JP2012036086A - 板ガラスの製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】清澄室周辺よりも下流側の供給流路で、真に必要とする部位に改良を加えて、泡の発生による問題を回避する板ガラス製造方法を提供する。
【解決手段】溶解室2から流出した溶融ガラスGを、清澄室3を通過させて、攪拌槽4、ポット6、ポットの流路面積絞り部7を流下させ、小径パイプ8、曲成部9を有する大径パイプ10を流下させて成形体12に供給し、該成形体12にて溶融ガラスGを板状に成形する板ガラスの製造方法において、成形体12に至る供給流路における清澄室3の周辺よりも下流側で、少なくとも、大径パイプ10の曲成部9を、流路中心軸線を含む断面において、屈曲部を有することなく内周側から外周側に亘って湾曲した形状にして、溶融ガラスGの流れを調整する。
【選択図】図1

Description

本発明は、板ガラスの製造方法及び製造装置に係り、特に溶解室から流出した溶融ガラスを成形体に供給する供給流路の改良に関する。
近年においては、各種フラットパネルディスプレイの普及、とりわけ液晶ディスプレイの普及に伴って、例えば肉厚が0.3〜1.2mm程度の薄肉の液晶板ガラスが多量に製造されるに至っている。この液晶板ガラスは、オーバーフローダウンドロー法やスロットダウンドロー法に代表される各種の方法で成形されているのが実情であるが、その成形により得られた板ガラスは、表面のうねりや粗さが小さく面精度が優れているばかりでなく気泡等の異物が混入されていないことが要求される。
例えば、上記のオーバーフローダウンドロー法は、断面が略くさび形の成形体の上部に形成されたオーバーフロー槽に溶融ガラスを連続して供給し、この溶融ガラスをオーバーフロー槽から溢れさせて成形体の両側の側壁面に沿って流下させた後、成形体の下頂部で融合させて一枚の板状形態にし、この形態の板状ガラス成形体が固化した段階で、これを引張りローラが挟持しつつ下方に引き抜くことによって、最終的に製品となるべき液晶板ガラスを得る方法である。
この場合、上記の成形体には、溶解室でガラス原料を溶融することにより得られた溶融ガラスが、連続的に供給流路を流下して供給されるが、この供給流路を備えてなる板ガラスの製造装置は、以下に示すような構成とされているのが通例である。すなわち、図7に示すように、板ガラスの製造装置1は、上流端に配備された溶解室2の下流側に、清澄室3を介して攪拌槽4が通じており、この攪拌槽4と、その下流側で溶融ガラスの粘度調整を主として行う容積部であるポット6とが連結パイプ5を介して接続されている。更に、
ポット6の下部には、下方に移行するに連れて径が漸次縮小する流路面積絞り部7が形成され、この流路面積絞り部7の下流端に小径パイプ8が接続されると共に、この小径パイプ8の下流側には、途中に曲成部9を有する大径パイプ10が通じている。そして、この大径パイプ10の下流端部11から成形体12に溶融ガラスが供給され、この成形体12にて溶融ガラスGが板状の形態とされる(例えば、特許文献1、2、3参照)。
米国特許出願公開第2004/0177649号公報 特表2005―512926号公報 特公昭42―23356号公報
ところで、上記の溶解室2及び清澄室3においては、ガラス原料を溶融させることに加えて、清澄剤が投入されたり或いは溶融ガラスの温度分布の均一化作用が行われることから、清澄室3及びその周辺のパイプ3a内を溶融ガラスが流下する際には、溶融ガラス中に泡が発生する確率は極めて低く、それによる問題は生じ難い。しかしながら、溶融ガラスの供給流路の清澄室3周辺よりも下流側では、流路周面の近傍における溶融ガラス中の酸素濃度が高く、その一方で、流路の中央部分(流路の中心軸線付近)における溶融ガラ
ス中の酸素濃度が低くなるという現象が生じる。このような現象は、流路周面の近傍(特に界面)では、溶融ガラスに含まれている水分中の水素が流路周面を通じて外気中に放出され、酸素のみが流路内(流路周面の近傍)に残存することが一要因となって生じる。
