JP2012038829A - 有機太陽電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 光電変換効率がさらに高い有機太陽電池を提供する。
【解決手段】 電子供与性を有するp型有機半導体と電子受容性を有するn型有機半導体と有機顔料の微粒子とを含んでなるバルクヘテロ接合層3と、前記バルクへテロ接合層の一面側に設けられる透明電極2と、前記バルクへテロ接合層の他面側に設けられる対向電極4とその中間に有機ブロッキング層を備えてなる有機太陽電池であって、前記有機ブロッキング層が、金属酸化物微粒子を有機高分子中に分散させたものである有機太陽電池。
【選択図】 図1
【解決手段】 電子供与性を有するp型有機半導体と電子受容性を有するn型有機半導体と有機顔料の微粒子とを含んでなるバルクヘテロ接合層3と、前記バルクへテロ接合層の一面側に設けられる透明電極2と、前記バルクへテロ接合層の他面側に設けられる対向電極4とその中間に有機ブロッキング層を備えてなる有機太陽電池であって、前記有機ブロッキング層が、金属酸化物微粒子を有機高分子中に分散させたものである有機太陽電池。
【選択図】 図1
Description
本発明は有機太陽電池に関し、詳細にはバルクへテロ接合型の有機太陽電池に関する。
地球温暖化が深刻化するなかで代替エネルギーへの要望が高まっており、太陽光を電力に変換する太陽電池の研究開発が精力的に進められている。現在実用化されている太陽電池の大部分はシリコンを原料とするものである。しかし、これらは高温処理工程を必要とし、また材料自体の価格も高く単位電力あたりのコストが高いという問題を有している。また、シリコン原料資源の面で供給性にも問題を有している。
一方、有機材料を用いた太陽電池(以下「有機太陽電池」という)は低温での製造が可能であり、高温工程を必要とせず、また、シート状フレキシブル基板へのroll to roll方式での製膜が可能であるため低コスト化の期待ができる。また、原料面での制約が少ない。
太陽電池は太陽光または室内光を吸収して発電を行ない、そのプロセスは、(1)光吸収による励起励起子の生成、(2)励起子のキャリア対への解離、(3)キャリア対が分離して電極に到達、の3過程に分けて考えることができる。
前記の励起子が、その寿命の中で動ける範囲(励起子拡散距離)は、一般に、10nm程度の小さい距離である。(1)のプロセスで生成した励起子が、(2)のプロセスで解離して光起電力として利用されるには、生成した場所と解離場所とが、上述の励起子拡散距離の範囲内にある必要がある。有機太陽電池の構造は様々であり、例えば、色素増感型、バルクヘテロ接合型(例えば、非特許文献1参照)、pn接合型、ショットキー型などが提案されているが、上記の制約を満たすために、それぞれ特徴ある構造を有している。
特に、バルクヘテロ接合型の太陽電池においては、例えばp型有機半導体であるポリチオフェン誘導体とn型有機半導体であるフラーレン(C60)誘導体とを混合して薄膜(バルクへテロ接合層)とし、励起子の解離場所であるpn接合部を膜全体に均一に分散させる事により、光吸収により生成した励起子が、励起子の解離場所に到達してイオン対に解離する過程を効率よく進行させるよう構成されている。
しかし、実際の太陽電池では励起子により生成しキャリア対が電極に到達するのとは別に対向電極、透明電極間のリークにより十分な電圧が生じないと言う問題がある。
また、それを補うためにバルクへテロ接合層を厚くすると、バルクへテロ接合層自体の電気抵抗が増大するため、十分な光電変換効率は得らなくなる。
また、それを補うためにバルクへテロ接合層を厚くすると、バルクへテロ接合層自体の電気抵抗が増大するため、十分な光電変換効率は得らなくなる。
また、特許文献1には、溶剤に可溶な潜在顔料を塗布後、熱処理や光照射などのプロセスにより顔料に変換する事が開示されている。この方法では、塗布工程後の変換プロセス(熱処理や光照射)が追加されること、またそのプロセスにより、その他の有機材料が損傷を受ける可能性があるという問題があった。また、潜在顔料の一部が顔料に変換されないで残留すると、有機光電変換素子の性能を損なう問題及びリークの原因となる問題もあった。
特にroll to roll法による長距離フレキシブル基板への製膜においては工程中の塵埃、塗布材料の不均一性に伴い生成する物質を原因或いは核とした導電性異物による両面に設置された電極間でのリークの問題が生じやすい。
G.Li,nature materials,vol.4,pp864(2005)
特開2007−324587号公報
本発明の目的は、電極間のリークを抑え光電変換効率のロスを発生しない有機太陽電池を提供することにある。
本発明者らは、塗布プロセスを用いて有機顔料を含むバルクヘテロ接合層を成膜した太陽電池において、バルクへテロ層と対向電極の間に有機ブロッキング層を形成することでリークの発生を防ぐことが出来、光電変換効率のロスが起こらないことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の有機太陽電池は、電子供与性を有するp型有機半導体と電子受容性を有するn型有機半導体と有機顔料の微粒子とを含んでなるバルクヘテロ接合層と、前記バルクへテロ接合層の一面側に設けられる透明電極と、前記バルクへテロ接合層の他面側に設けられる対向電極とを備えてなる有機太陽電池であって、前記バルクへテロ接合層と前記対向電極との間に有機ブロッキング層を設けたことを特徴とする有機太陽電池により、光電変換効率のロスを防ぐことが可能となる。
