JP2012037102A - 人物識別装置、人物識別方法及び人物識別装置を備えた空気調和機 - Google Patents
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Abstract
【課題】好みの空調制御を精度高く学習することにより快適性を向上するとともに省エネ運転が可能な空気調和機を提供すること。
【解決手段】人物が存在する位置を検出する位置検出手段と、前記人物を識別するための情報である人物特定情報を取得する人物特定情報取得手段と、前記位置検出手段が検出した位置情報と、前記人物特定情報取得手段が取得した人物特定情報を関連付けて人物識別情報として記憶する記憶手段とを有し、さらに、人物識別手段は前記位置検出手段が検出した位置情報を、前記記憶手段に記憶されている人物識別情報と照合することで、人物を識別する人物識別装置。人物の位置情報を利用して人物識別を実現することで、実用的に、精度のよい人物識別を達成することができる。
【選択図】図1
【解決手段】人物が存在する位置を検出する位置検出手段と、前記人物を識別するための情報である人物特定情報を取得する人物特定情報取得手段と、前記位置検出手段が検出した位置情報と、前記人物特定情報取得手段が取得した人物特定情報を関連付けて人物識別情報として記憶する記憶手段とを有し、さらに、人物識別手段は前記位置検出手段が検出した位置情報を、前記記憶手段に記憶されている人物識別情報と照合することで、人物を識別する人物識別装置。人物の位置情報を利用して人物識別を実現することで、実用的に、精度のよい人物識別を達成することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、家庭内における人物識別技術に関し、さらに空気調和空間に存在する人物の好みを反映して、最適な空気調和動作を行わせることができる空気調和機に関する。
ユーザが全く意識しないままに、空調空間内の人物を特定し、人物の機器操作傾向を自動的に学習することで、ユニバーサルデザインを実現でき、ユーザの好みの空調を実現することが可能な、空気調和機が知られている。例えば、特許文献1では、ユーザが制御指示手段を操作した場合、制御指示手段を操作した人物を特定し、その操作内容によって、その人物の空気調和機操作傾向を学習できるものである。この間のユーザの行動、操作は従来の通常の空気調和機となんら変わりなく、ユーザが全く意識しないままに、人物の空気調和機操作傾向が自動的に学習されるので、ユニバーサルデザインを実現でき、制御精度が向上する空気調和機を実現するものである。
このような処理を実現するためには、ユーザが全く意識しないままに人物識別を行なう必要がある。従来から、様々な人物識別技術が知られている。人物識別技術としては、
・顔識別技術(例えば、非特許文献1)
・虹彩識別技術(例えば、特許文献2)
・音声認識技術(例えば、非特許文献2)
・ユーザのIDコードを利用(例えば、特許文献3)
など、様々な手法が知られている。
・顔識別技術(例えば、非特許文献1)
・虹彩識別技術(例えば、特許文献2)
・音声認識技術(例えば、非特許文献2)
・ユーザのIDコードを利用(例えば、特許文献3)
など、様々な手法が知られている。
岩井儀雄,勞世,山口修,平山高嗣,"画像処理による顔検出と顔認識",情報処理学会研究報告,2005−CVIM−149(38),pp.343−368,2005.
古井 貞煕,"ここまできたバイオメトリクスによる本人認証システム:音声による本人認証:音声による本人認証のしくみと技術動向", 情報処理学会誌,Vol.40,No.11,pp.1088−1091,1999.
しかしながら、前記従来の人物識別技術では、家庭内での識別技術に問題があった。顔識別技術では、人物の顔画像を十分な解像度で撮影する必要性があるが、家庭内のすべての場所で顔画像を撮影するためには、非常に解像度の高いカメラを設置するか、複数のカメラを配置する必要があった。また、顔識別処理では、正面から顔画像を撮影する必要があるため、さらに多くのカメラを家庭内に配置する必要があり、実用的ではなかった。
また、虹彩識別技術を利用する場合、顔識別技術よりも高解像度の画像を撮影する必要があり、やはり、家庭内での識別技術としては実用的ではなかった。
また、音声認識技術においては、高いSN比の音声の取得が必要であるが、家庭内においては様々なノイズが存在するため、より識別精度の高い手法が必要である。
さらに、ユーザのIDコードを利用する場合、ユーザはつねにIDを保持する必要があり、家庭内というプライベート空間であることを考慮すると、実用的ではなかった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、家庭内において、実用的な識別技術を提供し、本発明の識別技術を利用することにより、空気調和空間に存在する人物の好みを反映して、最適な空気調和動作を行わせることができる空気調和機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の人物識別手段は、人物が存在する位置を検出する位置検出手段と、前記人物を識別するための情報である人物特定情報を取得する人物特定情報取得手段と、前記位置検出手段が検出した位置情報と、前記人物特定情報取得手段が取得した人物特定情報を関連付けて人物識別情報として記憶する記憶手段とを有し、さらに、人物識別手段は前記位置検出手段が検出した位置情報を、前記記憶手段に記憶されている人物識別情報と照合することで、人物を識別する。人物の位置情報を利用して人物識別を実現することで、ユーザはつねにIDを保持するといったことなく、実用的に、精度のよい人物識別を達成することを目的としたものである。
本発明によれば、人物の位置情報や大きさ情報を利用することにより、家庭内において、実用的な識別技術を実現することができる。さらに、本発明の人物識別技術を利用することにより、空気調和空間に存在する人物の好みを反映して、最適な空気調和動作を行わせることができるとともに、そのために必要な人物ごとの空気調和機操作傾向の学習を、ユーザにまったく意識させることなく行うことが可能で、ユニバーサルデザインを実現でき、制御精度も向上できる。
第1の発明は、家庭内で人物を識別する人物識別装置であって、人物の存在の有無と、人物が存在する場合にはその位置を検出する位置検出手段と、前記人物を識別するための情報である人物特定情報を取得する人物特定情報取得手段と、前記位置検出手段が検出した位置情報と、前記人物特定情報取得手段が取得した人物特定情報を関連付けて人物識別情報として記憶する記憶手段と、前記位置検出手段が検出した位置情報を、前記記憶手段に記憶されている人物識別情報と照合することで、人物を識別する人物識別手段とを有する構成としている。
この構成により、人物の位置情報を利用して人物識別処理を行なうことができ、家庭内においても精度の高い、実用的な人物識別を実現することができる。
第2の発明は、家庭内で人物を識別する人物識別装置であって、人物の存在の有無と、人物が存在する場合にはその位置を検出する位置検出手段と、前記人物の大きさを検出する大きさ検出手段と、前記人物を識別するための情報である人物特定情報を取得する人物特定情報取得手段と、前記大きさ検出手段が検出した大きさ情報を、前記人物特定情報取得手段が取得した人物特定情報を関連付けて人物識別情報として記憶する記憶手段と、前記大きさ検出手段が検出した大きさ情報を、前記記憶手段に記憶されている人物識別情報と照合することで、人物を識別する人物識別手段を有する構成としている。
この構成により、人物の大きさ情報を利用して人物識別処理を行なうことができ、家庭内においても精度の高い、実用的な人物識別を実現することができる。
第3の発明は、家庭内で人物を識別する人物識別装置であって、人物の存在の有無と、人物が存在する場合にはその位置を検出する位置検出手段と、前記人物の大きさを検出する大きさ検出手段と、前記人物を識別するための情報である人物特定情報を取得する人物特定情報取得手段と、前記位置検出手段が検出した位置情報と、前記大きさ検出手段が検出した大きさ情報を、前記人物特定情報取得手段が取得した人物特定情報を関連付けて人物識別情報として記憶する記憶手段と、前記位置検出手段が検出した位置情報と、前記大きさ検出手段が検出した大きさ情報を、前記記憶手段に記憶されている人物識別情報と照合することで、人物を識別する人物識別手段を有する構成としている。
この構成により、人物の位置情報と大きさ情報を利用して人物識別処理を行なうことができ、家庭内においても精度の高い、実用的な人物識別を実現することができる。
第4の発明は、大きさ検出手段は、人物の実空間での大きさを推定することにより、人物の位置に左右されずに、より正確な人物識別を行なうことができる。
第5の発明は、大きさ検出手段は、人物の撮影された画像上での大きさを、大きさ情報
として検出することにより、処理量を減少させることができる。
として検出することにより、処理量を減少させることができる。
第6の発明は、人物特定情報として、リモコンなどの制御指示手段により設定された制御指示情報を利用することにより、ユーザが全く意識しないままに人物識別の学習処理を行なうことができる。