しかも、溶融ガラスの流速は、流路周面の近傍では低いことから、上記の酸素が溜まっていく傾向にあり、そのため流路周面の近傍における溶融ガラス中の酸素濃度が更に高くなる。そして、この酸素濃度が飽和状態に達した時点で泡が発生し、溶融ガラス中に泡が混入された状態となり、そのような溶融ガラスが成形体に供給されたならば、最終的に得られる板ガラスの品位低下を招き、不良品の発生確率が高くなる。
このような事項を勘案すれば、上記の清澄室3周辺よりも下流側の供給流路の全領域で泡が発生し得ることになるが、本発明者等は、上記のような問題を招来する程までに泡が発生する部位は、清澄室3周辺よりも下流側の供給流路の一部のみの領域であるということを推認するに至った。しかしながら、図7からも明らかなように、清澄室3周辺よりも下流側の供給流路は、複雑な構造ないしは形状を有しているため、いかなる部位で泡の発生が問題となるかを的確に見い出すことは極めて困難なことであると共に、そのような泡の発生に対しては何ら対策が講じられていないのが実情である。
本発明は、上記事情に鑑み、清澄室周辺よりも下流側の供給流路で、真に必要とする部位に改良を加えて、泡の発生による問題を回避することを技術的課題とする。
本発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、溶解室から成形体に至る溶融ガラスの供給流路のうち、清澄室周辺よりも下流側の供給流路における特定の部位で泡の発生による問題が生じることを見い出し、これに基づいて本発明が完成するに至った。
すなわち、上記技術的課題を解決するためになされた本発明に係る方法は、溶解室から流出した溶融ガラスを、清澄室を通過させて、攪拌槽から連結パイプを介してポットに流下させた後、溶融ガラス流れ方向が下方向である該ポットの流路面積絞り部を流下させ、更にその下流側に接続された小径パイプを流下させた後、その下流側に通じ且つ途中に溶融ガラス流れ方向を下方向から横方向に変換する部位である曲成部を有する大径パイプを流下させて成形体に供給し、該成形体にて溶融ガラスを板状に成形する板ガラスの製造方法において、前記清澄室の周辺よりも下流側で、少なくとも、前記大径パイプの曲成部を、流路中心軸線を含む断面において、屈曲部を有することなく内周側から外周側に亘って湾曲した形状にして、溶融ガラスの流れを調整することに特徴づけられる。
本発明に係る方法の説明に先立って、従来の問題点を説明しておく。すなわち、大径パイプの曲成部は、直線上に沿って延びる複数の管を連結してなるため、既述の図7に示すように、屈曲度合いの大きな複数の屈曲部9aを有しており(既述の特許文献2の図2、図8、図11にも記載)、これらの屈曲部9aの存在により溶融ガラスの流れに停滞(淀み)が生じ、流路周面の近傍で酸素が溜まることにより、酸素濃度が飽和状態に達し、溶融ガラス中に泡となって混在する事態を招いていた。
そこで、本発明では、屈曲部等が多数箇所に存在する複雑な形態の供給流路において、大径パイプの曲成部に着目した。そして、この大径パイプの曲成部を、流路中心軸線を含む断面において、屈曲部を有することなく内周側から外周側に亘って湾曲した形状としたことにより、大径パイプ内を方向変換しながら流れる溶融ガラスに不当な停滞が生じなくなり、この大径パイプの曲成部での泡の発生確率が可及的に低減することになる。したがって、この大径パイプの曲成部の流路形状は、その部位を流下する溶融ガラスの流路周面の近傍における酸素濃度が飽和状態に達することを抑制するような流路形状とされていることになる。尚、溶融ガラスとしては、1000ポイズの粘度に相当する温度が1350℃以上となる特性を有するもの(以下、高粘性ガラスともいう)であれば、上記の利点を享受する上で好適である。
この場合、前記連結パイプの流路周面は、流路中心軸線を含む断面において、深さが3mmを超える凹部または凸部を有していないことが好ましい。
このようにすれば、連結パイプの流路周面の近傍を流れる溶融ガラスに、周溝の形成に起因する不当な停滞が生じなくなり、この連結パイプ内での泡の発生確率が可及的に低減することになる。
