JP2012036782A - 圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】軸心を中心に回転して気体を圧縮するインペラ(遠心インペラ)12aまたは動翼列14aと、インペラを囲みその内側に気体の主流路15を構成するケーシング16と、主流路15の上流側と下流側におけるケーシング内面にそれぞれ開口する循環流路18と、その気体流量を連続的に制御可能な循環量制御装置20、を備える。循環流路18は、主流路15の上流側と下流側におけるケーシング内面にそれぞれ開口する上流端18a及び下流端18bと、上流端と下流端を結ぶ中間部分18cとを有する。循環量制御装置20は、前記球面形状の外面及び内面に沿って円弧状に延びる複数のベーン20aと、軸心上の点を通る揺動軸21を中心に複数のベーンを揺動させるアクチュエータ20bとからなる。
【選択図】図1
Description
さらに、ターボチャージャの流量制御手段として、特許文献7が開示されている。
特許文献3は、軸流圧縮機に関するものであり、インペラが位置するケーシングに周方向に延びるスリットを設け、このスリット内で気体を循環させるものである。
特許文献4は、軸流圧縮機に関するものであり、インペラが位置するケーシングに設置されたスリットから気体を抽気してインペラの上流側に気体を循環させるものである。
特許文献6は、遠心圧縮機のバイパス還流路に周方向速度成分を制御する案内部材を設けて循環量を制御するものである。
特許文献7は、ターボチャージャに流入するガス量を制御する可変ノズルを備えたものである。
また、上述した従来のケーシングトリートメントでは、抽気が常時行われるため、最大流量側では効率が悪化するおそれがある。
前記インペラを囲みその内側に気体の主流路を構成するケーシングと、
前記主流路の上流側と下流側におけるケーシング内面にそれぞれ開口する循環流路と、
該循環流路を流れる気体の流量を連続的に制御可能な循環量制御装置と、を備え、
前記循環流路は、前記主流路の上流側と下流側におけるケーシング内面にそれぞれ開口する上流端及び下流端と、上流端と下流端を結ぶ中間部分とを有し、前記循環流路の前記上流端は、前記主流路において前記インペラの上流端よりも下流側に位置し、
前記中間部分の少なくとも一部は、その外面及び内面が前記軸心上の点を中心とする球面形状であり、
前記循環量制御装置は、前記球面形状の外面及び内面に沿って円弧状に延びる複数のベーンと、前記軸心上の点を通る揺動軸を中心に前記複数のベーンを揺動させるアクチュエータとからなる、ことを特徴とする圧縮機が提供される。
前記主流路に配置され、前記動翼列と静翼列の下流側に位置する遠心インペラを備える。
また、前記循環量制御装置は、前記球面形状の外面及び内面に沿って円弧状に延びる複数のベーンを備えるので、複数のベーンの揺動により前記循環流路の開度の調整範囲を大きくすることができる。
その結果、循環流路の流量を増加させれば、上述したように小流量側へ作動域を拡大することができ、循環流路の流量を減少させてゼロにすれば、抽気のない場合に圧縮できる最大流量を維持することができる。よって、循環量制御装置により循環流路の流量を制御することにより、圧縮できる最大流量を維持したまま、効率を悪化させることなく小流量側へ作動域を拡大できる。
図1は、本発明の第1実施形態による圧縮機の全体構成図である。
この図において、本発明の第1実施形態による圧縮機10は、軸流圧縮部12、遠心圧縮部14、ケーシング16、循環流路18、及び循環量制御装置20を備える複合ターボ圧縮機である。
本発明の第1実施形態による圧縮機10は、例えば空気を圧縮する過給機用の圧縮機であるが、本発明はこれに限定されず、その他の圧縮機であってもよい。
軸流圧縮部12と遠心圧縮部14の回転軸(図示せず)は、同一でも別軸でもよい。別軸の場合、それぞれの回転速度は、同一でも相違してもよい。
気体1は、例えば空気であるが、その他の気体(排気ガス、窒素ガス、等)であってもよい。
主流路15は、ケーシング16の内面16aと動翼列12aが取り付けられたロータ13との間、及びケーシング16の内面16aと遠心インペラ14aの翼部が取り付けられたコーン部17との間の空間である。主流路15の断面形状は、ドーナツ形状(中空円形)である。