第7の発明は、前記人物特定情報として、「空気調和機の設定温度」「空気調和機の風向」「空気調和機の風量」「TVの設定音量」「照明の設定明るさ」のいずれかを利用することにより、ユーザが全く意識しないままに人物識別の学習処理を行なうことができる。
第8の発明は、前記人物特定情報として、ユーザが自ら登録した、ユーザを特定するための情報を利用することにより、より正確な人物特定情報を取得することができるため、より正確な人物識別を実現することができる。
第9の発明は、一定時間経過した際には、人物識別情報を初期化することにより、模様替えなどにおける識別性能の劣化を防ぐことができる。
第10の発明は、一定時間経過した際には、データの重み付け処理を行ない、以前の人物識別情報の重みを軽くすることにより、模様替えなどにおける識別性能の劣化を防ぐことができる。
第11の発明は、本発明の人物識別装置を搭載した空気調和機であって、前記人物識別手段が識別した識別結果に基づいて、その人物の好みの空調制御情報にしたがった空調制御を実現する空調制御部を有する構成としている。
この構成により、ユーザが全く意識しないままに、個人の機器操作傾向が自動的に学習され、ユニバーサルデザインを実現でき、制御精度を向上することが可能となる。
第12の発明は、本発明の人人物識別装置を搭載した空気調和機であって、前記人物識別手段が識別した制御指示情報に基づいて、空調制御を行なう空調制御手段を有する構成とすることにより、第11の発明と同様の効果を奏することができる。
第13の発明は、さらに人物識別手段が識別した制御指示情報と現在の制御指示情報のいずれかを選択する制御指示手段操作情報推定手段を有し、制御指示手段操作情報推定手段が選択した制御指示情報にしたがって空調制御を行なう構成とすることにより、第11の発明と同様の効果を奏することができる。
第14の発明は、現在の制御指示情報の操作者が検出されている人物と同一人物であると推定される場合は現在の制御指示情報を、現在の制御指示情報の操作者が検出されている人物と同一人物ではないと推定される場合は前記人物識別手段が識別した制御指示情報を選択する構成とすることにより、第11の発明と同様の効果を奏することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態における人物識別装置の構成を示す機能ブロック図
である。人物識別処理は、人物を識別するための学習処理と識別を行なう識別処理からなる。図2は、本実施形態における人物識別のための学習処理の流れを示すフローチャートであり、図3は、本実施形態における人物識別処理の流れを示すフローチャートである。
である。人物識別処理は、人物を識別するための学習処理と識別を行なう識別処理からなる。図2は、本実施形態における人物識別のための学習処理の流れを示すフローチャートであり、図3は、本実施形態における人物識別処理の流れを示すフローチャートである。
まず、学習処理の流れについて説明する。図2において、位置検出手段101は撮像センサユニット24を利用して、家庭内を撮像し、人物の在否と位置情報を検出し(ステップS001)、人物が存在している場合は、さらにその人物が滞在しているのか、動いているのかを判断する(ステップS002)。位置検出手段101によって、家庭内に人物が存在しない、または人物が存在するが、その人物は動いていると判断された場合(ステップS002でNo)、ステップS001に戻り、再度、位置検出手段101によって人物の位置情報の取得と、在否の判断を行なう。一方、前記位置検出手段101によって、家庭内に人物が存在し、しかもその人物が滞在していると判断された場合(ステップS002でYes)、人物識別手段103は、前記位置検出手段101によって検出された人物を特定するための情報を取得する(ステップS003)。ここで、人物を特定する情報とは、例えば、リモコンなどの制御指示機器により設定された情報である。人物識別手段103は、前記位置検出手段101が検出した位置情報と前記人物特定情報取得手段102が取得した人物特定情報を関連付けることにより、人物識別情報を作成し、作成した人物識別情報を記憶手段104に保存する(ステップS004)。
つぎに、人物識別処理の流れについて説明する。図3において、前記位置検出手段101によって、家庭内に人物が存在し、しかもその人物が滞在していると判断された場合(ステップS002でYes)、人物識別手段103は、前記位置検出手段101によって検出された人物の位置情報と、前記記憶手段104に保存されている人物識別情報を照合することで、その人物の識別を行なう(ステップS005)。
以下、まず学習処理における各処理に関して、詳述する。
位置検出手段101は撮像センサユニット24を利用して、家庭内を撮像し、人物の在否と位置情報を検出する(ステップS001)。
<位置検出手段の構成>
撮像センサユニット24は、回路基板と、回路基板に取り付けられたレンズと、レンズの内部に実装された撮像センサとで構成されている。また、位置検出手段101は、例えば後述する差分処理に基づいて回路基板により人物の在否が判断され、さらにその人物の位置を推定する。すなわち、回路基板は人物の在否判断と位置の推定を行う位置検出手段101として作用する。もちろん、後述する個人識別手段103も回路基板によって実現され、記憶手段104は回路基板上のメモリによって実現されるが、詳細な説明は省略する。
<撮像センサユニットによる人体検知>
撮像センサユニット24による人体検知を行うために、公知の技術である差分法を利用する。これは、人物が存在しない画像である背景画像と、撮像センサユニット24が撮像した画像の差分処理を行ない、差分が生じている領域には、人物が存在していると推定するものである。
<位置検出手段の構成>
撮像センサユニット24は、回路基板と、回路基板に取り付けられたレンズと、レンズの内部に実装された撮像センサとで構成されている。また、位置検出手段101は、例えば後述する差分処理に基づいて回路基板により人物の在否が判断され、さらにその人物の位置を推定する。すなわち、回路基板は人物の在否判断と位置の推定を行う位置検出手段101として作用する。もちろん、後述する個人識別手段103も回路基板によって実現され、記憶手段104は回路基板上のメモリによって実現されるが、詳細な説明は省略する。
<撮像センサユニットによる人体検知>
撮像センサユニット24による人体検知を行うために、公知の技術である差分法を利用する。これは、人物が存在しない画像である背景画像と、撮像センサユニット24が撮像した画像の差分処理を行ない、差分が生じている領域には、人物が存在していると推定するものである。
図4は、本実施形態における人体検知処理の流れを示したフローチャートである。ステップS101において、背景差分処理を利用することで、フレーム画像内で差分が生じている画素を検出する。背景差分処理とは、特定の条件下で撮像した背景画像と、背景画像と撮像センサユニットの視野や視点、焦点距離などの撮像条件が等しい状況で撮像した撮像画像を比較することで、背景画像には存在していないが、撮像画像には存在する物体を検出する手法である。人物の検出を行なうためには、背景画像として人物が存在しない画像を作成する。
図5は、背景差分処理を説明するための模式図である。図5(a)は、背景画像を示している。この図において、301は家庭内に存在する窓を、302は扉を示している。図5(b)は、撮像センサユニットによって撮像されたフレーム画像を示している。ここで、撮像センサユニットの視野や視点、焦点距離などは図5(a)の背景画像と等しい。303は、家庭内に存在する人物を示している。背景差分処理では、図5(a)と図5(b)の差分画像を作成することにより、人物を検出する。図5(c)は差分画像を示しており、白い画素は差分が存在しない画素、黒い画素は差分が生じている画素を示している。背景画像には存在しないが、撮像されたフレーム画像には存在する人物303の領域が、差分が生じている領域304として、検出されていることがわかる。つまり、差分画像から差分が生じている領域を抽出することで、人物領域を検出することが可能である。
また、前述の背景画像は、フレーム間差分処理を利用することで作成することが可能である。図6〜図8は、この処理を説明するための模式図である。図6(a)〜(c)は、人物303が窓301の前を右から左に移動しているシーンにおいて、撮像センサユニットによって撮像された連続した3フレームの画像を示した模式図である。図6(b)は図6(a)の次のフレームの画像を、図6(c)は図6(b)の次のフレームの画像を示している。また、図7(a)〜(c)は、図6の画像を利用して、フレーム間差分処理を行なった、フレーム間差分画像を示している。白い画素は差分が存在しない画素、黒い画素305は差分が生じている画素を示している。ここで、視野内で移動している物体は人物のみであるとすると、フレーム間差分画像において、差分が生じない領域には、人物が存在していないと考えられる。そこで、フレーム間差分が生じない領域においては、背景画像を現在のフレームの画像と置き換える。この処理を繰り返すことで、背景画像を自動的に作成することができる。図8(a)〜(c)は、それぞれ図6(a)〜(c)の各フレームにおける背景画像の更新を模式的に示した図である。斜線で示した領域306は、背景画像を更新した領域、黒領域307はまだ背景画像が作成されていない領域、白領域308は背景画像が更新されなかった領域を示している。つまり、図8の黒領域307と白領域308の合計領域が、図7の黒色領域305と等しくなる。図に示したとおり、人物が動いている場合、黒領域307が徐々に小さくなり、自動的に背景画像が作成されていることがわかる。