また、前記ポットの流路面積絞り部は、流路中心軸線を含む断面において、絞り角度が20度以下で屈曲し、または曲率半径が50mm以上で滑らかに湾曲していることが好ましい。
このようにすれば、ポットの流路面積絞り部の始端における屈曲部の屈曲度合いが小さくなり、或いは屈曲することなく緩やかに湾曲することになるので、ポットの流路面積絞り部を流下する溶融ガラスに不当な停滞が生じなくなり、この部位での泡の発生確率が可及的に低減することになる。
そして、少なくとも、前記大径パイプの流路周面は、白金または白金合金で形成されていることが好ましい。
このようにすれば、上述の高粘性ガラスを溶融ガラスとして供給する場合に、充分な耐熱性ひいては耐久性を有する流路周面を得ることができる。
以上の構成を備えた成形方法は、例えばオーバーフローダウンドロー法またはスロットダウンドロー法の何れにより板ガラスを成形する場合であっても好適である。
また、オーバーフローダウンドロー法のみにより板ガラスを成形する場合には、以下に示すような構成を更に備えていることが好ましい。
すなわち、前記大径パイプの下流端部から前記成形体に通じる流路を、溶融ガラスが流下する際に、その流路周面の近傍に存する溶融ガラス中の酸素濃度が飽和状態に達することを抑制すべく、溶融ガラスの流れを調整することが好ましい。
このようにすれば、オーバーフローダウンドロー法を採用した場合に、既述の部位以外での泡の発生確率が高い部位、つまり大径パイプの下流端部から成形体に通じる流路についても、その流路周面の近傍における溶融ガラス中の酸素濃度が飽和状態に達することを抑制するために、溶融ガラスの流れが調整されることになり、適切な部位を選択した上で泡の発生の問題を回避することが可能となる。詳述すると、大径パイプの下流端部から成形体に通じる流路は、既述の図7に示すように、成形体側に向かって45度程度の角度で上昇しつつ傾斜する上面部11aを有しており(既述の特許文献1のFIG.1及び特許文献2の図2等にも記載)、この上面部11aの存在により溶融ガラスの流れに停滞が生じ、上記と同様にして泡の発生による問題を招くおそれがあった。そこで、この上面部11aにも着目し、その周面の近傍で溶融ガラス中の酸素濃度が飽和状態となることを抑制するためにその流れを調整するという簡単な手法によって、上述の如く広い領域で問題とされていた泡の発生の問題を容易に且つ低コストで回避できることになる。
この場合、前記大径パイプの下流端部から成形体に通じる流路については、その上面部が、流路中心軸線を含む垂直断面において、成形体側に向かって30度以下の角度で上昇しつつ傾斜し、または曲率半径が30mm以上で滑らかに上昇しつつ湾曲していることが好ましい。
このようにすれば、上記成形体に通じる流路の上面部における傾斜度合い(屈曲度合い)が小さくなり、或いは屈曲することなく緩やかに湾曲することになるので、その上面部に沿って流れる溶融ガラスに不当な停滞が生じなくなり、この部位での泡の発生確率が可及的に低減する。
一方、上記技術的課題を解決するためになされた本発明に係る装置は、溶解室から流出した溶融ガラスを清澄室を通過させて成形体に供給する供給流路に、攪拌槽とその下流側のポットとを連通させる連結パイプと、溶融ガラス流れ方向が下方向である前記ポットの流路面積絞り部と、その下流側に接続された小径パイプと、該小径パイプの下流側に通じ且つ途中に溶融ガラス流れ方向を下方向から横方向に変換する部位である曲成部を有する大径パイプとを備え、該大径パイプの下流端部を通じて供給された溶融ガラスを前記成形体にて板状に成形するように構成した板ガラスの製造装置において、前記清澄室の周辺よりも下流側で、少なくとも、前記大径パイプの曲成部を、流路中心軸線を含む断面において、屈曲部を有することなく内周側から外周側に亘って湾曲した形状にして、溶融ガラスの流れを調整するように構成したことに特徴づけられる。
この装置は、上記方法の基本的構成と実質的に同一であり、その作用効果も実質的に同一であるので、ここでは便宜上、その説明を省略する。