循環流路18の上流端18aは、動翼列12aの下流側に位置するケーシング内面16aに開口しており、循環流路18の下流端18bは、動翼列12aの上流側に位置するケーシング内面に開口している。上流端18aと下流端18bを結ぶ循環流路18の中間部分18cはケーシング16の内面16aより外側に設けられている。
図1、図2に示すように、循環流路18の中間部分18cの少なくとも一部は、その外面19a及び内面19bが軸心Z−Z上の点Oを中心とする球面形状になっている。この例において、外面19aは点Oを中心とする半径R1の球面の一部であり、内面19bは点Oを中心とする半径R2の球面の一部である。
この例において、循環量制御装置20は、前記球面形状の外面19a及び内面19bに沿って円弧状に延びる複数のベーン20aと、Z−Z上の点Oを通る揺動軸21を中心に複数のベーン20aを揺動させるアクチュエータ20bとからなる。
複数のベーン20aの揺動は、同期するのが好ましい。また、この同期を達成するために、複数の揺動軸21を同期させる同期機構を用いるのが好ましい。また各揺動軸21をそれぞれ別のアクチュエータ20bで同期させてもよい。
従って、この構成により、循環流路18の流量を全閉から全開まで制御することができる。
このスワールの方向は、圧縮機の回転方向と同じ順スワールでも、圧縮機の回転方向と逆向きの逆スワールでもよい。また、このスワールにより、動翼列12aに流入する気体全体のスワールを制御し、効率を高めてもよい。
この図において、横軸は遠心インペラ14aの下流端を基準とする軸方向位置(mm)、縦軸は回転中心(Z−Z軸)からの半径方向距離(mm)と入口側圧力を基準とする静圧比である。
図中の圧縮機10は、回転中心(Z−Z軸)の上半分を示している。
また、複合ターボ圧縮機10の上部に示す曲線は、循環流路18がない場合の圧縮機10の各部に対応する静圧比である。
さらに、図中のA1,A2,A3,A4は、それぞれ動翼列12aの上流側、動翼列12aの位置、静翼列12bの位置、及び遠心インペラ14aの上流側における静圧を示している。なおこの静圧分布図は、所定の条件におけるシミュレーション結果である。
すなわち図3の例において、循環流路18の上流端18aは、A3に相当する静翼列12bの位置に設定されている。
この図において、横軸は流量、縦軸は圧力比と効率である。また、図中の実線は、循環流路(すなわちケーシングトリートメント)がない場合、破線は循環流路がある場合である。
さらに、図中のB1は最大回転速度における特性、B2は最小回転速度における特性、B3はその中間速度における特性、B4はサージラインを示している。すなわち、循環流路がない場合、従来の複合ターボ圧縮機はB1,B2,B4で囲まれる領域が作動領域であることを模式的に示している。
しかし、上述したように従来の抽気位置は、軸流圧縮部の上流側との差圧が低いため、抽気流量が少なく、小流量側作動域への移動が少ない。
また、従来のケーシングトリートメントでは、抽気が常時行われるため、抽気流量に相当する分、圧縮できる最大流量が減少する場合がある。
この図において、図中の太い実線は循環流路18が全閉の場合、破線は循環流路18が全開の場合である。全閉の場合、図4の従来例の循環流路(すなわちケーシングトリートメント)がない場合と一致する。また、細い実線は、全閉と全開の中間位置、すなわち循環流路18を流れる流量が最大と最小の中間流量の場合である。
この場合、本発明の第1実施形態では、図3に示したように、循環流路18の上流端18a(抽気位置)が、静圧が動翼列12a及び遠心インペラ14aの位置より高い位置(A3)に設定されているので、軸流圧縮部12の上流側(A1)との差圧が大きいため、大量の気体を抽気することができる。
その結果、本発明の第1実施形態では、小流量側へ作動域を拡大することができる。
従って、循環量制御装置20により循環流路18の流量を制御することにより、圧縮できる最大流量を維持したまま、効率を悪化させることなく小流量側へ作動域を拡大できる。