本発明の有機太陽電池は、有機ブロッキング層が有機高分子中に金属酸化物微粒子を分散させたことを特徴とする。
絶縁性の高い有機高分子と導電性の金属酸化物微粒子とにより電気抵抗の調整、表面性の制御がしやすくなり、基板からバルクへテロ層への適度な電荷注入を促し、膜強度も最適化できる。ブロッキング層の比抵抗は106Ωcmから1012cmΩが好ましく、ブロッキング層は100nmから1000nmの膜厚を有することが望ましい。薄すぎるとブロッキング性が低下しリーク防止機能を果たさない。一方、厚すぎると電極への電荷の注入を阻害し電流の減少、変換効率の低下を招く。
絶縁性の高い有機高分子と導電性の金属酸化物微粒子とにより電気抵抗の調整、表面性の制御がしやすくなり、基板からバルクへテロ層への適度な電荷注入を促し、膜強度も最適化できる。ブロッキング層の比抵抗は106Ωcmから1012cmΩが好ましく、ブロッキング層は100nmから1000nmの膜厚を有することが望ましい。薄すぎるとブロッキング性が低下しリーク防止機能を果たさない。一方、厚すぎると電極への電荷の注入を阻害し電流の減少、変換効率の低下を招く。
本発明の有機太陽電池は、前記金属酸化物微粒子の平均粒径が5nm〜50nmである。平均粒径が50nmを超えると、その膜内での分散均一性が悪化し、5nm以下では粒子同士の凝集が生じやすく特性が得られない。
本発明は、前記有機太陽電池の製造方法として、前記透明電極と、前記バルクヘテロ接合層と、前期有機ブロッキング層と対向電極を、順次積層する工程を含んでなる有機太陽電池の製造方法を含む。
本発明によれば、湿式塗布プロセスを用いて、光電変換効率の高い有機太陽電池、およびその製造方法を提供することができる。
以下に、本発明に係る有機太陽電池、およびその製造方法について、詳細に説明するが、本発明は、以下に示された実施形態にのみ限定されるものではない。
図1は、本発明の有機太陽電池の一実施形態を示す概略図である。図1に示すように、本実施形態の有機太陽電池10は、主として透明基板1、透明電極2、バルクヘテロ接合層3および有機ブロッキング層4、対向電極5が順次積層されて構成される。ここで、透明電極2は、バルクヘテロ接合層3の一面側に設けられている。対向電極5は、バルクヘテロ接合層3に対し、透明電極2の反対側に設けられている。透明電極2と、バルクヘテロ接合層3の間に注入層6が挿入されている。バルクヘテロ接合層3と、対向電極4の間に、ブロッキング層6が挿入されている。
図1は、本発明の有機太陽電池の一実施形態を示す概略図である。図1に示すように、本実施形態の有機太陽電池10は、主として透明基板1、透明電極2、バルクヘテロ接合層3および有機ブロッキング層4、対向電極5が順次積層されて構成される。ここで、透明電極2は、バルクヘテロ接合層3の一面側に設けられている。対向電極5は、バルクヘテロ接合層3に対し、透明電極2の反対側に設けられている。透明電極2と、バルクヘテロ接合層3の間に注入層6が挿入されている。バルクヘテロ接合層3と、対向電極4の間に、ブロッキング層6が挿入されている。
[バルクヘテロ接合層]
バルクヘテロ接合層3は、電子供与性を有するp型有機半導体と、電子受容性を有するn型有機半導体と、有機顔料の微粒子とを含んでなるものである。
バルクヘテロ接合層3は、電子供与性を有するp型有機半導体と、電子受容性を有するn型有機半導体と、有機顔料の微粒子とを含んでなるものである。
(I)p型有機半導体
本実施形態のバルクヘテロ接合層を構成するp型有機半導体としては、電子供与性を有する任意の有機材料を用いることができる。p型有機半導体は、好ましくは共役高分子である。共役高分子は、分子構造中に共役二重結合を有するもので、例えば、チオフェン、フェニレンビニレン、チエニレンビニレン、カルバゾール、ビニルカルバゾール、ピロール、イソチアナフェン、イソチアナフェンおよびヘプタジエンなどの化合物、ならびに水酸基、アルキル基、アミノ基、メチル基、ニトロ基およびハロゲン基などを有する上記化合物の誘導体の重合体が挙げられるが、これらには限定されない。なお、これらの共役高分子は、単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。より具体的には、3−ヘキシルチオフェン、3−オクチルチオフェン、3−ドデシルチオフェン、3−(4−オクチルフェニル)−2,2’−ビチオフェン、3−(4−オクチルフェニル)−チオフェン、および2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキシロキシ)−1,4−フェニレンビニレンなどの単独重合体又はこれらの二種以上の共重合体が挙げられる。なかでも、ポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキシロキシ)−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)が、光電変換効率を向上させる観点から特に好ましいが、これらには限定されない。