この装置において、前記大径パイプの下流端部から前記成形体に通じる流路を、溶融ガラスが流下する際に、その流路周面の近傍に存する溶融ガラス中の酸素濃度が飽和状態に達することを抑制すべく、溶融ガラスの流れを調整するように構成することが好ましい。
この構成についても、既に述べた対応する方法に係る構成と実質的に同一であり、その作用効果も実質的に同一であるので、ここでは便宜上、その説明を省略する。
以上のように本発明によれば、清澄室周辺よりも下流側で、少なくとも、大径パイプの曲成部の流路形状を、既述の形状に特定したから、その部位を流下する溶融ガラスの流路周面の近傍における酸素濃度が飽和状態に達することを抑制するように、溶融ガラスの流れが調整される。これにより、供給流路における泡の発生による問題を効率良く回避することが可能となる。
本発明の実施形態に係る板ガラスの製造装置を示す概略図である。 図2(a)は、前記製造装置の構成要素である連結パイプを示す要部拡大縦断正面図、図2(b)は、前記製造装置の構成要素である連結パイプの他の例を示す要部拡大縦断正面図である。 前記製造装置の構成要素であるポットを示す要部拡大縦断正面図である。 前記製造装置の構成要素であるポットの他の例を示す要部拡大縦断正面図である。 前記製造装置の構成要素である大径パイプの曲成部を示す要部拡大縦断正面図である。 図6(a)は、前記製造装置の構成要素である大径パイプの下流端部を示す要部拡大縦断正面図、図6(b)は、前記製造装置の構成要素である大径パイプの下流端部の他の例を示す要部拡大縦断正面図である。 従来の板ガラスの製造装置を示す概略図である。 前記従来の製造装置の構成要素である連結パイプを示す要部拡大縦断正面図である。 前記従来の製造装置の構成要素であるポットを示す要部拡大縦断正面図である。 前記従来の製造装置の構成要素であるポットの他の例を示す要部拡大縦断正面図である。 前記従来の製造装置の構成要素である大径パイプの曲成部を示す要部拡大縦断正面図である。 前記従来の製造装置の構成要素である大径パイプの下流端部を示す要部拡大縦断正面図である。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。
先ず、図1に基づいて、本発明の第1実施形態に係る板ガラスの製造装置の概略構成を説明する。この図1に示す製造装置1が、既述の図7に示す製造装置1と相違しているところは、連結パイプ5の構造、ポット6の流路面積絞り部7の形状、大径パイプ10の曲成部9の形状、及び大径パイプ10の下流端部11の形状であるである。その他の構成については実質的に同一であるので、共通する構成要件については同一符号を付し、その説明を省略する。また、この製造装置1の供給流路を流下する溶融ガラスは、1000ポイズの粘度に相当する温度が1350℃以上となる特性を有し、成形体12にてオーバーフローダウンドロー法により板ガラスが成形されると共に、最終的に得られる板ガラスは、液晶ディスプレイ用パネルの製作に用いられるガラス基板である。
図2(a)は、この実施形態に係る連結パイプ5(直径230mm)の流路中心軸線を含む断面形状を示すものであり、この連結パイプ5には、従来のような周溝が全く形成されていない。したがって、この連結パイプ5の流路周面5xの近傍には、溶融ガラスGの停滞が生じず、これに伴って流路周面5xの近傍における溶融ガラスG中の酸素濃度が飽和状態に達することはなく、その結果、溶融ガラスG中に泡が発生するという事態が生じ難くなる。
図2(b)は、この実施形態に係る連結パイプ5の他の例の同断面形状を示すものであり、この連結パイプ5には周溝(凹部)5aが形成されているものの、その凹部5aの深さL1は、3mm以下とされている。このように、凹部5aの深さL1が3mm以下と浅ければ、上記と同様に流路周面5xの近傍に溶融ガラスGの停滞が生じず、問題となるような泡の発生を招くことが回避される。