折線Cの折曲がり位置C1における効率は、図4と図5の比較から、図5の方が高いことがわかる。
これに対し、本発明では、循環流路を流れる気体の流量が多く、圧縮機インペラへと流入する見かけの流量を増加させることが可能となり、効率がほとんど低下しないものと考えられる。
その結果、見かけ上の流量が増加し、圧縮機の作動域全体が小流量側へシフトする。さらに循環流路18の流量を循環量制御装置20によって連続的に制御することにより、広範囲で作動可能な圧縮機10が実現可能となる。
図6は、本発明の第2実施形態による圧縮機の全体構成図である。
第2実施形態による圧縮機は、第1実施形態において軸流圧縮部12を省略したものである。すなわち、第2実施形態による圧縮機10は、遠心圧縮部14を備える遠心圧縮機である。
この場合、図6のように、循環流路18の上流端18aは、主流路15において、遠心インペラ14aの上流端よりも下流側に位置し、循環流路18の下流端18bは、主流路15において、遠心インペラ14aの上流端よりも上流側に位置する。第2実施形態における他の構成は、上述の第1実施形態と同じであってもよいし、適宜変更してもよい。
図7は、本発明の第3実施形態による圧縮機の全体構成図である。
第3実施形態による圧縮機は、第1実施形態において遠心圧縮部14を省略したものである。すなわち、第3実施形態による圧縮機10は、軸流圧縮部12を備える軸流圧縮機である。
この場合、図7のように、循環流路18の上流端18aは、主流路15において、動翼列12aの上流端よりも下流側に位置し、循環流路18の下流端18bは、主流路15において、動翼列12aの上流端よりも上流側に位置する。第3実施形態における他の構成は、上述の第1実施形態と同じであってもよいし、適宜変更してもよい。
10 圧縮機、12 軸流圧縮部、
12a インペラ(動翼列)、12b 静翼列、13 ロータ、
14 遠心圧縮部、14a インペラ(遠心インペラ)、
15 主流路、16 ケーシング、16a 内面、
17 コーン部、18 循環流路、
18a 上流端、18b 下流端、18c 中間部分、
19a 外面、19b 内面、
20 循環量制御装置、20a ベーン、
20b アクチュエータ、21 揺動軸
Claims (4)
- 軸心を中心に回転して気体を圧縮するインペラと、
前記インペラを囲みその内側に気体の主流路を構成するケーシングと、
前記主流路の上流側と下流側におけるケーシング内面にそれぞれ開口する循環流路と、
該循環流路を流れる気体の流量を連続的に制御可能な循環量制御装置と、を備え、
前記循環流路は、前記主流路の上流側と下流側におけるケーシング内面にそれぞれ開口する上流端及び下流端と、上流端と下流端を結ぶ中間部分とを有し、前記循環流路の前記上流端は、前記主流路において前記インペラの上流端よりも下流側に位置し、
前記中間部分の少なくとも一部は、その外面及び内面が前記軸心上の点を中心とする球面形状であり、
前記循環量制御装置は、前記球面形状の外面及び内面に沿って円弧状に延びる複数のベーンと、前記軸心上の点を通る揺動軸を中心に前記複数のベーンを揺動させるアクチュエータとからなる、ことを特徴とする圧縮機。 - 前記主流路には、前記軸心の方向に前記気体を加圧する動翼列と静翼列が配置されており、前記インペラは前記動翼列であり、
前記主流路に配置され、前記動翼列と静翼列の下流側に位置する遠心インペラを備える、ことを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。 - 前記インペラは、前記軸心に対する半径方向外側に気体を送出することで該気体を加圧する遠心インペラである、ことを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
- 前記主流路には、前記軸心の方向に前記気体を加圧する動翼列と静翼列が配置されており、前記インペラは前記動翼列である、ことを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
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