本実施形態のバルクヘテロ接合層を構成するp型有機半導体としては、電子供与性を有する任意の有機材料を用いることができる。p型有機半導体は、好ましくは共役高分子である。共役高分子は、分子構造中に共役二重結合を有するもので、例えば、チオフェン、フェニレンビニレン、チエニレンビニレン、カルバゾール、ビニルカルバゾール、ピロール、イソチアナフェン、イソチアナフェンおよびヘプタジエンなどの化合物、ならびに水酸基、アルキル基、アミノ基、メチル基、ニトロ基およびハロゲン基などを有する上記化合物の誘導体の重合体が挙げられるが、これらには限定されない。なお、これらの共役高分子は、単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。より具体的には、3−ヘキシルチオフェン、3−オクチルチオフェン、3−ドデシルチオフェン、3−(4−オクチルフェニル)−2,2’−ビチオフェン、3−(4−オクチルフェニル)−チオフェン、および2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキシロキシ)−1,4−フェニレンビニレンなどの単独重合体又はこれらの二種以上の共重合体が挙げられる。なかでも、ポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキシロキシ)−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)が、光電変換効率を向上させる観点から特に好ましいが、これらには限定されない。
p型有機半導体として用いることができる共役高分子は、数平均分子量が標準ポリスチレン換算で1,000〜200,000であることが好ましい。数平均分子量が1,000未満では、1,000以上である場合に比べてp型共役高分子の粘度が低くなり、例えば丈夫なスピンコート膜を形成することができなくなり、有機太陽電池10の作製が困難となる。逆に、数平均分子量が200,000を超えると、200,000以下である場合に比べて、p型共役高分子の粘度が高くなり、n型半導体が凝集しやすくなり、光電変換効率の低下を招く。より好ましくは、標準ポリスチレン換算の数平均分子量は10,000〜100,000である。数平均分子量がこの範囲にあると、この範囲から外れた場合と比較して、例えばスピンコート膜の形成が容易になり、n型半導体が分散して電荷移動錯体が形成されやすくなり、光電変換効率がより向上するという利点が得られる。
p型有機半導体は結晶性でも非晶性であってもよく、立体規則性の程度については問われない。
(II)n型有機半導体
本実施形態のバルクヘテロ接合層を構成するn型有機半導体は、電子受容性を有する任意の有機材料を用いることができる。フラーレン系材料においてはp型高分子からの電子移動が取り分け早いことが知られている。例えば、その中でも溶剤への溶解性のある、下記式(3)で示されるフラーレン誘導体(PCBM:Phenyl−C61−Butyric−Acid−Methyl Ester)を用いることが好ましい。
(II)n型有機半導体
本実施形態のバルクヘテロ接合層を構成するn型有機半導体は、電子受容性を有する任意の有機材料を用いることができる。フラーレン系材料においてはp型高分子からの電子移動が取り分け早いことが知られている。例えば、その中でも溶剤への溶解性のある、下記式(3)で示されるフラーレン誘導体(PCBM:Phenyl−C61−Butyric−Acid−Methyl Ester)を用いることが好ましい。
p型有機半導体とn型有機半導体の混合割合は、好ましくは、p型有機半導体およびn型有機半導体のそれぞれのもう一方に対するモル比が0.6〜1.4であり、さらに好ましくは、p型有機半導体:n型有機半導体が1:1である。ここで、p型有機半導体が共役高分子の場合は、モノマーユニットを1分子とみなし、上記モル比を、(p型有機半導体のモノマーユニットのモル数):(n型有機半導体のモル数)として計算する。
(III)有機顔料
有機顔料としては太陽光のスペクトルに対して大きな吸収係数を持ち、また化学的にも安定な特性を有するとともに、電荷を輸送できる高い半導体特性を有するものであれば良い。
有機顔料としては太陽光のスペクトルに対して大きな吸収係数を持ち、また化学的にも安定な特性を有するとともに、電荷を輸送できる高い半導体特性を有するものであれば良い。
特に、従来用いられている多くのp型有機半導体、n型有機半導体の吸収スペクトルが、波長600nm以下の領域であるのに対し、フタロシアニン顔料の吸収スペクトルは波長600nm以上の赤〜赤外領域が中心である。このため、フタロシアニン顔料がp型有機半導体とn型有機半導体の吸収スペクトルを補完する結果、バルクヘテロ接合層全体の吸収スペクトルが広がり、有機太陽電池の光電変換効率を向上させるのに効果的である。