次に、ステップS102において、求まった差分領域を領域分割することにより、複数の人物が存在している場合には、複数の差分領域として分割する。これは、公知の画像クラスタリング手法を利用すればよく、例えば、「差分が生じている画素と、その8近傍に存在する差分が生じている画素は、同一の領域である」というルールにしたがって、差分画像を領域分割していけばよい。図9は、この領域分割処理を実行した模式図である。図9(a)は差分処理により計算された差分画像を示し、309および310の黒色画素が、差分の生じている画素である。図9(b)は、差分画像として図9(a)が得られたとき、前記「差分が生じている画素と、その8近傍に存在する差分が生じている画素は、同一の領域である」というルールに従って領域分割を行なった結果を示している。ここで、横縞領域311と縦縞領域312は、別の領域であると判断されている。このとき、画像処理で広く利用されているモルフォロジー処理などのノイズ除去処理を行なってもかまわない。
次に、ステップS103において、求まった各領域の重心位置を計算することにより、検出された人物の位置を検出する。画像の重心位置から人物の位置を検出するためには、透視投影変換を利用すればよい。
透視投影変換を説明するために、2つの座標系を説明する。図10は、2つの座標系を説明するための模式図である。まず、画像座標系を考える。これは、撮像された画像にお
ける2次元の座標系であり、画像の左上の画素を原点、右方向にu、下方向にvとする。次にカメラを基準とした3次元の座標系であるカメラ座標系を考える。カメラ座標系は、撮像センサユニットの焦点位置を原点、撮像センサユニット24の光軸方向をZc,カメラ上向きをYc,カメラ左方向をXcとする。このとき、透視投影変換により、以下の関係が成り立つ。
ける2次元の座標系であり、画像の左上の画素を原点、右方向にu、下方向にvとする。次にカメラを基準とした3次元の座標系であるカメラ座標系を考える。カメラ座標系は、撮像センサユニットの焦点位置を原点、撮像センサユニット24の光軸方向をZc,カメラ上向きをYc,カメラ左方向をXcとする。このとき、透視投影変換により、以下の関係が成り立つ。
ここで、fは焦点距離[mm]、(u0,v0)は画像座標上での画像中心[Pixel]、(dpx,dpy)は撮像素子1画素の大きさ[mm/Pixel]を示している。ここで、Xc,Yc,Zcは未知数であることに着目すると、(数1)は、画像上での座標(u,v)が既知の場合、その座標に対応する実際の3次元位置は、カメラ座標系の原点を通る、ある直線上に存在することがわかる。
図11(a)、(b)に示したように、画像上の人物の重心位置を(ug,vg)、そのカメラ座標系での3次元位置を(Xgc,Ygc,Zgc)とする。ここで、図11(a)は空調空間を横から見た模式図、図11(b)は上から見た模式図を示している。また、撮像センサユニットの設置された高さをH、Xc方向が水平方向に等しいとし、光軸Zcは垂直方向からθの角度を持って設置されているとする。また、撮像センサユニット24の光軸方向を、垂直方向の角度(仰角、垂直線から上方向に測定した角度)α、水平方向の角度(室内機から見て正面の基準線から右向きに測定した角度)βとする。さらに人物の重心の高さをhとすると、空調空間内の3次元位置である、撮像センサユニットから重心位置までの距離L、および向きWは、次式で計算できる。
ここで、撮像センサユニットは、H=約2mの高さに通常設置され、さらに人物の重心の高さhが約80cmであることを考慮すると、数3、数5は、撮像センサユニット24の設置された高さH、および人物の重心の高さhが規定されている場合、画面上の重心位置(ug,vg)より、空調空間内における人物の重心位置(L,W)を一意に求められ
ることを示している。
ることを示している。
以上の説明では、撮像センサユニットによる人物位置推定として、差分法を利用したが、もちろん、他の手法を利用してもかまわない。例えば、人物の全身の画像データを利用して、フレーム画像から人物らしい領域を抽出するようにしてもかまわない。このような手法としては、例えば、HOG(Histograms of Oriented Gradients)特徴量などを利用する手法が広く知られている(N. Dalal and B. Triggs, ゛Histograms of Oriented Gradients for Human Detection゛, In Proc. IEEE Conf. on Computer Vision and Pattern
Recognition, Vol.1, pp.886−893, 2005.)。HOG特徴量は、局所領域内におけるエッジ方向ごとのエッジ強度に着目した特徴量であり、この特徴量をSVM(Support Vector Machine)などにより学習・識別を行なうことにより、フレーム画像から人物領域を検出するようにしてもかまわない。
Recognition, Vol.1, pp.886−893, 2005.)。HOG特徴量は、局所領域内におけるエッジ方向ごとのエッジ強度に着目した特徴量であり、この特徴量をSVM(Support Vector Machine)などにより学習・識別を行なうことにより、フレーム画像から人物領域を検出するようにしてもかまわない。
図12は、フレーム画像から人物らしい領域を抽出する処理を利用した人物位置推定の処理の流れを示したフローチャートである。この図において、図4と同じステップに関しては、同一の符号を付しており、ここではその詳細な説明を省略する。
ステップS104において、前述のHOG特徴量を利用することで、フレーム画像内において、人物らしい領域を人物領域として抽出する。
ステップS103において、求まった人物領域の重心位置を計算することにより、検出された人物の位置を検出する。画像の重心位置から人物の位置を検出するためには、前述の通り、数3、数5を利用すればよい。
また、人物の全身の画像データを利用するのではなく、フレーム画像から顔らしい領域を抽出するようにしてもかまわない。このような手法としては、例えば、Haar−Like特徴量などを利用する手法が広く知られている(P. Viola and M. Jones, ゛Robust real−time face detection゛, International Journal of Computer Vision, Vol.57, no.2, pp.137−154, 2004.)。Haar−Like特徴量は、局所領域間における輝度差に着目した特徴量であり、この特徴量をSVM(Support Vector Machine)などにより学習・識別を行なうことにより、フレーム画像から人物領域を検出するようにしてもかまわない。
図13は、フレーム画像から顔らしい領域を抽出する処理を利用した人物位置推定の処理の流れを示したフローチャートである。この図において、図4と同じステップに関しては、同一の符号を付しており、ここではその詳細な説明を省略する。
ステップS105において、前述のHaar−Like特徴量を利用することで、フレーム画像内において、顔らしい領域を顔領域として抽出する。
ステップS103において、求まった顔領域の重心位置を計算することにより、検出された人物の位置を検出する。画像の重心位置から人物の位置を検出するためには、前述の通り、透視投影変換を利用すればよい。このとき、人物の全身領域を利用して、その重心位置から人物の位置を検出する場合、人物の重心の高さとして、h=約80cmとしたが、顔領域を利用する場合、顔重心までの高さとして、h=約160cmとして数3、数5を利用することにより、人物の位置を検出する。
もちろん、位置検出手段として、撮像センサユニット24を利用するのではなく、公知技術である、人感センサや、赤外線センサを利用するようにしてもかまわない。
次に、位置検出手段101は、検出された位置情報を利用して、人物の在否を判断し、人物が存在している場合は、さらにその人物が滞在しているのか、動いているのかを判断する(ステップS002)。これは、位置検出情報に時空間フィルタリングすることで実現する。つまり、以下の3つの条件が満たされているかどうかを確認する。
1.複数フレームにわたって、近傍の位置に、位置情報を検出しているか?
2.一定面積以上の大きさの位置情報を検出しているか?
3.一定時間、検出された人物の位置情報が変化していないか?
上記3つの条件を満たす場合、その位置に人物が存在し、しかもその人物がその位置に滞在していると判断する(ステップS002でYes)。一方、上記3つの条件の一つでも満足しない場合、その位置には滞在した人物が存在しないと判断する(ステップS002でNo)。
2.一定面積以上の大きさの位置情報を検出しているか?
3.一定時間、検出された人物の位置情報が変化していないか?
