に座部Aを形成している。
なお、背フレーム30は、必要な緩衝材38及び強靭な布地等の被覆材35と共に背凭れ部Bを形成している。
なお、補助クッションフレーム41は必要な緩衝材48及び強靭な布地等の被覆材45と共に補助クッション部Cを形成している。前記補助クッション部Cと開口部Eとの関係は、背凭れ部Bを正面に見るとき、前記補助クッション部Cが開口部Eの中に収容され、前記補助クッション部Cが開口部Eよりも小さく形成されている。
なお、頭部受けフレーム51は、必要な緩衝材58及び強靭な布地等の被覆材55と共に頭部受け部Dを形成している。
図において、ラチェット金具20は、座椅子の座フレーム10と背フレーム30との間の連結部に使用されるもので、座部A側に位置する固定部材210と背凭れ部B側に位置する回動部材220と、逆方向の回転を防止する逆転防止爪230と、ラチェット機能を禁止または解禁するカム板240とを基本的構造としている。ラチェット金具40及びラチェット金具50も同様である。
背凭れ部B側の回動部材220は、背フレーム30の各端部に取付けられる取付片221と、その端部に形成された相対向する一対のラチェット222を有している。この一対のラチェット222は、本発明を実施する場合には、片側のみとすることもできる。
この回動部材220に形成した一対のラチェット222間にカム板240を介在させた状態で、ラチェット222及びカム板240が、固定部材210のハウジング部212内に収容され、ハウジング部212の両側壁に設けられた回動軸251に回動自在に軸支されている。
図9の状態においては、図8の回動部材220(背凭れ部B)と固定部材210(座部A)との角度を狭めたものであり、背凭れ部Bを約15度程度起こした状態に相当する。このとき、時計方向に荷重が加わったとしても、係合爪231がラチェット歯に係合し、角度を開く方向への回転は係合爪231がラチェット歯に係合した状態に規制される。
背凭れ部Bを座部A側に傾動させるとき、図8乃至図10の位置まで回動させる間では、当該背凭れ部Bの特定の傾動角度で回動を止め、背凭れ部Bの回動方向とは異なる方向に若干戻すと、係合爪231がラチェット222の最寄りのラチェット歯に係合し、回動部材220が固定部材210に対し特定の角度の停止位置となり固定される。
なお、背フレーム30を構成する水平フレーム32をL字状に2分割し、その間を補強材(棒鋼、板材)で繋ぎ、L字状に2分割した水平フレーム32に固定部材210を接続してもよい。
なお、2本の立上りフレーム31とその上部の水平フレーム32は1本の直線フレームで背フレーム30を構成でき、その端部に頭部受け部Dのラチェット金具50を配設しているが、本発明を実施する場合には、2本の立上りフレーム31と水平フレーム32を金属製の管材とし、略Uの字状に形成することもできる。
図14の座フレーム10においては、略Uの字状の主座フレーム11の開口端間を補助座フレーム12によって座フレーム10の機械的構造を安定化させている。また、補助座フレーム12に代えて、合成樹脂テープで略Uの字状の主座フレーム11の開口端間を接続してもよい。何れにせよ、機械的強度を出すための対応である。
図1の本実施の形態の座椅子においては、金属パイプ製の2本の立上りフレーム31と1本の水平フレーム32から略Uの字状に形成された主背フレーム33で背フレーム30を構成しているが、本実施の形態では、水平フレーム32に直接ラチェット金具20の固定部材210側を直接水平フレーム32の中央部分に溶接している。
このように、本実施の形態の座椅子は、座部A、背凭れ部B、補助クッション部C、頭部受け部D、開口部Eの構造は、格別限定されることはない。
特に、補助クッション部Cを通気性を良くする構造としたものでは、顕著な効果が得られる。
また、ラチェット金具20、ラチェット金具40、ラチェット金具50の構造は、本発明を実施する場合には、上記実施の形態のラチェット金具20に限定されるものではなく公知のラチェット機能のものの使用が可能であり、また、油圧シリンダ、エアシリンダ等の機構を使用してもよい。
B 背凭れ部
C 補助クッション部
D 頭部受け部
E 開口部
M1 尾骨
M2 仙骨
M3 腰椎
M4 胸椎
M5 頸椎
10 座フレーム
20、40、50 ラチェット金具
30 背フレーム
32 水平フレーム
18、38、48、58 緩衝材
41 補助クッションフレーム
51 頭部受けフレーム
Claims (4)
- 少なくとも、人が着座する座部及び前記座部と接続されて傾動自在な背凭れ部とを有する座椅子において、
前記背凭れ部の下部の前記座部側に形成した開口部と、
前記背凭れ部の前記座部側の面に人体の尾骨及び胸椎の上部を凭れ掛けた状態下で、前記背凭れ部の面と腰椎との間の間隙を、前記背凭れ部の前記開口部の上側を軸として回動自在に取付けられ、当該間隙をなくすことを自在とした補助クッション部と
を具備することを特徴とする座椅子。 - 前記背凭れ部の最上部側には、頭部を凭れ掛ける頭部受け部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の座椅子。
- 前記背凭れ部の最上部側の頭部受け部は、傾動自在としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の座椅子。
- 前記補助クッション部は、通気性を良くする構造としたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の座椅子。
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