さらに好ましくは、無金属フタロシアニン、およびチタニルフタロシアニンが他のフタロシアニンの金属錯体と比較して光電変換効率が高いという点で有利である。ヘテロ接合層3に含有される有機顔料は、一種の有機顔料であってもよく、二種以上の有機顔料の組み合わせであってもよい。バルクヘテロ接合層3は、その他の構成成分として、バインダ樹脂を含むことができる。バインダ樹脂としては、例えば、ホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等をバルクヘテロ接合層3の構成成分(溶媒を除く)に対し0質量%〜50質量%含ませることができる。バルクヘテロ接合層3の厚さは、100nm〜1000nmであることが好ましい。さらに好ましくは150nm〜300nmである。バルクヘテロ接合層3の厚さが50nm未満の場合、バルクヘテロ接合層3が有機顔料を含まない場合に比べて光電変換効率を十分に向上できるものの、上記範囲にある場合と比較して、入射光の吸収率が低下し、十分に光電変換を行うことができない。また、厚さが1000nmを超えると、電気抵抗が大きくなり、光電変換効率の低下を招く場合がある。
このように構成すると、有機太陽電池10、透明電極2側からバルクヘテロ接合層3に光が入射されると、有機顔料において電子がHOMOからLUMOに励起され、この電子はn型有機半導体の伝導帯への移動、p型有機半導体、n型有機半導体の光吸収により伝導帯に励起された電子がn型有機半導体の伝導帯に移動する際のリークによる逆方向への電荷移動を妨げることが出来る。
一方、有機顔料のHOMOのレベルに発生した正孔のp型有機半導体の価電子帯への移動、p型有機半導体、n型有機半導体における光吸収により生成した正孔のp型有機半導体の価電子帯への移動の逆方向への移動を防ぐ効果を呈する。
バルクヘテロ接合層で励起された電荷は、n型有機半導体の伝導帯とp型有機半導体の価電子帯に有効に分離され起電力を誘起するが、外部回路との接続により、電荷が外部回路に流れて電流となる。この時、電極からバルクへテロ層へのリーク電流が生じない様にすることが必要である。
[有機ブロッキング層]
有機ブロッキング層は有機高分子材料中に微粒子を分散させた層である。有機高分子は膜形成及び基板からバルクへテロ層への適度な電荷注入を促し、前期リークの原因となる過剰な電荷の流れを抑制する機能を有している。このとき、有機高分子材料には電気抵抗の高い樹脂を用い、微粒子には導電性を有する微粒子を採用することで有機ブロッキング層の電気抵抗を制御できることが必要である。ブロッキング層の比抵抗は106Ωcmから1012Ωが好ましく、ブロッキング層は100nmから1000nmの膜厚を有することが望ましい。薄すぎるとブロッキング性が低下しリーク防止機能を果たさない。一方、厚すぎると電極への電荷の注入を阻害し電流の減少、変換効率の低下を招く。
[有機ブロッキング層]
有機ブロッキング層は有機高分子材料中に微粒子を分散させた層である。有機高分子は膜形成及び基板からバルクへテロ層への適度な電荷注入を促し、前期リークの原因となる過剰な電荷の流れを抑制する機能を有している。このとき、有機高分子材料には電気抵抗の高い樹脂を用い、微粒子には導電性を有する微粒子を採用することで有機ブロッキング層の電気抵抗を制御できることが必要である。ブロッキング層の比抵抗は106Ωcmから1012Ωが好ましく、ブロッキング層は100nmから1000nmの膜厚を有することが望ましい。薄すぎるとブロッキング性が低下しリーク防止機能を果たさない。一方、厚すぎると電極への電荷の注入を阻害し電流の減少、変換効率の低下を招く。
有機ブロッキング層の有機高分子としてはバルクへテロ層を塗布する際に溶出しないことが必要であることからバルクヘテロ層材料と溶解性の異なる材料が好ましい。バルクヘテロ層材料は例えばクロロベンゼン、クロロホルム、THF等の溶剤に溶解する。このため、ブロッキング層に用いられる高分子はポリアミド及びその変性構造、ポリビニルブチラール及びその変性物等アルコール可溶性あるいは水溶性材料を用いることが望ましい。
微粒子とは、平均粒経が5nm〜50nmの粒子をいう。平均粒径とは、透過電子顕微鏡による観察で測定した値の平均値である。金属酸化物の微粒子の粒経は、好ましくは、5nm〜50nmである。さらに好ましくは、微粒子の粒経は5nm〜10nmである。
有機ブロッキング層中に含まれる金属酸化物としてはTiO2、ZnO、Al2O3等が好ましい。これらは粒径分布が安定して生産することが可能であり、種々の表面処理技術が確立されているため電気抵抗の調整、塗布液への分散性の制御が容易である。
[基板]
透明基板1は、透明電極2、バルクヘテロ接合層3および対向電極4を有する積層体を支持し、補強するものであれば、任意の材料を使用することができる。例えばガラス、または、ポリイミド、PET、PEN、PES、テフロン(登録商標)等の耐熱性の高分子フィルム、または、ステンレス鋼(SUS)、アルミニウム板等の金属、または、シリコン等の半導体、または、セラミック等が挙げられる。好ましくは、透明基板1は、高い透明性を有するもの、例えばガラスである。なお、透明基板1、表面がフラットなものでもよいし、表面に凹凸を有しているものでもよい。基板の厚さは、任意の厚さとすることができる。好ましくは、0.05mm〜3mmである。