上記3つの条件を満たす場合、その位置に人物が存在し、しかもその人物がその位置に滞在していると判断する(ステップS002でYes)。一方、上記3つの条件の一つでも満足しない場合、その位置には滞在した人物が存在しないと判断する(ステップS002でNo)。
前記位置検出手段101によって、家庭内に人物が存在し、しかもその人物が滞在していると判断された場合(ステップS002でYes)、人物識別手段103は、前記位置検出手段101によって検出された人物の人物を特定するための情報(人物特定情報)を取得する(ステップS003)。ここで、人物特定情報とは、人物が同じであれば、同じ値となる情報であり、例えば、リモコンなどの制御指示手段により設定された情報である。具体的には、「空気調和機の設定温度」「空気調和機の風向」「空気調和機の風量」「TVの設定音量」「照明の設定明るさ」である。このように、リモコンなどの制御指示手段により設定された情報を人物特定情報として利用することで、ユーザが全く意識しないままに人物識別の学習処理を行なうことができる。以下、人物特定情報として空気調和機の設定温度情報を利用した処理について説明する。
これらの情報は、人物が同じであれば、同じ設定を好むため、同じ人物であれば、常に同じような設定を行なうと考えられる。また、これらの情報は、人物が家庭内での通常の動作を行なう中で設定する動作であるため、これらの情報を利用することにより、人物が全く意識しないままに人物特定情報を取得することが可能である。
人物識別手段103は、前記位置検出手段101が検出した位置情報と前記人物特定情報取得手段102が取得した人物特定情報を関連付けることにより、人物識別情報を作成し、作成した人物識別情報を記憶手段104に保存する(ステップS004)。
ここで、家庭内での人物識別を考えた場合、家庭内では、以下の条件が満たされる場合が非常に多いと推測される。
1.識別対象は数人しか存在しない。
2.家庭内では、人物が座る場所・眠る場所・作業をする場所はほぼ決まっている。
まず、1.に関しては、家庭内がプライベート環境であるため、数人程度しか存在しないと考えられる。そのため、大人数では識別不可能な特徴量であっても、家庭内のように少数人しか存在しない環境であれば、識別が可能となると考えられる。
また、2.に関しては、食事の際の座席、団欒時のシーンを考慮すると、妥当な仮定であると考えられる。
図14、図15は、家庭内において、人物が座る場所・眠る場所・作業をする場所がほぼ決まっていることを確認した模式図である。男性と女性の二人が居住している、図14のような家庭において、二人の人物が座ったり、作業を行なったりするために一定時間以上、滞在した場所と滞在時間を確認した。図15は、2日間の二人の移動履歴を求め、滞在した場所とその場所でのトータルの滞在時間を求めた模式図である。場所は図14に示した(1)〜(7)に対応しており、2日間、この7箇所以外の場所に長時間、滞在することはなかった。図15より、場所(1)、(2)、(6)に人物が存在している場合、その人物はほとんどの場合、女性であり、場所(4)、(5)、(7)に人物が存在している場合、その人物はほとんどの場合、男性であることがわかる。ただし、場所(3)に関しては、人物を識別することができない。しかし、場所(3)に人物が滞在する時間は、全体の1割程度であることから、位置情報のみで90%程度の識別が可能であることがわかる。
以上のことから、家庭内というプライベートな環境では、人物の位置情報のみで、人物の識別が可能であることがわかる。
図16は、記憶手段104に保存されている人物識別情報の一例を示している。人物識別情報には、量子化された各位置情報と、その位置で取得された人物特定情報である設定温度情報を関係付け、さらに滞在時間を保持している。量子化された各位置情報として、ここでは、図14の家庭内を10領域に量子化する。図17は、図14に示した家庭において、量子化した10領域を示した模式図である。この図において、A〜Jで示された10の領域が、量子化された領域を示している。
使用当初、滞在時間にはすべて0が記録されている。ここで、男性が図15の場所(1)のイスに座ったとする。このとき、空気調和機の設定温度は22度に設定されていた。このとき、図16の人物識別情報は、場所(1)に対応する位置Bにおいて、人物特定情報である設定温度が22℃の滞在時間に1を加え、図18のように更新される。図19は、2日後の人物識別情報を示したものである。このように、人物識別情報である図19を更新することで、学習処理が行なわれる。
次に、人物識別処理に関して、詳述する。
図3は、本実施形態における人物識別処理の流れを示すフローチャートである。この図において、図2と同じステップに関しては、同一の符号を付しており、ここではその詳細な説明を省略する。
位置検出手段101は撮像センサユニット24を利用して、家庭内を撮像し、人物の在否と位置情報を検出し(ステップS001)、人物が存在している場合は、さらにその人物が滞在しているのか、動いているのかを判断する(ステップS002)。位置検出手段101によって、家庭内に人物が存在しない、または人物が存在するが、その人物は動いていると判断された場合(ステップS002でNo)、ステップS001に戻り、再度、位置検出手段101によって人物の位置情報の取得と、在否の判断を行なう。一方、前記位置検出手段101によって、家庭内に人物が存在し、しかもその人物が滞在していると判断された場合(ステップS002でYes)、人物識別手段103は、前記位置検出手段101によって検出された人物の位置情報と、前記記憶手段104に保存されている人物識別情報を照合することで、その人物の識別を行なう(ステップS005)。
ステップS005における、人物の識別方法について説明する。学習処理によって、図19のような人物識別情報が前記記憶手段104に保存されているとする。このとき、前
記位置検出手段101によって、人物が位置Cに存在することを検出したとする。図19の人物識別情報によると、位置Cに関しては、
・設定温度22℃:223
・設定温度24℃: 0
・設定温度26℃: 6
・設定温度28度: 0
というデータが保存されている。そのため、これらのデータから、それぞれの過去の存在確率を求めると、
・設定温度22℃:223/(223+0+6+0)=0.97
・設定温度24℃: 0/(223+0+6+0)=0
・設定温度26℃: 6/(223+0+6+0)=0.03
・設定温度28度: 0/(223+0+6+0)=0
となり、設定温度22℃の確率が最も高いことがわかる。そこで、本実施形態における人物識別装置では、この人物が「設定温度22℃の人物」として識別する。
記位置検出手段101によって、人物が位置Cに存在することを検出したとする。図19の人物識別情報によると、位置Cに関しては、
・設定温度22℃:223
・設定温度24℃: 0
・設定温度26℃: 6
・設定温度28度: 0
というデータが保存されている。そのため、これらのデータから、それぞれの過去の存在確率を求めると、
・設定温度22℃:223/(223+0+6+0)=0.97
・設定温度24℃: 0/(223+0+6+0)=0
・設定温度26℃: 6/(223+0+6+0)=0.03
・設定温度28度: 0/(223+0+6+0)=0
となり、設定温度22℃の確率が最も高いことがわかる。そこで、本実施形態における人物識別装置では、この人物が「設定温度22℃の人物」として識別する。
同様に、「TVの設定音量」を人物特定情報として利用する場合、そこで、本実施形態における人物識別装置では、人物を「TVの設定音量9の人物」や「TVの設定音量15の人物」として識別する。
また、「照明の設定明るさ」を人物特定情報として利用する場合、そこで、本実施形態における人物識別装置では、人物を「照明の設定明るさレベル3の人物」や「照明の設定明るさレベル8の人物」として識別する。
また、人物特定情報として、ユーザが自ら登録した情報を利用するようにしてもかまわない。図20は、本実施形態における人物識別装置200の模式図を示している。本実施形態の人物識別装置201は、a〜eからなる登録ボタンZ202を有する。a〜eのボタンを人物識別装置200の利用者それぞれに割り付けることにより、さらに効率的な学習を行なうことができる。例えば、母、父、娘、息子の4人家族がこの人物識別装置を利用している場合、母がa、父がbというように事前に決めておく。母が学習を行なう際にはaボタンを、父が学習を行なう際にはbボタンを押す。このような人物識別装置201を利用した際の人物識別情報の一例を図21に示す。このような人物識別情報と前述の人物の識別方法を利用することで、本実施形態における人物識別装置は、人物を「ユーザa」や「ユーザb」として識別する。このように、人物特定情報として、ユーザが自ら登録した情報を利用することにより、人物識別装置はより正確な人物特定情報を取得することができるため、より正確な人物識別を実現することができる。
もちろん、滞在位置の量子化は、図15のように、実際の3次元位置を利用するのではなく、撮影された画像を量子化するようにしてもかまわない。撮影された画像から実際の3次元位置を求めるためには、前述のように、透視投影変換を利用する必要がある。そのため、実際の3次元位置を利用せず、撮影された画像での位置情報を利用することで、処理量を削減することが可能である。
もちろん、人物識別情報、保存データとして、滞在時間情報を保持するのではなく、滞在時間の頻度を度数として正規化後、保持するようにしてもかまわない。滞在時間を直接、保持する場合、保存データの最大値を規定することができず、非常に大きなメモリを確保する必要があるが、度数として正規化することで、メモリサイズを規定することが可能である。
また、一定時間経過した際には、人物識別情報の保存データを初期化するようにしてもかまわない。家庭内においては、模様替えなどでイスやソファーを大きく動かした場合、
人物の滞在場所は大きく変更してしまう。このような場合、以前の人物識別情報を保持しておくことは、識別性能の劣化を招いてしまう。一定時間後に初期化処理を行なうことで以前のデータを廃棄することができるため、模様替えなどが生じた際にも識別性能を劣化させることなく、人物識別を行なうことができる。
人物の滞在場所は大きく変更してしまう。このような場合、以前の人物識別情報を保持しておくことは、識別性能の劣化を招いてしまう。一定時間後に初期化処理を行なうことで以前のデータを廃棄することができるため、模様替えなどが生じた際にも識別性能を劣化させることなく、人物識別を行なうことができる。
もちろん、一定時間後にデータをすべて初期化するのではなく、以下のように、以前のデータの重みを減らすような処理を行なうようにしてもかまわない。
ここで、V(i,j)は、位置i、人物特定情報jでの人物識別情報の保存データを示している。このような処理を行なうことで、模様替えなどが生じた際にも識別性能を劣化させることなく、人物識別を行なうことができる。
また、初期化処理や数6のような処理を、一定時間ごとに行なうのではなく、模様替えが行なわれたことを認識して行うようにしてもかまわない。これは、例えば、人物識別装置にリセットボタンを設け、ユーザがリセットボタンを押した際に初期化処理などを行なうようにすればよい。また、画像処理結果を利用して処理を行なうようにしてもかまわない。これは前述のような背景差分処理を行ない、画面のほとんどの領域で差分が生じた際には、模様替えが行なわれたと判断して、初期化処理などを行なうようにすればよい。
以上の説明では、人体検知手段101として、撮像センサユニット24を利用するとしたが、公知技術である、焦電センサや、赤外線センサによる熱画像を利用するようにしてもかまわない。
以上の説明では、位置検出手段101はステップS002において、人物の在否と滞在しているのか、動いているのかを判断したが、人物の在否のみを判断するようにしてもかまわない。図22は、本実施形態における人物識別のための学習処理の流れを示すフローチャートであり、図23は、本実施形態における人物識別処理の流れを示すフローチャートである。図22、図23において、図2、図3と共通の構成要素に関しては、同一の符号を付し、その説明は省略する。
図2、図3との違いは、ステップS006である。ステップS006において、位置検出手段101は、検出された位置情報を利用して、人物の在否を判断する。これは、位置検出情報に時空間フィルタリングすることで実現する。つまり、以下の2つの条件が満たされているかどうかを確認する。
1.複数フレームにわたって、近傍の位置に、位置情報を検出しているか?