これに対して、図8に示す従来例のように、凹部5aの深さL1が5mm程度であって3mmを超えていると、流路周面5xの近傍における凹部5aの直上流側と直下流側とに溶融ガラスGの停滞部分Gxが生成され、これに起因して不当な泡の発生を招くことになるが、この実施形態に係る図2(a)、(b)に示す何れの構造であっても、従来例に比して顕著に優れたものとなる。
図3は、この実施形態に係るポット6(最大径50mm)の下部に形成された流路面積絞り部7の流路中心軸線を含む断面形状を示すものであり、流路面積絞り部7の絞り角度(非傾斜部7bに対する傾斜部7cの傾斜角度)α1が、30度以下好ましくは20度以下とされている。このような形態であると、溶融ガラスGが下方向に流れる際に、流路面積絞り部7の流路周面7xの近傍には、溶融ガラスGの停滞が生じず、これに伴って溶融ガラスG中に泡が発生するという事態が生じ難くなる。
これに対して、図9に示す従来例のように、流路面積絞り部7の絞り角度α1が35〜40度程度であって30度を超えていると、その絞り部7の流路周面7xの近傍に溶融ガラスGの停滞部分Gxが生成され、これに起因して不当な泡の発生を招くことになるが、この実施形態に係る図3に示す形態であれば、従来例に比して顕著に優れたものとなる。
図4は、この実施形態に係るポット6の下部に形成された流路面積絞り部7の他の例を示す同断面形状であり、流路面積絞り部7(その始端部)が湾曲しており、その湾曲部の曲率半径R1が30mm以上好ましくは50mm以上とされている。このような形態であっても、流路面積絞り部7の流路周面7xの近傍には、溶融ガラスGの停滞が生じず、したがって溶融ガラスG中に泡が発生するという事態が生じ難くなる。
これに対して、仮に図10に示すように、流路面積絞り部7の湾曲部の曲率半径R1が20mm程度であって30mm未満であると、その絞り部7の流路周面7xの近傍に溶融ガラスGの停滞部分Gxが生成され、これに起因して不当な泡の発生を招くことになるが、この実施形態に係る図4に示す形態であれば、顕著に優れたものとなる。
図5は、この実施形態に係る大径パイプ10の曲成部9の流路中心軸線を含む断面形状を示すものであり、この曲成部9は屈曲部を有することなく内周側から外周側に亘って湾曲した形状とされている。このような形状であると、溶融ガラスGの流れ方向を下方向から横方向に変換する部位である曲成部9の流路周面9xの近傍には、溶融ガラスGの停滞が生じず、したがって溶融ガラスG中に泡が発生するという事態が生じ難くなる。
これに対して、図11に示す従来例のように、大径パイプ10の曲成部9が3つの直線状パイプを連結させて相互間の傾斜角βが45度程度で屈曲していると、その曲成部9の屈曲する流路周面9xの近傍に溶融ガラスGの停滞部分Gxが生成され、これに起因して不当な泡の発生を招くことになるが、この実施形態に係る図5に示す形態であれば、従来例に比して顕著に優れたものとなる。
図6(a)は、この実施形態に係る大径パイプ10の下流端部11の流路中心軸線を含む垂直断面形状を示すものであり、この下流端部11における流路の上面部11aの傾斜角度α2は、30度以下好ましくは20度以下とされている。このような形状であると、大径パイプ10の下流端部11における上面部11aの流路周面11xの近傍には、溶融ガラスGの停滞が生じず、したがって溶融ガラスG中に泡が発生するという事態が生じ難くなる。
図6(b)は、この実施形態に係る大径パイプ10の下流端部11の他の例の同断面形状を示すものであり、この下流端部11における流路の上面部11aは、曲率半径R2が30mm以上好ましくは50mm以上の湾曲部を介して滑らかに連なっている。このような形態であると、上記と同様に流路周面11xの近傍に溶融ガラスGの停滞が生じず、問題となるような泡の発生を招くことが回避される。
これに対して、図12に示す従来例のように、大径パイプ10の下流端部11における上面部11aの傾斜角度α2が45度程度であって30度を超え且つ湾曲することなく屈曲していると、その上面部11aの流路周面11xの近傍に溶融ガラスGの停滞部分Gxが生成され、これに起因して不当な泡の発生を招くことになるが、この実施形態に係る図6に示す形態であれば、従来例に比して顕著に優れたものとなる。