透明基板1は、透明電極2、バルクヘテロ接合層3および対向電極4を有する積層体を支持し、補強するものであれば、任意の材料を使用することができる。例えばガラス、または、ポリイミド、PET、PEN、PES、テフロン(登録商標)等の耐熱性の高分子フィルム、または、ステンレス鋼(SUS)、アルミニウム板等の金属、または、シリコン等の半導体、または、セラミック等が挙げられる。好ましくは、透明基板1は、高い透明性を有するもの、例えばガラスである。なお、透明基板1、表面がフラットなものでもよいし、表面に凹凸を有しているものでもよい。基板の厚さは、任意の厚さとすることができる。好ましくは、0.05mm〜3mmである。
[電極]
(I)透明電極
透明電極2は、バルクヘテロ接合層3の一面側に設けられる。本実施形態では、透明電極2は、注入層5を介して設けられているが、バルクヘテロ接合層3に接して設けられていてもよい。透明電極2は、バルクヘテロ接合層3に対してオーミック接触の形成が可能であり、かつ照射光を透過させるものであれば任意の材料を使用することができる。例えば、ITO、SnO2、ZnO、In2O3等の透明導電材料又はフッ素ドープ酸化錫(SnO2:F)、アンチモンドープ酸化錫(SnO2:Sb)、In2O3、錫ドープ酸化インジウム(In2O3:Sn)、ZnO、Alドープ酸化亜鉛(ZnO:Al)、Gaドープ酸化亜鉛(ZnO:Ga)等の、上記透明導電材料に不純物がドープされたもので構成される。透明電極2は、これら材料からなる層単独で構成してもよく、複数の層を積層した積層体で構成してもよい。透明電極2の膜厚は、電極としての機能を果たすものであれば特に限定されるものではないが、通常は3nm〜10μmである。なお、透明電極2は、表面がフラットなものでもよく、表面に凹凸を有しているものでもよい。
(I)透明電極
透明電極2は、バルクヘテロ接合層3の一面側に設けられる。本実施形態では、透明電極2は、注入層5を介して設けられているが、バルクヘテロ接合層3に接して設けられていてもよい。透明電極2は、バルクヘテロ接合層3に対してオーミック接触の形成が可能であり、かつ照射光を透過させるものであれば任意の材料を使用することができる。例えば、ITO、SnO2、ZnO、In2O3等の透明導電材料又はフッ素ドープ酸化錫(SnO2:F)、アンチモンドープ酸化錫(SnO2:Sb)、In2O3、錫ドープ酸化インジウム(In2O3:Sn)、ZnO、Alドープ酸化亜鉛(ZnO:Al)、Gaドープ酸化亜鉛(ZnO:Ga)等の、上記透明導電材料に不純物がドープされたもので構成される。透明電極2は、これら材料からなる層単独で構成してもよく、複数の層を積層した積層体で構成してもよい。透明電極2の膜厚は、電極としての機能を果たすものであれば特に限定されるものではないが、通常は3nm〜10μmである。なお、透明電極2は、表面がフラットなものでもよく、表面に凹凸を有しているものでもよい。
(II)対向電極 対向電極4は、バルクヘテロ接合層3の他面側に設けられる。他面側とは、バルクヘテロ接合層3に対し、透明電極2の反対側をいう。本実施形態では、対向電極4は、有機ブロッキング層5を介して設けられている。対向電極4を構成する材料は、バルクヘテロ接合層3の半導体からの電荷を有効に収集できる仕事関数を有することが望ましい。透明電極2が、正孔を収集する場合は、対向電極4は電子を収集しやすいアルミニウム、マグネシウム、カルシウム等が用いられる。また、透明電極2が、電子を収集する場合は、対向電極4は正孔を収集しやすい金、白金、ロジウムなどが用いられる。対向電極4の膜厚は、発生した光電荷を十分に外部回路へ伝達できる程度のシート抵抗を得ることができる範囲であれば、特に限定されない。対向電極4の膜厚は通常は、1nm〜50nmであり、好ましくは20nm〜30nmである。
[注入層]
透明電極2とバルクヘテロ接合層3との間に注入層5が設けられている。例えば、バルクヘテロ接合層3から電子を注入する層との間には、注入層としてLiFからなる層を設けることができる。バルクヘテロ接合層3から正孔を注入する層との間には、注入層としてpoly(3,4−ethylenedioxythiophene:poly(styrenesulfonate)(PEDOT:PSS)からなる層を設けることが効果的である。注入層の厚さは、例えば0.3nm〜150nmである。注入層は、バルクヘテロ接合層3から電極への電荷の注入を促進するという効果を奏する。なお、注入層は設けられていなくてもよい。
透明電極2とバルクヘテロ接合層3との間に注入層5が設けられている。例えば、バルクヘテロ接合層3から電子を注入する層との間には、注入層としてLiFからなる層を設けることができる。バルクヘテロ接合層3から正孔を注入する層との間には、注入層としてpoly(3,4−ethylenedioxythiophene:poly(styrenesulfonate)(PEDOT:PSS)からなる層を設けることが効果的である。注入層の厚さは、例えば0.3nm〜150nmである。注入層は、バルクヘテロ接合層3から電極への電荷の注入を促進するという効果を奏する。なお、注入層は設けられていなくてもよい。
[有機太陽電池の製造方法]