2.一定面積以上の大きさの位置情報を検出しているか?
上記2つの条件を満たす場合、その位置に人物が存在していると判断する(ステップS006でYes)。一方、上記2つの条件の一つでも満足しない場合、その位置には人物が存在しないと判断する(ステップS006でNo)。
2.一定面積以上の大きさの位置情報を検出しているか?
上記2つの条件を満たす場合、その位置に人物が存在していると判断する(ステップS006でYes)。一方、上記2つの条件の一つでも満足しない場合、その位置には人物が存在しないと判断する(ステップS006でNo)。
家庭内というプライベート空間を考慮した場合、人物の動線は決まっていると考えられる。例えば、玄関からリビングへ移動する場合、部屋のどのあたりを通るかは人物によって決まっている。また、外出する際には、リビングの壁に掛けてある車のキーを持っていく、などの場合には、寝室→リビングの壁→玄関という動線が存在する。このように、人物が滞在する位置のみではなく、動いているシーンでの位置情報を利用することでも人物
の識別処理を行なうことができる。
の識別処理を行なうことができる。
以上のように、本発明の第1の実施形態における人物識別装置によると、人物の位置情報を利用して人物識別処理を行なうことにより、家庭内においても精度の高い、実用的な人物識別を実現することができる。
(実施の形態2)
図24は、本発明の第2の実施の形態における人物識別装置の構成を示す機能ブロック図である。図24において、図1と共通の構成要素に関しては、同一の符号を付し、その説明は省略する。
図24は、本発明の第2の実施の形態における人物識別装置の構成を示す機能ブロック図である。図24において、図1と共通の構成要素に関しては、同一の符号を付し、その説明は省略する。
第2の実施形態における人物識別装置は、大きさ検出手段105を有し、人物識別手段103は、位置検出手段101が検出した位置情報に加え、大きさ検出手段105が検出した大きさ情報も利用して、人物識別処理を行なう。
人物の大きさ情報は実際の人物の大きさを表すとともに、その人物の姿勢も表現する。姿勢には、個性がでるため、人物の大きさ情報は人識別に重要な情報であると考えられる。
図25〜図27は、人物の大きさ情報を利用した人物の識別可能性を説明するための模式図である。図25は、人物がソファーに深く座っているシーンでの背景差分画像を示している。一方、図26は、身長のほぼ等しい別の人物が同じソファーに浅く座っているシーンでの背景差分画像を示している。さらに、図27は、身長の低い子供が同じソファーに浅く座っているシーンでの背景差分画像を示している。これらの画像において、白い画素は差分が存在しない画素、黒い画素は差分が生じている画素を示している。図25と図26を比較すると、ほぼ同じ身長の人物が同じ場所で座っているとしても、画像上での大きさは異なることがわかる。また、図25と図27を比較すると、身長が異なる人物は、画面上での大きさも異なることがわかる。屋外など公共の環境では、存在する人物の人数が非常に多く、身長や姿勢のみで人物を識別することは難しい。また、動き回るシーンがおおくなり、長時間滞在するというシーンがそれほど存在しない。そのため、屋外など公共の環境では、人物の大きさ情報による人物識別は困難である。一方、家庭内の場合、存在する人物の人数は通常、数名に限られており、さらに、人数が多い場合であっても、世代や年齢にバラツキが存在する。そのため、同じ身長の人物はそれほど存在せず、人物の大きさ情報が利用できる。また、家庭内では、動き回らず、座って滞在するシーンが多いため、やはり、人物の大きさ情報による人物識別が有効である。
人物識別処理は、人物を識別するための学習処理と識別を行なう識別処理からなる。図28は、本実施形態における人物識別のための学習処理の流れを示すフローチャートであり、図29は、本実施形態における人物識別処理の流れを示すフローチャートである。図28、図29において、図2、図3と共通の構成要素に関しては、同一の符号を付し、その説明は省略する。
まず、学習処理の流れについて説明する。図28において、位置検出手段101は撮像センサユニット24を利用して、家庭内を撮像し、人物の在否と位置情報を検出し(ステップS001)、人物が存在している場合は、さらにその人物が滞在しているのか、動いているのかを判断する(ステップS002)。位置検出手段101によって、家庭内に人物が存在しない、または人物が存在するが、その人物は動いていると判断された場合(ステップS002でNo)、ステップS001に戻り、再度、位置検出手段101によって人物の位置情報の取得と、在否の判断を行なう。一方、前記位置検出手段101によって、家庭内に人物が存在し、しかもその人物が滞在していると判断された場合(ステップS
002でYes)、大きさ検出手段105は撮像センサユニット24を利用して、前記位置検出手段101が検出した人物の大きさ情報を検出する(ステップS007)。人物識別手段103は、前記位置検出手段101によって検出された人物の人物を特定するための情報を取得する(ステップS003)。人物識別手段103は、前記位置検出手段101が検出した位置情報と、前記大きさ検出手段105が検出した大きさ情報と、前記人物特定情報取得手段102が取得した人物特定情報を関連付けることにより、人物識別情報を作成し、作成した人物識別情報を記憶手段104に保存する(ステップS008)。
002でYes)、大きさ検出手段105は撮像センサユニット24を利用して、前記位置検出手段101が検出した人物の大きさ情報を検出する(ステップS007)。人物識別手段103は、前記位置検出手段101によって検出された人物の人物を特定するための情報を取得する(ステップS003)。人物識別手段103は、前記位置検出手段101が検出した位置情報と、前記大きさ検出手段105が検出した大きさ情報と、前記人物特定情報取得手段102が取得した人物特定情報を関連付けることにより、人物識別情報を作成し、作成した人物識別情報を記憶手段104に保存する(ステップS008)。
つぎに、人物識別処理の流れについて説明する。図29において、前記位置検出手段101によって、家庭内に人物が存在し、しかもその人物が滞在していると判断された場合(ステップS002でYes)、大きさ検出手段105は撮像センサユニット24を利用して、前記位置検出手段101が検出した人物の大きさ情報を検出する(ステップS007)。さらに、人物識別手段103は、前記位置検出手段101によって検出された人物の位置情報と、前記大きさ検出手段105が検出した大きさ情報とを、前記記憶手段104に保存されている人物識別情報を照合することで、その人物の識別を行なう(ステップS009)。
以下、まず学習処理に関して、詳述する。
大きさ検出手段105は撮像センサユニット24を利用して、前記位置検出手段101が検出した人物の大きさ情報を検出する(ステップS007)。ここでは、大きさ情報として、画像上での検出領域の大きさ情報を利用する。図30は、大きさ検出手段105の処理を説明するための模式図である。この図において、311、312は位置検出手段101によって検出された人物領域を示している。大きさ検出手段105は、検出されたそれぞれの人物領域311、312が内接する最大の長方形313、314を検出し、その面積S_L[Pixel]を計算する。こうして求めた面積S_Lを以下のように量子化することで、大きさ情報としてS、M、L、XL、XXLのいずれかを検出する。
・大きさ「S」: S_L≦9
・大きさ「M」: 9<S_L≦16
・大きさ「L」: 16<S_L≦25
・大きさ「XL」: 36<S_L≦49
・大きさ「XXL」: 49<S_L
人物識別手段103は、前記位置検出手段101が検出した位置情報と、前記大きさ検出手段105が検出した大きさ情報と、前記人物特定情報取得手段102が取得した人物特定情報を関連付けることにより、人物識別情報を作成し、作成した人物識別情報を記憶手段104に保存する(ステップS008)。
・大きさ「M」: 9<S_L≦16
・大きさ「L」: 16<S_L≦25
・大きさ「XL」: 36<S_L≦49
・大きさ「XXL」: 49<S_L
人物識別手段103は、前記位置検出手段101が検出した位置情報と、前記大きさ検出手段105が検出した大きさ情報と、前記人物特定情報取得手段102が取得した人物特定情報を関連付けることにより、人物識別情報を作成し、作成した人物識別情報を記憶手段104に保存する(ステップS008)。
人物識別情報には、量子化された各位置情報・大きさ情報と、その位置およびその大きさで取得された人物特定情報である設定温度情報を関係付け、さらに滞在時間を保持している。図31は、家庭内の模式図を示している。右下に本実施形態の人物識別装置における、撮像センサユニット24が配置されている。図32は、図31の家庭において、撮像センサユニット24によって撮像された画像例を示している。さらに、図33は、図32の画像に対し、位置検出手段103によって滞在位置を30の量子化された様子を示した模式図である。図34は、このように位置情報を量子化した際に、記憶手段104に保存されている人物識別情報の一例を示している。使用当初、滞在時間にはすべて0が記録されている。ここで、男性が図33の場所Qのイスに座ったとする。このとき、この人物の大きさ情報は「L」であり、空気調和機の設定温度は22度に設定されていた。このとき、図34の人物識別情報は、場所Q・大きさLに対応するメモリにおいて、人物特定情報である設定温度が22℃の滞在時間に1を加え、図35のように更新される。図36は、