尚、以上の実施形態は、オーバーフローダウンドロー法により板ガラスを成形する場合に本発明を適用したが、例えばスロットダウンドロー法により板ガラスを成形する場合にも同様にして本発明を適用することができるが、その場合には、図6(a)、(b)に示すような大径パイプ10の下流端部11の改良は不要である。
1 板ガラスの製造装置
2 溶解室
4 攪拌槽
5 連結パイプ
5a 凹部
6 ポット
7 流路面積絞り部
8 小径パイプ
9 大径パイプの曲成部
10 大径パイプ
11 大径パイプの下流端部
11a 大径パイプの下流端部の上面部
12 成形体
G 溶融ガラス

Claims (8)

  1. 溶解室から流出した溶融ガラスを、清澄室を通過させて、攪拌槽から連結パイプを介してポットに流下させた後、溶融ガラス流れ方向が下方向である該ポットの流路面積絞り部を流下させ、更にその下流側に接続された小径パイプを流下させた後、その下流側に通じ且つ途中に溶融ガラス流れ方向を下方向から横方向に変換する部位である曲成部を有する大径パイプを流下させて成形体に供給し、該成形体にて溶融ガラスを板状に成形する板ガラスの製造方法において、
    前記清澄室の周辺よりも下流側で、少なくとも、前記大径パイプの曲成部を、流路中心軸線を含む断面において、屈曲部を有することなく内周側から外周側に亘って湾曲した形状にして、溶融ガラスの流れを調整することを特徴とする板ガラスの製造方法。
  2. 前記大径パイプの流路周面は、白金または白金合金で形成されていることを特徴とする請求項1に記載に板ガラスの製造方法。
  3. オーバーフローダウンドロー法またはスロットダウンドロー法により板ガラスを成形することを特徴とする請求項1または2に記載の板ガラスの製造方法。
  4. 前記大径パイプの下流端部から前記成形体に通じる流路の流路形状を、溶融ガラスが流下する際にその流路周面の近傍に存する溶融ガラス中の酸素濃度が飽和状態に達することを抑制するような流路形状として、溶融ガラスの流れを調整することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の板ガラスの製造方法。
  5. 前記大径パイプの下流端部から前記成形体に通じる流路の上面部は、流路中心軸線を含む垂直断面において、成形体側に向かって30度以下の角度で上昇しつつ傾斜し、または曲率半径が30mm以上で滑らかに上昇しつつ湾曲していることを特徴とする請求項4に記載の板ガラスの製造方法。
  6. オーバーフローダウンドロー法により板ガラスを成形することを特徴とする請求項4または5に記載の板ガラスの製造方法。
  7. 溶解室から流出した溶融ガラスを清澄室を通過させて成形体に供給する供給流路に、攪拌槽とその下流側のポットとを連通させる連結パイプと、溶融ガラス流れ方向が下方向である前記ポットの流路面積絞り部と、その下流側に接続された小径パイプと、該小径パイプの下流側に通じ且つ途中に溶融ガラス流れ方向を下方向から横方向に変換する部位である曲成部を有する大径パイプとを備え、該大径パイプの下流端部を通じて供給された溶融ガラスを前記成形体にて板状に成形するように構成した板ガラスの製造装置において、
    前記清澄室の周辺よりも下流側で、少なくとも、前記大径パイプの曲成部を、流路中心軸線を含む断面において、屈曲部を有することなく内周側から外周側に亘って湾曲した形状にして、溶融ガラスの流れを調整するように構成したことを特徴とする板ガラスの製造装置。
  8. 前記大径パイプの下流端部から前記成形体に通じる流路の流路形状を、溶融ガラスが流下する際にその流路周面の近傍に存する溶融ガラス中の酸素濃度が飽和状態に達することを抑制するような流路形状として、溶融ガラスの流れを調整するように構成したことを特徴とする請求項7に記載の板ガラスの製造装置。
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