前記透明電極と、前記バルクヘテロ接合層と、前記対向電極とを、順次積層する工程を含んでなる有機太陽電池の製造方法において、前記積層する工程が、前記p型有機半導体と前記n型有機半導体とを含む塗布液であって、前記有機顔料の微粒子を分散させた塗布液を塗布してバルクヘテロ接合層を形成する工程ののちに前記有機ブロッキング層を湿式塗布法にて形成する方法である。
前記透明電極と、前記バルクヘテロ接合層と、前記対向電極とを、順次積層する工程を含んでなる有機太陽電池の製造方法において、前記積層する工程が、前記p型有機半導体と前記n型有機半導体とを含む塗布液であって、前記有機顔料の微粒子を分散させた塗布液を塗布してバルクヘテロ接合層を形成する工程ののちに前記有機ブロッキング層を湿式塗布法にて形成する方法である。
より詳細には、基板1を設置し、基板1上に透明電極2を形成する。基板の形状および寸法に制限はなく、任意に設置することができる。透明電極2は任意の方法により形成することができ、例えば、真空蒸着、スパッタ等のドライプロセス、ゾルゲル法などの湿式プロセス等の方法が挙げられる。透明電極2の層の厚さは、好ましくは、3nm〜10μmである。次に、透明電極2の表面上に必要に応じて注入層5を形成する。注入層5は、スピンコート、ディップコート、キャストコート等の任意の方法を用いて形成することができる。注入層5の厚さは、0.3nm〜150nmとすることが好ましい。注入層5の表面上にはバルクヘテロ接合層3を塗布により成膜する。バルクヘテロ接合層3の厚さは、好ましくは、100nm〜400nmであり、さらに好ましくは、150nm〜300nmである。バルクヘテロ接合層3の表面上には、有機ブロッキング層6を湿式塗布法にて形成する。有機ブロッキング層6は100nmから1000nmの膜厚を有することが望ましい。次に、対向電極4を形成する。対向電極4は、真空蒸着、レーザー転写法等の任意の方法で形成できる。対向電極4からなる層の厚さは1nm〜50nmとすることができ、好ましくは20nm〜30nmとすることができる。また、それぞれの層を形成した後に、乾燥窒素雰囲気下において、100度〜150度で5分〜60分乾燥させる工程を行うことが好ましい。
このように構成された有機太陽電池10では、バルクヘテロ接合層3全体の吸収スペクトルが赤〜赤外領域まで広がり、高い光電変換効率を発揮することができる。
また、roll to roll法によるキロメートルオーダーの成膜工程におけるリークの発生に対する抑制効果が絶大である。
また、roll to roll法によるキロメートルオーダーの成膜工程におけるリークの発生に対する抑制効果が絶大である。
本発明の有機太陽電池の製造方法においては、有機ブロッキング層6は、以下の方法により、微粒子を分散させた塗布液を用いて成膜する。
(I)塗布液
ここで、特に有機ブロッキング層6を形成するための塗布液の調製方法につき詳細に説明する。塗布液は、有機高分子材料と、金属酸化物微粒子とを混合して調製する。これらの塗布液の構成材料を混合する順は任意であり、同時に混合されてもよい。混合には、例えばマグネットスターラーや、ボールミル、サンドミル、ペイントシェイカ、円盤振動ミル、ジェットミル、超音波分散機などの各種分散器を用いることができる。
(I)塗布液
ここで、特に有機ブロッキング層6を形成するための塗布液の調製方法につき詳細に説明する。塗布液は、有機高分子材料と、金属酸化物微粒子とを混合して調製する。これらの塗布液の構成材料を混合する順は任意であり、同時に混合されてもよい。混合には、例えばマグネットスターラーや、ボールミル、サンドミル、ペイントシェイカ、円盤振動ミル、ジェットミル、超音波分散機などの各種分散器を用いることができる。
塗布液には金属酸化物微粒子を少なくとも一種含有させればよいが、二種以上含有させることも可能である。その際に用いる金属酸化物微粒子の種類、並びに、二種以上の金属酸化物微粒子の組み合わせおよび比率は、有機光電変換素子のタイプや当該有機光電変換素子の活性層に含有させる顔料の種類および比率などに応じて適切に選択すればよい。例えば、TiO2とAl2O3を50:50の質量比率で含有させることができる。
塗布液には、成膜機能と電気絶縁性を有する有機高分子材料を含む。好ましい樹脂としてはポリアミド及びその変性構造、ポリビニルブチラール及びその変性物等アルコール可溶性あるいは水溶性材料等が挙げられる。これらのバインダ樹脂は、有機ブロッキング層6の構成成分(溶媒を除く)に対し30質量%〜95質量%含ませることができる。
さらに、塗布液には、本発明の効果を著しく損なわない限り、電気伝導度等の電気物性を制御する他の樹脂、微粒子を含有させることも可能である。
金属酸化物は、ボールミル、サンドミル、ペイントシェイカ、円盤振動ミル、ジェットミル、超音波分散機などの方法によって溶剤に湿式分散する。金属酸化物を分散させた溶剤に有機高分子材料を加えた塗布液を以下分散液という。金属酸化物微粒子を分散させることにより、有機ブロッキング層の電気抵抗を調整し、高い光電変換効率を保ち、リークを防止可能とする。分散液の作製条件は、各分散方法により異なる。特に、分散手段ないしその使用条件により、粉砕力、分散力、錬磨力等の比率や、使用する溶剤種が、影響を持つ。