2日後の人物識別情報を示したものである。このように、人物識別情報である図36を更新することで、学習処理が行なわれる。
2日後の人物識別情報を示したものである。このように、人物識別情報である図36を更新することで、学習処理が行なわれる。
次に、人物識別処理に関して、詳述する。
ステップS009における、人物の識別方法について説明する。学習処理によって、図36のような人物識別情報が前記記憶手段104に保存されているとする。このとき、前記位置検出手段101によって人物が位置Qに存在し、さらに、前記大きさ検出手段Z105によってその人物の大きさがMであることを検出したとする。図36の人物識別情報によると、位置Cで大きさMに関しては、
・設定温度22℃: 15
・設定温度24℃: 0
・設定温度26℃:120
・設定温度28度: 0
というデータが保存されている。そのため、これらのデータから、それぞれの存在確率を求めると、
・設定温度22℃: 15/(15+0+120+0)=0.11
・設定温度24℃: 0/(15+0+120+0)=0
・設定温度26℃:120/(15+0+120+0)=0.89
・設定温度28度: 0/(15+0+120+0)=0
となり、設定温度26℃の確率が最も高いことがわかる。そこで、本実施形態における人物識別装置では、この人物が「設定温度26℃の人物」として識別する。
・設定温度22℃: 15
・設定温度24℃: 0
・設定温度26℃:120
・設定温度28度: 0
というデータが保存されている。そのため、これらのデータから、それぞれの存在確率を求めると、
・設定温度22℃: 15/(15+0+120+0)=0.11
・設定温度24℃: 0/(15+0+120+0)=0
・設定温度26℃:120/(15+0+120+0)=0.89
・設定温度28度: 0/(15+0+120+0)=0
となり、設定温度26℃の確率が最も高いことがわかる。そこで、本実施形態における人物識別装置では、この人物が「設定温度26℃の人物」として識別する。
もちろん、大きさ検出手段105は、大きさ情報として、人物領域の内接する最大の長方形の面積を利用するのではなく、人物領域に含まれる画素数や、人物領域に含まれる差分が生じている画素の画素数、人物領域の内接する最大の長方形内に含まれる差分が生じている画素の画素数を利用するようにしてもかまわない。
また、大きさ情報として、画像上(画像座標系)での検出領域の大きさ情報を利用するのではなく、カメラ座標系での実空間での大きさ情報を利用するようにしてもかまわない。これは、前述の透視投影変換を利用して、検出枠のカメラ座標系での大きさを求めればよい。カメラ座標系での実空間での大きさ情報を利用することにより、人物が存在する位置に依存せず、身長情報で人物を識別することができる。
また、位置情報や大きさ情報として、背景差分情報を利用するのではなく、フレーム間差分情報を利用してもかまわない。図37〜図39はこの処理を説明するための模式図である。フレーム間差分を利用する場合、座ってじっとしている人物など、動かない人物は検出されない。しかしこのような人物であっても、手や頭を動かすことがあるため、そのタイミングではフレーム間差分が生じる。図37、図38は、座ってじっとしている大人と子供が右腕を動かした際にフレーム間差分が検出される様子を示した模式図である。人物によって、腕の位置や腕の動かし方は異なるため、右腕を動かすという同じ動作であっても、人物が異なれば、そのフレーム間差分画像は異なったものとなる。図39は、図37と図38で求めたフレーム間差分領域の内接する最大の長方形を比較した模式図である。この図から、フレーム間差分画像が異なることがわかり、フレーム間差分を利用することも人物識別に有効であることがわかる。
以上の説明では、人物識別手段103は、前記位置検出手段101によって検出された人物の位置情報と、前記大きさ検出手段105が検出した大きさ情報の2つの情報を利用して人物識別を行なったが、大きさ情報のみを利用するようにしてもかまわない。図40は、本実施形態における人物識別のための学習処理の流れを示すフローチャートであり、
図41は、本実施形態における人物識別処理の流れを示すフローチャートである。図40、図41において、図28、図29と共通の構成要素に関しては、同一の符号を付し、その説明は省略する。
図41は、本実施形態における人物識別処理の流れを示すフローチャートである。図40、図41において、図28、図29と共通の構成要素に関しては、同一の符号を付し、その説明は省略する。
この場合、大きさ情報として前述のカメラ座標系での実空間での大きさ情報を利用すればよい。具体的には、人物の実空間での高さ情報を利用する。人物の実空間での高さ情報は、以下のように求める。
1.画像上で人物領域が内接する最大の長方形を求める。
2.求まった長方形の左右方向の中央部における最も上部の画素をP_TOP(u_MID,v_TOP)、最も下部の画素をP_BOTTOM(u_MID,v_BOTTOM)として求める(図42の模式図参照)。
1.前述の透視投影変換を利用して、カメラ座標系でのP_TOPとP_BOTTOMをもとめ、それぞれのZ座標をZ_TOPとZ_BOTTOMとする。ここで、P_BOTTOMは必ず床面に接しており、また、P_TOPとP_BOTTOMのX座標とY座標は等しいと仮定することで、Z_TOPとZ_BOTTOMは一意に求められる。
2.HEIGHT[cm]=(Z_TOP)−(Z_BOTTOM)を求め、以下のように量子化することで、大きさ情報としてS、M、L、XL、XXLのいずれかを検出する。
・大きさ「S」: HEIGHT≦145[cm]
・大きさ「M」: 145[cm]<HEIGHT≦160[cm]
・大きさ「L」: 160[cm]<HEIGHT≦175[cm]
・大きさ「XL」: 175[cm]<HEIGHT≦190[cm]
・大きさ「XXL」: 190[cm]<HEIGHT
図43は、本実施形態における人物識別情報の一例である。
・大きさ「M」: 145[cm]<HEIGHT≦160[cm]
・大きさ「L」: 160[cm]<HEIGHT≦175[cm]
・大きさ「XL」: 175[cm]<HEIGHT≦190[cm]
・大きさ「XXL」: 190[cm]<HEIGHT
図43は、本実施形態における人物識別情報の一例である。
以上の説明では、大きさ検知手段105として、撮像センサユニット24を利用するとしたが、公知技術である、焦電センサや、赤外線センサによる熱画像を利用するようにしてもかまわない。
以上のように、本発明の第2の実施形態における人物識別装置によると、人物の位置情報と大きさ情報を利用して人物識別処理を行なうことにより、家庭内においても精度の高い、実用的な人物識別を実現することができる。
<本発明の人物識別装置を搭載した空気調和機>
本発明の人物識別装置は、空気調和機の制御に非常に有効である。本発明の人物識別装置を搭載した空気調和機について説明する。
<本発明の人物識別装置を搭載した空気調和機>
本発明の人物識別装置は、空気調和機の制御に非常に有効である。本発明の人物識別装置を搭載した空気調和機について説明する。
図44は、本発明の第1の実施の形態における人物識別装置を利用した空気調和機の構成を示す機能ブロック図である。図44において、図1と共通の構成要素に関しては、同一の符号を付し、その説明は省略する。
一般家庭で使用される空気調和機は、通常冷媒配管で互いに接続された室外機と室内機と空気調和の制御指示手段106であるリモコン30(図示せず)で構成されており、図45乃至図48は、本発明に係る空気調和機の室内機を示している。
室内機は、本体2と、本体2の前面開口部2aを開閉自在の可動前面パネル(以下、単
に前面パネルという)4を有しており、空気調和機停止時は、前面パネル4は本体2に密着して前面開口部2aを閉じているのに対し、空気調和機運転時は、前面パネル4は本体2から離反する方向に移動して前面開口部2aを開放する。なお、図45及び図46は前面パネル4が前面開口部2aを閉じた状態を示しており、図47及び図48は前面パネル4が前面開口部2aを開放した状態を示している。
に前面パネルという)4を有しており、空気調和機停止時は、前面パネル4は本体2に密着して前面開口部2aを閉じているのに対し、空気調和機運転時は、前面パネル4は本体2から離反する方向に移動して前面開口部2aを開放する。なお、図45及び図46は前面パネル4が前面開口部2aを閉じた状態を示しており、図47及び図48は前面パネル4が前面開口部2aを開放した状態を示している。
図45乃至図48に示されるように、本体2の内部には、熱交換器6と、前面開口部2a及び上面開口部2bから取り入れられた室内空気を熱交換器6で熱交換して室内に吹き出すための室内ファン8と、熱交換した空気を室内に吹き出す吹出口10を開閉するとともに空気の吹き出し方向を上下に変更する上下羽根12と、空気の吹き出し方向を左右に変更する左右羽根14とを備えており、前面開口部2a及び上面開口部2bと熱交換器6との間には、前面開口部2a及び上面開口部2bから取り入れられた室内空気に含まれる塵埃を除去するためのフィルタ16が設けられている。
また、前面パネル4上部は、その両端部に設けられた2本のアーム18,20を介して本体2上部に連結されており、アーム18に連結された駆動モータ(図示せず)を駆動制御することで、空気調和機運転時、前面パネル4は空気調和機停止時の位置(前面開口部2aの閉塞位置)から前方斜め上方に向かって移動する。
さらに、上下羽根12は、上羽根12aと下羽根12bとで構成されており、それぞれ本体2下部に揺動自在に取り付けられている。上羽根12a及び下羽根12bは、別々の駆動源(例えば、ステッピングモータ)に連結されており、室内機に内蔵された制御装置(例えばマイコン)によりそれぞれ独立して角度制御される。また、図47及び図48から明らかなように、下羽根12bの変更可能な角度範囲は、上羽根12aの変更可能な角度範囲より大きく設定されている。
なお、上羽根12a及び下羽根12bの駆動方法については後述する。また、上下羽根12は3枚以上の上下羽根で構成することも可能で、この場合、少なくとも2枚(特に、最も上方に位置する羽根と最も下方に位置する羽根)は独立して角度制御できるのが好ましい。
また、左右羽根14は、室内機の中心から左右に5枚ずつ配置された合計10枚の羽根で構成されており、それぞれ本体2の下部に揺動自在に取り付けられている。また、左右の5枚を一つの単位として別々の駆動源(例えば、ステッピングモータ)に連結されており、室内機に内蔵された制御装置により左右5枚の羽根がそれぞれ独立して角度制御される。なお、左右羽根14の駆動方法についても後述する。
図45に示されるように、前面パネル4の上部には、撮像センサユニット24が撮像装置として取り付けられており、撮像センサユニット24は、センサホルダに保持されている。
また、本発明の人物識別装置は、撮像センサユニット24で撮像された画像に対して、搭載された回路基板上のメモリ(図示せず)やマイクロコンピュータ(図示せず)などにより実現される。
空気調和機は、本発明の人物識別装置で識別した結果を基に、空調制御を行なう。本発明の人物識別装置は前述のとおり、リモコン30で設定された空気調和機の設定温度を人物特定情報とする。また、本発明の人物識別装置は、人物の位置情報を検出している。そのため、本発明の人物識別装置を搭載した空気調和機では、人物が存在する位置に、その人物が以前、設定していた温度にあわせた空調を行なうことが可能である。
また、図49は、本発明の第1の実施の形態における人物識別装置を搭載した空気調和機の処理の流れを示すフローチャートである。図49において、図2、図3と共通の構成要素に関しては、同一の符号を付し、その説明は省略する。
図44において、位置検出手段101は撮像センサユニット24を利用して、家庭内である空調空間内を撮像し、人物の在否と位置情報を検出し(ステップS001)、人物が存在している場合は、さらにその人物が滞在しているのか、動いているのかを判断する(ステップS002)。位置検出手段101によって、家庭内に人物が存在しない、または人物が存在するが、その人物は動いていると判断された場合(ステップS002でNo)、ステップS001に戻り、再度、位置検出手段101によって人物の位置情報の取得と、在否の判断を行なう。一方、前記位置検出手段101によって、家庭内に人物が存在し、しかもその人物が滞在していると判断された場合(ステップS002でYes)、人物識別手段103は、制御指示手段106であるリモコンから、設定されている空調制御指示情報である「空気調和機の設定温度」「空気調和機の風向」「空気調和機の風量」などの情報を人物特定情報として取得する(ステップS012)。そのため、制御指示手段106は人物特定情報取得手段102として動作する。人物識別手段103は、前記位置検出手段101が検出した位置情報と前記制御指示手段106(人物特定情報取得手段102)が取得した人物特定情報である空調制御指示情報を関連付けることにより、人物識別情報を作成し、作成した人物識別情報を記憶手段104に保存する(ステップS013)。さらに、人物識別手段103は、前記位置検出手段101によって検出された人物の位置情報と、前記記憶手段104に保存されている人物識別情報を照合することで、その人物に対応する空調制御指示情報を取得する(ステップS014)。つまり、本発明の人物識別処理を行なうことで、空調空間内に存在する人物に対応した制御指示情報を取得することができる。同一人物であれば、自分の好みを反映した空調制御を前記制御指示手段106に指示していると考えられる。そのため、こうして取得した空調制御指示情報は、空調空間内に存在する人物の好みを反映した制御指示情報と考えられる。さらに、空調制御手段107は、照合して求めた制御指示情報したがって、前記位置検出手段101で検出された人物位置へ空調制御を行なう(ステップS015)。このときの制御指示情報は、空調空間内に存在する人物の好みを反映した制御指示情報であるため、本発明の第1の実施の形態における人物識別装置を搭載した空気調和機、空気調和空間に存在する人物の好みを反映した空調制御を行なうことができる。
以上のように、本発明の人物識別装置を搭載した空気調和機は、空気調和空間に存在する人物の好みを反映して、最適な空気調和動作を行せることができるとともに、そのために必要な人物ごとの空気調和機操作傾向の学習を、ユーザにまったく意識させることなく行うことが可能で、ユニバーサルデザインを実現でき、制御精度も向上できる。
以上の空気調和機では、常に人物識別装置の出力結果に基づいて、空調制御を行なったが、人物識別装置の出力結果から求めた制御指示情報と、制御指示手段106の空調制御指示情報のいずれかを選択することで、空調制御を行なうようにしてもかまわない。この処理について説明する。
図50は、本発明の第1の実施の形態における人物識別装置を利用した別の空気調和機の構成を示す機能ブロック図である。図50において、図44と共通の構成要素に関しては、同一の符号を付し、その説明は省略する。図44との違いは、制御指示手段操作情報推定手段108である。制御指示手段操作情報推定手段108は、位置検出手段101と制御指示手段106を利用し、制御指示手段106を操作した人物情報を検出するものである。
また、図51は、本発明の第1の実施の形態における人物識別装置を搭載した空気調和機の処理の流れを示すフローチャートである。図51において、図49と共通の構成要素に関しては、同一の符号を付し、その説明は省略する。
図51において、位置検出手段101は撮像センサユニット24を利用して、家庭内である空調空間内を撮像し、人物の在否と位置情報を検出し(ステップS001)、人物が存在している場合は、さらにその人物が滞在しているのか、動いているのかを判断する(ステップS002)。位置検出手段101によって、家庭内に人物が存在しない、または人物が存在するが、その人物は動いていると判断された場合(ステップS002でNo)、ステップS001に戻り、再度、位置検出手段101によって人物の位置情報の取得と、在否の判断を行なう。一方、前記位置検出手段101によって、家庭内に人物が存在し、しかもその人物が滞在していると判断された場合(ステップS002でYes)、人物識別手段103は、制御指示手段106であるリモコンから、設定されている空調制御指示情報である「空気調和機の設定温度」「空気調和機の風向」「空気調和機の風量」などの情報を人物特定情報として取得する(ステップS012)。そのため、制御指示手段106は人物特定情報取得手段102として動作する。人物識別手段103は、前記位置検出手段101が検出した位置情報と前記制御指示手段106(人物特定情報取得手段102)が取得した人物特定情報である空調制御指示情報を関連付けることにより、人物識別情報を作成し、作成した人物識別情報を記憶手段104に保存する(ステップS013)。さらに、人物識別手段103は、前記位置検出手段101によって検出された人物の位置情報と、前記記憶手段104に保存されている人物識別情報を照合することで、その人物に対応する空調制御指示情報を取得する(ステップS014)。制御指示手段操作情報推定手段108は、制御指示手段の操作者と検出された人物が同一人物かどうかを推定する(ステップS016)。これは、制御指示手段106が操作された時間と、検出されている人物が空調空間内で検出された時間を比較することで実現する。すなわち、以下の2条件をすべて満たす場合、制御指示手段操作情報推定手段108は、制御指示手段の操作者と検出された人物が同一人物であると推定する。
1.制御指示手段106が操作された時間が、検出されている人物が空調空間内で検出された時間よりも後。
2.制御指示手段106が操作された時間に、空調空間内に人物が1人のみ存在。
制御指示手段106が操作された時間は制御指示手段106から、検出されている人物が空調空間内で検出された時間は位置検出手段101から取得する。
一方、上記2条件のすべてを満たさない場合、制御指示手段操作情報推定手段108は、制御指示手段106の操作者と検出された人物が同一人物ではないと推定する。
制御指示手段操作情報推定手段108によって、制御指示手段106の操作者と検出された人物が同一人物だと推定された場合(ステップS016でYes)、空調制御手段107は、照合して求めた制御指示情報にしたがって、前記位置検出手段101で検出された人物位置へ空調制御を行なう(ステップS015)。一方、制御指示手段操作情報推定手段108によって、制御指示手段106の操作者と検出された人物が同一人物ではないと推定された場合(ステップS016でNo)、空調制御手段107は、制御指示手段の空調制御指示情報にしたがって、前記位置検出手段101で検出された人物位置へ空調制御を行なう(ステップS017)。
もちろん、制御指示手段操作情報推定手段108は、制御指示手段106の位置情報を取得し、制御指示手段106が操作された際に、近傍にいる人物が操作を行なったと推定