金属酸化物は、ボールミル、サンドミル、ペイントシェイカ、円盤振動ミル、ジェットミル、超音波分散機などの方法によって溶剤に湿式分散する。金属酸化物を分散させた溶剤に有機高分子材料を加えた塗布液を以下分散液という。金属酸化物微粒子を分散させることにより、有機ブロッキング層の電気抵抗を調整し、高い光電変換効率を保ち、リークを防止可能とする。分散液の作製条件は、各分散方法により異なる。特に、分散手段ないしその使用条件により、粉砕力、分散力、錬磨力等の比率や、使用する溶剤種が、影響を持つ。
金属酸化物微粒子は、平均粒経が5nm〜50nmとなるまで粉砕することが好ましい。有機ブロッキング層の膜厚は100〜1000nmが実用的である。金属酸化物微粒子の平均粒径が50nmを超えると、その膜内での分散が均一で無くなり、電極間での短絡確率が増加して光電変換効率をかえって低下させる可能性が高くなる。さらに好ましくは、金属酸化物微粒子の平均粒経は5nm〜10nmである。平均粒径の上限が10nmであると、光吸収されず有機ブロッキング層とバルクヘテロ層との界面まで到達した光を反射させるために平坦な界面を形成するのに効果がある。
塗布液に用いる溶剤としては、主としてアルコール系、水系が広く使用できるが、例えば、クロロベンゼン、クロロホルム、テトラヒドロフラン等が使用できる。なお、溶剤は一種を用いてもよく、二種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。また、これらの溶剤を用いて有機高分子の溶解、金属酸化物の分散を個別に行った後に、それぞれの溶液を混合して最終組成の塗布液を調整してもよい。また、分散の途中で混合することも可能である。
塗布液の濃度は、所望の膜厚を形成できる限り制限はない。すなわち塗布液中の金属酸化物、および有機高分子の濃度は、それぞれ任意である。電気抵抗値の調整、塗布性確保のための塗布液粘度の調整を目的として、溶剤選択、濃度設定が必要である。塗布液の固形分の濃度は、例えば、塗布液の最終組成において1質量%〜10質量%とすることが好ましい。
(II)成膜
有機ブロッキング層塗布液は、バルクヘテロ層3の表面上に、任意の方法で塗布することができる。例えば、スピンコート法、溶液からのキャスト法、ディップコート法、ブレードコート法、ワイヤバーコート法、グラビアコート法、スプレーコート法などを用いることができる。
有機ブロッキング層塗布液は、バルクヘテロ層3の表面上に、任意の方法で塗布することができる。例えば、スピンコート法、溶液からのキャスト法、ディップコート法、ブレードコート法、ワイヤバーコート法、グラビアコート法、スプレーコート法などを用いることができる。
また、印刷法によって成膜することも可能である。印刷法の例としては、インクジェット法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、凹版印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法などが挙げられる。該成膜は、窒素などの不活性ガス雰囲気下、室温で行うことができる。成膜後は、乾燥窒素雰囲気下において、100度〜150度で、5分間〜60分間乾燥させることが好ましい。
上記のように金属酸化物微粒子を分散した有機高分子材料からなる有機ブロッキング層塗布した有機光電変換素子を製造すれば、高性能な有機太陽電池を低コストで製造することが可能となる。
以下、実施例および比較例によって本発明を具体的に説明するが、本発明の有機太陽電池は以下の実施例に限定されるものではない。
図1に示す実施形態の太陽電池を形成した。ガラス基板1に、スパッタ法によりインジウム錫酸化物薄膜からなる透明電極2を厚さ100nmで成膜した。さらにPEDOT:PSSの1質量%水溶液(アルドリッチ社製)を2400rpm、30秒の回転条件でスピンコートした後、ホットプレートで100℃に加熱し、厚さ120nmのPEDOT:PSS膜からなる注入層5を得た。
一方、チタニルフタロシアニン1.6gをジメトキシエタン30gに加え、サンドグラインドミルで6時間粉砕、微粒子化分散処理を行った。次に、ジメトキシエタン20gを加え希釈した。さらにポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、デンカブチラール#6000C )0.4gをジメトキシエタン7gに溶解した液と混合し、有機顔料分散液を得た。この時のチタニルフタロシアニンの平均粒径を透過型電子顕微鏡(日立ハイテク社製)によって測定したところ、約35nmであった。
他方で、p型有機半導体としてポリ(3−ヘキシルチオフェン)(メルク社製)120mg、n型有機半導体としてフラーレン誘導体PCBM(アルドリッチ社製)80mgを1,2―ジクロロベンゼン15gに溶解させ、前記の有機顔料分散液のうち3gと混合して、バルクヘテロ接合層3を形成するための塗布液とした。
続いて、前記のITOとPEDOT:PSSを成膜したガラス基板1に、作製したバルクヘテロ接合層3用の塗布液を、1500rpmで30秒の条件でスピンコーティングした。さらに、乾燥窒素雰囲気においてホットプレートにより150℃、10分の熱処理を行って厚さ250nmのバルクヘテロ接合層3を得た。