するようにしてもかまわない。ここで、制御指示手段106の位置情報を取得するためには、撮像センサユニット24によって、制御指示手段106であるリモコンが発光する赤外線情報を検出するようにすればよい。さらに、制御指示手段106の操作者を推定した後、操作者と推定された人物をトラッキングすることで、その人物が空調空間内から出るまでは制御指示手段106の操作者と検出された人物が同一人物かどうかを推定する。さらに、操作者が空調空間内から出た後では、次に制御指示手段106が操作されるまでは、制御指示手段操作情報推定手段108は制御指示手段106の操作者と検出された人物が同一人物ではないと判断する。
するようにしてもかまわない。ここで、制御指示手段106の位置情報を取得するためには、撮像センサユニット24によって、制御指示手段106であるリモコンが発光する赤外線情報を検出するようにすればよい。さらに、制御指示手段106の操作者を推定した後、操作者と推定された人物をトラッキングすることで、その人物が空調空間内から出るまでは制御指示手段106の操作者と検出された人物が同一人物かどうかを推定する。さらに、操作者が空調空間内から出た後では、次に制御指示手段106が操作されるまでは、制御指示手段操作情報推定手段108は制御指示手段106の操作者と検出された人物が同一人物ではないと判断する。
このように、制御指示手段操作情報推定手段108によって制御指示手段106の操作者を推定することで、本発明の人物識別装置を搭載した空気調和機は、空気調和空間に存在する人物の好みをより正確に反映して、最適な空気調和動作を行せることができるとともに、そのために必要な人物ごとの空気調和機操作傾向の学習を、ユーザにまったく意識させることなく行うことが可能で、ユニバーサルデザインを実現でき、制御精度も向上できる。
以上のように、本発明にかかる人物識別装置は、家庭内においても実用的に、精度よく人物識別を実現できる。さらに、本発明にかかる人物識別装置を搭載した空気調和機はユーザが全く意識しないままに、個人の機器操作傾向が自動的に学習され、ユニバーサルデザインを実現でき、制御精度を向上することが可能となるので、ユーザが操作指示を行う機器全般の用途に広く適用できる。
2 室内機本体、 2a 前面開口部、 2b 上面開口部、 4 可動前面パネル、 6 熱交換器、 8 室内ファン、 10 吹出口、 12 上下羽根、 14 左右羽根、 16 フィルタ、 18,20 前面パネル用アーム、 24 撮像センサユニット、 30 リモコン、 101 位置検出手段、 102 物特定情報取得手段、 103 人物識別手段、 104 記憶手段、 105 大きさ検出手段、 106 制御指示手段、 107 空調制御手段、 108 制御指示手段操作情報推定手段。
Claims (17)
- 家庭内で人物を識別する人物識別装置であって、
人物の存在の有無と、人物が存在する場合にはその位置を検出する位置検出手段と、
前記人物を識別するための情報である人物特定情報を取得する人物特定情報取得手段と、前記位置検出手段が検出した位置情報と、前記人物特定情報取得手段が取得した人物特定情報を関連付けて人物識別情報として記憶する記憶手段と、
前記位置検出手段が検出した位置情報を、前記記憶手段に記憶されている人物識別情報と照合することで、人物を識別する人物識別手段と、
を有することを特徴とする、人物識別装置。 - 家庭内で人物を識別する人物識別装置であって、
人物の存在の有無と、人物が存在する場合にはその位置を検出する位置検出手段と、
前記人物の大きさを検出する大きさ検出手段と、
前記人物を識別するための情報である人物特定情報を取得する人物特定情報取得手段と、前記大きさ検出手段が検出した大きさ情報を、前記人物特定情報取得手段が取得した人物特定情報を関連付けて人物識別情報として記憶する記憶手段と、
前記大きさ検出手段が検出した大きさ情報を、前記記憶手段に記憶されている人物識別情報と照合することで、人物を識別する人物識別手段と、
を有することを特徴とする、人物識別装置。 - 家庭内で人物を識別する人物識別装置であって、
人物の存在の有無と、人物が存在する場合にはその位置を検出する位置検出手段と、
前記人物の大きさを検出する大きさ検出手段と、
前記人物を識別するための情報である人物特定情報を取得する人物特定情報取得手段と、前記位置検出手段が検出した位置情報と、前記大きさ検出手段が検出した大きさ情報を、前記人物特定情報取得手段が取得した人物特定情報を関連付けて人物識別情報として記憶する記憶手段と、
前記位置検出手段が検出した位置情報と、前記大きさ検出手段が検出した大きさ情報を、前記記憶手段に記憶されている人物識別情報と照合することで、人物を識別する人物識別手段と、
を有することを特徴とする、人物識別装置。 - 前記大きさ検出手段は、前記人物の実空間での大きさを推定することを特徴とする請求項2または3記載の人物識別装置。
- 前記大きさ検出手段は、前記人物の撮影された画像上での大きさを、大きさ情報として検出することを特徴とする請求項2または3に記載の人物識別装置。
- 前記人物特定情報とは、リモコンなどの制御指示手段により設定された制御指示情報であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の人物識別装置。
- 前記人物特定情報とは、「空気調和機の設定温度」「空気調和機の風向」「空気調和機の風量」「TVの設定音量」「照明の設定明るさ」のいずれかであることを特徴とする請求項6に記載の人物識別装置。
- 前記人物特定情報とは、ユーザが自ら登録した、ユーザを特定するための情報であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の人物識別装置。
- 前記記憶手段は、一定時間経過した際には、人物識別情報を初期化することを特徴とする
請求項1〜3のいずれか1項に記載の人物識別装置。 - 前記記憶部は、一定時間経過した際には、データの重み付け処理を行ない、以前の人物識別情報の重みを軽くすることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の人物識別装置。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の人物識別装置を搭載した空気調和機であって、
前記人物識別手段が識別した識別結果に基づいて、その人物の好みの空調制御情報にしたがった空調制御を実現する空調制御部を有することを特徴とする空気調和機。 - 請求項6または7記載の人物識別装置を搭載した空気調和機であって、
前記人物識別手段が識別した制御指示情報に基づいて、空調制御を行なう空調制御手段を有することを特徴とする空気調和機。 - 請求項11または請求項12記載の空気調和機であって、
前記人物識別手段が識別した制御指示情報と現在の制御指示情報のいずれかを選択する制御指示手段操作情報推定手段をさらに有し、
前記空調制御手段は、前記制御指示手段操作情報推定手段が選択した制御指示情報にしたがって空調制御を行なうことを特徴とする空気調和機。 - 請求項13記載の空気調和機であって、
前記制御指示手段操作情報推定手段は、現在の制御指示情報の操作者が検出されている人物と同一人物であると推定される場合は現在の制御指示情報を、現在の制御指示情報の操作者が検出されている人物と同一人物ではないと推定される場合は前記人物識別手段が識別した制御指示情報を選択することを特徴とする空気調和機。 - 家庭内で人物を識別する人物識別方法であって、
人物の存在の有無と、人物が存在する場合にはその位置を検出する位置検出ステップと、前記人物を識別するための情報である人物特定情報を取得する人物特定情報取得ステップと、
前記位置検出ステップが検出した位置情報と、前記人物特定情報取得ステップが取得した人物特定情報を関連付けて人物識別情報として記憶する記憶ステップと、
前記位置検出ステップが検出した位置情報を、前記記憶ステップに記憶されている人物識別情報と照合することで、人物を識別する人物識別ステップと、
を有することを特徴とする、人物識別方法。 - 家庭内で人物を識別する人物識別方法であって、
人物の存在の有無と、人物が存在する場合にはその位置を検出する位置検出ステップと、前記人物の大きさを検出する大きさ検出ステップと、
前記人物を識別するための情報である人物特定情報を取得する人物特定情報取得ステップと、
前記大きさ検出ステップが検出した大きさ情報を、前記人物特定情報取得ステップが取得した人物特定情報を関連付けて人物識別情報として記憶する記憶ステップと、
前記大きさ検出ステップが検出した大きさ情報を、前記記憶ステップに記憶されている人物識別情報と照合することで、人物を識別する人物識別ステップと、
を有することを特徴とする、人物識別方法。 - 家庭内で人物を識別する人物識別方法であって、
人物の存在の有無と、人物が存在する場合にはその位置を検出する位置検出ステップと、前記人物の大きさを検出する大きさ検出ステップと、
前記人物を識別するための情報である人物特定情報を取得する人物特定情報取得ステップと、
前記位置検出ステップが検出した位置情報と、前記大きさ検出ステップが検出した大きさ情報を、前記人物特定情報取得ステップが取得した人物特定情報を関連付けて人物識別情報として記憶する記憶ステップと、
前記位置検出ステップが検出した位置情報と、前記大きさ検出ステップが検出した大きさ情報を、前記記憶ステップに記憶されている人物識別情報と照合することで、人物を識別する人物識別ステップと、
を有することを特徴とする、人物識別方法。
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