可溶性ポリアミドであるアミランCM8000(東レ製)10重量部をメタノール100部に溶解した液に酸化チタンP−25(日本アエロジル製)3部を加え、ペイントシェイカーで8時間分散して塗布液を作製した。この時、酸化チタンの平均粒径は25nmであった。この液を用いてブレードコート法にて200nmの有機ブロッキング層を成膜した。
その後、厚さ70nmのアルミニウム薄膜を蒸着して対向電極4とした。これにより、実施例1の有機太陽電池を得た。
有機ブロッキング層の作製において、金属酸化物を酸化亜鉛とした他は、実施例1と同様にして、実施例2の有機太陽電池を得た。この時、酸化亜鉛の平均粒径は50nmであった。
有機高分子としてメトキシメチル化ポリアミドを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例3の有機太陽電池を得た。この酸化チタンの平均粒径は45nmであった。
(比較例1) 太陽電池の作製において、有機ブロッキング層を設けない以外は実施例1と同様にして、比較例1の有機太陽電池10を得た。
(比較例1) 太陽電池の作製において、有機ブロッキング層を設けない以外は実施例1と同様にして、比較例1の有機太陽電池10を得た。
(比較例2)
有機ブロッキング層塗布液作成時に金属酸化物を混合したのみで分散させない以外は実施例3と同様にして、比較例2の有機太陽電池を得た。この時の、酸化チタンの平均粒径は100nmであった。
有機ブロッキング層塗布液作成時に金属酸化物を混合したのみで分散させない以外は実施例3と同様にして、比較例2の有機太陽電池を得た。この時の、酸化チタンの平均粒径は100nmであった。
(光電変換性能の評価)
実施例1〜3および比較例1および2の各有機太陽電池10について、分光感度測定装置(日本分光社製)により、擬似太陽光(0.1Sun、AM1.5)の照射の下、電流―電圧曲線を計測し、得られる短絡電流、開放電圧、形状因子から、光電変換効率を求めた。結果を表1に示す。
実施例1〜3および比較例1および2の各有機太陽電池10について、分光感度測定装置(日本分光社製)により、擬似太陽光(0.1Sun、AM1.5)の照射の下、電流―電圧曲線を計測し、得られる短絡電流、開放電圧、形状因子から、光電変換効率を求めた。結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例1〜3のバルクへテロ接合型セルは、比較例1の太陽電池に較べリーク確率が著しく低くなり、比較例2の太陽電池と比較して、短絡電流と光電変換効率が大きくなっていることが分かる。これは比較例1の太陽電池はリークに対するブロッキング性が劣り、比較例2の太陽電池は酸化物微粒子の粒径が大きいことによりバルクヘテロ層3から対向電極4への電気抵抗が高く、発生した電流を十分取り出せなかったことを示している。
以上のように、本発明よれば、塗布プロセスを用いて、光電変換効率の高い有機太陽電池を提供する事ができる。
1 透明基板
2 透明電極
3 バルクヘテロ接合層
4 対向電極
5 注入層
6 有機ブロッキング層
2 透明電極
3 バルクヘテロ接合層
4 対向電極
5 注入層
6 有機ブロッキング層
Claims (3)
- 電子供与性を有するp型有機半導体と電子受容性を有するn型有機半導体と有機顔料の微粒子とを含んでなるバルクヘテロ接合層と、
前記バルクへテロ接合層の一面側に設けられる透明電極と、
前記バルクへテロ接合層の他面側に設けられる対向電極と、
を備えてなる有機太陽電池において、
前記バルクへテロ接合層と前記対向電極との間に有機ブロッキング層を設けたことを特徴とする有機太陽電池。 - 前記有機ブロッキング層が有機高分子中に金属酸化物微粒子を分散させたことを特徴とする請求項1に記載の有機太陽電池。
- 前記金属酸化物微粒子の平均粒径が5nm〜50nmである請求項1または2に記載の有機太陽電池。
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JP2010175867A JP2012038829A (ja) | 2010-08-05 | 2010-08-05 | 有機太陽電池 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2014045748A1 (ja) * | 2012-09-19 | 2014-03-27 | 富士フイルム株式会社 | 有機薄膜太陽電池 |
-
2010
- 2010-08-05 JP JP2010175867A patent/JP2012038829A/ja not_active Withdrawn
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WO2014045748A1 (ja) * | 2012-09-19 | 2014-03-27 | 富士フイルム株式会社 | 有機薄膜太陽電池 |
JP2014060351A (ja) * | 2012-09-19 | 2014-04-03 | Fujifilm Corp | 有機薄膜太陽電池 |
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